JP3556124B2 - ラセン管接続装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、上下水道管、ガス管、或いは各種の流体を搬送する導管に対してラセン管を接続し、例えば敷設経路上に存在する障害物等を迂回配管する場合等に好適に用いられるラセン管接続装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば水道管や下水道或いはガス管等の導管は、しばしば既設の障害物を迂回して配管する迂回配管工事が行われる。導管の迂回配管は、一般に複数個の直管とエルボーやベンド等の接続管部材とを適宜組み合わせることによって行われており、各部材のねじ切りや接続等を必要とするために極めて面倒であり多くの種類の部材を必要としていた。
【0003】
かかる問題点を解決するために、例えば実開平6−80971号「配管構造」公報には、ラセン管を用いて導管の迂回配管を行う方法が提案されている。この先願装置によれば、障害物を介して向かい合わされた導管の間を可撓性を有するラセン管によって接続することで、接続が2カ所となり接続のための工数が大幅に低減されるとともにエルボー等の接続部材を不要とすることで部材費の低減が図られるようになる。
【0004】
先願装置は、具体的には障害物を挟んだ導管の間に挿入されたラセン管を筒状を呈する接続体によって接続してなる。接続体は、鉄板をC字状に形成するとともにそれぞれの端部から耳片を一体に突設し、この耳片に設けたねじ孔にビスを貫通して締め付けることにより導管とラセン管とを接続する。接続体には、その内部にパッキンが装着されるとともに、空洞内部にシーラント剤が充填されてなるシールパッキンが両端部位に嵌着されている。接続体は、両端から導管とラセン管とがそれぞれ挿入された後、ビスの締め付けにより充填されたシーラント剤をはみ出させて導管或いはラセン管との接続部のシーリングを行う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した先願装置においては、接続体を締め付けることによって導管或いはラセン管との機械的な接続を行うことから、軸方向に対して充分な係止力を保持し得ない。水道管等は、敷設溝に埋設されるが、投入した埋土が時間経過に伴って次第にしまることによって地盤沈下の現象を生じて大きな負荷が作用される。先願装置においては、かかる水道管の配管工事等に用いた場合に、ラセン管が接続体から脱落して漏水事故が発生する危険性が極めて高いといった問題点があり、埋設導管や内圧が大きい導管装置には適用し得ない。
【0006】
また、先願装置においては、シールパッキンによりラセン管の外周部をシーリングすることから、例えば比較的高圧用等に用いられるブレードを被覆したラセン管に適用した場合にはブレードの隙間から漏水が発生してしまうといった問題点があり適用し得ない。また、先願装置は、接続体の両端の比較的限られた領域をシールパッキンによってシーリングすることから、高圧管への適用に問題がある。さらに、先願装置は、導管とラセン管とが直接連通されていない構造であることから、粘度の高い流体や粉体等の流体導管に用いた場合に、接続体部分での詰まりが生じやすいといった問題がある。このように、先願装置は、限られた使用範囲でのみ適用される。
【0007】
ラセン管を利用した配管方法においては、上述した種々の問題点から、一般に図12に示すようなラセン管本体2の両端部に予め接続部3a、3bが形成されたラセン管1が用いられる。ラセン管1は、接続すべき導管の間隔に対応した長さを有しており、ラセン管本体2の外周部に機械的保護や伸び変形の規制等を図るブレード4や、詳細を省略するサビ止めテープ或いは保護テープ等が巻回されてなる。ラセン管本体2は、例えば機械的特性と防サビ性に優れたステンレス材を素材として滑らかな波形のラセン溝5が軸方向に連続して形成された管材からなる。ラセン管本体2は、その形状特性によって可撓性及び伸縮性を有する。
【0008】
勿論、ラセン管1には、ラセン管本体2が、例えば銅、チタン、アルミニウム合金等の適宜の金属材料、或いは合成樹脂材料によって形成されたものも用いられる。また、ラセン管1には、ラセン管本体2が、単山ラセン型として構成されたいわゆるベローズや、連続山ラセン型として構成されるいわゆるスパイラル管も用いられる。さらに、ラセン管1には、ラセン管本体2が、ラセン山の形状が円弧形や平形ばかりでなく略円形のいわゆるアニュラー管も用いられる。
【0009】
接続部3は、水道管に一般に用いられる合成樹脂管、鋳鉄管或いは鋼鉄管の種類に応じてそれぞれ接続に適した仕様を以って構成される。図に示したラセン管1においては、鋳鉄管との接続に適した仕様とされ、詳細を省略するがラセン管本体2と先端部の接続管6a、6bとをフランジ板7や詳細を省略する保護リング、止めリング等の外装材を介して一体化してなる。ラセン管1には、接続管6の外周部に、鋳鉄管の内径に適合させるための調整リング部材8a、8bが嵌合されている。
【0010】
ブレード4は、ラセン管本体2の外周部に軸方向の全長に亘って巻回されており、例えば帯状金属板を網目状に織ってなるリボンブレードや、金属線を網目状に織ってなるワイヤブレードが用いられる。ブレード4は、ラセン管本体2の外周部に一層で巻回されるばかりでなく、施工条件等に応じて多層に巻回される。ラセン管1は、必要に応じてブレード4の外周部に防サビテープや保護テープが巻回される。
【0011】
ラセン管1は、上述した構成を有することで、直管と比較してやや高価であるが、比較的自由な配管を極めて簡易に行うことが可能であることから振動等による負荷が大きな箇所の配管工事や既設障害物の迂回配管工事等に用いて極めて有効である。しかしながら、ラセン管1は、ラセン管本体2を途中で適宜の長さに切断して導管に対して直接接続した場合には、このラセン管本体2の特徴的な外形或いはブレード4に起因して上述した先願装置のような種々の問題を生じさせる。したがって、ラセン管1を用いる配管方法においては、例えばこのラセン管1の長さに合わせて接続すべき導管側の間隔を調整する対応が図られるが、現場の状況によってはかかる対応が困難な場合もあるといった問題があった。
【0012】
したがって、本発明は、上述したラセン管を用いた配管装置の優位性を踏襲するとともに、ラセン管の構成に起因する導管との接続構造の問題点を解決し、簡易な作業によってラセン管と導管との接続を確実に行い得るようにしたラセン管接続装置を提供することを目的に提案されたものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成する本発明にかかるラセン管接続装置は、外周部がブレードによって被覆されたラセン管の先端部に付設され、このラセン管と導管とを接続するラセン管接続装置であり、接続管本体部材と、ラセン管接続半体部材と、ブレード保持部材とを備える。接続管本体部材は、導管側に形成された筒状の導管接続部と、ラセン管側に半筒状に導管接続部と一体に形成され、内周面にラセン管のラセン溝と相対係合する第1のラセン管係止凸部が形成され、外周面に第1のブレード保持凸部が形成され、幅方向の側縁に長さ方向の第1の接合片部が形成されたラセン管接続半体部と、このラセン管接続半体部の第1のラセン管係止凸部の導管側の内周面と第1の接合片部の内面とに亘って形成された第1のシーリング部とからなる。ラセン管接続半体部材は、半筒状に形成され、内周面にラセン管のラセン溝に相対係合する第2のラセン管係止凸部が形成され、外周面に第2のブレード保持凸部が形成され、幅方向の側縁に長さ方向の第2の接合片部が形成され、第2のラセン管係止凸部の導管側の内周面と第2の接合片部の内面とに亘って第2のシーリング部が形成されている。更に、ブレード保持部材は、内周面に、第1及び第2のブレード保持凸部に相対して第1及び第2のブレード保持凹部が形成され、ラセン管から剥がされたブレードの端部を保持する。
【0014】
接続管本体部材の導管接続部には、導管が接続される。ラセン管は、ブレードの端部を剥いだ状態で、第1及び第2のラセン管係止凸部をラセン管のラセン溝に係合させ、ラセン管接続半体部材をラセン管接続半体部の開放された半体部位に閉塞するように組み合わせ締め付けることにより、ラセン管接続半体部材とラセン管接続半体部により構成された筒状のラセン管接続部に対して抜け止めされた状態で接続される。ラセン管接続部とラセン管の外周部との間及び第1及び第2の接合片部間は、第1及び第2のシーリング部によってシーリングされる。ブレード保持部材は、ブレードの端部を第1及び第2のブレード保持凸部と第1及び第2のブレード保持凹部との間に挟み込んで保持するように、ラセン管接続部の外周部に装着される。
【0015】
また、上述した目的を達成する本発明にかかるラセン管接続装置は、外周部がブレードによって被覆されたラセン管の先端部に付設され、このラセン管と導管とを接続するラセン管接続装置であり、接続管本体部材と、ラセン管接続半体部材と、シーリング部材と、ブレード保持部材とを備える。接続管本体部材は、導管側に形成された筒状の導管接続部と、ラセン管側に半筒状に導管接続部と一体に形成され、内周面にラセン管のラセン溝と相対係合する第1のラセン管係止凸部が形成され、外周面に第1のブレード保持凸部が形成され、幅方向の側縁に長さ方向の第1の接合片部が形成されたラセン管接続半体部とからなる。ラセン管接続半体部材は、半筒状に形成され、内周面にラセン管のラセン溝に相対係合する第2のラセン管係止凸部が形成され、外周面に第2のブレード保持凸部が形成され、幅方向の側縁に長さ方向の第2の接合片部が形成されてなる。シーリング部材は、それぞれが半筒状に形成された一対の第1及び第2のシーリング半体部材からなり、第1のシーリング半体部材がラセン管接続半体部の第1のラセン管係止凸部の導管側の内周面と第1の接合片部の内面とに組み合わされ、第2のシーリング半体部材がラセン管接続半体部材の第2のラセン管係止凸部の導管側の内周面と第2の接合片部の内面とに組み合わされる。ブレード保持部材は、内周面に、第1及び第2のブレード保持凸部に相対して第1及び第2のブレード保持凹部が形成され、ラセン管から剥がされたブレードの端部を保持する。
【0016】
接続管本体部材の導管接続部には、導管が接続される。ラセン管は、ブレードの端部を剥いだ状態で、第1及び第2のラセン管係止凸部をラセン管のラセン溝に係合させ、第2のシーリング半体部材を第2のラセン管係止凸部の導管側の内周面と第2の接合片部の内面とに組み合わせたラセン管接続半体部材を、第1のシーリング半体部材を第1のラセン管係止凸部の導管側の内周面と第1の接合片部の内面とに組み合わせたラセン管接続半体部の開放された半体部位に閉塞するように組み合わせ締め付けることにより、ラセン管接続半体部材とラセン管接続半体部により構成された筒状のラセン管接続部に対して抜け止めされた状態で接続される。ラセン管接続部とラセン管の外周部との間及び第1及び第2の接合片部間は、第1及び第2のシーリング半体部材によってシーリングされる。ブレード保持部材は、ブレードの端部を第1及び第2のブレード保持凸部と第1及び第2のブレード保持凹部との間に挟み込んで保持するように、ラセン管接続部の外周部に装着される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。本発明の実施の形態として図に示した接続装置20は、例えば水道管10の配管工事において既設の下水マンホール等の障害物をラセン管1を用いて迂回配管を行う場合に用いられ、図2及び図3に示すようにラセン管1と水道管10とを直接接続する。接続装置20は、現場においてその状況により途中で適宜の長さに切断されたラセン管1を、水道管10に対して直接接続することを可能とする。換言すれば、接続装置20は、従来のように予め両端部に接続部3a、3bが形成された所定の長さのラセン管1を用いる必要は無く、また後述する説明から明らかなようにラセン管本体2をブレード4によって被覆したラセン管1の接続も可能とする。
【0018】
勿論、接続装置20は、かかる水道管1の下水マンホールに対する迂回配管工事ばかりでなく、敷設経路上に埋設された既設のガス管や各種ケーブル及びこれらのマンホール等の埋設障害物をラセン管1を用いて迂回配管工事を行う場合にも適用される。また、接続装置20は、水道管1の迂回配管工事ばかりでなく、ラセン管1を用いた中水道管や下水管の迂回配管工事にも適用される。さらに、接続装置20は、上水や下水等の液体が流れる導管ばかりでなく、都市ガスや冷却ガス等の気体或いは粉体、粒体、ゲル状体等の固体からなる流体が流れる導管のラセン管1を用いた迂回配管工事にも適用される。
【0019】
水道管10は、例えば鋳鉄管によって形成され、図1に示すように先端部に接続フランジ部11が一体に形成されている。接続フランジ部11には、等間隔に複数個の取付孔12が形成されており、後述するように取付ボルト13が挿入されて合成ゴム等によって成形されたシーリング部材14を介して接続装置20に対してナット15によって締め付けられる。なお、取付ボルト13とナット15には、図示しないが防水或いは緩止めを図るために適宜のワッシャを組み付けるようにしてもよい。
【0020】
水道管10は、鋳鉄管に限定されるものではなく従来一般に用いられている各種の材料、例えばステンレス、鋼鉄、アルミ合金或いは銅等の金属材料或いは例えば塩化ビニール樹脂やポリエチレン樹脂等の合成樹脂材料によって形成された管であってもよい。水道管10は、各管材料に対応して一端側に適宜の接続構造が形成されている。接続装置20は、かかる水道管10の仕様に応じて詳細を後述する接続構造が構成される。
【0021】
接続装置20は、図1乃至図5に示すように、接続管本体部材21と、ラセン管接続半体部材22と、一対の第1及び第2のシーリング半体部材24、25からなるシーリング部材23とを備えて構成される。また、接続装置20は、一対の第1及び第2の保持リング半体部材27、28からなるブレード保持リング部材26と、ブレードガイドリング部材29とを備えて構成される。接続装置20は、接続管本体部材21及びラセン管接続半体部材22が、水道管10の材料仕様に対応して、例えばステンレス、鋼鉄、アルミ合金或いは銅等の金属材料或いは例えば塩化ビニール樹脂やポリエチレン樹脂等の合成樹脂材料によってそれぞれ一体に形成される。
【0022】
接続管本体部材21は、詳細を図6及び図7に示すように、一端側に形成されて水道管10との接続部を構成する水道管接続部30と、この水道管接続部30の他端側に一体に形成されてラセン管1との接続部を構成するラセン管接続半体部31とからなる。水道管接続部30は、全体筒状を呈しており、水道管10の接続フランジ部11に対応した接続フランジ部32が一体に突設されている。接続フランジ部32には、取付孔12に対応して取付ボルト13が貫通する複数個の取付孔33が等間隔に形成されている。
【0023】
ラセン管接続半体部31は、接続管本体部材21の後端部に一体に突設されるとともにその内径がラセン管本体2の外径とほぼ同径とされた部位であり、接続管本体部材21との連設部分の環状部34を残して後端側が軸方向の全域に亘って半円領域を切り欠かかれることによって全体半円筒形を呈している。ラセン管接続半体部31には、その外周面に、幅方向の両端縁に沿って軸方向の全域に亘って第1の接合フランジ片35a、35bが一体に突設されている。ラセン管接続半体部31には、内周面の後端部の近傍に位置して複数個の第1のラセン管係止凸部36a、36b、36cが一体に突設されている。また、ラセン管接続半体部31には、後端部の外周面に第1のブレード保持凸部37が一体に突設されている。なお、第1のブレード保持凸部37は、ラセン管接続半体部31の外周面に複数個を形成してもよい。
【0024】
第1の接合フランジ片35a、35bには、環状部34側に位置してそれぞれ取付孔38a、38bが形成されている。取付孔38a、38bには、後述するようにそれぞれ取付ボルト39a、39bが挿通される。取付ボルト39a、39bは、先端部にねじ込んだナット40a、40bが締め付けられることにより、ラセン管接続半体部31に対してラセン管接続半体部材22を結合する。取付孔38a、38bは、第1の接合フランジ片35a、35bに複数個を形成するようにしてもよい。
【0025】
第1のラセン管係止凸部36a、36b、36cは、先端部に面取りが施されることによって断面が円弧状を呈しており、そのピッチがラセン管本体4の外周部に構成されるラセン溝5の自然状態における溝幅(ピッチ)とほぼ等しい。第1のラセン管係止凸部36a、36b、36cは、後述するように接続装置20にラセン管1が接続された状態において、ラセン管本体4のラセン溝5と相対係合する。第1のラセン管係止凸部36a、36b、36cは、伸縮自在な特性を有するラセン管1に対して隣接する複数のラセン溝5とそれぞれ相対係合することで、このラセン管1の接続箇所の長さを一定に保持する。
【0026】
なお、第1のラセン管係止凸部36a、36b、36cは、ラセン管接続半体部31の内周面に軸方向の全域に亘って複数個を一体に形成してもよいことは勿論である。また、第1のラセン管係止凸部36a、36b、36cは、湾曲されたラセン管1が内周部と外周部とでラセン溝5のピッチが変わることから、その厚みをラセン溝5の溝幅よりもやや小さく形成したりそのピッチを小さく形成するようにしてもよい。
【0027】
ラセン管接続半体部材22は、接続管本体部材21のラセン管接続半体部31の開放部位に組み合わされる部材であり、図8乃至図10に示すように、半円筒形を呈して形成されている。ラセン管接続半体部材22は、後述するように接続管本体部材21と組み合わされた状態において、ラセン管接続半体部31と共同して内部にラセン管本体4の先端部が接続される水道管接続部位30と連通する円筒部位のラセン管接続部Pを構成する。
【0028】
ラセン管接続半体部材22には、その外周面に、幅方向の両端縁に沿って軸方向の全域に亘って第2の接合フランジ片41a、41bが一体に突設されている。ラセン管接続半体部材22には、後端部の近傍に位置する内周面に断面が略円弧状とされた複数個の第2のラセン管係止凸部42a、42b、42cが一体に突設されている。ラセン管接続半体部材22には、後端部の外周面に断面が略円弧状とされた第2のブレード保持凸部43が一体に突設されている。
第2の接合フランジ片41a、41bは、後述するようにラセン管接続半体部材22が接続管本体部材21のラセン管接続半体部31に組み合わされた状態において、このラセン管接続半体部31側の第1の接合フランジ片35a、35bにそれぞれ突き合わされる。第2の接合フランジ片41a、41bには、第1の接合フランジ片35a、35bの取付孔38a、38bに対応してそれぞれ取付孔44a、44bが形成されている。取付孔44a、44bには、取付ボルト39a、39bが貫通される。
【0029】
第2のラセン管係止凸部42a、42b、42cは、ラセン管接続半体部材22がラセン管接続半体部31に組み合わされてラセン管接続部Pを構成した状態において、対応する第1のラセン管係止凸部36a、36b、36cとそれぞれ同一円周上に位置されて筒状体の内周面にラセン管1のラセン溝5と相対係合してこれを係止する環状のラセン管係止凸部を構成する。同様に、第2のブレード保持凸部43は、ラセン管接続半体部材22とラセン管接続半体部31とによりラセン管接続部Pを構成した状態において、対応する第1のブレード保持凸部37と同一円周上に位置されてラセン管接続部Pの外周面にブレード保持凸部を構成する。
【0030】
ラセン管接続半体部材22は、接続管本体部材21のラセン管接続半体部31との組み合わせ状態が、その前端側を取付ボルト39a、39bとナット40a、40bとによって保持されるとともに、後端側を後述するようにその外周部に装着されるブレード保持リング部材26によって保持される。
【0031】
シーリング部材23は、例えば合成ゴム等によってそれぞれ成形され、詳細を後述するように接続管本体部材21のラセン管接続半体部31側に組み付けられる第1のシーリング半体部材24と、ラセン管接続半体部材22側に組み付けられる第2のシーリング半体部材25とによって構成される。第1のシーリング半体部材24は、図6及び図7に示すように、ラセン管接続半体部31の環状部34の外周面を被覆する半円形の半体シーリング部24aと、最も内側の第1のラセン管係止凸部36aより水道管接続部30側のラセン管接続半体部31の内周面を被覆する半円筒形のラセン管シーリング部24b及び第1の接合フランジ片35a、35bの内面をそれぞれ被覆するフランジシーリング部24c、24dとが一体に形成されてなる。換言すれば、第1のシーリング半体部材24は、断面形状がラセン管接続半体部31とほぼ同一形状を以って一体に形成されている。
【0032】
第1のシーリング半体部材24は、図6に示すように、ラセン管シーリング部24bが、その一端を内側の第1のラセン管係止凸部36aに沿った内方に位置させるように形成されている。第1のシーリング半体部材24には、詳細を省略するがフランジシーリング部24c、24dに、接続管本体部材21の第1の接合フランジ片35a、35bに形成された取付孔38a、38bにそれぞれ対応して取付孔が形成されている。第1のシーリング半体部材24は、接着剤によって接続管本体部材21に接合されることによって、後端部位を除くラセン管接続半体部31の露呈された表面全体を被覆する。
【0033】
第2のシーリング半体部材25は、図8乃至図10に示すように、接続管本体部材21の水道管接続部30側のラセン管接続半体部材22の内周面を被覆する半円筒形のラセン管シーリング部25aと、第2の接合フランジ片41a、41bの内面をそれぞれ被覆するフランジシーリング部25b、25cとが一体に形成されてなる。換言すれば、第2のシーリング半体部材25は、断面形状がラセン管接続半体部材22の内周面とほぼ同一形状を以って形成されている。第2のシーリング半体部材25は、図9に示すように、ラセン管シーリング部25aが、その一端を内側の第2のラセン管係止凸部42aに沿った内方に位置させるように形成されている。第2のシーリング半体部材25には、詳細を省略するがラセン管接続半体部材22の第2の接合フランジ部41a、41bに形成された取付孔44a、44bにそれぞれ対応して取付孔が形成されている。第2のシーリング半体部材25は、接着剤によってラセン管接続半体部材22に接合されることにより後端部位を除く露呈された内面全体を被覆する。
【0034】
なお、接続装置20においては、上述したように一対の第1及び第2のシーリング半体部材24、25からなるシーリング部材23が接続管本体部材21とラセン管接続半体部材22にそれぞれ組み合わされる別部材によって構成されているが、かかる構成に限定されるものでは無い。接続装置20は、例えば接続管本体部材21とラセン管接続半体部材22の所定の部位に、それぞれゴム層からなるシーリング部を形成するようにしてもよい。また、接続装置20は、例えば接続管本体部材21とラセン管接続半体部材22をゴム材によって一体に成形してもよい。
【0035】
ブレード保持リング部材26は、例えば帯状のステンレス、鋼鉄、アルミ合金や銅等の金属材料或いは例えば塩化ビニール樹脂やポリエチレン樹脂等の合成樹脂材料によって形成される。ブレード保持リング部材26は、拡径或いは縮径特性を有している。ブレード保持リング部材26は、詳細を後述するように接続管本体部材21のラセン管接続半体部31側に組み付けられる第1の保持リング半体部材27と、ラセン管接続半体部材22側に組み付けられる第2の保持リング半体部材28とからなる。ブレード保持リング部材26は、ラセン管接続半体部31とラセン管接続半体部材22とによって構成されるラセン管接続部Pの外径とほぼ等しい内径を有している。
【0036】
第1の保持リング半体部材27と第2の保持リング半体部材28とは、互いに半円形を呈する対称形の部材である。第1の保持リング半体部材27には、図1に示すように、その内周面に断面が円弧状の第1のブレード保持凹部45が一体に突設されている。第1の保持リング半体部材27には、その外周面に、直径方向の両端縁に接合フランジ片46a、46bが一体に突設されている。接合フランジ片46a、46bには、それぞれ取付孔47a、47bが形成されている。第1のブレード保持凹部45は、ブレード保持リング部材26をフランジ接合部に装着してこれを結合保持した状態において、ラセン管接続半体部31の第1のブレード保持凸部37と対応位置する。
【0037】
第2の保持リング半体部材28にも、その内周面に断面が円弧状の第2のブレード保持凹部48が一体に突設されている。第2の保持リング半体部材28にも、その外周面に、直径方向の両端縁に接合フランジ片49a、49bが一体に突設されている。接合フランジ片49a、49bには、それぞれ取付孔50a、50bが形成されている。第2のブレード保持凹部48は、ブレード保持リング部材26をフランジ接合部に装着してこれを結合保持した状態において、ラセン管接続半体部材22の第2のブレード保持凸部43と対応位置する。
【0038】
第1の保持リング半体部材27と第2の保持リング半体部材28とは、接合フランジ片46a、46b、49a、49bを突き合わせることによってリング状のブレード保持リング部材26を構成する。第1の保持リング半体部材27と第2の保持リング半体部材28とは、互いに連通された取付孔47a、47b、50a、50bに取付ボルト51a、51bを挿通してナット52a、52bで締め付けられる。
【0039】
なお、ブレード保持リング部材26には、上述したように内周面に第1及び第2のブレード保持凹部45、48を形成したが、同一円周上に位置する多数個の凹部によって構成してもよい。この場合、接続管本体部材21及びラセン管半体部材22には、上述した第1及び第2のブレード保持凸部37、43が同一円周上に位置する多数個の凸部によって構成される。
【0040】
ブレードガイドリング部材29は、例えばステンレス、鋼鉄、アルミ合金や銅等の金属材料或いは例えば塩化ビニール樹脂やポリエチレン樹脂等の合成樹脂材料によって形成される。ブレードガイドリング部材29は、後述するようにラセン管接続部Pの外周部に装着される。ブレードガイドリング部材29は、ラセン管接続部Pの外径に対して、その外周部に導いたラセン管1のブレード4を挿通するに足る内径を有している。
【0041】
以上のように構成された接続装置20は、図2乃至図5に示すように、ラセン管接続部Pにおいて適宜の迂回配管が施されて所定の長さで切断されたラセン管1の端部を接続するとともに、接続管本体部材21に対して水道管10の端部を接続する。接続装置20は、接続管本体部材21の接続フランジ部32がシーリング部材14を介挿した状態で水道管10の接続フランジ部11に接合される。接続装置20は、例えば接続フランジ部11側から連通された取付孔12、33にそれぞれ取付ボルト13が挿通され、この取付ボルト13の接続フランジ部32側に突出された端部にナット15がねじ込まれる。接続装置20は、取付ボルト13とナット15とを締め付けることにより、シーリング部材14によってシーリング状態を保持されて水道管10との接続が行われる。
【0042】
接続装置20には、接続管本体部材21のラセン管接続半体部31にラセン管1が導かれて装着される。ラセン管1は、図1に示すように、ラセン管本体2の先端部を露呈させるように、予めブレード4の先端部4aが剥かれた状態とされている。なお、ラセン管1は、ブレード4がその先端部4aを切断されずに折り返された状態で剥かれており、また、剥がされたブレード4の先端部4aの外周部にブレードガイドリング部材29が装着される。
【0043】
接続装置20には、開放された部位からラセン管接続半体部31内にブレード4の先端部4aを剥かれたラセン管本体2が、図4及び図5に示すように装着される。接続装置20は、図5に示すように、ラセン管接続半体部31の内周面に形成した複数の第1のラセン管係止凸部36a、36b、36cが隣り合う複数のラセン溝5に対してそれぞれ相対係合する。接続装置20は、この状態でラセン管接続半体部31を覆うようにして、接続管本体部材21に対してラセン管接続半体部材22が組み付けられる。接続装置20は、図5に示すようにラセン管接続半体部材22の内周面に形成した複数の第2のラセン管係止凸部42a、42b、42cが隣り合う複数のラセン溝5に対してそれぞれ相対係合する。
【0044】
接続装置20は、接続管本体部材21のラセン管接続半体部31に形成された第1の接合フランジ部35a、35bとラセン管接続半体部材22に形成された第2の接合フランジ部41a、41bとが突き合わされるとともに、ラセン管接続半体部材22の環状部34にラセン管接続半体部材22の内周面が突き合わされる。接続装置20は、第1及び第2の接合フランジ部35a、35b、41a、41bとの間に第1のシーリング部材24のフランジシーリング部24c、24dと第2のシーリング部材25のフランジシーリング部25b、25cとがそれぞれ挟み込まれることによって、接続管本体部材21とラセン管接続半体部材22との接合部位がシーリングされる。また、接続装置20は、環状部34と内周面との間に第1のシーリング部材24の半体シーリング部24aと第2のシーリング部材25のラセン管シーリング部25aの一部とが挟み込まれることによって、接続管本体部材21とラセン管接続半体部材22との接合部位がシーリングされる。
【0045】
接続装置20は、上述した状態で連通された取付孔38a、38b、44a、44bに取付ボルト39a、39bが挿通され、これをナット40a、40bによって締め付けることによってラセン管接続半体部材22を接続管本体部材21に固定する。接続装置20においては、図4及び図5に示すように、接続管本体部材21のラセン管接続半体部31とラセン管接続半体部材22とによって構成されたラセン管接続部P内に装着されたラセン管本体2の外周部に第1のシーリング部材24のラセン管シーリング部24bと第2のシーリング部材25のラセン管シーリング部25aが軸方向の所定の領域に亘って密着する。ラセン管本体2は、上述したように軸方向に沿ってラセン溝5が連続して形成されることによって外周面に凹凸が構成されているが、第1及び第2のラセン管係止凸部36a、42aの内側、すなわち水道管接続部30側でシーリングされる。具体的に、ラセン管本体2は、ラセン管シーリング部24b、25aが所定の領域に亘って密着することで確実にシーリングされる。
【0046】
接続装置20は、接続管本体部材21とラセン管接続半体部材22とが充分な強度を以って結合されているが、ブレード保持リング部材26が締付け部材として作用することでより確実に結合されるようになる。接続装置20は、このブレード保持リング部材26によってブレード4の先端部4aを保持する。
【0047】
接続装置20においては、ブレードガイドリング部材29がラセン管本体2の先端部を露呈させるようにして剥かれたブレード4の先端部4aを挟み込んだ状態でラセン管接続部Pの外周部側へと移動させる。接続装置20は、図4及び図5に示すように、ブレード4の先端部4aをブレードガイドリング部材29によって後方側へと折り返すとともに、この折り返し部位をブレード保持リング部材26によって保持する。接続装置20は、ブレード保持リング部材26をラセン管接続部Pの後端側、詳細にはラセン管接続半体部31の第1のブレード保持凸部37とラセン管接続半体部材22の第2のブレード保持凸部43に対応位置させて装着する。
【0048】
ブレード保持リング部材26は、第1の保持リング半体部材27がラセン管接続半体部31の外周面にあてがわれるとともに、第2の保持リング半体部材28がラセン管接続半体部材22の外周面にあてがわれる。ブレード保持リング部材26は、接合フランジ片46a、46b、49a、49bが突き合わされるとともに連通された取付孔47a、47b、50a、50bに取付ボルト51a、51bが挿通され、これをナット52a、52bによって締め付けることにより第1の保持リング半体部材27と第2の保持リング半体部材28とがラセン管接続半体部31とラセン管接続半体部材22とを挟み込んで一体化される。
【0049】
したがって、ブレード4は、図4及び図5に示すように、ラセン管接続半体部31の第1のブレード保持凸部37及びラセン管接続半体部材22の第2のブレード保持凸部43とブレード保持リング部材26の第1及び第2のブレード保持凹部45、48とによって構成されるクランク状の空間部内に挟み込まれる。ブレード4は、かかる挟持構造と、先端部4aを折り返すブレードガイドリング部材29がブレード保持リング部材26によって係止される構造とから、水道管10やラセン管1に軸方向の強い引張り力が負荷された場合においてもラセン管接続部Pの外周部に確実に保持されてラセン管本体2から抜け出すことが防止される。ブレード4は、ラセン管本体2の機械的保護を図るとともに、伸び変形を規制する作用が確実に保持される。
【0050】
接続装置20は、上述したように第1及び第2のラセン管係止凸部36a、36b、36c、42a、42b、42cがラセン溝5に相対係合することで、接続されたラセン管1に強い引張り力が作用された場合においても脱落することは無く、接続状態を確実に保持する。接続装置20は、ラセン管接続部P内に接続されたラセン管本体2の外周部にシーリング部材23を密着させてシーリングするとともに、このシーリング部材23が接続管本体部材21のラセン管接続半体部31とラセン管接続半体部材22との接合部位をシーリングすることで、漏水等を生じることなくラセン管1と水道管10とを確実に接続する。また、ラセン溝5に第1及び第2のラセン管係止凸部36a、36b、36c、42a、42b、42cが係合している領域には、シーリング部材23が介在しないことから、第1及び第2のラセン管係止凸部36a、36b、36c、42a、42b、42cは、ラセン溝5に過剰な負荷を加えることなく確実に係合する。
【0051】
接続装置20は、半割りされたラセン管接続半体部31とラセン管接続半体部材22とによりラセン管接続部Pを構成することで、ラセン管1と水道管10との接続を極めて簡易に行うことを可能とする。接続装置20は、これによりラセン管1を用いることにより合理化された迂回配管工事をさらに合理化する。接続装置20は、高圧管のために機械的強度が必要な場合や伸び変形が規制されるブレード被覆ラセン管1であっても、上述した特性を保持しながらブレード4が確実に処理されてラセン管本体2から抜き出ることが防止される。
【0052】
なお、接続装置20は、接続管本体部材21に対して水道管10を接続した状態でラセン管1を接続するようにしたが、逆の作業を行ってもよいことは勿論である。また、接続装置20は、上述した実施の形態においてはラセン管1の一方側を途中で切断するとともにこの切断端部を水道管10に対して接続する場合について説明したがかかる使用例に限定されるものでは無い。接続装置20は、ラセン管1の両端部をそれぞれ水道管10に接続する場合にも用いられることは勿論である。
【0053】
本発明は、上述した実施の形態として示した接続装置20に限定されるものでは無い。第2の実施の形態として図11に示した接続装置60は、上述した接続装置20と基本的な構成を同等とするラセン管接続部P及びシーリング部材65の構成に特徴を有している。すなわち、接続装置60は、ラセン管接続部Pがラセン管接続部材61によって構成されるが、接続管本体部材21のラセン管接続半体部31に対応する第1のラセン管接続半体部62と、ラセン管接続半体部材22に対応する第2のラセン管接続半体部63とをヒンジ部64を介して一体に連設してなる。なお、ラセン管接続部材61には、図示しないが一方側に水道管接続部が一体に形成されるとともに、内周面には第1及び第2のラセン係止凸部が形成されかつ外周面には第1及び第2のブレード保持凸部が形成されている。
【0054】
また、接続装置20は、シーリング部材65が、第1のラセン管接続半体部62側に組み付けられる第1のシーリング半体部66と、第2のラセン管接続半体部63側に組み付けられる第2のシーリング半体部67とをヒンジ部68を介して一体に連設してなる。勿論、シーリング部材65は、第1のシーリング半体部66と第2のシーリング半体部67とを突き合わせた状態において、接続されるラセン管1のラセン管本体2の外周部に密着する内径を有している。
【0055】
ラセン管接続部材61は、合成樹脂材料によって成形され、半円筒状を呈する第1のラセン管接続半体部62の一側部に、軸方向の全域に亘ってヒンジ部64を介して半円筒状を呈する第2のラセン管接続半体部63が一体に連設されてなる。ラセン管接続部材61は、ヒンジ部64をやや薄肉の部位によって構成することで、その材料特性により可撓性を付与してなる。ラセン管接続部材61は、ヒンジ部64を折り曲げることによって第1のラセン管接続半体部62に対して第2のラセン管接続半体部63を組み合わせる。
【0056】
第1のラセン管接続半体部62と第2のラセン管接続半体部63には、ヒンジ部64と対向する他方側縁に、互いに相対して接合フランジ片69、70が一体に突出形成されている。これら接合フランジ片69、70は、軸方向のほぼ全域に亘って形成されており、第2のラセン管接続半体部63が第1のラセン管接続半体部62に組み合わされた状態において突き合わされる。また、接合フランジ片69、70には、詳細を省略するがそれぞれ1個又は複数個の取付孔が形成されている。第1のラセン管接続半体部62と第2のラセン管接続半体部63は、連通された取付孔に取付ボルト71を挿通し、これをナット72で締め付けることによって一体化されてラセン管接続部Pを構成する。
【0057】
シーリング部材65は、合成ゴムによって一体に成形され、半円筒状を呈する第1のシーリング半体部66の一側部に、軸方向の全域に亘って薄肉のヒンジ部68を介して半円筒状を呈する第2のシーリング半体部67が一体に連設されてなる。シーリング部材65は、第1のラセン管接続半体部62の内周面に第1のシーリング半体部66が接着剤によって接合されるとともに、第2のラセン管接続半体部63の内周面に第2のシーリング半体部67が接合される。
【0058】
シーリング部材65には、第1のシーリング半体部66と第2のシーリング半体部67とに、ヒンジ部68と対向する他方側縁に互いに相対して接合フランジ片73、74が一体に突出形成されている。これら接合フランジ片73、74は、軸方向のほぼ全域に亘って形成されており、ラセン管接続部材61の接合フランジ片69、70とそれぞれ対応する。接合フランジ片73、74は、第2のラセン管接続半体部63を介して第2のシーリング半体部67が第1のシーリング半体部66に組み合わされた状態において突き合わされる。接合フランジ片73、74には、詳細を省略するがラセン管接続部材61側の取付孔に対応してそれぞれ1個又は複数個の取付孔が形成されている。
【0059】
以上のように構成された接続装置60は、第2のラセン管接続半体部63が第1のラセン管接続半体部62を開放した状態において、この第1のラセン管接続半体部62にラセン管1のラセン管本体2が装着される。接続装置60は、図示しない第1及び第2のラセン管係止凸部がラセン溝5に相対係合することによって接続状態を保持する。なお、接続装置60には、図示しない水道管接続部に水道管1が接続されている。
【0060】
接続装置60は、ヒンジ部64を介して第2のラセン管接続半体部63が第1のラセン管接続半体部62に対して組み合わされてラセン管接続部Pが構成される。接続装置60は、ラセン管接続部P内において接続されたラセン管本体2の外周部にシーリング部材65が密着してこれをシーリングした状態に保持する。接続装置60は、接合フランジ片73、74を介して突き合わされた接合フランジ片69、70間を取付ボルト71とナット72とで結合されることによって、第1のラセン管接続半体部62と第2のラセン管接続半体部63とが一体化される。なお、接続装置60には、ラセン管接続部Pの外周部に図示しないブレード保持リング部材やブレードガイドリング部材が装着されてラセン管1のブレード4の端部を保持するとともに、第1のラセン管接続半体部62と第2のラセン管接続半体部63とを強固に結合する。
【0061】
なお、第1のラセン管接続半体部62と第2のラセン管接続半体部63とを可撓連結部となるヒンジ部64を介して一体に連設する場合やシーリング部材65を第1のシーリング半体部66と第2のシーリング半体部67とを可撓連結部となるヒンジ部68を介して一体に連設する場合と同様に、ブレード保持リング部材も、第1及び第2の保持リング半体部材27、28を一方の側を可撓連結部を介して一体に連設するようにし、他方側の接続片部において結合されることによって環状に組み合わされて上記ラセン管接続部の外周部に装着されるようにしてもよい。
【0062】
なお、上述したシーリング部材65については、上述した第1の実施の形態の接続装置20に備えられた分割型のシーリング部材23と同様のシーリング部材を用いてもよいことは勿論である。また、シーリング部材65は、シーリング部材23に代えて第1の実施の形態の接続装置20に用いてもよいことは勿論である。さらに、接続装置60は、取付ボルト71とナット72とによる結合構造に代えて、接合フランジ片69、70を一体に形成したフック状の結合手段によって結合するように構成してもよい。
【0063】
各実施の形態は、水道管10を迂回配管するラセン管1の接続装置を説明したが、本発明はかかる使用例に限定されるものでは無いことは勿論である。ラセン管1や水道管10については、設置条件によっては円形ばかりでなく角形や多角形の仕様のものが用いられることがある。したがって、接続装置は、接続管本体部材やラセン管接続半体部材或いはシーリング部材がラセン管や水道管の形状に適合するように形成される。
【0064】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明にかかるラセン管接続装置によれば、一端側に導管が接続される筒状の導管接続部が形成され他端側に半円筒状のラセン管接続半体部が形成された接続管本体部材に対して半円筒状のラセン管接続半体部材を組み合わせ締め付けることによりラセン管接続部を構成し、このラセン管接続部に接続されたラセン管をラセン管接続半体部とラセン管接続半体部材の内周面に形成した第1及び第2のラセン管係止凸部がラセン溝に相対係合することにより抜止めし、ラセン管の外周部及びラセン管接続半体部とラセン管接続半体部材との接合部をシーリング部又はシーリング部材によってシーリングするように構成したことから、任意の長さで切断したラセン管であっても導管に対して抜け落ちること無くかつ高度のシーリングが図られて確実な接続を行うことが可能となる。また、ラセン溝に第1及び第2のラセン管係止凸部が係合している領域には、シーリング部又はシーリング部材が介在しないことから、第1及び第2のラセン管係止凸部は、ラセン溝に過剰な負荷を加えることなく確実に係合する。更に、ラセン管接続装置は、ラセン管を挟み込むラセン管接続半体部とラセン管接続半体部材とを結合することによってラセン管の接続が確実に行われることから、接続作業も極めて簡易に行われる。したがって、ラセン管接続装置は、ラセン管を用いて既設の障害物を迂回配管を行うことによって大幅な合理化が図られた配管工事に適用することにより、より両端に接続部が形成された特定のラセン管を用いる必要が無くかつラセン管の長さに制限を受けない現場対応が可能となり一層の合理化が達成されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態として示す接続装置の分解斜視図である。
【図2】同接続装置の使用状態を示す斜視図である。
【図3】同接続装置の使用状態を示す一部切欠き側面図である。
【図4】同接続装置の使用状態を示す水平断面図である。
【図5】同接続装置の使用状態を示す縦断面図である。
【図6】同接続装置を構成する接続管本体部材の一部切欠き平面図である。
【図7】同接続管本体部材の側面図である。
【図8】同接続装置を構成するラセン管接続半体部材の一部切り欠き平面図である。
【図9】同ラセン管接続半体部材の側面図である。
【図10】同ラセン管接続半体部材の正面図である。
【図11】本発明の他の実施の形態として示す接続装置の要部縦断面図である。
【図12】従来の迂回配管工事に用いられる一般的なラセン管の要部側面図である。
【符号の説明】
1 ラセン管、2 ラセン管本体、4 ブレード、5 ラセン溝、10 水道管、11 接続フランジ部、14 シーリング部材、20 接続装置、21 接続管本体部材、22 ラセン管接続半体部材、23 シーリング部材、26 ブレード保持リング部材、29 ブレードガイドリング部材、30 水道管接続部、31 ラセン管接続半体部、32 接続フランジ部、34 環状部、35a、35b 接合フランジ片、36a、36b、36c ラセン管係止凸部、37 第1のブレード保持凸部、39a、39b 取付ボルト、40a、40b ナット、41a、41b 接合フランジ片、42a、42b、42c ラセン管係止凸部、43 第2のブレード保持凸部、45 第1のブレード保持凹部、46a、46b 接合フランジ片、48 第2のブレード保持凹部、49a、49b 接合フランジ片、51a、51b 取付ボルト、52a、52b ナット、60 接続装置、61 ラセン管接続部材、62 第1のラセン管接続半体部、63 第2のラセン管接続半体部、64 ヒンジ部、65 シーリング部材、66 第1のシーリング半体部、67 第2のシーリング半体部、68 ヒンジ部

Claims (9)

  1. 外周部がブレードによって被覆されたラセン管の先端部に付設され、このラセン管と導管とを接続するラセン管接続装置において、
    上記導管側に形成された筒状の導管接続部と、上記ラセン管側に半筒状に上記導管接続部と一体に形成され、内周面に上記ラセン管のラセン溝と相対係合する第1のラセン管係止凸部が形成され、外周面に第1のブレード保持凸部が形成され、幅方向の側縁に長さ方向の第1の接合片部が形成されたラセン管接続半体部と、このラセン管接続半体部の上記第1のラセン管係止凸部の上記導管側の内周面と上記第1の接合片部の内面とに亘って形成された第1のシーリング部とからなる接続管本体部材と、
    半筒状に形成され、内周面に上記ラセン管のラセン溝に相対係合する第2のラセン管係止凸部が形成され、外周面に第2のブレード保持凸部が形成され、幅方向の側縁に長さ方向の第2の接合片部が形成され、上記第2のラセン管係止凸部の上記導管側の内周面と上記第2の接合片部の内面とに亘って第2のシーリング部が形成されたラセン管接続半体部材と、
    内周面に、上記第1及び第2のブレード保持凸部に相対して第1及び第2のブレード保持凹部が形成され、上記ラセン管から剥がされたブレードの端部を保持するブレード保持部材とを備え、
    上記接続管本体部材の導管接続部には、上記導管が接続され、
    上記ラセン管は、上記ブレードの端部を剥いだ状態で、上記第1及び第2のラセン管係止凸部を上記ラセン管のラセン溝に係合させ、上記ラセン管接続半体部材を上記ラセン管接続半体部の開放された半体部位に閉塞するように組み合わせ締め付けることにより、上記ラセン管接続半体部材と上記ラセン管接続半体部により構成された筒状のラセン管接続部に対して抜け止めされた状態で接続され、
    上記ラセン管接続部と上記ラセン管の外周部との間及び上記第1及び第2の接合片部間は、上記第1及び第2のシーリング部によってシーリングされ、
    上記ブレード保持部材は、上記ブレードの端部を上記第1及び第2のブレード保持凸部と上記第1及び第2のブレード保持凹部との間に挟み込んで保持するように、上記ラセン管接続部の外周部に装着されることを特徴とするラセン管接続装置。
  2. 外周部がブレードによって被覆されたラセン管の先端部に付設され、このラセン管と導管とを接続するラセン管接続装置において、
    上記導管側に形成された筒状の導管接続部と、上記ラセン管側に半筒状に上記導管接続部と一体に形成され、内周面に上記ラセン管のラセン溝と相対係合する第1のラセン管係止凸部が形成され、外周面に第1のブレード保持凸部が形成され、幅方向の側縁に長さ方向の第1の接合片部が形成されたラセン管接続半体部とからなる接続管本体部材と、
    半筒状に形成され、内周面に上記ラセン管のラセン溝に相対係合する第2のラセン管係止凸部が形成され、外周面に第2のブレード保持凸部が形成され、幅方向の側縁に長さ方向の第2の接合片部が形成されてなるラセン管接続半体部材と、
    それぞれが半筒状に形成された一対の第1及び第2のシーリング半体部材からなり、上記第1のシーリング半体部材が上記ラセン管接続半体部の第1のラセン管係止凸部の上記導管側の内周面と上記第1の接合片部の内面とに組み合わされ、上記第2のシーリング半体部材が上記ラセン管接続半体部材の第2のラセン管係止凸部の上記導管側の内周面と上記第2の接合片部の内面とに組み合わされるシーリング部材と、
    内周面に、上記第1及び第2のブレード保持凸部に相対して第1及び第2のブレード保持凹部が形成され、上記ラセン管から剥がされたブレードの端部を保持するブレード保持部材とを備え、
    上記接続管本体部材の導管接続部には、上記導管が接続され、
    上記ラセン管は、上記ブレードの端部を剥いだ状態で、上記第1及び第2のラセン管係止凸部を上記ラセン管のラセン溝に係合させ、上記第2のシーリング半体部材を上記第2 のラセン管係止凸部の上記導管側の内周面と上記第2の接合片部の内面とに組み合わせた上記ラセン管接続半体部材を、上記第1のシーリング半体部材を上記第1のラセン管係止凸部の上記導管側の内周面と上記第1の接合片部の内面とに組み合わせた上記ラセン管接続半体部の開放された半体部位に閉塞するように組み合わせ締め付けることにより、上記ラセン管接続半体部材と上記ラセン管接続半体部により構成された筒状のラセン管接続部に対して抜け止めされた状態で接続され、
    上記ラセン管接続部と上記ラセン管の外周部との間及び上記第1及び第2の接合片部間は、上記第1及び第2のシーリング半体部材によってシーリングされ、
    上記ブレード保持部材は、上記ブレードの端部を上記第1及び第2のブレード保持凸部と上記第1及び第2のブレード保持凹部との間に挟み込んで保持するように、上記ラセン管接続部の外周部に装着されることを特徴とするラセン管接続装置。
  3. 上記ブレード保持部材は、上記ラセン管接続部の外径よりもやや大径の内径を有するとともに幅方向の両端外周面に接合片部がそれぞれ一体に突設された半リング状の一対の結合リング半体部材を組み合わせた保持リング部材によって構成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のラセン管接続装置。
  4. 上記ブレード保持部材は、一方側の接続片部において可撓連結部を介して一体に連設された一対の結合リング半体部材によって構成され、
    他方側の接続片部において結合されることによって環状に組み合わされて上記ラセン管接続部の外周部に装着されることを特徴とする請求項3に記載のラセン管接続装置。
  5. 上記ラセン管接続部には、上記保持リング部材の上記第1及び第2のラセン管係止凸部側に位置してブレードガイドリング部材が装着され、
    上記ブレードは、上記ラセン管接続部と上記保持リング部材との間から引き出された端部が上記ブレードガイドリング部材によって折り返されて上記ラセン管接続部と上記保持リング部材との間に再び引き込まれて保持されることを特徴とする請求項1乃至請求項4の内何れか1項に記載のラセン管接続装置。
  6. 上記導管接続部には、上記導管の端部に形成された接続フランジ部に対向して接続フランジ部が一体に形成され、
    上記各接続フランジ部は、シーリング部又はシーリング部材を介して接合されることを特徴とする請求項1乃至請求項5の内何れか1項に記載のラセン管接続装置。
  7. 上記接続管本体部材とラセン管接続半体部材とは、一方側の接続片部において可撓連結部を介して一体に連設され、
    他方側の接続片部において結合されることによって環状に組み合わされてラセン管接続部を構成することを特徴とする請求項1乃至請求項6の内何れか1項に記載のラセン管接続装置。
  8. 上記シーリング部材は、上記一対の第1及び第2のシーリング半体部材がそれぞれ上記接続管本体部材及びラセン管接続半体部材の内周面に接合されることによって一体化されたことを特徴とする請求項2に記載のラセン管接続装置。
  9. 上記シーリング部材は、上記一対の第1及び第2のシーリング半体部材が一方側の接続片部において可撓連結部を介して一体に連設されてなり、他方側の接続片部が上記接続管本体部材とラセン管接続半体部材の相対する接合片部の間に挟み込まれることによってこれら接合片間をシーリングすることを特徴とする請求項2に記載のラセン管接続装置。
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