JP3205260B2 - 非接触データ送受信方法およびその装置 - Google Patents

非接触データ送受信方法およびその装置

Info

Publication number
JP3205260B2
JP3205260B2 JP13276196A JP13276196A JP3205260B2 JP 3205260 B2 JP3205260 B2 JP 3205260B2 JP 13276196 A JP13276196 A JP 13276196A JP 13276196 A JP13276196 A JP 13276196A JP 3205260 B2 JP3205260 B2 JP 3205260B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
interrogator
phase
carrier
transponder
data
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP13276196A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09298485A (ja
Inventor
史朗 加納
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Azbil Corp
Original Assignee
Azbil Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Azbil Corp filed Critical Azbil Corp
Priority to JP13276196A priority Critical patent/JP3205260B2/ja
Publication of JPH09298485A publication Critical patent/JPH09298485A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3205260B2 publication Critical patent/JP3205260B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、工場の生産ライ
ンや物流ライン、オフィスの入退出管理等において、工
具や荷物にIDカードを付けたり、または人に非接触デ
ータ応答器をもたせて非接触でデータを通信、管理する
方法およびその装置に関するもので、応答器には固有の
IDコードや製品番号、製造時のデータ等を登録し、そ
のデータを非接触で通信することにより応答器を識別す
る非接触データ送受信方法およびその装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】図9は非接触データ通信装置において、
質問器と応答器の一般的な使用状態を示す概要図、図1
0は従来の非接触データ通信装置の構成を示すブロック
図、図11は従来の非接触データ通信装置の質問器と質
問器の送受信状態における通信波形を示す波形図であ
る。図9において、1は質問器、2は通信エリア3内に
おいて、質問器1と通信を行う応答器である。また図1
0において、質問器1は発振部4、変調部5、送信部
6、受信部7、復調部8および制御部9から構成され
る。さらに応答器2は受信部10、電源回路11、復調
部12、制御部13、メモリ14、変調部15および送
信部16から構成される。なお、Cbは電源回路に接続
されたコンデンサで、応答器2の電源として用いられ
る。
【0003】次に上記従来の非接触データ送受信装置の
動作について説明する。一般に、この種の非接触識別シ
ステムでは、図9に示すような使用状態を採る。すなわ
ち通信エリア3内に応答器2があるときに質問器1はそ
の応答器2と通信を行う。このとき従来の非接触データ
送受信装置における質問器1と応答器2は図10に示す
構成で、質問器1が応答器2に対して、応答器2内に内
蔵されるメモリ内のデータの読み出し、または書き込み
を行うためのコマンドや書き込みデータ等をASK変調
して送出する。このときに質問器1側では、応答器2が
デジタル値の“0”と“1”の判別がつくように、図1
1(a)に示すデジタルデータにあわせて、図11
(b)に示すように搬送波の数を変化させるパルス数変
調(PNM:Pulse Number Modula
tion)を行って送信する。この図は、搬送波20波
を送信する時間を1ビットの送信時間とした場合、その
時間内に“0”の時には6波(30%)、“1”の時に
は14波(70%)の搬送波を送信した例であり、1ビ
ットのデータの終わりを知らせるため、搬送波の後には
送信を停止させる送信停止期間GaおよびGbを設けて
いる。応答器2は一般に、データとともに電力も受給す
るために受信部にQ値の高い共振回路を搭載しており、
この共振回路で質問器1からの搬送波を受信する。応答
器2は質問器1からの送出された搬送波から、内部LS
Iの駆動電力を得るとともに、抱絡線検波によりコマン
ドやデータ、更に内部LSIを動作させるクロックを抽
出する。
【0004】しかしながら応答器2が搭載しているQ値
の高い共振回路で質問器1からの搬送波を受信すると、
図11(c)のような受信波形になる。質問器1は1ビ
ットのデータの終わりを知らせるために図11に示す送
信停止期間GaおよびGbを作ったが、応答器2の共振
回路では振動エネルギーが残留し、ゆっくりと減衰して
いく。応答器2は、送信停止期間GaからGbの間で受
信した波数により、質問器1から送信されたデジタルデ
ータを判断していることから、この振動エネルギーの残
留によって波数の少ないデジタルデータの“0”を波数
の多い“1”と誤判断してしまう可能性がある。また比
較器において抱絡線検波出力をしきい値電圧Vrefと
比較し、比較器出力が“L”になる期間を送信停止期間
GaまたはGbと判断しているが、図11のようにデジ
タルデータ“1”のときに抱絡線検波出力がVref以
下にならず送信停止期間Gaが検出できないため、復調
が不可能になる問題があった。この問題を解決するため
に質問器1は、送信停止期間GaおよびGbを長くとる
必要がある。しかし送信停止期間GaおよびGbを長く
とると、逆に送信するデジタルデータの交信速度が下が
り、高速な通信が不可能となる。一方、共振回路のQ値
を低くすれば残留振動は早く収束するが、応答器2はL
SIの駆動電源を質問器1からのデータ信号から生成し
ているので、Q値を低くすることにより、受信するエネ
ルギーが弱くなり、駆動電源を効率良く取り込むことが
できなくなり、交信距離が短くなる問題があった。
【0005】一方、質問器1がFSK(Frequen
cy Shift Keying)やPSK(Phas
e Shift Keying)のような他の変調方式
で送信し、応答器2はPLL(Phase Locke
d Loop)等を用いて復調する方法が考えられる
が、復調回路が複雑になるという問題がある。また掛け
算器等を用いて位相を比較する復調方法では、精密な内
部標準クロックを応答器2に搭載する必要がある。IC
内でクロックを作成するものとしてリングオシレータの
ような発振器が考えられるが、電源電圧や周囲温度、製
造時のばらつきにより発振周波数は各応答器2により大
きく異なり、この発振器を用いて復調した場合に全ての
応答器2が正常にデータを復調できないという問題があ
った。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明が解決しよう
とする課題は上述のように、質問器がデータの終わりを
知らせるために送信停止期間を作っても、振動エネルギ
ーの残留により、質問器から送信されたデジタルデータ
を正確に復調できず、逆に送信停止期間を長くとる、高
速な通信が不可能となる。また、共振回路のQ値を低く
すれば、駆動電源の確保が難しく、かつ交信距離が短く
なる。さらに他の変調方式で通信する方法では、復調回
路が複雑になったり、また掛け算器等を用いて位相を比
較する復調方法では、精密な内部標準クロックを応答器
に搭載する必要があるが、IC内でクロックを作成する
のにリングオシレータのような発振器を用いても、応答
器のすべてが正常にデータを復調できるとは限らないと
いうことである。
【0007】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、比較的単純な構成で、質問器から
応答器への正確なデジタルデータの送信と、応答器にお
ける駆動電源の確保を目的とするものである。
【0008】
【0009】
【課題を解決するための手段】 請求項記載の発明に係
る非接触データの送受信方法は、質問器はコマンドデー
タ等を構成するデジタルデータの1ビット毎に搬送波の
位相を180°反転させ、かつその搬送波の位相を反転
させた後、次の位相を反転させるまでの搬送波の波数
を、デジタルデータによって異ならせて送信し、応答器
は共振回路で受信した質問器からの位相が反転した搬送
波と共振回路に残留する振動エネルギーが重なることに
より発生する急峻な振幅の変化で、デジタル値の1ビッ
トの開始、または終了を検知するとともに、その振幅の
変化から次の振幅の変化が発生するまでの搬送波の波数
から質問器が送信したデジタルデータを判定するもので
ある。
【0010】
【0011】請求項記載の発明に係る非接触データの
送受信方法は、請求項1において、応答器は共振回路の
一端から抽出した搬送波を第1のインバータに入力し、
一方、共振回路の他端から抽出した搬送波を第2のイン
バータに入力し、第1、および第2のインバータの出力
の論理和をとり、その出力をフィルタに通した信号か
ら、質問器からの搬送波の位相の変化を検知するもので
ある。
【0012】請求項記載の発明に係る非接触データの
送受信方法は、請求項1において、応答器は共振回路の
一端から抽出した搬送波を第1のインバータに入力し、
一方、共振回路の同端から抽出した搬送波を第2のイン
バータに入力するとともに、その出力と第2のインバー
タの入力を抵抗にて帰還し、第1および第2のインバー
タの出力の排他的論理和をとり、その出力をフィルタに
通した信号から、質問器からの搬送波の位相の変化を検
知するものである。
【0013】
【0014】請求項記載の発明に係る非接触データの
送受信装置は、質問器に、コマンドデータ等を構成する
デジタルデータの1ビット毎に搬送波の位相を180°
反転させ、かつ搬送波の位相を反転させた後、次の位相
を反転させるまでの搬送波の波数を、デジタル値によっ
て異ならせるような符号を生成する制御部と、この制御
部によって生成された符号にしたがって変調を行う変調
部と、変調部によって変調された搬送波を送信する送信
手段とを設け、また応答器には質問器からの反転された
搬送波を受信する受信手段と、この受信手段によって受
信された搬送波を波形成形する波形成形回路と、搬送波
と共振回路に残留する振動エネルギーが重なることによ
り発生する急峻な振幅の変化で、デジタルデータの1ビ
ットの開始、または終了を検知する位相反転検出回路
と、この位相反転検出回路と波形成形回路の出力からク
ロックを生成するクロック生成回路と、このクロック生
成回路と位相反転検出回路の出力からデジタル値の波数
をカウントするカウンタと、このカウンタの出力から上
記デジタル値を判定するデータ判定部、およびこのデー
タ判定部の出力によりメモリとのアクセスなどの制御を
する制御部を設けたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1の非接触
データの送受信方法を実現する非接触データの送受信装
置の質問器1及び応答器2の構成を示すブロック図、図
2は質問器、応答器の送受信波形を示す図である。な
お、図1に示す構成は図10に示すブロック図と同一ま
たは類似の部分についての説明はこれを省略する。図1
において、図10に比べより詳細な点は図10に示す応
答器2の受信部と送信部がコイルL10とコンデンサC
10からなる一つの並列共振回路で表され、また質問器
1において図10の送信部6がコンデンサC6、抵抗R
6およびコイルL6の直列共振回路により示され、さら
に受信部がコイルL7とコンデンサC7の並列共振回路
で表現され、かつ送受信部10と電源部11間に整流回
路17が設けられていることである。
【0016】次に図1における動作について説明する。
すなわち図1において、質問器1は通信エリア3内に存
在する応答器2に対して高周波信号を送信部6すなわち
アンテナ機能を有する直列共振回路にて放出する。なお
質問器1の送信部6を構成する直列共振回路は応答器2
に効率良く電力を伝送させるためである。高周波信号は
制御部9から伝送された応答器2に対するデジタル値の
コマンドにより変調部5によって発振器4からの信号に
変調をかけたものである。コマンドとしては、例えば応
答器2内のメモリ14に格納されている固有のIDコー
ドや各種データを読み出して返送させるものや、メモリ
14に非接触でデータを書き込むもの等である。ここで
質問器1は変調部5において図2のようなPSKの送信
信号を生成する。PSKは制御部9からのデジタル値に
あわせて位相を変化させる方法を用い、図2においては
デジタル値が“0”から“1”または“1”から“0”
に変化するときに位相を180°反転させている。
【0017】一方、応答器2はコイルL10とコンデン
サC10による並列共振回路にて質問器1からの信号を
受信する。質問器1からの高周波信号は、共振回路に接
続された整流回路17と復調部12に伝送され、整流回
路17において整流され、電源部11を通して外部充電
コンデンサCbに充電される。この外部充電コンデンサ
Cbに充電された電源は電源部11によって応答器2の
内部回路(LSI)の電源として利用される。応答器2
は電源を十分得るために、応答器2の共振回路はQ値を
高くして効率良く高周波信号を受信できるようにしてい
る。なお、整流回路17は全波整流、または半波整流回
路などが用いられる。また共振回路は復調部12にも接
続され、質問器1からの変調された搬送波を復調する。
復調部12で復調されたデジタルデータは制御部13に
伝送される。制御部13では質問器1から送信されたコ
マンドに従い、メモリ14からのデータの読み出し、ま
たはコマンドに続いて送信されたデータの書き込み等の
処理を行う。応答器2は質問器1からの搬送波から内部
電源を得ていることから、メモリ14はEEPROM等
の不揮発性メモリを用いる。
【0018】なお図1において共振回路と充電用コンデ
ンサ以外をLSIで1チップ化し、応答器2の小型化と
コスト削減を図ることが考えられる。制御部13はメモ
リ14から読み出したデータ等を変調部15に伝送し、
変調部15ではデータにあわせて変調をかけ、共振回路
すなわち送受信部10にて返送を行う。図1では一つの
共振回路で受信、送信を行っているが、受信用の共振回
路と送信用の共振回路、またはアンテナをそれぞれ別々
に搭載してもよい。
【0019】次に、質問器1が制御部13からのデジタ
ル値が変化してPSKで位相を180°反転させたとき
について説明する。図2において応答器2の共振回路は
位相の切り替わる前のXでは一定の位相で振動を行って
いる。ここに質問器1からの搬送波の位相がデジタル値
の変化により180°反転したものを受信した場合、応
答器2の共振回路にはXの時とは逆の位相Yの振動エネ
ルギーが励振しようとする。よってXとYの間Zにおい
ては、Xの振動エネルギーの残留とYの新しい逆位相の
振動エネルギーの励振が重なり、お互いの振動エネルギ
ーの和で振動することになる。XとYでは位相が180
°異なることから、Zの区間ではそれぞれが打ち消しあ
い、共振回路の振動は減衰し、振幅が減少する。このと
きASKのように振動エネルギーの残留のみの時と比較
して、反転した位相の振動エネルギーに打ち消されてい
る分、振幅の減衰が急峻である。応答器2はこの信号を
復調部12に伝送する。復調部12は例えば図3のよう
な抱絡線検波回路を用いて共振回路からの信号を抱絡線
検波する。
【0020】図3は抱絡線検波回路を示す回路図であ
る。なお、図3に示す抱絡線検波回路は共振回路からの
出力を抵抗R11,R12、コンデンサC11,C12
からなる平滑回路を介して比較器19の比較端子に接続
されるように構成され、比較器19の基準電圧端子に供
給されるしきい値電圧Vrefと比較される反転回路2
0を通して符号判定ロジック21に供給されるが、その
抱絡線検波回路18については周知であるのでその詳細
についての説明はこれを省略する。
【0021】次に図3に示す抱絡線検波回路を用いた復
調部における動作について説明する。抱絡線検波回路1
8の出力は比較器19によりしきい値電圧Vrefと比
較され、符号判定ロジック21にてVref以下の電圧
になったのを検知し、制御部13に伝送する。制御部1
3では一定期間位相の変化が無いと判断した場合は前の
デジタル値と同じであると判断し、復調部12の出力が
変化した場合は前のデジタル値が反転したことを判断す
る。一定期間とは質問器1がデジタルデータを1ビット
送信する時間であり、応答器2は搬送波の波数から判断
してもよく、また応答器2内部に発振器を搭載させ、一
定期間を計測してもよい。質問器1は通信の開始を応答
器2に知らせるために、最初にある決まったデジタルデ
ータのスタート信号を送信し、応答器2はその信号を基
準として同データ、または反転データを判断し、質問器
1から送信されるコマンドやメモリ14への書き込みデ
ータ等のデジタル値が“0”または“1”かを判定す
る。
【0022】一方、復調部12の別の構成例として図4
のような回路も考えられる。図4はこの発明における非
接触データ送受信方法およびその装置の第2の形態を示
すもので、復調部の別の構成例を示す回路図、図5は図
4における各部の波形を示す波形図である。図4におい
て、C13,C14はコンデンサ、22は第1のインバ
ータ、23は第2のインバータ、24は否論理和回路、
R13は抵抗、C15はコンデンサ、25,26は反転
回路である。
【0023】図4の動作を図5を参照して説明する。す
なわち共振回路の両端はコンデンサC13,C14を介
してそれぞれインバータ22,23へ入力される。イン
バータ22,23にはヒステリシスを持たせ、共振回路
から伝送される外乱による誤動作を防ぐようにする。こ
こで受信振幅の急峻な減少によりインバータ22,23
のしきい値電圧以下の受信振幅電圧となったときには、
各インバータの出力は“L”のままであり、また共振回
路の両端は位相が180°異なっているため、それぞれ
のインバータ出力は図5のbとcに示すようになる。そ
こで否論理和回路24により、この2つの出力の否論理
和dをとるが、この出力dには短いパルスがでてくるの
で、この出力を抵抗R13とコンデンサC15からなる
フィルタに通して振幅が減衰したときのみの出力eを抽
出する。これを波形成形した出力fから、位相が反転し
たことを判断する。
【0024】なお、図6は図4の変形例である。この図
は図4において、一方のインバータ22に帰還抵抗を接
続し、否論理和回路24に代えて排他的論理和回路27
を接続したものである。
【0025】図6の動作について説明する。すなわち共
振回路の一端から取り出した信号を、一方のインバータ
22に抵抗による帰還をかけたものの出力と帰還をかけ
ないものの出力を排他的論理和回路25で比べて、その
出力をフィルタに通すことでfのような検波出力を得る
ことができる。また検波出力fにより位相が反転したこ
とがわかるので、応答器2は質問器1からのコマンドの
デジタル値が変化したことを理解する。制御部では前述
のような動作によりデジタルデータを復調する。
【0026】なお、応答器2でデータ判定等に用いるク
ロックは内蔵した発振器でもよいし、質問器1からの搬
送波を用いてもよい。搬送波をクロックとして用いる場
合、振幅の減衰時(図2のZ)にもクロックが抽出でき
るようにクロック抽出のための波形成形時のしきい値電
圧を下げることが考えられるが、振幅減衰時に共振回路
から抽出できる信号は、図2のXとYとの和により波形
が歪むことから不安定であり、その考慮が必要となる。
よって振幅減衰時、つまり受信波形Zの時に位相反転が
確認された場合、搬送波からのクロック抽出を中止し、
位相反転が無いときのみにクロックを抽出する方法を用
いることが考えられる。
【0027】実施の形態2.図7は図2の振幅減衰時、
つまり受信波形Zの時に位相反転が確認された場合、搬
送波からのクロック抽出を中止し、位相反転が無いとき
のみにクロックを抽出する例を示した回路構成、図8は
図7による信号出力波形を示す波形図である。すなわち
図7において、28は応答器2の送受信回路10すなわ
ち並列共振回路の出力端に接続された位相反転検出回
路、29は同様に応答器2の並列共振回路すなわち送受
信回路10の出力端に接続された波形成形部、30は位
相反転検出回路28および波形成形部29の出力を入力
とするクロック生成部、31はこのクロック生成部30
および位相反転検出回路28の出力を入力とするカウン
タ、32はこのカウンタ31および位相反転検出回路2
8の出力端に接続されたデータラッチ、33はこのデー
タラッチ32およびカウンタ31の出力端に接続された
データ判定部である。そしてこのデータ判定部33の出
力端は制御部13に接続される。
【0028】次に図7における動作について説明する。
ここでは質問器1は0°と180°の位相をもつ2値の
PSKで送信しているが、さらにデジタル値に応じて搬
送波の波数を異ならせるPNM(PulseNumbe
r Modulation)を付加している。これは応
答器2側で符号が反転したことのみを示すのではなく、
搬送波の波数または位相が反転するまでの時間からデジ
タル値の判定を可能として通信の信頼性を高めるためで
ある。図8では送信波を“1”のときに20波、“0”
のときに10波で構成しており、1ビット毎に位相を反
転させている。応答器2はこの搬送波を受信すると、位
相反転検出回路28によって図8jのような位相の切り
替わりを判断する信号を得る。位相反転検出回路28と
しては図3、図4、または図6のような回路が考えられ
る。一方、共振回路の一端から抽出し、波形成形した信
号kをクロック生成部30に入力する。クロック生成部
30は、信号jが“H”の時には出力を“L”に、信号
jが“L”の時は信号kを出力するような信号lを生成
し、出力信号lはカウンタ31に入力される。カウンタ
31は反転検出の信号jが“H”になってから次に
“H”になるまでの信号lのパルス数をカウントし、カ
ウント数mをデータラッチ32に保持させる。その後カ
ウンタ29のカウント値を0にして信号lの入力待機状
態となる。一方、データラッチ30に保持された波数か
らデジタル値“0”または“1”を、カウンタ31があ
る値になったときデータ判定部33で判定する。図8で
はカウンタ値が3になったときに、データ判定タイミン
グ信号oが“H”になり、その立ち上がりでデータラッ
チに保持されているカウント数からデジタル値pを判定
している。なお、データ判定部33ではデジタル値を判
定するカウント数のしきい値にある程度の幅を持たせて
おり、図8の例ではカウント数5〜10の時“0”、1
5〜20で“1”としている。またカウンタ31がカウ
ント値5になったときに発生する信号qを、制御部13
ではデータの処理等を行うためのクロックとして使用す
る。
【0029】なお、制御部13のクロックやデータ判定
のタイミングは、例に示した以外のカウント値を用いて
もよく、また複数のタイミングを作成してもよい。ま
た、ここでは波の数にてデジタル値を判断しているが、
位相が反転するまでの時間を内蔵した発振器による高速
なクロックで計測してもよい。ここでデジタルデータに
あわせてPNMで変調することにより、応答器2は波数
または位相が反転するまでの時間からデジタルデータを
判断できるとともに、スタート信号、等の符号も作成す
ることができる。例えば質問器1は通信の始めにスター
ト信号と判断できる波数の搬送波を送信し、その波数を
カウントさせることで、“0101”のようなある決ま
ったデジタルデータを送信して通信の始まりを応答器2
に教える必要がなくなる。
【0030】この実施の形態では質問器2が1ビットの
データ毎に位相を180°反転させた搬送波を送信し、
かつデジタルデータによって位相を変化させるまでの搬
送波の数を異ならせるPNMを用いているので、応答器
2は位相の切り替わりを共振回路の急峻な振幅変化によ
り判断し、デジタルデータの復調は振幅の変化までの搬
送波の波数または位相が反転するまでの時間により判断
することが可能である。またASKと比べて振幅の変化
が急峻であることから振動エネルギーの残留を考慮する
必要が無くなり、1ビットの搬送波の数を少なくした高
速な通信が可能となり、質問器と応答器2の通信時間の
短縮が可能となる。
【0031】
【0032】
【発明の効果】 請求項記載の発明によれば、質問器は
コマンドデータ等を構成するデジタルデータの1ビット
毎に搬送波の位相を180°反転させ、かつ質問器は搬
送波の位相を反転させた後、次の位相を反転させるまで
の搬送波の波数を、デジタルデータによって異ならせて
送信し、応答器は共振回路で受信した質問器からの位相
が反転した搬送波と共振回路に残留する振動エネルギー
が重なることにより発生する急峻な振幅の変化で、デジ
タル値の1ビットの開始、または終了を検知するととも
に、振幅の変化から次の振幅の変化が発生するまでの搬
送波の波数から上記質問器が送信したデジタルデータを
判定するように構成したので、質問器が送信するデジタ
ルデータの反転、またはデジタルデータの1ビットの開
始、終了を判断することができ、また振動エネルギーの
残留を考慮して質問器が搬送波を送信しない期間を十分
にとる必要のあるASKに比べて1ビットの期間を短く
することが可能であり、質問器と応答器の通信時間を短
縮できる効果がある。
【0033】
【0034】請求項記載の発明によれば、請求項1に
おいて、応答器は共振回路の一端から抽出した搬送波を
第1のインバータに入力し、一方、共振回路の他端から
抽出した搬送波を第2のインバータに入力し、第1およ
び第2のインバータの出力の論理和をとり、その出力を
フィルタに通した信号から、質問器からの搬送波の位相
の変化を検知するように構成したので、請求項1と同様
に、質問器が送信するデジタルデータの反転、またはデ
ジタルデータの1ビットの開始、終了を判断することが
でき、また振動エネルギーの残留を考慮して質問器が搬
送波を送信しない期間を十分にとる必要のあるASKに
比べて1ビットの期間を短くすることが可能であり、質
問器と応答器の通信時間を短縮できる効果がある。
【0035】請求項記載の発明によれば、請求項1に
おいて、応答器は共振回路の一端から抽出した搬送波を
第1のインバータに入力し、一方、共振回路の同端から
抽出した搬送波を第2のインバータに入力するとともに
その出力と第2のインバータの入力を抵抗にて帰還し、
第1および第2のインバータの出力の排他的論理和をと
り、その出力をフィルタに通した信号から、質問器から
の搬送波の位相の変化を検知するように構成したので、
請求項1と同様に、質問器が送信するデジタル値の反
転、またはデジタル値の1ビットの開始、終了を判断す
ることができ、また振動エネルギーの残留を考慮して質
問器が搬送波を送信しない期間を十分にとる必要のある
ASKに比べて1ビットの期間を短くすることが可能で
あり、質問器と応答器の通信時間を短縮できる効果があ
る。
【0036】
【0037】請求項記載の発明によれば、質問器に、
コマンドデータ等を構成するデジタルデータの1ビット
毎に搬送波の位相を180°反転させ、かつ上記搬送波
の位相を反転させた後、次の位相を反転させるまでの搬
送波の波数を、デジタル値によって異ならせるような符
号を生成する制御部と、この制御部によって生成された
符号にしたがって変調を行う変調部と、上記変調部によ
って変調された搬送波を送信する送信手段とを設け、ま
た応答器には質問器からの反転された搬送波を受信する
受信手段と、この受信手段によって受信された搬送波を
波形成形する波形成形回路と、搬送波と共振回路に残留
する振動エネルギーが重なることにより発生する急峻な
振幅の変化で、デジタルデータの1ビットの開始、また
は終了を検知する位相反転検出回路と、この位相反転検
出回路と波形成形回路の出力からクロックを生成するク
ロック生成回路と、このクロック生成回路と位相反転検
出回路の出力からデジタルデータの波数をカウントする
カウンタと、このカウンタの出力から上記デジタル値を
判定するデータ判定部、およびこのデータ判定部の出力
によりメモリとのアクセスなどを制御する制御部を設け
るように構成したので、請求項と同様に、デジタル値
の1ビットの開始、終了を判断することができ、また振
動エネルギーの残留を考慮して質問器が搬送波を送信し
ない期間を十分にとる必要のあるASKに比べて1ビッ
トの期間を短くすることが可能であり、質問器と応答器
の通信時間を短縮できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1の非接触データの送受
信方法を実現する非接触データの送受信装置の応答器の
構成を示すブロック図である。
【図2】この発明による非接触データ送受信方法および
その装置における質問器と応答器の送受信波形を示す波
形図である。
【図3】この発明による非接触データ送受信方法および
その装置における抱絡線検波回路の回路図である。
【図4】この発明における非接触データ送受信方法およ
びその装置の第2の形態を示すもので、復調部の別の構
成例を示す回路図である。
【図5】図4における各部の波形を示す波形図である。
【図6】この発明における非接触データ送受信方法およ
びその装置の第2の形態を示すもので、図4の変形例と
して復調部の別の構成例を示す回路図である。
【図7】図2に示すデジタルデータの振幅減衰時に位相
反転が確認された場合、搬送波からのクロック抽出を中
止し、位相反転が無いときのみにクロックを抽出する例
を示した回路図である。
【図8】図7による信号出力波形を示す波形図である。
【図9】非接触データ通信装置において、質問器と応答
器の一般的な使用状態を示す概要図である。
【図10】図10は従来の非接触データ通信装置の構成
を示すブロック図である。
【図11】従来の非接触データ通信装置の質問器と質問
器の送受信状態における通信波形を示す波形図である。
【符号の説明】
1 質問器 2 応答器 3 通信エリア 6 送信部 10 受信部 11 電源部 12 復調部 13 制御部 14 メモリ 15 変調部 18 抱絡線検波回路 22 第1のインバータ 23 第2のインバータ 24 否論理和回路 27 排他的論理和回路 R14 抵抗
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04B 1/59 B60R 25/04 610 G01S 13/74 - 13/82 G06F 13/00 351 G06K 17/00 - 19/00 G08B 13/22 H02J 17/00 H04B 5/02 H04B 7/24 - 7/26

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 質問器から応答器に対し、コマンドデー
    タ等で変調した搬送波を送信するとともに、上記応答器
    はこの搬送波を共振回路にて受信、復調し、上記コマン
    ド等の指示に従い、上記質問器に対し応答用データを送
    信する非接触データ送受信方法において、上記質問器は
    コマンドデータ等を構成するデジタル値の1ビット毎に
    搬送波の位相を180°反転させ、かつ上記質問器は搬
    送波の位相を反転させた後、次の位相を反転させるまで
    の搬送波の波数を、上記デジタルデータによって異なら
    せて送信し、上記応答器は共振回路で受信した質問器か
    らの位相が反転した搬送波と共振回路に残留する振動エ
    ネルギーが重なることにより発生する急峻な振幅の変化
    で、上記デジタル値の1ビットの開始、または終了を検
    知するとともに、上記振幅の変化から次の振幅の変化が
    発生するまでの搬送波の波数、または時間から上記質問
    器が送信したデジタル値を判定することを特徴とする非
    接触データ通信方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、応答器は共振回路の
    一端から抽出した搬送波を第1のインバータに入力し、
    一方、共振回路の他端から抽出した搬送波を第2のイン
    バータに入力し、第1および第2のインバータの出力の
    論理和をとり、その出力をフィルタに通した信号から、
    質問器からの搬送波の位相の変化を検知することを特徴
    とする非接触データ通信方法。
  3. 【請求項3】 請求項1において、応答器は共振回路の
    一端から抽出した搬送波を第1のインバータに入力し、
    一方、共振回路の同端から抽出した搬送波を第2のイン
    バータに入力するとともにその出力と第2のインバータ
    の入力を抵抗にて帰還し、第1および第2のインバータ
    の出力の排他的論理和をとり、その出力をフィルタに通
    した信号から、質問器からの搬送波の位相の変化を検知
    することを特徴とする非接触データ通信方法。
  4. 【請求項4】 通信エリアにおいて、質問器から応答器
    に対し、コマンドやデータを送信し、上記応答器はこの
    コマンドに対し内部のメモリとアクセスするとともに、
    上記応答器から上記質問器に対し応答用データを送信す
    る非接触データ送受信装置において、上記質問器にはコ
    マンドデータ等を構成するデジタル値の1ビット毎に搬
    送波の位相を180°反転させ、かつ上記搬送波の位相
    を反転させた後、次の位相を反転させるまでの搬送波の
    波数を、上記デジタル値によって異ならせるような符号
    を生成する制御部と、この制御部によって生成された符
    号にしたがって変調を行う変調部と、上記変調部にて変
    調された搬送波を送信する送信手段とを設け、また上記
    応答器には上記質問器からの反転された搬送波を受信す
    る受信手段と、この受信手段によって受信された搬送波
    を波形成形する波形成形回路と、上記搬送波と共振回路
    に残留する振動エネルギーが重なることにより発生する
    急峻な振幅の変化で、上記デジタル値の1ビットの開
    始、または終了を検知する位相反転検出回路と、この位
    相反転検出回路と上記波形成形回路の出力からクロック
    を生成するクロック生成回路と、このクロック生成回路
    と上記位相反転検出回路の出力から上記デジタル値の波
    数をカウントするカウンタと、このカウンタの出力から
    上記デジタル値を判定するデータ判定部、およびこのデ
    ータ判定部の出力により上記メモリとのアクセス等を制
    御する制御部を設けたことを特徴とする非接触データ通
    信装置。
JP13276196A 1996-04-30 1996-04-30 非接触データ送受信方法およびその装置 Expired - Fee Related JP3205260B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13276196A JP3205260B2 (ja) 1996-04-30 1996-04-30 非接触データ送受信方法およびその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13276196A JP3205260B2 (ja) 1996-04-30 1996-04-30 非接触データ送受信方法およびその装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09298485A JPH09298485A (ja) 1997-11-18
JP3205260B2 true JP3205260B2 (ja) 2001-09-04

Family

ID=15088945

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13276196A Expired - Fee Related JP3205260B2 (ja) 1996-04-30 1996-04-30 非接触データ送受信方法およびその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3205260B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3545256B2 (ja) 1998-04-17 2004-07-21 松下電器産業株式会社 送信装置及び受信装置
JP4161970B2 (ja) * 2005-02-10 2008-10-08 三菱電機株式会社 非接触移動体識別装置
GB2446622A (en) 2007-02-14 2008-08-20 Sharp Kk Wireless interface
JP6902846B2 (ja) * 2015-11-20 2021-07-14 ローム株式会社 ワイヤレス受電装置、電子機器、fskが施された電力信号の復調方法
CN111884359A (zh) * 2019-07-26 2020-11-03 青岛帕沃思智能科技有限公司 无线供电装置及其控制方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0877318A (ja) * 1994-09-08 1996-03-22 Toshiba Corp 非接触式情報記録媒体
JPH0962816A (ja) * 1994-10-06 1997-03-07 Mitsubishi Electric Corp 非接触icカードおよびこれを含む非接触icカードシステム
JPH09102023A (ja) * 1995-10-04 1997-04-15 Toshiba Corp 情報記憶媒体および通信方法
JP3209905B2 (ja) * 1995-12-22 2001-09-17 松下電器産業株式会社 Psk信号の復調回路およびデータ送受信システム

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09298485A (ja) 1997-11-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA1300686C (en) System for the contactless exchange of data
US5847662A (en) Radio card communication apparatus
US5036308A (en) Identification system
KR100281401B1 (ko) 멀티-메모리 전자식 태그
US5345231A (en) Contactless inductive data-transmission system
JP3931500B2 (ja) 非接触icカードおよびそのデータ処理方法
JP4558259B2 (ja) コンビネーション型icカード
JPS6246281A (ja) 確認システム
NO881341L (no) Elektronisk datakommunikasjonssystem.
JPH0897755A (ja) 高周波トランスポンダ装置
JPH08167012A (ja) データ記憶媒体
JPH11355365A (ja) 非接触カードの通信方法及び該通信に用いる集積回路
JP3565966B2 (ja) 通信装置
JP3205260B2 (ja) 非接触データ送受信方法およびその装置
WO1993009516A1 (en) Non-contact automatic fare collection system
JP2002525932A (ja) コンタクトレス・プログラミング機能を有する静電無線周波識別システム
JPH06325229A (ja) 携帯可能な情報記録媒体
JPH11120306A (ja) データアクセス方法およびその装置
JPH09298486A (ja) 非接触データ送受信方法およびその装置
JP4097708B2 (ja) 非接触誘導通信用に作成されたトランスポンダ
JP3179342B2 (ja) 非接触データ送受信方法およびその方法を実施するための装置
JP3179335B2 (ja) 非接触データ送受信方法およびその装置
JP2000307465A (ja) Bpsk復調回路と該回路を有する非接触式icカードシステム
JPH05346978A (ja) データキャリア及び識別システム
JP2000059261A (ja) 非接触データ送受信装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees