JP3556707B2 - ビーズ発泡成形用金型 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、ビーズ発泡成形に用いる金型、更に詳しくは、板状のビーズ発泡成形品を成形するのに適した金型に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ビーズ発泡成形用金型としては、異なる成形品を成形する場合に、金型交換を容易にすると共に、金型費用を節減できるよう、図5に示されるようなマスターフレーム型の金型が最も広く使用されている。
【0003】
図5中、101a,101bは固定側及び移動側のマスターフレーム、102はキャビティ金型、103はコア金型、104は成形品キャビティ、105原料フィーダー、106a,106bは背面プレート、107はエジェクターピン、108はシール材、109は補強サポートである。
【0004】
このマスターフレーム型の金型の場合、マスターフレーム101a,101bに対してキャビティ金型102及びコア金型103が夫々着脱可能に取り付けられており、異なる成形品を成形する場合にはキャビティ金型102及びコア金型103を取り外して交換することで対応できるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、キャビティ金型102及びコア金型103は、夫々コアベントが打ち込まれたベント孔を有し、成形品に応じて精密に加工された高価な部材であるので、異なる成形品毎にこれらを用意するのはコスト的負担が大きい問題がある。また、キャビティ金型102及びコア金型102と共に補強サポート109も交換もしくは調整しなければならず、交換作業が面倒である。更に、交換したキャビティ金型102及びコア金型103は保管する必要があるが、成形品の種類数だけこの両者を保管する手間及びスペースを要する問題もある。
【0006】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、板状のビーズ発泡成形品の成形において、形状や厚さの変更に伴う経費及び労力を軽減すると共に、交換部材の保管に要する手間及びスペースをも軽減することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このために本発明で講じた手段を図1で説明すると、本発明では、平坦な蒸気吹き出しプレート2a,2bを、その前面側が一平面となるように、両マスターフレーム1a,1bの前面側に各々取り付け、少なくとも片方のマスターフレーム1a又は1b側に、型締時に両蒸気吹き出しプレート2a,2b間に挟持されて成形品キャビティ4の側周を区画するアタッチメントプレート3を着脱可能に取り付け、成形品キャビティ4を、両蒸気吹き出しプレート2a,2bの夫々一平面となっている前面側と、成形品キャビティ4の側周を区画するアタッチメントプレート3とによって囲まれた空間として形成することとしているものである。
【0008】
【実施例及び作用】
まず、図1ないし図3に基づいて本発明の一実施例を説明する。
【0009】
図1において、1a,1bは固定側及び移動側のマスターフレーム、5は原料フィーダー、6a,6bは背面プレート、7はエジェクターピン、8はシール材、9は補強サポートで、これらは従来のものと同様である。
【0010】
マスターフレーム1a,1bの前面側(成形品キャビティ4側)には、夫々平坦な蒸気吹き出しプレート2a,2bが取り付けられている。この蒸気吹き出しプレート2a,2bは、従来のキャビティ金型102やコア金型103(図5参照)と同様に蒸気透過性を有するもので、図2に示されるように、コアベント10が打ち込まれたベント孔11を有するものである。
【0011】
本実施例における上記蒸気吹き出しプレート2a,2bは、各々マスターフレーム1a,1bの内側に嵌め込まれるようにして取り付けられている。また、図2に明示されるように、両蒸気吹き出しプレート2a,2bの前面はマスターフレーム1a,1bの前面側端面A,Bと各々面一に揃えられている。従って、両蒸気吹き出しプレート2a,2bの前面側は夫々一平面となっている。
【0012】
固定側のマスターフレーム1aには更にアタッチメントプレート3が着脱可能に取り付けられている。このアタッチメントプレート3は、図3に示されるように中央部が開口した額縁状のもので、図1に示される型締時に両蒸気吹き出しプレート2a,2b間に挟まれ、成形品キャビティ4の側周を区画するものである。即ち、本発明の金型においては、成形品キャビティ4が、蒸気吹き出しプレート2a,2bとアタッチメントプレート3によって囲まれた空間として形成されるものである。
【0013】
本発明に係る金型の場合、金型を開いて、アタッチメントプレート3を交換するだけで、異なる形状又は厚みの成形品を成形することができる。即ち、アタッチメントプレート3を、その開口部の形状や厚みの異なるものと交換することで、形状や厚みの異なる成形品を成形することができる。
【0014】
本実施例におけるアタッチメントプレート3は固定側のマスターフレーム1a側に取り付けられているが、エジェクターピン7が移動側から固定側へ突き出される場合には、移動側のマスターフレーム1bに取り付けることもできる。また、アタッチメントプレート3は、図3に示されるように一枚の板をくりぬいたものではなく、二分割もしくはそれ以上に分割されたものでもよい。更には、固定側と移動側のマスターフレーム1a,1bの両者にアタッチメントプレート3を取り付け、この2枚のアタッチメントプレート3を型締時に合わせることで1つの成形品キャビティ4を構成させることもできる。
【0015】
次に、アタッチメントプレート3の他の取り付け状態を図4に基づいて説明する。尚、図4において図1ないし図3と同じ符号は同様の部材を示す。
【0016】
本実施例における蒸気吹き出しプレート2a,2bは、各々マスターフレーム1a,1bの前面側端面A,Bを覆って取り付けられており、これによって両蒸気吹き出しプレート2a,2bの前面側は夫々一平面となっている。
【0017】
このように蒸気吹き出しプレート2a,2bを取り付けると、蒸気吹き出しプレート2a,2bの取り付け時にその前面と両マスターフレーム1a,1bの前面側端面A,Bの位置合わせをいちいち行わなくても済む利点がある。
【0018】
【発明の効果】
本発明は、以上説明した通りのものであり、次の効果を奏するものである。
【0019】
(1)成形品の形状や厚みの変更時に交換する部材が、成形品キャビティ4の側周を区画するアタッチメントプレート3であり、従来のキャビティ金型102及びコア金型103に比して格段に廉価なもので済むため、成形品の形状及び厚みの変更に伴うコストを低減することができる。
【0020】
(2)成形品の形状や厚みの変更時に交換する部材が、蒸気吹き出しプレート2a,2bに挟まれたアタッチメントプレート3のみであり、この交換に際して補強サポート9の交換や調整を必要としないので、交換作業か極めて容易である。
【0021】
(3)保管を要する交換部材がアタッチメントプレート3のみであり、保管部材数が少なく、保管が容易であると共に保管スペースをとらない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るビーズ発泡成形用金型の一実施例を示す断面図である。
【図2】アタッチメントプレートの取り付け部付近の拡大断面図である。
【図3】アタッチメントプレートの斜視図である。
【図4】アタッチメントプレートの他の取り付け状態を示す断面図である。
【図5】従来のビーズ発泡成形用金型を示す断面図である。
【符号の説明】
1a,1b マスターフレーム
2a,2b 蒸気吹き出しプレート
3 アタッチメントプレート
4 成形品キャビティ
5 原料フィーダー
6a,6b 背面プレート
7 エジェクターピン
8 シール材
9 補強サポート
10 コアベント
11 ベント孔
Claims (4)
- 平坦な蒸気吹き出しプレートが、その前面側が一平面となるように、両マスターフレームの前面側に各々取り付けられており、少なくとも片方のマスターフレーム側に、型締時に両蒸気吹き出しプレート間に挟持されて成形品キャビティの側周を区画するアタッチメントプレートが着脱可能に取り付けられており、成形品キャビティが、両蒸気吹き出しプレートの夫々一平面となっている前面側と、成形品キャビティの側周を区画するアタッチメントプレートとによって囲まれた空間として形成されていることを特徴とするビーズ発泡成形用金型。
- 蒸気吹き出しプレートが、マスターフレームの前面側端面を覆って取り付けられていることを特徴とする請求項1のビーズ発泡成形用金型。
- 蒸気吹き出しプレートが、その前面をマスターフレームの前面側端面と面一に揃えて、マスターフレームの内側に取り付けられていることを特徴とする請求項1のビーズ発泡成形用金型。
- アタッチメントプレートが複数に分割されていることを特徴とする請求項1ないし3いずれかのビーズ発泡成形用金型。
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1994
- 1994-07-12 JP JP18199394A patent/JP3556707B2/ja not_active Expired - Fee Related
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