JP3554987B2 - 湿式チューブミル - Google Patents
湿式チューブミル Download PDFInfo
- Publication number
- JP3554987B2 JP3554987B2 JP03857794A JP3857794A JP3554987B2 JP 3554987 B2 JP3554987 B2 JP 3554987B2 JP 03857794 A JP03857794 A JP 03857794A JP 3857794 A JP3857794 A JP 3857794A JP 3554987 B2 JP3554987 B2 JP 3554987B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- slurry
- tube mill
- hold
- amount
- diameter
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Crushing And Grinding (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、石炭水スラリー(Coal Water Mixture、以下、「CWM」と云う)製造設備の主機である湿式チューブミルに係り、特にその大容量化に好適な湿式チューブミル関する。
【0002】
【従来の技術】
図2は、CWM製造設備の一部省略系統図である。CWM製造設備の主機である湿式チューブミル1は、胴部2内に多数のボール10を内蔵し、モータ9の回転速度を減速し回転力を伝えるガースギヤ8を介してモータ9によって回転される。石炭供給管49、水供給管50及び添加剤供給管51から、原料である石炭、水及び添加剤が原料の入口16に供給され、胴部2内で粉砕混合されてスラリー(以下、粗粒スラリー及び製品スラリーの総称として「スラリー」と云う)となってスラリーの出口17、スクリーン28を通過してサンプタンク30に入る。サンプポンプ31によりスラリー供給管34を通ってストレーナ32に供給されたスラリーは濾過され、所定粒度以下のものが製品スラリーとして製品スラリー配管35を介してポンプ40から送り出される。ストレーナ32で分離された比較的粗い粒子のスラリーはスラリー戻り配管36、弁38を経て湿式チューブミル1に戻され再び粉砕される。一方スラリーの出口17から取り出されたスラリー中にはまだよく粉砕されていない粗大な石炭粒子が混入しており、これが混入したままストレーナ32に送られると、ストレーナ32の内部に設けられた金網33が目詰りして過大なる負荷が、図示していないストレーナかき取り器のモータに掛り、モータがトリップする重大故障を起こすことになるため、スラリーの出口17に前述スクリーン28が円筒状に設けられ粗大粒子を分離する。スクリーン28で分離された粗粒スラリー47は、スクリーン28の先端から粗粒タンク42に入り、そこで水供給管52から供給される水と前述ストレーナ32から別のスラリー戻り配管37を介して戻されたスラリーと混合して粗粒ポンプ43、粗粒戻り配管44を経て原料の入口16に戻される。
【0003】
図3は、従来技術に係る湿式チューブミル1′の一部省略断面図である。原料の入口16から供給された石炭、水及び添加剤等の原料は、胴部2内で粉砕されてスラリーとなり、スラリーの出口17から排出される。スラリーの出口17には、軸受であるトラニオン軸受24に軸支されたシャフト部であるトラニオンシャフト20が設けられ、スラリーはこのトラニオンシャフト20内の通路を通りオーバフローして図示していないスクリーン28に移る。即ち、スラリーの出口17の径、即ちシャフト径21は前述の如く湿式チューブミル1′がオーバフロータイプであることから湿式チューブミル1′内のスラリーホールドアップ量57は、シャフト内径21に基づくレベル56によって決まる。
【0004】
図4は、湿式チューブミル1′内のホールドアップ量と粉砕効率の関係を説明する図で、(A)はホールドアップ量と粉砕効率の関係曲線図、(B)はホールドアップ量を大きく取った状態の断面図、(C)はホールドアップ量を小さく取った状態の断面図である。(A)のホールドアップ量と粉砕効率の関係曲線54によると、(B)に示すようにホールドアップ量57を大きく取った状態でも、(C)に示すようにホールドアップ量57を小さく取った状態でも、粉砕効率は最良とはならず、ホールドアップ量57の或る適正範囲55で最良となる。云い換えれば粉砕効率のよい適正範囲55内のホールドアップ量になる様にスラリーの出口の径すなわちシャフト内径21が決定される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術では前述の如く、シャフト内径21は、高粉砕効率を確保するための最適なホールドアップ量を得る径に設定されており、湿式チューブミルが大容量化するに従いその径が拡大され、それを受けるトラニオン軸受24が大型となり経済的に不利となる。特にスラリーの出口の軸受には通常スベリ軸受が採用されるが、軸受面に大きな面圧を受けることからトラニオンシャフト20及びトラニオン軸受24は特殊な鋳物で製作され、おのずとその大きさに製作限界があって湿式チューブミル大容量化の妨げになっていた。
【0006】
本発明の目的は、この様な湿式チューブミルの大容量化に伴うシャフト部及びその軸受の製作限界による制約を解消し、大容量化においてもスラリーの粉砕効率が良く、且つスラリー排出通路となるシャフト部及びその軸受の小型化が可能な経済的湿式チューブミルを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、入口から供給された石炭、水を、内部に滞留、保持すると共に、回転させることにより石炭を粉砕して、水と混合させることによりスラリーにする胴部と、胴部の一端を縮径して形成された縮径部と、胴部と縮径部とを回転可能に軸支し、内径部がスラリーの排出流路とされたトラニオンシャフトとを有する湿式チューブミルにおいて、中央部に開口を有する円板状の仕切板を胴内に設けると共に、スラリー量のホールドアップ量が、ミルの粉砕効率とホールドアップ量との関係に基づいて求められる適正範囲になるように、開口の径をトラニオンシャフトの内径よりも大きく設定し、仕切板をオーバーフローしたスラリーを排出流路にかき上げるかき上げ羽根を設けたことを特徴とする。
【0010】
【作用】
本発明によれば、胴内に胴中央部に開口部が形成されるように仕切板を設けると共に、開口部をオーバーフローするスラリー量がミル内のホールドアップ量をミルの粉砕効率との関係に基づいて求められる適正範囲になるように開口部の径を設定したので、本発明の湿式チューブミルは、この仕切板により適正ホールドアップ量を保持し、仕切板の中心に設けられた開口部によって、粉砕されたスラリーはオーバフローし、適正ホールドアップ量を保持することが出来、高粉砕効率が得られると共に、シャフト部及びその軸受の小型化が可能になる。
【0011】
更に、中心に開口部を有する仕切板は、構成が単純で製作容易である。
【0012】
そして、スラリーの出口側の縮径部に粉砕されたスラリーをかき上げるかき上げ手段を設けたので、上記中心に開口部を有する仕切板をオーバフローしたスラリーは、前記かき上げ手段によってかき上げられ、湿式チューブミルの上記縮径部底部に滞留することなくチューブミルのシャフト部の通路を経て排出される。更に、スラリーは、かき上げ手段でかき上げられシャフト部の通路に順次移動されるのでシャフト部及び軸受は小径のもので、スラリーを排出することが出来る。
【0013】
【実施例】
以下、本発明に係る湿式チューブミルの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係る湿式チューブミルを説明する図で、(A)は湿式チューブミルの一部省略断面図、(B)は図1における I−I 線断面図である。本発明に係る湿式チューブミルの系統図は、従来技術の説明時に示した図2の系統図と同じであるので、その説明は省略する。
【0014】
本発明の実施例となる湿式チューブミル1は、図1(A)に示すように、原料を粉砕してスラリーにする胴部2と、この胴部2のスラリーの出口側に延在して縮径して設けられた縮径部14と、この縮径部14に接続して設けられ前記スラリーの排出通路となり、胴部2と縮径部14を軸支する軸受であるトラニオン軸受24のシャフト部となるトラニオンシャフト20とを備えており、トラニオン軸受24は、コンクリート土台25に据付けられている。更に、胴部2内部のスラリーの出口側の近傍にスラリーの最適量を保持する手段である中心に開口部を有する仕切板3が設けられ、又、トラニオンシャフト20側の縮径部14にスラリーをかき上げるかき上げ手段であるかき上げ羽根15を設けたものである。かき上げ羽根15は、同図(B)に示すように、互いに90度間隔に四枚設けられ、時計回り方向18に対して円弧状に曲がった形状である。
【0015】
以上のように構成された本発明の実施例となる湿式チューブミル1は、次のように作用する。即ち、胴部2内部のスラリーの出口側の近傍に、スラリーの最適量を保持する手段である中心に開口部4を有する仕切板3を設けたので、スラリーの量は図1(A)の二点鎖線で示したレベル56迄滞留、保持され、このホールドアップ量57が、スラリーの適正範囲量になるように仕切板3の開口径5が設計されており、適正なホールドアップ量57を維持することができ、従って、高効率の粉砕処理がなされる。粉砕されたスラリーは仕切板3の開口部4をオーバフローし、縮径部14に移動する。
【0016】
縮径部14に移動したスラリーは、縮径部14に設けられたかき上げ羽根15によってかき上げられ、縮径部14の底部に滞留することなく順次縮径部14に接続された小径のシャフト部であるトラニオンシャフト20の排出通路を経て図示しないスクリーン28に排出される。このように縮径部14に移動したスラリーは、かき上げ羽根15でかき上げられ順次移動されるので、湿式チューブミル1のシャフト内径21を小さくしてもスラリーを排出することが出来る。
【0017】
本発明の湿式チューブミル1は、上記のように、中心に開口部4を有する仕切板3によってスラリーの量が適正なホールドアップ量57になるようにしたので、トラニオンシャフト20のシャフト内径21は、ホールドアップ量と関係なく独立に寸法を決めることが出来、スラリーが排出されるのに最適な、しかも製作可能な直径に設計することが出来る。又、シャフト内径21は、ホールドアップ量に左右されないため小径化出来、小型化が出来る。
【0018】
トラニオンシャフト20及びトラニオン軸受24は特殊鋳物であり、且つ機械加工面も多く、湿式チューブミル1における製作費の大きな部分をしめ、これが小径化、小型化されることは、湿式チューブミル1の製作費を大巾に低減出来る。更には、トラニオンシャフト20及びトラニオン軸受24を小径化、小型化することによって、製作限界内の大きさにすることが可能となり、湿式チューブミル1を大容量化出来る。大容量化した後においても経済的に優位な湿式チューブミルを提供することが出来る。
【0019】
以上この発明を図示の実施例について詳しく説明したが、それを以ってこの発明をそれらの実施例のみに限定するものではなく、この発明の精神を逸脱せずして種々改変を加えて多種多様の変形をなし得ることは云うまでもない。
【0020】
【発明の効果】
本第1発明によれば、胴内に胴中央部に開口部が形成されるように仕切板を設けると共に、開口部をオーバーフローするスラリー量がミル内のホールドアップ量をミルの粉砕効率との関係に基づいて求められる適正範囲になるように開口部の径を設定したので、適正ホールドアップ量を維持することができ、高効率の粉砕処理が出来ると共に、シャフト部及びその軸受の小型化が可能になり、湿式チューブミルの大容量化に伴うシャフト部及びその軸受の製作限界による制約を解消した。故に、製作が容易で経済的な湿式チューブミルを提供することが出来る。
【0022】
本第2発明によれば、本第1発明において、シャフト部側の縮径部にスラリーをかき上げるかき上げ手段を設けたので、本第1発明の効果に加え、上記開口部を有する仕切板をオーバフローしたスラリーは、かき上げ手段でかき上げられ順次小型のシャフト部通路を介してスラリーを排出することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る湿式チューブミルを説明する図で、(A)は湿式チューブミルの一部省略断面図、(B)は図1における I−I 線断面図である。
【図2】CWM製造設備の一部省略系統図である。
【図3】従来技術に係る湿式チューブミルの一部省略断面図である。
【図4】湿式チューブミル内のホールドアップ量と粉砕効率の関係を説明する図で、(A)はホールドアップ量と粉砕効率の関係曲線図、(B)はホールドアップ量を大きく取った状態の断面図、(C)はホールドアップ量を小さく取った状態の断面図である。
【符号の説明】
1 湿式チューブミル
2 胴部
3 仕切板
14 縮径部
15 かき上げ羽根
20 トラニオンシャフト(シャフト部)
【産業上の利用分野】
本発明は、石炭水スラリー(Coal Water Mixture、以下、「CWM」と云う)製造設備の主機である湿式チューブミルに係り、特にその大容量化に好適な湿式チューブミル関する。
【0002】
【従来の技術】
図2は、CWM製造設備の一部省略系統図である。CWM製造設備の主機である湿式チューブミル1は、胴部2内に多数のボール10を内蔵し、モータ9の回転速度を減速し回転力を伝えるガースギヤ8を介してモータ9によって回転される。石炭供給管49、水供給管50及び添加剤供給管51から、原料である石炭、水及び添加剤が原料の入口16に供給され、胴部2内で粉砕混合されてスラリー(以下、粗粒スラリー及び製品スラリーの総称として「スラリー」と云う)となってスラリーの出口17、スクリーン28を通過してサンプタンク30に入る。サンプポンプ31によりスラリー供給管34を通ってストレーナ32に供給されたスラリーは濾過され、所定粒度以下のものが製品スラリーとして製品スラリー配管35を介してポンプ40から送り出される。ストレーナ32で分離された比較的粗い粒子のスラリーはスラリー戻り配管36、弁38を経て湿式チューブミル1に戻され再び粉砕される。一方スラリーの出口17から取り出されたスラリー中にはまだよく粉砕されていない粗大な石炭粒子が混入しており、これが混入したままストレーナ32に送られると、ストレーナ32の内部に設けられた金網33が目詰りして過大なる負荷が、図示していないストレーナかき取り器のモータに掛り、モータがトリップする重大故障を起こすことになるため、スラリーの出口17に前述スクリーン28が円筒状に設けられ粗大粒子を分離する。スクリーン28で分離された粗粒スラリー47は、スクリーン28の先端から粗粒タンク42に入り、そこで水供給管52から供給される水と前述ストレーナ32から別のスラリー戻り配管37を介して戻されたスラリーと混合して粗粒ポンプ43、粗粒戻り配管44を経て原料の入口16に戻される。
【0003】
図3は、従来技術に係る湿式チューブミル1′の一部省略断面図である。原料の入口16から供給された石炭、水及び添加剤等の原料は、胴部2内で粉砕されてスラリーとなり、スラリーの出口17から排出される。スラリーの出口17には、軸受であるトラニオン軸受24に軸支されたシャフト部であるトラニオンシャフト20が設けられ、スラリーはこのトラニオンシャフト20内の通路を通りオーバフローして図示していないスクリーン28に移る。即ち、スラリーの出口17の径、即ちシャフト径21は前述の如く湿式チューブミル1′がオーバフロータイプであることから湿式チューブミル1′内のスラリーホールドアップ量57は、シャフト内径21に基づくレベル56によって決まる。
【0004】
図4は、湿式チューブミル1′内のホールドアップ量と粉砕効率の関係を説明する図で、(A)はホールドアップ量と粉砕効率の関係曲線図、(B)はホールドアップ量を大きく取った状態の断面図、(C)はホールドアップ量を小さく取った状態の断面図である。(A)のホールドアップ量と粉砕効率の関係曲線54によると、(B)に示すようにホールドアップ量57を大きく取った状態でも、(C)に示すようにホールドアップ量57を小さく取った状態でも、粉砕効率は最良とはならず、ホールドアップ量57の或る適正範囲55で最良となる。云い換えれば粉砕効率のよい適正範囲55内のホールドアップ量になる様にスラリーの出口の径すなわちシャフト内径21が決定される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術では前述の如く、シャフト内径21は、高粉砕効率を確保するための最適なホールドアップ量を得る径に設定されており、湿式チューブミルが大容量化するに従いその径が拡大され、それを受けるトラニオン軸受24が大型となり経済的に不利となる。特にスラリーの出口の軸受には通常スベリ軸受が採用されるが、軸受面に大きな面圧を受けることからトラニオンシャフト20及びトラニオン軸受24は特殊な鋳物で製作され、おのずとその大きさに製作限界があって湿式チューブミル大容量化の妨げになっていた。
【0006】
本発明の目的は、この様な湿式チューブミルの大容量化に伴うシャフト部及びその軸受の製作限界による制約を解消し、大容量化においてもスラリーの粉砕効率が良く、且つスラリー排出通路となるシャフト部及びその軸受の小型化が可能な経済的湿式チューブミルを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、入口から供給された石炭、水を、内部に滞留、保持すると共に、回転させることにより石炭を粉砕して、水と混合させることによりスラリーにする胴部と、胴部の一端を縮径して形成された縮径部と、胴部と縮径部とを回転可能に軸支し、内径部がスラリーの排出流路とされたトラニオンシャフトとを有する湿式チューブミルにおいて、中央部に開口を有する円板状の仕切板を胴内に設けると共に、スラリー量のホールドアップ量が、ミルの粉砕効率とホールドアップ量との関係に基づいて求められる適正範囲になるように、開口の径をトラニオンシャフトの内径よりも大きく設定し、仕切板をオーバーフローしたスラリーを排出流路にかき上げるかき上げ羽根を設けたことを特徴とする。
【0010】
【作用】
本発明によれば、胴内に胴中央部に開口部が形成されるように仕切板を設けると共に、開口部をオーバーフローするスラリー量がミル内のホールドアップ量をミルの粉砕効率との関係に基づいて求められる適正範囲になるように開口部の径を設定したので、本発明の湿式チューブミルは、この仕切板により適正ホールドアップ量を保持し、仕切板の中心に設けられた開口部によって、粉砕されたスラリーはオーバフローし、適正ホールドアップ量を保持することが出来、高粉砕効率が得られると共に、シャフト部及びその軸受の小型化が可能になる。
【0011】
更に、中心に開口部を有する仕切板は、構成が単純で製作容易である。
【0012】
そして、スラリーの出口側の縮径部に粉砕されたスラリーをかき上げるかき上げ手段を設けたので、上記中心に開口部を有する仕切板をオーバフローしたスラリーは、前記かき上げ手段によってかき上げられ、湿式チューブミルの上記縮径部底部に滞留することなくチューブミルのシャフト部の通路を経て排出される。更に、スラリーは、かき上げ手段でかき上げられシャフト部の通路に順次移動されるのでシャフト部及び軸受は小径のもので、スラリーを排出することが出来る。
【0013】
【実施例】
以下、本発明に係る湿式チューブミルの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係る湿式チューブミルを説明する図で、(A)は湿式チューブミルの一部省略断面図、(B)は図1における I−I 線断面図である。本発明に係る湿式チューブミルの系統図は、従来技術の説明時に示した図2の系統図と同じであるので、その説明は省略する。
【0014】
本発明の実施例となる湿式チューブミル1は、図1(A)に示すように、原料を粉砕してスラリーにする胴部2と、この胴部2のスラリーの出口側に延在して縮径して設けられた縮径部14と、この縮径部14に接続して設けられ前記スラリーの排出通路となり、胴部2と縮径部14を軸支する軸受であるトラニオン軸受24のシャフト部となるトラニオンシャフト20とを備えており、トラニオン軸受24は、コンクリート土台25に据付けられている。更に、胴部2内部のスラリーの出口側の近傍にスラリーの最適量を保持する手段である中心に開口部を有する仕切板3が設けられ、又、トラニオンシャフト20側の縮径部14にスラリーをかき上げるかき上げ手段であるかき上げ羽根15を設けたものである。かき上げ羽根15は、同図(B)に示すように、互いに90度間隔に四枚設けられ、時計回り方向18に対して円弧状に曲がった形状である。
【0015】
以上のように構成された本発明の実施例となる湿式チューブミル1は、次のように作用する。即ち、胴部2内部のスラリーの出口側の近傍に、スラリーの最適量を保持する手段である中心に開口部4を有する仕切板3を設けたので、スラリーの量は図1(A)の二点鎖線で示したレベル56迄滞留、保持され、このホールドアップ量57が、スラリーの適正範囲量になるように仕切板3の開口径5が設計されており、適正なホールドアップ量57を維持することができ、従って、高効率の粉砕処理がなされる。粉砕されたスラリーは仕切板3の開口部4をオーバフローし、縮径部14に移動する。
【0016】
縮径部14に移動したスラリーは、縮径部14に設けられたかき上げ羽根15によってかき上げられ、縮径部14の底部に滞留することなく順次縮径部14に接続された小径のシャフト部であるトラニオンシャフト20の排出通路を経て図示しないスクリーン28に排出される。このように縮径部14に移動したスラリーは、かき上げ羽根15でかき上げられ順次移動されるので、湿式チューブミル1のシャフト内径21を小さくしてもスラリーを排出することが出来る。
【0017】
本発明の湿式チューブミル1は、上記のように、中心に開口部4を有する仕切板3によってスラリーの量が適正なホールドアップ量57になるようにしたので、トラニオンシャフト20のシャフト内径21は、ホールドアップ量と関係なく独立に寸法を決めることが出来、スラリーが排出されるのに最適な、しかも製作可能な直径に設計することが出来る。又、シャフト内径21は、ホールドアップ量に左右されないため小径化出来、小型化が出来る。
【0018】
トラニオンシャフト20及びトラニオン軸受24は特殊鋳物であり、且つ機械加工面も多く、湿式チューブミル1における製作費の大きな部分をしめ、これが小径化、小型化されることは、湿式チューブミル1の製作費を大巾に低減出来る。更には、トラニオンシャフト20及びトラニオン軸受24を小径化、小型化することによって、製作限界内の大きさにすることが可能となり、湿式チューブミル1を大容量化出来る。大容量化した後においても経済的に優位な湿式チューブミルを提供することが出来る。
【0019】
以上この発明を図示の実施例について詳しく説明したが、それを以ってこの発明をそれらの実施例のみに限定するものではなく、この発明の精神を逸脱せずして種々改変を加えて多種多様の変形をなし得ることは云うまでもない。
【0020】
【発明の効果】
本第1発明によれば、胴内に胴中央部に開口部が形成されるように仕切板を設けると共に、開口部をオーバーフローするスラリー量がミル内のホールドアップ量をミルの粉砕効率との関係に基づいて求められる適正範囲になるように開口部の径を設定したので、適正ホールドアップ量を維持することができ、高効率の粉砕処理が出来ると共に、シャフト部及びその軸受の小型化が可能になり、湿式チューブミルの大容量化に伴うシャフト部及びその軸受の製作限界による制約を解消した。故に、製作が容易で経済的な湿式チューブミルを提供することが出来る。
【0022】
本第2発明によれば、本第1発明において、シャフト部側の縮径部にスラリーをかき上げるかき上げ手段を設けたので、本第1発明の効果に加え、上記開口部を有する仕切板をオーバフローしたスラリーは、かき上げ手段でかき上げられ順次小型のシャフト部通路を介してスラリーを排出することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る湿式チューブミルを説明する図で、(A)は湿式チューブミルの一部省略断面図、(B)は図1における I−I 線断面図である。
【図2】CWM製造設備の一部省略系統図である。
【図3】従来技術に係る湿式チューブミルの一部省略断面図である。
【図4】湿式チューブミル内のホールドアップ量と粉砕効率の関係を説明する図で、(A)はホールドアップ量と粉砕効率の関係曲線図、(B)はホールドアップ量を大きく取った状態の断面図、(C)はホールドアップ量を小さく取った状態の断面図である。
【符号の説明】
1 湿式チューブミル
2 胴部
3 仕切板
14 縮径部
15 かき上げ羽根
20 トラニオンシャフト(シャフト部)
Claims (1)
- 入口から供給された石炭、水を、内部に滞留、保持すると共に、回転させることにより前記石炭を粉砕して、水と混合させることによりスラリーにする胴部と、該胴部の一端を縮径して形成された縮径部と、前記胴部と前記縮径部とを回転可能に軸支し、内径部が前記スラリーの排出流路とされたトラニオンシャフトとを有する湿式チューブミルにおいて、
中央部に開口を有する円板状の仕切板を前記胴内に設けると共に、前記スラリーのホールドアップ量が、ミルの粉砕効率と前記ホールドアップ量との関係に基づいて求められる適正範囲になるように、前記開口の径を前記トラニオンシャフトの内径よりも大きく設定し、前記仕切板をオーバーフローした前記スラリーを前記排出流路にかき上げるかき上げ羽根を設けたことを特徴とする湿式チューブミル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03857794A JP3554987B2 (ja) | 1994-03-09 | 1994-03-09 | 湿式チューブミル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03857794A JP3554987B2 (ja) | 1994-03-09 | 1994-03-09 | 湿式チューブミル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07246346A JPH07246346A (ja) | 1995-09-26 |
JP3554987B2 true JP3554987B2 (ja) | 2004-08-18 |
Family
ID=12529148
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03857794A Expired - Fee Related JP3554987B2 (ja) | 1994-03-09 | 1994-03-09 | 湿式チューブミル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3554987B2 (ja) |
-
1994
- 1994-03-09 JP JP03857794A patent/JP3554987B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07246346A (ja) | 1995-09-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN100558463C (zh) | 一种连续混合-研磨机 | |
CA2284507C (en) | Axial flow, bi-rotor concrete reclaimer | |
US7081171B1 (en) | Screenings washer | |
CN208373170U (zh) | 一种水泥原料的一体式破碎研磨设备 | |
CN209348712U (zh) | 小麦研磨装置 | |
CN102950055B (zh) | 碳酸钙浆料湿法研磨制造方法 | |
CN207709144U (zh) | 一种陶瓷原料加工用球磨装置 | |
CN101642646A (zh) | 一种石墨加工油帘密封系统的过滤装置以及方法 | |
JPH0568305B2 (ja) | ||
JP3554987B2 (ja) | 湿式チューブミル | |
CN213494064U (zh) | 一种球磨制砂机 | |
JP2003220346A (ja) | 湿式ボールミル | |
CN109530100A (zh) | 一种收口型泥浆离心设备的运维方法 | |
JPH0979561A (ja) | 石炭燃焼炉のクリンカ灰処理方法および処理装置 | |
JPH07256133A (ja) | 摩砕粉砕 | |
JP3125250B2 (ja) | 湿式ボールミルを用いた砕砂製造方法及びその製造方法を行うための湿式ボールミル | |
CN105536618A (zh) | 伊利石矿土旋转打浆机 | |
CN211801544U (zh) | 一种新型多元纳米抗磨内衬材料骨料粉碎输送设备 | |
CN214717073U (zh) | 一种大颗粒固体食品加工用防堵塞的电动石磨机 | |
CN219580631U (zh) | 一种硅灰石粉磨粉机 | |
CN213996727U (zh) | 一种道路建设用沙石筛分装置 | |
CN220678101U (zh) | 一种刚玉加工用粉碎整形装置 | |
CN208771574U (zh) | 一种油漆研磨装置 | |
CN214619656U (zh) | 一种锅炉用的碎煤设备 | |
CN212396902U (zh) | 一种湿式研磨机 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040406 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040427 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090521 Year of fee payment: 5 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |