JP3125250B2 - 湿式ボールミルを用いた砕砂製造方法及びその製造方法を行うための湿式ボールミル - Google Patents

湿式ボールミルを用いた砕砂製造方法及びその製造方法を行うための湿式ボールミル

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JP3125250B2
JP3125250B2 JP09269200A JP26920097A JP3125250B2 JP 3125250 B2 JP3125250 B2 JP 3125250B2 JP 09269200 A JP09269200 A JP 09269200A JP 26920097 A JP26920097 A JP 26920097A JP 3125250 B2 JP3125250 B2 JP 3125250B2
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俊男 川中
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば強硬質砕
砂原料を含んだ砕石であっても、大量の高品質砕砂を効
率よく製造する方法及びその方法を最適に実施できる湿
式ボールミルに関する。
【0002】
【従来の技術】コンクリート原料となる砂利や砂はもと
もと天然物が用いられていたが、その後天然砂利や砂の
採取が難しくなるにしたがい、鉱山機械を転用して得ら
れる砕砂が用いられるようになった。鉱山機械として
は、ボールミルとロッドミルとがあるが、前者は過粉砕
機械とみなされ用いられず、砕砂目的に転用されたのは
後者のロッドミル、特に円筒型湿式ロッドミルであっ
た。
【0003】このような円筒型湿式ロッドミルのうち、
当初転用されたのは、図3に示すオーバーフロー型ロッ
ドミルであったが、これはトラニオン排出構造であった
ため、被破砕物のミル中通過速度が遅く、これでは処理
能力が十分とはいかなかった。
【0004】このため、被破砕物の通過速度が速い図4
に示す円周排出(ペリフェラルディスチャージ)型ロッ
ドミルが次に転用されたが(同図(a)はエンドペリフェ
ラル型、(b)はセンターペリフェラル型)、これらは図
3に示すオーバーフロー型と同様、回転筒体20がトラニ
オン部21を介して軸承された構造であったため、軸受の
基礎工事に大きい手数と精度を要して製造コストが高
く、また高度な保守管理を要していた。さらに駆動伝達
系のチェーンとスプロケットあるいは荷重支持系のロー
ラと筒体等金属と金属とが接触して動く構造から発生す
る騒音は耐え難いものがあった。
【0005】そこでそれら問題を解決する構造として、
駆動輪を含む車輪で筒体を支承しながら回転させるロッ
ドミルが砕砂に用いられるようになってきている。もっ
とも、当初は、排出口からロッドが飛び出さないように
するため、図5に示すような、排出口22側を高く傾ける
構造や、図6に示すような、排出口22側を絞ったテーパ
形状の筒体20を用いた構造であり、これらは、ロッド23
が水平状態とならないために、摩耗して細くなったロッ
ド23が曲がって絡まったり折れたりするほか、絞られた
排出口22によって被破砕物のミル中滞留時間が延びてし
まうという問題があった。しかし、図7に示すような、
排出口22を通孔が穿設された側板24で塞ぐことで筒体20
を水平にした構造(第2528938号実用新案登録)
が開発されるに至り、これによれば上記円周排出型ロッ
ドミルに近い有効な排出とロッドの水平転動が可能とな
ったため、それが汎用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、現在の
砕砂には、従来から種々改良を経てきた車輪支承型ロッ
ドミルが用いられているが、この構造でも欠点を有して
いる。
【0007】まず、ロッドミル自体の破砕能力上の問題
がある。そもそもロッドミルの破砕メカニズムは、筒体
の回転により持ち上げられたロッドが、下方のロッド上
に落ちる際ロッドとロッドの間に挟んだ被破砕物を押し
つぶし(圧縮)、すり潰す(剪断)ものである。そし
て、ロッド1本は長大で非常に重い一方、破砕力は以外
に小さい。すなわち、大きな被破砕物を1個挟むと、そ
のロッドの他の部分は浮いた状態となって破砕力が落
ち、また大粒を2個ロッドの両端に挟んだときは、両粒
の間はロッドのほぼ全長が破砕に関与しなくなる。そし
て、粒の揃った原料の場合もロッド全長にわたって力が
分散するので破砕力は小さくなるものである。このよう
な能力上の問題から、高品質コンクリートを作るために
は0.074〜0.6mm(細目部分)が50%以上求められるとこ
ろ、ロッドミル中で破砕が進むと1.0mm以下の破砕が困
難になり、往々にして細目部分が50%を割ることがあっ
た。
【0008】また、ロッドミルにおいて砕砂する場合
は、クラッシャーランと称する前段破砕機の産物(路盤
材、サイズ40mm以下、その中15〜30%が5mm以下)をロ
ッドミルに通し、そのミル製品をふるいと湿式機械分級
機で分級して0.074〜5mmの砕砂を得ていた。そして、こ
のようなロッドミルからは往々にして5〜13mmのビリと
称する大量の副産物を生じていた。このようなビリは、
粗砕、中砕、微砕と数段の破砕に耐えた強靱な岩石の芯
であるため、高品質砕砂になり得るものであるが、現在
のロッドミルでは上記特性から破砕できず、どの砕石工
場でも販売不能な無用物として、空き地に山積み放置さ
れていた。
【0009】この発明は従来技術の以上のような問題に
鑑み創案されたものであり、例えば強硬質砕砂原料を含
む砕石であっても、大量の高品質砕砂を効率よく製造す
ることのできる技術を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述のように、現在砕砂
に用いられるミルはロッドミルであり、ボールミルは過
粉砕のおそれがあると考えられたため用いられなかっ
た。そこで本発明者らは、現在ロッドミルとして汎用さ
れている図7に示す構造のものが本発明者ら自らが開発
したということもあり、まず同図に示す湿式ロッドミル
において、破砕体をロッドからボールに変えて、前記ビ
リの破砕を試みるに至った。操業条件は従来のロッドミ
ル及びボールミルの範囲で行った結果、ビリの破砕は可
能となったが、その一方で、やはり過粉砕の傾向が強
く、良質な破砕は所望の量に達するまでには至らず製品
歩留まりが悪いものとなった。
【0011】ただし、車輪に支承されつつ筒体が回転す
る構造のボールミルを用いれば少なくともビリから砕砂
が得られることは知見でき、問題はいかに所望の粒径範
囲(粒径0.074〜5mm)を効率よく得るかという点につき
るに至った。ここで本発明者らは、過粉砕となる原因を
ボールミルの操業条件から検討した結果、ミルの粉砕作
用の強さ及び性質は筒体の回転数に依存することから、
その回転数に着目した。従来、ボールミルの鉱石破砕に
おける回転数は、ミル内におけるボールの小滝(カスケ
ード)運動の圧縮、剪断作用が200メッシュ(0.074mm)
アンダを目指す微粉砕には有効であるため、小滝運動を
生じさせる範囲の臨界速度の60〜80%とされ、特に擦り
剥がし作用を得るためその範囲でも低速レベルが保たれ
ている。ここで臨界速度とは、遠心力と重力がつり合っ
てボールが回転筒体の内壁から離れないで内壁についた
まま回転する際の速度をいう。上記最初の試験例におい
ても、回転数は臨界速度の60〜80%の範囲で行ったもの
である。そこで、本発明者らは次の試験として、砕砂の
原料となるビリを含む他種類岩石混合物を試料とし、上
記試験と同様のミルを用いて、臨界速度の60〜80%の回
転速度と、臨界速度の80%超の回転速度との2つの試験
を行い、回転数が砕砂の破砕状態に与える影響を調べた
ところ、後述する実施例に示すように、従来の操業条件
では考えられなかった臨界速度の80%超の範囲で極めて
効率的に良好な砕砂が得られた。これは、回転速度が臨
界速度の80%超となると、回転筒体内はボールが大滝
(カタラクティング)運動となり、その大滝運動が及ぼ
すボール自由落下の衝撃力が、砕砂製造条件においては
もっとも適切な破砕力になったものである(なお、従来
の回転速度範囲では原料中の大粒は多少細るばかりで破
砕されず、他方小粒は粉砕しすぎて微粉を作り、ヘドロ
の部分を増加させるに至ったことを付言しておく)。も
っとも臨界速度の89%を超えると、ボールは回転筒体の
反対側の側壁に衝突することになり、そこには被破砕物
がないため、破砕力が0となってしまう。すなわち、本
発明者らは、ボールミルの回転数を臨界速度の80超〜89
%に設定することで、極めて効率的に良質な砕砂が得ら
れることを見い出したものである。
【0012】本願に係る砕砂製造方法は、このような新
たな知見に基づくもので、車輪に支承されつつ筒体が回
転する湿式ボールミルを用い、前記筒体を、臨界速度の
80超〜89%の範囲で回転させ、砕石から砕砂を得ること
を特徴とするものである。
【0013】また本発明者らは、このような砕砂製造方
法における最適条件としてさらに、破砕体であるボール
の大きさについて検討した。一般に、大粒を破砕するに
は大きなボール、小粒を粉砕するには小さなボールが必
要である。従来のボールミルでは、通常10mm以下の比較
的粒の揃った原料を全量0.1mm以下とか0.074mm以下の製
品にする粉砕あるいは微粉砕が目的であったので、充填
する時のボールも50〜60mm以下であった。砕砂の場合
は、5〜30mmの比較的大きな原料が対象となるので、90
〜120mmのボールを選択し、従来範囲である60mmのボー
ルと比較する試験を試みた。本発明方法の条件である臨
界速度の80超〜89%の範囲で筒体を回転させてそれぞれ
充填して試験を行った結果、従来のボールミルの操業条
件とは異なり、90〜120mmのボールは、60mmのボールで
は破砕できなかった原料を破砕することを見い出した。
ところで、従来の粉砕では、ボールミル中で供給口側か
ら排出口側に向かうにしたがって小さくなっていく被粉
砕物をより効率よく粉砕するために、供給口側に新しい
ボール(最大直径)を留まらせ、排出口側に向かうにし
たがってより摩耗したボール(排出口で最小直径)が配
されるミル構造、例えばコニカルミルやトリコンミル等
が用いられている。また、ミル内に仕切りを設け、供給
口側に大きなボールを、排出口側に小さなボールをそれ
ぞれ区別して充填するコンパートメントミルも使用され
ている。しかしながら、本願が対象とする砕砂は、粒径
が0.074〜5mmと粒度範囲が広範でしかもその範囲に適当
な中間粒子が存在しつつ規定内の粒度分布を形成しなけ
ればならない。したがって、砕砂の場合は従来の粉砕理
論はあてはまらず、供給口側から排出口側までの全域に
わたって最大直径から最小直径まで直径の異なるボール
が混在してもかまわない。一方、ボールは破砕運転時間
の経過とともに摩耗していくことから、本発明方法を実
施するにあたっては、充填する時のボールの大きさを規
制することで破砕力の向上を図ることも可能であり、そ
して上記試験の結果からすると、本発明範囲において破
砕力がより十分な直径が90〜120mmのものを用いるのが
好ましいと言える。
【0014】次にボール充填量について、従来は筒体有
効内容積の35〜45%の範囲と言われており、その範囲で
試験を行った結果、過粉砕気味となった。逆に35%未満
に抑えた試験では砕砂が効率よく得られた。一般にボー
ルミルにおいては、ボール充填量が増加するほど破砕能
力が向上するものであるが、過粉砕を避けるべき砕砂に
おいては、微粉砕を目的とする従来の充填量では必要以
上に粉砕を促進させてしまうため従来範囲では過粉砕と
なったと思われる。むしろ砕砂の場合は、少数のボール
によってボールの自由落下を促進させるほうが所望範囲
の粒径を得るには望ましいと解され、試験結果と考え併
せると、ボール充填量は35%未満に抑えた方が好ましい
と言える。
【0015】次に用いるミル筒体のサイズについては特
に限定されないが、当初本発明方法を開発するにあたっ
ては、上述のように図7に示す構造のロッドミルを用い
た。従来のボールミルは筒体内径に対する長さの比が2.
0以下であるのに対し、汎用されている図7に示す構造
のロッドミルはその比が1.6〜2.2である。少なくとも筒
体内径に対する長さの比が1.6〜2.2であれば、上記試験
により破砕効率が良好であることが明らかであり、この
ため本発明方法を実施するに際してはミルのサイズは筒
体内径に対する長さの比が1.6〜2.2とするのが好まし
い。特に、そのサイズの筒体であれば、現在設置稼動さ
れている図7に示すロッドミルを用いて本願に係るボー
ルミルによる製造方法が極めて少ない改造で操業でき、
製造コスト上有利なものとなる。
【0016】また、砕砂の操業条件を他の視点から考え
ると、どのような構造のミルでも、筒体中の滞留時間が
長すぎると過粉砕の傾向が強くなるため、過粉砕を防ぐ
意味からは滞留時間が短くかつ急速排出が可能な設定が
望ましいことになる。ところで、一般に湿式ミルでは、
原料に必要最小限の水を加えることとなっている。これ
は、被破砕物に流動性をもたせるためであり、ボールミ
ルの微粉砕操業の場合には、一般にスラリ(原料と水か
らなる混合物)濃度が60〜70wt%の範囲になるように水
を加えている。本発明者らは、ミル内に流し込むこの水
を急速排出を促進させる手段として用いられないか否か
について着目し、その最適条件を種々検討したところ、
従来のスラリ濃度が60〜70wt%の範囲では滞留時間が長
くなった一方、60wt%未満となるように多量の水を流し
込むことでスムーズな排出流が得られるとともに、原料
中の泥及び石粉を洗い流せた。このため、本発明におい
ては、筒体内のスラリ濃度が60wt%未満となるように水
を流し込むのが好ましい。
【0017】ところで、図3や図4に示すような排出口
にトラニオンが付設されるミルでは、トラニオンの存在
により滞留時間が長くなる。これは図8に示すような従
来のトラニオン付設のボールミルでも同様である。すな
わち、このようなトラニオン21付設ミルでは、被破砕物
を筒体20中心に設けられるトラニオン連通部(排出口2
3)まで持ち上げたうえトラニオンを通過させる工程を
とり(被粉砕物の流れを矢印で示す)、その分滞留時間
が必要となる。しかし、本発明方法が前提とする車輪支
承型ミルでは、車輪で筒体を支承しつつ回転させるもの
であり、軸受部となるトラニオンが不要で、排出口を筒
体中心部に設ける必要がない構造となるので、そのミル
自体の構造により、まず急速排出を可能ならしめるもの
となっているのである。一方ボールミルでは、排出口側
からボールの自由排出を避けるため、排出口側に邪魔板
となる側板が配され、その側板には種々の形状の通孔が
形成されている。被破砕物は、その通孔を介して排出口
へと向かうため、この通孔は急速排出において重要な要
素となるものである。
【0018】このような見地から本発明者らは、側板に
形成される通孔の形状を種々検討したところ、筒体の回
転により被破砕物も回転することから、筒体の回転方向
に沿ったスリット、すなわち側板の回転方向に沿って形
成されるスリットであれば、砕砂と水は容易にそのスリ
ットから抜け出ることに気付き、その構造において本発
明方法の実施を試みた結果、極めて良好な急速排出の効
果が得られた。
【0019】そこで、このような通孔が形成されたミル
を、本発明方法を効率的に実施できるミルとして、本願
第2の発明とするものである。すなわち、本願に係る湿
式ボールミルは、車輪に支承されつつ筒体が回転する湿
式ボールミルにおいて、筒体の排出口側側板に形成され
る通孔として、その回転方向に沿ったスリットを穿設し
たことを特徴とするものである。このような湿式ボール
ミルを用いて砕砂を行えば、極めて良好な急速排出が可
能となりかつ不要な過粉砕を防げることとなって、本願
の上記発明方法の最適装置構成となることは言うまでも
ない。
【0020】前記スリットの形状としては、側板の回転
方向に沿った形状であれば、弧状や直線状でもよい。と
ころで、このようなスリットは、ボールをミル筒体内に
滞留させる機能をもたせるものである一方、摩耗して衝
撃力が低下したボールをミル外に排出させる機能も併せ
もつ。このことは、スリットの幅を、衝撃力が低下した
ボールの直径(摩耗度)を想定して適正に設定すること
で、稼動コストの抑制と効率的な操業が可能となること
を意味している。この点従来のボールミルによる微破砕
の場合では、通孔の幅として通常12mmまでとし、特に粗
目製品の場合でも最大25mmまでであった。これに対し、
本願が対象とする砕砂製造においては、急速排出の見地
から多量の水を使用するのが好ましいことになるが、そ
の水力がボールの衝撃力にも影響することになるのでそ
の点も考慮に入れる必要がある。そして、水量によって
は直径35〜40mmに摩耗したボールでも破砕力が十分でな
い場合があり、直径25mmまで摩耗するといかなる水量に
おいても破砕力がなく、かえって破砕を邪魔することが
わかった。このことから、前記スリットの幅は25〜40mm
の間に設定するのが好ましいと言える。この設定であれ
ば、摩耗して直径が40mm以下となり衝撃力が低下したボ
ールを速やかに排出でき、破砕効率の向上が図れる。
【0021】また筒体有効断面積に対するスリットの総
面積も、被破砕物の排出速度に影響を与える。ここで、
筒体有効断面積とは、実際稼働する状態の筒体内の空間
における断面積をいい、例えば筒体内にライナが貼設さ
れる場合は筒体内径から計算される断面積からライナの
断面積を引いた面積ということになる。上記好適条件の
スリット、すなわち形状が回転方向に沿った円弧状で幅
が25〜40mmのスリットが穿設された側板を備えたボール
ミルで試操業した結果、筒体有効断面積に対するスリッ
トの総面積が3%未満であると、スラリの通過速度が極
端に遅くなり、滞留時間が長くなって、砂として許容で
きない微粉砕になってしまう一方、12%を超えると、必
要以上に速い通過速度になり、滞留時間が短すぎるもの
となって十分な破砕が行われないことがわかった。しか
も12%超では、ボールとボール、ボールと内壁が直接衝
突する空打ちが生じ、ボールが割れてしまう問題が生じ
るとともに、極めて大きな騒音が発生する。このため、
筒体有効断面積に対するスリットの総面積は、少なくと
も12%以下とするのが望ましく、より好ましくは3〜12
%に設定すべきである。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態例を図面に基づ
き説明する。
【0023】図1は砕砂製造に係る基本的装置構成例で
ある。図中、1はボールミル、2はチャージホッパ、3
はフィーダ、4は分級機、5はマグネットセパレータ、
10はミルの投入口に接続される強制給鉱器、11は円筒ふ
るい、13は筒体(ドラム)を各示す。ここでボールミル
1は、駆動輪を含む車輪(図示なし)により筒体13が支
承されつつ回転する構造で、後述するように排出口12側
に、じゃま板となる円盤状ライナ板14が配設され、前記
筒体13は地面に対して水平に保たれている。
【0024】砕砂原料は、チャージホッパ2に受け入れ
られ、調節可能なフィーダ3によって最適供給量で切り
出され、水によって強制給鉱器10に押し流され、ミル1
の筒体13内に投入される。ミル1の筒体13内で破砕され
た製品は、排出口に付設された円筒ふるい11に乗り、5m
mアンダーは水とともに分級機4に送られ、0.074mm未満
は分級機オーバーフローとともに排出される。分級機製
品の0.074〜5mmが砕砂となる一方、5mm超はリターンコ
ンベア(図示なし)を経てチャージホッパ2に戻され、
新原料とともに再びミル1の筒体13内に投入される。な
お、返送される際、摩耗して排出されたボールを拾うた
めに、前記リターンコンベア上にはマグネットセパレー
タ5が配置されている。
【0025】このような工程を経る本実施形態におい
て、前記ボールミル1の特徴的構造を図2に示す。図2
はボールミル1の排出口12側の構造を示し、筒体13の排
出口12側側壁には円盤状ライナ板14が貼設される。該ラ
イナ板14はその中央に排出口12に通じるマンホール15が
穿設されるとともに、該マンホール15の周囲であって、
前記排出口12に対応する範囲内に、ライナ板14の回転方
向に沿った弧状スリット16が同心円上に穿設される。こ
こで、弧状スリット16の幅は25〜40mmの範囲、総面積は
筒体有効断面積に対して3〜12%の範囲となるように設
定する。また、前記筒体13の大きさは、筒体内径に対す
る長さの比が1.6〜2.2のものを用いる。
【0026】
【実施例】
・試験例1 本願に係る製造方法の条件を満たす実施例と、従来のボ
ールミルの操業条件で行った比較例とを、図1に示す装
置構成(ただし比較例のスリット16幅は異なる)におい
て行った。砕砂原料は、ビリを含む5〜13mmの強硬質砕
石である。操業条件と結果を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】上記表からも明らかなように、同サイズの
ボールミルにおいて、本発明条件の破砕方法は従来条件
である比較例に対し、182%の破砕生産能力を示した。
特に筒体の回転速度が臨界速度の81〜85%と、従来のボ
ールミルでは考えられない高速であるにもかかわらず、
高い生産能力が得られているのがわかる。
【0029】・試験例2 砕砂原料として5〜30mmの普通砕石を用い、試験例1と
同様に、本願に係る製造方法の条件を満たす実施例と、
従来のボールミルの操業条件で行った比較例とを、図1
に示す装置構成(ただし比較例のスリット16幅は異な
る)において行った。操業条件と結果を表2に示す。
【0030】
【表2】
【0031】上記表からも明らかなように、同サイズの
ボールミルにおいて、本発明条件の破砕方法は従来条件
である比較例に対し、169%の破砕生産能力を示した。
特に比較例では大粒を破砕できず、小粒を過粉砕してい
る傾向が見受けられた。また試験例1と同様に、筒体の
回転速度が臨界速度の86〜89%と極めて高速であるにも
かかわらず、高い生産能力が得られているのがわかる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本願に係る砕砂製
造方法によれば、例えば強硬質砕砂原料であっても、
量の高品質砕砂を効率よく製造することができるものと
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の砕砂製造に係る基本的装置構成例の概略
図である。
【図2】本願に係る湿式ボールミルの好適構造例を示
し、(a)は筒体排出口側の側断面図、(b)は側板の正面図
である。
【図3】従来のロッドミルの一例を示し、オーバーフロ
ー型の側面図である。
【図4】従来のロッドミルの他の一例を示し、(a)はエ
ンドペリフェラル型の説明図、(b)はセンターペリフェ
ラル型の説明図である。
【図5】従来のロッドミルの他の一例を示し、傾斜型ロ
ッドミルの側面図である。
【図6】従来のロッドミルの他の一例を示し、テーパ型
ロッドミルの説明図である。
【図7】従来のロッドミルの他の一例を示し、第252
8938号実用新案登録に係るロッドミルの説明図であ
る。(a)は筒体排出口側の側断面図、(b)は(a)中のA−
A断面図である。
【図8】従来のボールミルの一例を示し、トラニオン付
設型ボールミルの説明図である。
【符号の説明】
1 ボールミル 2 チャージホッパ 3 フィーダ 4 分級機 5 マグネットセパレータ 12 排出口 14 側板(円盤状ライナ板) 16 スリット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−1452(JP,A) 特開 昭47−44256(JP,A) 特開 平9−24284(JP,A) 特公 昭38−25340(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B02C 17/00 - 17/24

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪に支承されつつ筒体が回転する湿式
    ボールミルを用い、前記筒体を、臨界速度の80超〜89%
    の範囲で回転させ、砕石から砕砂を得ることを特徴とす
    る湿式ボールミルを用いた砕砂製造方法。
  2. 【請求項2】 充填する時の直径が90〜120mmのボール
    を用いて操業を行う ことを特徴とする請求項1の湿式
    ボールミルを用いた砕砂製造方法。
  3. 【請求項3】 筒体内へのボール充填率を、筒体内容積
    の35%未満に設定して操業を行うことを特徴とする請求
    項1の湿式ボールミルを用いた砕砂製造方法。
  4. 【請求項4】 筒体の内径に対する長さの比が1.6〜2.2
    のボールミルを用いたことを特徴とする請求項1の湿式
    ボールミルを用いた砕砂製造方法。
  5. 【請求項5】 筒体内のスラリ濃度が60wt%以下となる
    ように水を流し込みつつ操業することを特徴とする請求
    項1の湿式ボールミルを用いた砕砂製造方法。
  6. 【請求項6】 車輪に支承されつつ筒体が回転し、該筒
    体内の排出口側に、前記側板の回転方向に沿ったスリッ
    トが通孔として穿設された側板が配置されたことを特徴
    とする請求項1の砕砂製造方法を行うための湿式ボール
    ミル。
  7. 【請求項7】 前記側板に穿設されるスリットの幅を25
    〜40mmに設定することを特徴とする請求項6の湿式ボー
    ルミル。
  8. 【請求項8】 前記側板に穿設されるスリットの総面積
    が、ボールミルの筒体有効断面積に対して3〜12%とな
    るように設定することを特徴とする請求項6の湿式ボー
    ルミル。
  9. 【請求項9】 車輪に支承されつつ、内径に対する長さ
    の比が1.6〜2.2の筒体が回転し、該筒体内の排出口側に
    側板が配置され、該側板に、その回転方向に沿った幅25
    〜40mmのスリットであって該スリットの総面積が前記筒
    体有効断面積に対して3〜12%となるように穿設された
    湿式ボールミルを用いた、砕石から砕砂を得る砕砂製造
    方法であって、前記筒体へのボール充填率を筒体内容積
    の35%未満に設定し、かつ前記筒体内のスラリ濃度が60
    wt%以下となるように水を流し込みつつ、臨界速度の80
    超〜89%の範囲で回転させて、砕石から砕砂を得る操業
    を行うことを特徴とする湿式ボールミルを用いた砕砂製
    造方法。
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