JP3556825B2 - サンダ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダストバッグの開口が結合される筒体をハウジングに設けた研削粉の排出筒に連結し、研削粉を筒体を介してダストバッグに回収可能としたサンダに関する。
【0002】
【従来の技術】
サンダ、例えばベルトサンダは、ハウジングの下面にあってモータ駆動する前後一対のローラ間にサンディングベルトを張設して回転させることで、木材等の研削加工を可能としており、同時に、ハウジング内でモータ軸に固着された集塵ファンの回転によって、ハウジングの下面に形成された研削粉の集塵口から研削粉を吸い込み、ハウジングに形成された集塵路に導いて排出筒から研削粉を排出可能としている。又、排出筒には、ダストバッグ内へ挿入される枠を備え、ダストバッグの開口を結合した筒体を連結して、排出される研削粉を回収可能となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、被研削材が木材で、ハウジングが合成樹脂製であると、集塵口から吸い込まれた研削粉がハウジング内の集塵路を通過する際、ハウジングとの摩擦により静電気を発生させやすい。帯電列によれば、例えばナイロン製のハウジングは(+)に、木材である研削粉は(−)に帯電する。そして、(−)電荷は集塵ファン等のハウジング内の導体に集電される一方、(+)電荷は研削粉と共にダストバッグ内に集まる。集塵ファン等に集まる(+)電荷は、ローラ等の他の導体を介して分散されたり電源に漏洩したりするため、問題が生じないが、ダストバッグに溜まった(−)電荷は、筒体自体もポリプロピレン等の合成樹脂で成形されることから、放電経路がなく、研削粉の増加に伴って高い帯電圧の静電気となってしまう。よって、作業者がハウジングのハンドルを握る際等にダストバッグに手が触れたり接近したりすると、作業者の手に放電し、この放電によって作業者に不快感を与えることになる。
【0004】
そこで、請求項1に記載の発明は、ダストバッグに回収される研削粉の帯電を抑制し、放電により使用感を損ねることがないサンダを提供することを目的としたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、枠を含む筒体を導電性樹脂で一体成形する一方、前記ハウジングに、前記排出筒への連結と同時に前記筒体を前記ハウジング内の導体に電気的接続させる導通手段を設けたことを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1の目的に加えて、導通手段を低コストで簡単に形成するために、導通手段を、ハウジング内の導体に接触した状態で排出筒内に設けられ、排出筒への筒体の連結状態で筒体に接触する金属製のアースプレートとしたものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1はベルトサンダ1の斜視図、図2は同じ側から見た側面図、そして図3はその底面図で、ナイロン製の本体ハウジング2の上部には、短手方向と平行にモータ3が内蔵される一方、本体ハウジング2の下部には、短手方向と平行な一対の駆動ローラ4、従動ローラ5が長手方向の前後に軸支されており、後方側(図2,3の右側)に位置する駆動ローラ4のローラ軸4aと一体のギヤ4bには、プーリ7を備えたヘリカルギヤ6が噛合し、プーリ7とモータ軸3aに固着した集塵ファン8(アルミニウム製)のギヤ部8aとの間には、シンクロベルト9が張設されて、モータ軸3aの回転をプーリ7を介して駆動ローラ4に伝達可能としている。又、駆動ローラ4と従動ローラ5との間には、幅広帯状のサンディングベルト10が張設されて本体ハウジング2の下面に露出しており、駆動ローラ4の回転によって、両ローラの間でサンディングベルト10が図2の矢印方向に回転するものとなる。尚、11は本体ハウジング2の上方中央で長手方向に形成されたハンドルである。
【0007】
又、本体ハウジング2下部における駆動ローラ4の後方には、本体ハウジング2の短手方向に集塵口12が形成されると共に、この集塵口12と連続する導入路13が、駆動ローラ4を上方に回り込んで前方へ向かうように本体ハウジング2の内部に形成されている。一方、本体ハウジング2の側方には、モータ軸3aを周回する集塵路15を形成した平皿状のスクロールプレート14が、モータ軸3aに貫通される格好で組み付けられており、このスクロールプレート14の集塵路15の入口に導入路13が連通している。尚、集塵ファン8は、集塵路15に羽根側を対向させ、スクロールプレート14の上面にギヤ部8aを除いて披着される金属製のファンプレート16によって、スクロールプレート14内に収容されている。
更に、本体ハウジング2の側面には、スクロールプレート14及びシンクロベルト9、プーリ7を覆う格好でカバー17が取着され、カバー17の上部後方には、ハンドル11と平行に排出筒18が突設されて、スクロールプレート14の集塵路15の出口と連通している。この排出筒18には、図4にも示す如く、排出筒18からカバー17の内面に沿って折曲形成される金属製のアースプレート19が設けられ、アースプレート19のスクロールプレート14側の一端は、ファンプレート16に接触する一方、排出筒18側の他端は、排出筒18の端縁から外側へ折返される折返し部19aに形成されて外面へ露出している。
【0008】
そして、排出筒18には、ダストバッグアッセンブリ20が装着される。このダストバッグアッセンブリ20は、排出筒18に連結(外嵌)可能で、その連結部分を除く側面を軸方向に開放して枠22,22・・を枝状に延設した筒体としてのカフス21と、袋状のダストバッグ23とからなり、枠22部分がダストバッグ23内に挿入された状態でダストバッグ23の開口をカフス21の筒側に結合することで、図1のようにダストバッグ23は内部に伸長するカフス21及びその枠22,22・・によって形状を保持される。又、カフス21は、導電性樹脂(ここではカーボン入ポリプロピレン)で一体成形されて導電性を付与されており、排出筒18に連結した状態では、その連結部分が排出筒18の外側に露出するアースプレート19の折返し部19aと接触し、カフス21はファンプレート16と電気的接続されることになる。
【0009】
以上の如く構成されたベルトサンダ1は、モータ3を駆動させると、シンクロベルト9を介して駆動ローラ4が回転し、従動ローラ5との間でサンディングベルト10を回転させて被研削材を研削する。同時に集塵ファン8が回転して、集塵口12から研削粉を吸い込み、導入路13を介してスクロールプレート14まで導き、更に集塵路15から排出筒18へ送り出し、カフス21を介して連結されるダストバッグ23内に研削粉を排出する。このとき、被研削材が木材等の(−)に帯電しやすい材料であれば、その研削粉は導入路13を通過する際、ナイロン製の本体ハウジング2との摩擦によって(−)に帯電すると共に、本体ハウジング2や集塵ファン8、ファンプレート16等は(+)に帯電する静電気を夫々生じさせる。しかし、本体ハウジング2や集塵ファン8等の(+)電荷は、シンクロベルト9や駆動ローラ4等を介して分散されて、電源に漏洩等される。
一方、研削粉においては、前述の如く導電性を有するカフス21が排出筒18外面のアースプレート19に接触して、ファンプレート16と電気的接続されているため、ダストバッグ23へ貯留する前に研削粉がカフス21やその枠22,22・・に接触することで、その(−)電荷はカフス21からアースプレート19を介して(+)に帯電しているファンプレート16や集塵ファン8に落とされることとなり、(+)と(−)との電荷が結合して消滅し(中和)、或は前述のようにシンクロベルト9や駆動ローラ4等を介して電源に漏洩される。
【0010】
このように上記形態によれば、ダストバッグ23を結合するカフス21に導電性を付与してカバー17側のファンプレート16等の導体まで電気的接続しているため、集塵中に研削粉に発生する静電気は中和或は電源に漏洩され、ダストバッグ23に回収された状態での研削粉の帯電を効果的に防止することができる。よって、作業者がハンドル11を持つ手がダストバッグ23に触れたり近づいたりしても、静電気による放電が生じず、使用感を損ねることがないのである。
又、枠22と共にカフス21を導電性樹脂で一体成形しているから、カフス21への導電性の付与を軽量のまま低コストで実現できる。又、カフス21が一部品で得られて組付けも簡単になる。
【0011】
尚、カフス21自体の形状上記形態に限定するものでなく、ダストバッグ23を結合してベルトサンダ1に連結可能であれば、枠22の数や形状等も含めて適宜設計変更可能である。
更に、上記形態では、ダストバッグアッセンブリ20とファンプレート16等への導通手段をアースプレート19によって実現している。この場合アースプレート19一部品のみで両者間の電気的接続が可能となり、コスト面等で望ましいが、この構成も適宜変更可能で、排出筒18内に排出筒18の端縁に係止するフランジ部や折返し部を設けた金属製のスリーブを嵌入したり、カバー17や排出筒18をカフス21のように導電性樹脂で成形したりする等、カフス21の装着と同時に内部の導体と電気的接続する構成であれば、導通手段は限定しない。
【0012】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、ダストバッグを装着する筒体を導電性樹脂で一体成形して導電性を付与すると共に、これを導通手段によって本体ハウジング内の導体まで電気的接続しているため、集塵中に研削粉に発生する静電気は中和或は電源に漏洩され、ダストバッグに回収された状態での研削粉の帯電を効果的に防止することができる。よって、作業者がハンドルを持つ手がダストバッグに触れたり近づいたりしても、静電気による放電が生じず、使用感を損ねることがない。特に、筒体を導電性樹脂で一体成形しているから、筒体への導電性付与を軽量のまま低コストで実現できる。又、枠を含む筒体が一部品で得られて組付けも簡単になる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、導通手段を、ハウジング内の導体に接触した状態で排出筒内に設けられ、排出筒への筒体の連結状態で筒体に接触する金属製のアースプレートとしたことで、導通手段を低コストで簡単に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ベルトサンダの斜視図である。
【図2】ベルトサンダの側面図である。
【図3】ベルトサンダの底面図である。
【図4】排出筒とダストバッグアッセンブリとの連結状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1・・ベルトサンダ、2・・本体ハウジング、3・・モータ、8・・集塵ファン、10・・サンディングベルト、11・・ハンドル、12・・集塵口、13・・導入路、14・・スクロールプレート、16・・ファンプレート、18・・排出筒、19・・アースプレート、20・・ダストバッグアッセンブリ、21・・カフス、22・・枠、23・・ダストバッグ。

Claims (2)

  1. ダストバッグ内へ挿入される枠を一体に備え、前記ダストバッグの開口を結合した筒体を、ハウジングに設けた研削粉の排出筒に連結し、前記ハウジングから排出される研削粉を前記筒体を介してダストバッグに回収可能としたサンダであって、
    前記枠を含む筒体を導電性樹脂で一体成形する一方、前記ハウジングに、前記排出筒への連結と同時に前記筒体を前記ハウジング内の導体に電気的接続させる導通手段を設けたことを特徴とするサンダ。
  2. 導通手段を、ハウジング内の導体に接触した状態で排出筒内に設けられ、前記排出筒への筒体の連結状態で前記筒体に接触する金属製のアースプレートとした請求項1に記載のサンダ。
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