JP4280906B2 - 照明装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、天井側の吊ボルトを利用して天井側に埋め込み設置する照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
天井側に埋め込み設置する埋込形照明器具などの照明装置は、器具質量が3kg以上の場合、落下防止のために天井側の構造物に対し設置された吊ボルトで支持することが規定されている。
【0003】
このような照明装置では、器具本体の中央部に吊ボルトに対して取り付けるための吊ボルト取付孔が形成されており、施工時には、器具本体を天井側の構造物の下方に設置された天井材の埋込孔に挿入しながら、吊ボルトを吊ボルト取付孔を通じて器具本体の下面に通し、吊ボルトの下端にナットを螺合して器具本体を締め上げ、器具本体の周辺部から突設された化粧枠を天井材に接触させている。
【0004】
そして、器具本体の内部に反射体およびランプを収納する深形の照明装置では、まず器具本体のみを天井側に施工した後、この器具本体の内部に反射体およびランプを取り付けている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、器具本体の下面に臨ませて3〜4本のコンパクト形蛍光ランプつまり片口金形蛍光ランプを配置する薄形の照明装置や、器具本体の下面に臨ませて2本の直管形蛍光ランプを配置する薄形の照明装置などでは、隣り合う2本のランプ間に吊ボルト取付孔が位置しているが、これら隣り合う2本のランプ間には吊ボルトに対するナットの締め付け作業に必要な十分なスペースがないため、ランプを外した状態で器具本体のみを施工した後、この器具本体にランプを取り付けている。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−109945号公報(第2頁、図10)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、深形の照明装置では、器具本体を施工した後にランプを取り付ける必要があり、また、薄形の照明装置では、隣り合う2本のランプ間に吊ボルトに対するナットの締め付け作業に必要な十分なスペースがないため、ランプを外した状態で器具本体を施工した後にランプを取り付ける必要があり、いずれも施工に手間および時間がかかる問題がある。
【0008】
また、薄形で横幅が広いタイプの照明装置では、器具本体の中央部を吊ボルトで支持しても、器具本体の周辺部が下方へ撓み、器具本体の周辺部に設けられた化粧枠が天井材に十分に密着せず、隙間が生じて外観を損なうなどの問題がある。
【0009】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、器具本体にランプを取り付けたまま施工可能とし、施工の手間や時間を低減でき、しかも、吊ボルトに取り付けられる器具本体の中央域に対して器具本体の周辺部が下方へ撓むのを防止し、器具本体の周辺部側と天井側との密着性を高めることができる照明装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の照明装置は、周辺部に下方へ向けて開口する枠状のランプ収納空間が設けられ、ランプ収納空間より内側の中央域に下方へ向けて開口する吊ボルト取付作業空間が設けられ、これらランプ収納空間と吊ボルト取付作業空間とを隔離するように枠状の隔壁部が設けられ、吊ボルト取付作業空間の上側には天井側の吊ボルトに取り付けられる吊ボルト取付部が設けられ、ランプ収納空間より外側には天井材の下面に接触する化粧枠が設けられ、天井材に埋め込み設置される器具本体と;器具本体のランプ収納空間に配置されるランプと;器具本体の吊ボルト取付作業空間の下面を着脱可能に閉塞するカバーと;器具本体の天井材に埋め込まれる周辺部に設けられ、器具本体を天井材に埋め込むのを許容するとともに器具本体を天井材に埋め込むことで天井材の上方に突出して天井材の上面に係止する複数の取付金具と;を具備しているものである。
【0011】
そして、この構成では、器具本体のランプが配置される周辺域のランプ収納空間より内側の中央域に吊ボルト取付作業空間および吊ボルト取付部を設けることで、吊ボルトに対し吊ボルト取付部を取り付ける作業に必要な十分なスペースが確保されるため、器具本体にランプを取り付けたまま施工可能とし、施工の手間や時間が低減される。さらに、施工作業をする吊ボルト取付作業空間とランプを配置するランプ収納空間とを隔壁部で隔離しているため、施工作業時におけるランプに対する損傷のおそれがなく、ランプを確実に保護できる。しかも、器具本体の天井側へ埋め込まれる周辺部に設けた天井取付手段により、器具本体の周辺部を天井側に対して支えるため、吊ボルトに取り付けられる器具本体の中央域に対して器具本体の周辺部が下方へ撓むのが防止され、器具本体の周辺部側と天井側との密着性が高まる。
【0012】
請求項2記載の照明装置は、請求項1記載の照明装置において、隔壁部内にランプを点灯させる点灯装置を設けたものである。
【0013】
そして、この構成では、隔壁部内にランプを点灯させる点灯装置を設けたため、ランプおよび点灯装置が確実に保護される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0015】
図1は照明装置の断面図、図2は照明装置の天井取付手段の拡大断面図、図3は照明装置の一部を切り欠いた下面図、図4は照明装置のランプおよびルーバーの取付方法を示す断面図である。
【0016】
図において、11は薄形の天井埋込形の照明装置で、この照明装置11が設置される天井側12には、図示しない構造物およびこの構造物の下方に離間して設置された天井材13があり、天井材13には照明装置11を埋め込み設置するための埋込孔14が形成され、この埋込孔14の中央域上方に構造物から垂下された吊ボルト15が設置されている。
【0017】
照明装置11では、外形寸法が異なる2本の枠形つまり四角形枠状(正方形枠状)のランプ18が使用されている。各ランプ18は、蛍光ランプであって、枠形つまり四角形枠状に形成された発光管19、およびこの発光管19の両端が接続される口金20を有し、口金20にはソケット接続用の複数の接点21が設けられている。
【0018】
照明装置11は、ランプ18の外形状に対応した四角形(正方形)の外形状に形成された薄形の器具本体24を有し、この器具本体24の下面には、周辺域に2本のランプ18が配置される枠状つまり四角形枠状(正方形枠状)のランプ収納空間(ランプ配置部)25が形成され、このランプ収納空間25より内側の中央域に吊ボルト15に対して取付作業するための四角形(正方形)の吊ボルト取付作業空間26が形成され、これらランプ収納空間25と吊ボルト取付作業空間26とを隔離するように枠状つまり四角形枠状(正方形枠状)の隔壁部27が下方に突出形成されている。ランプ収納空間25および吊ボルト取付作業空間26は器具本体24の下方へ向けて開口され、隔壁部27は器具本体24の上方へ向けて開口されている。
【0019】
ランプ収納空間25には、器具本体24の下方へ向け拡開開口されてランプ18の光を下方へ反射させる反射面部28が形成されている。ランプ収納空間25内には、各ランプ18の口金20が接続される図示しないソケットがそれぞれ配置されている。
【0020】
吊ボルト取付作業空間26には、その中央域に吊ボルト15に取り付けられる吊ボルト取付部29が形成されている。この吊ボルト取付部29は、吊ボルト15が挿通される吊ボルト取付孔30を有し、この吊ボルト取付孔30に挿通された吊ボルト15の下端にナット31が螺着され、ナット31の締め付けで器具本体24が上方へ向けて締め上げられる。吊ボルト取付作業空間26の下面には、吊ボルト取付部29を覆って、吊ボルト取付作業空間26の下面を閉塞するカバー32が着脱可能に取り付けられている。
【0021】
器具本体24の周辺部には、天井材13の下面に接触する化粧枠33が形成されているとともに、この化粧枠33から埋込孔14の内側に入り込むガイド34が立設されている。ガイド34には、天井材13の上面に取り付けられる複数の天井取付手段35が取り付けられている。天井取付手段35は、取付金具36を有し、この取付金具36の下端の係止部36aが器具本体24の側方に対して進退可能とするように取付金具36の上端の支点37を介してガイド34に回動可能に支持され、図示しないスプリングによって取付金具36の下端の係止部36aが器具本体24の側方へ突出するように付勢されている。
【0022】
器具本体24の隔壁部27の内側には、各ランプ18に対しソケットを通じて接続されて各ランプ18をそれぞれ点灯させる点灯装置39がそれぞれ配置されている。これら点灯装置39は、器具本体24の中央に対して反対となる位置にそれぞれ配置され、質量バランスが安定するように構成されている。
【0023】
器具本体24のランプ収納空間25のランプ18の下側位置には、ランプ18の光を制光する枠状つまり四角形枠状(正方形枠状)のルーバー42が着脱可能に配置されている。このルーバー42は、反射面部28の内周側に配置される内側枠部43、外周側に配置される外側枠部44、これら内側枠部43と外側枠部44との間でランプ18の発光管19の軸方向に対して交差する方向に架設された複数のバッフル45を有している。ルーバー42の四隅には、各ランプ18を着脱可能に保持するホルダ46がそれぞれ取り付けられている。そして、ルーバー42は、図4に示すように、一辺を器具本体24側に引っ掛けた状態で、他辺を器具本体24に押し上げて図示しない可動爪などを着脱可能に係止させることで器具本体24に装着でき、また、可動爪の係合を器具本体24から外すことで装着時と逆の手順で器具本体24から取り外すことができる。
【0024】
そして、照明装置11を天井側12に施工する場合には、器具本体24の上部側つまりガイド34を天井材13の埋込孔14の内側に合わせて押し上げる。
【0025】
器具本体24の押し上げ過程で、ガイド34の各取付金具36の下端が天井材13に当接し、スプリングによる付勢に抗して各取付金具36の下端の係止部36aがガイド34側に引っ込むように移動し、そして、化粧枠33が天井材13の下面に当接するとともに取付金具36の下端の係止部36aが天井材13の上方に乗り越えることで、各取付金具36の下端の係止部36aがスプリングの付勢によって天井材13の上面域に突出し、各取付金具36の下端の係止部36aが天井材13の上面に係止する。これで各取付金具36の下端の係止部36aが天井材13の上面に係止した状態となるため、器具本体24の押上げを解除しても、器具本体24を天井材13に係止した状態を保ち、器具本体24を天井材13に仮止めできる。
【0026】
器具本体24の押し上げ過程で、吊ボルト15の下端が器具本体24の中央の吊ボルト取付孔30を挿通しており、その吊ボルト15の下端にナット31を螺合し、このナット31を工具などを用いて締め上げ、器具本体24を天井側12に確実に固定する。
【0027】
そして、吊ボルト15の下端にナット31を螺合し、このナット31を工具などを用いて締め上げる作業は、器具本体24の枠形のランプ18が配置される周辺域のランプ配置空間25より内側の吊ボルト取付作業空間26を利用できるため、施工作業に必要な十分なスペースを確保できる。
【0028】
そのため、器具本体24にランプ18およびルーバー42を取り付けたままでも、施工作業には支障がなく、しかも、施工作業をする吊ボルト取付作業空間26とランプ18およびルーバー42を配置するランプ収納空間25とを隔壁部27で隔離し、さらに隔壁部27内に点灯装置39を設けているため、施工作業時におけるランプ18や点灯装置39に対する損傷のおそれがなく、ランプ18や点灯装置39を確実に保護できる。
【0029】
したがって、器具本体24にランプ18およびルーバー42を取り付けたまま施工でき、施工時のランプ18およびルーバー42の取付作業を省くことができ、施工の手間および時間を低減できる。
【0030】
また、照明装置11を施工場所に輸送するときにも、器具本体24にランプ18およびルーバー42を取り付けた状態にでき、これらランプ18およびルーバー42を個別に包装したり、緩衝材を用いたりするのを省くことができ、包装材の使用量を低減できる。
【0031】
また、図4に示すように、ランプ交換の際には、ルーバー42の他辺を器具本体24に係止している可動爪を器具本体24から外し、ルーバー42の他辺を器具本体24から下げ、ルーバー42の一辺を器具本体24から外すことにより、ルーバー42およびこのルーバー42と一体にランプ18を器具本体24から外すことができる。そして、ルーバー42のホルダ46に対して新しいランプ18に付け替え、ルーバー42の一辺を器具本体24側に引っ掛けた状態で、ルーバー42の他辺を器具本体24に押し上げて可動爪を器具本体24に係止させることにより、ルーバー42およびこのルーバー42と一体にランプ18を器具本体24に装着できる。
【0032】
本実施の形態の照明装置11によれば、器具本体24の枠形のランプ18が配置される周辺域より内側の中央域に吊ボルト取付部29を設けることで、吊ボルト15に対し吊ボルト取付部29を取り付ける施工作業に必要な十分なスペースを確保できる。そのため、器具本体24にランプ18およびルーバー42を配置したまま施工でき、施工の手間や時間を低減できる。
【0033】
しかも、器具本体24の周辺部に設けた取付金具36で器具本体24の周辺部を天井材13に対して支えることができるため、照明装置11が薄形で、吊ボルト15に取り付けられる器具本体24の中央域に対して器具本体24の周辺部が下方へ撓みやすくても、その器具本体24の周辺部が下方へ撓むのを防止でき、器具本体24の化粧枠33と天井材13との密着性を高めることができる。
【0034】
また、ルーバー42に設けたホルダ46でルーバー42にランプ18を保持したため、ランプ18とルーバー42とを器具本体24に対し一体に着脱でき、ランプ交換を容易にできる。
【0035】
なお、枠形のランプ18としては、四角形枠状(正方形枠状)に限らず、円形などの環状のランプ18の場合にも適用できる。また、ランプ18には、1つの口金20の一端に発光管19の両端を接続するとともに口金20の他端に発光管19の中間部を接続したツイン管タイプを用いることもできる。
【0036】
また、枠形のランプ18に代えて直管形のランプを用い、この直管形のランプを器具本体24の周辺域にそれぞれ配置することもできる。
【0037】
また、ランプ18を保持するホルダ46を器具本体24側に取り付け、このホルダ46によってランプ18を器具本体24に着脱可能に設けることもできる。
【0038】
なお、ランプ18を環状とした場合にはルーバー42の形状を環状としてもよい。
【0039】
【発明の効果】
請求項1記載の照明装置によれば、器具本体のランプが配置される周辺部のランプ収納空間より内側の中央域に吊ボルト取付作業空間および吊ボルト取付部を設けることで、吊ボルトに対し吊ボルト取付部を取り付ける作業に必要な十分なスペースを確保できるため、器具本体にランプを取り付けたまま施工でき、施工の手間や時間を低減でき、さらに、施工作業をする吊ボルト取付作業空間とランプを配置するランプ収納空間とを隔壁部で隔離しているため、施工作業時におけるランプに対する損傷のおそれがなく、ランプを確実に保護できる。しかも、器具本体の天井材に埋め込まれる周辺部に設けた取付金具により、器具本体の周辺部を天井材に対して支えることができるため、吊ボルトに取り付けられる器具本体の中央域に対して器具本体の周辺部が下方へ撓むのを防止でき、器具本体の化粧枠と天井材との密着性を高めることができる。
【0040】
請求項2記載の照明装置によれば、請求項1記載の照明装置の効果に加えて、隔壁部内にランプを点灯させる点灯装置を設けたため、ランプおよび点灯装置を確実に保護できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態を示す照明装置の断面図である。
【図2】 同上照明装置の天井取付手段の拡大断面図である。
【図3】 同上照明装置の一部を切り欠いた下面図である。
【図4】 同上照明装置のランプおよびルーバーの取付方法を示す断面図である。
【符号の説明】
11 照明装置
12 天井側
13 天井材
15 吊ボルト
18 ランプ
24 器具本体
25 ランプ収納空間
26 吊ボルト取付作業空間
27 隔壁部
29 吊ボルト取付部
32 カバー
33 化粧枠
36 取付金具
39 点灯装置
Claims (2)
- 周辺部に下方へ向けて開口する枠状のランプ収納空間が設けられ、ランプ収納空間より内側の中央域に下方へ向けて開口する吊ボルト取付作業空間が設けられ、これらランプ収納空間と吊ボルト取付作業空間とを隔離するように枠状の隔壁部が設けられ、吊ボルト取付作業空間の上側には天井側の吊ボルトに取り付けられる吊ボルト取付部が設けられ、ランプ収納空間より外側には天井材の下面に接触する化粧枠が設けられ、天井材に埋め込み設置される器具本体と;
器具本体のランプ収納空間に配置されるランプと;
器具本体の吊ボルト取付作業空間の下面を着脱可能に閉塞するカバーと;
器具本体の天井材に埋め込まれる周辺部に設けられ、器具本体を天井材に埋め込むのを許容するとともに器具本体を天井材に埋め込むことで天井材の上方に突出して天井材の上面に係止する複数の取付金具と;
を具備していることを特徴とする照明装置。 - 隔壁部内にランプを点灯させる点灯装置を設けた
ことを特徴とする請求項1記載の照明装置。
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