JP3554046B2 - 耐熱衝撃性フェライト材料及びこれを用いたフェライトコア - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、耐熱衝撃性の高いフェライト材料及びこれを用いたフェライトコアに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
フェライト材料はインダクター素子等として広く使用されている。例えば、Fe−ZnO−NiOを主成分とするフェライト材料を用いてフェライトコアを製造し、この巻線部にコイル線を巻回し、コイル線接続用のリードピンをフェライトコアに取り付けて半田付けした構造のインダクター素子が使用されている。
【0003】
また、このインダクター素子を製造する場合、リードピンをフェライトコアの所定位置に取り付けた状態で溶融半田槽にフェライトコアを浸漬して半田付けする方法が用いられている。
【0004】
なお、上記フェライト材料の組成については、さまざまな提案が成されているが、例えば特開平1−228108号公報には、フェライトの結晶粒界にMnO、Bi、SiOから成る粒界層を形成し、この粒界層によって応力を緩和するようにしたフェライト材料が示されている。また、特開平1−103953号公報にもMnO、Bi、SiO等の成分を添加することによって耐熱衝撃性を高めたフェライト材料が示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記半田槽にフェライトコアを浸漬して半田付けする工程において、溶融半田は500℃と高温であるためフェライトコアに急激な温度変化が生じ、熱衝撃によってフェライトコアが破損してしまうという問題点があった。
【0006】
この問題点を解消するために、半田付け工程の前にフェライトコアを予備加熱することが行われているが、工程が多くなるため生産効率の悪いものであった。
【0007】
また、フェライト材料の気孔率を5%以上と高くして熱応力の分散を図ることも行われていたが、この場合は強度等の機械的特性が低くなるという問題点があった。
【0008】
さらに、特開平1−228108号、特開平1−103953号公報に示されたものでは、SiOが存在するため透磁率が低下し、フェライト材料としての特性が低くなってしまうという不都合があった。
【0009】
そこで、本願発明は、透磁率や機械的特性等を低下させず、予備加熱工程の不要な耐熱衝撃性の高いフェライト材料を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、Fe−ZnO−NiOを主成分とするフェライト材料において、3〜4重量%のCuOと0.5〜1重量%のCoOを含有させて、このCuOとCoOによって結晶粒界に応力緩和層を形成したことを特徴とする。
【0011】
つまり、本発明のフェライト材料は、主成分であるFe、ZnO、NiOが主に結晶相を成し、副成分として添加したCuOとCoOが主に結晶粒界に存在して応力緩和層としてのガラス質相(液相)を成している。そして、フェライト材料が熱衝撃を受けた時、クラックの進展をこの応力緩和層で止めることができるため、耐熱衝撃性を高くし、熱衝撃が加わった時の破損を防止できるのである。
【0012】
なお、このような結晶粒界のガラス質相の存在は、EPMA等の組成分析によって確認することができる。
【0013】
本発明において、各主成分の組成比は、Feが55〜75重量%、ZnOが1〜25重量%、NiOが5〜35重量%の範囲内とする。これはFeが55重量%未満では透磁率が低くなり、またZnOが25重量%を超えるとキュリー点が低くなり、さらにNiOが35重量%を超えると加圧安定性が悪くなるためである。
【0014】
また、CuOについては、3重量%未満では上記の応力緩和効果が乏しく、一方4重量%を超えるとQ値が低下するため、3〜4重量%の範囲内とする。さらに、CoOについては、0.5重量%未満であると上記応力緩和効果が乏しく、一方1重量%を超えると加圧安定性が悪くなるため、0.5〜1重量%の範囲内とする。
【0015】
さらに、本発明において、上記成分以外に3重量%以下のMnOを含んでいても良い。このMnOは、CuOやCoOと共に主に応力緩和層に含まれ、応力緩和効果を高めることができる。
【0016】
また、本発明においては、これらの成分以外の不純物を若干量含んでいても良いが、SiOについては0.03重量%以下とすることが好ましい。これはSiOが0.03重量%を超えると透磁率が低くなるためである。
【0017】
また、本発明のフェライト材料は、応力緩和層として結晶粒界にガラス質相を有するため、結晶が成長しやすく平均結晶粒径は15μm以上、好適には20μm以上となる。
【0018】
さらに、本発明のフェライト材料は、気孔のほとんど無い緻密質体としてある。これは、気孔が多いと強度等の機械的特性が劣化するためであり、上記のように本発明のフェライト材料は耐熱衝撃性が高いことから気孔の無い緻密質体であっても破損を防止できるのである。
【0019】
本発明のフェライト材料の製造方法は、上記組成範囲となるように各原料を調合し、ボールミル等で粉砕混合した後、スプレードライヤーで造粒し、得られた粉体をプレス成形によって所定形状に成形し、必要に応じて切削加工等を施した後、1000〜1250℃の範囲で焼成することによって得ることができる。
【0020】
そして、上記本発明のフェライト材料により例えばドラム型のフェライトコアを製造すれば、リードピン接続のための半田付け工程において、半田槽にフェライトコアを浸漬しても破損が生じにくいことから、歩留りを向上させ、生産効率を高めることができる。
【0021】
【実施例】
以下本発明実施例を説明する。
【0022】
表1に示す組成となるように各原料を調合し、振動ミルで混合後、800〜900℃で仮焼し、この粉体をボールミルにて粉砕し、バインダーを加えてスプレードライヤーで造粒し、得られた造粒体をプレス成形機によって成形した。得られた成形体を乾燥後、切削加工し、1200℃で1時間焼成して、図1に示すような中央の巻線部1aと両端のフランジ部1bを有するフェライトコア1を得た。なお、寸法は、外径7mm、全長6mmとした。
【0023】
それぞれ得られたフェライトコア1について、平均結晶粒径を測定した後、500℃の半田層に3秒間浸漬した時の破損確率を求める実験を行った。結果は表1に示す通りである。
【0024】
この結果より明らかに、CoOを添加しない比較例ではコア破損率が80%以上と高かったのに対し、CoOを添加し、平均結晶粒径を15μm以上とした本発明実施例は、コア破損率が0%と極めて耐熱衝撃性が高いことがわかった。
【0025】
また、本発明実施例のフェライトコア1において、結晶粒界をEPMAで分析したところ、CuOとCoOからなるガラス質相が存在しており、このために応力を緩和することができ、耐熱衝撃性を高められると考えられる。
【0026】
【表1】
Figure 0003554046
【0027】
【発明の効果】
このように、本発明によれば、Fe−ZnO−NiOを主成分とするフェライト材料において、0.1〜4重量%のCuOと0.05〜2重量%のCoOを含有し、結晶粒界にCuOとCoOから成る応力緩和層を形成したことによって、磁気特性や機械的特性等を低下させることなく耐熱衝撃性の高いフェライト材料を提供することができる。
【0028】
また本発明は、上記のフェライト材料を用いてインダクター用のフェライトコアを形成したことによって、フェライトコアにリードピンを半田付けする工程において、コアに予備加熱を行うことなく半田付けを行うことができ、生産効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例のフェライトコアを示す斜視図である。
【符号の説明】
1 :フェライトコア
1a:巻線部
1b:フランジ部

Claims (3)

  1. Fe−ZnO−NiOを主成分とし、3〜4重量%のCuOと0.5〜1重量%のCoOを含有し、応力緩和層として結晶粒界にCuOとCoOから成るガラス質相を有する平均結晶粒径が15μm以上の耐熱衝撃性フェライト材料。
  2. 上記主成分の組成比は、Feが55〜75重量%、ZnOが1〜25重量%、NiOが5〜35重量%の範囲内であることを特徴とする請求項1記載の耐熱衝撃性フェライト材料。
  3. コイル線を巻回してインダクターとするためのコアであって、請求項1または2記載のフェライト材料から成るフェライトコア。
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