JP4427806B2 - 腸内細菌検出用オリゴヌクレオチド及び腸内細菌の検出方法 - Google Patents

腸内細菌検出用オリゴヌクレオチド及び腸内細菌の検出方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、腸内細菌検出用オリゴヌクレオチド及び腸内細菌の検出方法に関し、例えば食品衛生に関わる検査における腸内細菌の検出に適用するものである。
【0002】
【従来の技術】
多くの腸内細菌を検出できる方法としては、大腸菌群検査があり、現在、この検査は食品衛生の管理上必要欠くべからず検査として位置付けられている。従来の大腸菌群検査(以下、従来法という)は、デゾキシコレート法、乳糖ブイヨン法、BGLB法があり、いずれも選択培養での乳糖発酵性と炭酸ガス発生ならびにグラム陰性無芽胞桿菌であることを指標として大腸菌群を検出する。これらは、陽性確定に至るまで4つの試験を必要とし結果判定に4〜5日を要するものである。
【0003】
より迅速で簡便な方法として酵素基質法が開発され、近年普及してきている。この方法は、発色合成酵素基質を用いて選択培養におけるβ-ガラクトシラーゼを検出するもので、1つの試験のみによって大腸菌群が24時間で確定でき、従来法より簡易で迅速な測定法である。
【0004】
乳糖発酵に関与する主要な酵素はβ-ガラクトシラーゼであるので、培養菌からのβ-ガラクトシラーゼの検出は、間接的に大腸菌群の存在の証明となる。乳糖発酵にはβ-ガラクトシラーゼの他、細胞透過酵素を必要とし、β-ガラクトシラーゼを産生しても透過酵素を欠くために乳糖を発酵しない潜在的乳糖発酵菌がある。これらは従来法では検出できないが、酵素基質法ではこれらの菌も大腸菌群として検出できる。従って、従来法よりも酵素基質法により検出される菌種は多く、Shigella sonnnei、Salmonella bongori、Serratia marcescensなど従来法では検出出来ない腸管由来の病原体を検出できる。酵素基質法は乳糖発酵性を指標とした検査よりも腸内細菌 の過半数を汚染指標菌として検出できる点において衛生学的検査の目的により適していると言われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、酵素基質法は過半数の腸内細菌を検出するもののβ-ガラクトシラーゼ陰性の腸内細菌は検出されないため、Salmonella Thphi、Salmonella paratyphiAなどのβ-ガラクトシラーゼ陰性の腸管由来病原体を検出することができず、またAeromonas caviaeなどビブリオ科に属する一部の細菌種が偽陽性として検出されるのが欠点となる。また、培養を必要とするため、結果判定に24時間の時間を必要とするという問題があった。本願発明者はβ−ガラクトシラーゼ陽性または陰性にかかわらずすべての腸内細菌を迅速にしかも正確に検出できれば、腸内細菌検査は食品衛生の指標として大腸菌群検査よりも優れたものとなると考える。しかし、すべての腸内細菌を検出するには、標準寒天平板培地等で培養後、出現したコロニーから単一菌株の純粋分離培養を行い、次に得られた個々の分離菌株についてグラム反応試験、次いで50数項目におよぶ生化学試験を実施しなければならず、大腸菌群検査よりも多くの項数と時間を要する問題があった。
【0006】
一方、今日、微生物検査は、より迅速な結果が求められ、様々な迅速検出法が報告されている。検出方法として、検出対象微生物が特異的に有する酵素の活性など表現型に基づくものの他に、検出対象微生物が特異的に有する遺伝子の塩基配列を検出する方法が報告されている。例えば、毒素遺伝子の特異的塩基配列をプライマーとして用いるPCR法があり、ボツリヌス菌、腸炎ビブリオ、黄色ブドウ球菌、大腸菌O-157などの検出プライマーが市販されている。またrRNAの塩基配列を用いて、PCRやハイブリダイゼーションにより対象微生物を検出する方法がサルモネラ、大腸菌、結核菌などで報告されている。遺伝子型に基づいた検査法は、培養を伴わなければ表現型よりも検査の迅速性が期待できるものである。腸内細菌に関しては、Lac-Z(β-ガラクトシラーゼ)遺伝子の特異的塩基配列をプライマーとしたPCRによるcoliform(β-ガラクトシラーゼ陽性の腸内細菌)の検出方法が報告されている。しかしながらその検出率は供試coliformの70%程度と効果の低いものであった。
【0007】
本願発明は上記に鑑みなされたもので、腸内細菌の検出を正確かつ簡易、迅速に行なうことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的達成のため、本願発明による腸内細菌検出用オリゴヌクレオチドは、配列番号1乃至配列番号3で表される塩基配列を有するDNA又はRNAの核酸であることを特徴とする。
また、本願発明による腸内細菌検出用オリゴヌクレオチドは、配列番号4乃至配列番号6で表される塩基配列を有するDNA又はRNAの核酸であることを特徴とする。
また、本願発明は、請求項1記載の腸内細菌検出用オリゴヌクレオチドを検出対象の核酸にハイブリダイゼーションし、ハイブリッドされた検出対象を腸内細菌とみなすことを特徴とする腸内細菌の検出方法を供する。
また、この腸内細菌の検出方法は、請求項記載の腸内細菌検出用オリゴヌクレオチドを検出対象の核酸にハイブリダイゼーションし、ハイブリッドされた検出対象を腸内細菌とみなすことを特徴とする。
また、請求項記載の腸内細菌の検出方法において、腸内細菌検出用オリゴヌクレオチドの塩基配列と検出対象の核酸の同領域塩基配列とを比較し、検出対象の核酸の塩基配列が腸内細菌検出用オリゴヌクレオチドの塩基配列にミスマッチする塩基の数に基づく数値(基準値)の範囲にあるとき検出対象を腸内細菌とみなすことを特徴とする。
また、請求項記載の腸内細菌の検出方法において、腸内細菌検出用オリゴヌクレオチドの塩基配列と検出対象の核酸の同領域塩基配列とを比較し、検出対象の核酸の塩基配列が腸内細菌検出用オリゴヌクレオチドの塩基配列にミスマッチする塩基の数に基づく数値(基準値)の範囲にあるとき検出対象を腸内細菌とみなすことを特徴とする。
また、請求項又は請求項記載の腸内細菌の検出方法において、上記基準値は請求項1又は請求項の塩基配列と腸内細菌科とパスツレラ科及びビブリオ科のそれぞれに属する菌種の16S rDNAの同領域の塩基配列とを比較し、ミスマッチする塩基の数より導き出すことを特徴とする。
また、請求項乃至請求項のいずれか一記載の腸内細菌検出方法において、検出対象の核酸の塩基配列が上記基準値の範囲にあるとき、検出対象の核酸と腸内細菌検出用オリゴヌクレオチドがハイブリッドすることを特徴とする。
また、請求項記載の腸内細菌の検出方法において、上記基準値を2以下とすることを特徴とする。
また、請求項記載の腸内細菌の検出方法において、上記基準値を6以下とすることを特徴とする。
また、請求項又は請求項記載の腸内細菌の検出方法において、上記ハイブリダイゼーション及び洗浄の温度条件は腸内細菌検出用オリゴヌクレオチドの塩基配列と検出対象の核酸の同領域塩基配列とを比較し、検出対象の核酸の塩基配列が腸内細菌検出用オリゴヌクレオチドの塩基配列にミスマッチする塩基の数より導き出すことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
本願発明による腸内細菌検出用オリゴヌクレオチド及び腸内細菌の検出方法は腸内細菌に特異的なオリゴヌクレオチドの標識体をプローブとして用い、これとのハイブリッドを検出する方法を考えた。また、その際に塩基数20前後の短いオリゴヌクレオチドプローブを用いれば、核酸の抽出を必要としないin situ ハイブリダイゼーションを行うことができ、1塩基の相違まで検出できるという利点が得られる。その場合、検出対象としてどのようなDNAまたはRNAをターゲットとするかが問題となる。本願発明者は、腸内細菌すなわちEnterobacteriaceae(腸内細菌科)に属する菌種が系統的にまとまった分類群(taxon)であるため、次の理由により腸内細菌の特異的塩基配列が16S rDNAに見出されるのではないかと考えた。即ち、16S rDNAはすべてのDomein Bacteria(細菌)に存在する全長約1500塩基程度のRNAで、その塩基配列は全ての細菌において保存性の高い領域と細菌の種類に応じて変化のある領域があることが知られている。変化のある領域は9カ所(V1〜V9)あり、これらの塩基配列の違いは種あるいは属レベルに応じて異なっており、細菌の進化系統を反映しているとされているからである。このことから腸内細菌の検出対象を16S rDNA又は16S rDNAとした。そして腸内細菌に特異的な16S rDNA塩基配列を検索し、その配列をもとに腸内細菌検出用オリゴヌクレオチドを開発したのである。
【0010】
16S rDNAによる系統解析から腸内細菌科はPreteobacteria γグループに属し、このγグループにおいて腸内細菌科は系統的にPasteurellaceae(パスツレラ科)に最も近く、次にVibrionaceae(ビブリオ科)が近いとされている。従って腸内細菌科とパスツレラ科並びにビブリオ科に属する菌種の16S rDNA塩基配列を比較し、腸内細菌科に共通で、かつ、後2者のパスツレラ科及びビブリオ科とは異なる塩基配列を見出すことができれば、後2者よりも系統的に遠い細菌にあってはその配列の違いはさらに大きくなる筈である。そこで腸内細菌12属29種(β-ガラクトシラーゼ(+)9属19 種、β-ガラクトシラーゼ(−)5属9 種、β-ガラクトシラーゼ(不明)1種)と、パスツレラ科に属する細菌3属6種、ビブリオ科に属する細菌3属8種の16S rDNA塩基配列情報を収集し、これら配列のマルチプルアライメントを行い腸内細菌だけに共通な塩基配列を検索した。尚、これら16S rDNA塩基配列情報は例えば次の分析操作等により入手することができる。即ち、各種細菌を適切な液体培地を用いて適温で培養後、インスタジーンDNA精製マトリックス(日本バイオラッド社)を用いて培養菌体からDNAを抽出する。この抽出DNAと2つのユニバーサルプライマー(10F:AGTTTGATCCTGGCTC、1540 R:AAGGAGGTGATCCAGCC)、そしてPCRキット(Gene Amp PCR Core Reagents:Peakin Elmer社)を用いて反応液(一般的な組成)を調製し、これをPCR反応(一般的条件)に供し16S rDNAを増幅させる。得られたPCR産物をゲル濾過カラム(Chroma spin -100 columns:Clontech Laboratories社)を用いて精製後、精製PCR産物と1つのユニバーサルプライマー(10Fあるいは1540Rあるいは16S rDNAのその他の領域をコードするユニバーサルプライマー)とDNAシーケンスキット(Dye Terminator Cycle Sequencing Ready Rection:Peakin Elmer社)を用いて16S rDNA全長における様々な領域について個々にシーケンス反応を行う。次にこれらシーケンス反応物をDNAシーケンサー(Model 377:Peakin Ermer社)に供し、16S rDNA部分塩基配列情報を得る。次いでこれら配列情報を編集し16S rDNAの全塩基配列を決定することになる。
【0011】
その結果、β-ガラクトシラーゼの陽性または陰性に関わらず腸内細菌特異的塩基配列が16S rDNA塩基配列のV2(179-194 in E.coli No.)、V5( 834-856 in E.coli No.)、V7( 1123-1141 in E.coli No.)、V8(1251-1274 in E.coli No.)の領域に見出され、各領域における E.coli の配列を腸内細菌特異的塩基配列とし、それぞれ
A (ATAACGTCGCAAGACC)
B (TTGTGCCCTTGAGGCGTGGCTTC)
C (TGTTGCCAGCGGTCCGGCC)
D (AAGAGAAGCGACCTCGCGAGAGCA)
と命名した(図1参照)。Aは16塩基、Bは23塩基、Cは19塩基、Dは24塩基からなる。
【0012】
次に上記腸内細菌特異的塩基配列A、B、C、Dとマルチプルアライメントに用いた上記各菌種(腸内細菌科、パスツレラ科及びビブリオ科)の16S rDNAの同領域の塩基配列を比較した。上記特異的塩基配列A−Dは、パスツレラ科及びビブリオ科の菌種14菌種に対しては比較的ミスマッチ数が大きく、腸内細菌29菌種に対しては少なかった(表1及び表2参照)。また上記特異的塩基配列A-Dのパスツレラ科及びビブリオ科に対する最小ミスマッチ数は、それぞれAが5、Bが3、Cが3、Dが7塩基であった。このことは、腸内細菌の基準として、多くとも上記特異的塩基配列Aに対し4以下、Bに対し2以下、Cに対し2以下、Dに対し6以下のミスマッチを持つ菌を腸内細菌とみなすことができるといえる(このミスマッチ数を以下「許容ミスマッチ数」という)。この基準に基づいたとき腸内細菌29菌種に対しA-Dそれぞれの配列が腸内細菌とみなす菌種の数は、Aでは26菌種(90%)、Bでは27菌種(93%)、Cでは18菌種(62%)、Dでは29菌種(100%)であった。この数値(%)はA-Dそれぞれの塩基配列から導かれたオリゴヌクレオチドを用いて腸内細菌を検出したときの検出率とみなすことができる。かかる見地からBとDは大変に有望といえるので、本発明による腸内細菌検出用オリゴヌクレオチドは、配列Bに基づいて配列番号1乃至配列番号3の塩基配列を有するDNAまたはRNAの核酸及び配列Dに基づいて配列番号4乃至配列番号6の塩基配列を有するDNAまたはRNAの核酸としたのである。
【0013】
【表1】
Figure 0004427806
【0014】
【表2】
Figure 0004427806
【0015】
ここで腸内細菌特異的塩基配列の相同性(%)の範囲について説明する。〔0011〕より配列B、配列Dの塩基数はそれぞれ、23塩基、24塩基で、〔0012〕よりパスツレラ科とビブリオ科に対する最小ミスマッチ数は、配列Bでは3、配列Dでは7である。この値から検出対象を腸内細菌とみなす基準は、配列Bとミスマッチ数2以下(0を含む)の配列をもつもの、又は配列Dとミスマッチ数6以下(0を含む)の配列をもつものとなる。即ち、この値(「2」又は「6」)が検出対象を腸内細菌とみなす基準値であり、「許容ミスマッチ数」となる。
【0016】
配列Bの塩基数は23塩基である。そこで腸内細菌とみなすことの出来るヌクレオチドの配列Bとの相同性(%)の許容範囲は、23塩基に対してBの許容ミスマッチ塩基数が2以下であることから、
(23−2)/23×100=91%
となる。ゆえに配列Bとの相同性(%)の許容範囲は91%〜100%となる。
よって、配列Bから導かれる配列番号1乃至配列番号3のオリゴタクレオチドの塩基配列についてみると、配列番号1乃至配列番号3のオリゴタクレオチドの塩基配列と少なくとも91%相同であるオリゴヌクレオチドも腸内細菌検出用オリゴヌクレオチドとして有効となる。
【0017】
次に配列Dについてみると、Dの塩基数は24塩基である。そこで配列Dに対して腸内細菌とみなすことの出来る塩基配列の相同性(%)は、24塩基に対して許容ミスマッチ数6以下であることから、
(24−6)/24×100=75%
となる。ゆえに腸内細菌とみなすことの出来る配列Dとの塩基配列の相同性の(%)は75%以上となる。
よって、配列Dから導かれる配列番号4乃至配列番号6についてみると、配列番号4乃至配列番号6のオリゴタクレオチドの塩基配列と少なくとも75%相同であるオリゴヌクレオチドも腸内細菌検出用オリゴヌクレオチドとして有効となる。
【0018】
本願発明による腸内細菌検出用オリゴヌクレオチドは夫々次の3種の核酸の塩基配列を示す。
即ち、請求項1の塩基配列は、配列番号1乃至配列番号3の3種を示す。
【0019】
また、請求項2の塩基配列は、配列番号4乃至配列番号6の3種を示す。
【0020】
次に、かくして開発した腸内細菌検出用オリゴヌクレオチドを用いて行なう腸内細菌の検出方法について説明する。オリゴヌクレオチドの合成はDNA 自動合成装置等を用いて化学的に合成することにより、またはEscherichia coli遺伝子を酵素的に切り出すことにより調製することができる。
標識体は、例えばアイソトープや蛍光物質などの検出可能な標識物を通常の方法により、オリゴヌクレオチドに結合する。標識体とサンプルとのハイブリダイゼーションは、通常の方法により、例えばFISH (Fluorescence In Situ Hybridaization)などやその他の方法により行うことができ、また、形成したハイブリッドの確認は、蛍光顕微鏡観察により標識物を観察すればよい。
【0021】
またこれらのオリゴヌクレオチドのうちで、前述の配列番号1、配列番号2、配列番号4又は配列番号5で表されるDNA断片は、PCR法においてプライマーとして用いることもできる。例えば、確認対象となる菌体を溶菌し、該菌のDNAに対し配列番号1、配列番号2、配列番号4又は配列番号5のDNA断片のいずれか一をプライマーの1つとして加える。このときもう一方のプライマーは任意の16S rDNAユニバーサル領域をコードするDNA断片を用いる。また、配列番号1及び配列番号5のDNA断片を2つのプライマーとして同時に用いてもよい。次にPCR反応を行い、その産物を電気泳動等により特定の長さのDNAの増幅が確認できれば、対象菌体は腸内細菌であることが特定できる。
【0022】
FISHによる腸内細菌の検出例を具体的に説明する。
方法はR. Amann, J. Snaidr, M. Wagner, W. Ludwig, and K.-H. Schleifer : J. Bacteriol., 178, 3496 (1996).を参考に行った。尚、プローブのターゲットは16S rRNAとした。
プローブの作製
配列番号2のオリゴヌクレオチドの塩基配列の5'末端をFITC(fluorescein isothiocyanate)で標識した1本鎖DNA(FITC-5' -GAAGCCACGCCTCAAGGGCACAA -3')を合成し、これを腸内細菌検出用プローブ1(以下、プローブ1と略称)とした。また配列番号5のオリゴヌクレオチドの塩基配列の5'末端をFITCで標識した1本鎖DNA(FITC-5' -TGCTCTCGCGAGGTCGCTTCTCTT-3')を合成し、これを腸内細菌検出用プローブ2(以下、プローブ2と略称)とした。
【0023】
一方、全てのeubacteriaを検出するプローブとして、16S rDNA universal領域(342-357/in E.coli No.)の相補的塩基配列の5' 末端を蛍光物質TAMRA(N、N、N'、N'-tetramethyl-6-carboxyrhodamine)で標識した1本鎖DNA(TAMRA-5'- CTGCTGCCTCCCGTAG-3' )を合成した(これをプローブ350Rという)。このプローブは腸内細菌検出用プローブ1及び同2が正しく機能していることを検証するための陽性コントロールに用いた。
【0024】
次に、FISH方法について詳述すると次の通りである。
ガラススライドの調製
ガラススライドを10%水酸化カリウム/ エタノールに1時間浸けた後、蒸留水ですすぎ風乾した。次にこの表面に70℃のゼラチン溶液(0.1%ゼラチン、0.01%硫酸カリウムクロム)を載せ、ガラススライドを直立にして乾燥させた。
【0025】
菌株の固定
菌体中のrRNA含量を高めるため、使用菌株の前培養液100μlを培養に適した液体培地3ml に接種し1回の細胞分裂に要する時間として1時間培養した。この培養液1mlから遠心分離(10000rpm×10分)で菌体を集め、これに200mMリン酸緩衝液 (pH 7.2)250μlを加え、懸濁した。次にこのバクテリア懸濁液に750μlの4%パラホルムアルデヒド / 200mMリン酸緩衝液 (pH 7.2)を添加し、ゆるやかに撹伴(2時間、室温下)した。これに100μlの1%Nonidet P-40 ( sigma社)を添加し、この懸濁液 3μlをガラススライドに載せ風乾させた。次に、このスライドガラスを50%エタノール、80%エタノール、100%エタノールに3分ずつ順に浸けた後、風乾させた。
【0026】
ハイブリダイゼーション・蛍光顕微鏡観察
9μlハイブリダイゼーション溶液(0.9M NaCl、20% ホルムアミド、200mM Tris HCl(pH7.4)、0.01% SDS)をスライドガラス上の菌株が固定化されている部位に載せ、これをモイスチャーチャンバーに入れ30分保温した(プレハイブリダイゼーション)。次に、スライドガラス上の同部位に1μlのプローブ(50ng/μl)を添加し、このスライドガラスを2時間保温した(ハイブリダイゼーション)。次にこのスライドガラスを保温したハイブリダイゼーション洗浄液(20mM TrisHCl(pH7.4)、180mM NaCl、0.01% SDS)5mlで洗浄後、保温したハイブリ洗浄液20mlに15分浸し、次いで、蒸留水20mlに数秒間浸し風乾した。このスライドガラスに封入剤(DABCO(sigma社):0.13g、グリセロール:9ml、PBS(pH 8.8):1ml)を載せ、カバーガラスを被せた後、蛍光顕微鏡観察した。
蛍光フィルターはプローブ1及び同2に対してはFITC/Rhodamine用band pass filter(ニコン)、プローブ350Rに対してはG2Aフィルター(ニコン)を用いた。尚、蛍光がFISHに由来するシグナルであることを確認するため陰性コントロールとしてプローブを添加しないFISH操作を行った。
【0027】
腸内細菌の有無判定
腸内細菌検出用プローブ1及び同2はFITCで標識したので、上述の蛍光フィルターを用いて蛍光顕微鏡観察をするとプローブ1またはプローブ2とハイブリッドした細菌は緑に光る。このため、これを腸内細菌と判定することができる。尚、全ての細菌とハイブリッドするプローブ350Rは標識されたTAMRAにより赤く光る。
【0028】
腸内細菌とみなす基準
腸内細菌とみなす基準は配列Bあるいは配列Dとの許容ミスマッチ数から求めた。 この際、前述(0012)した数値条件の設定により上記基準を次のようにゆるいものからきついものとすることができる。即ち、
配列B
最もゆるい基準:ミスマッチ数2以下、最もきつい基準:ミスマッチ数0
配列D
最もゆるい基準:ミスマッチ数6以下、最もきつい基準:ミスマッチ数0
本発明では、腸内細菌とみなす基準を比較的きついものとし、上記2つの配列に対するミスマッチ数を最もゆるい基準時のミスマッチ数の1/3以下とした。これより、腸内細菌とみなす配列Bとのミスマッチ数は2/3となるから腸内細菌とみなす基準は0となり、配列Dとのミスマッチ数は6/3となるから上記基準は2塩基以内となる。
【0029】
FISHの温度条件決定のプロセス
上記基準に基づきプローブ1に対しては1塩基以上のミスマッチを区別する条件を、またプローブ2に対しては3塩基以上のミスマッチを区別する条件を確立するため、それぞれプローブのFISH温度条件(ハイブリダイゼーション温度と洗浄温度)を検討した。
【0030】
材料
プローブ1
プローブ2
【0031】
供試菌株1(プローブ1のFISH用) プローブ1とのミスマッチ塩基数
Escherichia coli IAM 12119T 0
Enterobacter amunigenus JCM 1237T 2
Aeromonas hydrophila IAM 12337T 3
【0032】
供試菌株2(プローブ2のFISH用) プローブ2とのミスマッチ塩基数
Escherichia coli IAM 12119T 0
Serratia ficalia IAM13540T 1
Serratia rubidaea IAM13545T 3
【0033】
方法
プローブ1のFISH温度条件を検討するため、供試菌株にEscherichia coli IAM 12119T、Enterobacter amunigenus JCM 1237T 、 Aeromonas hydrophila IAM 12337Tを用いた(供試菌株1)。これらのプローブ1とのミスマッチ塩基数はそれぞれ0、2、3である。FISH温度条件を45℃、50℃、60℃、55℃、60℃、65℃、70℃として、 供試菌株1と腸内細菌用プローブ1とのFISHを行った。
またプローブ2のFISH温度条件を検討するため、供試菌株2にEscherichia coli IAM 12119T、Serratia ficalia IAM13540T、Serratia rubidaea IAM13545Tを用いた(供試菌株2)。これらのプローブ2とのミスマッチ塩基数はそれぞれ0、1、3である。FISH温度条件を45℃、55℃、60℃、65℃として、供試菌株2と腸内細菌用プローブ2とのFISHを行った。
FISH後、両プローブそれぞれの温度条件と蛍光シグナル強度の関係を評価した。 尚、シグナル強度を目視により次のように評価した。
(+++:とても強い、++:強い、+:普通、w:弱い、−:シグナル検出出来ない)
【0034】
結果
プローブ1を用いたFISHについては(表3)、45℃から55℃にかけてプローブとの1塩基の違いを区別が可能であり、55℃が最もシグナルが強かった。しかし60℃から65℃では逆にプローブに対する特異性がなく3塩基の違いすら区別できなかった。70℃ではシグナルが検出されなかった。このことから1塩基の違いを区別するハイブリダイゼーション温度と洗浄温度として55℃が適当と判断し、以後、プローブ1のFISHの温度条件を55℃とした。
次に、プローブ2を用いたFISHにおいて(表4)、45℃ではいずれの菌株から強いシグナルが得られるもののプローブに対する特異性は低く3塩基の違いを区別出来なかった。しかし温度条件の上昇に伴って特異性が高くなり、その一方で蛍光シグナルが次第に弱くなることが認められた。そして65℃に至っては1塩基を区別できるほどの特異性が得られたが、シグナルは最も弱いものであった。3塩基の違いを区別するハイブリダイゼーション温度と洗浄温度条件として60℃が適当と判断し、以後、プローブ2のFISHの温度条件を60℃とした。
【0035】
【表3】
Figure 0004427806
【0036】
【表4】
Figure 0004427806
【0037】
(プローブ1及び同2の腸内細菌検出精度の検定)
請求項1並び請求項2記載の腸内細菌検出用オリゴヌクレオチドの腸内細菌検出精度を検定した。腸内細菌の検出は、上記プローブ1及び同2を用い、上記のように決定したFISH条件により行った。尚、陽性コントロールとして上記したプローブ350Rを用いた。供試菌株は、腸内細菌として14属34種(β-ガラクトシラーゼ陽性: 9属18種、β-ガラクトシラーゼ陰性:8属16種)を、また腸内細菌とは系統の異なる非腸内細菌として6属9種を用いた。
【0038】
その結果を表5に示す。陽性コントロールであるプローブ350RによるFISHについては、供試菌すべてから蛍光が検出され、また、プローブ350Rを加えないFISHでは、すべての菌株から蛍光が認められなかった。このことから、蛍光はプローブ由来のシグナルでプローブ350RによるFISHが正しく実施されていることが確認された。また腸内細菌検出用プローブ1及び同2によるFISHも同様に正しく実施されているとみなした。
【0039】
【表5】
Figure 0004427806
【0040】
次に供試腸内細菌菌株と腸内細菌検出用プローブ1及び同2によるFISHについては、プローブ1及び同2いずれもβ-ガラクトシラーゼ陽性陰性を問わずそのほとんどから蛍光が検出され、またプローブを加えないFISHでは蛍光が認められなかった(表5参照)。このことは、検出された蛍光はプローブ1及び同2のシグナルであると判断した。検出された腸内細菌は、供試菌34株に対しプローブ1は29株(85%)、プローブ2は32株(94%)であった。一方、非腸内細菌とプローブ1及び同2によるFISHを行った結果、いずれもシグナルが検出されなかった。以上から、腸内細菌検出用プローブ1及び同2は供試腸内細菌を特異的に検出することが可能であり、その検出率はいずれも高くプローブ1は85%、プローブ2は94%であった。よって、本願発明による腸内細菌の検出精度は高いことが判明した。しかも大腸菌群検査では検出できないβ-ガラクトシラーゼ陰性の腸菌由来病原体としてSalmonella serovar enteritidisやSalmonella serovar typhimuriumなどを検出できるので(表5)、本願発明は食品衛生の指標として大腸菌群検査よりも有用である。
【0041】
また本願発明によれば、腸内細菌の検出はハイブリダイゼーションの結果、蛍光発色した検出対象を腸内細菌とみなすだけでよいから簡易である。
【0042】
さらに本願発明による腸内細菌の検出は、多くのプロセスを要せず約5時間程度と迅速に行えるという効果がある。
【0043】
次に実施例を示す。
【0044】
実施例1(腸内細菌検出用オリゴヌクレオチドによる各種菌種混合サンプルからの腸内細菌の検出方法)
腸内細菌検出用オリゴヌクレオチドの塩基配列に由来し蛍光物質でラベルしたプローブを用いるFISHにより、腸内細菌を含み複数の菌種が混在している試料から腸内細菌が迅速に検出出来る方法の例を示す。
材料
プローブ:上記(0022)記載のプローブ1を用いた。
使用菌株:次の3菌種を混合して用いた。
Escherichia coli IAM12119T、(腸内細菌の代表として選んだ菌種、短桿菌)
Vibrio fluvialis IAM14403T(腸内細菌と系統が近い非腸内細菌の代表として選んだ菌種、短桿菌)
Bacillus subtilis IAM 12118T(腸内細菌と系統が遠い非腸内細菌の代表として選んだ菌種、長桿菌)
方法
FISH:菌株の固定、ハイブリダイゼーション・蛍光顕微鏡観察は上記(0025、0026)に従った。
FISH温度条件:プローブ1を用いたFISHにおける腸内細菌とみなす基準を上記(0028)同様ミスマッチ数0とした。従ってハイブリダイゼーション温度と洗浄温度を55℃とした(0034参照)。
結果
3種の菌株を混合したサンプルに対しプローブ1を用いたFISHを行い、約5時間後に蛍光顕微鏡で観察した。その結果、緑色に強く光る短桿菌のみが観察された。これら3菌種は単独でプローブ1を用いてFISHした場合、Bacillus subtilis IAM 12118TおよびVibrio fluvialis IAM14403Tは蛍光を示さず、Escherichia coli IAM12119Tはプローブ1とハイブリッドしてFITCの蛍光色である緑色に光るので(表5)、観察された緑色に光る短桿菌はEscherichia coli IAM12119Tである。従って、プローブ1を用いたFISHにより、腸内細菌を含み複数の菌種が混在している試料から腸内細菌のみを約5時間程度と迅速に検出することができた。
【0045】
実施例2(腸内細菌検出用オリゴヌクレオチドによる食品からの腸内細菌の検出方法)
腸内細菌検出用オリゴヌクレオチドの塩基配列に由来し蛍光物質でラベルしたプローブを用いるFISHにより、食品中に含まれる腸内細菌を迅速に検出できる方法の例を示す。
材料
プローブ:上記(0022)記載のプローブ2を用いた。
使用菌株:実施例1と同じ
食品材料:食品例としてソーセージを用いた。
方法
試料調製:あらかじめソーセージを滅菌(121℃、15分)した後、実施例1の使用菌株を無菌的に添加し、この調製試料10gに滅菌生理食塩水90mlを加え、これをストマッカーに供し均一に混合した。この試料上清をFISHに供した。
FISH:菌株の固定、ハイブリダイゼーション・蛍光顕微鏡観察は実施例1に従った。尚、蛍光フィルターはB-3フィルター(ニコン)を使用した。
FISH温度条件:プローブ2を用いたFISHにおける腸内細菌とみなす基準を上記(0028)同様ミスマッチ数2とした。従ってハイブリダイゼーション温度と洗浄温度を60℃とした(0034参照)。
対比染色:FISH後、上記(0026)封入剤にpropidium iodide(PI)最終濃度0.25μg/mlを加え、これを用いて対比染色を行った。
結果
上記試料に対しプローブ2を用いたFISHを行い、約5時間後に蛍光顕微鏡で観察した。その結果、黄色に光る短桿菌と赤色に光る短桿菌並びに長桿菌が認められた。 PIは核酸に結合して赤の蛍光を放つ性質を持つため、PIを細菌に供すると全ての細菌が赤く光る。一方、FITC は緑の蛍光を放つ。従って、プローブ2とハイブリッドした細菌は、PIとプローブに標識されたFITCの影響により2つの蛍光が混合された黄色の蛍光を示し、またハイブリッドしなかった細菌は赤の蛍光を示すこととなる。すなわち、黄色の短桿菌はEscherichia coli IAM12119T、赤い短桿菌はVibrio fluvialis IAM14403T、そして赤い長桿菌はBacillus subtilis IAM 12118Tである。黄色の桿菌の存在は腸内細菌の存在を示し、その数を測定することにより、食品中に含まれる腸内細菌の数を求めることができる。また黄色の細菌と赤い細菌の数をすべて測定することで食品中に含まれる全細菌数を求めることができる。
このようにプローブ2を用いたFISHにより、食品からの腸内細菌の検出を約5時間程度と迅速に行うことができた。またこのときPIを対比染色に用いることで食品に含まれるすべての細菌の検出を腸内細菌の検出と区別して行うことができるのである。尚、以上の結果はプローブ1を用いても(但しFISH温度条件55℃で実施)同様の結果が得られた。
【0046】
【発明の効果】
このように本願発明による腸内細菌検出用オリゴヌクレオチド及び腸内細菌同定方法によれば、腸内細菌の検出を正確かつ簡易、迅速に行なうことができる。したがって、例えば食品衛生に関わる検査においてすぐれた指標と供することができ、また菌叢の解析に資することができる。後者は例えば海水中の菌叢の解析の如く環境検査に役立つものである。
【0047】
【配列表】
Figure 0004427806
Figure 0004427806

【図面の簡単な説明】
【図1】 16S rDNAの2次構造を示す図である。

Claims (11)

  1. 配列番号1乃至配列番号3で表される塩基配列を有するDNA又はRNAの核酸であることを特徴とする腸内細菌検出用オリゴヌクレオチド。
  2. 配列番号4乃至配列番号6で表される塩基配列を有するDNA又はRNAの核酸であることを特徴とする腸内細菌検出用オリゴヌクレオチド。
  3. 請求項1記載の腸内細菌検出用オリゴヌクレオチドを検出対象の核酸にハイブリダイゼーションし、ハイブリッドされた検出対象を腸内細菌とみなすことを特徴とする腸内細菌の検出方法。
  4. 請求項記載の腸内細菌検出用オリゴヌクレオチドを検出対象の核酸にハイブリダイゼーションし、ハイブリッドされた検出対象を腸内細菌とみなすことを特徴とする腸内細菌の検出方法。
  5. 請求項記載の腸内細菌の検出方法において、腸内細菌検出用オリゴヌクレオチドの塩基配列と検出対象の核酸の同領域塩基配列とを比較し、検出対象の核酸の塩基配列が腸内細菌検出用オリゴヌクレオチドの塩基配列にミスマッチする塩基の数に基づく数値(基準値)の範囲にあるとき検出対象を腸内細菌とみなすことを特徴とする腸内細菌の検出方法。
  6. 請求項記載の腸内細菌の検出方法において、腸内細菌検出用オリゴヌクレオチドの塩基配列と検出対象の核酸の同領域塩基配列とを比較し、検出対象の核酸の塩基配列が腸内細菌検出用オリゴヌクレオチドの塩基配列にミスマッチする塩基の数に基づく数値(基準値)の範囲にあるとき検出対象を腸内細菌とみなすことを特徴とする腸内細菌の検出方法。
  7. 請求項又は請求項記載の腸内細菌の検出方法において、上記基準値は請求項1又は請求項の塩基配列と腸内細菌科とパスツレラ科及びビブリオ科のそれぞれに属する菌種の16S rDNAの同領域の塩基配列とを比較し、ミスマッチする塩基の数より導き出すことを特徴とする腸内細菌の検出方法。
  8. 請求項乃至請求項のいずれか一記載の腸内細菌検出方法において、検出対象の核酸の塩基配列が上記基準値の範囲にあるとき、検出対象の核酸と腸内細菌検出用オリゴヌクレオチドがハイブリッドすることを特徴とする腸内細菌の検出方法。
  9. 請求項記載の腸内細菌の検出方法において、上記基準値を2以下とすることを特徴とする腸内細菌の検出方法。
  10. 請求項記載の腸内細菌の検出方法において、上記基準値を6以下とすることを特徴とする腸内細菌の検出方法。
  11. 請求項又は請求項記載の腸内細菌の検出方法において、上記ハイブリダイゼーション及び洗浄の温度条件は腸内細菌検出用オリゴヌクレオチドの塩基配列と検出対象の核酸の同領域塩基配列とを比較し、検出対象の核酸の塩基配列が腸内細菌検出用オリゴヌクレオチドの塩基配列にミスマッチする塩基の数より導き出すことを特徴とする腸内細菌の検出方法。
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