JP3557239B2 - Rnaの安定な検出方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、RNAの検出方法に関し、さらに詳しくは、RNA分解酵素の活性を抑制することによってRNAをより安定な状態に保ち、被検RNAを高感度で検出する方法に関する。
【0002】
【従来技術】
メッセンジャーRNA(mRNA)の検出・同定による遺伝子発現の研究や、リボゾームRNA(rRNA)の特異的検出による生物種の同定など、ハイブリダイゼーション法を利用するRNAの検出方法はきわめて重要な技術である。しかしながら、RNAは非常に不安定な物質であり、その検出には高度な技術と細心の注意が必要である。
RNAが不安定になる原因として主にRNA分解酵素(以下、RNaseという)の存在がある。生物の細胞内には必ずRNaseが存在し、遺伝子発現システムで働いている。
被検液を調製する工程やその後の検出の工程において、RNaseが混入していると一般に検出価が減少する。
本発明者らは先に、隣接するプローブを用いたRNAの検出方法を開発し、その方法により、ハイブリダイゼーション及びその後の操作においてRNaseの影響を減少させることが可能となった。しかしながら、RNase活性が非常に高い環境下では、上記の隣接するプローブを用いたハイブリダイゼーション法でもRNAが不安定になることがあり、例えばハイブリダイゼーションする前にRNAが部分的に分解してしまうことがある。
RNAの検出効率を高めるために、できる限りRNaseの影響を除いて検出操作を行う必要がある。
RNase阻害剤として、ヒト胎盤由来RNaseインヒビターといったタンパク質性のRNaseインヒビターや、バナジウム化したヌクレオチドなどが広く用いられているが、これらは非常に高価であり、かつ阻害活性を示す条件が限定されており、実用的ではない。また、ヘパリンもRNase阻害活性を有することが知られているが、ハイブリダイゼーション法を利用するRNAの検出方法においては有効でない。
また、多くの培養細胞や特殊な微生物の培地には血清が添加されているが、この中にも多量のRNaseが存在している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、RNaseの活性を抑制しRNAをより安定な状態で保ち、被検RNAを高感度で検出する方法を提供することである。
本発明の他の目的は、上記方法に使用するための中和液を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成するために、安価で、かつ環境に左右されずにRNase活性を阻害する物質を検索した。その結果、細胞をアルカリ変性させ、次いで2価以上の金属イオン及びポリリン酸イオンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する中和液で処理することにより、RNase活性が阻害され、よって被検液中のRNAを高感度で検出することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
従って、本発明は、細胞含有被検液にアルカリを添加して細胞をアルカリ変性させ、次いで2価以上の金属イオン及びポリリン酸イオンを含有する中和液で処理した後、被検液中のRNAの存在を検出することを特徴とするRNAの検出方法である。
本発明の好ましい実施態様によれば、検出がハイブリダイゼーション法によって行われる。
本発明はまた、RNAが細菌RNAである上記RNAの検出方法に関する。
本発明の方法で検出されるRNAとして、具体的にリボゾームRNA(rRNA)やメッセンジャーRNA(mRNA)が挙げられる。
本発明はさらに、下記の成分を含む上記RNAの検出方法に使用するための中和液を提供する。
(イ)バッファー;及び
(ロ)2価以上の金属イオン及びポリリン酸イオン
本発明の好ましい実施態様によれば、2価以上の金属イオンはマグネシウムイオン、カルシウムイオン、亜鉛イオン、銅イオン、マンガンイオン、モリブデンイオン、コバルトイオン及び鉛イオンからなる群から選ばれる。
【0005】
本発明に使用される細胞含有被検液は特に限定されるものではなく、例えば細菌の培養液などが挙げられる。
本発明において、細胞のアルカリ変性は常法に従って行えばよく、また慣用的に用いられるアルカリを使用することができる。それらの例としてNaOH、KOHなどが挙げられる。アルカリのみでは変性しにくいときは、例えばメチシリン耐性黄色ブドウ状球菌(MRSA)などの場合にはリソスタフィン(Lysostaphin)などの細胞壁溶解酵素で前処理を行ってもよい。
本発明で使用する中和液は、中和液に通常使用されるバッファー、例えばリン酸バッファーやトリス塩酸バッファーなどの中性バッファーを含む塩酸、硫酸、硝酸などに、2価以上の金属イオンと酸の陰イオン成分からなる塩及びポリリン酸塩を添加し溶解させることによって調製される。
上記酸は無機酸でも有機酸でもよく、例えば塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、炭酸や、酢酸、シュウ酸、酒石酸、安息香酸などのカルボン酸、スルホン酸、スルフィン酸などが挙げられる。また、ポリリン酸塩としてはナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩などが挙げられる。
【0006】
2価以上の金属イオンを含む塩の添加量は、金属イオンによって異なり一概に限定されないが、一般に被検液におけるその濃度が0.1〜50mM程度になるのが適当であり、さらに好ましくは4〜30mM程度が適当である。マグネシウムイオン及びカルシウムイオンについては、上記範囲でも比較的高い濃度で添加されることが好ましい。
またポリリン酸塩の添加量は、被検液におけるその濃度が0.01〜0.3重量%程度が適当であり、さらに好ましくは0.05〜0.2重量%が適当である。
2価以上の金属イオンは、アルカリ溶菌処理前に添加してもよいし、あるいはアルカリ溶菌処理時に添加してもよいが、一般に金属イオンの溶解性は酸性側で高いので、中和処理液に添加しておくのが最も効果的であると考えられる。しかしながら、中和液中で溶解していてもアルカリ処理液と混合した時に、沈殿が生じる場合がある。このような沈殿はハイブリダイゼーションを阻害することがあるので、生じた沈殿を除去することが必要となる。従って、ハイブリダイゼーションに影響を与えない限り、添加する2価以上の金属イオンの濃度は高いほど望ましいが、通常の操作において沈殿が生じない条件で添加するのが好ましい。
【0007】
従来、細胞からRNAを抽出しこれを検出する方法としては、チオシアン酸グアニジンや尿素、フェノールなどでタンパク質を変性させ、これを除去し、エタノール沈殿などで得られたものを用いることが一般的であるが、例えばrRNAなどの場合は、単純に細胞をアルカリ変性することによって抽出し、これをサンプルとして直接ハイブリダイゼーションを行う場合がある。
これらのRNAサンプルは、直接もしくは電気泳動で分離したものをナイロンフィルターなどの担体に固定化し、ハイブリダイゼーションを行う場合が多い。この場合、RNaseの影響が少なくなるので、固定化した後はRNaseの影響をあまり考える必要はない。しかしながらこのようなフィルターを用いるハイブリダイゼーション法は、手間がかかり、定量が困難であるという問題点を有する。
一方、本発明者らが先に開発した隣接プローブを用いるハイブリダイゼーション法は、溶液系で実施される簡便・迅速な方法であって、フィルターを用いる方法に比べてハイブリダイゼーションの効率が高いが、RNaseの影響を受けやすく、このRNaseの影響を除外する工夫をする必要がある。
【0008】
血清には高いRNase活性があることが知られている。下記実施例1に示すような高濃度の血清を含む培地を利用して菌体を培養した場合、この培養液を従来のようにアルカリ溶菌、中和処理し、ハイブリダイゼーションに供すると、血清中のRNase活性がアルカリ処理後も残存しており、特定RNAの検出値が減少してしまう。このような場合、本発明のRNAの検出方法を採用することにより、サンプルの保存性も良好で、ハイブリダイゼーション法による検出値も安定し増加する。
また、mRNAは、rRNAよりもさらに分解されやすく、rRNAでは問題にならないような微量のRNaseの影響を受ける。従って、本発明の方法によりmRNAの検出感度を顕著に上昇させることができる。
本発明のRNAの検出方法において、被検液中のRNAの検出には慣用の方法を利用することができる。中でもハイブリダイゼーション法が好ましく、慣用の任意のハイブリダイゼーション法を使用することができる。
【0009】
本発明に使用されるハイブリダイゼーション法の一具体例として、隣接する2種の核酸プローブを用いるRNAの検出方法(以下、隣接ハイブリダイゼーション法という)を下記に説明する。
この方法は、被検RNAの塩基配列のうち、特異的な10塩基以上の部分配列(A)の逆相補鎖DNA又はRNAと、被検RNA上で部分配列(A)の近傍に存在する10塩基以上の部分配列(B)の逆相補鎖DNA又はRNAを用意し、一方を捕捉プローブとして担体に固定し、他方を標識物質で標識して標識プローブとし、被検RNAを含む試料及び標識プローブを該担体に固定された捕捉プローブと接触させて被検RNAに捕捉プローブと標識プローブをハイブリダイズさせ、被検RNAに結合した標識プローブの標識物質を検出することにより被検RNAの存在を検出することを特徴とする。
この検出方法では、2種の核酸プローブを用いることでRNA分子の切断の影響を極力防ぎ、またRNAを迅速・簡便に検出することができる。
使用する第1の核酸プローブは、被検RNAの塩基配列のうち、特異的な10塩基以上の部分配列(A)の逆相補鎖DNA又はRNAである。この第1の核酸プローブは10塩基以上、好ましくは15〜50塩基のものが適当である。
使用する第2の核酸プローブは、被検RNA上で部分配列(A)の近傍に存在する10塩基以上、好ましくは15〜50塩基の部分配列(B)の逆相補鎖DNA又はRNAである。
【0010】
部分配列(B)は部分配列(A)の近傍に存在することが必要であって、部分配列(A)の5’側、3’側のどちらに存在してもよい。配列(B)の3’末端と配列(A)の5’末端が、あるいは配列(B)の5’末端と配列(A)の3’末端が完全に隣接していることが好ましい。
配列(B)の3’末端配列と配列(A)の5’末端配列、あるいは配列(B)の5’末端配列と配列(A)の3’末端配列が重複してもよいが、その場合、それらの逆相補鎖核酸プローブがハイブリダイズする際に、その重複部分で被検RNAに対して競合が起こり感度が低下する確率が高まる。従って、そのような重複部分はできるだけ短い方がよく、5塩基未満が好ましく、全く重複がないこと、すなわち完全に隣接していることがより好ましい。
一方、配列(A)と配列(B)が重複も隣接もせず、すなわち離れていてもよいが、それらの逆相補鎖核酸プローブがハイブリダイズした結果、被検RNA上の配列(A)と配列(B)の間に1本鎖部分が生じ、この部分に切断が生じやすくなり、感度が低下する確率が高まる。従って、配列(A)と配列(B)が離れて存在する場合、配列(B)の3’末端と配列(A)の5’末端、あるいは配列(B)の5’末端と配列(A)の3’末端の距離は、できるだけ短い方がよく、5塩基以内が好ましく、離れていないこと、すなわち完全に隣接していることが最も好ましい。
【0011】
配列(A)の逆相補鎖である特異配列DNA及び配列(A)に隣接する配列(B)の逆相補鎖DNAである隣接配列DNAを化学的に合成し、いずれか一方を捕捉プローブとして担体に固定し、他方を標識物質で標識して標識プローブとする。特異配列と隣接配列はいずれを捕捉プローブ(又は標識プローブ)としてもよい。標識物質としては、例えば、ジゴキシゲニン(Dig)、ビオチン、臭化デオキシウリジン、フルオロエスセイン等が挙げられる。
この検出方法ではこの捕捉プローブを適当な担体に固定する。担体としては、例えば、核酸との結合性が高い有機ポリマーを素材とするマイクロタイタープレートなどを用いることができる。捕捉プローブの固定法は、特に限定されるものではないが、例えば、上記のプレートに捕捉プローブDNA又はRNA溶液を入れ、乾燥後、紫外線照射などにより固定する方法や、あるいはグルタルアルデヒド法などの共有結合法を用いてもよい。
次に被検RNAを含む試料と標識プローブを該担体に固定された捕捉プローブと接触させて被検RNAと捕捉プローブ及び標識プローブをハイブリダイズさせる。次いで、被検RNAと結合した標識プローブの標識物質を検出することにより被検RNAを検出する。
【0012】
被検RNA液を、標識プローブとともに捕捉プローブを固定した担体上に加え、15〜60℃で3分〜18時間ハイブリダイゼーションを行なう。適切な溶液(洗浄液1)で洗浄し、標識化合物と結合する物質に酵素を結合させたものを加え一定時間反応させる。標識化合物と結合する物質は特定されるものではないが、例えば標識プローブがビオチンで標識されている場合にはビオチン結合西洋ワサビペルオキシダーゼとアビジンの混合物、また、Digで標識されている場合には抗Dig免疫グロブリンと西洋ワサビペルオキシダーゼの結合体を用いることができる。
適切な溶液(洗浄液2)で洗浄後、適切な酵素基質を加える。酵素基質は特定されるものではないが、例えば西洋ワサビペルオキシダーゼを用いた場合には、テトラメチルベンジジンと過酸化水素を基質とすることによって青色の反応産物を得ることができる。勿論、蛍光基質や発光基質などを用いることもでき、この場合にはより高い検出感度を得ることができる。
洗浄液1、2は、特定されるものではないが、例えば0.05%程度の界面活性剤を含む生理食塩水等を用いることができる。
【0013】
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例1】
マイコプラズマ・ハイオニューモニエのrRNAの検出
〔隣接プローブを用いるハリブリダイゼーション法に使用する捕捉プローブと標識プローブの調製〕
マイコプラズマ・ハイオニューモニエを検出するためのプローブセットを作成した。マイコプラズマ・ハイオニューモニエ ST−11株の16SrRNA塩基配列から2つの部分配列を選択し、それぞれ配列番号1、配列番号2で表される2本の逆相補鎖DNAを合成した。配列番号1と配列番号2のDNAは、それぞれ隣接してマイコプラズマ・ハイオニューモニエ ST−11株の16SrRNAにハイブリダイズする。
配列番号1:5’−TATTC AAAGG AGCCT TCAAG CTTCA CCAAG
配列番号2:5’−TAACT AATGT TGCGC ACCCC CATTT
標識プローブには配列番号1、捕捉プローブには配列番号2のDNAを用いた。各DNAはDNA合成装置(PCR−MATEモデル391、ABI社)を用いて合成した。
捕捉プローブを0.02μg/μl になるように50mMリン酸ナトリウムバッファー、pH8.0 に溶解した。これをマイクロタイタープレート(住友ベークライト製、MS−3608FA)の各ウェルに50μl 加え、80℃で乾燥させた。紫外線を120mJ/cm照射した後、30mMクエン酸ナトリウム/300mM塩化ナトリウム(2×SSC)200 μl で3、4回洗浄し乾燥させた。
標識プローブは下記表1の組成の反応液でジゴキシゲニン(Dig) 標識を行った。
【0014】
【表1】
Figure 0003557239
【0015】
標識反応後、1/10容の0.2M EDTA 、1/10容の4M LiCl 、3μgのグリコーゲン及び2.5 倍容のエタノールを加え−80℃で、一晩放置した。遠心分離により沈殿を集め、70% エタノールで洗浄し乾燥させた後、0.2mlの10mM Tris−HCl,pH8/1mM EDTAに溶解した。
得られた標識プローブの4μl を下記表2に示すハイブリダイゼーションバッファーと混合した(標識プローブ液)。なお、標識プローブ液は4℃で1ヵ月以上の保存が可能である。
【0016】
【表2】
Figure 0003557239
* 0.15M 塩化ナトリウム/0.015M クエン酸ナトリウム
** あらかじめ100 ℃、10分の変性処理を行った。
【0017】
〔被検液の調製〕
マイコプラズマ・ハイオニューモニエ ST−11株を表3に示す組成の培地で3日間、37℃で培養した。培養液を0.8mlとり、0.1mlの1N NaOHを加え、37℃、10分放置後、表4に示す濃度で各種物質を含む中和液0.1ml(1N HCl/0.2Mリン酸バッファー、pH7.2)を加えて、被検液を得た。
【0018】
【表3】
Figure 0003557239
【0019】
上記で得た各種被検液を放置せずに、または室温(約20℃)で3時間放置した後、下記の隣接ハイブリダイゼーション法に供し、検出を行った。その結果を表4に併せて示す。
被検液50μl と標識プローブ液50μl を捕捉プローブが固定されたマイクロタイタープレートに入れ、37℃、1時間振盪する。
0.05%Tween20を含む生理食塩水(洗浄液)で3回洗浄した後、1%ブロッキング剤(20mM Tris−HCl, pH7.5/0.15M NaCl)で10000 倍希釈した抗Dig ヒツジ抗体−西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP、ベーリンガーマンハイム社製)を加え30分放置後、洗浄液で3回洗浄し、発色基質液(A液:0.12% 3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン/0.1M 酢酸ナトリウム,pH5/30%ジメチルホルムアミド、B液:0.03% 過酸化水素/0.2% リン酸、使用時にA液とB液を1:1で混合)100 μl を加え5〜15分放置する。得られた青色液の吸光度を660nm の波長で測定した。
【0020】
【表4】
Figure 0003557239
*) 最終濃度(被検液における濃度)は、これらの1/10となる。
【0021】
表4の結果から、種々の2価以上の金属イオンにより、検出値が向上しRNAの安定効果が発揮されていることがわかる。中でも亜鉛イオン、銅イオンの効果が顕著である。
一方、ポリ陰イオンでも、ヘパリンやポリアクリル酸ナトリウムなどはほとんど効果を示さないが、ポリリン酸イオンは顕著な効果を示す。さらに、ポリリン酸イオンと亜鉛イオンあるいは銅イオンを併用することによって、検体液を3時間室温に放置しても検出値はほとんど変化せず、相乗効果が示されることがわかる。
【0022】
【実施例2】
〔大腸菌β−ガラクトシダーゼ遺伝子の転写産物(mRNA)の検出〕
大腸菌菌株は、JM109 株及び本株をプラスミドpUC118で形質転換したものを用いた。検出する遺伝子は、大腸菌のβ−ガラクトシダーゼ遺伝子であり、その一部がpUC118に含まれているが、この領域から配列番号3で表されるDNAをマイクロタイタープレートに固定し、配列番号4で表されるDNAをジゴキシゲニンで標識し、ハイブリダイゼーションに供した。LB培地で一晩培養した培養液を、新しいLB培地に1/100 容加え、37℃、1時間培養した。これにイソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)を最終2mMになるように加えβ−ガラクトシダーゼを誘導、さらに37℃、1時間培養を続けた。
培養液に1N NaOHを1/8 容加え、37℃、10分処理後、中和液(1N HCl/0.2Mリン酸バッファー(pH7.2) あるいはこのバッファーに20mM ZnCl及び1%ポリリン酸ナトリウムを含むもの)を加え、実施例1に示した方法に従って検出を行った。結果を表5に示す。
配列番号3:5’−GGGAT GTGCT GCAAG GCGAT
配列番号4:5’−TAAGT TGGGT AACGC CAGGG T
【0023】
【表5】
β−ガラクトシダーゼ遺伝子の転写産物(mRNA)の検出
Figure 0003557239
【0024】
pUC118は細胞内のコピー数が1,000 以上と非常に多コピーであり、転写産物も単一遺伝子の場合に比べ、大量に生産されているものと思われる、また、転写誘導をかけない状態では検出値がバックグラウンドレベルであることから、これらの検出試験ではプラスミドDNAは検出されていないことがわかる。従って、誘導をかけた形質転換株で得られた検出値は細胞内のmRNAレベルを反映しているものと考えられる。
【0025】
【発明の効果】
被検液のRNA保存安定性がよく、またRNAを高感度で検出することができる。
【0026】
【配列表】
Figure 0003557239
【0027】
Figure 0003557239
【0028】
Figure 0003557239
【0029】
Figure 0003557239

Claims (8)

  1. 細胞含有被検液にアルカリを添加して細胞をアルカリ変性させ、次いで2価以上の金属イオン及びポリリン酸イオンを含有する中和液で処理した後、被検液中のRNAの存在を検出することを特徴とするRNAの検出方法。
  2. 検出がハイブリダイゼーション法によって行われる請求項1記載のRNAの検出方法。
  3. 金属イオンがマグネシウムイオン、カルシウムイオン、亜鉛イオン、銅イオン、マンガンイオン、モリブデンイオン、コバルトイオン及び鉛イオンからなる群から選ばれる請求項1または2記載のRNAの検出方法。
  4. RNAが細菌RNAである請求項1〜3のいずれか1項に記載のRNAの検出方法。
  5. RNAがリボゾームRNAである請求項1〜4のいずれか1項に記載のRNAの検出方法。
  6. RNAがメッセンジャーRNAである請求項1〜4のいずれか1項に記載のRNAの検出方法。
  7. 下記成分を含む請求項1〜6のいずれか1項に記載のRNAの検出方法に使用するための中和液。
    (イ)バッファー;及び
    (ロ)2価以上の金属イオン及びポリリン酸イオン
  8. 金属イオンがマグネシウムイオン、カルシウムイオン、亜鉛イオン、銅イオン、マンガンイオン、モリブデンイオン、コバルトイオン及び鉛イオンからなる群から選ばれる請求項7記載の中和液。
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