JP3557017B2 - 天井埋込型照明器具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、天井に設けた埋込孔に器具本体が挿入され構造体から吊設された吊りボルトに器具本体が取り付けられて天井に埋込配設される天井埋込型照明器具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、天井に設けた埋込孔に埋込配設される天井埋込型照明器具には、図4に示すように、下面が開口した略円筒状の器具本体30と、器具本体30の側面より進退自在に突出する取付金具31とを備えた所謂ダウンライトと呼ばれるものがあった。このものは、上記取付金具31を天井を構成する天井材に埋込孔の内部より係止させて器具本体30を天井材に固定するようになっていた。このため、地震が発生した場合にも天井自体が壊れない限りは、器具本体30が落下することはほとんどなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、天井埋込型照明器具には、スラブのような構造体にインサートを介して吊設された吊りボルトを用いて器具本体を取付固定するようにしたものがあり、このタイプの照明器具においては、地震により、器具本体を吊りボルトに固定している取付ナットが緩んだり、構造体に埋め込まれているインサートが抜け落ちたり、あるいはスラブ自体が破損するなどして器具本体を固定する手段がなくなった場合には、器具本体が天井から落下してしまう恐れがあるという問題があった。
【0004】
本発明は上記問題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、地震などによる落下を防止した天井埋込型照明器具を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、下方に開口する光照射用の開口部を有する器具本体を具備し、天井に設けた埋込孔に器具本体が挿入され構造体から吊設された吊りボルトに器具本体が取り付けられて天井に埋込配設される天井埋込型照明器具において、少なくとも器具本体の埋込孔挿入時には埋込孔の投影範囲内に収められ、器具本体の埋込孔挿入後は上記開口部からの操作によって上記投影範囲外に突出する天井係金具を備え、該天井係金具は、板状部材によって形成されて器具本体の内部に配置されるとともに吊りボルトにより器具本体に固定され、器具本体の側面には天井係金具の両端部を器具本体の外に突出させるスリットが設けられてなるから、例えば地震などによって吊りボルトから器具本体が外れたり、あるいは吊りボルト自体が構造体から外れてしまった場合でも、埋込孔の投影範囲外に突出している天井係金具が埋込孔の周縁近傍の天井に引っ掛かり器具本体を支えるため、器具本体が天井から落下することが防げるとともに、天井係金具が器具本体を吊りボルトに取り付ける際の補強部材に兼用でき、部品点数の削減が図れるものである。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、少なくとも上下方向からの投影形状が長軸と短軸とを有する上記器具本体と、器具本体の埋込孔挿入時には長手方向が器具本体の長軸方向に沿わせて配置され、器具本体の埋込孔挿入後は回動されることで長手方向が器具本体の短軸方向に沿わせて配置される上記天井係金具とを備えたから、器具本体を埋込孔に挿入して天井に配設した後、簡単な操作によって天井係金具を所定の位置に配置させることができ、設置作業が容易に行えるものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に説明する各実施形態においては、直管型の蛍光ランプを光源とする天井埋込型照明器具を例示するが、これに限定する主旨ではなく、環型や球型の蛍光ランプあるいは白熱ランプ等の種々のランプを光源とする天井埋込型照明器具に本願発明の技術的思想が適用可能であることは言うまでもない。
【0010】
(基本例)
図1は本発明の実施形態を説明するための基本例を示す要部の外観斜視図である。図示しない蛍光ランプや点灯装置などが納装される器具本体1は、下面に蛍光ランプの光を照射するための開口部2を有する略函形に形成されている。また、この器具本体1の上下方向からの投影形状は、直管型の蛍光ランプに合わせて長軸と短軸とを有する長方形となっている。
【0011】
また、器具本体1の長軸方向に沿った肩部3には、外側へ向けて下方に傾斜する傾斜面4が設けられている。ここで、上記肩部3とは、器具本体1の天板1aと長軸方向に沿った側面とが交わっている部分(辺)を指している。さらに、器具本体1の開口部2の周縁には、長軸方向に沿って側方へ突出する断面略コ字形の鍔部5が設けられている。
【0012】
次に、本基本例の天井係金具10について説明する。本基本例における天井係金具10は、板状の部材により短冊形に形成され、1乃至複数個が水平面内にて中央部を支点とし回動自在に器具本体1の天板1aに取り付けられている。例えば、天井係金具10に挿通して固定された軸ピン(図示せず)を器具本体1の天板1aに挿通し、この軸ピンを回動自在に器具本体1に固定するなどの方法により、天井係金具10が器具本体1に取り付けられており、器具本体1の開口部2内において上記軸ピンを操作し回動させれば、天井係金具10を軸ピンと一体に回動することができるようになっている。なお、器具本体1への天井係金具10の取付構造に関しては、器具本体1の開口部2内からの操作によって天井係金具10を回動させることができるような周知の取付構造を適宜採用すればよい。
【0013】
ここで、本基本例の天井埋込型照明器具は以下のようにして天井に設けられた埋込孔Aに埋込配設される。すなわち、図2(a)に示すように、建造物の構造体であるスラブBなどに埋め込まれたインサート20により吊りボルト21が吊設されており、天井を構成する天井材23に設けられた埋込孔Aから器具本体1が天井裏の方へ挿入され、器具本体1の天板1aに穿設された図示しない挿通孔に吊りボルト21の先端部が挿通され、取付ナット22が吊りボルト21の先端に締結されることにより、器具本体1が吊りボルトに取付固定される。このとき、器具本体1の開口部2の周縁に設けられた鍔部5の端部が天井材23の下面に当接し、器具本体1の側面と埋込孔Aの周縁との隙間が鍔部5により覆い隠されるようになっている。
【0014】
ところで、器具本体1の天板1aに回動自在に取り付けられた天井係金具10は、器具本体1の埋込孔Aへの挿入時には、埋込孔Aの投影範囲内に収まるようにその長手方向が器具本体1の長軸方向に略一致するように配置される。したがって、器具本体1を埋込孔Aに挿入する際に天井係金具10が埋込孔Aの周縁に当たって挿入の邪魔になるようなことはない。そして、器具本体1が埋込孔Aに挿入され吊りボルト21に取付固定された後、器具本体1の開口部2内から上記軸ピンが回動操作され、図2(a)に示すように、天井係金具10が器具本体1の短軸方向に沿って埋込孔Aの投影範囲外に少なくとも両端部が突出するように配置される。
【0015】
本基本例によれば、地震などによって器具本体1を吊りボルト21に取り付けている取付ナット22が緩み、最悪の場合に取付ナット22が完全に外れてしまって器具本体1が下方へ落下しても、図2(b)に示すように埋込孔Aの投影範囲外に突出させてある天井係金具10の両先端部が埋込孔Aの周縁近傍の天井材23に引っ掛かり器具本体1を支えることができる。このため、器具本体1が天井から落下するのを防止することができる。
【0016】
(実施形態)
図3は本発明の実施形態を示す側面断面図である。本実施形態においては、天井係金具12が、器具本体1が吊りボルト21に取付ナット22によって締結固定される際に器具本体1の天板1aを補強する補強板を兼ねている点に特徴があり、その他の基本的な構成については基本例と共通であるから共通する部分には同一の符号を付して説明は省略する。
【0017】
図3に示すように、本実施形態における天井係金具12は板状の部材により短冊形に形成され、器具本体1の内部に配置される。なお、この天井係金具12の略中心には吊りボルト21の先端部が挿通される挿通孔(図示せず)が穿設されている。
一方、器具本体1の長軸方向に沿った両側板1bの上部には、器具本体1が埋込孔Aに挿入された後で天井係金具12の両端部を器具本体1の外に突出させるためのスリット6が設けられている。
【0018】
天井係金具12は、器具本体1の埋込孔Aへの挿入時にその両端部が上記スリット6から器具本体1の外へ突出しないように器具本体1の内部に配置され、器具本体1の埋込孔Aへの挿入後に開口部2から略90度回動操作されて両端部がスリット6より突出させらる。そして、この状態で器具本体1の天板1aに挿通された吊りボルト21の先端が上記挿通孔に挿通され、さらに取付ナット22が吊りボルト21の先端に締結されることで器具本体1と天井係金具12とが一体的に吊りボルト21に取付固定される。ここで、天井係金具12は器具本体1の内側から天板1aに密着させられて天板1aを補強するようになっている。
【0019】
本実施形態によれば、基本例と同様に天井係金具12によって地震などによる器具本体1の落下を防止できるだけでなく、天井係金具12が器具本体1を吊りボルト21に取り付ける際の補強板に兼用でき、補強板と天井係金具とを別個に備える場合に比較して部品点数の削減が図れるという利点がある。
【0023】
【発明の効果】
請求項1の発明は、下方に開口する光照射用の開口部を有する器具本体を具備し、天井に設けた埋込孔に器具本体が挿入され構造体から吊設された吊りボルトに器具本体が取り付けられて天井に埋込配設される天井埋込型照明器具において、少なくとも器具本体の埋込孔挿入時には埋込孔の投影範囲内に収められ、器具本体の埋込孔挿入後は上記開口部からの操作によって上記投影範囲外に突出する天井係金具を備え、該天井係金具は、板状部材によって形成されて器具本体の内部に配置されるとともに吊りボルトにより器具本体に固定され、器具本体の側面には天井係金具の両端部を器具本体の外に突出させるスリットが設けられてなるので、例えば地震などによって吊りボルトから器具本体が外れたり、あるいは吊りボルト自体が構造体から外れてしまった場合でも、埋込孔の投影範囲外に突出している天井係金具が埋込孔の周縁近傍の天井に引っ掛かり器具本体を支えることができ、器具本体が天井から落下するのを防止して安全性の向上が図れるとともに、天井係金具が器具本体を吊りボルトに取り付ける際の補強部材に兼用でき、部品点数の削減が図れるという効果がある。
【0024】
請求項2の発明は、少なくとも上下方向からの投影形状が長軸と短軸とを有する上記器具本体と、器具本体の埋込孔挿入時には長手方向が器具本体の長軸方向に沿わせて配置され、器具本体の埋込孔挿入後は回動されることで長手方向が器具本体の短軸方向に沿わせて配置される上記天井係金具とを備えたので、器具本体を埋込孔に挿入して天井に配設した後、簡単な操作によって天井係金具を所定の位置に配置させることができ、設置作業が容易に行えるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を説明するための基本例の要部外観斜視図である。
【図2】同上を示すものであり、(a)は通常の取付状態における側面断面図、(b)は器具本体が吊りボルトから外れた状態の側面断面図である。
【図3】本発明の実施形態の通常の取付状態における側面断面図である。
【図4】従来例を示す一部破断した外観斜視図である。
【符号の説明】
1 器具本体
10 天井係金具
21 吊りボルト
22 取付ナット
23 天井材
A 埋込孔
Claims (2)
- 下方に開口する光照射用の開口部を有する器具本体を具備し、天井に設けた埋込孔に器具本体が挿入され構造体から吊設された吊りボルトに器具本体が取り付けられて天井に埋込配設される天井埋込型照明器具において、少なくとも器具本体の埋込孔挿入時には埋込孔の投影範囲内に収められ、器具本体の埋込孔挿入後は上記開口部からの操作によって上記投影範囲外に突出する天井係金具を備え、該天井係金具は、板状部材によって形成されて器具本体の内部に配置されるとともに吊りボルトにより器具本体に固定され、器具本体の側面には天井係金具の両端部を器具本体の外に突出させるスリットが設けられてなることを特徴とする天井埋込型照明器具。
- 少なくとも上下方向からの投影形状が長軸と短軸とを有する上記器具本体と、器具本体の埋込孔挿入時には長手方向が器具本体の長軸方向に沿わせて配置され、器具本体の埋込孔挿入後は回動されることで長手方向が器具本体の短軸方向に沿わせて配置される上記天井係金具とを備えたことを特徴とする請求項1記載の天井埋込型照明器具。
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