JP3557083B2 - 無線タグを用いた情報通信装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、同時に複数の無線タグと通信可能なリーダ/ライタを用いた情報通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
同時に複数の無線タグと通信可能なリーダ/ライタは、例えば一定の速度で進むベルトコンベア上にある複数の商品などの品物に付加された無線タグと通信して、商品の内容などの必要な情報を読み取ることができる。
【0003】
このため、例えばリーダ/ライタのアンテナの通信可能エリア内にベルトコンベアを設置し、この通信エリア内にある一定の割合で流入される複数の無線タグと通信し、必要に応じて情報の読取り、書き込みを行う。
【0004】
今、図13に示したように、図示しないリーダ/ライタの通信可能エリアCA内に商品などの品物G2に付加された無線タグTG2が1枚だけある場合、つまり、ベルトコンベアB上の下流側に隣接する無線タグTG3との間隔1が、速度vで走行中のベルトコンベアBの走行方向の通信可能エリア長Lより長い場合を考える。
【0005】
通信可能エリア長がL、ベルトコンベアの速度がvであるから、一つの無線タグTG2が、通信可能エリアCA内に存在する時間T0は、L/vで表わされる。一般に、リーダ/ライタが無線タグTG2と通信する時間tは、通信エラーなどが起きた場合を考えてn回分の通信時間を確保する必要があり、t=T0/nである。
【0006】
よって、べルトコンベアBの速度は、v=L/(nt)となり、通信可能エリア長Lと、リーダ/ライタが無線タグTG2と通信する時間tに依存するが、通信可能エリア長Lは固定であるから、通信時間tに依存することになる。即ち、べルトコンベアBの速度がv<L/(nt)であれば、通信可能エリアCAに入って来る全ての無線タグと通信することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、v≧L/(nt)の場合には、通信できない無線タグが発生する。
また、リーダ/ライタの無線タグとの通信可能エリアCA内に、図14に示したように複数個の品物がある場合を考える。例えば図示のように3個の品物G1〜G3があり、3枚の無線タグTG1〜TG3がある場合には、べルトコンベアB上の隣接する無線タグの間隔lがリーダ/ライタの通信可能エリア長Lより短くなる。
【0008】
1回通信されたタグは、2回目以降リーダ/ライタからの通信要求には特別な場合を除いて応答しないように構成されているから、リトライ無しのときの累積通信時間が最も長い場合は、3枚の無線タグTG1〜TG3に対して最初のアクセスではTG1のみが応答し、次のアスセスではTG2のみ、最後のアクセスではTG3が応答する場合である。
【0009】
ベルトコンベアB上の無線タグの間隔をl、ベルトコンベアBの速度をvとすると、1個の無線タグの通信にかけられる時間T1は1/vで表わされるから、リーダ/ライタが無線タグと通信する時間tは、通信エラーなどが起きた場合を考えてn回分の通信時間を必要とするとして、T1/nである。
【0010】
よって、ベルトコンベアBの速度は、v=l/(nt)となり、ベルトコンベアB上の無線タグの間隔1と、リーダ/ライタが無線タグと通信する時間tに依存する。
【0011】
ベルトコンベアの速度がv<1/(nt)であれば、通信可能エリアを通過するすべての無線タグと通信することができるが、ベルトコンベアの速度がv≧L/(nt)の場合、通信できない無線タグが発生する。
【0012】
また、図15に示すように、リーダ/ライタの無線タグとの通信可能エリア内に、複数枚(Ni)の無線タグがあり、各無線タグが直線上に並んでなくかつその間隔が不規則である場合を考える。
【0013】
この場合、ベルトコンベアB上を移動する複数個の無線タグ、この場合7個の無線タグTG1〜TG7がリーダ/ライタの通信可能エリアCAに存在する時間が、リーダ/ライタが複数個の無線タグN0を処理できる時間よりも短い場合、通信できない無線タグが発生する。
【0014】
【発明が解決すべき課題】
べルトコンベアの速度、あるいはリーダ/ライタの通信可能エリア内に流入される複数の無線タグの割合が、無線タグの数、密度にかかわわらず−定である時、リーダ/ライタ側で複数の無線タグを処理する時間t0より、無線タグがリーダ/ライタの通信可能エリア内に存在する時間Tが短い場合、通信できない無線タグが現れる。
【0015】
そこで、この発明は、リ−ダ/ライタの通信可能エリア内に入ってきた無線タグのすべてと漏れなく通信ができるようにし、例えば商品に付加されたすべての無線タグと完全に通信が確立できるため、商品管理などが容易に行えるようになる、情報通信装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この発明の情報通信装置は、ベルトコンベア上に設定された通信可能エリアを有し、このベルトコンベア上を移送される無線タグとの間で情報通信を行う情報通信装置において、停止状態の前記ベルトコンベア上の通信可能エリア内にあるすべての無線タグとの累積通信時間を測定する手段と、この測定された累積通信時間からベルトコンベアの速度を決定する手段と、この決定された速度にてベルトコンベアを駆動する信号を発生する手段とを有し、タイマ装置の出力により動作が繰り返しスタートされる制御手段から構成されている。
【0017】
またこの発明の情報通信装置は、ベルトコンベア上の上流、下流に互いに隣接されて設定された第1、第2の通信可能エリアを有し、ベルトコンベア上を移送される無線タグとの間で情報通信を行う第1、第2の通信ユニットを有する情報通信装置において、前記ベルトコンベア上の第1の通信可能エリア内にあるすべての無線タグとの累積通信時間を測定する手段と、この測定された累積通信時間からベルトコンベアの速度を決定する手段と、この決定された速度にてベルトコンベアを駆動する信号を発生する手段とを有する制御手段を具備し、下流側の前記第2の通信可能エリアにて前記第2の通信ユニットにより無線タグとの通信を行うことを特徴として構成されている。
【0018】
またこの発明の情報通信装置は、定速で走行するベルトコンベア上の上流、下流に互いに隣接されて設定された第1、第2の通信可能エリアを有し、ベルトコンベア上を移送される無線タグとの間で情報通信を行う第1、第2の通信ユニットを有する情報通信装置において、前記ベルトコンベア上の第1の通信可能エリア内にあるすべての無線タグとの累積通信時間を測定する手段と、この測定された累積通信時間より前記第1の通信可能エリアから第2の通信可能エリアに流入する前記無線タグの単位時間当たりの枚数を決定する手段と、前記決定された枚数が所定値より多い場合に、前記第1の通信可能エリアから第2の通信可能エリアに流入する前記無線タグの単位時間当たりの枚数を制限する手段とを具備し、前記第2の通信可能エリアにて前記第2の通信ユニットにより無線タグとの通信を行うことを特徴として構成されている。
【0019】
上記の構成により通信可能エリアにあるすべての無線タグとの累積通信時間が得られ、この累積通信時間からベルトコンベアの速度が算出され、あるいは無線タグの単位時間当たりの移送量が計算され、すべての無線タグとの通信が確保される。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照してこの発明の実施例を詳細に説明する。
図1はこの発明の第1の実施例のタグ・リ−ダ/ライタの通信可能エリアに無線タグが複数個ある状態、すなわちベルトコンベアB上に設定された通信可能エリアCA内に、夫々が無線タグTG1〜TG7を付加した7個の品物G1〜G7が入っている状態を示している。
【0021】
この通信可能エリアCAはアンテナ12Aによって定義され、実際には図1に示したように3次元の空間であるが、説明の簡単のために、図2に示したようにタグ・リ−ダ/ライタ12のアンテナ12Aによる2次元通信エリアとして考える。
【0022】
タグ・リ−ダ/ライタ12はパ−ソナル・コンピュ−タ(PC)13に接続されて動作するように構成されている。アンテナ12Aによる通信可能エリアCA内には7個の無線タグTG1〜TG7があり、夫々との間で情報の通信が可能である。
【0023】
このタグ・リ−ダ/ライタ12と無線タグTGの内部構成を図3に示す。無線タグTG1〜TG7はいずれも同じ構成を有しているので、ここでは代表して無線タグTGで説明する。
【0024】
図3において、タグ・リ−ダ/ライタ12はPC13に接続されたCPUなどの制御回路14と、この制御回路14からの情報信号で搬送波を変調して送信アンテナ12A−1に供給するための送信回路15と、無線タグTGからの変調信号電波を受信アンテナ12A−2で受信して復調し、情報信号を取り出して制御回路14に送る受信回路16とから構成されている。
【0025】
無線タグTGは、送信アンテナ12A−1と受信アンテナ12A−2との間で電波の送受信を行うアンテナ21Aと、このアンテナ21Aに接続された変調/復調回路22と、この変調/復調回路22に接続された制御回路23と、この制御回路23に接続されたメモリ24とを有する。
【0026】
このメモリ24にはこの無線タグTGの識別のためにたとえばシリアルID情報が格納されたメモリエリア24Aを有する。なお、この無線タグTGはそれ自身では電源を持っておらず、タグ・リ−ダ/ライタ12から信号とともに送信される搬送波信号を電力送信波として用い、無線タグTGはこの搬送波信号を分離して電源発生回路25により必要な電力を取り出すように構成されている。この電源発生回路25は受信した電力送信波を整流し直流電力に変換するもので、その構成はよく知られている。
【0027】
図4はタグ・リ−ダ/ライタ12とPC13とで構成されるこの実施例の構成を機能ブロックとしてまとめたブロック図である。この実施例の動作を図5のフロ−チャ−トを参照して以下に説明する。
【0028】
図4において、まず、図2の制御回路14を含む制御部31の制御のもとに、通信可能エリアCAにある7個の無線タグTG1〜TG7すべてとタグ・リ−ダ/ライタ12との通信がすべて終了するまでの通信時間が通信時間計測部32により計測される。このとき、図1に示したベルトコンベアBは図3のPC13からの指令によりベルトコンベア駆動部34により停止されている。
【0029】
即ち、この状態で図3のPC13の制御下でタグ・リ−ダ/ライタ12の制御回路14から発生されたリセット信号が送信回路15で電力送信波に搬送される形でアンテナ12A−1を介して通信可能エリアCAに向けて送信される。
【0030】
この送信波はアンテナ21Aにより受信され、電力搬送波は電源発生回路25に送られて直流電力が発生される。この発生された直流電力は変調/復調回路22および制御回路23に電源として供給される。
【0031】
アンテナ12A−1を介して受信されたリセット信号は、変調/復調回路22で復調されて制御回路23に供給され、制御回路23はメモリ24内のシリアルIDのデータを含む応答信号(アンサートウリセット信号)を形成して所定のタイミングで変調/復調回路22に供給する。
【0032】
この所定のタイミングは例えば制御回路23中に乱数発生器を設け、この乱数発生器の出力により応答信号の送信タイミングを決定すればよい。
応答信号で変調された搬送波はアンテナ21Aから送信され、タグ・リータ/ライタ12の受信アンテナ12A−1で受信されて受信回路16から制御回路14に供給される。制御回路14は受信した応答信号に含まれるシリアルIDデータから応答してきた無線タグTGを特定するとともに、最初にリセット信号を送信してから応答信号を受信した時までの経過時間を計測する。この計測はタイマによって簡単にできる。
【0033】
制御回路14は通信時間計測スタート時には図2に示した通信可能エリアCAに含まれる無線タグが幾つあるのか分かっていないため、第1回目の計測動作で幾つかの無線タグから応答信号が帰ってきたとしてもすべての無線タグから応答があったか否かは不明である。
【0034】
そこで、第1回目の応答信号を受信したらただちに第2回目の計測動作をスタートさせる。これにより複数の無線タグにおける乱数発生にもかかわらず偶発的に応答タイミングが衝突して通信漏れがあったとしても、2回目、或いは3回目の通信時間計測により通信漏れがその都度軽減されることになる。なお、一度応答信号を返送した無線タグはその後再度リセット信号を受信しても再度応答信号は返送しないように設定されている。
【0035】
このようにして、複数回の通信時間の計測動作の繰り返しの結果、応答信号がない状態が例えば2回続いたら通信可能エリアCAにあるすべての無線タグからの応答があったものとする。この時の第1回目からの累積通信時間が制御部31により取り込まれる。
【0036】
以上の通信時間計測動作が図5の動作フローチャートの最初のステップST1に示されている。
このように、この第1の実施例では、べルトコンベアB上の通信可能エリアCA内に複数存在するすべての無線タグTG1−TG7との累積通信時間を予め調査するため、実際に無線タグを流す状態にし、通信可能エリアCA内にあるN0枚の無線タグとの通信時間を実測する。この時ベルトコンベアBは停止状懸とするが、これはベルトコンベアBが動作している場合、通信できていない無線タグがあっても、見逃してしまい、正確にすべての無線タグとの累積通信時間が計測できないためである。
【0037】
また、べルトコンベアB上の複数の無線タグが、図1に示すように均一でない場合、なるべく密度が高い部分でベルトコンベアBを止めて実測することにより、その後の実働時の通信漏れが軽減できる。
【0038】
通信可能エリアCA内にあるN0枚の無線タグとの累積通信時間t0の実測結果より、以下の計算により、ベルトコンベアBの速度vを決定する。前述したように、通信にエラーが生じた場合、通信不良が発生する可能性があるため、1個の無線タグに対して、n回読み取れるようにすると、通信可能エリアCA内にあるN0枚の無線タグの通信時間は、n・t0となる。
【0039】
また、複数枚の無線タグとの通信時間は、通信タイムスロットを前述の乱数を用いて設定する場合など同じ枚数であっても、通信時問に差が出ることがある。そこで、シミュレーシヨン上でのばらつきを加味し、実際に側定した時間のm倍にする。
【0040】
この実施例の場合、シミュレーションの結果、複数枚の無線タグとの累積通信時間の最大値は、最小値の約1.5倍となったため、m=1.5とした。よって、通信可能エリアCA内にあるN0枚の無線タグとの累積通信時間は、m・n・t0となる。
【0041】
通信可能エリア長がLの場合、ベルトコンベアBの速度vは、L/(m・n・t0)である。
このようにして、図4の適正速度算出部33にて図5のフローチャートのステップST2に示すベルトコンベアBの速度vを算出し、次のステップST3において、通信漏れを極力無くすためにベルトコンベアBがより遅い速度を保つように、初期設定としてべルトコンベアBの速度をベルトコンベア駆動部34により設定する。これによりこの実施例ではステップST4に移行しベルトコンベアBの速度設定が終了する。
【0042】
以上の説明ではベルトコンベアBの速度設定を一度行うと以後はその設定速度で無線タグとの通信が行われるが、この方法では通信可能エリア内での無線タグの密度が最初の測定時よりも大きくなると通信漏れが発生する可能性がある。
【0043】
そこで、図5に示したように、ステップST3にてベルトコンベアの速度設定がなされたら、ステップST5にてタイマをスタートさせ、そのタイムアップに応じて通信時間実測動作を再起動させる。この結果、ベルトコンベアの速度設定が一定時間ごとに繰り返し行われるので、通信可能エリア内での無線タグの密度が最初の測定時よりも大きくなることによる通信漏れを未然に防止できる。
【0044】
また、以上説明した実施例では通信時間実測の度にベルトコンベアを停止させる必要があるが、以下の実施例ではベルトコンベアを駆動させたままで随時適正速度が算出できるように構成される。
【0045】
図6はその実施例のベルトコンベアBに対応して設定された通信可能エリアの部分を示す概略図である。この実施例では通信時間計測のための通信可能エリアCA1と、無線タグとの情報通信を行うための第2の通信可能エリアCA2とを具えている。
【0046】
図6において、通信可能エリアCA2に複数存在する無線タグTG11−TG16の累積通信時間t0を、通信エリアCA2の上流に設定された他の通信エリアCA1にて実測する。この場合、搬送量の変化に応じて、ベルトコンベアBの速度を制御する。
【0047】
この実施例の図4に対応する構成は図7に示され、制御部41の制御下で始動される随時通信時間計測部42の計測結果が随時適正速度算出部43に送られて、計算され、その計算結果によりベルトコンベア駆動部34に制御信号が送られる。
【0048】
この動作は図8に示したように、ステップST11にて上流部の通信可能エリアCA1にて通信時間が計測され、次にステップST12にてベルトコンベアBの速度を算出部43で算出し、この結果でステップST13にてベルトコンベアBの速度が設定され、再びST11に戻って通信時間の実測が行われる。
【0049】
即ち、通信可能エリアCA2の上流のエリアCA1にて実測した複数のN0枚の無線タグTG11−TG16の累積通信時間t0より、以下の計算により、ベルトコンベアBの速度を決走する。
【0050】
上記の実施例と同様に、通信にエラーが生じた場合に通信不良が発生する可能性があるため、1個の無線タグに対して、n回読み取れるようにすると、通信可能エリアCA1内にある複数の無線タグN0の通信時間は、n・t0となる。
【0051】
また、前記実施例と同様に、複数枚の無線タグとの通信時間は、タイムスロットを乱数を用いて設定する場合など、同じ枚数であっても、通信時間に差が出ることがある。
【0052】
そこで、シミュレーション上でのばらつきを加味し、実際に測定した時間のm倍にする。今回の場会、シミュレーシヨンの結果、複数枚の無線タグとの通信時間の最大値は、最小値の約1.5倍となったため、m=1.5とした。よって、通信可能エリアCA1内にある複数の無線タグの通信時間は、m・n・t0となる。
【0053】
通信可能エリア長がLの場合、ベルトコンベアBの速度vは、L/(m・n・t0)である。
次に、前記実施例と同様に、この速度より遅い速度を保つようにべルトコンベアBを制御する。
【0054】
上記の実施例ではベルトコンベアの上流と下流に隣接して2個の通信可能エリアを設け、通信を行う下流のエリアに過大な数の無線タグが流入することが上流の計測で明らかとなった時には、ベルトコンベアの速度を変えて対処しているが、代わりに大量の無線タグが流入しないようにゲートなどを設けるようにしてもよい。
【0055】
図9はそのための開閉弁を上流側に設けた実施例を示し、図10はその機能ブロック図を示す。この実施例のベルトコンベア回りの構成は図6の実施例とほとんど同じであり、異なるのは上流側の通信可能エリアCA1の流入口に開閉弁Sが設けられていることだけである。
【0056】
図9において下流側の通信可能エリアCA2に複数存在する無線タグの累積通信時間を予め測定するため、制御部51の制御下で通信時間計測部52を始動させる。実際に無線タグがエリアCA1に流入する状態にし、通信可能エリアCA1内にあるN0枚の無線タグの通信時問t0を実測する。この動作を図11のステップST21に示す。
【0057】
流人した時の通信可能エリアCA1内にある複数の無線タグの枚数を通信可能エリアCA2に固定した状態で実測する。測定時にまだ流入されている場合には、通信できていない無線タグがあつても、見逃してしまい、正確な複数の無線タグの通信時間が計測できないためである。また、流入される複数の無線タグの密度が均−でない場合、なるべく密度が高い部分で、実測することにより、通信漏れが軽減できる。
【0058】
通信可能エリアCA1内にあるN0枚の無線タグの通信時間t0の実測結果より、以下の計算により流入枚数を決定する。この枚数の認識は図10の無線タグ枚数認識部54が行いその動作ステップは図11のステップST22で行われる。 通信にエラーが生じた場合、通信不良が発生する可能性があるため、1個の無線タグに対して、n回読み取れるようにすると、通信可能エリアCA1内にある複数の無線タグの流入枚数は、N0/(n・t0)となる。
【0059】
また、複数枚の無線タグとの通信時問は、タイムスロットを乱数を用いて設定する場合など、同じ枚数であっても、通信時問に差が出ることがある。そこで、シミュレーシヨン上でのばらつきを加味し、実際に測定した時問のm倍にする。今回の場合、シミュレーシヨンの結果、複数枚の無線タグとの通信時間の最大値は、最小値の約1.5倍となったため、m=1.5とした。
【0060】
よって、通信可能エリア内にある複数の無線タグの流入枚数は、N0/(m・n・t0)となる。
よつて流入枚数は、図10の適正速度算出部53にてN0/(m・n・t0)より少ない割合を保つようにステップSt22で制御する。
【0061】
実際の制御方法は色々の方法を選択することができる。図9の開閉弁Sを用いる場合には、図10の流入量調節部55を駆動して開閉弁Sの開き度を調節する。或いは、無線タグ付きの荷物を人手により図9の流入量計測エリアCA1に送り込む場合には、流入の割合が多すぎる場合、図12に示したように、ステップST3で画面に表示したり、ステップST32で警告音により知らせるなどの処置をする。
一方、自動で無線タグ付きの荷物を流人する場合は、複数の無線タグの搬送量に応じ流入割合を制御するための開閉弁S等を調節することにより、制御する。
【0062】
【発明の効果】
以上詳述したようにこの発明によれば、通信可能エリア内の複数枚の無線タグとの累積通信時間を測定し、その測定時間からベルトコンベアの速度を計算し、制御するようにしたので、複数の無線タグが通信漏れなく通信できるようになり、無線タグを用いた情報通信装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例の通信可能エリアを示す概略斜視図。
【図2】タグ・リーダ/ライタと複数の無線タグとの電磁的結合を示す図。
【図3】タグ・リーダ/ライタと無線タグとの内部構成を示すブロック図。
【図4】図1の実施例の機能を示すブロック図。
【図5】図1の実施例の動作フローを示す図。
【図6】他の実施例の通信可能エリアを示す図。
【図7】図6の実施例の機能を示すブロック図。
【図8】図6の実施例の動作フローを示す図。
【図9】さらに他の実施例の通信可能エリアを示す図。
【図10】図9の実施例の機能を示すブロック図。
【図11】図9の実施例の動作フローを示す図。
【図12】図9の実施例の変形例を説明する機能ブロック図。
【図13】従来の情報通信装置の一部を示す概略斜視図。
【図14】従来の他の情報通信装置の一部を示す概略斜視図。
【図15】従来のさらに他の情報通信装置の一部を示す概略斜視図。
【符号の説明】
31…制御部
32…通信時間計測部
33…適正速度算出部
34…ベルトコンベア駆動部
【発明の属する技術分野】
この発明は、同時に複数の無線タグと通信可能なリーダ/ライタを用いた情報通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
同時に複数の無線タグと通信可能なリーダ/ライタは、例えば一定の速度で進むベルトコンベア上にある複数の商品などの品物に付加された無線タグと通信して、商品の内容などの必要な情報を読み取ることができる。
【0003】
このため、例えばリーダ/ライタのアンテナの通信可能エリア内にベルトコンベアを設置し、この通信エリア内にある一定の割合で流入される複数の無線タグと通信し、必要に応じて情報の読取り、書き込みを行う。
【0004】
今、図13に示したように、図示しないリーダ/ライタの通信可能エリアCA内に商品などの品物G2に付加された無線タグTG2が1枚だけある場合、つまり、ベルトコンベアB上の下流側に隣接する無線タグTG3との間隔1が、速度vで走行中のベルトコンベアBの走行方向の通信可能エリア長Lより長い場合を考える。
【0005】
通信可能エリア長がL、ベルトコンベアの速度がvであるから、一つの無線タグTG2が、通信可能エリアCA内に存在する時間T0は、L/vで表わされる。一般に、リーダ/ライタが無線タグTG2と通信する時間tは、通信エラーなどが起きた場合を考えてn回分の通信時間を確保する必要があり、t=T0/nである。
【0006】
よって、べルトコンベアBの速度は、v=L/(nt)となり、通信可能エリア長Lと、リーダ/ライタが無線タグTG2と通信する時間tに依存するが、通信可能エリア長Lは固定であるから、通信時間tに依存することになる。即ち、べルトコンベアBの速度がv<L/(nt)であれば、通信可能エリアCAに入って来る全ての無線タグと通信することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、v≧L/(nt)の場合には、通信できない無線タグが発生する。
また、リーダ/ライタの無線タグとの通信可能エリアCA内に、図14に示したように複数個の品物がある場合を考える。例えば図示のように3個の品物G1〜G3があり、3枚の無線タグTG1〜TG3がある場合には、べルトコンベアB上の隣接する無線タグの間隔lがリーダ/ライタの通信可能エリア長Lより短くなる。
【0008】
1回通信されたタグは、2回目以降リーダ/ライタからの通信要求には特別な場合を除いて応答しないように構成されているから、リトライ無しのときの累積通信時間が最も長い場合は、3枚の無線タグTG1〜TG3に対して最初のアクセスではTG1のみが応答し、次のアスセスではTG2のみ、最後のアクセスではTG3が応答する場合である。
【0009】
ベルトコンベアB上の無線タグの間隔をl、ベルトコンベアBの速度をvとすると、1個の無線タグの通信にかけられる時間T1は1/vで表わされるから、リーダ/ライタが無線タグと通信する時間tは、通信エラーなどが起きた場合を考えてn回分の通信時間を必要とするとして、T1/nである。
【0010】
よって、ベルトコンベアBの速度は、v=l/(nt)となり、ベルトコンベアB上の無線タグの間隔1と、リーダ/ライタが無線タグと通信する時間tに依存する。
【0011】
ベルトコンベアの速度がv<1/(nt)であれば、通信可能エリアを通過するすべての無線タグと通信することができるが、ベルトコンベアの速度がv≧L/(nt)の場合、通信できない無線タグが発生する。
【0012】
また、図15に示すように、リーダ/ライタの無線タグとの通信可能エリア内に、複数枚(Ni)の無線タグがあり、各無線タグが直線上に並んでなくかつその間隔が不規則である場合を考える。
【0013】
この場合、ベルトコンベアB上を移動する複数個の無線タグ、この場合7個の無線タグTG1〜TG7がリーダ/ライタの通信可能エリアCAに存在する時間が、リーダ/ライタが複数個の無線タグN0を処理できる時間よりも短い場合、通信できない無線タグが発生する。
【0014】
【発明が解決すべき課題】
べルトコンベアの速度、あるいはリーダ/ライタの通信可能エリア内に流入される複数の無線タグの割合が、無線タグの数、密度にかかわわらず−定である時、リーダ/ライタ側で複数の無線タグを処理する時間t0より、無線タグがリーダ/ライタの通信可能エリア内に存在する時間Tが短い場合、通信できない無線タグが現れる。
【0015】
そこで、この発明は、リ−ダ/ライタの通信可能エリア内に入ってきた無線タグのすべてと漏れなく通信ができるようにし、例えば商品に付加されたすべての無線タグと完全に通信が確立できるため、商品管理などが容易に行えるようになる、情報通信装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この発明の情報通信装置は、ベルトコンベア上に設定された通信可能エリアを有し、このベルトコンベア上を移送される無線タグとの間で情報通信を行う情報通信装置において、停止状態の前記ベルトコンベア上の通信可能エリア内にあるすべての無線タグとの累積通信時間を測定する手段と、この測定された累積通信時間からベルトコンベアの速度を決定する手段と、この決定された速度にてベルトコンベアを駆動する信号を発生する手段とを有し、タイマ装置の出力により動作が繰り返しスタートされる制御手段から構成されている。
【0017】
またこの発明の情報通信装置は、ベルトコンベア上の上流、下流に互いに隣接されて設定された第1、第2の通信可能エリアを有し、ベルトコンベア上を移送される無線タグとの間で情報通信を行う第1、第2の通信ユニットを有する情報通信装置において、前記ベルトコンベア上の第1の通信可能エリア内にあるすべての無線タグとの累積通信時間を測定する手段と、この測定された累積通信時間からベルトコンベアの速度を決定する手段と、この決定された速度にてベルトコンベアを駆動する信号を発生する手段とを有する制御手段を具備し、下流側の前記第2の通信可能エリアにて前記第2の通信ユニットにより無線タグとの通信を行うことを特徴として構成されている。
【0018】
またこの発明の情報通信装置は、定速で走行するベルトコンベア上の上流、下流に互いに隣接されて設定された第1、第2の通信可能エリアを有し、ベルトコンベア上を移送される無線タグとの間で情報通信を行う第1、第2の通信ユニットを有する情報通信装置において、前記ベルトコンベア上の第1の通信可能エリア内にあるすべての無線タグとの累積通信時間を測定する手段と、この測定された累積通信時間より前記第1の通信可能エリアから第2の通信可能エリアに流入する前記無線タグの単位時間当たりの枚数を決定する手段と、前記決定された枚数が所定値より多い場合に、前記第1の通信可能エリアから第2の通信可能エリアに流入する前記無線タグの単位時間当たりの枚数を制限する手段とを具備し、前記第2の通信可能エリアにて前記第2の通信ユニットにより無線タグとの通信を行うことを特徴として構成されている。
【0019】
上記の構成により通信可能エリアにあるすべての無線タグとの累積通信時間が得られ、この累積通信時間からベルトコンベアの速度が算出され、あるいは無線タグの単位時間当たりの移送量が計算され、すべての無線タグとの通信が確保される。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照してこの発明の実施例を詳細に説明する。
図1はこの発明の第1の実施例のタグ・リ−ダ/ライタの通信可能エリアに無線タグが複数個ある状態、すなわちベルトコンベアB上に設定された通信可能エリアCA内に、夫々が無線タグTG1〜TG7を付加した7個の品物G1〜G7が入っている状態を示している。
【0021】
この通信可能エリアCAはアンテナ12Aによって定義され、実際には図1に示したように3次元の空間であるが、説明の簡単のために、図2に示したようにタグ・リ−ダ/ライタ12のアンテナ12Aによる2次元通信エリアとして考える。
【0022】
タグ・リ−ダ/ライタ12はパ−ソナル・コンピュ−タ(PC)13に接続されて動作するように構成されている。アンテナ12Aによる通信可能エリアCA内には7個の無線タグTG1〜TG7があり、夫々との間で情報の通信が可能である。
【0023】
このタグ・リ−ダ/ライタ12と無線タグTGの内部構成を図3に示す。無線タグTG1〜TG7はいずれも同じ構成を有しているので、ここでは代表して無線タグTGで説明する。
【0024】
図3において、タグ・リ−ダ/ライタ12はPC13に接続されたCPUなどの制御回路14と、この制御回路14からの情報信号で搬送波を変調して送信アンテナ12A−1に供給するための送信回路15と、無線タグTGからの変調信号電波を受信アンテナ12A−2で受信して復調し、情報信号を取り出して制御回路14に送る受信回路16とから構成されている。
【0025】
無線タグTGは、送信アンテナ12A−1と受信アンテナ12A−2との間で電波の送受信を行うアンテナ21Aと、このアンテナ21Aに接続された変調/復調回路22と、この変調/復調回路22に接続された制御回路23と、この制御回路23に接続されたメモリ24とを有する。
【0026】
このメモリ24にはこの無線タグTGの識別のためにたとえばシリアルID情報が格納されたメモリエリア24Aを有する。なお、この無線タグTGはそれ自身では電源を持っておらず、タグ・リ−ダ/ライタ12から信号とともに送信される搬送波信号を電力送信波として用い、無線タグTGはこの搬送波信号を分離して電源発生回路25により必要な電力を取り出すように構成されている。この電源発生回路25は受信した電力送信波を整流し直流電力に変換するもので、その構成はよく知られている。
【0027】
図4はタグ・リ−ダ/ライタ12とPC13とで構成されるこの実施例の構成を機能ブロックとしてまとめたブロック図である。この実施例の動作を図5のフロ−チャ−トを参照して以下に説明する。
【0028】
図4において、まず、図2の制御回路14を含む制御部31の制御のもとに、通信可能エリアCAにある7個の無線タグTG1〜TG7すべてとタグ・リ−ダ/ライタ12との通信がすべて終了するまでの通信時間が通信時間計測部32により計測される。このとき、図1に示したベルトコンベアBは図3のPC13からの指令によりベルトコンベア駆動部34により停止されている。
【0029】
即ち、この状態で図3のPC13の制御下でタグ・リ−ダ/ライタ12の制御回路14から発生されたリセット信号が送信回路15で電力送信波に搬送される形でアンテナ12A−1を介して通信可能エリアCAに向けて送信される。
【0030】
この送信波はアンテナ21Aにより受信され、電力搬送波は電源発生回路25に送られて直流電力が発生される。この発生された直流電力は変調/復調回路22および制御回路23に電源として供給される。
【0031】
アンテナ12A−1を介して受信されたリセット信号は、変調/復調回路22で復調されて制御回路23に供給され、制御回路23はメモリ24内のシリアルIDのデータを含む応答信号(アンサートウリセット信号)を形成して所定のタイミングで変調/復調回路22に供給する。
【0032】
この所定のタイミングは例えば制御回路23中に乱数発生器を設け、この乱数発生器の出力により応答信号の送信タイミングを決定すればよい。
応答信号で変調された搬送波はアンテナ21Aから送信され、タグ・リータ/ライタ12の受信アンテナ12A−1で受信されて受信回路16から制御回路14に供給される。制御回路14は受信した応答信号に含まれるシリアルIDデータから応答してきた無線タグTGを特定するとともに、最初にリセット信号を送信してから応答信号を受信した時までの経過時間を計測する。この計測はタイマによって簡単にできる。
【0033】
制御回路14は通信時間計測スタート時には図2に示した通信可能エリアCAに含まれる無線タグが幾つあるのか分かっていないため、第1回目の計測動作で幾つかの無線タグから応答信号が帰ってきたとしてもすべての無線タグから応答があったか否かは不明である。
【0034】
そこで、第1回目の応答信号を受信したらただちに第2回目の計測動作をスタートさせる。これにより複数の無線タグにおける乱数発生にもかかわらず偶発的に応答タイミングが衝突して通信漏れがあったとしても、2回目、或いは3回目の通信時間計測により通信漏れがその都度軽減されることになる。なお、一度応答信号を返送した無線タグはその後再度リセット信号を受信しても再度応答信号は返送しないように設定されている。
【0035】
このようにして、複数回の通信時間の計測動作の繰り返しの結果、応答信号がない状態が例えば2回続いたら通信可能エリアCAにあるすべての無線タグからの応答があったものとする。この時の第1回目からの累積通信時間が制御部31により取り込まれる。
【0036】
以上の通信時間計測動作が図5の動作フローチャートの最初のステップST1に示されている。
このように、この第1の実施例では、べルトコンベアB上の通信可能エリアCA内に複数存在するすべての無線タグTG1−TG7との累積通信時間を予め調査するため、実際に無線タグを流す状態にし、通信可能エリアCA内にあるN0枚の無線タグとの通信時間を実測する。この時ベルトコンベアBは停止状懸とするが、これはベルトコンベアBが動作している場合、通信できていない無線タグがあっても、見逃してしまい、正確にすべての無線タグとの累積通信時間が計測できないためである。
【0037】
また、べルトコンベアB上の複数の無線タグが、図1に示すように均一でない場合、なるべく密度が高い部分でベルトコンベアBを止めて実測することにより、その後の実働時の通信漏れが軽減できる。
【0038】
通信可能エリアCA内にあるN0枚の無線タグとの累積通信時間t0の実測結果より、以下の計算により、ベルトコンベアBの速度vを決定する。前述したように、通信にエラーが生じた場合、通信不良が発生する可能性があるため、1個の無線タグに対して、n回読み取れるようにすると、通信可能エリアCA内にあるN0枚の無線タグの通信時間は、n・t0となる。
【0039】
また、複数枚の無線タグとの通信時間は、通信タイムスロットを前述の乱数を用いて設定する場合など同じ枚数であっても、通信時問に差が出ることがある。そこで、シミュレーシヨン上でのばらつきを加味し、実際に側定した時間のm倍にする。
【0040】
この実施例の場合、シミュレーションの結果、複数枚の無線タグとの累積通信時間の最大値は、最小値の約1.5倍となったため、m=1.5とした。よって、通信可能エリアCA内にあるN0枚の無線タグとの累積通信時間は、m・n・t0となる。
【0041】
通信可能エリア長がLの場合、ベルトコンベアBの速度vは、L/(m・n・t0)である。
このようにして、図4の適正速度算出部33にて図5のフローチャートのステップST2に示すベルトコンベアBの速度vを算出し、次のステップST3において、通信漏れを極力無くすためにベルトコンベアBがより遅い速度を保つように、初期設定としてべルトコンベアBの速度をベルトコンベア駆動部34により設定する。これによりこの実施例ではステップST4に移行しベルトコンベアBの速度設定が終了する。
【0042】
以上の説明ではベルトコンベアBの速度設定を一度行うと以後はその設定速度で無線タグとの通信が行われるが、この方法では通信可能エリア内での無線タグの密度が最初の測定時よりも大きくなると通信漏れが発生する可能性がある。
【0043】
そこで、図5に示したように、ステップST3にてベルトコンベアの速度設定がなされたら、ステップST5にてタイマをスタートさせ、そのタイムアップに応じて通信時間実測動作を再起動させる。この結果、ベルトコンベアの速度設定が一定時間ごとに繰り返し行われるので、通信可能エリア内での無線タグの密度が最初の測定時よりも大きくなることによる通信漏れを未然に防止できる。
【0044】
また、以上説明した実施例では通信時間実測の度にベルトコンベアを停止させる必要があるが、以下の実施例ではベルトコンベアを駆動させたままで随時適正速度が算出できるように構成される。
【0045】
図6はその実施例のベルトコンベアBに対応して設定された通信可能エリアの部分を示す概略図である。この実施例では通信時間計測のための通信可能エリアCA1と、無線タグとの情報通信を行うための第2の通信可能エリアCA2とを具えている。
【0046】
図6において、通信可能エリアCA2に複数存在する無線タグTG11−TG16の累積通信時間t0を、通信エリアCA2の上流に設定された他の通信エリアCA1にて実測する。この場合、搬送量の変化に応じて、ベルトコンベアBの速度を制御する。
【0047】
この実施例の図4に対応する構成は図7に示され、制御部41の制御下で始動される随時通信時間計測部42の計測結果が随時適正速度算出部43に送られて、計算され、その計算結果によりベルトコンベア駆動部34に制御信号が送られる。
【0048】
この動作は図8に示したように、ステップST11にて上流部の通信可能エリアCA1にて通信時間が計測され、次にステップST12にてベルトコンベアBの速度を算出部43で算出し、この結果でステップST13にてベルトコンベアBの速度が設定され、再びST11に戻って通信時間の実測が行われる。
【0049】
即ち、通信可能エリアCA2の上流のエリアCA1にて実測した複数のN0枚の無線タグTG11−TG16の累積通信時間t0より、以下の計算により、ベルトコンベアBの速度を決走する。
【0050】
上記の実施例と同様に、通信にエラーが生じた場合に通信不良が発生する可能性があるため、1個の無線タグに対して、n回読み取れるようにすると、通信可能エリアCA1内にある複数の無線タグN0の通信時間は、n・t0となる。
【0051】
また、前記実施例と同様に、複数枚の無線タグとの通信時間は、タイムスロットを乱数を用いて設定する場合など、同じ枚数であっても、通信時間に差が出ることがある。
【0052】
そこで、シミュレーション上でのばらつきを加味し、実際に測定した時間のm倍にする。今回の場会、シミュレーシヨンの結果、複数枚の無線タグとの通信時間の最大値は、最小値の約1.5倍となったため、m=1.5とした。よって、通信可能エリアCA1内にある複数の無線タグの通信時間は、m・n・t0となる。
【0053】
通信可能エリア長がLの場合、ベルトコンベアBの速度vは、L/(m・n・t0)である。
次に、前記実施例と同様に、この速度より遅い速度を保つようにべルトコンベアBを制御する。
【0054】
上記の実施例ではベルトコンベアの上流と下流に隣接して2個の通信可能エリアを設け、通信を行う下流のエリアに過大な数の無線タグが流入することが上流の計測で明らかとなった時には、ベルトコンベアの速度を変えて対処しているが、代わりに大量の無線タグが流入しないようにゲートなどを設けるようにしてもよい。
【0055】
図9はそのための開閉弁を上流側に設けた実施例を示し、図10はその機能ブロック図を示す。この実施例のベルトコンベア回りの構成は図6の実施例とほとんど同じであり、異なるのは上流側の通信可能エリアCA1の流入口に開閉弁Sが設けられていることだけである。
【0056】
図9において下流側の通信可能エリアCA2に複数存在する無線タグの累積通信時間を予め測定するため、制御部51の制御下で通信時間計測部52を始動させる。実際に無線タグがエリアCA1に流入する状態にし、通信可能エリアCA1内にあるN0枚の無線タグの通信時問t0を実測する。この動作を図11のステップST21に示す。
【0057】
流人した時の通信可能エリアCA1内にある複数の無線タグの枚数を通信可能エリアCA2に固定した状態で実測する。測定時にまだ流入されている場合には、通信できていない無線タグがあつても、見逃してしまい、正確な複数の無線タグの通信時間が計測できないためである。また、流入される複数の無線タグの密度が均−でない場合、なるべく密度が高い部分で、実測することにより、通信漏れが軽減できる。
【0058】
通信可能エリアCA1内にあるN0枚の無線タグの通信時間t0の実測結果より、以下の計算により流入枚数を決定する。この枚数の認識は図10の無線タグ枚数認識部54が行いその動作ステップは図11のステップST22で行われる。 通信にエラーが生じた場合、通信不良が発生する可能性があるため、1個の無線タグに対して、n回読み取れるようにすると、通信可能エリアCA1内にある複数の無線タグの流入枚数は、N0/(n・t0)となる。
【0059】
また、複数枚の無線タグとの通信時問は、タイムスロットを乱数を用いて設定する場合など、同じ枚数であっても、通信時問に差が出ることがある。そこで、シミュレーシヨン上でのばらつきを加味し、実際に測定した時問のm倍にする。今回の場合、シミュレーシヨンの結果、複数枚の無線タグとの通信時間の最大値は、最小値の約1.5倍となったため、m=1.5とした。
【0060】
よって、通信可能エリア内にある複数の無線タグの流入枚数は、N0/(m・n・t0)となる。
よつて流入枚数は、図10の適正速度算出部53にてN0/(m・n・t0)より少ない割合を保つようにステップSt22で制御する。
【0061】
実際の制御方法は色々の方法を選択することができる。図9の開閉弁Sを用いる場合には、図10の流入量調節部55を駆動して開閉弁Sの開き度を調節する。或いは、無線タグ付きの荷物を人手により図9の流入量計測エリアCA1に送り込む場合には、流入の割合が多すぎる場合、図12に示したように、ステップST3で画面に表示したり、ステップST32で警告音により知らせるなどの処置をする。
一方、自動で無線タグ付きの荷物を流人する場合は、複数の無線タグの搬送量に応じ流入割合を制御するための開閉弁S等を調節することにより、制御する。
【0062】
【発明の効果】
以上詳述したようにこの発明によれば、通信可能エリア内の複数枚の無線タグとの累積通信時間を測定し、その測定時間からベルトコンベアの速度を計算し、制御するようにしたので、複数の無線タグが通信漏れなく通信できるようになり、無線タグを用いた情報通信装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例の通信可能エリアを示す概略斜視図。
【図2】タグ・リーダ/ライタと複数の無線タグとの電磁的結合を示す図。
【図3】タグ・リーダ/ライタと無線タグとの内部構成を示すブロック図。
【図4】図1の実施例の機能を示すブロック図。
【図5】図1の実施例の動作フローを示す図。
【図6】他の実施例の通信可能エリアを示す図。
【図7】図6の実施例の機能を示すブロック図。
【図8】図6の実施例の動作フローを示す図。
【図9】さらに他の実施例の通信可能エリアを示す図。
【図10】図9の実施例の機能を示すブロック図。
【図11】図9の実施例の動作フローを示す図。
【図12】図9の実施例の変形例を説明する機能ブロック図。
【図13】従来の情報通信装置の一部を示す概略斜視図。
【図14】従来の他の情報通信装置の一部を示す概略斜視図。
【図15】従来のさらに他の情報通信装置の一部を示す概略斜視図。
【符号の説明】
31…制御部
32…通信時間計測部
33…適正速度算出部
34…ベルトコンベア駆動部
Claims (9)
- ベルトコンベア上に設定された通信可能エリアを有し、このベルトコンベア上を移送される無線タグとの間で情報通信を行う情報通信装置において、
停止状態の前記ベルトコンベア上の通信可能エリア内にあるすべての無線タグとの累積通信時間を測定する手段と、
この測定された累積通信時間からベルトコンベアの速度を決定する手段と、
この決定された速度にてベルトコンベアを駆動する信号を発生する手段とを有し、
タイマ装置の出力により動作が繰り返しスタートされる制御手段を具備したことを特徴とする情報通信装置。 - 前記累積通信時間を測定する手段は、通信可能エリア内にあるすべての無線タグとの累積通信時間を実測する手段と、この実測した時間を整数倍する手段と、この整数倍した値をさらに所定数倍して累積通信時間を算出する手段とを具備したことを特徴とする請求項1に記載の情報通信装置。
- ベルトコンベア上の上流、下流に互いに隣接されて設定された第1、第2の通信可能エリアを有し、ベルトコンベア上を移送される無線タグとの間で情報通信を行う第1、第2の通信ユニットを有する情報通信装置において、
前記ベルトコンベア上の第1の通信可能エリア内にあるすべての無線タグとの累積通信時間を測定する手段と、
この測定された累積通信時間からベルトコンベアの速度を決定する手段と、
この決定された速度にてベルトコンベアを駆動する信号を発生する手段とを有する制御手段を具備し、
下流側の前記第2の通信可能エリアにて前記第2の通信ユニットにより無線タグとの通信を行うことを特徴とする情報通信装置。 - 定速で走行するベルトコンベア上の上流、下流に互いに隣接されて設定された第1、第2の通信可能エリアを有し、ベルトコンベア上を移送される無線タグとの間で情報通信を行う第1、第2の通信ユニットを有する情報通信装置において、
前記ベルトコンベア上の第1の通信可能エリア内にあるすべての無線タグとの累積通信時間を測定する手段と、
この測定された累積通信時間より前記第1の通信可能エリアから第2の通信可能エリアに流入する前記無線タグの単位時間当たりの枚数を決定する手段と、
前記決定された枚数が所定値より多い場合に、前記第1の通信可能エリアから第2の通信可能エリアに流入する前記無線タグの単位時間当たりの枚数を制限する手段とを具備し、
前記第2の通信可能エリアにて前記第2の通信ユニットにより無線タグとの通信を行うことを特徴とする情報通信装置。 - 前記制限する手段は、前記第1の通信可能エリアの上流側で通過する無線タグの枚数を制限するゲートを有することを特徴とする請求項4に記載の情報通信装置。
- 前記制限する手段は、無線タグの通過量が前記所定値より多い時にその旨を表示する表示装置を有することを特徴とする請求項4に記載の情報通信装置。
- 前記制限する手段は、無線タグの通過量が前記所定値より多い時にその旨を警告する警報音を出す警報装置を有することを特徴とする請求項4に記載の情報通信装置。
- 前記第1、第2の通信ユニットは夫々前記第1、第2の通信可能エリアに向けて通信信号電波を送信する手段と、第1、第2の通信可能エリアの無線タグからの応答信号電波を受信する手段とを有することを特徴とする請求項4に記載の情報通信装置。
- 前記累積通信時間を測定する手段は、第1の通信可能エリア内にあるすべての無線タグとの累積通信時間を実測する手段と、この実測した時間を整数倍する手段と、この整数倍した値をさらに所定数倍して累積通信時間を算出する手段とを具備したことを特徴とする請求項4に記載の情報通信装置。
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