JP3554487B2 - レゾネータ一体型のエアクリーナ - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、レゾネータ一体型のエアクリーナに関するもので、エアクリーナの設置スペ−ス削減や部品構成の簡素化を図るのに有効なものである。
【0002】
【従来の技術】
レゾネータとエアクリーナ本体とが一体的になっているものは、色々と知られている。本願発明に最も密接な関係があると思われるものは、実開昭56−41151号公報に開示された「レゾネータ付きエアクリーナ」である。そこに開示されている技術を図10にしたがって説明する。すなわち、エアクリーナ本体1に吸気管2と送気管3が取り付けられ、内部にエアクリーナエレメント4が収容されている。エアクリーナ本体1と一体的にレゾネータ5が設置され、伝導管6によって吸気管2に連通させてある。そして、エアクリーナエレメント4の端板7がレゾネータ5を区画するための板材として機能させてあり、シ−ルゴム8でレゾネータ5の気密が図られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述の構成であると、吸気管2が独立的にエアクリーナ本体1から突き出ているために、コンパクトなまとまりが得にくいという問題がある。このことは伝導管6についても同様にして言えることである。さらに、この公開公報には図示されていないが、エアクリーナエレメント4は円形のタイプであるために、図10を平面的に見ると相当な専有スペ−スが必要となり、自動車に採用するような場合にはより一層不利である。換言すると、エアクリーナ本体とレゾネータは完全に隣り合っているが、吸気管や伝導管の配置についての配慮が尽くされていないことになる。
【0004】
レゾネータ一体型のエアクリーナを成立させるためには、それに付随する配管のまとまりを含めてコンパクトでなければならない。すなわち、エアクリーナ本体と吸気レゾネータおよび吸気管の配置関係を少しでもコンパクトにまとめること、設置空間の制限に対して有利なものであること、車体搭載の場合に周辺の部材との関連性が合理的であること等が必要条件である。しかしながら、上述の先行技術では、このような各種の条件を満足させることができない。
【0005】
【課題を解決するための手段とその作用】
そこで、本願発明は上述の各種条件を満足させるために提供されたもので、請求項1の発明は、吸気管に吸気レゾネータが設置されている形式のものにおいて、吸気管が吸気レゾネータに沿った状態で吸気レゾネータと一体的に形成され、エアクリーナ本体をアッパケースとロアケースで構成し、吸気管の端部はロアケースに結合されてその内部に開口し、吸気管はエアクリーナ本体とその下側に位置する吸気レゾネータの間を通過するように構成したことを特徴とするもので、こうすることによって、吸気管の配置がユニットに組み込まれたような状態になる。そして、エアクリーナ本体と吸気レゾネータとの相対位置関係が上下方向であっても、水平方向であってもまとまりのよいレゾネータ一体型のエアクリーナが得られる。吸気管を通過する吸気は吸気レゾネータで吸気音が低減されて、エアクリーナ本体内に入ってゆく。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1において、エアクリーナ本体のアッパケースに送気レゾネータが一体的に設置してあることを特徴するもので、部品点数の削減や配管上の合理化が図られている。
【0007】
請求項3の発明は、エアクリーナ本体の下側に吸気レゾネータがエアクリーナ本体と一体的に配置されていると共にエアクリーナ本体の送気口側に出力特性を改善するための送気レゾネータが設置され、車体のサイドメンバにブラケットを固定し、このブラケットの一側にエアクリーナ本体を取付け、他側に送気レゾネータを取付け、サイドメンバはエアクリーナ本体または吸気レゾネータと送気レゾネータとの間を貫通するように構成したことを特徴としている。したがって、ブラケットの両側に上述のような部品が取り付けられ、その間をサイドメンバが通過し、車体への取付けにおいても良好なまとまりとなっている。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1から図9に示した実施形態にしたがって本発明を詳しく説明する。なお、この明細書において使用している「吸気レゾネータ」なる表現は、エアクリーナ本体に向かう吸気管に付属するものを意味し、一方、「送気レゾネータ」なる表現は、エアクリーナ本体からエンジンの方へ伸びる送気通路に付属するものを意味している。
エアクリーナ本体9は、アッパケース10とロアケース11から構成され、両者は結合部12で一体化されている。エアクリーナエレメント13の周囲にゴム製の枠14が配置され、その外側のフランジ15が結合部12で図示のように挟み付けられている。この結合を維持するために、バネ板で作ったクランプ金具16が設置され、この金具の弾力でエアクリーナエレメント13の固定とアッパケース10とロアケース11との一体化が図られている。アッパケース10には送気管17が取り付けられ、これに後述の送気通路が接続されている。
【0009】
箱状の吸気レゾネータ18に沿った形で吸気管19が吸気レゾネータ18と一体に形成されている。吸気管19と吸気レゾネータ18とは、伝導管20で連通されている。吸気管19の一端である吸気口21は、吸気管19を屈曲させてロアケース11の側に開口させてあり、他端である端部22はロアケース11の底部23に開口させてある。アッパケース10、ロアケース11、吸気管19、吸気レゾネータ18等は合成樹脂をインジェクション成形によって製作されており、最も代表的な材料はポリプロピレンである。図3から明らかなように吸気管19と吸気レゾネータ18とは、容器18a,18bで半分ずつ2片に分けて作られ、この両者を振動溶着で一体化している。符号18cは、振動溶着がなされた箇所を示しており、フランジ部に溶着箇所を求めている。
【0010】
吸気管19と吸気レゾネータ18とのサブユニットは、上述のようにして形成されており、このサブユニットをロアケース11と一体化させるために、吸気管19の端部22を符号24で示した箇所で、前述と同様な振動溶着がなされている。このようにして前述のサブユニットとエアクリーナ本体9とを一体化することによって、吸気管19はエアクリーナ本体9と吸気レゾネータ18の間を通過した配置となる。また、エアクリーナ本体9と吸気レゾネータ18との結合剛性を高めるために、図4のように吸気管19にリブ25a,25bを一体に形成し、その上面をロアケース11の下面に振動溶着で結合するのが好適である。符号26は溶着された箇所を示している。
【0011】
送気管17からエンジン、ここではその一部として制御弁27を図示してあり、それにいたる送気ホ−ス28(送気通路)が設置してある。この送気ホ−ス28にエンジンの出力性能を改善するための送気レゾネータ29、30が設置してある。送気レゾネータ29は伝導管31を介して送気ホ−ス28に連通させてあり、他方の送気レゾネータ30は伝導管32を介して送気ホ−ス28に連通させてある。各送気レゾネータ29、30は、吸気の気柱振動に送気レゾネータの共鳴作用が干渉して、狙ったエンジン速度域の慣性過給が強化され、これによってトルク低下域の性能向上がなされる。トルクとエンジン速度との関係は、そのエンジン固有の特性があるので、それに応じた送気レゾネータの選定がなされるのであるが、ここでは容積の大きな送気レゾネータ29はトルクの谷間をレベルアップするのに仕向けられ、容積の小さい送気レゾネータ30はトルクの山をさらにレベルアップするのに仕向けられている。
【0012】
ところで、この実施形態におけるエンジンは、気筒容積660cc、3気筒のガソリンエンジンである。また、各レゾネータの容積は目的によって種々な値に設定されるが、ここでは、吸気レゾネータ18は約2000cc、送気レゾネータ29は約1500cc、同30は約300ccである。さらに、エアクリーナ本体のケ−ス類、各レゾネータは前述のように合成樹脂をインジェクション成形で作ったものであるが、その肉厚は2.5mmから3.0mmである。
【0013】
送気レゾネータは複数個設置してあるが、ここでは送気レゾネータ30が図8から明らかなようにアッパケース10の側面に一体的に成形してある。
【0014】
つぎに、このエアクリーナや送気レゾネータを車体に取り付ける構造を説明する。その全般的な模様は図5および図6に示されている。車体の骨格メンバであるサイドメンバ33は矩形の閉断面構造であり、その上面にブラケット34が固定されている。このブラケット34の一側にはエアクリーナ本体9と吸気レゾネータ18からなるユニットが取り付けられ、他側には送気レゾネータ29が取り付けられている。このような配置にすることによって、サイドメンバ33はエアクリーナ本体9または吸気レゾネータ18と送気レゾネータ29との間を貫通している。
【0015】
エアクリーナ本体9のロアケース11側には図1および図6のように固定片35、36、37が一体に形成され、固定ボルトを通すための孔が各固定片に明けられている。ブラケット34は、サイドメンバ33の上面に密着させられる基板38、基板38からサイドメンバ33の両側に突き出ている支持片39、40、および基板38からサイドメンバ33の長手方向に突き出ている支持片41から構成されている。基板38はボルト42によってしっかりとサイドメンバ33に固定されている。固定片35はサイドメンバ33の上面に直接ボルト付けされており、固定片36と37はそれぞれ支持片41、39にボルト付けされている。一方、送気レゾネータ29の固定片43は支持片40上側に乗せられてボルト付けされている。なお、図5においてはボルトの図示は省略してあり、図6においてボルトの頭部が図示されている。
【0016】
符号44は車体の外板であり、その内側には上下方向の姿勢を有する仕切り板45(図5)が車室内に伸びており、その上側に座席(図示していない)が配置されている。したがって、エアクリーナ本体9や送気レゾネータ29の上側に座席が配置されていることになる。外板44と仕切り板45とサイドメンバ33に周縁が接している第1遮蔽板46がほぼ水平な姿勢で仕切り板45に固定されている。吸気レゾネータ18に一体的に成形された第2遮蔽板47が、第1遮蔽板46と互い違いに組み合わされて、屈曲した通路48が形成されている。したがって、矢線49のように跳ね上がってきた水は迷路状の通路48で遮られ、吸気口21へは容易に到達できないのである。なお、伝導管20は両遮蔽板46、47を貫通している。
【0017】
以上の実施形態の作用を説明する。吸気は吸気管19を通過してロアケース11内にはいり、エアクリーナエレメント13を通過して送気管17から出てゆく。この時に発生する吸気口音は吸気レゾネータ18によって弱められ、静粛な吸気がなされる。送気管17から送気ホ−ス28へ送りだされた空気は、送気ホ−ス内28における気柱振動に送気レゾネータ29、30の共鳴振動が干渉して、所定の運転域に適した慣性過給に変調が付与され、したがって、トルクの性能改善がなされる。
【0018】
特許請求の範囲には記載していないが、第1・第2遮蔽板を組み合わせて迷路状の通路を形成し、これによって吸気口21へ水が到達しないようにすることは、有用性の高い発案である。さらに、リブ25a,25bによって吸気管19をロアケース11の下部に結合することは、吸気管19とロアケース11との結合剛性を高めることに有効であり、したがって、エアクリーナ本体9と吸気レゾネータ18の一体性をより強固なものにするのに有利な発案である。また、図5や図6に見られるように、サイドメンバ33の両側にエアクリーナ本体9や各レゾネータ18、29、30等を近接した状態で配置することによって、伝導管31、32等が短い状態で配管することができ、装置の小型化にとって有効である。
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、エアクリーナ本体と吸気レゾネータの間に吸気管が配置され、しかもこの吸気管がエアクリーナ本体と吸気レゾネータの一体化を媒介するような役割を果たしているので、従来技術で述べたような配管類の取りまとめが非常にコンパクトになされる。そして、エアクリーナ全体の配置姿勢が設置箇所の空間に応じて上下方向でも水平方向でも自由に選定できる。とくに、自動車に搭載されるときには、図5や図6に見られるようにサイドメンバ、外板、仕切り板などの周辺の部材との関連性を良好に保って、スペ−スを無駄なく活用することができる。また、エアクリーナ本体がアッパケースとロアケースで構成され、吸気レゾネータがエアクリーナ本体の下位に設置されているので、ユニット全体が上下方向の連なりとなり、狭い箇所への取付けとして有利である。
【0020】
エアクリーナ本体の上流側に吸気レゾネータが、また、下流側に送気レゾネータが配置される構成であるから、両レゾネータの設置箇所の自由度が高まり、したがって装置全体としてのコンパクト化が行いやすくなる。そして、送気レゾネータが複数個の場合であれば、このような利点がより有効になる。
エアクリーナ本体のアッパケースに送気レゾネータを一体的に配置することによって、レゾネータ設置の構造を簡素化することができる。
【0021】
サイドメンバにブラケットを取付け、その一側にエアクリーナ本体と吸気レゾネータを支持し、他側に送気レゾネータを支持して、その間にサイドメンバを貫通させたものであるから、エアクリーナやレゾネータの構造物がサイドメンバを基部材にして集約性のよい配置にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるエアクリーナの立体図である。
【図2】図1の(2)−(2)断面図である。
【図3】図2の(3)−(3)断面図である。
【図4】リブ構造の部分を示す正面図である。
【図5】本発明にかかるエアクリーナが自動車に搭載された場合の平面図である。
【図6】図5のものの後面図である。
【図7】ブラケットの立体図である。
【図8】アッパケースと一体的に設置した送気レゾネータの横断平面図である。
【図9】迷路状の通路部分を示す部分的な側面図であり、図5の(9)−(9)断面図である。
【図10】従来技術を示す縦断側面図である。
【符号の説明】
19 吸気管
18 吸気レゾネータ
22 吸気管の端部
9 エアクリーナ本体
10 アッパケース
11 ロアケース
29、30 送気レゾネータ
33 サイドメンバ
34 ブラケット
【発明の属する技術分野】
この発明は、レゾネータ一体型のエアクリーナに関するもので、エアクリーナの設置スペ−ス削減や部品構成の簡素化を図るのに有効なものである。
【0002】
【従来の技術】
レゾネータとエアクリーナ本体とが一体的になっているものは、色々と知られている。本願発明に最も密接な関係があると思われるものは、実開昭56−41151号公報に開示された「レゾネータ付きエアクリーナ」である。そこに開示されている技術を図10にしたがって説明する。すなわち、エアクリーナ本体1に吸気管2と送気管3が取り付けられ、内部にエアクリーナエレメント4が収容されている。エアクリーナ本体1と一体的にレゾネータ5が設置され、伝導管6によって吸気管2に連通させてある。そして、エアクリーナエレメント4の端板7がレゾネータ5を区画するための板材として機能させてあり、シ−ルゴム8でレゾネータ5の気密が図られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述の構成であると、吸気管2が独立的にエアクリーナ本体1から突き出ているために、コンパクトなまとまりが得にくいという問題がある。このことは伝導管6についても同様にして言えることである。さらに、この公開公報には図示されていないが、エアクリーナエレメント4は円形のタイプであるために、図10を平面的に見ると相当な専有スペ−スが必要となり、自動車に採用するような場合にはより一層不利である。換言すると、エアクリーナ本体とレゾネータは完全に隣り合っているが、吸気管や伝導管の配置についての配慮が尽くされていないことになる。
【0004】
レゾネータ一体型のエアクリーナを成立させるためには、それに付随する配管のまとまりを含めてコンパクトでなければならない。すなわち、エアクリーナ本体と吸気レゾネータおよび吸気管の配置関係を少しでもコンパクトにまとめること、設置空間の制限に対して有利なものであること、車体搭載の場合に周辺の部材との関連性が合理的であること等が必要条件である。しかしながら、上述の先行技術では、このような各種の条件を満足させることができない。
【0005】
【課題を解決するための手段とその作用】
そこで、本願発明は上述の各種条件を満足させるために提供されたもので、請求項1の発明は、吸気管に吸気レゾネータが設置されている形式のものにおいて、吸気管が吸気レゾネータに沿った状態で吸気レゾネータと一体的に形成され、エアクリーナ本体をアッパケースとロアケースで構成し、吸気管の端部はロアケースに結合されてその内部に開口し、吸気管はエアクリーナ本体とその下側に位置する吸気レゾネータの間を通過するように構成したことを特徴とするもので、こうすることによって、吸気管の配置がユニットに組み込まれたような状態になる。そして、エアクリーナ本体と吸気レゾネータとの相対位置関係が上下方向であっても、水平方向であってもまとまりのよいレゾネータ一体型のエアクリーナが得られる。吸気管を通過する吸気は吸気レゾネータで吸気音が低減されて、エアクリーナ本体内に入ってゆく。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1において、エアクリーナ本体のアッパケースに送気レゾネータが一体的に設置してあることを特徴するもので、部品点数の削減や配管上の合理化が図られている。
【0007】
請求項3の発明は、エアクリーナ本体の下側に吸気レゾネータがエアクリーナ本体と一体的に配置されていると共にエアクリーナ本体の送気口側に出力特性を改善するための送気レゾネータが設置され、車体のサイドメンバにブラケットを固定し、このブラケットの一側にエアクリーナ本体を取付け、他側に送気レゾネータを取付け、サイドメンバはエアクリーナ本体または吸気レゾネータと送気レゾネータとの間を貫通するように構成したことを特徴としている。したがって、ブラケットの両側に上述のような部品が取り付けられ、その間をサイドメンバが通過し、車体への取付けにおいても良好なまとまりとなっている。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1から図9に示した実施形態にしたがって本発明を詳しく説明する。なお、この明細書において使用している「吸気レゾネータ」なる表現は、エアクリーナ本体に向かう吸気管に付属するものを意味し、一方、「送気レゾネータ」なる表現は、エアクリーナ本体からエンジンの方へ伸びる送気通路に付属するものを意味している。
エアクリーナ本体9は、アッパケース10とロアケース11から構成され、両者は結合部12で一体化されている。エアクリーナエレメント13の周囲にゴム製の枠14が配置され、その外側のフランジ15が結合部12で図示のように挟み付けられている。この結合を維持するために、バネ板で作ったクランプ金具16が設置され、この金具の弾力でエアクリーナエレメント13の固定とアッパケース10とロアケース11との一体化が図られている。アッパケース10には送気管17が取り付けられ、これに後述の送気通路が接続されている。
【0009】
箱状の吸気レゾネータ18に沿った形で吸気管19が吸気レゾネータ18と一体に形成されている。吸気管19と吸気レゾネータ18とは、伝導管20で連通されている。吸気管19の一端である吸気口21は、吸気管19を屈曲させてロアケース11の側に開口させてあり、他端である端部22はロアケース11の底部23に開口させてある。アッパケース10、ロアケース11、吸気管19、吸気レゾネータ18等は合成樹脂をインジェクション成形によって製作されており、最も代表的な材料はポリプロピレンである。図3から明らかなように吸気管19と吸気レゾネータ18とは、容器18a,18bで半分ずつ2片に分けて作られ、この両者を振動溶着で一体化している。符号18cは、振動溶着がなされた箇所を示しており、フランジ部に溶着箇所を求めている。
【0010】
吸気管19と吸気レゾネータ18とのサブユニットは、上述のようにして形成されており、このサブユニットをロアケース11と一体化させるために、吸気管19の端部22を符号24で示した箇所で、前述と同様な振動溶着がなされている。このようにして前述のサブユニットとエアクリーナ本体9とを一体化することによって、吸気管19はエアクリーナ本体9と吸気レゾネータ18の間を通過した配置となる。また、エアクリーナ本体9と吸気レゾネータ18との結合剛性を高めるために、図4のように吸気管19にリブ25a,25bを一体に形成し、その上面をロアケース11の下面に振動溶着で結合するのが好適である。符号26は溶着された箇所を示している。
【0011】
送気管17からエンジン、ここではその一部として制御弁27を図示してあり、それにいたる送気ホ−ス28(送気通路)が設置してある。この送気ホ−ス28にエンジンの出力性能を改善するための送気レゾネータ29、30が設置してある。送気レゾネータ29は伝導管31を介して送気ホ−ス28に連通させてあり、他方の送気レゾネータ30は伝導管32を介して送気ホ−ス28に連通させてある。各送気レゾネータ29、30は、吸気の気柱振動に送気レゾネータの共鳴作用が干渉して、狙ったエンジン速度域の慣性過給が強化され、これによってトルク低下域の性能向上がなされる。トルクとエンジン速度との関係は、そのエンジン固有の特性があるので、それに応じた送気レゾネータの選定がなされるのであるが、ここでは容積の大きな送気レゾネータ29はトルクの谷間をレベルアップするのに仕向けられ、容積の小さい送気レゾネータ30はトルクの山をさらにレベルアップするのに仕向けられている。
【0012】
ところで、この実施形態におけるエンジンは、気筒容積660cc、3気筒のガソリンエンジンである。また、各レゾネータの容積は目的によって種々な値に設定されるが、ここでは、吸気レゾネータ18は約2000cc、送気レゾネータ29は約1500cc、同30は約300ccである。さらに、エアクリーナ本体のケ−ス類、各レゾネータは前述のように合成樹脂をインジェクション成形で作ったものであるが、その肉厚は2.5mmから3.0mmである。
【0013】
送気レゾネータは複数個設置してあるが、ここでは送気レゾネータ30が図8から明らかなようにアッパケース10の側面に一体的に成形してある。
【0014】
つぎに、このエアクリーナや送気レゾネータを車体に取り付ける構造を説明する。その全般的な模様は図5および図6に示されている。車体の骨格メンバであるサイドメンバ33は矩形の閉断面構造であり、その上面にブラケット34が固定されている。このブラケット34の一側にはエアクリーナ本体9と吸気レゾネータ18からなるユニットが取り付けられ、他側には送気レゾネータ29が取り付けられている。このような配置にすることによって、サイドメンバ33はエアクリーナ本体9または吸気レゾネータ18と送気レゾネータ29との間を貫通している。
【0015】
エアクリーナ本体9のロアケース11側には図1および図6のように固定片35、36、37が一体に形成され、固定ボルトを通すための孔が各固定片に明けられている。ブラケット34は、サイドメンバ33の上面に密着させられる基板38、基板38からサイドメンバ33の両側に突き出ている支持片39、40、および基板38からサイドメンバ33の長手方向に突き出ている支持片41から構成されている。基板38はボルト42によってしっかりとサイドメンバ33に固定されている。固定片35はサイドメンバ33の上面に直接ボルト付けされており、固定片36と37はそれぞれ支持片41、39にボルト付けされている。一方、送気レゾネータ29の固定片43は支持片40上側に乗せられてボルト付けされている。なお、図5においてはボルトの図示は省略してあり、図6においてボルトの頭部が図示されている。
【0016】
符号44は車体の外板であり、その内側には上下方向の姿勢を有する仕切り板45(図5)が車室内に伸びており、その上側に座席(図示していない)が配置されている。したがって、エアクリーナ本体9や送気レゾネータ29の上側に座席が配置されていることになる。外板44と仕切り板45とサイドメンバ33に周縁が接している第1遮蔽板46がほぼ水平な姿勢で仕切り板45に固定されている。吸気レゾネータ18に一体的に成形された第2遮蔽板47が、第1遮蔽板46と互い違いに組み合わされて、屈曲した通路48が形成されている。したがって、矢線49のように跳ね上がってきた水は迷路状の通路48で遮られ、吸気口21へは容易に到達できないのである。なお、伝導管20は両遮蔽板46、47を貫通している。
【0017】
以上の実施形態の作用を説明する。吸気は吸気管19を通過してロアケース11内にはいり、エアクリーナエレメント13を通過して送気管17から出てゆく。この時に発生する吸気口音は吸気レゾネータ18によって弱められ、静粛な吸気がなされる。送気管17から送気ホ−ス28へ送りだされた空気は、送気ホ−ス内28における気柱振動に送気レゾネータ29、30の共鳴振動が干渉して、所定の運転域に適した慣性過給に変調が付与され、したがって、トルクの性能改善がなされる。
【0018】
特許請求の範囲には記載していないが、第1・第2遮蔽板を組み合わせて迷路状の通路を形成し、これによって吸気口21へ水が到達しないようにすることは、有用性の高い発案である。さらに、リブ25a,25bによって吸気管19をロアケース11の下部に結合することは、吸気管19とロアケース11との結合剛性を高めることに有効であり、したがって、エアクリーナ本体9と吸気レゾネータ18の一体性をより強固なものにするのに有利な発案である。また、図5や図6に見られるように、サイドメンバ33の両側にエアクリーナ本体9や各レゾネータ18、29、30等を近接した状態で配置することによって、伝導管31、32等が短い状態で配管することができ、装置の小型化にとって有効である。
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、エアクリーナ本体と吸気レゾネータの間に吸気管が配置され、しかもこの吸気管がエアクリーナ本体と吸気レゾネータの一体化を媒介するような役割を果たしているので、従来技術で述べたような配管類の取りまとめが非常にコンパクトになされる。そして、エアクリーナ全体の配置姿勢が設置箇所の空間に応じて上下方向でも水平方向でも自由に選定できる。とくに、自動車に搭載されるときには、図5や図6に見られるようにサイドメンバ、外板、仕切り板などの周辺の部材との関連性を良好に保って、スペ−スを無駄なく活用することができる。また、エアクリーナ本体がアッパケースとロアケースで構成され、吸気レゾネータがエアクリーナ本体の下位に設置されているので、ユニット全体が上下方向の連なりとなり、狭い箇所への取付けとして有利である。
【0020】
エアクリーナ本体の上流側に吸気レゾネータが、また、下流側に送気レゾネータが配置される構成であるから、両レゾネータの設置箇所の自由度が高まり、したがって装置全体としてのコンパクト化が行いやすくなる。そして、送気レゾネータが複数個の場合であれば、このような利点がより有効になる。
エアクリーナ本体のアッパケースに送気レゾネータを一体的に配置することによって、レゾネータ設置の構造を簡素化することができる。
【0021】
サイドメンバにブラケットを取付け、その一側にエアクリーナ本体と吸気レゾネータを支持し、他側に送気レゾネータを支持して、その間にサイドメンバを貫通させたものであるから、エアクリーナやレゾネータの構造物がサイドメンバを基部材にして集約性のよい配置にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるエアクリーナの立体図である。
【図2】図1の(2)−(2)断面図である。
【図3】図2の(3)−(3)断面図である。
【図4】リブ構造の部分を示す正面図である。
【図5】本発明にかかるエアクリーナが自動車に搭載された場合の平面図である。
【図6】図5のものの後面図である。
【図7】ブラケットの立体図である。
【図8】アッパケースと一体的に設置した送気レゾネータの横断平面図である。
【図9】迷路状の通路部分を示す部分的な側面図であり、図5の(9)−(9)断面図である。
【図10】従来技術を示す縦断側面図である。
【符号の説明】
19 吸気管
18 吸気レゾネータ
22 吸気管の端部
9 エアクリーナ本体
10 アッパケース
11 ロアケース
29、30 送気レゾネータ
33 サイドメンバ
34 ブラケット
Claims (3)
- 吸気管に吸気レゾネータが設置されている形式のものにおいて、吸気管が吸気レゾネータに沿った状態で吸気レゾネータと一体的に形成され、エアクリーナ本体をアッパケースとロアケースで構成し、吸気管の端部はロアケースに結合されてその内部に開口し、吸気管はエアクリーナ本体とその下側に位置する吸気レゾネータの間を通過するように構成したことを特徴とするレゾネータ一体型のエアクリーナ。
- 請求項1において、エアクリーナ本体のアッパケースに送気レゾネータが一体的に設置してあることを特徴とするレゾネータ一体型のエアクリーナ。
- エアクリーナ本体の下側に吸気レゾネータがエアクリーナ本体と一体的に配置されていると共にエアクリーナ本体の送気口側に出力性能を改善するための送気レゾネータが設置され、車体のサイドメンバにブラケットを固定し、このブラケットの一側にエアクリーナ本体を取付け、他側に送気レゾネータを取付け、サイドメンバはエアクリーナ本体または吸気レゾネータと送気レゾネータとの間を貫通するように構成したことを特徴とするレゾネータ一体型のエアクリーナ。
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- 1998-08-21 JP JP23480098A patent/JP3554487B2/ja not_active Expired - Fee Related
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