JP3554936B2 - 金属の焼結方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、成形された金属粉又はセラミック粉を雰囲気加熱炉内で加熱して、種々の機械部品等に焼結する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
金属の焼結は、還元性の雰囲気下で行なうことが好ましい。このため、不活性ガス、最も一般的には窒素(N2)に水素(H2)を加えて雰囲気としている。水素の添加は雰囲気中にもたらされ雰囲気を汚染するO2をH2と反応させて還元性にするためである。ところが、H2は爆発性であるので、この使用を避けることが望ましい。
【0003】
また、同様な目的で、COやCH4を強制的に炉内のN2中に送り込むことがしばしば行なわれるが、これは炭素平衡の過剰を招き、炉内雰囲気を閉塞する炉構造壁中の低温部に次式のような反応が生じてCを傍生し、電気的な絶縁不良を招来して、炉中を破壊することになる。
(1)2CO → C+CO2
(2)CH4 → C+2H2
【0004】
更にまた、上述したようにN2中に送り込まれたCH4やCOが多量であるときには、折角のN2雰囲気の非爆発性が損なわれるばかりでなく、被処理金属に影響する炭素平衡となってしまう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、不活性ガスの炉内雰囲気に水素を使わず、また過剰な炭素が雰囲気に干渉することのない金属の焼結方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明では、炉内壁を炭素とした「N2+C」雰囲気構成になるもので、炉内にもたらされる微量の汚染O2は炉内壁の固体炭素と反応し、その時の温度に応じて自動的に炭素の平衡を作り、過剰な炭素が雰囲気に干渉することがない。
【0007】
即ち、本発明の方法では、COが存在してもその量が小さいために工業的には無視し得るものでありながら、一部の金属は充分に還元保護されるところに特徴がある。また、微量のCOを含むN2雰囲気は、炉体の炭素構造に実用上の支障をもたらすことがない。以下、本発明になる金属の焼結方法の実施例を添付図面を参照して、具体的かつ詳細に説明する。
【0008】
【実施例】
図1には本発明の方法を実施するために好適な熱処理温度が1000℃〜2400℃の単独型炉が、図2には同様な連続型炉が示されている。これらの図において、符号1は高温室であり、発熱体2に加電することによって抵抗加熱される。3はこの高温室1を構成する炭素壁、4は炉の操業の前にあらかじめ炉内部の空気を排除してN2ガスで満たすために送り込むN2の送入管開放口である。5は炉の開口部に、外部から進入する可能性のある大気圧の空気に対して対向流をもってこれを阻止する目的で送るN2ガスの別の開放口である。6は炉体に付属するN2ガス供給口である。7は高温室1を保温するための保温断熱材であり、8は炭素製炉床で被処理物を支える。9は温度計の取付口であり、10は全炉体を大気に対し封止している金属製の外壁である。この炉体が大気に対して開放しているのは操作口11のみであり、この操作口は被処理物を出し入れするとき以外は付属扉13により閉鎖されるが、図2に示される連続炉の連続ベルト12が作動して作業するときは常時開放されている。14は炉体を支持する支持脚である。
【0009】
また、Aは炉の高温部帯を、Bは断熱部帯を、Cはガス置換部帯を、Dは冷却部帯をそれぞれ示す。
【0010】
なお、図3は公知の金属の酸化還元平衡を表にしたものであり、縦軸が炉中の酸素分圧を、横軸が炉中の温度を指す。炉の不活性ガス中で極微量のO2が炭素壁3のCと反応してCO平衡を満たした状態におけるCOが、本発明者によって測定された4本のPCO曲線で示されている。加熱温度が1000〜2400℃である炉中で、このPCO曲線より上にあるFeやCr,Niなどは常に還元され、Al2O3やMgO、ZrOなどは加熱温度によってはこのPCO曲線よりも下にあって酸化されたままであることが明らである。
【0011】
実施例−1
図1に示すような炉体に0.6%C鋼粉の加圧成型品を入れ、1130℃で焼結を行なった。炉はあらかじめ400℃に予熱した後にN2開放口4より2m3/時のN2を1時間かけて送り、次いでN2開放口5から1m3/時のN2を送って1130℃で15分間保持した後、冷却して取り出した。その結果、この処理物は満足すべき焼結体であり、酸化物は存在せず、炭素量の変動は材料のもつ炭素量の3%以内であった。
【0012】実施例−2 図2に示すような連続炉において、高温加熱室1の大きさを幅250mm、高さ200mm、長さ3000mm、開口部11を高さ100mmで幅160mmとして実施した。当初400℃に保たれた炉内に4.5m3/時のN2を4時間送り、次いで開放口4の2ヶ所からそれぞれ2.2m3/時のN2を送って、加熱室の温度を1130℃に保ち、その中を炭素製コンベヤーベルトを駆動した。このベルト上に、C−0.45%、Cr−1.0%を含む鋼粉の加圧成形体を載せ、高温部1の通過時間を20分として処理したところ、良好な鋼の焼結品を得ることができた。このときの高温部の雰囲気を採取し、その酸素分圧を測定したところ、1×10−24で、Crを還元するのに充分な雰囲気精度が保たれていることが認められた。
【0013】
また、この炉の温度を1780℃に保ち、AlNi粉体成形品を高温部の通過時間を2時間として処理したところ、良好な焼結品を得ることができた。
【0014】
【発明の効果】
このように、本発明法によれば、炉内壁と反応した微量のCOを含むN2雰囲気は前述した酸化還元温度線図に示される温度領域で満足すべき金属,セラミック等の焼結を保証し、しかも炉体の炭素構造も支障なく保護されるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施するための単独炉の説明的な側断面図である。
【図2】本発明の方法を実施するための連続炉の説明的な側断面図である。
【図3】酸化還元温度線図である。
【符号の説明】
1−高温室
2−発熱体
3−炭素壁
4−N2ガス開放口
5−N2ガス開放口
12−連続搬送ベルト
Claims (2)
- 炉内雰囲気が水素ガス以外の不活性ガスであり、熱処理温度が1000〜2400℃の範囲内の温度である炉の炭素壁内で、金属粉の成型品を上記した温度で加熱し、この不活性ガス中へ外乱としてもたらされる酸素を上記炭素壁と反応させて上記加熱温度に応じて自動的に炭素と平衡するCOとなし、不活性ガス中のこのCOにより上記した成型品を還元下で焼結することを特徴とする金属の焼結方法。
- 金属粉が鋼粉、Crを含む鋼粉またはAlNi粉である請求項1記載の金属の焼結方法。
Priority Applications (1)
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JP20835392A JP3554936B2 (ja) | 1992-06-24 | 1992-06-24 | 金属の焼結方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP20835392A JP3554936B2 (ja) | 1992-06-24 | 1992-06-24 | 金属の焼結方法 |
Publications (2)
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JPH0610006A JPH0610006A (ja) | 1994-01-18 |
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ID=16554884
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP20835392A Expired - Fee Related JP3554936B2 (ja) | 1992-06-24 | 1992-06-24 | 金属の焼結方法 |
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JP (1) | JP3554936B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014007046A1 (ja) | 2012-07-04 | 2014-01-09 | 関東冶金工業株式会社 | 熱処理方法および熱処理装置、並びに熱処理システム |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP5202810B2 (ja) | 2006-02-06 | 2013-06-05 | 古河電気工業株式会社 | グラファイト加熱炉および光ファイバの製造方法 |
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1992
- 1992-06-24 JP JP20835392A patent/JP3554936B2/ja not_active Expired - Fee Related
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