JPH07265098A - Rnaの安定な検出方法 - Google Patents

Rnaの安定な検出方法

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JPH07265098A
JPH07265098A JP6061465A JP6146594A JPH07265098A JP H07265098 A JPH07265098 A JP H07265098A JP 6061465 A JP6061465 A JP 6061465A JP 6146594 A JP6146594 A JP 6146594A JP H07265098 A JPH07265098 A JP H07265098A
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聡 布藤
Yasuhiro Seto
泰裕 瀬戸
Shizuo Mise
静男 三瀬
Takashi Taneda
貴至 種田
Takanori Namimatsu
孝憲 並松
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National Federation of Agricultural Cooperative Associations
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 細胞含有被検液にアルカリを添加して細胞を
アルカリ変性させ、次いで2価以上の金属イオン及びポ
リリン酸イオンからなる群から選ばれる少なくとも1種
を含有する中和液で処理した後、被検液中のRNAの存
在を検出することを特徴とするRNAの検出方法;(イ)
バッファー及び(ロ) 2価以上の金属イオン及びポリリン
酸イオンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む
上記RNAの検出方法に使用するための中和液。 【効果】 被検液のRNA保存安定性がよく、またRN
Aを高感度で検出することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、RNAの検出方法に関
し、さらに詳しくは、RNA分解酵素の活性を抑制する
ことによってRNAをより安定な状態に保ち、被検RN
Aを高感度で検出する方法に関する。
【0002】
【従来技術】メッセンジャーRNA(mRNA)の検出
・同定による遺伝子発現の研究や、リボゾームRNA
(rRNA)の特異的検出による生物種の同定など、ハ
イブリダイゼーション法を利用するRNAの検出方法は
きわめて重要な技術である。しかしながら、RNAは非
常に不安定な物質であり、その検出には高度な技術と細
心の注意が必要である。RNAが不安定になる原因とし
て主にRNA分解酵素(以下、RNaseという)の存
在がある。生物の細胞内には必ずRNaseが存在し、
遺伝子発現システムで働いている。被検液を調製する工
程やその後の検出の工程において、RNaseが混入し
ていると一般に検出価が減少する。本発明者らは先に、
隣接するプローブを用いたRNAの検出方法を開発し、
その方法により、ハイブリダイゼーション及びその後の
操作においてRNaseの影響を減少させることが可能
となった。しかしながら、RNase活性が非常に高い
環境下では、上記の隣接するプローブを用いたハイブリ
ダイゼーション法でもRNAが不安定になることがあ
り、例えばハイブリダイゼーションする前にRNAが部
分的に分解してしまうことがある。RNAの検出効率を
高めるために、できる限りRNaseの影響を除いて検
出操作を行う必要がある。RNase阻害剤として、ヒ
ト胎盤由来RNaseインヒビターといったタンパク質
性のRNaseインヒビターや、バナジウム化したヌク
レオチドなどが広く用いられているが、これらは非常に
高価であり、かつ阻害活性を示す条件が限定されてお
り、実用的ではない。また、ヘパリンもRNase阻害
活性を有することが知られているが、ハイブリダイゼー
ション法を利用するRNAの検出方法においては有効で
ない。また、多くの培養細胞や特殊な微生物の培地には
血清が添加されているが、この中にも多量のRNase
が存在している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、RN
aseの活性を抑制しRNAをより安定な状態で保ち、
被検RNAを高感度で検出する方法を提供することであ
る。本発明の他の目的は、上記方法に使用するための中
和液を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために、安価で、かつ環境に左右されずに
RNase活性を阻害する物質を検索した。その結果、
細胞をアルカリ変性させ、次いで2価以上の金属イオン
及びポリリン酸イオンからなる群から選ばれる少なくと
も1種を含有する中和液で処理することにより、RNa
se活性が阻害され、よって被検液中のRNAを高感度
で検出することができることを見出し、本発明を完成さ
せるに至った。従って、本発明は、細胞含有被検液にア
ルカリを添加して細胞をアルカリ変性させ、次いで2価
以上の金属イオン及びポリリン酸イオンからなる群から
選ばれる少なくとも1種を含有する中和液で処理した
後、被検液中のRNAの存在を検出することを特徴とす
るRNAの検出方法である。本発明の好ましい実施態様
によれば、検出がハイブリダイゼーション法によって行
われる。本発明はまた、RNAが細菌RNAである上記
RNAの検出方法に関する。本発明の方法で検出される
RNAとして、具体的にリボゾームRNA(rRNA)
やメッセンジャーRNA(mRNA)が挙げられる。本
発明はさらに、下記の成分を含む上記RNAの検出方法
に使用するための中和液を提供する。(イ) バッファー;
及び(ロ) 2価以上の金属イオン及びポリリン酸イオンか
らなる群から選ばれる少なくとも1種 本発明の好ましい実施態様によれば、2価以上の金属イ
オンはマグネシウムイオン、カルシウムイオン、亜鉛イ
オン、銅イオン、マンガンイオン、モリブデンイオン、
コバルトイオン及び鉛イオンからなる群から選ばれる。
【0005】本発明に使用される細胞含有被検液は特に
限定されるものではなく、例えば細菌の培養液などが挙
げられる。本発明において、細胞のアルカリ変性は常法
に従って行えばよく、また慣用的に用いられるアルカリ
を使用することができる。それらの例としてNaOH、
KOHなどが挙げられる。アルカリのみでは変性しにく
いときは、例えばメチシリン耐性黄色ブドウ状球菌(M
RSA)などの場合にはリソスタフィン(Lysostaphin)
などの細胞壁溶解酵素で前処理を行ってもよい。本発明
で使用する中和液は、中和液に通常使用されるバッファ
ー、例えばリン酸バッファーやトリス塩酸バッファーな
どの中性バッファーを含む塩酸、硫酸、硝酸などに、2
価以上の金属イオンと酸の陰イオン成分からなる塩及び
/またはポリリン酸塩を添加し溶解させることによって
調製される。上記酸は無機酸でも有機酸でもよく、例え
ば塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、炭酸や、酢酸、シュウ
酸、酒石酸、安息香酸などのカルボン酸、スルホン酸、
スルフィン酸などが挙げられる。また、ポリリン酸塩と
してはナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩などが挙
げられる。
【0006】2価以上の金属イオンを含む塩の添加量
は、金属イオンによって異なり一概に限定されないが、
一般に被検液におけるその濃度が0.1〜50mM程度にな
るのが適当であり、さらに好ましくは4〜30mM程度が
適当である。マグネシウムイオン及びカルシウムイオン
については、上記範囲でも比較的高い濃度で添加される
ことが好ましい。またポリリン酸塩の添加量は、被検液
におけるその濃度が0.01〜0.3重量%程度が適当であ
り、さらに好ましくは0.05〜0.2重量%が適当であ
る。2価以上の金属イオンは、アルカリ溶菌処理前に添
加してもよいし、あるいはアルカリ溶菌処理時に添加し
てもよいが、一般に金属イオンの溶解性は酸性側で高い
ので、中和処理液に添加しておくのが最も効果的である
と考えられる。しかしながら、中和液中で溶解していて
もアルカリ処理液と混合した時に、沈殿が生じる場合が
ある。このような沈殿はハイブリダイゼーションを阻害
することがあるので、生じた沈殿を除去することが必要
となる。従って、ハイブリダイゼーションに影響を与え
ない限り、添加する2価以上の金属イオンの濃度は高い
ほど望ましいが、通常の操作において沈殿が生じない条
件で添加するのが好ましい。
【0007】従来、細胞からRNAを抽出しこれを検出
する方法としては、チオシアン酸グアニジンや尿素、フ
ェノールなどでタンパク質を変性させ、これを除去し、
エタノール沈殿などで得られたものを用いることが一般
的であるが、例えばrRNAなどの場合は、単純に細胞
をアルカリ変性することによって抽出し、これをサンプ
ルとして直接ハイブリダイゼーションを行う場合があ
る。これらのRNAサンプルは、直接もしくは電気泳動
で分離したものをナイロンフィルターなどの担体に固定
化し、ハイブリダイゼーションを行う場合が多い。この
場合、RNaseの影響が少なくなるので、固定化した
後はRNaseの影響をあまり考える必要はない。しか
しながらこのようなフィルターを用いるハイブリダイゼ
ーション法は、手間がかかり、定量が困難であるという
問題点を有する。一方、本発明者らが先に開発した隣接
プローブを用いるハイブリダイゼーション法は、溶液系
で実施される簡便・迅速な方法であって、フィルターを
用いる方法に比べてハイブリダイゼーションの効率が高
いが、RNaseの影響を受けやすく、このRNase
の影響を除外する工夫をする必要がある。
【0008】血清には高いRNase活性があることが
知られている。下記実施例1に示すような高濃度の血清
を含む培地を利用して菌体を培養した場合、この培養液
を従来のようにアルカリ溶菌、中和処理し、ハイブリダ
イゼーションに供すると、血清中のRNase活性がア
ルカリ処理後も残存しており、特定RNAの検出値が減
少してしまう。このような場合、本発明のRNAの検出
方法を採用することにより、サンプルの保存性も良好
で、ハイブリダイゼーション法による検出値も安定し増
加する。また、mRNAは、rRNAよりもさらに分解
されやすく、rRNAでは問題にならないような微量の
RNaseの影響を受ける。従って、本発明の方法によ
りmRNAの検出感度を顕著に上昇させることができ
る。本発明のRNAの検出方法において、被検液中のR
NAの検出には慣用の方法を利用することができる。中
でもハイブリダイゼーション法が好ましく、慣用の任意
のハイブリダイゼーション法を使用することができる。
【0009】本発明に使用されるハイブリダイゼーショ
ン法の一具体例として、隣接する2種の核酸プローブを
用いるRNAの検出方法(以下、隣接ハイブリダイゼー
ション法という)を下記に説明する。この方法は、被検
RNAの塩基配列のうち、特異的な10塩基以上の部分
配列(A)の逆相補鎖DNA又はRNAと、被検RNA
上で部分配列(A)の近傍に存在する10塩基以上の部
分配列(B)の逆相補鎖DNA又はRNAを用意し、一
方を捕捉プローブとして担体に固定し、他方を標識物質
で標識して標識プローブとし、被検RNAを含む試料及
び標識プローブを該担体に固定された捕捉プローブと接
触させて被検RNAに捕捉プローブと標識プローブをハ
イブリダイズさせ、被検RNAに結合した標識プローブ
の標識物質を検出することにより被検RNAの存在を検
出することを特徴とする。この検出方法では、2種の核
酸プローブを用いることでRNA分子の切断の影響を極
力防ぎ、またRNAを迅速・簡便に検出することができ
る。使用する第1の核酸プローブは、被検RNAの塩基
配列のうち、特異的な10塩基以上の部分配列(A)の
逆相補鎖DNA又はRNAである。この第1の核酸プロ
ーブは10塩基以上、好ましくは15〜50塩基のもの
が適当である。使用する第2の核酸プローブは、被検R
NA上で部分配列(A)の近傍に存在する10塩基以
上、好ましくは15〜50塩基の部分配列(B)の逆相
補鎖DNA又はRNAである。
【0010】部分配列(B)は部分配列(A)の近傍に
存在することが必要であって、部分配列(A)の5’
側、3’側のどちらに存在してもよい。配列(B)の
3’末端と配列(A)の5’末端が、あるいは配列
(B)の5’末端と配列(A)の3’末端が完全に隣接
していることが好ましい。配列(B)の3’末端配列と
配列(A)の5’末端配列、あるいは配列(B)の5’
末端配列と配列(A)の3’末端配列が重複してもよい
が、その場合、それらの逆相補鎖核酸プローブがハイブ
リダイズする際に、その重複部分で被検RNAに対して
競合が起こり感度が低下する確率が高まる。従って、そ
のような重複部分はできるだけ短い方がよく、5塩基未
満が好ましく、全く重複がないこと、すなわち完全に隣
接していることがより好ましい。一方、配列(A)と配
列(B)が重複も隣接もせず、すなわち離れていてもよ
いが、それらの逆相補鎖核酸プローブがハイブリダイズ
した結果、被検RNA上の配列(A)と配列(B)の間
に1本鎖部分が生じ、この部分に切断が生じやすくな
り、感度が低下する確率が高まる。従って、配列(A)
と配列(B)が離れて存在する場合、配列(B)の3’
末端と配列(A)の5’末端、あるいは配列(B)の
5’末端と配列(A)の3’末端の距離は、できるだけ
短い方がよく、5塩基以内が好ましく、離れていないこ
と、すなわち完全に隣接していることが最も好ましい。
【0011】配列(A)の逆相補鎖である特異配列DN
A及び配列(A)に隣接する配列(B)の逆相補鎖DN
Aである隣接配列DNAを化学的に合成し、いずれか一
方を捕捉プローブとして担体に固定し、他方を標識物質
で標識して標識プローブとする。特異配列と隣接配列は
いずれを捕捉プローブ(又は標識プローブ)としてもよ
い。標識物質としては、例えば、ジゴキシゲニン(Di
g)、ビオチン、臭化デオキシウリジン、フルオロエス
セイン等が挙げられる。この検出方法ではこの捕捉プロ
ーブを適当な担体に固定する。担体としては、例えば、
核酸との結合性が高い有機ポリマーを素材とするマイク
ロタイタープレートなどを用いることができる。捕捉プ
ローブの固定法は、特に限定されるものではないが、例
えば、上記のプレートに捕捉プローブDNA又はRNA
溶液を入れ、乾燥後、紫外線照射などにより固定する方
法や、あるいはグルタルアルデヒド法などの共有結合法
を用いてもよい。次に被検RNAを含む試料と標識プロ
ーブを該担体に固定された捕捉プローブと接触させて被
検RNAと捕捉プローブ及び標識プローブをハイブリダ
イズさせる。次いで、被検RNAと結合した標識プロー
ブの標識物質を検出することにより被検RNAを検出す
る。
【0012】被検RNA液を、標識プローブとともに捕
捉プローブを固定した担体上に加え、15〜60℃で3
分〜18時間ハイブリダイゼーションを行なう。適切な
溶液(洗浄液1)で洗浄し、標識化合物と結合する物質
に酵素を結合させたものを加え一定時間反応させる。標
識化合物と結合する物質は特定されるものではないが、
例えば標識プローブがビオチンで標識されている場合に
はビオチン結合西洋ワサビペルオキシダーゼとアビジン
の混合物、また、Digで標識されている場合には抗D
ig免疫グロブリンと西洋ワサビペルオキシダーゼの結
合体を用いることができる。適切な溶液(洗浄液2)で
洗浄後、適切な酵素基質を加える。酵素基質は特定され
るものではないが、例えば西洋ワサビペルオキシダーゼ
を用いた場合には、テトラメチルベンジジンと過酸化水
素を基質とすることによって青色の反応産物を得ること
ができる。勿論、蛍光基質や発光基質などを用いること
もでき、この場合にはより高い検出感度を得ることがで
きる。洗浄液1、2は、特定されるものではないが、例
えば0.05%程度の界面活性剤を含む生理食塩水等を用い
ることができる。
【0013】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例1】 マイコプラズマ・ハイオニューモニエのrRNAの検出 〔隣接プローブを用いるハリブリダイゼーション法に使
用する捕捉プローブと標識プローブの調製〕マイコプラ
ズマ・ハイオニューモニエを検出するためのプローブセ
ットを作成した。マイコプラズマ・ハイオニューモニエ
ST-11株の16SrRNA塩基配列から2つの部分配列
を選択し、それぞれ配列番号1、配列番号2で表される
2本の逆相補鎖DNAを合成した。配列番号1と配列番
号2のDNAは、それぞれ隣接してマイコプラズマ・ハ
イオニューモニエ ST-11株の16SrRNAにハイブリ
ダイズする。 配列番号1:5'-TATTC AAAGG AGCCT TCAAG CTTCA CCAAG 配列番号2:5'-TAACT AATGT TGCGC ACCCC CATTT 標識プローブには配列番号1、捕捉プローブには配列番
号2のDNAを用いた。各DNAはDNA合成装置(P
CR−MATEモデル391、ABI社)を用いて合成
した。捕捉プローブを0.02μg/μl になるように50mMリ
ン酸ナトリウムバッファー、pH8.0 に溶解した。これを
マイクロタイタープレート(住友ベークライト製、MS-3
608FA)の各ウェルに50μl 加え、80℃で乾燥させた。紫
外線を120mJ/cm2 照射した後、30mMクエン酸ナトリウム
/300mM塩化ナトリウム(2×SSC)200 μlで3、4
回洗浄し乾燥させた。標識プローブは下記表1の組成の
反応液でジゴキシゲニン(Dig) 標識を行った。
【0014】
【表1】 ──────────────────────────────── カコジル酸カリウム 0.1M 塩化コバルト 2mM ジチオスレイトール 0.2mM dATP 1mM ジゴキシゲニン-dUTP 0.2mM プローブ用DNA 1 μg ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ 50-100U 反応液量 20μl ────────────────────────────────
【0015】標識反応後、1/10容の0.2M EDTA 、1/10容
の4M LiCl 、3μgのグリコーゲン及び2.5 倍容のエタ
ノールを加え−80℃で、一晩放置した。遠心分離により
沈殿を集め、70% エタノールで洗浄し乾燥させた後、0.
2mlの10mM Tris-HCl,pH8/1mM EDTAに溶解した。得られ
た標識プローブの4μl を下記表2に示すハイブリダイ
ゼーションバッファーと混合した(標識プローブ液)。
なお、標識プローブ液は4℃で1ヵ月以上の保存が可能
である。
【0016】
【表2】ハイブリダイゼーションバッファー SSC(*) 2x ホルムアミド 30% ブロッキング剤(ベーリンガーマンハイム社製) 1% ドデシル硫酸ナトリウム 0.2% イーストtRNA 100μg/ml 鮭精子 DNA(**) 100 μg/ml 標識プローブ 適量 ─────────────────────────────── * 0.15M 塩化ナトリウム/0.015M クエン酸ナトリウム ** あらかじめ100 ℃、10分の変性処理を行った。
【0017】〔被検液の調製〕マイコプラズマ・ハイオ
ニューモニエ ST-11株を表3に示す組成の培地で3日
間、37℃で培養した。培養液を0.8mlとり、0.1mlの
1N NaOHを加え、37℃、10分放置後、表4に示
す濃度で各種物質を含む中和液0.1ml(1N HCl/0.
2Mリン酸バッファー、pH7.2)を加えて、被検液を得
た。
【0018】
【表3】 マイコプラズマ・ハイオニューモニエの培養液の組成 (2リットルの培養液中) ───────────────────────── ハンクス液 1リットル ブルセラブロス 11.6 g ラクトアルブミン水解物 4g ウマ血清 400ml 25% 新鮮酵母エキス 100ml メチシリン 0.2g ─────────────────────────
【0019】上記で得た各種被検液を放置せずに、また
は室温(約20℃)で3時間放置した後、下記の隣接ハ
イブリダイゼーション法に供し、検出を行った。その結
果を表4に併せて示す。被検液50μl と標識プローブ液
50μl を捕捉プローブが固定されたマイクロタイタープ
レートに入れ、37℃、1時間振盪する。0.05%Tween20を
含む生理食塩水(洗浄液)で3回洗浄した後、1%ブロ
ッキング剤(20mM Tris-HCl, pH7.5/0.15M NaCl)で1000
0 倍希釈した抗Dig ヒツジ抗体−西洋ワサビペルオキシ
ダーゼ(HRP、ベーリンガーマンハイム社製)を加え
30分放置後、洗浄液で3回洗浄し、発色基質液(A液:
0.12% 3,3',5,5'-テトラメチルベンジジン/0.1M 酢酸ナ
トリウム,pH5/30%ジメチルホルムアミド、B液:0.03%
過酸化水素/0.2% リン酸、使用時にA液とB液を1:1
で混合)100 μlを加え5〜15分放置する。得られた
青色液の吸光度を660nm の波長で測定した。
【0020】
【表4】 ─────────────────────────────────── 吸光度(660nm) 中和液中の 放置時間 試験No. 各種添加物 濃度*) 0時間 3時間 ─────────────────────────────────── 1(比較) − − 1.399 0.421 2(〃 ) フェノール 0.05% 1.421 0.523 3(〃 ) ヘパリン 625U/ml 1.515 0.612 4(〃 ) ポリアクリル酸ナトリウム 0.1% 1.398 0.588 (重合度22000-70000) 5(〃 ) ポリアクリル酸ナトリウム 0.1% 1.621 0.787 (重合度2700-7500) 6(本発明) 塩化マグネシウム 200mM 2.593 1.455 7( 〃 ) 塩化カルシウム 100mM 2.671 1.793 8( 〃 ) 塩化第一鉄 100mM 2.452 0.643 9( 〃 ) 塩化第二鉄 20mM 1.851 1.237 10( 〃 ) 塩化第二銅 4mM >3 2.221 11( 〃 ) 塩化亜鉛 20mM >3 2.231 12( 〃 ) 酢酸カドミウム 20mM >3 2.245 13( 〃 ) 酢酸ニッケル 4mM >3 2.115 14( 〃 ) 塩化マンガン 100mM 1.812 1.353 15( 〃 ) 塩化モリブデン(V) 20mM 1.652 1.605 16( 〃 ) 塩化コバルト(II) 100mM 2.349 1.619 17( 〃 ) 塩化鉛(II) 4mM 1.997 1.002 18( 〃 ) ポリリン酸ナトリウム 1% 2.666 2.171 19( 〃 ) 塩化亜鉛+ 20mM >3 >3 ポリリン酸ナトリウム 1% 20( 〃 ) 塩化第二銅+ 4mM >3 >3 ポリリン酸ナトリウム 1% ─────────────────────────────────── *) 最終濃度(被検液における濃度)は、これらの1/10
となる。
【0021】表4の結果から、種々の2価以上の金属イ
オンにより、検出値が向上しRNAの安定価効果が発揮
されていることがわかる。中でも亜鉛イオン、銅イオン
の効果が顕著である。一方、ポリ陰イオンでも、ヘパリ
ンやポリアクリル酸ナトリウムなどはほとんど効果を示
さないが、ポリリン酸イオンは顕著な効果を示す。さら
に、ポリリン酸イオンと亜鉛イオンあるいは銅イオンを
併用することによって、検体液を3時間室温に放置して
も検出値はほとんど変化せず、相乗効果が示されること
がわかる。
【0022】
【実施例2】 〔大腸菌β−ガラクトシダーゼ遺伝子の転写産物(mR
NA)の検出〕大腸菌菌株は、JM109 株及び本株をプラ
スミドpUC118で形質転換したものを用いた。検出する遺
伝子は、大腸菌のβ−ガラクトシダーゼ遺伝子であり、
その一部がpUC118に含まれているが、この領域から配列
番号3で表されるDNAをマイクロタイタープレートに
固定し、配列番号4で表されるDNAをジゴキシゲニン
で標識し、ハイブリダイゼーションに供した。LB培地
で一晩培養した培養液を、新しいLB培地に1/100 容加
え、37℃、1時間培養した。これにイソプロピル−β−
D−チオガラクトピラノシド(IPTG)を最終2mMに
なるように加えβ−ガラクトシダーゼを誘導、さらに37
℃、1時間培養を続けた。培養液に1N NaOHを1/8
容加え、37℃、10分処理後、中和液(1N HCl/0.2
Mリン酸バッファー(pH7.2) あるいはこのバッファーに
20mM ZnCl2及び1%ポリリン酸ナトリウムを含むもの)
を加え、実施例1に示した方法に従って検出を行った。
結果を表5に示す。 配列番号3:5'-GGGAT GTGCT GCAAG GCGAT 配列番号4:5'-TAAGT TGGGT AACGC CAGGG T
【0023】
【表5】 β−ガラクトシダーゼ遺伝子の転写産物
(mRNA)の検出 ─────────────────────────────────── 菌株 試験No. IPTG 亜鉛+ポリリン酸 吸光度(A655) ─────────────────────────────────── JM109 1 − − 0.011 2 − + 0.012 3 + − 0.021 4 + + 0.017 ─────────────────────────────────── JM109 の 5 − − 0.018 pUC118形質転換株 6 − + 0.011 7 + − 0.177 8 + + 0.312 ───────────────────────────────────
【0024】pUC118は細胞内のコピー数が1,000 以上と
非常に多コピーであり、転写産物も単一遺伝子の場合に
比べ、大量に生産されているものと思われる、また、転
写誘導をかけない状態では検出値がバックグラウンドレ
ベルであることから、これらの検出試験ではプラスミド
DNAは検出されていないことがわかる。従って、誘導
をかけた形質転換株で得られた検出値は細胞内のmRN
Aレベルを反映しているものと考えられる。
【0025】
【発明の効果】被検液のRNA保存安定性がよく、また
RNAを高感度で検出することができる。
【0026】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 TATTC AAAGG AGCCT TCAAG CTTCA CCAAG 30
【0027】配列番号:2 配列の長さ:25 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 TAACT AATGT TGCGC ACCCC CATTT 25
【0028】配列番号:3 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 GGGAT GTGCT GCAAG GCGAT 20
【0029】配列番号:4 配列の長さ:21 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 TAAGT TGGGT AACGC CAGGG T 21
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三瀬 静男 神奈川県厚木市森の里4−25−8 (72)発明者 種田 貴至 千葉県山武郡山武町椎崎968−18 (72)発明者 並松 孝憲 千葉県市川市若宮2−11−11 全農中山寮

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 細胞含有被検液にアルカリを添加して細
    胞をアルカリ変性させ、次いで2価以上の金属イオン及
    びポリリン酸イオンからなる群から選ばれる少なくとも
    1種を含有する中和液で処理した後、被検液中のRNA
    の存在を検出することを特徴とするRNAの検出方法。
  2. 【請求項2】 検出がハイブリダイゼーション法によっ
    て行われる請求項1記載のRNAの検出方法。
  3. 【請求項3】 金属イオンがマグネシウムイオン、カル
    シウムイオン、亜鉛イオン、銅イオン、マンガンイオ
    ン、モリブデンイオン、コバルトイオン及び鉛イオンか
    らなる群から選ばれる請求項1または2記載のRNAの
    検出方法。
  4. 【請求項4】 RNAが細菌RNAである請求項1〜3
    のいずれか1項に記載のRNAの検出方法。
  5. 【請求項5】 RNAがリボゾームRNAである請求項
    1〜4のいずれか1項に記載のRNAの検出方法。
  6. 【請求項6】 RNAがメッセンジャーRNAである請
    求項1〜4のいずれか1項に記載のRNAの検出方法。
  7. 【請求項7】 下記成分を含む請求項1〜6のいずれか
    1項に記載のRNAの検出方法に使用するための中和
    液。 (イ) バッファー;及び(ロ) 2価以上の金属イオン及びポ
    リリン酸イオンからなる群から選ばれる少なくとも1種
  8. 【請求項8】 金属イオンがマグネシウムイオン、カル
    シウムイオン、亜鉛イオン、銅イオン、マンガンイオ
    ン、モリブデンイオン、コバルトイオン及び鉛イオンか
    らなる群から選ばれる請求項7記載の中和液。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012055308A (ja) * 2010-08-09 2012-03-22 Eiji Konishi Rna検出用試薬およびrna検出方法
JP2012223098A (ja) * 2011-04-15 2012-11-15 Eiji Konishi Rna検出用試薬およびrna検出方法
JP2012235743A (ja) * 2011-05-12 2012-12-06 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd Rna検出用試薬およびrna検出方法
JP2012235716A (ja) * 2011-05-10 2012-12-06 Eiji Konishi Rna検出用試薬およびrna検出方法

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