JP3746083B2 - 隣接する2種の核酸プローブを用いたrnaの検出方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はRNAの検出方法及びそれに用いる検出用キットに関する。さらに詳しくは、リボゾームRNAの検出方法であり、それを利用した生物種、例えば、細菌の同定・検出方法、薬剤感受性試験方法及びそれに用いる同定・検出法キットに関する。本発明はまた、メッセンジャーRNAの検出方法に関し、それを利用した遺伝子発現の検出法キットに関する。
【0002】
【従来の技術】
遺伝子(DNA、RNA)を検出・同定する技術は、基礎研究の分野にとどまらず、既に多様な産業分野で使用されている技術である。
この中で、RNAの検出方法は、生物体における遺伝子発現の仕組みの解明とその応用、あるいは主にリボゾームRNA(rRNA)を対象とした進化論的研究や生物種の同定試験等で極めて重要な技術である。しかし、一般にRNAは極めて不安定な物質であり、その取扱いには細心の注意を必要とすることから、DNAの検出試験と比べると産業分野への普及は遅れている。
それでも、RNAのうちrRNAは比較的安定であり、様々な分野でこれを対象とした試験が次第に普及してきている。例えば、本発明者らはrRNAを標的として細菌を検出する方法を検討し、アクチノバチルス・プレロニューモニエ(特開平5-219955) 、マイコプラズマ・ハイオニューモニエ(特開平3-61487)、ボルデテラ・ブロンキセプチカ(特開平4-179480)、パスツレラ・マルトシダ(特開平5-219954)などの検出法を開発してきた。他にも、rRNAを対象としたハイブリダイゼーション法により生物の検出・同定を行う方法が近年数多く報告されている。
【0003】
しかるに、本発明者らの方法を含め、上記報告に記載された試験法のほとんどは、RNAを安定に検出するためにナイロンメンブランなどのフィルターを用いたシステムを用いており、非熟練者が日常の試験で用いるには煩雑すぎるきらいがある。その他、サンドイッチハイブリダイゼーション法と呼ばれる方法を用いているケースもある。これは、対象核酸の2ヶ所の配列を選択し、その逆相補鎖核酸を用い、例えば対象核酸を捕捉するために、一方をマイクロタイタープレート中に固定し、一方を標識してハイブリダイゼーションさせ、プレートに捕捉された標識化合物を検出する方法であるが、系の中にRNA分解活性があると検出値は非常に不安定なものとなってしまうという欠点がある。
また、rRNAの検出の応用として、薬剤感受性試験は極めて重要なものである。通常この試験を行うためには、分離したコロニーから菌を同定した後に、ディスク法などで最小阻止濃度(MIC)を求める必要があり、熟練と日数を必要としているのが現状である。
さらに、メッセンジャーRNA(mRNA)はrRNAよりもいっそう不安定であり、その分析はより困難である。これを検出するためには、従来よりノーザンハイブリダイゼーション法やドットブロットハイブリダイゼーション法などが用いられているが、最近では逆転写酵素とPCR法(ポリメラーゼ・チェーン・リアクション法)を組み合わせたリバースPCR法と呼ばれる方法などが開発され、主に基礎科学の分野で用いられている。これらの技術は、近年技術的な進歩により簡便化が進んでいるとはいえ、未だに操作者の熟練を必要としている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、RNAの簡便・迅速な検出法を提供することである。
本発明の他の目的は、上記方法を利用して生物種、例えば細菌の同定・検出方法、細菌の薬剤感受性試験方法、さらにメッセンジャーRNAの同定・検出方法を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、上記方法に使用する検出用キットを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、2種の核酸プローブを用いたRNAの検出方法において、被検RNAの塩基配列のうち、特異的な10塩基以上の部分配列(A)の逆相補鎖DNA又はRNAと、被検RNA上で部分配列(A)の近傍に存在する10塩基以上の部分配列(B)の逆相補鎖DNA又はRNAを用意し、一方を捕捉プローブとして担体に固定し、他方を標識物質で標識して標識プローブとし、被検RNAを含む試料及び標識プローブを該担体に固定された捕捉プローブと接触させて被検RNAに捕捉プローブと標識プローブをハイブリダイズさせ、被検RNAに結合した標識プローブの標識物質を検出することにより被検RNAの存在を検出することを特徴とする方法を提供するものである。
上記RNAの具体例としては、細菌RNAが挙げられ、さらに細菌リボゾームRNAが挙げられる。
【0006】
本発明はさらに、2種の核酸プローブを用いた生物種の検出方法において、該生物種のリボゾームRNAの塩基配列のうち、特異的な10塩基以上の部分配列(A)の逆相補鎖DNA又はRNAと、該リボゾームRNA上で部分配列(A)の近傍に存在する10塩基以上の部分配列(B)の逆相補鎖DNA又はRNAを用意し、一方を捕捉プローブとして担体に固定し、他方を標識物質で標識して標識プローブとし、該生物種を含む試料及び標識プローブを該担体に固定された捕捉プローブと接触させて該リボゾームRNAに捕捉プローブと標識プローブをハイブリダイズさせ、該リボゾームRNAに結合した標識プローブの標識物質を検出することにより該生物種の存在を検出することを特徴とする方法を提供するものである。
上記生物種としては、例えば細菌が挙げられ、それらの細菌として大腸菌、スタフィロコッカス属細菌、パスツレラ・マルトシダ、ボルデテラ・ブロンキセプチカ、アクチノバチルス・プレロニューモニエ、マイコプラズマ・ハイオニューモニエ、サルモネラ及び緑膿菌などが挙げられる。
【0007】
本発明はさらに、2種の核酸プローブを用いたmRNAの検出方法において、被検mRNAの塩基配列のうち、特異的な10塩基以上の部分配列(A)の逆相補鎖DNA又はRNAと、被検mRNA上で部分配列(A)の近傍に存在する10塩基以上の部分配列(B)の逆相補鎖DNA又はRNAを用意し、一方を捕捉プローブとして担体に固定し、他方を標識物質で標識して標識プローブとし、被検mRNAを含む試料及び標識プローブを該担体に固定された捕捉プローブと接触させて被検RNAに捕捉プローブと標識プローブをハイブリダイズさせ、被検mRNAに結合した標識プローブの標識物質を検出することにより被検mRNAの存在を検出することを特徴とする方法を提供するものである。
【0008】
本発明はまた、下記の成分を含む上記RNAの検出方法に使用するためのRNA検出用キットを提供するものである。
(イ) 被検RNAの塩基配列のうち、特異的な10塩基以上の部分配列(A)の逆相補鎖DNA又はRNAを固定化した担体;
(ロ) 被検RNA上で部分配列(A)の近傍に存在する10塩基以上の部分配列(B)の逆相補鎖DNA又はRNAであって、標識物質で標識されたDNA又はRNA;
(ハ) 標識物質を検出するための試薬;及び
(ニ) ハイブリダイゼーション溶液。
本発明はまた下記の成分を含む上記RNAの検出方法に使用するためのRNA検出用キットを提供するものである。
(イ) 被検RNAの塩基配列のうち、特異的な10塩基以上の部分配列(A)の逆相補鎖DNA又はRNAであって、標識物質で標識されたDNA又はRNA;
(ロ) 被検RNA上で部分配列(A)の近傍に存在する10塩基以上の部分配列(B)の逆相補鎖DNA又はRNAを固定化した担体;
(ハ) 標識物質を検出するための試薬;及び
(ニ) ハイブリダイゼーション溶液。
【0009】
本発明はさらにまた下記の成分を含む上記生物種の検出方法に使用するための生物種の同定・検出用キットを提供するものである。
(イ) 該生物種のリボゾームRNAの塩基配列のうち、特異的な10塩基以上の部分配列(A)の逆相補鎖DNA又はRNAを固定化した担体;
(ロ) 該リボゾームRNA上で部分配列(A)の近傍に存在する10塩基以上の部分配列(B)の逆相補鎖DNA又はRNAであって、標識物質で標識されたDNA又はRNA;
(ハ) 標識物質を検出するための試薬;及び
(ニ) ハイブリダイゼーション溶液。
本発明はさらにまた下記の成分を含む上記生物種の検出方法に使用するための生物種の同定・検出用キットを提供するものである。
(イ) 該生物種のリボゾームRNAの塩基配列のうち、特異的な10塩基以上の部分配列(A)の逆相補鎖DNA又はRNAであって、標識物質で標識されたDNA又はRNA;
(ロ) 該リボゾームRNA上で部分配列(A)の近傍に存在する10塩基以上の部分配列(B)の逆相補鎖DNA又はRNAを固定化した担体;
(ハ) 標識物質を検出するための試薬;及び
(ニ) ハイブリダイゼーション溶液。
これらの生物種の同定・検出用キットは、さらに溶菌液を含んでもよい。
【0010】
本発明はさらに、下記の成分を含む上記mRNAの検出方法に使用するためのmRNAの同定・検出用キットを提供する。
(イ) 被検mRNAの塩基配列のうち、特異的な10塩基以上の部分配列(A)の逆相補鎖DNA又はRNAを固定化した担体;
(ロ) 被検mRNA上で部分配列(A)の近傍に存在する10塩基以上の部分配列(B)の逆相補鎖DNA又はRNAであって、標識物質で標識されたDNA又はRNA;
(ハ) 標識物質を検出するための試薬;及び
(ニ) ハイブリダイゼーション溶液。
本発明はまた、下記の成分を含む上記mRNAの検出方法に使用するためのmRNAの同定・検出用キットを提供する。
(イ) 被検mRNAの塩基配列のうち、特異的な10塩基以上の部分配列(A)の逆相補鎖DNA又はRNAであって、標識物質で標識されたDNA又はRNA;
(ロ) 被検mRNA上で部分配列(A)の近傍に存在する10塩基以上の部分配列(B)の逆相補鎖DNA又はRNAを固定化した担体;
(ハ) 標識物質を検出するための試薬;及び
(ニ) ハイブリダイゼーション溶液。
【0011】
以下本発明を詳細に説明する。
一般に細胞のRNAは非常に分解されやすい物質であり、その取扱いには細心の注意を必要とする。
RNAのうち、rRNAは蛋白質合成の必須成分であり、その構造は生物の進化の過程において比較的よく保存されている。rRNAは多くの生物種でその塩基配列が同定されており、生物間での共通領域以外に、種によって構造が異なる可変領域の存在が知られている。この可変領域に対応するDNAプローブを用いてハイブリダイゼーション法により微生物の検出・同定を行なう方法が近年開発されてきた。
しかしながら、一口にrRNAのハイブリダイゼーション法による検出といっても、その手段は様々であり、より高感度の検出を行なうには、それに応じた技術レベルが必要であり、またコストもアップする。例えば、本発明者が先に出願している特許に於いては、検出システムに32Pを用いたフィルターハイブリダイゼーション法を用いているが、特別な設備と煩雑な手順を必要とし、必ずしも実用的ではない。
さらにmRNAはrRNAに比べいっそう分解されやすい。その検出・同定は通常フィルターハイブリダイゼーション法で行われているが、これを扱うための試薬・器具類から徹底的にRNA分解活性を除去する必要があるなど高度の熟練が必要であり、そのためのコストも相当高いものになっている。
【0012】
RNAの検出・同定試験を汎用的なものにするためには、上記のような熟練技術を必要としないシステムを開発することが必要である。そのためには、例えば以下のような条件が考えられる。
(1) 放射性物質を用いない。
(2) 操作は日常的に使用している試薬、器具あるいは装置を用いて行える。
(3) 熟練技術を必要とせず、短時間で検出ができる。
これらの条件を満たすために本発明者らは様々な技法を検討した。その結果、以下に詳細に説明する隣接プローブ法を見出し、RNAの検出への応用に成功し、本発明を完成するに至った。
【0013】
具体的には、迅速・簡便なRNAの検出法を開発するため、本発明者らは固相法を用いたハイブリダイゼーション法に関して、下記の2つの方法について検討した。
(1) 被検RNAを直接担体に固定し、標識プローブとのハイブリダイゼーションを行なう。
(2) 2種の核酸プローブを用意し、一方をあらかじめ担体に固定する。これにもう一方の核酸プローブと被検RNAを混合しハイブリダイゼーションを行なう(サンドイッチ法)。
(1) の方法では、精製したRNAを用いる場合には比較的再現性よく検出されるが、生物体の破壊処理によって得られたRNA検体は当然のことながら不純物を多く含んでおり、RNAの固定効率が低下する、あるいは同時に固定された不純物がハイブリダイゼーションを阻害するなどの問題が生じ、検出値が大幅に低下する。更に、バックグラウンドも高くなる傾向にある。
(2) の方法では、被検RNAがブリッジの役目を果たす形でのハイブリダイゼーション反応であり、(1) の方法に比較して不純物の影響を受けにくいが、RNA分解酵素(以下「RNase」という)や物理的切断などの影響を受けやすくなる。即ち、2つのプローブで挟まれる部分が1ヶ所でも切断されるとRNA分子は検出されなくなる。
【0014】
これらの問題を解決するため、本発明者らはRNaseの影響をできるだけ除外するように設計された2種の核酸プローブを用いたRNAの検出方法(以下、「隣接プローブ法」という)を検討し、実用化に耐えるシステムの開発に成功した。本発明は、RNA分子の切断の影響を極力防ぐために、被検RNA上で非常に近い部位でハイブリダイズする2種の核酸プローブを用いることを特徴とするものである。
本発明に使用する第1の核酸プローブは、被検RNAの塩基配列のうち、特異的な10塩基以上の部分配列(A)の逆相補鎖DNA又はRNAである。この第1の核酸プローブは10塩基以上、好ましくは15〜50塩基のものが適当である。
本発明に使用する第2の核酸プローブは、被検RNA上で部分配列(A)の近傍に存在する10塩基以上、好ましくは15〜50塩基の部分配列(B)の逆相補鎖DNA又はRNAである。
【0015】
部分配列(B)は部分配列(A)の近傍に存在することが必要であって、部分配列(A)の5’側、3’側のどちらに存在してもよい。配列(B)の3’末端と配列(A)の5’末端が、あるいは配列(B)の5’末端と配列(A)の3’末端が完全に隣接していることが好ましい。
配列(B)の3’末端配列と配列(A)の5’末端配列、あるいは配列(B)の5’末端配列と配列(A)の3’末端配列が重複してもよいが、その場合、それらの逆相補鎖核酸プローブがハイブリダイズする際に、その重複部分で被検RNAに対して競合が起こり感度が低下する確率が高まる。従って、そのような重複部分はできるだけ短い方がよく、5塩基未満が好ましく、全く重複がないこと、すなわち完全に隣接していることがより好ましい。
一方、配列(A)と配列(B)は重複も隣接もせず、すなわち離れていてもよいが、それらの逆相補鎖核酸プローブがハイブリダイズした結果、被検RNA上の配列(A)と配列(B)の間に1本鎖部分が生じ、この部分に切断が生じやすくなり、感度が低下する確率が高まる。従って、配列(A)と配列(B)が離れて存在する場合、配列(B)の3’末端と配列(A)の5’末端、あるいは配列(B)の5’末端と配列(A)の3’末端の距離は、できるだけ短い方がよく、5塩基以内が好ましく、離れていないこと、すなわち完全に隣接していることが最も好ましい。
【0016】
配列(A)の逆相補鎖である特異配列DNA及び配列(A)に隣接する配列(B)の逆相補鎖である隣接配列DNAを化学的に合成し、いずれか一方を捕捉プローブとして担体に固定し、他方を標識物質で標識して標識プローブとする。特異配列と隣接配列がいずれを捕捉プローブ(又は標識プローブ)としてもよい。標識物質としては、例えば、ジゴキシゲニン、ビオチン、臭化デオキシウリジン、フルオロエスセイン等が挙げられる。
本発明の方法ではこの捕捉プローブを適当な担体に固定する。担体としては、例えば、核酸との結合性が高い有機ポリマーを素材とするマイクロタイタープレートなどを用いることができる。捕捉プローブの固定法は、特に限定されるものではないが、例えば、上記のプレートに捕捉プローブDNA又はRNA溶液を入れ、乾燥後、紫外線照射などにより固定する方法や、あるいはグルタルアルデヒド法などの共有結合法を用いてもよい。
次に被検RNAを含む試料と標識プローブを該担体に固定された捕捉プローブと接触させて被検RNAと捕捉プローブ及び標識プローブをハイブリダイズさせる。次いで、被検RNAと結合した標識プローブの標識物質を検出することにより被検RNAを検出する。
【0017】
被検RNAの調製法は、特定されるものではないが、安全かつ簡便に行なうためには、例えば水酸化ナトリウム水溶液などで細胞を溶解した後、塩酸などで中和すればよい。もしこの方法で溶出されにくい場合には、例えばメチシリン耐性黄色ブドウ状球菌(MRSA)などの場合にはリソスタフィン(Lysostaphin)などの細胞壁溶解酵素で前処理を行なえばよい。
上記の方法で調製されたRNA溶液を、標識プローブとともに捕捉プローブを固定した担体上に加え、15〜60℃で3分〜18時間ハイブリダイゼーションを行なう。適切な溶液(洗浄液1)で洗浄し、標識化合物と結合する物質に酵素を結合させたものを加え一定時間反応させる。標識化合物と結合する物質は特定されるものではないが、例えば標識プローブがビオチンで標識されている場合にはビオチン結合西洋ワサビペルオキシダーゼとアビジンの混合物、また、ジゴキシゲニン(Dig)で標識されている場合には抗Dig免疫グロブリンと西洋ワサビペルオキシダーゼの結合体を用いることができる。
適切な溶液(洗浄液2)で洗浄後、適切な酵素基質を加える。酵素基質は特定されるものではないが、例えば西洋ワサビペルオキシダーゼを用いた場合には、テトラメチルベンジジンと過酸化水素を基質とすることによって青色の反応産物を得ることができる。勿論、蛍光基質や発光基質などを用いることもでき、この場合にはより高い検出感度を得ることができる。
洗浄液1、2は、特定されるものではないが、例えば0.05%程度の界面活性剤を含む生理食塩水等を用いることができる。
【0018】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
実施例1 隣接プローブ法によるアクチノバチルス・プレロニューモニエの検出豚肺炎原因菌であるアクチノバチルス・プレロニューモニエ(A.pleuropneumoniae)を対象として隣接プローブ法を実施した。
配列番号1及び配列番号2で表されるDNAを合成した。両者はアクチノバチルス・プレロニューモニエ16S rRNAの部分逆相補鎖であり、アクチノバチルス・プレロニューモニエ16S rRNA塩基配列上で配列番号2のDNAは配列番号1のDNAの5’側に隣接してハイブリダイズする。
配列番号1 5'-TCCAT GTCGC CATCT TGCTT CCCT
配列番号2 5'-CTTAG ACGTA CTTTG TGAGA TTTGC
捕捉プローブには配列番号2のDNAを、標識プローブには配列番号1のDNAを用いた。各DNAはDNA合成装置(PCR−MATE モデル391、ABI社、以下同じ)を用いて合成した。
捕捉プローブを0.02μg/μlになるように50mM リン酸ナトリウムバッファー
,pH8.0に溶解した。これをマイクロタイタープレート(住友ベークライト製、MS-3608FA)の各ウエルに50μl加え、80℃で乾燥させる。紫外線を120mJ/cm2
射した後、30mMクエン酸ナトリウム/300mM塩化ナトリウム(2xSSC) 200μlで3、4回洗浄し乾燥させた。得られた捕捉プローブ固定プレートは4℃で半年以上安定であった。
標識プローブは表1の組成の反応液でDig標識を行なった。
【0019】
【表1】
─────────────────────────────────
カコジル酸カリウム緩衝液,pH7.2 0.1M
塩化コバルト 2mM
ジチオスレイトール 0.2mM
デオキシアデノシン3リン酸ナトリウム 1mM
ジゴキシゲニン化デオキシウリジン3リン酸 0.2mM
プローブ用DNA 1μg
ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ 50-100U
反応液量 20μl
─────────────────────────────────
【0020】
標識反応後、1/10容の0.2M EDTA 、1/10容の4M LiCl 、3 μg のグリコーゲン及び2.5 倍容のエタノールを加え-80 ℃で、一晩放置した。遠心分離により沈殿を集め、70% エタノールで洗浄し乾燥させた後、0.2mlの10mM Tris-HCl,pH8/1mM EDTAに溶解した。
得られた標識プローブの4μl を表2に示すハイブリダイゼーションバッファーと混合した(標識プローブ液)。なお、標識プローブ液は4℃で半年以上安定であった。
【0021】
【表2】
ハイブリダイゼーションバッファー
SSC (*) 2x
ホルムアミド 30%
ブロッキング試薬(ベーリンガーマンハイム社) 1%
ドデシル硫酸ナトリウム 0.2%
イーストtRNA 100μg/ml
鮭精子 DNA(**) 100μg/ml
標識プローブ 適量
* 0.15M 塩化ナトリウム/0.015M クエン酸ナトリウム
** あらかじめ100 ℃、10分の変性処理を行う。
【0022】
アクチノバチルス・プレロニューモニエからの被検rRNAは以下のようにして調製した。菌を白金耳などで0.005%β−NADを含む普通寒天培地に塗抹し、37℃で一晩培養し、得られたコロニーをつまようじでピックアップし、0.8ml の感受性ブイヨン培地(日水)に15分懸濁した。なお、液体培養液を直接以下の操作に用いてもよかった。生菌数測定のために10μl の懸濁液をとり適当に希釈し0.005%のβ−NADを含む感受性ブイヨン寒天培地に塗抹し37℃、一晩培養した。残りの液に0.02mlの2N NaOH を加え撹拌し10分放置後、0.02mlの2N HCl-0.2M リン酸ナトリウム緩衝液,pH7 を加え中和した(検体液)。検出感度を測定するために検体液は感受性ブイヨン液で適当に希釈し以下の試験に供した。また、特異性を判定するために、種々の菌を同様の手順で処理し以下の操作に供した。
検体液50μl と標識プローブ液50μl を捕捉プローブが固定されたマイクロタイタープレートに入れ、37℃、1時間振盪した。なお、ここでの振盪はわずかでも液が揺れていればよかった。
0.05%Tween20を含む生理食塩水(洗浄液)で3回洗浄した後、ブロッキング溶液(1% ブロッキング試薬,20mM Tris-HCl,pH7.5/0.15M NaCl)で10000 倍に希釈した抗Digヒツジ抗体−西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP、ベーリンガー・マンハイム社製)を加え30分放置後、洗浄液で3回洗浄し、発色基質液(A液:0.12% 3,3',5,5'-テトラメチルベンジジン/0.1M 酢酸ナトリウム,pH5/30%ジメチルホルムアミド、B液:0.03% 過酸化水素/0.2% リン酸、使用時にA液とB液を1:1で混合)100 μl を加え5-15分放置した。得られた青色液の吸光度を660nm の波長で測定した。表3にその結果を示す。
【0023】
【表3】
生菌数 吸光度
3.0x107 >1.7
1.5x107 >1.7
3.0x106 1.287
1.5x106 0.790
3.0x105 0.142
1.5x105 0.065
培地のみ 0.010
表3の結果から、3.0x105 の菌が存在していれば検出されることが示される。0.5mm 径程度のコロニーを液体培地に懸濁した場合、106 以上の菌は普通に得られるので、上記の結果はこのような小さいコロニーでも検出が行なえることを示すものである。
【0024】
実施例2 捕捉用プローブ及び検出用プローブの相対位置の違いによる検出値の変化と特異性試験
実施例1で用いた1セットのプローブに加え、標識用プローブとして配列番号3、5で表される配列のDNAを、及び捕捉用プローブとして配列番号4、6で表わされる配列のDNAを用いた。いずれもアクチノバチルス・プレロニューモニエ16S rRNAの部分逆相補鎖であり、配列番号4のDNAは配列番号3のDNAの、配列番号6のDNAは配列番号5のDNAの、それぞれアクチノバチルス・プレロニューモニエ16S rRNA塩基配列上で5’側に隣接してハイブリダイズする。
隣接プローブ法の実施は実施例1に同じである。捕捉プローブと標識プローブの組合わせは表4に結果と共に示す。試験操作は実施例1に準拠した。
【0025】
配列番号3 5'-CCCTT CCCGT TACCG TT
配列番号4 5'-CACTC GTCGG CAAAG AAAGC AAGCT
配列番号5 5'-GCACC AGACT CACAG TCCAA T
配列番号6 5'-CCCCA AATCG ACAGC GTTTA CAGCG
【0026】
【表4】
Figure 0003746083
【0027】
表4の結果は、捕捉プローブと標識プローブが隣接している場合のみ有意の値が得られることを示している。即ち、ハイブリダイズした2つのプローブの間に被検RNAの1本鎖部分があると、操作中に物理的あるいは酵素的な切断が生じやすくなるため、検出されなくなるものと推定される。このことから、サンドイッチ法によるRNAの検出を行なうためには、捕捉プローブと標識プローブとが隣接していることが好ましいと判断される。
【0028】
実施例3 アクチノバチルス・プレロニューモニエ検出プローブの特異性
実施例2で示したプローブを用い各種の細菌を用いて検出試験を行なった。なお、従来法と比較するために、配列番号1、3、5を32Pで標識しフィルターハイブリダイゼーション法を行った結果を併記する。なお、フィルターハイブリダイゼーションの方法は特開平5−219955号公報に記載されている方法に準拠した。
また、配列番号1と2、配列番号3と4、及び配列番号5と6のセットを用い、各種菌を用いて特異性試験を行なった結果を表5に示す。実施例2同様、奇数番号の配列のDNAを標識プローブとして、偶数番号の配列のDNAを捕捉プローブとして用いた。試験操作は実施例1に準拠した。なお、試験に用いた菌数はいずれも108 以上である。
【0029】
【表5】
Figure 0003746083
Figure 0003746083
【0030】
表5の結果は、フィルターハイブリダイゼーション法と隣接プローブ法がパラレルであることを示している。特に、配列番号5,6のDNAセットを用いた隣接プローブ法では、配列番号5の標識DNAを用いたフィルター法同様、アクチノバチルス・プレロニューモニエ Shope4074は検出されていない。アクチノバチルス・プレロニューモニエの中で、Shope4074 は血清型1型、S1536 は2型、Hi-1は5型である。アクチノバチルス・プレロニューモニエ各種野外分離株について同様の試験を行なったところ、血清型1型の菌は、配列番号5の標識DNAを用いたフィルター法及び配列番号5、6のDNAセットを用いた隣接プローブ法いずれの方法でも全て検出されなかった。
なお、配列番号1、3の標識DNAを用いたフィルター法、及び配列番号1、2のDNAセットと配列番号3、4のDNAセットを用いた隣接プローブ法では調べたアクチノバチルス・プレロニューモニエ菌株は全て検出された。
【0031】
実施例4 隣接プローブ法によるE.coliの検出
大腸菌(E.coli)を検出するためのプローブセットを作製し隣接プローブ法を実施した。標識プローブ用DNAとして配列番号7で表されるDNAを、捕捉プローブ用DNAとして配列番号8で表されるDNAを作製した。ともにE.coli16S rRNAの逆相補鎖の配列であり、配列番号8のDNAはE.coli16S rRNA塩基配列上で、配列番号7のDNAの5’側に隣接してハイブリダイズする。
検体の調製、隣接プローブ法の実施は実施例1のアクチノバチルス・プレロニューモニエで用いた方法に準拠した。表6に試験結果を示す。
配列番号7 5'-TCGTC AGCAA AGAAG CAAGC TTCTT CCTG
配列番号8 5'-ATTAC TCACC CGTCC GCCAC
【0032】
【表6】
Figure 0003746083
表6に示されるように、大腸菌が特異的に検出されている。特に、S.sonneiとは16S rRNA全体で95%以上の相同性があるにもかかわらず識別が可能であった。このことは本発明が極めて有用であることを示すものである。
【0033】
実施例5 隣接プローブ法による緑膿菌の検出
緑膿菌(P.aeruginosa)を検出するためのプローブセットを作製し隣接プローブ法を実施した。標識プローブとして配列番号9で表されるDNAを、捕捉プローブとして配列番号10で表されるDNAを特定した。ともにP.aeruginosa16S rRNAの逆相補鎖の配列であり、配列番号10のDNAは緑膿菌(P.aeruginosa)16S rRNA塩基配列上で、配列番号9のDNAの5’側に隣接してハイブリダイズする。
検体の調製、隣接プローブ法の実施は実施例1のアクチノバチルス・プレロニューモニエで用いた方法に準拠した。表7に試験結果を示す。
配列番号9: 5'-GATCC CAACG GCTAG TCGAC
配列番号10: 5'-TGCGC CACTA AGATC TCAAG
【0034】
【表7】
Figure 0003746083
表7に示されるように、緑膿菌が特異的に検出されている。
【0035】
実施例6 隣接プローブ法によるボルデテラ・ブロンキセプチカの検出
ボルデテラ・ブロンキセプチカを検出するためのプローブセットを作製し隣接プローブ法を実施した。標識プローブとして、配列番号11で表されるDNAを、捕捉プローブとして配列番号12で表されるDNAを用いた。ともにボルデテラ・ブロンキセプチカ16S rRNAの逆相補鎖の配列であり、配列番号12のDNAはボルデテラ・ブロンキセプチカ16S rRNA塩基配列上で、配列番号11のDNAの5’側に隣接してハイブリダイズする。
検体の調製、隣接プローブ法の実施は実施例1のアクチノバチルス・プレロニューモニエで用いた方法に準拠した。表8に試験結果を示す。
配列番号11: 5'-CTTTC CTGCC AAAAG TGCTT TCCAA
配列番号12: 5'-GGATA TTAGC CCGTG CCGTT T
【0036】
【表8】
Figure 0003746083
表8に示されるように、ボルデテラ・ブロンキセプチカが特異的に検出されている。
【0037】
実施例7
ボルデテラ・ブロンキセプチカ検出システムにおけるギャップの影響
実施例6に示した配列番号11の配列から、5’側から1,3,5塩基ずつ短くしたDNAを合成した(それぞれ配列番号13、14、15で表される配列のDNAである)。さらに、配列番号11、13、14、15で表されるDNAをそれぞれ実施例1に記載された方法に従いDig標識を行った。なお、検出用プレートには配列番号12を固定している。即ち、配列番号13、14、15を用いた試験では、対象rRNAはハイブリダイゼーションの後、2つのプローブの間に、それぞれ1、3、5塩基の1本鎖部分が生じることになる。これらの標識プローブを用い、ハイブリダイゼーションに次いで洗浄の後、Digヒツジ抗体−HRPとの反応中に、RNA分解酵素であるリボヌクレアーゼA(RNase A)を添加し、その影響を調べた。なお、この際、反応温度は37℃で行った。
結果を表9に示す。
配列番号13: 5'-TTTCC TGCCA AAAGT GCTTT CCAA
配列番号14: 5'-TCCTG CCAAA AGTGC TTTCC AA
配列番号15: 5'-CTGCC AAAAG TGCTT TCCAA
【0038】
【表9】
Figure 0003746083
【0039】
表9の結果から、2つのプローブが隣接してハイブリダイズする場合には、RNase A を加えても、対象rRNAの中でハイブリダイズ部分がほとんど分解していないことがわかる。一方、1塩基ではわずかな分解が起こり、3塩基以上になると明らかにギャップの部分が分解されている。即ち、ギャップの部分が長いほどRNA分解酵素の影響を受けやすくなることが推定される。
【0040】
実施例8 ボルデテラ・ブロンキセプチカ検出システムにおける重複鎖の影響
実施例6に示した配列番号11の配列の5’側に、配列番号12の3’側の配列を3塩基付加した配列(配列番号16)、5塩基付加した配列(配列番号17)、及び10塩基付加した配列(配列番号18)のDNAを合成し、実施例1の方法に従い標識プローブを作製した。なお、検出用プレートには実施例6、7同様、配列番号12のDNAを固定している。即ち、配列番号16、17、18を用いた試験では、対象rRNAはハイブリダイゼーションの後、2つのプローブの間に、それぞれ3、5、10塩基の重複鎖部分が生じることになる。これらの標識プローブを用い、ハイブリダイゼーションに次いで洗浄の後、Digヒツジ抗体−HRPとの反応中に、RNA分解酵素であるリボヌクレアーゼA(RNase A)を添加しその影響を調べた。実施例7同様、反応温度は37℃で行った。結果を表10に示す。
配列番号16:5'-TTTCT TTCCT GCCAA AAGTG CTTTC CAA
配列番号17:5'-CGTTT CTTTC CTGCC AAAAG TGCTT TCCAA
配列番号18:5'-CGTGC CGTTT CTTTC CTGCC AAAAG TGCTT TCCAA
【0041】
【表10】
Figure 0003746083
【0042】
表10に示すように、重複塩基数が増えるに従って、RNase A に対する感受性が増大することがわかる。また、RNase A を加えない状態でも、特に5塩基以上の重複があると明らかに感度が低下しているが、これはおそらく捕捉プローブと標識プローブが被検RNAの同じ部位を取り合うためではないかと考えられる。なお、3塩基程度の重複では対照に比べ検出値は増大しているが、おそらく、実施例6−8で規定されるボルデテラ・ブロンキセプチカの検出システムにおいては、配列の付加によって標識プローブ自体の立体構造が変化し、よりハイブリダイゼーションを起こしやすくなったからではないかと考えられる。
【0043】
実施例9 隣接プローブ法によるサルモネラ菌の検出
サルモネラ菌を検出するためのプローブセットを作製し隣接プローブ法を実施した。標識プローブとして配列番号19及び配列番号21で表される2つのDNAを、捕捉プローブとして配列番号20及び配列番号22で表される2つのDNAを用いた。上記4本のDNAはいずれもサルモネラ・チフィミュリウム(S. Typhimurium) 23S rRNAの部分逆相補鎖であり、配列番号20のDNAはサルモネラ・チフィミュリウム(S. Typhimurium) 23S rRNA塩基配列上で配列番号19のDNAの、配列番号22のDNAはサルモネラ・チフィミュリウム(S. Typhimurium) 23S rRNA塩基配列上で配列番号21のDNAの、いずれも5’側に隣接してハイブリダイズする。
rRNA測定用のサンプルの調製は実施例1に準じた。
配列番号19: 5'-CTTCA CCTAC GTGTC AGC
配列番号20: 5'-CTTCA GCTCC ATGAG TAAAT CA
配列番号21: 5'-CCTGG AACAC ACACC TACAC G
配列番号22: 5'-GTGTT AAAGT GAACC GGATT TA
表11に試験結果(吸光度)を示す。
【0044】
【表11】
Figure 0003746083
表11に示されるように、サルモネラ菌が特異的に検出されている。
【0045】
実施例10 隣接プローブ法によるマイコプラズマ・ハイオニューモニエの検出マイコプラズマ・ハイオニューモニエを検出するためのプローブセットを作製し隣接プローブ法を実施した。標識プローブとして配列番号23で表されるDNAを、捕捉プローブとして配列番号24で表されるDNAを用いた。ともにマイコプラズマ・ハイオニューモニエ16S rRNAの部分逆相補鎖であり、配列番号24のDNAはマイコプラズマ・ハイオニューモニエ16S rRNA塩基配列上で、配列番号23のDNAの5’側に隣接してハイブリダイズする。
検体の調製、隣接プローブ法の実施は、マイコプラズマ・ハイオニューモニエの場合固体培地上で生育しないので、下記組成の液体培地を用いた。
───────────────────────────
ハンクス液 0.98%
ラクトアルブミン水解液 0.2
馬血清 20
新鮮酵母エキス 1.25
メチシリン 0.01
水を加えて 100
───────────────────────────
培養液を直接アルカリ・中和処理して被検RNAを調製した。その後、実施例1のアクチノバチルス・プレロニューモニエで用いた方法に準拠し検出操作を行った。表12に試験結果を示す。
配列番号23: 5'-TATTC AAAGG AGCCT TCAAG CTTCA CCAAG
配列番号24: 5'-TAACT AATGT TGCGC ACCCC CATTT
【0046】
【表12】
Figure 0003746083
【0047】
表12に示されるように、マイコプラズマ・ハイオニューモニエが特異的に検出されている。また、マイコプラズマ・ハイオライニス、マイコプラズマ・フロキュラレ、マイコプラズマ・ハイオシノビエの3菌種は豚から検出されるマイコプラズマであるが、いずれも検出されていない。また、20%の血清を含む培養液でもRNA検体の調製に特別の工夫をする必要はなかった。
【00048】
実施例11 隣接プローブ法によるパスツレラ・マルトシダの検出
パスツレラ・マルトシダを検出するためのプローブセットを作製し隣接プローブ法を実施した。標識プローブとして配列番号25、27、29で表されるDNAを、捕捉プローブとして配列番号26、28、30で表されるDNAを用いた。いずれもパスツレラ・マルトシダの16S rRNAの部分逆相補鎖であり、パスツレラ・マルトシダ16S rRNA塩基配列上で、配列番号26のDNAは配列番号25のDNAの、配列番号28のDNAは配列番号27のDNAの、配列番号30のDNAは配列番号29のDNAのそれぞれ5’側に隣接してハイブリダイズする。
検体の調製、隣接プローブ法の実施は実施例1のアクチノバチルス・プレロニューモニエで用いた方法に準拠した。表13に試験結果(吸光度)を示す。
配列番号25: 5'-TGATG CTATC TATTT AACTT CATC
配列番号26: 5'-CCTTC CTCAT TACCG AAAGA ACTTT
配列番号27: 5'-TCTGA GCTCT TCTTA GGATG
配列番号28: 5'-TCAAG AGTAG GTAAG GTTCT TC
配列番号29: 5'-TCAAG CTCGC ACTCT CGCTG CCCT
配列番号30: 5'-CTTAG ATGCA CTTTC TGAGA TTCGC
【0049】
【表13】
Figure 0003746083
表13に示されるように、パスツレラ・マルトシダが特異的に検出されている。なお、配列番号27、28のセットではパスツレラ・マルトシダのうちKOBE5株が検出されていないが、これは本発明者らがフィルターハイブリダイゼーションで試験を行なった結果に一致する(特開平5−219954号公報)。
【0050】
実施例12 隣接プローブ法による黄色ブドウ状球菌(S.aureus)の検出
S. aureus を検出するためのプローブセットを作製し、隣接プローブ法を実施した。標識プローブとして配列番号31、33で表されるDNAを、捕捉プローブとして配列番号32、34で表されるDNAを用いた。いずれもS. aureus rRNAの部分逆相補鎖であり、配列番号32のDNAはS. aureus 16S rRNA塩基配列上で配列番号31のDNAの5’側に隣接してハイブリダイズする。また、配列番号34のDNAはS. aureus 23S rRNA塩基配列上で、配列番号33のDNAの5’側に隣接してハイブリダイズする。
rRNA測定用のサンプルの調製は実施例1に準じた。しかし、菌種によっては、菌の懸濁液に直接アルカリ液を加える方法では抽出効率があまりよくない場合があるので、あらかじめ懸濁液にリソスタフィン(Lysostaphin)溶液を最終20mU/mlになるように加え37℃で10分処理した後に、アルカリ変性を行なった。
配列番号31: 5'-TCTAG AGTTG TCAAA GGATG TCA
配列番号32: 5'-CCGAA GGGGA AGGCT CTATC
配列番号33: 5'-GAGAC AACAT TTTCG ACTAC A
配列番号34: 5'-GTACT CAGGA TCCAC TCAAG A
表14に試験結果(吸光度)を示す。
【0051】
【表14】
Figure 0003746083
Figure 0003746083
【0052】
表14に示されるように、いずれのプローブセットでもMRSAを含むS.aureusが全て特異的に検出されている。但し、プローブセット31、32では、調べたスタフィロコッカス属が一様に検出されたのに対し、プローブセット33、34ではS.aureusだけが検出され、他のスタフィロコッカス属細菌、表皮ブドウ状球菌、スタフィロコッカス・ヘモリチカス、スタフィロコカッス・コーニー、スタフィロコッカス・インターメジウス、スタフィロコッカス・ヒカスが検出されなかった。このことは、本実施例の2つのプローブセットのうち、31、32のセットがスタフィロコッカス属細菌全般に、セット33、34が黄色ブドウ状球菌に特異的であることを示唆している。
【0053】
実施例13 隣接プローブ法を用いたアクチノバチルス・プレロニューモニエの薬剤感受性試験−その1
種々の抗菌薬剤の段階希釈による液体培養法で行なった。一晩培養した寒天培地(感受性ブイヨン+0.02%β−NAD)上のアクチノバチルス・プレロニューモニエのコロニーをつまようじで拾い、感受性ブイヨン液体培地1mlに入れ15分放置した。得られた菌の懸濁液を感受性ブイヨン液体培地で適当に希釈し試験に供した。また、生菌数測定のために10μlの懸濁液をとり適当に希釈し0.005%のβ−NADを含む感受性ブイヨン寒天培地に塗抹し37℃で、一晩培養した。
各種薬剤を200μg/mlになるように0.005%のβ−NADを含む感受性ブイヨン液体培地に溶かし、2倍希釈系列を作り、96穴マイクロタイタープレート(住友ベークライト社製、MS−8496F)に50μlずつ分注した。これに適当に希釈した菌懸濁液50μlを加えた。37℃で3-6時間培養した後、各穴にアルカリ変性液12.5μlを加え混合し、10分放置した後、中和液12.5μlを加えた。得られた溶菌液を隣接プローブ法に供した。なお、比較のため、同時に薬剤感受性試験として一般に用いられているディスク法を用いた試験も行なった。まず、対象菌株としてアクチノバチルス・プレロニューモニエ Hi-1株、抗菌薬剤としてオキシテトラサイクリン(OTC)を用い、スタートの菌濃度を2点とり、各種濃度下で3時間培養し隣接プローブ法を行った結果を表15に示す。なお、標識プローブとして配列番号1のDNAを、捕捉プローブとして配列番号2のDNAを用いた。
【0054】
【表15】
Figure 0003746083
【0055】
表15に示されるように、生育阻害効果は培養開始時の菌濃度にはあまり左右されない。仮に薬剤なしに対し吸光度が1/3 以下になる濃度を最少阻止濃度(MIC)とすると、最初の菌濃度が8x106 、8x107/ml でそれぞれ6.25μg/ml、3.13μg/mlとほとんど差が見られない。なお、ディスク法で求められるMIC は3.13-6.25μg/mlとほぼ一致する(ディスク法でも2倍程度の差は日常的に生じる)。ディスク法の場合、培養開始時の菌濃度は厳しく規定されており、データは示さないが、隣接プローブ法と同等の濃度でディスク法の試験をすると、即ち初発菌濃度を107/ml以上にあげると、見かけ上のMIC が増加するか、もしくは全く測定できなくなってしまう。
また、他の薬剤を用いた場合でも、あるいはアクチノバチルス・プレロニューモニエの他の菌株を用いた試験でも同様の結果が得られている。初発菌濃度を一定範囲以内に収め再現性のあるMIC値を求める方法は熟練を必要とするが、本方法を用いれば、試験当日内に容易に再現性のあるデータを得ることができる。また、無菌操作の必要がないことも操作性をよくする一因である。
【0056】
実施例14 隣接プローブ法を用いたアクチノバチルス・プレロニューモニエの薬剤感受性試験−その2
OTC及びカナマイシン(KM)を用い、アクチノバチルス・プレロニューモニエの代表的菌種で隣接プローブ法の試験を行なった。隣接ハイブリダイゼーション法は実施例1に準じた。
吸光度の結果を表16及び表17に示す。なお、表15同様、薬剤なしの検出値を100 %とした。
【0057】
【表16】
Figure 0003746083
【0058】
【表17】
Figure 0003746083
【0059】
表16、17に示されるように、ディスク法と隣接プローブ法で求めたMIC値はほぼ一致しており、隣接プローブ法が従来法と整合性を持っていることを示している。また、従来法では、菌の同定を他の生化学的試験などで行なった後に薬剤感受性試験を行なうために、普通には4日以上かけて試験を行っているが、本隣接プローブ法では菌の同定と薬剤感受性試験を同時に、かつ1日で測定できるため、従来の方法と比較して大幅な試験期間の短縮となる。
【0060】
実施例15 S. aureus のメチシリン感受性試験
アクチノバチルス・プレロニューモニエ同様、薬剤の段階希釈による液体培養法で行なった。一晩培養した寒天培地(感受性ブイヨン)上の黄色ブドウ状球菌コロニーをつまようじで拾い、感受性ブイヨン液体培地1mlに入れ15分放置した。得られた菌の懸濁液を感受性ブイヨン液体培地で適当に希釈し試験に供した。また、生菌数測定のため10μlの懸濁液をとり適当に希釈し感受性ブイヨン寒天培地に塗抹、37℃、一晩培養した。
メチシリンを200μg/mlになるように感受性ブイヨン液体培地に溶解し、2倍希釈系列を作り、96穴マイクロタイタープレートに50μlずつ分注した。これに適当に希釈した菌懸濁液50μlを加えた。37℃で3-6時間培養した後、各穴にアルカリ変性液12.5μlを加え混合し、10分放置した後、中和液12.5μlを加えた。得られた溶菌液を隣接プローブ法に供した。標識プローブとして、配列番号33のDNAを、捕捉プローブとして、配列番号34のDNAを用いた。結果を表18に示す。
なお、表15同様、薬剤なしの検出値を100 %とした。
【0061】
【表18】
Figure 0003746083
【0062】
表18に示されるように、メチシリン耐性菌と感受性菌がはっきり識別されている。本実施例において隣接プローブ法で得られたMIC 値は、ディスク法の試験結果とほぼ一致しており、アクチノバチルス・プレロニューモニエの場合と同様隣接プローブ法が従来法と整合性を持っていることを示している。
【0063】
実施例16 隣接プローブ法を用いたMRSAと緑膿菌の薬剤感受性試験−混合培養試験
隣接プローブ法を薬剤感受性試験に応用する場合、最もその効果を発揮するのは複数の細菌の混合培養系であろう。例えば、臨床検体から病原菌の特定と薬剤感受性試験を行なうためには一旦分離培養し同定試験を行なった後にディスク法などで薬剤感受性試験を行なうが、本発明の方法では、必ずしも分離培養を行なう必要はなく、検体を直接液体培養などで、抗菌薬剤を添加して培養し、菌の同定と薬剤感受性を同時かつ迅速に行なうことができる。また、抗菌薬剤といっても、菌によって効果が異なり、通常は複数の薬剤を投与することが多い。そのためには複数の菌(一例としてMRSAと緑膿菌)を同時に培養し、単独もしくは複数の薬剤投与でその効果を調べるなどの必要が出てくるが、このような系ではディスク法は使えず、現状では培養液中の各菌の個数を分離培養後、何らかの方法で識別した後にその個数を数えるなどの厄介な工夫が必要である。
本発明の方法ではこのような問題はなく、単独培養系と全く同じシステムで試験を行なうことができる。
これを立証するため、抗菌薬剤としてバンコマイシンを用い緑膿菌とMRSAの混合培養による薬剤感受性試験を行なった。緑膿菌(ATCC9721)とMRSA(No.403)の一晩培養液を感受性ブイヨン培地にそれぞれ1000倍に希釈し、バンコマイシンの2倍希釈系列下で、混合もしくは単独で37℃、6時間培養した。なお、隣接ハイブリダイゼーション法は実施例15に準じた。
結果を表19に示す。
【0064】
【表19】
培養 MRSA 単独 緑膿菌単独 MRSA+ 緑膿菌
薬剤 濁度 M P 濁度 M P 濁度 M P
濃度
(μg/ml)
0.00 0.080 0.688 0.006 0.027 0.005 0.836 0.094 0.189 0.872
0.20 0.045 0.264 0.014 0.034 0.012 0.550 0.052 0.090 0.744
0.39 -0.003 0.015 0.002 0.025 0.002 0.638 0.036 0.003 0.742
0.78 0.004 0.011 0.003 0.039 0.003 0.666 0.040 0.008 0.782
1.56 0.001 0.005 0.004 0.039 0.000 0.516 0.040 0.002 0.686
3.13 0.003 0.004 0.002 0.038 0.000 0.454 0.046 0.001 0.642
6.25 0.000 0.012 0.008 0.033 0.004 0.418 0.038 0.007 0.502
濁度:培養液のOD660nm
M :S. aureus 検出用プローブを用いた検出値
P :緑膿菌検出用プローブを用いた検出値
【0065】
表19の結果から、混合培養においても、それぞれの菌の生育状態を独立して検出することができる。また、MRSAの場合、全般に生育は阻害されるものの薬剤耐性の異種の菌が混在していても感受性の度合には影響がない。一方緑膿菌の場合は、MRSAが混在していてもほとんど影響がない、などとといった事実が見出されるが、前述したように、従来の方法ではこのような混合培養系での個々の菌の生育状態を追跡するのは容易ではない。
【0066】
実施例17 大腸菌プラスミド(pUC118) にコードされるβ−ガラクトシダーゼ遺伝子発現の検出
大腸菌菌株は、JM109 株及び本株をプラスミドpUC118で形質転換したものを用いた。検出する遺伝子は、大腸菌のβ−ガラクトシダーゼ遺伝子であり、その一部がpUC118に含まれているものである。
配列番号36で示されるDNAをマイクロタイタープレートに固定し、配列番号35で示されるDNAをジゴキシゲニンで標識し、ハイブリダイゼーションに供した。いずれもpUC118に含まれるβ−ガラクトシダーゼ部分遺伝子から転写されるmRNAの逆相補鎖であり、配列番号36のDNAは該mRNAで配列番号35のDNAの3’側に隣接してハイブリダイズする。
LB培地で一晩培養した培養液を、新しいLB培地に1/100 容加え、37℃、1時間培養する。これにイソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(IPTG) を最終2mMになるように加え、β−ガラクトシダーゼを誘導、さらに37℃、1時間培養を続ける。なお、pUC118で形質転換した大腸菌の培養にはアンピシリンを50μg/mlになるように加えている。
培養液に1N NaOHを1/8 容加え、37℃、10分処理後、実施例1に示した方法に従い、検出試験を行った。結果を表20に示す。
配列番号35: 5'-TAAGT TGGGT AACGC CAGGG T
配列番号36: 5'-GGGAT GTGCT GCAAG GCGAT
【0067】
【表20】
Figure 0003746083
【0068】
pUC118は細胞内のコピー数が1,000 以上と非常に多コピーであり、転写産物も単一遺伝子の場合に比べ、多く生産されているものと思われる。また、転写誘導をかけない状態では検出値がバックグラウンドレベルであることから、本実施例の方法ではプラスミドDNAは検出されていないことがわかる。従って、誘導をかけた形質転換株で得られた検出値は細胞内のmRNAレベルを反映しているものと考えられる。
【0069】
実施例18
以下の成分を含む、500検体分のキットを作成した。
Figure 0003746083
【0070】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、RNAを迅速・簡便に検出することができる。またこれを利用して、生物種の同定・検出を従来法と比較してはるかに迅速・簡便に行うことができる。さらにまた本発明の方法は異種の菌が混在していても感受性の度合に影響がないので、細菌の薬剤感受性を迅速・簡便に調べることができる。
【0071】
【配列表】
配列番号:1
配列の長さ:24
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸 合成DNA
配列
Figure 0003746083
【0072】
配列番号:2
配列の長さ:25
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸 合成DNA
配列
Figure 0003746083
【0073】
配列番号:3
配列の長さ:17
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸 合成DNA
配列
Figure 0003746083
【0074】
配列番号:4
配列の長さ:25
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸 合成DNA
配列
Figure 0003746083
【0075】
配列番号:5
配列の長さ:21
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸 合成DNA
配列
Figure 0003746083
【0076】
配列番号:6
配列の長さ:25
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸 合成DNA
配列
Figure 0003746083
【0077】
配列番号:7
配列の長さ:29
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸 合成DNA
配列
Figure 0003746083
【0078】
配列番号:8
配列の長さ:20
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸 合成DNA
配列
Figure 0003746083
【0079】
配列番号:9
配列の長さ:20
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸 合成DNA
配列
Figure 0003746083
【0080】
配列番号:10
配列の長さ:20
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸 合成DNA
配列
Figure 0003746083
【0081】
配列番号:11
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配列の型:核酸
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配列の種類:他の核酸 合成DNA
配列
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【0082】
配列番号12
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鎖の数:一本鎖
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配列
Figure 0003746083
【0083】
配列番号:13
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配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
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配列
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【0084】
配列番号:14
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配列
Figure 0003746083
【0085】
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配列
Figure 0003746083
【0086】
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配列
Figure 0003746083
【0087】
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配列
Figure 0003746083
【0088】
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配列の型:核酸
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配列
Figure 0003746083
【0089】
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配列の型:核酸
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配列
Figure 0003746083
【0090】
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配列
Figure 0003746083
【0091】
配列番号:21
配列の長さ:21
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸 合成DNA
配列
Figure 0003746083
【0092】
配列番号:22
配列の長さ:22
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸 合成DNA
配列
Figure 0003746083
【0093】
配列番号:23
配列の長さ:30
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鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸 合成DNA
配列
Figure 0003746083
【0094】
配列番号:24
配列の長さ:25
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配列
Figure 0003746083
【0095】
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配列
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【0096】
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配列
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【0097】
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配列
Figure 0003746083
【0098】
配列番号:28
配列の長さ:22
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
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配列の種類:他の核酸 合成DNA
配列
Figure 0003746083
【0099】
配列番号:29
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配列の型:核酸
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配列
Figure 0003746083
【0100】
配列番号:30
配列の長さ:25
配列の型:核酸
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トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸 合成DNA
配列
Figure 0003746083
【0101】
配列番号:31
配列の長さ:23
配列の型:核酸
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トポロジー:直鎖状
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配列
Figure 0003746083
【0102】
配列番号:32
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トポロジー:直鎖状
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配列
Figure 0003746083
【0103】
配列番号:33
配列の長さ:21
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸 合成DNA
配列
Figure 0003746083
【0104】
配列番号:34
配列の長さ:21
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸 合成DNA
配列
Figure 0003746083
【0105】
配列番号:35
配列の長さ:21
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸 合成DNA
配列
Figure 0003746083
【0106】
配列番号:36
配列の長さ:20
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸 合成DNA
配列
Figure 0003746083

Claims (5)

  1. 2種の核酸プローブを用いた生物種の検出方法において、該生物種のリボゾームRNAの塩基配列のうち、特異的な10塩基以上の部分配列(A)の逆相補鎖DNAと、該リボゾームRNA上で部分配列(A)の近傍に存在する10塩基以上の部分配列(B)の逆相補鎖DNAを用意し、一方を捕捉プローブとして担体に固定し、他方を標識物質で標識して標識プローブとし、該生物種を含む試料及び標識プローブを該担体に固定された捕捉プローブと接触させて該リボゾームRNAに捕捉プローブと標識プローブをハイブリダイズさせ、該リボゾームRNAに結合した標識プローブの標識物質を検出することにより該生物種の存在を検出する方法であって、該生物種とその検出に用いるプローブセット(標識プローブと捕捉プローブ)の配列とが、以下に示される13種の組合わせから選ばれる、生物種の検出方法。
    Figure 0003746083
  2. 標識物質が、ジゴキシゲニン又はビオチンである請求項1記載の方法。
  3. ジゴキシゲニン又はビオチンを、抗ジゴキシゲニン抗体−酵素複合体又はビオチン−アビジン−酵素複合体を用いて検出する請求項2記載の方法。
  4. 以下の(イ)〜(ニ)を含む、請求項1記載の方法に使用するための生物種の同定・検出用キット。
    (イ)請求項1に記載のプローブセットのうちの一方であって、標識物質で標識されたDNA
    (ロ)上記(イ)のプローブセットのうちの他方のDNAを固定化した担体
    (ハ)標識物質を検出するための試薬
    (ニ)ハイブリダイゼーション溶液
  5. さらに溶菌液を含む、請求項4記載のキット。
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