JP3556958B2 - 光磁気記録方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は単層の垂直磁化膜を記録膜とする光磁気記録媒体を用い、反磁界を利用して高速にオーバーライトを行なう光磁気記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光磁気記録は従来の磁気記録に比べて大容量であり、しかも情報の書き換えが可能であることから活発な開発がなされており、一部では既に市販されてもいる。
しかしながら現在市販されている光磁気記録装置の多くは、情報を書き換える際に元の情報を予め消去しその後に新しい情報を書く、という行程を踏む必要があるため消去操作に時間がかかり時間的なロスとなっている。この欠点を解消するのがオーバーライト技術である。これまで提案されているオーバーライト技術は、記録の方法により磁界変調方式と光変調方式(マルチビーム方式、2層膜方式、等)に大別される。
【0003】
磁界変調方式は光の強度を一定に保ち、記録情報に応じて印加磁界の極性を反転させて記録を行う方式である。この方式では磁界の反転を高速で行うために、浮上タイプの磁気ヘッドを用いる(特開昭63−204532号公報、特開昭63−217548号公報)等の対応が検討されているが、媒体交換が困難、媒体の片面のみしか使用できない等の不具合がある。
【0004】
光変調方式は印加磁界を一定に保ち、記録情報に応じて照射ビームをオン・オフ、あるいは強度変調させて記録を行う方式である。光変調方式のうちマルチビーム方式は2〜3個のレーザーを用い、装置構成が複雑でコストがかかる等の欠点がある。また2層膜方式(特開昭62−175948号公報)は記録膜が2層または3層以上となり、また2層間の交換結合の調整が微妙で難しく、しかも大きな初期化磁界が必要である。そのため記録パワーが高い、初期化用の磁石の大型化、コスト高、等の面で問題がある。
【0005】
一方、光変調方式で反磁界を利用したオーバーライト方式が提案されている(Han−Ping;Appl.Phys.Lett.,49,8(1986))。この方式では、用いる媒体の記録膜が単層であり、2層方式と比べ低パワーで記録ができ、また初期化磁界も必要ない。しかしこの方式では以前に記録されていたビットと同じ場所にレーザーを照射する必要があるため、レーザー照射位置の制御が必要であり、またビットポジション記録しかできない、等の問題がある。
【0006】
本発明者らは、特願平3−221125号明細書において、これらの問題を解決し、簡単な装置構成にてしかも高速にオーバーライトを行う光磁気記録方法を提案している。この方法は単層の記録膜に、磁区形成時及び磁区消去時にそれぞれ複数個のレーザーパルスを照射することにより所望の長さに磁区を形成あるいは消去するものであり、その際、磁区形成時と磁区消去時にそれぞれ1種類のレーザーパルスを複数個照射するか、磁区形成時と磁区消去時にそれぞれ2種類のレーザーパルスを組み合わせて複数個照射する。これらのレーザーパルスはパワーとパルス幅が異なり、記録膜の温度分布に差をつけ、磁気的エネルギーをコントロールしている。
【0007】
ところが、本発明者らは、上記方法について詳細に検討を重ねたところ、下記の点につき更に改善の余地があることがわかった。
上記方法を用いた場合、光磁気ディスクが静止していれば記録膜上は理想的な温度分布となり、レーザーパルスの種類によって磁区形成、磁区消去、あるいは磁区の引き伸ばしが確実に行える。しかし、光磁気ディスクを高速で回転させると、レーザーパルス照射による記録膜上の温度分布はレーザーの進行方向の前後で異なり、場合によっては、数種のレーザーパルス照射による微妙な温度分布の差に狂いが生じ、変形した磁区が形成されたり、消し残りが生じたりして、C/N比が低くなる恐れがある。
【0008】
本発明は、本発明者らが先に提案した方法を更に改良し、変形した磁区や消し残り磁区の発生を防止し、C/N比をより一層向上させ、しかもピットエッジ記録を達成しうる光磁気記録方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明によれば、単層の垂直磁化膜を記録膜とする光磁気記録媒体にレーザーを照射することにより磁区の形成及び消去を制御してオーバーライト可能な光磁気記録を行うにあたり、磁区形成時及び磁区消去時にそれぞれ1種類のレーザーパルスを複数個照射することにより所望の長さに磁区を形成あるいは消去する光磁気記録方法であって、磁区形成時のレーザーパルス照射による記録膜の温度分布における光の進行方向前側の傾斜をaf、後側の傾斜をabとし、光磁気記録媒体を回転させない状態で、レーザーパルスにおいて生ずる磁区形成が可能でかつ最も緩やかな温度分布の傾斜をa、また、光磁気記録媒体を回転させない状態で、レーザーパルスにおいて生ずる磁区消去が可能でかつ最も緩やかな温度分布の傾斜をa′としたとき、af<a′、ab≧aなる条件を満足するように、磁気形成時に照射するレーザーパルスの出力を時間変化させて記録を行うことを特徴とする光磁気記録方法が提供される。
【0010】
また、本発明によれば、単層の垂直磁化膜を記録膜とする光磁気記録媒体にレーザーを照射することにより磁区の形成及び消去を制御してオーバーライト可能な光磁気記録を行うにあたり、磁区形成時及び磁区消去時にそれぞれ1種類のレーザーパルスを複数個照射することにより所望の長さに磁区を形成あるいは消去する光磁気記録方法であって、磁区消去時のレーザーパルス照射による記録膜の温度分布における光の進行方向前側の傾斜をa′f、後側の傾斜をa′bとし、光磁気記録媒体を回転させない状態で、レーザーパルスにおいて生ずる磁区形成が可能でかつ最も急峻な温度分布の傾斜をa、また、光磁気記録媒体を回転させない状態で、レーザーパルスにおいて生ずる磁区消去が可能でかつ最も急峻な温度分布の傾斜をa′としたとき、a′b>a、a′f≦a′なる条件を満足するように、磁気消去時に照射するレーザーパルスの出力を時間変化させて消去を行うことを特徴とする光磁気記録方法光磁気記録方法が提供される。
【0011】
また、本発明によれば、単層の垂直磁化膜を記録膜とする光磁気記録媒体にレーザーを照射することにより磁区の形成及び消去を制御してオーバーライト可能な光磁気記録を行うにあたり、磁区形成時及び磁区消去時にそれぞれ2種類のレーザーパルスを組み合わせて複数個照射することにより所望の長さに磁区を形成あるいは消去する光磁気記録方法であって、磁区形成時の第1番目のレーザーパルス照射による記録膜の温度分布における光の進行方向前側の傾斜をaf、後側の傾斜をabとし、磁区形成時の第1番目のレーザーパルス照射による光磁気記録媒体を回転させない状態で、レーザーパルスにおいて生ずる磁区形成が可能でかつ最も緩やかな温度分布の傾斜をa、また、磁区形成と磁区消去の第2番目以降のレーザーパルスが同一である場合、光磁気記録媒体を回転させない状態で、レーザーパルスにおいて生ずる磁区形成消去が可能でかつ最も緩やかな温度分布の傾斜をbとしたとき、af<b、ab≧aなる条件を満足するように、磁区形成時に第1番目に照射するレーザーパルスの出力を時間変化させて記録を行うことを特徴とする光磁気記録方法が提供される。
【0012】
また、本発明によれば、単層の垂直磁化膜を記録膜とする光磁気記録媒体にレーザーを照射することにより磁区の形成及び消去を制御してオーバーライト可能な光磁気記録を行うにあたり、磁区形成時及び磁区消去時にそれぞれ2種類のレーザーパルスを組み合わせて複数個照射することにより所望の長さに磁区を形成あるいは消去する光磁気記録方法であって、磁区形成と磁区消去の第2番目以降のレーザーパルスが同一である場合、磁区形成消去時の第2番目以降のレーザーパルス照射による記録膜の温度分布における光の進行方向前側の傾斜をbf、後側の傾斜をbbとし、光磁気記録媒体を回転させない状態で第1番目のレーザーパルス照射により生じる磁区形成可能でかつ最も急峻な温度分布の傾斜をa、また、光磁気記録媒体を回転させない状態で、第1番目のレーザーパルスにおいて生ずる磁区消去が可能でかつ最も緩やかな温度分布の傾斜をa′としたとき、bf<a′、bb>aなる条件を満足するように、磁区消去時に第2番目に照射するレーザーパルスの出力を時間変化させて記録、消去を行うことを特徴とする光磁気記録方法が提供される。
【0013】
また、本発明によれば、単層の垂直磁化膜を記録膜とする光磁気記録媒体にレーザーを照射することにより磁区の形成及び消去を制御してオーバーライト可能な光磁気記録を行うにあたり、磁区形成時及び磁区消去時にそれぞれ2種類のレーザーパルスを組み合わせて複数個照射することにより所望の長さに磁区を形成あるいは消去する光磁気記録方法であって、磁区消去時の第1番目のレーザーパルス照射による記録膜の温度分布における光の進行方向前側の傾斜をa′f、後側の傾斜をa′bとし、光磁気記録媒体が回転させない状態で、第1番目のレーザーパルス照射によって生じる磁区消去可能で最も急峻な温度分布の傾斜をa′、また、磁区形成と磁区消去の第2番目以降のレーザーパルスが同一である場合、光磁気記録媒体が回転させない状態で、第2番目以降のレーザーパルス照射によって生じる磁区形成消去可能で最も急峻な温度分布の傾斜をbとしたとき、a′b>b、a′f≦a′なる条件を満足するように、磁区消去時に第1番目に照射するレーザーパルスの出力を時間変化させて消去を行うことを特徴とする光磁気記録方法が提供される。
【0014】
【作用】
本発明では、レーザーパルスの出力を時間変化させるようにしたので、光磁気ディスクを高速回転させた場合に記録膜上の温度分布がレーザーの進行方向の前後で異なることに起因する数種のレーザーパルス照射による微妙な温度分布の差に狂いが生じる問題が解決される。従って、変形した磁区や消し残り磁区の形成が防止され、高速で記録、消去が可能となり、高いC/N比が得られるようになる。しかもピットエッジ記録も可能となる。
【0015】
【実施例】
以下、本発明の方法を詳細に説明する。
先ず、本発明の前提となる本発明者らが先に提案した方法(特願平3−221125号明細書)について説明する。この方法は、単層の垂直磁化膜を記録膜とする光磁気記録媒体に、複数個のレーザーパルスを照射することにより、以前書き込まれていた信号とは無関係に所望の長さの磁区を形成し、同じく複数個のレーザーパルスを印加して所望の長さにわたって磁区の消去を行うものである。信号記録、消去時に光磁気記録媒体のレーザー照射部に数十〜数百Oeの一定外部磁界を印加するが、使用する媒体の特性等によっては外部磁界を印加しなくても構わない。
【0016】
この方法はレーザーパルスの照射の仕方により次の2種に大別される。
(i) 磁区形成時と磁区消去時にそれぞれ1種類のレーザーパルスを複数個照射する方式。
(ii)磁区形成時と磁区消去時にそれぞれ2種以上のレーザーパルスを組み合わせて複数個照射する方式。
以下それぞれの方式につき詳述する。
【0017】
先ず(i)の方式について説明する。この方式を実施するにあたり、光磁気記録装置としては、信号記録(磁区形成)、消去(磁区消去)時に、一定外部磁界を印加する場合、磁界発生機構を設ける必要があるが、これには従来使用されている永久磁石、電磁石等を用いればよく、初期化用磁界あるいは交流磁界等は一切必要ない。またレーザー出力については、前記の如く信号記録、消去時に光磁気記録媒体に照射するPw、Peの強度のレーザーパルスと、信号再生時に光磁気記録媒体に照射する強度PrのDCレーザーとが用意される(ただしPr<Pw、Pr<Pe)。その他、この方式を実施する上で、特に付加すべき機構はなく、従来用いられていた光磁気記録装置に簡単な改良を施すだけで使用することができる。
【0018】
次にこの方式において使用される光磁気記録媒体について述べる。
この方式に用いる光磁気記録媒体は単層の垂直磁化膜を記録膜とするもので、その磁気特性は図1に示すように補償温度Tcompが室温Trよりも高い、いわゆる希土類金属リッチな組成を為す希土類金属−遷移金属(RE−TM)アモルファス磁性膜が好ましい。光磁気記録媒体の層構成としては、基本的には図2に示すように、ガラスあるいはプラスチックよりなる基板1上に前記のような磁気特性を持つRE−TM系アモルファス磁性膜2をスパッタ法等により形成し、その上に磁性膜2の劣下を防ぐ為に保護膜3を形成する。また磁性膜の均一性の向上、再生信号の特性向上の為に、下地膜を基板1と磁性膜2の間にはさんでも良い。また記憶容量アップの為、図2に示す媒体を貼り合わせて両面に記録できるようにすることも可能である。
【0019】
この方式では、上記のようなきわめて簡単な構成の装置及び媒体を用いてオーバーライトが達成されるが、下記の条件のときに特に良好なオーバーライトが実現される。すなわち、図3に示すように磁区形成時すなわち信号記録時には強度Pw、時間τwのレーザーパルスを所望の長さの磁区となるまで数回に渡り連続的に照射し、磁区消去時すなわち信号消去時には強度Pe、パルス幅τeのレーザーパルスを消去磁区が所望の長さとなるまで数回に渡り連続的に照射する。ただし、Pw、Pe及びτw、τeはτw≧τe及びPw・τw>Pe・τeなる関係を満足するものとする。この方式においては、磁区形成時に複数個のレーザーパルスを印加することにより、磁区エッジ部が確実に固定され所望の長さの磁区が容易に形成できる。そのメカニズムは以下のように説明される(図4)。すなわち、磁区形成時に印加するレーザーパルスのうち最初のレーザーパルスを照射した時点で円筒状磁区(半径R)Sが形成される(ただし照射前に照射部にすでに磁区が存在している場合は、その磁区はそのまま残る)。この照射後、ある時間的インターバルを置いて第2番目の照射を行うわけであるが、その際には円筒状磁区の中心からある距離Dだけずれたところに照射中心は移動しており、この照射による熱の伝達が円筒状磁区の照射中心に遠い側の磁壁wに寄与を及ぼすことは少なくなる。従って、この部分の磁壁wは第2番目の照射によって動くことはなく、最初の状態でピニングされる。この後、第3番目以降の照射によってもこの状態は変わらない。つまりパルス状のレーザー照射を行うことによって磁区エッジ部が確実に固定され、所望の長さの磁区エッジ部が容易に形成される。また、磁区消去時には磁区形成時とは異なった形状のレーザーパルスを複数個照射することによって、磁壁部にかかる反磁界エネルギー、磁壁エネルギー、ゼーマンエネルギーの和が磁区収縮時により低い状態になるように記録膜内の温度を合わせることが可能となる為、この照射によって磁区は収縮し最終的に消滅することになる。よって磁区が所望の長さにわたって消し残りなく消去される。
【0020】
この方式を提案するにあたり、本発明者らは組成、膜厚等を変化させていくつかの光磁気ディスクを作製し、以下の方法によりオーバーライト実験を行った。まず、光磁気ディスクに、静止状態において強度Pw、パルス幅τwのレーザーパルスを、膜面に対し垂直な方向に印加される一定磁界Hexのもとで照射し、磁区の形成される範囲を得た(以下、この時の照射条件をA条件と呼ぶ)。次に、このA条件を用いて、該光磁気ディスクを、レーザーに対し微動させながら連続的にレーザーパルスを発振させ光磁気記録媒体に照射してストライプ状の磁区を得て、このストライプ状の磁区の上に再度レーザーを照射し、磁区の切断される条件(以下、この時の照射条件をA′条件と記す)を得た。次に、これらの条件をもとに実際にオーバーライトを実施した。ここでは磁性膜として図1に示す温度特性を持つTbFeCo系アモルファス磁性膜(膜厚2000Å)を記録膜とする光磁気ディスクをサンプルに用いて評価した結果を示す。本サンプルは基板にガラスを、保護膜にSiN膜を使用した。図5は、100Oeの外部磁界を磁区書込に有利な方向(遷移金属原子のサブラティスモーメントと逆方向)に印加した状態での上記A、A′条件を示したものである。図5に示したA、A′条件のうちA条件として10mW、1000nsecを固定してA′条件となるべき強度、照射時間を種々変更し、また、A′条件として15mW、200nsecを固定してA条件となるべき強度、照射時間を種々変更して、各種の照射条件の組合わせでオーバーライト実験を行った。尚、レーザーパルスの膜面上での照射位置が0.8μm間隔となるように設定した。その結果、図5に示すようにA条件に相当する領域では磁区が形成され、A′条件に相当する部分では磁区は形成されないか、あるいは以前磁区が存在していた場合は完全に消去された。これは以前書かれていた磁区情報には一切依存せず、A、A′の2値条件のみにより決定された。A条件及びA′条件の組み合わせとオーバーライトの可否の例を表1に示す。
【0021】
【表1】
Figure 0003556958
【0022】
以上のことからτw≧τe、Pw・τw>Pe・τeの場合に特に良好なオーバーライトが可能であることが判明した。
【0023】
次に(ii)の方式について説明する。この方式で使用する光磁気記録装置の装置構成としては(i) の方式の場合と同様簡単な装置構成とすることができる。また、使用する光磁気記録媒体も(i) の場合と同様な媒体を使用することができる。
【0024】
この方式を提案するにあたり、本発明者らは以下のような実験を行った。即ち、前述のオーバーライト実験で使用したものと同様な光磁気ディスク(TbFeCo膜)をサンプルとし、このサンプルに対しレーザーを照射し記録、消去を以下のようにして行った。記録に際してはサンプルを固定し、様々な強度及びパルス幅でレーザーパルスをサンプルに照射し、それによって形成される磁区半径を測定した。また消去は半径0.5μmの円筒状磁区の直上にレーザー照射をやはり様々な条件にて行い、その変化を調べた。使用した装置は、光ピックアップのもれ磁界を減少させるため光ピックアップを磁気シールドしてあり、サンプル上の記録位置における外部磁界は磁区書込に有利な方向(遷移金属原子のサブラティスモーメントと逆方向)に100Oe印加されている状態にした。その結果の一例を図6に示す。
【0025】
図6は、パルス強度15mWのもとで、パルス幅を変化させて磁区半径を測定した結果である。図中太実線は磁気バブル理論に基づく磁区半径計算(B.G.HUTH;IBM J.RES.DEV.,1974年3月)の結果であり、細実線はレーザー照射により磁区が収縮あるいは消滅する磁区半径の範囲である。矢印は磁区上にレーザー照射を行った時の磁区半径の変化を示す。○は書込磁区半径の測定値、また破線の矢印は円筒状磁区(磁区半径は△で示される)上にレーザー照射を行った時の磁区半径の変化を実測した結果を示す。この結果から、レーザー照射条件により、このサンプルは、磁区半径を制御できることが確認できた。なお、磁性膜がTcomp<Trの磁気特性を持つサンプル、あるいは磁性膜がTcompを持たないサンプルについても上記と同様な実験を行ったが、これらのサンプルについては磁区の収縮あるいは消滅する現象は見られなかった。
【0026】
さらに、本発明者は上記実験結果をふまえて、図2の特性を示す磁性膜を有するサンプルを一定速度で動かし、サンプルに様々な形状(強度、パルス幅)のレーザーパルスを照射し、オーバーライトが良好に行える条件を求めた。その結果、図7(a)に示すような条件(A,B,A′,B′条件)、すなわち、
Pw<Pe
Pw・τw>Pe・τe
Pw=Pe
τw=τe
(ただし、Pw、τwはそれぞれ磁区形成時に第1番目に照射するレーザーパルスの強度及びパルス幅、Pw、τwはそれぞれ磁区形成時に第2番目以降に照射するレーザーパルスの強度及びパルス幅、Pe、τeはそれぞれ磁区消去時に第1番目に照射するレーザーパルスの強度及びパルス幅、Pe、τeはそれぞれ磁区消去時に第2番目以降に照射するレーザーパルスの強度及びパルス幅
である。)
とすれば、オーバーライトが良好に行えることが確認できた。ここで、A,A′、B,B′条件の役割について以下に述べる。
・A条件は、その直前まで後述するB′条件により磁区のない状態が形成された後、それに続く照射としてB′条件によって運ばれてきた円筒状磁区を受け取り、その磁区の後端のエッジ部を固定する。従って、B′条件照射後の余熱が存在する環境下でも十分シャープなエッジを形成する必要がある。実験では5mW、500nsecのパルスを用いた。
・B条件は、その直前にA条件照射が行われ前述のように円筒状磁区が安定化された後、この円筒状磁区の遠い側の磁区を固定したまま磁区を引き伸ばす為に使われる。この条件としては図6中の15mW、200nsecのレーザーパルスが良好であった。この際、磁区幅は1.0μm前後のものであった。また、B条件とA条件を一致させた場合、すなわちB条件として前述のA条件5mW、500nsecを用いた場合においても磁区形成は可能である。この場合、レーザー駆動部の負担を軽減することができる点で有利であるが、ディスク回転速度、記録周波数等を向上させる上ではB条件を独立に設定しておいた方が有利である。・A′条件は、前記B条件に続いて行われる照射であって、B条件によって引き伸ばされてきた磁区を切断すると同時に照射部にオーバーライト以前の記録磁区が残っていた場合は、それを消去する働きをする。
・B′条件は、A′条件によって磁区が消去された後、この磁区のない状態を次の磁区形成部まで続ける働きをする。ここで、B′=Bとなっている点について述べる。磁区を引き伸ばす場合(B条件)も磁区のない状態を引き伸ばす場合(B′条件)も、ともに同条件で行われているわけであるが、B条件の場合は、照射部にある円筒状の磁区が形成され、それが次のB′条件照射(間隔Dを置いた部分に照射される)の際にそちらの照射部まで引っ張り込まれる(見かけ上照射部から照射部まで磁区が移動しているように見える)。その際、以前書かれていた磁区が存在していたとしても、この円筒状磁区に吸収され、B′条件照射を行った後には磁区は残らないようになる。そして、B′条件照射を数回続けて行った後、最後のB′条件照射部まで移動した円筒状磁区はB′条件照射に続くA条件照射により固定され新たな記録磁区となるわけである。B条件照射の場合はA条件照射により固定化された磁区を円筒状のまま引き寄せることはできない為、A条件照射部に形成された円筒状磁区の遠い側の磁壁は固定されたままになりストライプ状に伸びることになる。
図7(a)のようなレーザーパルスを照射した場合、磁区は図7(b)のMのように形成される。なお、A,B,A′,B′条件の組合せの一例を表2に示す。
【0027】
【表2】
Figure 0003556958
【0028】
これに対し、図7(c)及び(d)ような条件でレーザーパルスを照射してみたところ、いかなるパルス強度の組み合わせにおいても良好なオーバーライトを行うことはできなかった。
【0029】
次に、本発明の方法について詳述する。先ず、請求項1の方法について述べる。この方法では、単層の垂直磁化膜を記録膜とする光磁気ディスクにレーザーを照射することにより磁区の形成及び消去を制御してオーバーライト可能な光磁気記録を行うにあたり、磁区形成時及び磁区消去時にそれぞれ1種類のレーザーパルスを複数個照射することにより所望の長さに磁区を形成あるいは消去する。ここで、図3に示すような条件で、磁区形成時に照射されるレーザーをA照射、磁区消去時に照射されるレーザーをA′照射とする。光磁気ディスクが静止しているときのA,A′照射のパルス波形と、A,A′照射による膜面の等温線と温度分布を図8に示す。A,A′照射による温度分布のそれぞれの傾斜をa,a′とする。したがって本発明で言う温度分布の傾斜とは、温度傾度の絶対値の最大値を意味し、最も緩やかな温度分布の傾斜とは、前記等温線の温度分布間の傾きが最も緩やかなものを指し、最も急峻な温度分布の傾斜とは、前記等温線の温度分布間の傾きが最も急峻なものを指す。
光磁気ディスクが高速で回転しているときA照射で記録を行うとすると、膜面の等温線と温度分布は図9のようになる。ここでA照射による温度分布の、光の進行方向前側の傾斜をaf、後側の傾斜をabとすると、図9のようにafの傾きは急になり、abは緩やかになる。afがA′照射による温度分布の傾斜a′と重なる部分が現れたとし、またabが本来の傾斜からずれつつもaの役割を担っていたとすると、形成される磁区は図9で斜線で示した形になる。光磁気ディスクが回転していても、A照射で期待される磁区形は、凹部分のない円あるいは楕円であるから、aからずれて急になっていても、afは最も緩やかなa′より小さくなくてはならない。またaからずれて緩やかになっていても、abは最も緩やかなa以上でなくてはならない。即ち、af<a′かつab≧aなる条件を満たす必要がある。この条件を満足するような温度分布を作るために、請求項1の方法では、レーザーを図10のように時間変化させて照射する。このようにすると温度分布の片寄りは是正され、光の進行方向前側の傾斜afも後側の傾斜abもA条件を満足し、凹部分のない円あるいは楕円の磁区が形成される。
【0031】
次に、請求項2の方法について述べる。この方法においても、単層の垂直磁化膜を記録膜とする光磁気ディスクにレーザーを照射することにより磁区の形成及び消去を制御してオーバーライト可能な光磁気記録を行うにあたり、磁区形成時及び磁区消去時にそれぞれ1種類のレーザーパルスを複数個照射することにより所望の長さに磁区を形成あるいは消去する。光磁気ディスクが高速で回転しているとき上記のようなA′照射で消去を行おうとすると、膜面の等温線と温度分布は図11のようになる。ここでA′照射による温度分布の、光の進行方向前側の傾斜をa′f、後側の傾斜をa′bとすると図11のようにa′fの傾きは急になり、a′bは緩やかになる。a′bがA′照射による温度分布の傾斜aと重なる部分が現れたとし、またa′bが本来の傾斜からずれつつもa′の役割を担っていたとすると、形成される磁区は図11で斜線で示した形になる。光磁気ディスクが回転していても、A′照射で期待されるのは完全な消去であるから、a′からずれて急になっていても、a′fは最も急峻なa′以下でなくてはならない。またa′からずれて緩やかになっていても、a′bは最も急峻なaより大きくなくてはならない。即ち、a′b>aかつa′f≦a′なる条件を満足する必要がある。この条件を満足するような温度分布を作るために、請求項2発明では、レーザーを図12のように時間変化させて照射する。このようにすると温度分布の片寄りは是正され、光の進行方向前側の傾斜a′fも後側の傾斜a′bもA′条件を満足し、完全な消去が行なわれる。
【0032】
請求項1又は請求項2の方法において、磁区形成時に照射するレーザーパルスの強度をPw、パルス幅をτw、磁区消去時に照射するレーザーパルスの強度をPe、パルス幅をτeとしたとき、τw≧τe及びPw・τw>Pe・τeなる関係を満足するように照射を行うことがより望ましい。ここでレーザーパルスの強度とは、パルス強度の時間平均である。
【0033】
次に、請求項3の方法について述べる。この方法は、単層の垂直磁化膜を記録膜とする光磁気記録媒体にレーザーを照射することにより磁区の形成及び消去を制御してオーバーライト可能な光磁気記録を行うにあたり、磁区形成時及び磁区消去時にそれぞれ2種類のレーザーパルスを組み合わせて複数個照射することにより所望の長さに磁区を形成あるいは消去する。ここで磁区形成時に照射されるレーザーをA照射、磁区消去時に照射されるレーザーをA′照射、また磁区形成と磁区消去の第2番目以降のレーザーパルスが同一である場合、それを磁区の引き延ばしのために照射されるレーザーをB照射とする。光磁気ディスクが静止しているときのA,A′,Bのパルス波形と、A,A′,B照射による膜面の等温線と温度分布を図13に示す。温度分布のそれぞれの傾斜をa,a′,bとする。光磁気ディスクが高速で回転しているときA照射で記録を行おうとすると、膜面の等温線と温度分布は図14のようになる。A照射による温度分布の、光の進行方向前側の傾斜をaf、後側の傾斜をabとする。図14のようにafの傾きは急峻になり、abは緩やかになる。afがB照射による温度分布の傾斜bと重なる部分が現れたとし、またabが本来の傾斜からずれつつもaの役割を担っていたとすると、形成される磁区は図14で斜線で示した形になる。光磁気ディスクが回転していても、A照射で期待される磁区形は、凸部分のない円あるいは楕円であるから、aからずれて急峻になっていても、afは最も緩やかなbより小さくなくてはならない。またaからずれて緩やかになっていても、abは最も緩やかなa以上でなくてはならない。即ち、af<bかつab≧aなる条件を満足する必要がある。この条件を満足するような温度分布を作るために、請求項3の方法ではレーザーを図15のように時間変化させて照射する。。このようにすると温度分布の片寄りは是正され、光の進行方向前側の傾斜afも後側の傾斜abもA条件を満足し、凸部分のない円あるいは楕円の磁区が形成される。
【0034】
次に、請求項4の方法について述べる。この方法も、単層の垂直磁化膜を記録膜とする光磁気記録媒体にレーザーを照射することにより磁区の形成及び消去を制御してオーバーライト可能な光磁気記録を行うにあたり、磁区形成時及び磁区消去時にそれぞれ2種類のレーザーパルスを組み合わせて複数個照射することにより所望の長さに磁区を形成あるいは消去する。ここで光磁気ディスクが高速で回転しているとき上記のようなB照射で磁区の引き延ばしを行おうとすると、膜面の等温線と温度分布は図16のようになる。ここでB照射による温度分布の、光の進行方向前側の傾斜をbf、後側の傾斜をbbとする。図16のようにbfの傾きは急峻になり、bbは緩やかになる。bfがA′照射による温度分布の傾斜a′と重なる部分が現れたとすると、形成される磁区は図16の▲1▼▲2▼の形になる。▲1▼は記録磁区を引き延ばそうとB照射した場合で、▲2▼は消去磁区を引き延ばそうとB照射した場合である。▲2▼の場合は問題ないが、▲1▼で光磁気ディスクが回転していてもB照射で期待される磁区形は、凹部分のない円あるいは楕円であるから、Bからずれて急峻になっていても、bfは最も緩やかなa′より小さくなくてはならない。あるいはbbがA照射による温度分布の傾斜aと重なる部分が現れたとすると、形成される磁区は図16の▲3▼▲4▼の形になる。▲3▼は記録磁区を引き延ばそうとB照射した場合で、▲4▼は消去磁区を引き延ばそうとB照射した場合である。▲3▼で光磁気ディスクが回転しても、B照射で期待される磁区形は、凸部分のない円あるいは楕円である。▲4▼で光磁気ディスクが回転しても、B照射で期待されるのは消去磁区の引き延ばしであるであるから、bからずれて緩やかになっていても、bbは最も急峻なaより大きくなくてはならない。即ち、bf<a′かつbb>aなる条件を満足する必要がある。この条件を満足するような温度分布を作るために、請求項4の発明ではレーザーを図17のように時間変化させて照射する。このようにすると、温度分布の片寄りは是正され、光の進行方向前側の傾斜bfも後側の傾斜bbもB条件を満足し、凸部分のない円あるいは楕円の磁区が形成される。あるいは完全な消去が行なわれる。
【0035】
次に、請求項5の方法について述べる。この方法も、単層の垂直磁化膜を記録膜とする光磁気記録媒体にレーザーを照射することにより磁区の形成及び消去を制御してオーバーライト可能な光磁気記録を行うにあたり、磁区形成時及び磁区消去時にそれぞれ2種類のレーザーパルスを組み合わせて複数個照射することにより所望の長さに磁区を形成あるいは消去する。ここで光磁気ディスクが高速で回転しているときA′照射で消去を行おうとすると、膜面の等温線と温度分布は図18のようになる。ここでA′照射による温度分布の、光の進行方向前側の傾斜をa′f、後側の傾斜をa′bとすると、図18のようにa′fの傾きは急峻になり、a′bは緩やかになる。a′bがB照射による温度分布の傾斜bと重なる部分が現れたとし、またa′fが本来の傾斜からずれつつもa′の役割を担っていたとすると、形成される磁区は図18で斜線で示した形になる。光磁気ディスクが回転していても、A′照射で期待される磁区形は、完全な消去であるから、a′からずれて急になっていても、a′fは最も急峻なa′以下でなくてはならない。またa′からずれて緩やかになっていても、a′bは最も急峻なbより大きくなくてはならない。即ち、a′b>bかつa′f≦a′なる条件で満足する必要がある。この条件を満足するような温度分布を作るために、請求項5の発明ではレーザーを図19のように時間変化させて照射する。このようにすると温度分布の片寄りは是正され、光の進行方向前側の傾斜a′fも後側の傾斜a′bもA′条件を満足し、完全な消去が行なわれる。
【0036】
請求項3〜5の方法における好ましい態様として、磁区形成時及び磁区消去時ともに、第1番目に照射するレーザーパルスと第2番目以降に照射するレーザーパルスとで異なった種類のレーザーパルスとして記録、消去を行う方式がである。
また、請求項3〜5の方法における好ましい態様として、磁区形成時に第1番目に照射するレーザーパルスの強度をPw、パルス幅をτw、第2番目以降に照射するレーザーパルスの強度をPw、パルス幅をτw、磁区消去時に第1番目に照射するレーザーパルスの強度をPe、パルス幅をτe、磁区形成時に第2番目以降に照射するレーザーパルスの強度をPe、パルス幅をτeとしたとき、
Pw<Pe
Pw・τw>Pe・τe
Pw=Pe
τw=τe
なる関係式を同時に満足するようにして記録、消去を行う方式がある。ここでレーザーパルスの強度とは、パルス強度の時間平均である。
【0037】
以上のように、本発明では、記録膜に照射するレーザーの出力を時間変化させ、記録膜の温度分布を光の進行方向前側の傾斜と後側の傾斜を制御する。そうすることによって高速で記録、消去を行なえ、高いC/N比を得ることができる。更にピットエッジ記録が可能となる。
【0038】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、本発明者らが先に提案した方法(特願平3−221125号明細書)において光磁気記録媒体を高速で回転させた時に媒体記録膜の温度分布がレーザーの進行方向の前後で異なり、数種のレーザー照射による微妙な温度分布の差に狂いが生じる問題が、レーザーの出力を時間変化させることによって解決され、変形した磁区や消し残し磁区の形成が防止され、高速が記録、消去を行え、しかも高いC/N比が得られるようになる。更にピットエッジ記録が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明者らが先に提案した方法に用いる光磁気記録媒体の磁性膜の特性説明図である。
【図2】上記方法に用いる光磁気記録媒体の層構成例を示す断面図である。
【図3】上記方法における記録、消去時のレーザー照射条件の説明図である。
【図4】上記方法による磁区形成のメカニズムの説明図である。
【図5】上記方法の第1の方式の記録条件及び消去条件の範囲の説明図である。
【図6】照射レーザーのパルス幅を変化させた時の磁区半径を測定した結果を示す図である。
【図7】上記方法の第2の方式の記録、消去時のレーザー照射条件の説明図である。
【図8】光磁気ディスクが静止しているときのA,A′照射のパルス波形と、A,A′照射による膜面の等温線と温度分布を示す図である。
【図9】光磁気ディスクが回転しているときにA照射で記録を行った場合の膜面の等温線と温度分布を示す図である。
【図10】請求項1の発明によりA照射を行った場合の図9と同様な図である。
【図11】光磁気ディスクが回転しているときにA′照射で記録を行った場合の膜面の等温線と温度分布を示す図である。
【図12】請求項2の発明によりA′照射を行った場合の図11と同様な図である。
【図13】光磁気ディスクが静止しているときのA,A′,Bのパルス波形と、A,A′,B照射による膜面の等温線と温度分布を示す図である。
【図14】光磁気ディスクが回転しているときにA照射で記録を行った場合の膜面の等温線と温度分布を示す図である。
【図15】請求項3の発明によりA照射を行った場合の図14と同様な図である。
【図16】光磁気ディスクが回転しているときにB照射で磁区の引き伸ばしを行った場合の膜面の等温線と温度分布、磁区形を示す図である。
【図17】請求項4の発明によりB照射を行った場合の図16と同様な図である。
【図18】光磁気ディスクが回転しているときにA′照射で消去を行った場合の膜面の等温線と温度分布を示す図である。
【図19】請求項5の発明によりA′照射を行った場合の図18と同様な図である。
【符号の説明】
1 基板
2 RE−TM系アモルファス磁性膜
3 保護膜

Claims (5)

  1. 単層の垂直磁化膜を記録膜とする光磁気記録媒体にレーザーを照射することにより磁区の形成及び消去を制御してオーバーライト可能な光磁気記録を行うにあたり、磁区形成時及び磁区消去時にそれぞれ1種類のレーザーパルスを複数個照射することにより所望の長さに磁区を形成あるいは消去する光磁気記録方法であって、磁区形成時のレーザーパルス照射による記録膜の温度分布における光の進行方向前側の傾斜をaf、後側の傾斜をabとし、光磁気記録媒体を回転させない状態で、レーザーパルスにおいて生ずる磁区形成が可能でかつ最も緩やかな温度分布の傾斜をa、また、光磁気記録媒体を回転させない状態で、レーザーパルスにおいて生ずる磁区消去が可能でかつ最も緩やかな温度分布の傾斜をa′としたとき、af<a′、ab≧aなる条件を満足するように、磁気形成時に照射するレーザーパルスの出力を時間変化させて記録を行うことを特徴とする光磁気記録方法。
  2. 単層の垂直磁化膜を記録膜とする光磁気記録媒体にレーザーを照射することにより磁区の形成及び消去を制御してオーバーライト可能な光磁気記録を行うにあたり、磁区形成時及び磁区消去時にそれぞれ1種類のレーザーパルスを複数個照射することにより所望の長さに磁区を形成あるいは消去する光磁気記録方法であって、磁区消去時のレーザーパルス照射による記録膜の温度分布における光の進行方向前側の傾斜をa′f、後側の傾斜をa′bとし、光磁気記録媒体を回転させない状態で、レーザーパルスにおいて生ずる磁区形成が可能でかつ最も急峻な温度分布の傾斜をa、また、光磁気記録媒体を回転させない状態で、レーザーパルスにおいて生ずる磁区消去が可能でかつ最も急峻な温度分布の傾斜をa′としたとき、a′b>a、a′f≦a′なる条件を満足するように、磁気消去時に照射するレーザーパルスの出力を時間変化させて消去を行うことを特徴とする光磁気記録方法。
  3. 単層の垂直磁化膜を記録膜とする光磁気記録媒体にレーザーを照射することにより磁区の形成及び消去を制御してオーバーライト可能な光磁気記録を行うにあたり、磁区形成時及び磁区消去時にそれぞれ2種類のレーザーパルスを組み合わせて複数個照射することにより所望の長さに磁区を形成あるいは消去する光磁気記録方法であって、磁区形成時の第1番目のレーザーパルス照射による記録膜の温度分布における光の進行方向前側の傾斜をaf、後側の傾斜をabとし、磁区形成時の第1番目のレーザーパルス照射による光磁気記録媒体を回転させない状態で、レーザーパルスにおいて生ずる磁区形成が可能でかつ最も緩やかな温度分布の傾斜をa、また、磁区形成と磁区消去の第2番目以降のレーザーパルスが同一である場合、光磁気記録媒体を回転させない状態で、レーザーパルスにおいて生ずる磁区形成消去が可能でかつ最も緩やかな温度分布の傾斜をbとしたとき、af<b、ab≧aなる条件を満足するように、磁区形成時に第1番目に照射するレーザーパルスの出力を時間変化させて記録を行うことを特徴とする光磁気記録方法。
  4. 単層の垂直磁化膜を記録膜とする光磁気記録媒体にレーザーを照射することにより磁区の形成及び消去を制御してオーバーライト可能な光磁気記録を行うにあたり、磁区形成時及び磁区消去時にそれぞれ2種類のレーザーパルスを組み合わせて複数個照射することにより所望の長さに磁区を形成あるいは消去する光磁気記録方法であって、磁区形成と磁区消去の第2番目以降のレーザーパルスが同一である場合、磁区形成消去時の第2番目以降のレーザーパルス照射による記録膜の温度分布における光の進行方向前側の傾斜をbf、後側の傾斜をbbとし、光磁気記録媒体を回転させない状態で第1番目のレーザーパルス照射により生じる磁区形成可能でかつ最も急峻な温度分布の傾斜をa、また、光磁気記録媒体を回転させない状態で、第1番目のレーザーパルスにおいて生ずる磁区消去が可能でかつ最も緩やかな温度分布の傾斜をa′としたとき、bf<a′、bb>aなる条件を満足するように、磁区消去時に第2番目に照射するレーザーパルスの出力を時間変化させて記録、消去を行うことを特徴とする光磁気記録方法。
  5. 単層の垂直磁化膜を記録膜とする光磁気記録媒体にレーザーを照射することにより磁区の形成及び消去を制御してオーバーライト可能な光磁気記録を行うにあたり、磁区形成時及び磁区消去時にそれぞれ2種類のレーザーパルスを組み合わせて複数個照射することにより所望の長さに磁区を形成あるいは消去する光磁気記録方法であって、磁区消去時の第1番目のレーザーパルス照射による記録膜の温度分布における光の進行方向前側の傾斜をa′f、後側の傾斜をa′bとし、光磁気記録媒体が回転させない状態で、第1番目のレーザーパルス照射によって生じる磁区消去可能で最も急峻な温度分布の傾斜をa′、また、磁区形成と磁区消去の第2番目以降のレーザーパルスが同一である場合、光磁気記録媒体が回転させない状態で、第2番目以降のレーザーパルス照射によって生じる磁区形成消去可能で最も急峻な温度分布の傾斜をbとしたとき、a′b>b、a′f≦a′なる条件を満足するように、磁区消去時に第1番目に照射するレーザーパルスの出力を時間変化させて消去を行うことを特徴とする光磁気記録方法。
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