JP3555531B2 - 取鍋へのスラグ改質材投入装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、転炉から溶鋼を取鍋に出鋼した後、取鍋内溶鋼上部に浮上したスラグにその改質材を投入する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
製鋼工場においては、取鍋に収容した溶鋼の表面に浮上、形成されるスラグ中のFeOを溶鋼中に回収するために、スラグ層表面にスラグ改質材(Al等の還元剤)を投入することが行われている。
【0003】
取鍋等が置かれる転炉炉下は非常に狭隘で、上方には転炉炉体があるので、前記改質材を投入するシュートの取付けできる場所は制約される。また、この投入シュートは転炉から取鍋に注がれる溶鋼から輻射熱に晒される。このため、スラグ改質材は、取鍋の斜め上方から傾斜角一定のシュートにより取鍋のスラグ層表面に投入されていた。スラグ中のFeOを効率よく回収するにはスラグ改質材を取鍋内の溶鋼上に浮上しているスラグ全面に均一に散布する必要がある。しかし、上記シュートは傾斜角が一定であるため、図4に示すように、スラグ改質材の散布面積S2が狭く、FeO回収効率が悪かった。
【0004】
取鍋内溶鋼上に浮上したスラグ表面に散布するものではないが、転炉から取鍋に注がれる溶鋼流に対してスラグ改質材等を投入するものとして、特開平11−199019号がある。これには、転炉等から取鍋へ注がれる溶鋼流にスラグ改質材等を投入する旋回シュートを、傾斜角が一定の旋回部シュートと、この旋回部の先端に連結され、その傾斜角を変更自在とした先端部シュートとで構成したもの、および、このように構成した旋回シュートの先端部シュートにスラグ改質材等の通過を促進する加速手段を加えたものが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特開平11−199019号の装置を本願発明の対象とする取鍋内のスラグにスラグ改質材を投入(散布)に応用しようとすると次のような問題がある。即ち、前述したように設置場所が狭隘のため、前記公報の図2に開示されているように、投入シュートの旋回中心が取鍋の中心から相当距離離れた位置になる。このため、先端部シュートの傾斜角を調整して投入シュート全体を左右に回動させたとしても、スラグ全表面積の約30%しかスラグ改質材を散布することができない。
【0006】
なお、前記装置を転炉下以外の広い場所に設置し、取鍋に溶鋼注湯後、取鍋を設置場所まで移動し、スラグ改質材をスラグ表面に散布する方法も考えられるが、この場合、散布するときにはスラグ表面が固まってしまい、固化したスラグ表面にスラグ改質材が乗っかった状況になるので反応効率が極めて悪くなり、FeO回収効果はあまり期待できない。
【0007】
本発明は上記のような問題を解消するためになされたもので、転炉から取鍋への注湯直後(スラグ表面が溶融状態にあるとき)転炉下において、スラグ改質材をスラグ表面全体に均一に散布できる装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を、スラグ改質材の貯留ホッパーと、該貯留ホッパーのスラグ改質材を受け入れる供給管を有する上部固定シュートと、該上部固定シュート下端部に上端部を回転可能に連結し、先端部が所定角度で曲がっている下部回転シュートと、該下部回転シュートを回転させる回転駆動手段と、連絡管を介して前記下部回転シュートに圧力空気を送るエアーブロワーと、下部回転シュートの回転角度に応じて弁開度を制御せられる風量調節弁とを備えたスラグ改質材投入装置によって達成する。
【0009】
この装置によれば、スラグ改質材を取鍋内の溶融スラグ表面に従来より広い面積に亘って、しかも均一に投入、散布することができる。これにより、スラグ中に取り込まれた鉄分を高効率で溶鋼中に戻すことが可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて以下に説明する。図1は本発明装置の側面図である。本発明装置は、スラグ改質材の貯留ホッパー、上部固定シュート、下部回転シュート、下部回転シュートの回転駆動手段および前記上部固定シュート内に搬送用空気を供給するエアブロワーから構成されている。これらの詳細を説明する。図1において、1は、転炉下に立設した装置の取り付け架台である。架台1の上に竪型エアブロワー2が取付けられている。この竪型エアブロワー2の吐出管にバイパス管4を有する連絡管3の一端が接続されている。連絡管3の途中に圧力空気の風量を調節する風量調節弁5が設けられている。
【0011】
所定角度で傾斜した円筒状の上部固定シュート17が、その一端を連絡管3の他端に接続している。この上部固定シュート17の途中にスラグ改質材の供給管9が取付けられている。この供給管9の上方にスラグ改質材の貯留ホッパー7が設けられ、スラグ改質材が貯留ホッパー7の排出口からロータリーバルブ8および前記供給管9を介して上部固定シュート17に供給される。
【0012】
円筒状の下部回転シュート18が、その一端(上端)を前記上部固定シュート17の他端(下端)に、後述する構造により、その円筒中心軸を中心に回転可能に連結されている。この下部回転シュート18は上端部外周にリングギヤ14を有している。また、取鍋内溶鋼21の輻射熱から下部回転シュートの回転駆動手段を保護するため、下部回転シュート18の上端部近くに円盤状防熱板19が取付けられている。また、下部回転シュート18の下端部は、後述するように、スラグ改質材を広い範囲に散布するために、下部回転シュート18の下端部が、中心軸線に対して所定角度θとなるように折り曲げられている。
【0013】
一方、前記取付け架台1上に減速機11付き電動機10が、そのローター軸が上部固定シュート17の中心軸線に平行となるように傾斜して取付けられている。電動機10のローター軸の後端にパルス発信器15の入力軸が連結している。また、前記減速機11の出力軸に軸12が連結されている。この軸12は、上部固定シュート17に支持された軸受け12aにより軸支されている。軸12の下端部にピニオン13が取付けられており、このピニオン13は前述のリングギヤ14に歯合している。即ち、下部回転シュート18は、電動機10により軸12、ピニオン13およびリングギヤ14を介して回転せられる。
【0014】
電動機10のローター軸の回転角度は、パルス発信器15により検出され制御器16に送信される。制御器16は前記信号から下部回転シュート18の回転角度を演算し、予め設定してある範囲内で前記風量調節弁5の開度を周期的に変更させる。
【0015】
次に、上部固定シュート17の下端部と下部回転シュート18の上端部の連結構造について説明する。図2において、上部固定シュート17の筒外径は、下部回転シュート18の筒内径より所定寸法だけ小さい。また、上部固定シュート17の下端にフランジ17aが形成されており、このフランジ17aの外径も、下部回転シュート18の内径より若干小さい。そして、上部固定シュート17の下端部外周にスラスト軸受け31および二つのラジアル軸受け30を複数のスペーサー33およびシール32を取付け、下部回転シュート18の上端部内に挿入し、エンドプレート18aを下部回転シュート18の上端に取付け、下部回転シュート18を上部固定シュート17に対して回転可能な構造としている。
【0016】
次に、上記のように構成された本発明装置によるスラグ改質材の投入方法について説明する。先ず、エアブロワー2を始動し、圧力空気を上部固定シュート17を通して下部回転シュート18に送り、同時に電動機10を始動し、下部回転シュート18を回転させる。このときから、パルス発信器15より電動機10のローター軸の回転角度信号が制御器16に送信される。制御器16は予めインプットされている回転角度と風量調節弁5弁開度の関係から求めた弁開度信号を風量調節弁5に送信し、これにより風量調節弁6弁開度が制御される。このとき、バイパス管4から上部固定シュート17に一定量の圧力空気が流れ、一方、主配管5aから上部固定シュート17に風量調節弁5の弁開度に応じた量の圧力空気が流れる。即ち、上部固定シュート17に連絡管3からの変動風量とバイパス管4からの一定風量とを足した変動風量の圧力空気が流れる。
【0017】
貯留ホッパー7下のロータリーバルブ8を運転すると、ホッパー内のスラグ改質材Pが供給管9を通して上部固定シュート17に供給される。このスラグ改質材Pは、上述した変動風量の圧力空気に搬送され、回転している下部回転シュート18内を移動し、中心軸線に対して所定角度θとなるように折り曲げられている先端から放出される。放出されたスラグ改質材Pは、先端から末広がりに広がり、主にそのときの先端の向きと先端での放出速度によって定まる落下軌跡に従って移動し、取鍋20内の溶融スラグ表面の一定面積に散布される。このことにより、下部回転シュート18先端から放出されたスラグ改質材は、図3に示すように、取鍋20内の溶融スラグ表面の従来よりも広い面積に均一に散布される。従って、スラグ改質材は溶融スラグ中のFeOを効率良く還元し、還元によって得られた溶融Feが溶鋼21中に回収される。
【0018】
内径3500mmの取鍋内の溶融スラグ表面に、スラグ改質材としてAl粒(100g/個)を散布したときの取鍋とスラグ改質材投入装置との位置関係を図5によって説明する。取鍋20内の溶融スラグ表面に広範囲にかつ均一にスラグ改質材を散布するためには、図中のH1,H2,Dおよびeの寸法を適正に選択することが重要である。ここに、H1;溶融スラグ表面から上部固定シュート17のスラグ改質材投入点までの距離、H2;溶融スラグ表面から下部回転シュート18が横向きになったときのその先端までの距離、D;横向きになった下部回転シュート18の先端から取鍋の中心軸線Cまでの距離、e;上部固定シュート17の中心軸の延長線と溶融スラグ表面との交点Pcと取鍋中心軸線Cまでの距離である。なお、上部固定シュート17の傾斜角度は42°、下部回転シュート下端部の折れ曲がり角度θの適正範囲は10°〜20°、下部回転シュートの回転数は8.5rpm、および風量範囲は0〜40m3/secである。
【0019】
【発明の効果】
本発明装置は上記のように構成されているから、スラグ改質材を取鍋内の溶融スラグ表面に従来よりも広い面積に亘って、しかも均一に投入、散布することができる。これにより、スラグ中に取り込まれた鉄分を高効率で溶鋼中に戻すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の側面図である。
【図2】本発明に係る上部固定シュート下端部と下部回転シュート上端部の連結分の縦断面図である。
【図3】本発明装置によりスラグ改質材を取鍋内溶融スラグに散布した状況を示す平面図である。
【図4】従来装置によりスラグ改質材を取鍋内溶融スラグに散布した状況を示す平面図である。
【図5】スラグ改質材を散布するときの取鍋とスラグ改質材投入装置との位置関係を示す図である。
【符号の説明】
1 架台
2 エアブロワー
3 連絡管
4 バイパス管
5 風量調節弁
7 貯留ホッパー
8 ロータリーバルブ
9 供給管
10 電動機
11 減速機
12 軸
12a 軸受け
13 ピニオン
14 リングギヤ
15 パルス発信器
16 制御器
17 上部固定シュート
17a フランジ
18 下部回転シュート
18a エンドプレート
19 防熱板
20 取鍋
21 溶鋼
31 スラスト軸受け
30 ラジアル軸受け
32 シール
33 スペーサー
P 溶融スラグ
【発明の属する技術分野】
本発明は、転炉から溶鋼を取鍋に出鋼した後、取鍋内溶鋼上部に浮上したスラグにその改質材を投入する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
製鋼工場においては、取鍋に収容した溶鋼の表面に浮上、形成されるスラグ中のFeOを溶鋼中に回収するために、スラグ層表面にスラグ改質材(Al等の還元剤)を投入することが行われている。
【0003】
取鍋等が置かれる転炉炉下は非常に狭隘で、上方には転炉炉体があるので、前記改質材を投入するシュートの取付けできる場所は制約される。また、この投入シュートは転炉から取鍋に注がれる溶鋼から輻射熱に晒される。このため、スラグ改質材は、取鍋の斜め上方から傾斜角一定のシュートにより取鍋のスラグ層表面に投入されていた。スラグ中のFeOを効率よく回収するにはスラグ改質材を取鍋内の溶鋼上に浮上しているスラグ全面に均一に散布する必要がある。しかし、上記シュートは傾斜角が一定であるため、図4に示すように、スラグ改質材の散布面積S2が狭く、FeO回収効率が悪かった。
【0004】
取鍋内溶鋼上に浮上したスラグ表面に散布するものではないが、転炉から取鍋に注がれる溶鋼流に対してスラグ改質材等を投入するものとして、特開平11−199019号がある。これには、転炉等から取鍋へ注がれる溶鋼流にスラグ改質材等を投入する旋回シュートを、傾斜角が一定の旋回部シュートと、この旋回部の先端に連結され、その傾斜角を変更自在とした先端部シュートとで構成したもの、および、このように構成した旋回シュートの先端部シュートにスラグ改質材等の通過を促進する加速手段を加えたものが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特開平11−199019号の装置を本願発明の対象とする取鍋内のスラグにスラグ改質材を投入(散布)に応用しようとすると次のような問題がある。即ち、前述したように設置場所が狭隘のため、前記公報の図2に開示されているように、投入シュートの旋回中心が取鍋の中心から相当距離離れた位置になる。このため、先端部シュートの傾斜角を調整して投入シュート全体を左右に回動させたとしても、スラグ全表面積の約30%しかスラグ改質材を散布することができない。
【0006】
なお、前記装置を転炉下以外の広い場所に設置し、取鍋に溶鋼注湯後、取鍋を設置場所まで移動し、スラグ改質材をスラグ表面に散布する方法も考えられるが、この場合、散布するときにはスラグ表面が固まってしまい、固化したスラグ表面にスラグ改質材が乗っかった状況になるので反応効率が極めて悪くなり、FeO回収効果はあまり期待できない。
【0007】
本発明は上記のような問題を解消するためになされたもので、転炉から取鍋への注湯直後(スラグ表面が溶融状態にあるとき)転炉下において、スラグ改質材をスラグ表面全体に均一に散布できる装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を、スラグ改質材の貯留ホッパーと、該貯留ホッパーのスラグ改質材を受け入れる供給管を有する上部固定シュートと、該上部固定シュート下端部に上端部を回転可能に連結し、先端部が所定角度で曲がっている下部回転シュートと、該下部回転シュートを回転させる回転駆動手段と、連絡管を介して前記下部回転シュートに圧力空気を送るエアーブロワーと、下部回転シュートの回転角度に応じて弁開度を制御せられる風量調節弁とを備えたスラグ改質材投入装置によって達成する。
【0009】
この装置によれば、スラグ改質材を取鍋内の溶融スラグ表面に従来より広い面積に亘って、しかも均一に投入、散布することができる。これにより、スラグ中に取り込まれた鉄分を高効率で溶鋼中に戻すことが可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて以下に説明する。図1は本発明装置の側面図である。本発明装置は、スラグ改質材の貯留ホッパー、上部固定シュート、下部回転シュート、下部回転シュートの回転駆動手段および前記上部固定シュート内に搬送用空気を供給するエアブロワーから構成されている。これらの詳細を説明する。図1において、1は、転炉下に立設した装置の取り付け架台である。架台1の上に竪型エアブロワー2が取付けられている。この竪型エアブロワー2の吐出管にバイパス管4を有する連絡管3の一端が接続されている。連絡管3の途中に圧力空気の風量を調節する風量調節弁5が設けられている。
【0011】
所定角度で傾斜した円筒状の上部固定シュート17が、その一端を連絡管3の他端に接続している。この上部固定シュート17の途中にスラグ改質材の供給管9が取付けられている。この供給管9の上方にスラグ改質材の貯留ホッパー7が設けられ、スラグ改質材が貯留ホッパー7の排出口からロータリーバルブ8および前記供給管9を介して上部固定シュート17に供給される。
【0012】
円筒状の下部回転シュート18が、その一端(上端)を前記上部固定シュート17の他端(下端)に、後述する構造により、その円筒中心軸を中心に回転可能に連結されている。この下部回転シュート18は上端部外周にリングギヤ14を有している。また、取鍋内溶鋼21の輻射熱から下部回転シュートの回転駆動手段を保護するため、下部回転シュート18の上端部近くに円盤状防熱板19が取付けられている。また、下部回転シュート18の下端部は、後述するように、スラグ改質材を広い範囲に散布するために、下部回転シュート18の下端部が、中心軸線に対して所定角度θとなるように折り曲げられている。
【0013】
一方、前記取付け架台1上に減速機11付き電動機10が、そのローター軸が上部固定シュート17の中心軸線に平行となるように傾斜して取付けられている。電動機10のローター軸の後端にパルス発信器15の入力軸が連結している。また、前記減速機11の出力軸に軸12が連結されている。この軸12は、上部固定シュート17に支持された軸受け12aにより軸支されている。軸12の下端部にピニオン13が取付けられており、このピニオン13は前述のリングギヤ14に歯合している。即ち、下部回転シュート18は、電動機10により軸12、ピニオン13およびリングギヤ14を介して回転せられる。
【0014】
電動機10のローター軸の回転角度は、パルス発信器15により検出され制御器16に送信される。制御器16は前記信号から下部回転シュート18の回転角度を演算し、予め設定してある範囲内で前記風量調節弁5の開度を周期的に変更させる。
【0015】
次に、上部固定シュート17の下端部と下部回転シュート18の上端部の連結構造について説明する。図2において、上部固定シュート17の筒外径は、下部回転シュート18の筒内径より所定寸法だけ小さい。また、上部固定シュート17の下端にフランジ17aが形成されており、このフランジ17aの外径も、下部回転シュート18の内径より若干小さい。そして、上部固定シュート17の下端部外周にスラスト軸受け31および二つのラジアル軸受け30を複数のスペーサー33およびシール32を取付け、下部回転シュート18の上端部内に挿入し、エンドプレート18aを下部回転シュート18の上端に取付け、下部回転シュート18を上部固定シュート17に対して回転可能な構造としている。
【0016】
次に、上記のように構成された本発明装置によるスラグ改質材の投入方法について説明する。先ず、エアブロワー2を始動し、圧力空気を上部固定シュート17を通して下部回転シュート18に送り、同時に電動機10を始動し、下部回転シュート18を回転させる。このときから、パルス発信器15より電動機10のローター軸の回転角度信号が制御器16に送信される。制御器16は予めインプットされている回転角度と風量調節弁5弁開度の関係から求めた弁開度信号を風量調節弁5に送信し、これにより風量調節弁6弁開度が制御される。このとき、バイパス管4から上部固定シュート17に一定量の圧力空気が流れ、一方、主配管5aから上部固定シュート17に風量調節弁5の弁開度に応じた量の圧力空気が流れる。即ち、上部固定シュート17に連絡管3からの変動風量とバイパス管4からの一定風量とを足した変動風量の圧力空気が流れる。
【0017】
貯留ホッパー7下のロータリーバルブ8を運転すると、ホッパー内のスラグ改質材Pが供給管9を通して上部固定シュート17に供給される。このスラグ改質材Pは、上述した変動風量の圧力空気に搬送され、回転している下部回転シュート18内を移動し、中心軸線に対して所定角度θとなるように折り曲げられている先端から放出される。放出されたスラグ改質材Pは、先端から末広がりに広がり、主にそのときの先端の向きと先端での放出速度によって定まる落下軌跡に従って移動し、取鍋20内の溶融スラグ表面の一定面積に散布される。このことにより、下部回転シュート18先端から放出されたスラグ改質材は、図3に示すように、取鍋20内の溶融スラグ表面の従来よりも広い面積に均一に散布される。従って、スラグ改質材は溶融スラグ中のFeOを効率良く還元し、還元によって得られた溶融Feが溶鋼21中に回収される。
【0018】
内径3500mmの取鍋内の溶融スラグ表面に、スラグ改質材としてAl粒(100g/個)を散布したときの取鍋とスラグ改質材投入装置との位置関係を図5によって説明する。取鍋20内の溶融スラグ表面に広範囲にかつ均一にスラグ改質材を散布するためには、図中のH1,H2,Dおよびeの寸法を適正に選択することが重要である。ここに、H1;溶融スラグ表面から上部固定シュート17のスラグ改質材投入点までの距離、H2;溶融スラグ表面から下部回転シュート18が横向きになったときのその先端までの距離、D;横向きになった下部回転シュート18の先端から取鍋の中心軸線Cまでの距離、e;上部固定シュート17の中心軸の延長線と溶融スラグ表面との交点Pcと取鍋中心軸線Cまでの距離である。なお、上部固定シュート17の傾斜角度は42°、下部回転シュート下端部の折れ曲がり角度θの適正範囲は10°〜20°、下部回転シュートの回転数は8.5rpm、および風量範囲は0〜40m3/secである。
【0019】
【発明の効果】
本発明装置は上記のように構成されているから、スラグ改質材を取鍋内の溶融スラグ表面に従来よりも広い面積に亘って、しかも均一に投入、散布することができる。これにより、スラグ中に取り込まれた鉄分を高効率で溶鋼中に戻すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の側面図である。
【図2】本発明に係る上部固定シュート下端部と下部回転シュート上端部の連結分の縦断面図である。
【図3】本発明装置によりスラグ改質材を取鍋内溶融スラグに散布した状況を示す平面図である。
【図4】従来装置によりスラグ改質材を取鍋内溶融スラグに散布した状況を示す平面図である。
【図5】スラグ改質材を散布するときの取鍋とスラグ改質材投入装置との位置関係を示す図である。
【符号の説明】
1 架台
2 エアブロワー
3 連絡管
4 バイパス管
5 風量調節弁
7 貯留ホッパー
8 ロータリーバルブ
9 供給管
10 電動機
11 減速機
12 軸
12a 軸受け
13 ピニオン
14 リングギヤ
15 パルス発信器
16 制御器
17 上部固定シュート
17a フランジ
18 下部回転シュート
18a エンドプレート
19 防熱板
20 取鍋
21 溶鋼
31 スラスト軸受け
30 ラジアル軸受け
32 シール
33 スペーサー
P 溶融スラグ
Claims (1)
- スラグ改質材の貯留ホッパーと、
該貯留ホッパーのスラグ改質材を受け入れる供給管を有する上部固定シュートと、
該上部固定シュート下端部に上端部を回転可能に連結し、先端部が所定角度で曲がっている下部回転シュートと、
該下部回転シュートを回転させる回転駆動手段と、
連絡管を介して前記下部回転シュートに圧力空気を送るエアーブロワーと、
下部回転シュートの回転角度に応じて弁開度を制御せられる風量調節弁とを備えたことを特徴とする取鍋へのスラグ改質材投入装置。
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