JP2010537650A - 細菌及び真菌の検出方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、血液などの試料物質中の病原菌を測定する方法及び手段に関する。本方法において、細菌DNAは最初に試料物質の全DNAから濃縮され、次いで濃縮されたDNAは特定のプライマー対を用いて増幅される。得られた増幅産物の検出により、試料物質中に含まれる細菌及び真菌並びにこれらの耐性菌の正確な同定が可能になる。本発明の方法及び手段は、特に未発見の感染症(SIRS)を含む炎症性疾患並びに敗血症、特発性細菌性腹膜炎及び心内膜炎などの感染性疾患の早期診断を可能にする。
【選択図】図2

Description

本発明は、特異的な核酸配列を検出することによる試料物質中の細菌、真菌及びこれらの抗菌剤又は抗真菌剤耐性菌の測定に関する。
試料物質中の細菌や真菌などの病原微生物を測定することは、多くの分野で、特に医学において非常に重要である。例えば濃縮血小板における細菌汚染は、輸血による罹患率と死亡率に関して重大な要因であり、現在のところ輸血において最も多い感染合併症である。感染に関与する微生物病原体の早期検出は、例えば敗血症、突発性細菌性腹膜炎(SBP)及び心内膜炎患者における迅速で効果的な抗菌剤治療に不可欠である。またこれに関連して、病院、特に集中治療室において、しばしば患者の免疫防御不全や、不衛生の結果かもしれないが、より高い感染リスクと関連する侵襲的治療の増加が原因となる未知の病原菌による感染の増大は深刻な問題を引き起こす。
これらの感染を引き起こす微生物はほとんどの場合不明であるが、非常に多くの異なる属や種に属する。従って汚染や感染があることを迅速に確認するためには、できるだけ多くの候補微生物について、試料物質を同時に検査することが必要である。これは、例えばそれぞれの病原菌に適合させた抗菌剤療法などの効果的な治療は分析結果次第であるように、特に臨床試料の場合において非常に重要である。
感染性疾患の病原微生物の検出は、しばしば血液の培養またはその他の体液の培養と、その後の生化学的分類及び抗菌剤耐性の検出によって行われる。しかしながら現在までのところ、血液培養は高い割合で偽陰性であるとの検査結果になるため、患者は確立された微生物学的証拠なしに抗菌剤治療を受ける(Bosshard et al., 2003, CID 37:167-172; Gauduchon et al., 2003, J.
Clin. Microbiol. 41:763-766; Grijalva et al., 2003, Heart 89:263-268)。
微生物学的診断の他に、例えば髄膜炎菌であるインフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、グループA/B連鎖球菌(streptococci)(McLellan et al., 2001 Infect. Immun. 69(5):2943-2949)又は肺炎球菌(pneumococci)によって引き起こされる敗血症若しくは髄膜炎の診断のための直接免疫蛍光法、凝集試験又はELISA(酵素結合免疫測定法)を使用するタンパク質生化学的抗原検出などの特殊な応用に対して、さらに特異的な検出法がある。
細菌感染を診断する1つの迅速かつ的確な方法はポリメラーゼ連鎖反応(PCR)であり、細菌ゲノムの特定の領域が増幅される。当該特定の領域には、例えば非常に多様性のある16S又は23S
rDNA領域(Anthony et al. 2000)、16S−23S rDNAスペーサー領域におけるtRNA遺伝子、及び、アドヘシン(adhesin)、溶血素(hemolysin)又は種々の毒素などの病原菌特異的遺伝子(Belanger et al., 2002, J. Clin. Microbiol.
40(4):1436-1440(非特許文献1); Depardieu et al., 2004, J. Clin.
Microbiol. 40(4):1436-1440(非特許文献2); Kaltenboeck and Wang,
2005, Adv. Clin. Chem. 40:219-259(非特許文献3); Patel et al.,
2007, J. Clin. Microbiol. 35(3):703-707(非特許文献4); Sakai et
al., 2004, J. Clin. Microbiol. 42(12):5739-5744(非特許文献5))がある。さらに識別するために、例えば16S
rDNA PCR増幅産物の塩基配列決定が続いてもよい(Unemo et al., 2004, J. Clin. Microbiol. 42(7):2926-2934(非特許文献6))。国際公開第97/07238号パンフレット(特許文献1)には、真菌リボゾームの18S
rDNAのすべての型を増幅するプライマーを用いて、カンジダ属(Candida)やアスペルギルス属(Aspergillus)などの真菌を検出する方法が開示されている。分子生物学におけるこれらの検出法及び識別法は、現在のところどれも日常的には使用されず、又は標準法として確立されていない。
臨床試料に要求される検出感度を達成するため、この目的に必要な鋳型DNAは、陽性の血液培養から単離された細菌から得られる。検出すべき病原菌を培養できない場合(例えば血液試料が予め抗菌剤治療を受けている場合)、分子生物学的検出は結果的に陰性のままである。前培養ステップがない場合には、臨床試料中における原核生物DNAのヒトDNAに対する比率は、細菌核酸の濃縮により増加する可能性がある。類似の方法は、例えば欧州特許出願公開第400589A1号明細書(特許文献2)、国際公開第2005/085440A号パンフレット(特許文献3)及び国際公開第2006/133758A号パンフレット(特許文献4)に記載されている。
その一方で、菌種の識別に適した技術には、ラマン/FTIR技術(フーリエ変換赤外分光;Rebuffo
et al., 2006, Appl. Environ. Microbiol. 72(2):994-1000; Rebuffo-Scheer et al.,
2007, Circulation 111:1352-1354)及びSERS技術(表面増強ラマン散乱;Kahraman
et al., 2007, Appl. Spectrosc. 61(5):479-485; Naja et al., 2007, Analyst
132(7):679-686)が含まれ、過去10年間で個々の生細胞のスペクトルでさえも得ることができる検出感度レベルを達成している。しかしながら実際には、識別するための分光分析データを得るためには、純粋培養において最大1000個までの細胞が必要である。このことが、これらの技術を特定の敗血症病原菌の迅速診断に不適切なものにしている(Kirschner, 2004, 博士論文、ベルリン大学)。
病原菌の診断の後には、病原菌に適合させた抗菌剤治療が続く。原因病原菌又は耐性の存在がそれぞれ確定できない場合、広域抗菌剤を使用する経験的かつ時間のかかる治療を始めることが必要となる。
しかしながら先行技術にはいくつかの難点が示されている。例えば、培養できない病原菌を伴う敗血症の場合、又は血液が(広域)抗菌剤で前治療された後に採取された場合には、血液培養は陰性のままである(細菌敗血症全症例の90%までは血液培養陰性である)。従って、陽性血液培養から原核生物DNAの抽出に基づいた、その後の分子生物学的識別は、理論的には敗血症症例の10%以下で可能であるに過ぎない。さらに、病原菌の非常に広いスペクトル及び以前に記述のない病原菌型の存在によって、個々の高度に特異的なプライマー及びプローブを創出しても、病原菌の明確な同定に対して限られた効果しかない。型レベルの識別や耐性記録の提供には、複数の選択されたプライマー/プローブ及びPCRとハイブリダイゼーション技術の組み合わせが必要である。抗菌剤耐性のすべてがゲノムに暗号化されている、又は既知の翻訳領域を持っているとは限らないので、耐性マーカーの遺伝子型識別はあまり成功せず、時間のかかる表現型検査で補完しなければならない(Gradelski et al., 2001, J. Clin. Microbiol. 39(8):2961-2963)。前述のように、これは同様に病原菌が培養可能であることを必要とする。さらに多重感染の場合、16S−rDNA増幅産物の塩基配列決定は、配列の重ね合わせによって、解釈することのできない結果を導く可能性がある。
国際公開第97/07238号パンフレット
欧州特許出願公開第400589A1号明細書
国際公開第2005/085440A号パンフレット
国際公開第2006/133758A号パンフレット
Belanger et al., 2002, J. Clin. Microbiol.40(4):1436-1440
Depardieu et al., 2004, J. Clin. Microbiol. 40(4):1436-1440
Kaltenboeck and Wang, 2005, Adv. Clin. Chem. 40:219-259
Patel et al., 2007, J. Clin. Microbiol. 35(3):703-707
Sakai et al., 2004, J. Clin. Microbiol. 42(12):5739-5744
Unemo et al., 2004, J. Clin. Microbiol. 42(7):2926-2934
そのため本発明の目的は、試料物質中に存在する可能性のある細菌又は真菌の、簡便で信頼性のある測定を可能にする方法及び手段を提供することにある。
本発明の他の目的は、検出された病原菌に適合した治療処置の迅速な開始を可能にするために、試料物質中の病原性細菌及び真菌の早期の測定を可能にする方法及び手段を提供することにある。
本発明によれば、この目的は請求項1に記載の方法及び請求項21に記載のキットによって達成される。
本発明によれば、驚くべきことに、全DNAから細菌及び真菌DNAを濃縮するステップと、選択されたプライマー対が個々の細菌及び真菌に対する検出感度を大幅に高めることを可能にするだけではなく、この方法で並行して多数の異なる細菌及び真菌の属種の検出をも可能にすることを含む増幅ステップとの組み合わせが見出された。
全DNAの初期含量に関して、原核生物及び真菌DNAの濃縮依存性を示す図である。 原核生物及び真菌DNAの濃縮後の多重PCRによる、腹水中におけるエシェリキア・コリの検出に関するアガロースゲル電気泳動を示す図である。 DNA濃縮及び多重PCR後に50の異なるプライマー対を用いて、種々の微生物のDNAが添加された血液試料から細菌DNAを検出したことを示す図である。(A)は使用されたプライマーが向けられた微生物リストを示す図である。(B)は添加された微生物のPCR増幅産物を含むアガロースゲルの写真である。(C)はゲルの写真(B)の試料割付けを示す図である。 特定の細菌、真菌及び耐性菌に特異的なビオチン標識PCR増幅産物の、代表的な、プローブに基づく検出に対するマイクロアレイのプローブのスポット配置を示す図である。 エシェリキア・コリ特異的ビオチン標識PCR増幅産物irp2とのハイブリダイゼーション後の図4のマイクロアレイの画像である。 カンジダ・アルビカンス及びストレプトコッカス・ピオゲネスの一夜培養を添加し機械的に溶解させた、健常ドナーからの全血試料の多重PCRのアガロースゲル電気泳動を示す図である。 カンジダ・アルビカンスの一夜培養を添加し機械的に溶解させた、健常ドナーからの全血試料のqPCR評価を示す図である。 ストレプトコッカス・ピオゲネスの一夜培養を添加し機械的に溶解させた、健常ドナーからの全血試料のqPCR評価を示す図である。
そのため本発明の目的は、試料物質中に含まれる細菌及び真菌の測定方法であって、当該方法は下記のステップを含む:
a)試料物質中に含まれる細菌及び真菌DNAの濃縮;
b)(i)〜(vii)の群の少なくとも2つの群より選ばれるプライマー対を用いる、ステップa)で得られたDNAの増幅:
(i)複数の細菌ファミリーに特異的な特有の核酸配列領域の特異的増幅に適した少なくとも1つのプライマー対;
(ii)複数の真菌ファミリーに特異的な特有の核酸配列領域の特異的増幅に適した少なくとも1つのプライマー対;
(iii)選択された細菌属に特異的な特有の核酸配列領域の特異的増幅に適した少なくとも1つのプライマー対;
(iv)選択された細菌種に特異的な特有の核酸配列領域の特異的増幅に適した少なくとも1つのプライマー対;
(v)選択された抗菌剤又は抗真菌剤耐性の発現に特異的な特有の核酸配列領域の特異的増幅に適した少なくとも1つのプライマー対;
(vi)選択された真菌属に特異的な特有の核酸配列領域の特異的増幅に適した少なくとも1つのプライマー対;及び
(vii)選択された真菌種に特異的な特有の核酸配列領域の特異的増幅に適した少なくとも1つのプライマー対;並びに任意に、
c)ステップb)で生成された増幅産物の検出。
本発明の他の目的は、試料物質中に含まれる細菌及び真菌を測定するための診断キットであって、当該キットは、
a)試料物質中に含まれる細菌及び真菌DNAの濃縮手段;
b)(i)〜(vii)の群の少なくとも2つの群より選ばれるプライマー対を含むDNAの増幅手段:
(i)複数の細菌ファミリーに特異的な特有の核酸配列領域の特異的増幅に適した少なくとも1つのプライマー対;
(ii)複数の真菌ファミリーに特異的な特有の核酸配列領域の特異的増幅に適した少なくとも1つのプライマー対;
(iii)選択された細菌属に特異的な特有の核酸配列領域の特異的増幅に適した少なくとも1つのプライマー対;
(iv)選択された細菌種に特異的な特有の核酸配列領域の特異的増幅に適した少なくとも1つのプライマー対;
(v)選択された抗菌剤又は抗真菌剤耐性の発現に特異的な特有の核酸配列領域の特異的増幅に適した少なくとも1つのプライマー対;
(vi)選択された真菌属に特異的な特有の核酸配列領域の特異的増幅に適した少なくとも1つのプライマー対;及び
(vii)選択された真菌種に特異的な特有の核酸配列領域の特異的増幅に適した少なくとも1つのプライマー対;並びに任意に、
c)b)のプライマー対を用いて生成された増幅産物の検出手段;
を含む。
試料物質は細菌及び真菌が存在する可能性のある任意の物質を含む。通常、試料物質は環境試料、食品試料、又は臨床試料などの生物試料である。生物試料は植物試料、生体試料又は臨床試料であってもよいが、一般的にはヒト又は動物試料であり、特に哺乳動物からの試料である。通常は、試料はヒト若しくは動物の組織試料又は体液である。例えば組織試料は生検である。好ましくは、試料は体液又は体液に由来する産物であり、例えば全血、血清、血漿、濃縮血小板、脳脊髄液、液、尿、及び胸膜液、腹水、心膜液、腹膜液又は滑液である。試料物質は通常の方法で得ることができる;例えば臨床試料は、生検、血液採取又は穿刺によって得ることができる。
試料物質からの原核生物及び真菌DNAの濃縮は、試料物質から全DNAを抽出した後に行われる。従って本発明のキットは、実施例として以下に記載されているように、試料物質中に含まれる細胞から全DNAを抽出する手段を含んでいてもよい。実際の濃縮ステップの前の全DNAの抽出のために、試料中に存在している細菌及び真菌細胞を含む細胞は、最初に破壊又は溶解させる。細胞の破壊及び溶解は周知の方法、例えば高圧ホモジナイザー、好ましくはガラスビーズ及びボルテックス処理を使用して機械的に、溶媒、界面活性剤又はアルカリを使用して化学的に、溶解酵素を使用して酵素的に、又はこれらの技術の組み合わせにより行うことができる。細菌細胞の酵素溶解は、消化に対して一般的に使われるリゾチーム又はムタノリジンによるのが好ましく、アルカリ、界面活性剤及びタンパク質分解酵素との組み合わせが有利である。真菌細胞の消化は、通常は機械的に、例えばガラス微粒子と共にボルテックスにより、有利にはアルカリ、界面活性剤及びさらなるタンパク質分解酵素との組み合わせにより行われる。しかしながら消化は、酵素として用いられているザイモラーゼによって酵素的に行ってもよい。全DNAの抽出は、DNA結合マトリックスへ吸着させることにより周知の方法により行うことができる。全DNAを単離するキットは市販されており、製造者の仕様書に従い使用することができる。例えば全DNAの単離に必要な要素は、全DNAから細菌及び真菌DNAを濃縮するためのルックスター(LOOXSTER、登録商標)キットに含まれている。マトリックスの溶出の後に全DNAを含む試料が得られるが、このDNAは水溶液中に存在している。
全DNAを含む試料からの細菌及び真菌DNAの実際の濃縮は、細菌及び真菌DNAを特異的に結合する手段、具体的には細菌及び真菌DNAを特異的に結合するタンパク質及びポリペプチドを用いて行う。一般的に原核生物及び真菌DNAの濃縮は、欧州特許出願公開第400589A1号明細書、国際公開第2005/085440A号パンフレット及び国際公開第2006/133758A号パンフレットに記載された方法に従って実施され、これらは参照することにより本願明細書に援用される。そのなかに記載された方法と手段は、試料中に含まれる他のDNA、特にヒト又は動物DNAに比較して低い原核生物及び真菌DNAの比率を増加させることを可能にする。ここでは、全DNAの調製後に溶液中に存在するDNAを、非メチル化CpGモチーフに結合する能力があるタンパク質又はポリペプチドと接触させる。非メチル化CpGモチーフは、ヒト又は動物DNAなどの高等真核生物DNA中よりも、細菌又は真菌DNA中において顕著に高い頻度で存在するので、細菌又は真菌DNAはこれらのタンパク質又はポリペプチドに好んで結合する。このタンパク質又はポリペプチドは微粒子などの支持体に結合させることができる。このようにして形成されたタンパク質/ポリペプチド−DNA複合体は、例えば濾過、遠心分離又は磁気法によりヒト又は動物DNAから容易に分離することができる。これらのタンパク質及びポリペプチドへの原核生物及び真菌DNAの選択的結合は、5倍以上のDNA濃縮をもたらす。全DNAから細菌及び真菌DNAを濃縮するキットは、商標名ルックスター(LOOXSTER、登録商標)(SIRS-LAB GmbH, 07745イエナ、ドイツ)として市販されており、またこのキットは全DNAの調製手段を含んでいる。
細菌及び真菌DNAが濃縮されたDNAは、次いで非定量的又は定量的増幅方法により、具体的には、細菌、真菌又は抗菌剤若しくは抗真菌剤耐性に特異的な特有の核酸配列領域の特異的増幅を可能にする異なるプライマー対の1セット又はプールの存在下、非定量的又は定量的PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)により増幅される。細菌、真菌若しくは選択されたこれらの属種、又は抗菌剤及び抗真菌剤耐性に特異的な核酸配列は、GenBank及びTIGR又は他の市販遺伝子ライブラリーなどの公的にアクセス可能な遺伝子ライブラリーから得ることができる。また当業者は、例えば公的にアクセス可能なウェブサイト「Primer3」(例えばMITのhttp://frodo.wi.mit.edu/cgi-bin/primer3/primer3_www.cgiを参照)又は他の商用ソフトウェアを用いて、日常的にかつ過度の負担なく、対応する適切なプライマーを設計することができる。
本発明によれば、増幅は上記(i)〜(vii)の群の少なくとも2つの群に由来するプライマー対を用いて実施され、増幅に関して、プライマー対が所定の予め知られた長さを持つ増幅産物をもたらすようにプライマー対が選択される。少なくとも1つのプライマー対(i)を用いて形成される増幅産物が予期された長さをもって存在することは、細菌が存在することを示し;少なくとも1つのプライマー対(ii)を用いて形成される増幅産物が存在することは、真菌が存在することを示し;少なくとも1つのプライマー対(iii)を用いて形成される増幅産物が存在することは、少なくとも1つの特定の細菌属が存在することを示し;少なくとも1つのプライマー対(iv)を用いて形成される増幅産物が存在することは、少なくとも1つの特定の細菌種が存在することを示し;少なくとも1つのプライマー対(v)を用いて形成される増幅産物が存在することは、少なくとも1つの特定の抗菌剤又は抗真菌剤耐性菌が存在することを示し;少なくとも1つのプライマー対(vi)を用いて形成される増幅産物が存在することは、少なくとも1つの特定の真菌属が存在することを示し;及び、少なくとも1つのプライマー対(vii)を用いて形成される増幅産物が存在することは、少なくとも1つの特定の真菌種が存在することを示す。
(i)群のプライマー対は、複数又はすべての細菌ファミリーに共通である高度に保存された核酸配列に特異的にハイブリダイズする一般的なプライマーである。感染や汚染において特に高頻度で存在するため、その存在を(i)群のプライマー対を用いて効果的に検査することができる細菌ファミリーには、例えばシュードモナス科(Pseudomonadaceae)、エンテロバクター科(Enterobacteriaceae、腸内細菌科)、ストレプトコッカス科(Streptococcaceae、連鎖球菌科)、スタフィロコッカス科(Staphylococcaceae)、リステリア科(Listeriaceae)、ナイセリア科(Neisseriaceae)、パスツレラ科(Pasteurellaceae)、レジオネラ科(Legionellaceae)、バークホルデリア科(Burkholderiaceae)、バチルス科(Bacillaceae)、クロストリジウム科(Clostridiaceae)、モラクセラ科(Moraxellaceae)、エンテロコッカス科(Enterococcaceae)、及び/又はバクテロイデス科(Bacteroidaceae)がある。すべての細菌ファミリーにおいて高度に保存されている核酸配列の例として、16S
rDNA遺伝子、23S rRNA遺伝子及び16S/23S間隙領域の配列がある。細菌リボゾーム16S rDNAに対する遺伝子の核酸配列に特異的にハイブリダイズし、本発明によって用いられるプライマー対の1例は次のプライマー対である:
5'-TAAGTCCSGCAACGAGCGCA-3'(SEQ ID No.1)(順方向プライマー)
5'-GTGACGGGCGGTGWGTACAA-3'(SEQ ID No.2)(逆方向プライマー)
ここでSは塩基C(シトシン)又はG(グアニン)を表し、またWは塩基A(アデニン)又はT(チミン)を表す。少なくとも1つプライマー対(i)を用いた増幅後に形成される増幅産物が検出されることは、試料物質中に細菌が存在することを示す。
(ii)群のプライマー対は、複数又はすべての真菌ファミリーに共通である高度に保存された核酸配列にハイブリダイズする一般的なプライマーである。汚染や感染において特に高頻度で存在するため、その存在を(ii)群のプライマー対を用いて効果的に検査することができる真菌ファミリーには、例えばトリココマセエ(Trichocomaceae)ファミリーやカンジダ(Candida)ファミリーの真菌がある。すべての真菌ファミリーにおいて高度に保存されている核酸配列の1例として、真菌18S
rDNAに対する遺伝子配列がある。真菌18S rDNAに対する遺伝子の核酸配列に特異的にハイブリダイズし、本発明によって用いられるプライマー対の1例は次のプライマー対である:
5'-caactttcgatggtaggat-3'(SEQ ID No.3)(順方向プライマー)
5'-atcgtcttcgatcccctaac-3'(SEQ ID No.4)(逆方向プライマー)
このプライマー対は増幅により約670〜690塩基対の長さを持つ増幅産物を与える。少なくとも1つプライマー対(ii)を用いた増幅後に形成される増幅産物が検出されることは、試料物質中に真菌が存在することを示す。
(iii)群のプライマー対は、ファミリーのすべての細菌種についてではないが、特定の属の複数又はすべての細菌種に共通である高度に保存された核酸配列にハイブリダイズするプライマーである。感染や汚染において特に高頻度で存在するため、その存在を(iii)群のプライマー対を用いて効果的に検査することができる細菌属には、例えばスタフィロコッカス菌種(Staphylococcus spp、ブドウ球菌種)、ストレプトコッカス菌種(Streptococcus spp、連鎖球菌種)、エンテロコッカス菌種(Enterococcus spp、腸球菌)、エシェリキア菌種(Escherichia spp、大腸菌種)、シュードモナス菌種(Pseudomonas spp)、及びエンテロバクター菌種(Enterobacter spp)がある。スタフィロコッカス(Staphylococcus、ブドウ球菌)属の細菌のDNAに属特異的にハイブリダイズし、本発明によって用いられるプライマー対の1例は次のプライマー対である:
5'-TTTAGGGCTAGCCTCAAGTGA-3'(SEQ ID No.5)(順方向プライマー)
5'-CACTTCTAAGCGCTCCACAT-3'(SEQ ID No.6)(逆方向プライマー)
このプライマー対はブドウ球菌に特異的な23S領域の核酸配列に特異的にハイブリダイズし、増幅により418塩基対の長さを持つブドウ球菌特異的な増幅産物を与える。少なくとも1つプライマー対(iii)を用いた増幅後に形成される増幅産物が検出されることは、試料物質中に特定の細菌属が存在することを示す。例えば、上記プライマー対を用いた増幅産物はスタフィロコッカス属(ブドウ球菌属)の細菌の存在を示す。
(iv)群のプライマー対は、ある属のすべての細菌種についてではないが、特定の種の複数又はすべての細菌に共通である保存された核酸配列にハイブリダイズするプライマーである。汚染や感染において特に高頻度で存在するため、その存在を(iv)群のプライマー対を用いて効果的に検査することができる細菌種には、例えば前記細菌属の細菌種について例を挙げると、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus、黄色ブドウ球菌)、スタフィロコッカス・ヘモリチカス(Staphylococcus haemolyticus)、ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae、肺炎連鎖球菌)、ビリダンス連鎖球菌群(Viridans streptococci、緑色連鎖球菌群)、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis、大便連鎖球菌)、モルガネラ・モルガニー(Morganella morganii、モルガン菌)、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae、肺炎桿菌)、クレブシエラ・オキシトカ(Klebsiella oxytoca)、エシェリキア・コリ(Escherichia coli、大腸菌)、バークホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia、セパシア菌)、プレボテラ・メラニノゲニカ(Prevotella melaninogenica)、ステノトロホモナス・マルトフィリア(Stenotrophomonas maltophilia)、シュードモナス・エルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa、緑膿菌)、プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)、エンテロバクター・エロゲネス(Enterobacter aerogenes)及びエンテロバクター・クロアカ(Enterobacter cloacae)がある。何ら限定するものではないが、保存された種特異的核酸配列の例として、スタフィロコッカス・アウレウス(黄色ブドウ球菌)のemp(エムデン・マイヤーホフ・パルナス)遺伝子、エシェリキア・コリ(大腸菌)のirp2遺伝子、及びクレブシエラ・ニューモニエ(肺炎桿菌)のureA遺伝子がある。スタフィロコッカス・アウレウス(黄色ブドウ球菌)種の細菌のDNAに種特異的にハイブリダイズし、本発明によって用いられるプライマー対の1例は次のプライマー対である:
5'-GCATCAGTGACAGAGAGTGTTGAC-3'(SEQ ID No.7)(順方向プライマー)
5'-TTATACTCGTGGTGCTGGTAAGC-3'(SEQ ID No.8)(逆方向プライマー)
このプライマー対はemp遺伝子の核酸配列に特異的にハイブリダイズし、948塩基対の長さを持つ増幅産物を生成する。少なくとも1つプライマー対(iv)を用いた増幅後に形成される増幅産物が検出されることは、試料物質中に特定の細菌種が存在することを示す。例えば、上記プライマー対を用いた増幅産物はスタフィロコッカス・アウレウス(黄色ブドウ球菌)種の細菌の存在を示す。
(v)群のプライマー対は、選択された抗菌剤又は抗真菌剤耐性に特異的な核酸配列、例えば対応する耐性遺伝子の核酸配列の増幅を可能にするプライマーである。汚染や感染において特に高頻度で存在するため、その存在を(v)群のプライマー対を用いて効果的に検査することができる細菌種には、例えばメチシリン耐性について例を挙げると、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)がある。抗菌剤又は抗真菌剤耐性の発現に特異的で、高度に保存された核酸配列の例としては、メチシリン耐性に対する遺伝子の核酸配列、例えばmecAなどがある。メチシリン耐性に関与する遺伝子に特異的にハイブリダイズし、本発明によって用いられるプライマー対の1例は次のプライマー対である:
5'-GCAATCGCTAAAGAACTAAG-3'(SEQ ID No.9)(順方向プライマー)
5'-GGGACCAACATAACCTAATA-3'(SEQ ID No.10)(逆方向プライマー)
このプライマー対はmecA遺伝子の核酸配列に特異的にハイブリダイズし、222塩基対の長さを持つ増幅産物を生成する。少なくとも1つのプライマー対(v)を用いた増幅後に形成される増幅産物が検出されることは、試料物質中に含まれる細菌又は真菌について抗菌剤又は抗真菌剤耐性が存在することを示す。例えば上記プライマー対の使用により、メチシリン耐性のあることが示される。
細菌属又は細菌種に対して前述したプライマー対と同様に、(vi)群のプライマー対は、ファミリーのすべての真菌属についてではないが1つの属の複数又はすべての真菌種に共通である高度に保存された核酸配列にハイブリダイズするプライマーである。汚染や感染において特に高頻度で存在するため、その存在を当該プライマーにより効果的に検査することができる真菌属には、例えばアスペルギルス(Aspergillus)属及びカンジダ(Candida)属の真菌がある。同様に(vii)群のプライマー対は、1つの属のすべての真菌種についてではないが、特定の種の複数又はすべての真菌に共通である高度に保存された核酸配列にハイブリダイズするプライマーである。汚染や感染において特に高頻度で存在するため、その存在を当該プライマーにより効果的に検査することができる真菌種には、例えばアスペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus)種及びカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)種がある。従って、少なくとも1つプライマー対(vi)又は(vii)を用いた増幅後に形成される増幅産物が検出されることは、試料物質中に特定の属又は種の真菌が存在することを示す。
上記の組み合わせにより検査することのできる細菌及び真菌のファミリー、属並びに種、並びに抗菌剤及び抗真菌剤耐性菌は基本的には限定されない。上記で指定されたファミリー、属及び種、また言及されたプライマー対は、本発明の方法に対する例示実施態様を示すに過ぎない。先に説明したように、細菌、真菌若しくはこれらの特定の属や種、又は抗菌剤及び抗真菌剤耐性菌に対して特異的な核酸配列は、公的にアクセス可能な遺伝子ライブラリーから得ることができる。また当業者は、日常的にかつ過度の負担なく、対応する適切なプライマーを作成することができる。
本発明の方法の増幅ステップは、少なくとも2つのプライマー対を用いて同時に、すなわち多重方式として行われる。本発明によれば、増幅のために(i)〜(vii)群のプライマー対を任意に組み合わせて使用することができる。好ましい実施態様によると、少なくとも(i)及び(ii)群からのプライマー対が増幅のために使用される。他の好ましい実施態様によると、(i)及び(ii)群;(iii)、(iv)及び(v)群;(i)、(iii)及び(iv)群;(i)、(ii)、(iii)及び(iv)群;並びに(i)、(ii)、(iii)及び(v)群からのプライマー対が増幅のために使用される。増幅は、特に好ましくは(i)〜(vi)群からのプライマー対を用いて行われ、特にきわめて好ましくは(i)〜(vii)群すべてからのプライマー対を用いて行われる。全体でのプライマー対の数及び各群から採用されたプライマー対の数はなんら特段の制限を受けるものではなく、基本的には調べるべき試料中に存在すると推測される微生物、並びに治療関連性及び求められる範囲、特に試験結果の詳細について求められる精度にのみ依存する。従って、例えば感染についての臨床試料の検査において、すべての連鎖球菌に対する治療パターンは基本的に同じであるので、連鎖球菌種のすべてについて検査する必要はない。本発明の方法は150以上の異なるプライマー対を用いて容易に行うことができ、通常は少なくとも10以上、好ましくは少なくとも20以上、特に好ましくは少なくとも30以上の異なるプライマー対を用いて行われる。
多重増幅はランダム、非定量的又は定量的増幅法によって行うことができる。好ましくは、増幅は非定量的PCR又は(定量的)リアルタイムPCR(以下、qPCRと称する)によって行われる。しかしながら以下において本発明は、PCRについて限定することなく記載する。
多重PCRは1個の又はいくつかの反応容器で行うことができる。実際上の理由のため、多数の異なるプライマー対が増幅において使用される場合は特に、多重PCRは高い頻度でいくつかの反応容器で行われる。その結果、一般的にはすべての反応容器は異なるプライマー対を含む。好ましくは、多重PCRは1個又は2個の反応容器で行われる。
好ましい実施態様によると、増幅は非定量的PCRにより行われる。増幅は、増幅条件すなわち、核酸の形態を持つ出発物質のインビトロでの複製を可能にする周期的に変化する反応条件に適した当業者に周知の方法で行われる。一般的にPCRは、温度サイクラー内で実行される25〜50サイクル数から成る。初期化後、各サイクルは、変性ステップ、プライマーハイブリダイゼーション(アニーリング)、及び伸長反応から成り、これらは選択されたプライマー対及び使用された酵素に依存した温度で行われる。選択的に複製される核酸部分に対する基本単位である増幅産物は、反応混合物中で、出発物質中の相補領域に付着するプライマー対及び適切な通常は耐熱性のポリメラーゼと共に、デオキシヌクレオチド三リン酸の形態で存在する。適切な増幅条件、例えばカチオン濃度、pH値、容量、選択されたプライマー対に依存する周期的に繰り返される1つの反応ステップの時間と温度、及び使用される酵素は、日常的に当業者により選択される。
本発明の1つの有利な実施態様において、増幅は、増幅産物が検出可能なマーカーにより標識される条件下で行われる。これは、例えば、検出可能なマーカーを備えた1つまたはいくつかのヌクレオチドを含む、PCRにおいて使用されるヌクレオチドによって達成される。検出可能なマーカーを備えた当該ヌクレオチドは、増幅中に増幅産物中に組み込まれ、このマーカーを手段としてこの増幅産物の検出を可能にする。1つの実施態様において、放射活性マーカー、例えば32P、14C、125I、33P又はHが検出可能なマーカーとして使用される。本発明の好ましい実施態様によれば、非放射性マーカー、特に色若しくは蛍光マーカー、酵素若しくは免疫マーカー、量子ドット又はその他の検出可能な分子、例えばビオチンなどの結合反応の結果としての検出可能な分子が検出可能なマーカーとして使用され、これらの検出は当業者に周知の方法で行うことができる。特に好ましくは色及び蛍光マーカー並びにビオチンマーカーである。さらに好ましくは、PCRにおいてビオチン標識ヌクレオチドが使用される。例えばビオチン標識dUTP(デオキシウリジン三リン酸)は、ストレプトアビジンへの結合によって検出することができるビオチン標識増幅産物をもたらす。適切なマーカーの選択は当業者にとって通常の業務である。
他の実施態様によれば、増幅はリアルタイムPCR(qPCR)によって行われる。qPCRの方法は当業者に周知であり、詳細については例えば米国特許出願公開第2006/0099596A1号明細書に記載されている。qPCRにおいては、PCRの各サイクルにおけるPCR産物の生成が測定される。そのため増幅は、増幅中の蛍光信号を測定するための手段を備えた温度サイクラー中で測定される。この目的のために適切な装置は、例えばロシュ・ダイアグノスティックス社ライトサイクラー(登録商標)の商標名で市販されている。
生成した増幅産物の検出は、非標識及び標識増幅産物のいずれでも行うことができる。
得られた増幅産物が検出可能なマーカーを一切含まない場合、増幅産物の検出は、例えばそれらの既知のサイズに基づき、ゲル電気泳動による分離とその後の可視化、例えば臭化エチジウムによる染色と紫外光の使用による可視化により行うことができる。ゲル電気泳動は周知の方法、例えばアガロースゲル電気泳動又はポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)により行うことができる。好ましくは、ゲル電気泳動はアガロースゲル上で行われる。ゲル電気泳動において分離された増幅産物は、サイズ決定のためのDNAマーカーのラダーと比較される。この比較は、増幅において予期されるDNA断片の混合物を含むDNAラダーを用いて適切に行われる。サイズがDNAマーカーと一致した増幅混合物中の増幅産物の存在は、断片長が固有の微生物の存在を示す。
有利な実施態様において、PCRにおいて生成した増幅産物は検出可能なマーカーを含む。この場合検出は、好ましくはハイブリダイゼーション技術(アレイ)、例えばDNAマイクロアレイなどのマイクロアレイにより行われる。好ましくは、検出はマイクロアレイを用いて行われる。この場合、PCRにおいて得られ、検査試料中における細菌や真菌の存在下、ビオチン標識などの標識増幅産物を含む増幅混合物は、ポリヌクレオチドに基づく一組のプローブと接触させる。当該プローブは、所定の場合にPCRにおいて得られる増幅産物に相補的な核酸配列を含み、ハイブリダイゼーションを可能にする条件下、ラスターの規定された位置(「スポット」)においてガラス担体などの固相担体に塗布されている。適切なハイブリダイゼーション条件を調整するための設定値の選択は、一般に当業者に知られている。これらは遊離及び結合分子の熱力学的平衡の確立に影響し得る、物理的及び化学的設定値である。当業者であれば、最適なハイブリダイゼーション条件のためにプローブと試料分子間の接触時間、ハイブリダイゼーション緩衝液中のカチオン濃度、温度、容量、及びハイブリダイズした分子の濃度と比率を調整することができる。増幅産物とポリヌクレオチドプローブの特異的ハイブリダイゼーションは、結合しない核酸を洗い流した後、読み取り装置によって読み取ることができる。例えばビオチン標識増幅産物と固定化プローブの特異的ハイブリダイゼーションの検出は、ストレプトアビジン−西洋ワサビペルオキシダーゼ複合物を用いて行うことができる。個々のスポットに添加された基質テトラメチルベンジジン(TMB)の酵素的変換により生成した色沈殿物は、分析装置を用いて検出され読み取られる。マイクロアレイ技術は一般に当業者に知られている。本発明のPCRにおいて得られた増幅産物の検出のために原理上使用することのできるプローブ系は、例えばAT(登録商標)システム(クロンダイアグチップテクノロジーズ(Clondiag Chip Technologies)社、07749イエナ、ドイツ)の商標名で市販されている。当業者はその専門知識によって、特定の微生物の検出に適合したマイクロアレイを開発することが容易にできる。
qPCRの場合、増幅産物の検出は個々の増幅サイクル中に行われる。例えば、増幅産物を二本鎖DNAに結合する色素を用いて検出することができる。これらの色素は、適切な波長で刺激すると、二本鎖DNAに結合したときに高い蛍光強度を示す。二本鎖に結合する色素を用いた検出は、例えば欧州特許出願公開第0−512−334−A号明細書に記載されている。好ましい実施態様によれば、増幅産物は、標的核酸に結合したときのみ蛍光シグナルを放射する蛍光標識ハイブリダイゼーションプローブを用いて検出される。qPCRにおける検出に使用することのできるプローブの例は当業者に知られており、例えばTaqMan(登録商標)プローブ(例えば欧州特許出願公開第0−543−942−A号明細書及び米国特許第5210015A号明細書を参照)、モレキュラービーコンズ(Molecular Beacons)(米国特許第5118801A号明細書を参照)、スコーピオン−プライマーズ(Scorpion-Primers)、Lux(登録商標)プライマーズ(Lux
primers)及びFRETプローブ(国際公開第97/46707号パンフレット、国際公開第97/46712号パンフレット及び国際公開第97/46714号パンフレットを参照)が含まれる。FRETプローブは、示された参考文献に記載されているように、融解曲線分析についても使用することができる。
非定量的及び定量的増幅のいずれについても、さらなる区別のために引き続き配列決定が行われてもよい。
本発明の方法及び手段はさまざまな分野で使用することができ、また一般的に、細菌及び/若しくは真菌並びに/又はこれらの耐性菌を見つけ出すために使用することができる。本発明の方法は、細菌及び真菌、特に病原性の細菌及び真菌が存在する可能性のある任意に所望する試料物質、例えば環境試料、食品試料又は臨床試料などの生物試料を検査するのに適している。生物試料は植物試料であってもよいが、一般的には生物又は臨床試料はヒト又は動物試料であり、特に哺乳動物からの試料である。通常は、試料はヒト又は動物の組織試料であり、例えば生検又は体液若しくは体液に由来する産物である。好ましくは、試料は体液又は体液に由来する産物であり、例えば全血、血清、血漿、濃縮血小板、脳脊髄液、液、尿、及び胸膜液、腹水、心膜液、腹膜液若しくは滑液などの血液又血液産物である。好ましい実施態様によれば、本発明の方法及び手段は、臨床試料中の病原性細菌、真菌並びに/又は抗菌剤及び抗真菌剤耐性菌を検出するのに使用することができる。有利な実施態様によれば、本発明の方法及び手段は、濃縮血小板における雑菌混入を検知するのに使用することができる。さらに好ましい実施態様によれば、本発明の方法及び手段は、未発見の感染症を含む炎症性疾患の病原菌及び/又は耐性菌の検出と早期診断に使用することができる。当該未発見の感染症は、米国胸部専門医学会/米国集中治療医学会コンセンサス会議(ACCP/SCCM)のコンセンサス会議基準(Crit. Care Med. 1992; 274:968 974)によれば「全身性炎症反応症候群(SIRS)」とも呼ばれる。他の有利な実施態様によれば、本発明の方法及び手段は、感染症、特に全身性感染症の検出と早期診断に使用することができる。他の特に好ましい実施態様によれば、本発明の方法及び手段は、敗血症の検出と早期診断に使用することができる。1つのさらに好ましい実施態様によれば、本発明の方法及び手段は、突発性細菌性腹膜炎の検出と早期診断に使用することができる。他の好ましい実施態様によれば、本発明の方法及び手段は、心内膜炎の検出と早期診断に使用することができる。これらのすべての場合においてプライマーは、好ましくは、試料物質中に予期される微生物または耐性菌の核酸配列にハイブリダイズし、それらの増幅を可能にするように選択される。従って、例えば図3Aに示される微生物の核酸配列に特異的にハイブリダイズするプライマーは、好ましくは敗血症の早期診断に使用される。
要約すれば、本発明は上述したように、血液などの試料物質中の病原菌を測定する方法及び手段に関する。本方法において、細菌DNAは最初に試料物質の全DNAから濃縮され、次いで濃縮されたDNAは特定のプライマー対を用いて増幅される。得られた増幅産物の検出により、試料物質中に含まれる細菌及び真菌並びにこれらの耐性菌の正確な同定が可能になる。本発明の方法及び手段は、試料物質中の細菌及び真菌の簡易で迅速な測定を可能にすることが特徴である。驚くべきことに、試料物質中の他のDNA、特にヒトDNAとの関係において、細菌及び真菌DNAに対する特異的濃縮ステップ並びに増幅ステップの単純な組み合わせが、個々の細菌及び真菌に対する検出感度を大幅に高めることを可能にするだけではなく、この方法で、並行して高い感度をもって多数の異なる細菌及び真菌の属種の検出をも可能にすることが見出された。これは、病原菌を同時、迅速かつ確実に測定することを可能にし、また担当医が、検出された病原菌に対する治療を早急に最適に順応させることを可能にする。従って本発明の方法は、適切な治療処置に関する医師の決定において重要な補助になることを示している。本発明の方法は、細菌及び/又は真菌の全般的な検出を可能にするプライマーを用いて実行されるので、たとえ病原菌がこれまでは稀にしか発生しなかった又はまったく発生しなかった細菌及び真菌であっても、感染を検知することが可能である。
本発明は以下の実施例と図面によってより詳細に記載される。
以下の実例は単に本発明の実施例を示すに過ぎず、なんら本発明の範囲の限定を意図するものではない。
実施例1
特発性細菌性腹膜炎(SBP)の病原菌の検出
試料採取
試料は、フリードリッヒ−シラー大学(イエナ、ドイツ)の胃腸病学、肝臓学及び感染症学部門の内科外来からもたらされた。腹水は、企画研究に関する現地倫理委員会の承認後、SBPが疑われる患者75名から採取された。判断基準として全細胞数を計測し、細胞数が250細胞/μlの場合、好中球数を測定した。腹水培養は、5mlの腹水を播種した血液培養ボトル(好気性/嫌気性)で調製した。全DNAはナノドロップ(Nanodrop、登録商標)装置を用いて抽出後測定した。好中球数が判断基準の閾値を超える、若しくは腹水培養が陽性である、若しくは他の兆候(例えば血液培養を介して)が全身性感染を指し示す、又は以下に記載する第二段階において実施される16S−rDNA−qPCRが標的配列のコピー数を著しく増加させる患者14例(女性6例(平均年齢67才)、男性8例(平均年齢57.6才))のサブグループを選択した。
核酸検査(NAT)の試料調製のために、50mlの腹水を50ml容−ファルコンチューブに入れた。細胞を計測し遠心分離した。沈渣は、残存している上清5mlに再懸濁し、−80℃で保管した。
腹水試料から全DNAの単離
全DNAの単離は、ルックスター(LOOXSTER、登録商標)を用いて製造者仕様書に従って行った。
(細胞溶解)
100μlのリゾチーム溶液を、解凍した腹水試料に添加し(終濃度1mg/ml)、短時間のボルテックス後、37℃で1時間インキュベーションした。5mlの溶解緩衝液Aと100μlのプロテアーゼ溶液を添加し、短時間のボルテックス後、50℃で1時間インキュベーションした。この試料を20秒間ボルテックスし、50ml容チューブの膜に注いだ。
(結合及び洗浄)
チューブは3000×gで2分間遠心分離した。チューブを交換し、5mlの溶解緩衝液Bを加えてもう一度遠心分離した。再び5mlの溶解緩衝液Bを加え、もう一度遠心分離した。
(溶出)
チューブを交換し、2.5mlの溶解緩衝液Cを膜に注いで、室温で2分間インキュベーションした。チューブは3000×gで1分間遠心分離にかけ、さらに2.5mlの溶解緩衝液Cを膜に注いで、チューブをもう一度遠心分離にかけた。膜インサートは廃棄し、溶出液を新しい15ml容チューブに移した。
(沈殿)
4mlのイソプロパノールを加えた後、注意深く混合し、3000×gで60分間遠心分離した。上清を除去し、沈渣を2mlの氷冷70%エタノールで洗浄した。チューブは3000×gで5分間の遠心分離にかけ、沈渣を室温で乾燥させた。DNAは200μlの蒸留水(DNA及びDNA分解酵素不含)に50℃で1時間溶解させた。原核生物及び真菌DNAの濃縮前に、16μlをqPCR分析のために取り置いた。残りの184μlを、184μlの2×緩衝液Dと混合した。
原核生物及び真菌DNAの濃縮
特定の細菌及び真菌のゲノムDNAの濃縮は、ルックスターキットを用いて製造者仕様書に従って行った。キットはカラム、採取チューブ及び試薬を含む。当該試薬はヒト及び細菌DNAからなる混合DNAを含む試料から原核生物DNAを濃縮するためのものであるが、真菌DNAの濃縮にも適している。実験方法を以下に要約する。
(結合)
カラムは、ルックスターの製造者仕様書に従って調整した。緩衝液Dに溶解した368μlのDNAを、準備したカラムに添加した。マトリックス/DNA混合物はピペットで注意深く吸入吐出し、室温で30分間インキュベートした。カラムは室温、1000×gで30秒間遠心分離し、素通り画分は廃棄した。
(洗浄)
カラムに300μlの緩衝液Dを2度加え、室温、1000×gで30秒間の遠心分離を2度行った。
(溶出ステップ)
カラムを新しい2ml容チューブに移し、300μlの緩衝液Dを加えた。マトリックス/DNA混合物はピペットで注意深く吸入吐出した。カラムは室温で5分間インキュベートし、室温、1000×gで30秒間遠心分離した。300μlの緩衝液Eを再びカラムに加え、1000×gで30秒間遠心分離した。溶出液の容量は600μlであった。
(沈殿)
溶出されたDNAは、5μlの溶液G(Solution G)、60μlの酢酸ナトリウム(pH5.2)及び480μlのイソプロパノールを加えることにより沈殿させた。短時間(10秒間)のボルテックス後、試料を4℃、16000×gで60分間遠心分離し、上清は廃棄した。沈渣は1mlの氷冷70%エタノールで2回洗浄して、16000×gで5分間遠心分離し、上清は廃棄した。沈渣は室温で乾燥させ、DNA及びDNA分解酵素を含まない30μlの水に50℃、1時間で溶解した。DNA濃度はナノドロップ(Nanodrop、登録商標)装置を用いて測定した。
16Sプライマーを用いたリアルタイムPCR
原核生物DNAの定量は、16S rDNA qPCRを用いて行った。全DNA濃度は、1反応あたり200ngの最適濃度に調整した。単離されたDNAの含量は低いが、濃縮あり及び濃縮なしでのこれら関連試料の濃度が同じであることは、ルックスターシステムにより調べた。DNA不含水による陰性対照は、細菌DNAの取り扱いのための閾値(切り捨て値)を決定するため、患者試料と同様にして実施した。潜在的なPCR阻害を確認するため、細菌DNA(10ゲノム複製物)を、それぞれの患者の試料の一定分量に添加した。テンプレートのない対照(NTC)も含めた。検出は、二本鎖DNA中にSYBR(登録商標)グリーンが取り込まれた結果としての蛍光に基づいた。25μlの反応容量は、10μlの200ng以下の全ゲノムDNA、12.5μlの2×QuantiTect(登録商標)SYBRグリーンPCRマスターミックス(キアゲン(QIAGEN)、登録商標)、並びに、それぞれ1.25μl(終濃度10pmol)の順方向プライマー及び逆方向プライマーで構成された。すべてのステップは、ロータージーン(Rotor-Gene)RG-3000 qPCR装置(コルベット・ライフサイエンス(Corbett Life Science)、シドニー、オーストラリア)を用い、2回繰り返して行った。始めのDNA変性を94℃で15分間行い、続いて94℃で30秒間、50℃で30秒間及び72℃で1分間のサイクルを45回行った。計算はロータージーン6ソフトウェアを用いて行った。
多重PCR
最適な治療方法のための細菌及び真菌病原体の同定は非定量的PCRによって行った。反応は、2つのプライマープール(プライマープールI及びII)を持つ2つの反応容器中で行った。当該プライマープールは、一般に細菌及び真菌に対して特異的な核酸配列、並びに特定の細菌及び真菌属、特定の細菌種、及び選択された耐性菌に対して特異的な核酸配列を持つプライマー対を含んでいた。下表は本試験で対象とされた細菌、真菌及び耐性菌の概要を示す。
Figure 2010537650
DNA濃度は1反応あたり500ng以下の最適濃度に調整した。単離されたDNA含量が不十分な場合、低濃度のものをルックスター処理に使用した。25μlの反応容量は、可変量の鋳型DNA、12.5μlの2×マルチプレックスPCRマスターミックス(キアゲン、登録商標)、2.5μlのプライマーミックス(終濃度10pmol、プライマープールI及びIIとして使用)、並びにDNA及びDNA分解酵素を含まない水から構成された。始めのDNA変性は、HotStar Taq(登録商標)DNAポリメラーゼ(キアゲン、登録商標)を活性化するため、95℃、15分間行い、続いて94℃で30秒間、59℃で1.5分間及び72℃で45秒間のサイクルを30回行った。すべてのステップはマスターサイクラー(登録商標)グラジエントS(エッペンドルフAG、ハンブルグ、ドイツ)を用いて行った。試料は2%アガロースゲル上で分析した。
結果
多重PCRで得られたデータは、判断基準(250μl以上の腹水における増加した多形細胞数)及び腹水培養のデータと比較した。カラムに添加したDNA含量に依存したルックスター法の効率は、ルックスターの前後で、16S−rDNA
PCRを用いて測定した。図1に示されるように、原核生物及び真菌DNAの濃縮の濃縮係数は、DNA量が高くなるにつれて増加する。全血からは、20μg以上のDNAを単離することができる。DNA濃度が1μg未満から20μg超まで変動している腹水において、それぞれの場合について顕著な濃縮が観察された。
SBPが疑われる上述の14例のサブグループの患者に由来する19試料において、腹水培養が陽性であり、好中球数の増加が認められた場合すべてについて多重PCRは陽性であった。さらに、腹水培養と全細胞数が陰性(250細胞/μl未満)である場合には、患者はエンテロコッカス・フェカリス、エシェリキア・コリ及びエンテロコッカス・フェシウムで多重感染していることが検出された。表2は19試料に関する調査結果を要約し、表3は、この調査に使用された本発明の方法によってSBPが確認された患者の症例から選択したものを示す。図2は、患者2から2日以内に採取した2つの腹水試料についてエシェリキア・コリ感染を検出するため、アガロースゲル上での多重PCRのゲル電気泳動を示す。レーン1及び2はプライマープールIで検査した試料を示す。218塩基対のバンドは、エシェリキア・コリの増幅産物に固有である。
Figure 2010537650
Figure 2010537650
核酸に基づくPCR法は、選択された3症例のすべてについて陽性の結果を与えた。全細胞数及び好中球数は増加し、腹水培養では2症例で陽性であった。さらに多重PCRでは、1症例(患者2)について多重感染であることを示したが、細胞数もqPCRにより測定されたコピー数も増加していなかった。この患者は、最初にセフトリアキソン/メトロニダゾールで治療された。血液及び腹水を採取した3日後、血液培養はエンテロコッカス・フェカリスについて陽性であったが、並行して行われた腹水培養では陰性のままであった。これに応じて治療は、エンテロコッカス・フェシウムの増殖を阻害しないタゾバクタムに変更された。さらに、エシェリキア・コリ、エンテロコッカス・フェカリス及びエンテロコッカス・フェシウムが創傷塗抹標本で見いだされた。また一方で、この同じ3種類の生物(エシェリキア・コリ、エンテロコッカス・フェカリス及びエンテロコッカス・フェシウム)は、多重PCRを用いても見いだされた。これは、多重PCRが、およそ6時間以内に、血液及び腹水培養が数日以内に出す結果と同じ結果をもたらすことを示す。このようにして、多重PCRを全DNAからの細菌及び真菌DNAの濃縮と組み合わせて使用することにより、迅速で早期の病原菌検出が可能になり、また適切で早期の抗菌剤治療が可能になる。
従ってもしそうであるなら、現在の判断基準法も16S rDNA qPCRも、単独ではSBPの診断に十分ではないが、特定の抗菌剤治療に関してこれらの方法がいかなる情報ももたらさないという事実に言及するわけではない。
実施例2
PCR及びゲル電気泳動による添加試料中の細菌及び真菌の検出
血液試料にスタフィロコッカス・アウレウス、エシェリキア・コリ及びクレブシエラ・ニューモニエの細菌DNAを添加した。全DNA調製及びルックスター(LOOXSTER、登録商標)による細菌DNAの濃縮は、実施例1に記載した通りに行った。
得られたDNA試料は、図3Aに示された細菌及び真菌の特定の核酸配列に特異的な、50の敗血症特異的プライマー対を用いて増幅した。増幅は、実施例1に記載された非定量的多重PCRを用いて異なるバッチで行った。試料は2%アガロースゲル上で分析した。図3Bは、添加された細菌DNAのPCR増幅産物に対応するアガロースゲルを示す(Mはマーカーである)。図3Cは、関連付けられたゲル上の試料添加及び選択されたPCR標的に対して予期される増幅物サイズを示す。
本試験では、スタフィロコッカス・アウレウス、エシェリキア・コリ及びクレブシエラ・ニューモニエの3種類の細菌種が、DNA濃縮と特異的プライマー対による多重PCRを経て検出されたことが示される。
実施例3
添加試料中のエシェリキア・コリの多重PCRとプローブに基づいた検出
血液試料に、実施例2に記載の通りにエシェリキア・コリの細菌DNAを添加した。全DNA調製及びルックスター(LOOXSTER、登録商標)による細菌DNAの濃縮は、実施例1に記載の通りに行った。エシェリキア・コリの検出のために、irp2遺伝子に向けられたプライマーとともに、ビオチン−16
dUTP存在下多重PCRを行った。
うまく取り込まれた標識ヌクレオチドはサザンブロッティングにより検出された。ブロッティングのために、2層になったワットマン濾紙とニトロセルロース膜を0.5×TBEに浸漬し、引き続いて陰極(−)上に置いた。次いでゲルを膜上に置き、0.5×TBEに浸漬した2層のワットマン濾紙で覆った。最後に陽極(+)を付け、装置を2Aで12分間接続した。固定のためには、紫外架橋結合を用いた。膜を紫外光により150mJ/cmで1分間照射し、その後空気中で30分間乾燥させた。続いて、膜をブロッキング緩衝液により室温で1時間ブロックした。次いで膜をTBST緩衝液により5分間で3回洗浄した。膜は、ブロッキング緩衝液で1:2000希釈したストレプトアビジン−西洋わさびペルオキシダーゼで処理し、続いて室温で30分間インキュベートした。これにより、標準的なストレプトアビジン−ビオチン複合体が形成された。膜をTBST緩衝液により5分間で3回洗浄した後、基質を膜上に置いた。TMBを基質として使用した。ブロットの展開には10分間を要した。ビオチンが取り込まれた場所に青色色素が生成した(データ示さず)。予期される200塩基対のirp2増幅産物はゲル電気泳動により検出した(データ示さず)。
その後、ビオチン標識された200塩基対のirp2増幅産物の存在は、以下のようにプローブに基づくアッセイ(マイクロアレイ)により検出した。
(プローブの設計とチップ製造)
選択されたオリゴヌクレオチドすべてについて、NCBI−GenBank(nr、estヒト)に預けられた他のDNA配列すべてに対して、少なくとも7〜8塩基対のミスマッチ(温度差14〜16℃)があることに留意した。配列は下記の仕様のもと、アレイデザイナー(Arraydesigner、登録商標)プログラムを用いて計算した。
・プローブ長 35±5塩基
・融解温度 約70℃
・平衡GC含量(A/T:G/C=1:1)
・特定の病原菌検出の標的あたり2つの非重複プローブ
・ヒト及び他の細菌標的との交差反応の回避
・アレイ上のプローブの可動性に対してプローブの3’末端にポリ−T(10 T’s)
・DNAマイクロアレイ表面への結合のためのオリゴヌクレオチド3’末端でのアミノ基修飾
使用された標的のプライマー/増幅産物のすべてに対する、使用されたすべての標的に規定されたプライマーの交差反応は、コンピューターによるプローブのマッチングにより排除した。
PCR断片の検出は、AT(登録商標)システム(クロンダイアグチップテクノロジーズ(Clondiag
Chip Technologies)社、07749イエナ、ドイツ)に基づいた。アレイチューブの調製は、DNAマイクロアレイ上の個々のオリゴヌクレオチドの配置を示す図4に表示されたスポットプランに従って、クロンダイアグ社において行われた。加えて、ビオチンプローブはアレイの辺縁領域に固定化された(ビオチンマーカー)。これらは陽性対照としての機能を果たすが、これは、ビオチンとストレプトアビジンの反応が検出に用いられたため、スポットの形成はビオチンプローブのところで常に生じるであろうということによる。さらに、ビオチンプローブの強度は、存在する遺伝子プローブに対する試料量の比率に関する記載を可能にする。特異的遺伝子プローブにより生成したスポットの強度は、ビオチンプローブの強度を超えるべきではない。これはPCR断片によるアレイの過負荷を示し、偽陽性の結果の原因となるためである。
(ハイブリダイゼーション)
ビオチン標識増幅産物を直接ハイブリダイゼーションに使用した。このために、4μlのビオチン標識PCR産物を96μlのハイブリダイゼーション緩衝液に入れ、アレイ−チューブ(Array-Tubes、登録商標)外で95℃、5分間変性させ、その後直ちに氷上で120秒間冷却した。
アレイ−チューブは2回、前洗浄した。使用した溶液のすべては、反応時間終了後プラスチックパスツール・ピペットを用いて注意深く除去した。500μlの精製水を加え、熱混合器上で50℃、550rpmで5分間変性させた。次に、500μlのハイブリダイゼーション緩衝液を加え、50℃、550rpmで5分間インキュベートした。この後、100μlの変性試料をATシステムにおいて、50℃、550rpmで60分間ハイブリダイゼーションさせた。3回の洗浄ステップ後、すなわち最初に500μlの洗浄溶液1(40℃、550rpmで5分間)、次に500μlの洗浄溶液2(30℃、550rpmで5分間)及び最後に500μlの洗浄溶液3(30℃、550rpmで5分間)による洗浄後、背景シグナルを減衰させるため、新たに調製した2%ブロッキング緩衝液100μlをアレイ上に30℃、550rpmで15分間配置した。新たに調製したストレプトアビジン−西洋わさびペルオキシダーゼ複合体溶液のうち100μlをピペットでアレイ上に取り、30℃、550rpmで15分間結合させた。この後、500μlの洗浄溶液1により洗浄した。第2の洗浄ステップは、500μlの洗浄溶液2を添加し、20℃、550rpmで5分間行った。最後に、500μlの洗浄溶液3をATに添加し、20℃、550rpmで5分間インキュベートした。アレイ−チューブは、AT読み取り装置の温度制御された読み取りトレイ(25℃)に挿入した。ここでは、最後の洗浄溶液を当該読み取り装置のCCDカメラを用いた視覚制御下で除去し、読み取り装置のカメラの焦点を合わせた。この直後、100μlのペルオキシダーゼ基質(TMB)を加えることにより検出を行った。60枚の画像を取得した。すなわち10秒ごとに1枚の画像であった。CCDカメラはアレイ−チューブを通り抜けた白色光の透過を測定している。このようにして得られたデータはイコノクラスト(IconoClust、登録商標)ソフトウェアを用いて評価した。
図5は、エシェリキア・コリのビオチン標識irp2の1つのアッセイのハイブリダイゼーション結果の画像を示す。irp2遺伝子の200塩基対増幅産物が他のプローブと交差反応することなく検出し得たことがわかった。
実施例4
全血試料中のストレプトコッカス・ピオゲネス(化膿性連鎖球菌)及びカンジダ・アルビカンスの検出のための非定量的及び定量的PCR
カンジダ・アルビカンス(ATCC MYA−2876)及びストレプトコッカス・ピオゲネス(Varia42440(微生物医学研究所、イエナ)、敗血症陽性の血液培養)の一夜培養(10細胞)を、健常ドナーの全血試料に添加した。2gのガラスビーズ(G8772ガラスビーズ、酸洗浄済み、425〜600μm、シグマ・アルドリッチ(Sigma Aldrich Chemie GmbH)、Schellendorf、ドイツ)及び100μlのプロテアーゼを添加した後に、細胞を2分間で2回のボルテックスと、それぞれについて引き続く50℃で2分間のインキュベーションにより機械的に溶解させた。全DNAの単離はGenomic Maxi AX Bloodキット(A&A
Biotechnology, Gdynia, ポーランド)を用いて行い、細菌及び真菌DNAの濃縮は、実施例1に記載した通りにルックスター(LOOXSTER、登録商標)を用いて行った。
非定量的PCR
カンジダ・アルビカンス及びストレプトコッカス・ピオゲネスの同定は非定量的多重PCRにより行った。多重PCRバッチにおいて、ルックスターからの溶出液のDNA濃度を500ngに調整した(ナノドロップ(Nanodrop、登録商標)DNA濃度定量)。25μlの反応容量(いくつかの種特異的なプライマー対を含む2つのプライマープール、すなわち1試料あたり2反応バッチ)は、5μlの鋳型DNA、5μlの細胞培養用DNA不含水(PAA)、12.5μlの2×マルチプレックスPCRマスターミックス(キアゲン(QIAGEN、登録商標)、Hilden、ドイツ)及び2.5μlの10×プライマーミックス(終濃度10pmol)で構成された。95℃で15分間の最初の変性が、HotStarTaq(登録商標)DNAポリメラーゼ(キアゲン)の活性化に必要であった。全PCR温度サイクラープログラムは以下の表4に示される。
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すべてのインキュベーションステップは、マスターサイクラー(登録商標)epグラジエントS(エッペンドルフAG、ハンブルグ)上で行った。PCR産物は1.5%アガロースゲルで分離した。結果は図6に示され、これは対応するアガロースゲルの写真を示している:M:DNAマーカー(塩基対(bp)で表示)、1:プライマープール1及び処理したカンジダ・アルビカンス血液試料、2:プライマープール2及び処理したカンジダ・アルビカンス血液試料、3:プライマープール1及び細胞培養用水(NTC)、4:プライマープール1及び処理したストレプトコッカス・ピオゲネス血液試料、5:プライマープール2及び処理したストレプトコッカス・ピオゲネス血液試料、6:プライマープール2及び細胞培養用水(NTC)。レーン4はストレプトコッカス・ピオゲネス検出のためのsagH(662塩基対)及びslo−(737塩基対)の増幅産物を示し(#)、レーン2はカンジダ・アルビカンス検出のためのTEF2増幅産物を示す(*)。
結果は、本発明の方法により血液中のカンジダ・アルビカンス及びストレプトコッカス・ピオゲネスを特異的に検出し得ることを示す。
機械的な細胞溶解後のリアルタイムPCR(qPCR)
真菌及び細菌標的の定量化は、18S rDNA及び遺伝子特異的プライマーを用いて定量的PCR(それぞれqPCR及びリアルタイムPCR)により行った。全DNA量は1反応あたり200ngであった(ナノドロップDNA測定に基づくもの)。上記の通り、ルックスターにより濃縮したDNAを使用した。陰性対照(病原菌DNAに対する閾値又は切り捨て値を決定するためのもの)として、細胞培養用DNA不含水(PAA)を使用した。検出は、DNAへの蛍光色素SYBR(登録商標)グリーンの挿入に基づいた。25μlの反応バッチは、10μlのゲノムDNA(200ng)、12.5μlの2×QuantiTect(登録商標)SYBRグリーンPCRマスターミックス(キアゲン(QIAGEN、登録商標))、並びに、それぞれ1.25μl(終濃度10pmol)の順方向及び逆方向プライマーで構成された。カンジダ・アルビカンス検出には18S−rDNAプライマー対panfneu11/12を使用し、ストレプトコッカス・ピオゲネス検出には遺伝子特異的プライマー対sagAを使用した。
すべての反応ステップは、ロータージーン(Rotor-Gene、登録商標)RG-3000(コルベット・ライフサイエンス(Corbett Life Science)、シドニー、オーストラリア)を用いて2並行で行った。温度サイクラープログラムは以下の表5に示される。評価は、ロータージーン6ソフトウェア互換性のシステムを用いて行った。
Figure 2010537650
結果
図7及び8は、ロータージーン6による評価後の結果を示す。相対的蛍光値(縦軸)はPCRサイクル(横軸)に関してプロットした。計算に用いた基本は、Ct値、すなわち蛍光閾値(「閾値」)が初めて増幅産物特異的な1本の蛍光曲線を超えるサイクル数の決定であった。
図7は、カンジダ・アルビカンス(ATCC MYA−2876)の一夜培養が添加され、機械的に溶解させた、健常ドナーからの全血試料のqPCR評価を示す。相対的蛍光値はPCRサイクル数に関してプロットした。示されているものは、10〜10コピーのカンジダ・アルビカンスの標準系列(黒点)である。機械的に処理されたカンジダ・アルビカンス試料について、添加された細胞数10の回収率は約14%である(〜102.9コピーは、ゲノムコピーあたり35fgで〜490pgの真菌DNAに相当する。)。
図8は、ストレプトコッカス・ピオゲネス(Varia42440(微生物医学研究所、イエナ)、敗血症陽性の血液培養)の一夜培養が添加され、機械的に溶解させた、健常ドナーからの全血試料のqPCR評価を示す。相対的蛍光値はPCRサイクル数に関してプロットした。示されているものは、10〜10コピーのストレプトコッカス・ピオゲネスの標準系列(黒点)である。機械的に処理されたストレプトコッカス・ピオゲネス試料について、添加された細胞数10の回収率は約56%である(〜103.5コピーは、ゲノムコピーあたり2fgで〜112pgの細菌DNAに相当する。)。
結果は、血液試料中の細菌及び真菌を、細菌及び真菌DNAに特異的に結合するタンパク質によりこれらのDNAを濃縮後、qPCRによって検出し得ることを示す。ここで、qPCRはさらに、血液試料中の病原菌濃度に関する記載を可能にする。

Claims (40)

  1. 試料物質中に含まれる細菌及び真菌の測定方法であって、下記のステップを含む測定方法:
    a)試料物質中に含まれる細菌及び真菌DNAの濃縮;
    b)(i)〜(vii)の群の少なくとも2つの群より選ばれるプライマー対を用いる、ステップa)で得られたDNAの増幅:
    (i)複数の細菌ファミリーに特異的な特有の核酸配列領域の特異的増幅に適した少なくとも1つのプライマー対;
    (ii)複数の真菌ファミリーに特異的な特有の核酸配列領域の特異的増幅に適した少なくとも1つのプライマー対;
    (iii)選択された細菌属に特異的な特有の核酸配列領域の特異的増幅に適した少なくとも1つのプライマー対;
    (iv)選択された細菌種に特異的な特有の核酸配列領域の特異的増幅に適した少なくとも1つのプライマー対;
    (v)選択された抗菌剤又は抗真菌剤耐性の発現に特異的な特有の核酸配列領域の特異的増幅に適した少なくとも1つのプライマー対;
    (vi)選択された真菌属に特異的な特有の核酸配列領域の特異的増幅に適した少なくとも1つのプライマー対;及び
    (vii)選択された真菌種に特異的な特有の核酸配列領域の特異的増幅に適した少なくとも1つのプライマー対;並びに任意に、
    c)ステップb)で生成される増幅産物の検出。
  2. 試料物質は環境試料、食品試料又は生物試料であって、特に臨床試料である、請求項1に記載の方法。
  3. 特に臨床試料である試料物質は、ヒト又は動物試料である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. ヒト又は動物試料が、組織試料、体液又はこれらに由来する産物である、請求項3に記載の方法。
  5. 試料が体液又は体液に由来する産物であって、特に血液又血液産物、例えば全血、血漿、血清又は濃縮血小板、脳脊髄液、液、尿、胸膜液、腹水、心膜液、腹膜液及び滑液である、請求項4に記載の方法。
  6. 細菌及び/又は真菌DNAの濃縮が、試料物質から得られる全DNAを非メチル化CpGモチーフに結合する能力があるタンパク質又はポリペプチドと接触させることにより行われる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. (i)群の少なくとも1つのプライマー対が、細菌16S rDNAに対する遺伝子の核酸配列に特異的にハイブリダイズするプライマー対である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. (ii)群の少なくとも1つのプライマー対が、真菌18S rDNAに対する遺伝子の核酸配列に特異的にハイブリダイズするプライマー対である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. ステップb)における増幅は、増幅産物が検出可能なマーカーにより標識される条件下で行われる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. ステップb)における増幅は、非定量的PCRによって行われる、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. ステップb)における増幅は、定量的リアルタイムPCR(qPCR)によって行われる、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  12. ステップb)において得られる増幅産物の検出が、ゲル電気泳動法又はヌクレオチドに基づくハイブリダイゼーション法によって行われる、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. ステップb)において得られる増幅産物の検出が、マイクロアレイによって行われる、請求項12に記載の方法。
  14. 治療決定の補助としての、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 濃縮血小板の汚染を検出するための、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  16. 未発見の感染症(SIRS)を含む炎症性疾患の病原菌及び/又は耐性菌を検出するための、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  17. 感染症、特に全身性感染症を検出するための、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  18. 敗血症の早期診断のための、請求項17に記載の方法。
  19. 突発性細菌性腹膜炎の早期診断のための、請求項17に記載の方法。
  20. 心内膜炎の早期診断のための、請求項17に記載の方法。
  21. 試料物質中に含まれる細菌及び真菌を測定するための診断キットであって、
    a)試料物質中に含まれる細菌及び真菌DNAの濃縮手段;
    b)(i)〜(vii)の群の少なくとも2つの群より選ばれるプライマー対を含むDNAの増幅手段:
    (i)複数の細菌ファミリーに特異的な特有の核酸配列領域の特異的増幅に適した少なくとも1つのプライマー対;
    (ii)複数の真菌ファミリーに特異的な特有の核酸配列領域の特異的増幅に適した少なくとも1つのプライマー対;
    (iii)選択された細菌属に特異的な特有の核酸配列領域の特異的増幅に適した少なくとも1つのプライマー対;
    (iv)選択された細菌種に特異的な特有の核酸配列領域の特異的増幅に適した少なくとも1つのプライマー対;
    (v)選択された抗菌剤又は抗真菌剤耐性の発現に特異的な特有の核酸配列領域の特異的増幅に適した少なくとも1つのプライマー対;
    (vi)選択された真菌属に特異的な特有の核酸配列領域の特異的増幅に適した少なくとも1つのプライマー対;及び
    (vii)選択された真菌種に特異的な特有の核酸配列領域の特異的増幅に適した少なくとも1つのプライマー対;並びに任意に、
    c)b)のプライマー対を用いて生成される増幅産物の検出手段;
    を含むキット。
  22. 細菌及び/又は真菌DNAの濃縮手段が、非メチル化CpGモチーフに結合する能力があるタンパク質又はポリペプチドを含む、請求項21に記載のキット。
  23. (i)群の少なくとも1つのプライマー対が、細菌16S rDNAに対する遺伝子の核酸配列に特異的にハイブリダイズするプライマー対である、請求項21又は22に記載のキット。
  24. (ii)群の少なくとも1つのプライマー対が、真菌18S rDNAに対する遺伝子の核酸配列に特異的にハイブリダイズするプライマー対である、請求項21〜23のいずれか1項に記載のキット。
  25. DNAの増幅手段が、増幅中に検出可能なマーカーを含む増幅産物を与える手段を含む、請求項21〜24のいずれか1項に記載のキット。
  26. DNAの増幅手段が、非定量的PCRを行うための手段を含む、請求項21〜25のいずれか1項に記載のキット。
  27. DNAの増幅手段が、定量的リアルタイムPCR(qPCR)を行うための手段を含む、請求項21〜23のいずれか1項に記載のキット。
  28. b)のプライマー対により得られる増幅産物の検出手段が、電気泳動ゲルの調製試薬を含む、請求項26に記載のキット。
  29. b)のプライマー対により得られる増幅産物の検出手段が、マイクロアレイの実行手段を含む、請求項26に記載のキット。
  30. 試料物質中に含まれる病原性細菌及び真菌を測定するための、請求項21〜29のいずれか1項に記載のキット。
  31. 試料物質は環境試料、食品試料又は生物試料であって、特に臨床試料である、請求項21〜29のいずれか1項に記載のキット。
  32. 特に臨床試料である試料物質は、ヒト又は動物試料である、請求項31に記載のキット。
  33. ヒト又は動物試料が、組織試料、体液又はこれらに由来する産物である、請求項32に記載のキット。
  34. 試料が体液又は体液に由来する産物であって、特に血液又血液産物、例えば全血、血漿、血清又は濃縮血小板、脳脊髄液、液、尿、胸膜液、腹水、心膜液、腹膜液及び滑液である、請求項33に記載のキット。
  35. 濃縮血小板の汚染を検出するための、請求項21〜34のいずれか1項に記載のキット。
  36. 未発見の感染症(SIRS)を含む炎症性疾患の病原菌及び/又は耐性菌を検出するための、請求項21〜34のいずれか1項に記載のキット。
  37. 感染症、特に全身性感染症を検出するための、請求項21〜34のいずれか1項に記載のキット。
  38. 敗血症の早期診断のための、請求項37に記載のキット。
  39. 突発性細菌性腹膜炎の早期診断のための、請求項37に記載のキット。
  40. 心内膜炎の早期診断のための、請求項37に記載のキット。
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