JP3245049B2 - フェライト材料及びフェライト - Google Patents
フェライト材料及びフェライトInfo
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- JP3245049B2 JP3245049B2 JP10327196A JP10327196A JP3245049B2 JP 3245049 B2 JP3245049 B2 JP 3245049B2 JP 10327196 A JP10327196 A JP 10327196A JP 10327196 A JP10327196 A JP 10327196A JP 3245049 B2 JP3245049 B2 JP 3245049B2
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- Japan
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- ferrite
- mol
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- Soft Magnetic Materials (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インダクタの磁性体コ
ア等に使用するためのフェライト材料及びフェライトに
関する。
ア等に使用するためのフェライト材料及びフェライトに
関する。
【0002】
【従来の技術】インダクタは、フェライトコアとここに
巻回されたコイルとから成り、コイルの端末がフェライ
トコアに設けられた端子導体に半田によって固着されて
いる。コイル端末を端子導体に半田付けする場合には、
半田付けする部分を半田浴に浸す。このため、フェライ
トコアに急激な温度変化が生じ、フェライトコアが割れ
ることがある。このフェライトコアの割れを防ぐため
に、従来はフェライトコアを半田浴の温度よりも低い温
度で予備加熱した。
巻回されたコイルとから成り、コイルの端末がフェライ
トコアに設けられた端子導体に半田によって固着されて
いる。コイル端末を端子導体に半田付けする場合には、
半田付けする部分を半田浴に浸す。このため、フェライ
トコアに急激な温度変化が生じ、フェライトコアが割れ
ることがある。このフェライトコアの割れを防ぐため
に、従来はフェライトコアを半田浴の温度よりも低い温
度で予備加熱した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、予備加熱工程
を設けると、生産効率が低下し、製品のコストアップを
招く。
を設けると、生産効率が低下し、製品のコストアップを
招く。
【0004】そこで、本発明の目的は、耐熱衝撃性に優
れたフェライト及びこれを得るための材料を提供するこ
とにある。
れたフェライト及びこれを得るための材料を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、Fe、Zn、Cu、Niを、Fe2 O3、
ZnO、CuO、NiOに換算した組成比で、Fe2 O
3 40〜50mol %、ZnO 2〜35mol %、Cu
O 1〜13mol %、NiO 2〜57mol %と成るよ
うに含む100重量部の主成分と、PbをPbOに換算
して0.3〜8重量部と、NbをNb2 O5 に換算して
0.15〜6重量部とを含むフェライト材料に係わるも
のである。なお、請求項2及び4の発明は、フェライト
焼結体が主となるスピネル構造の結晶相の他に、Pb及
びNbを含有する酸化物の結晶相を有していることを特
徴とするものである。また、請求項3及び4に示すよう
に主成分にCoOを含めることができる。また、請求項
5に示すように主成分にMgO及び/又はMnOを含め
ることができる。また、請求項6に示すようにSiO2
を添加することができる。
の本発明は、Fe、Zn、Cu、Niを、Fe2 O3、
ZnO、CuO、NiOに換算した組成比で、Fe2 O
3 40〜50mol %、ZnO 2〜35mol %、Cu
O 1〜13mol %、NiO 2〜57mol %と成るよ
うに含む100重量部の主成分と、PbをPbOに換算
して0.3〜8重量部と、NbをNb2 O5 に換算して
0.15〜6重量部とを含むフェライト材料に係わるも
のである。なお、請求項2及び4の発明は、フェライト
焼結体が主となるスピネル構造の結晶相の他に、Pb及
びNbを含有する酸化物の結晶相を有していることを特
徴とするものである。また、請求項3及び4に示すよう
に主成分にCoOを含めることができる。また、請求項
5に示すように主成分にMgO及び/又はMnOを含め
ることができる。また、請求項6に示すようにSiO2
を添加することができる。
【0006】
【発明の作用及び効果】本発明に従うPbとNbは、フ
ェライト結晶粒子の粒界層に二次相として存在するもの
であって、例えば、Pb2 Nb2 O7 、Pb2.5 Nb2
O7.5 、Pb3Nb4 O13、Pb1.83Nb1.71Zn0.29
O6.39、Pb1.88Nb1.25Zn0.3 O5. 3 等のいずれか
1つ又は複数の形態で存在する。なお、上記二次相の中
のZnは主成分のZnOの一部が固溶したものである。
また、ZnOの一部をMgOで置換することも可能であ
り、この場合には、Pb1.83Nb1.71Mg0.29O6.39や
Pb1.83Nb1.71(Zn、Mg)0.29O6.39等の相が存
在する。フェライト焼結体の主となるスピネル構造の結
晶相の他にPb及びNbを含む二次相即ちPb及びNb
を含有する酸化物の結晶相が焼結体の粒界層に分布する
と、急激な温度変化によるフェライト粒子の膨脹による
変化に基づいて生じる応力を吸収又は緩和効果が生じ
る。この結果、熱衝撃が加わった時のフェライトのクラ
ック(ひび割れ)を抑制し、フェライト製品の製造歩留
を向上させることができる。
ェライト結晶粒子の粒界層に二次相として存在するもの
であって、例えば、Pb2 Nb2 O7 、Pb2.5 Nb2
O7.5 、Pb3Nb4 O13、Pb1.83Nb1.71Zn0.29
O6.39、Pb1.88Nb1.25Zn0.3 O5. 3 等のいずれか
1つ又は複数の形態で存在する。なお、上記二次相の中
のZnは主成分のZnOの一部が固溶したものである。
また、ZnOの一部をMgOで置換することも可能であ
り、この場合には、Pb1.83Nb1.71Mg0.29O6.39や
Pb1.83Nb1.71(Zn、Mg)0.29O6.39等の相が存
在する。フェライト焼結体の主となるスピネル構造の結
晶相の他にPb及びNbを含む二次相即ちPb及びNb
を含有する酸化物の結晶相が焼結体の粒界層に分布する
と、急激な温度変化によるフェライト粒子の膨脹による
変化に基づいて生じる応力を吸収又は緩和効果が生じ
る。この結果、熱衝撃が加わった時のフェライトのクラ
ック(ひび割れ)を抑制し、フェライト製品の製造歩留
を向上させることができる。
【0007】
【第1の実施例】次に本発明の実施例に係わるフェライ
ト及びその製造方法を説明する。フェライト材料の主成
分として Fe2 O3 (酸化鉄) 47.0mol %、 ZnO(酸化亜鉛) 25.0mol %、 CuO(酸化銅) 5mol %、 NiO(酸化ニッケル) 23mol %の組成の材料を用
意した。
ト及びその製造方法を説明する。フェライト材料の主成
分として Fe2 O3 (酸化鉄) 47.0mol %、 ZnO(酸化亜鉛) 25.0mol %、 CuO(酸化銅) 5mol %、 NiO(酸化ニッケル) 23mol %の組成の材料を用
意した。
【0008】次に、この主成分100重量部に対して副
成分としてのPbO(酸化鉛)とNb2 O5 (酸化ニオ
ブ)とを表1に示す割合で添加した。なお、表1のPb
O、Nb2 O5 の欄には主成分に対する割合が重量部で
示されている。また、試料NO. 1〜3、6、7、12、
13、17、及び18は比較例を示す。
成分としてのPbO(酸化鉛)とNb2 O5 (酸化ニオ
ブ)とを表1に示す割合で添加した。なお、表1のPb
O、Nb2 O5 の欄には主成分に対する割合が重量部で
示されている。また、試料NO. 1〜3、6、7、12、
13、17、及び18は比較例を示す。
【0009】
【0010】主成分に対して副成分を添加したもの(但
し、試料NO. 1は副成分が0)に、この3倍の水を加え
ボールミルで10時間混合し、乾燥した。次に、これを
850℃で2時間仮焼した後、ボールミルで10時間粉
砕し、フェライト材料粉末を得た。次に、このフェライ
ト材料粉末に、2重量%のポリビニルアルコールを加え
て造粒した。次に得られた造粒体を150MPaの圧力
で成形し直径8mm、厚さ7mmの円柱状成形体を得
た。次に、この成形体の中央円周部に幅3mmの溝をダ
イヤモンドグラインダーにて形成し、つばの厚みが2m
mで心棒の直径が3mmのドラム形状の成形体を得た。
次に、この成形体を1100℃で2時間焼成してフェラ
イト焼結体を得た。
し、試料NO. 1は副成分が0)に、この3倍の水を加え
ボールミルで10時間混合し、乾燥した。次に、これを
850℃で2時間仮焼した後、ボールミルで10時間粉
砕し、フェライト材料粉末を得た。次に、このフェライ
ト材料粉末に、2重量%のポリビニルアルコールを加え
て造粒した。次に得られた造粒体を150MPaの圧力
で成形し直径8mm、厚さ7mmの円柱状成形体を得
た。次に、この成形体の中央円周部に幅3mmの溝をダ
イヤモンドグラインダーにて形成し、つばの厚みが2m
mで心棒の直径が3mmのドラム形状の成形体を得た。
次に、この成形体を1100℃で2時間焼成してフェラ
イト焼結体を得た。
【0011】得られた焼結体を予備加熱することなく4
20℃の半田槽に全長の半分を1秒間浸し、目視によ
り、かけによる焼結体の割れの発生を調べ、割れ発生率
(%)を求めた。また、得られた焼結体の焼結密度を、
寸法及び重さより測定した。また、得られた焼結体の強
度試験を行った。強度試験は、片側のつば部を固定し、
もう片方のつばに、つばの平面部と平行な方向の力を加
え、破壊した時の強度を測定した。また、得られた焼結
体を乳鉢で粉砕しX線回析測定を行い、Pb及びNbを
含有する二次相即ちPb及びNbを含有する酸化物の結
晶相の存在を確認した。以上の結果を表2に示す。な
お、表2においてA相とはPb及びNbを含有する二次
相を意味する。また、焼結密度は同一試料No. に属する
10個を測定した平均値で、強度は20個を測定した平
均値で、割れ発生率は同一試料No. に属する100個に
対する割れの割合である。
20℃の半田槽に全長の半分を1秒間浸し、目視によ
り、かけによる焼結体の割れの発生を調べ、割れ発生率
(%)を求めた。また、得られた焼結体の焼結密度を、
寸法及び重さより測定した。また、得られた焼結体の強
度試験を行った。強度試験は、片側のつば部を固定し、
もう片方のつばに、つばの平面部と平行な方向の力を加
え、破壊した時の強度を測定した。また、得られた焼結
体を乳鉢で粉砕しX線回析測定を行い、Pb及びNbを
含有する二次相即ちPb及びNbを含有する酸化物の結
晶相の存在を確認した。以上の結果を表2に示す。な
お、表2においてA相とはPb及びNbを含有する二次
相を意味する。また、焼結密度は同一試料No. に属する
10個を測定した平均値で、強度は20個を測定した平
均値で、割れ発生率は同一試料No. に属する100個に
対する割れの割合である。
【0012】 表2 試料NO. 焼結密度 強度 割れ発生率 A相の有無 (g/cm3 ) (N) (%) 1 5.10 42 72 無 2 5.11 42 54 無 3 5.11 42 24 無 4 5.10 41 2 有 5 5.09 40 0 有 6 5.15 38 45 無 7 5.15 39 19 無 8 5.14 40 1 有 9 5.13 41 0 有 10 5.12 40 0 有 11 5.09 38 0 有 12 4.94 30 0 有 13 5.16 34 31 無 14 5.16 39 1 有 15 5.14 42 0 有 16 5.11 40 0 有 17 5.02 32 0 有 18 5.15 27 0 有
【0013】表1及び表2の試料NO. 1、2及び3から
明らかなようにPbOの添加量が0.3重量部よりも少
ない場合及びNb2 O5 が0.15重量部よりも少ない
場合には、Pb及びNbを含有する二次相の存在が十分
でなく、割れ発生率が大きくなる。また、試料NO. 18
から明らかなようにPbOの添加量が8重量を越えると
強度が低下する。これは巨大粒子の発生に起因してい
る。試料NO. 12、17から明らかなようにNb2 O5
が6重量部を越えると焼結性が低下し、焼結密度が小さ
くなる。従って、PbOの添加量の好ましい範囲は0.
3〜8重量部であり、Nb2 O5 の添加量の好ましい範
囲は0.15〜6重量部である。上記範囲においては、
Pb及びNbを含有する二次相が適当に得られ、割れ発
生率が0%又は極めて小さくなり、且つ焼結密度及び曲
げ強度も実用可能な範囲に入る。
明らかなようにPbOの添加量が0.3重量部よりも少
ない場合及びNb2 O5 が0.15重量部よりも少ない
場合には、Pb及びNbを含有する二次相の存在が十分
でなく、割れ発生率が大きくなる。また、試料NO. 18
から明らかなようにPbOの添加量が8重量を越えると
強度が低下する。これは巨大粒子の発生に起因してい
る。試料NO. 12、17から明らかなようにNb2 O5
が6重量部を越えると焼結性が低下し、焼結密度が小さ
くなる。従って、PbOの添加量の好ましい範囲は0.
3〜8重量部であり、Nb2 O5 の添加量の好ましい範
囲は0.15〜6重量部である。上記範囲においては、
Pb及びNbを含有する二次相が適当に得られ、割れ発
生率が0%又は極めて小さくなり、且つ焼結密度及び曲
げ強度も実用可能な範囲に入る。
【0014】主成分の組成比を変えることができること
及び主成分にCoO、MgO、MnOを含有させること
ができることを確かめるために表3に示す組成比の試料
を作った。なお、表3において各成分の割合はmol%
で示されている。
及び主成分にCoO、MgO、MnOを含有させること
ができることを確かめるために表3に示す組成比の試料
を作った。なお、表3において各成分の割合はmol%
で示されている。
【0015】 表3 試料NO. Fe2 O3 ZnO CuO NiO CoO MgO MnO 19 47.0 25.0 5.0 23.0 20 50.0 24.0 4.0 22.0 21 40.0 28.0 6.0 26.0 22 50.0 35.0 13.0 2.0 23 47.0 35.0 5.0 13.0 24 47.0 10.0 5.0 38.0 25 47.0 2.0 5.0 46.0 26 40.0 2.0 1.0 57.0 27 47.0 25.0 1.0 27.0 28 47.0 25.0 13.0 15.0 29 47.0 25.0 5.0 22.98 0.02 30 47.0 25.0 5.0 22.5 0.5 31 47.0 25.0 5.0 21.0 2.0 32 47.0 25.0 5.0 23.0 3.0 33 47.0 25.0 5.0 23.0 2.0 34 47.0 25.0 5.0 23.0
【0016】表3の試料NO. 19〜33の副成分はPb
OとNb2 O5 であり、100重量部の主成分に対する
PbOの添加量は3.0重量部、Nb2 O5 の添加量は
2.0重量部である。試料NO. 34の副成分はPbOと
Nb2 O5 とSiO2 とであり、100重量部の主成分
に対するPbOの添加量は3.0重量部、Nb2 O5の
添加量は2.0重量部、SiO2 の添加量は0.5重量
部である。
OとNb2 O5 であり、100重量部の主成分に対する
PbOの添加量は3.0重量部、Nb2 O5 の添加量は
2.0重量部である。試料NO. 34の副成分はPbOと
Nb2 O5 とSiO2 とであり、100重量部の主成分
に対するPbOの添加量は3.0重量部、Nb2 O5の
添加量は2.0重量部、SiO2 の添加量は0.5重量
部である。
【0017】試料NO. 19〜34においても、試料NO.
1〜18と同一方法でフェライトを作製し、同一方法で
焼結密度、強度、割れ発生率、A相の有無を調べたとこ
ろ、表4の結果が得られた。
1〜18と同一方法でフェライトを作製し、同一方法で
焼結密度、強度、割れ発生率、A相の有無を調べたとこ
ろ、表4の結果が得られた。
【0018】 表4 試料NO. 焼結密度 強度 割れ発生率 A相の有無 (g/cm3 ) (N) (%) 19 5.15 42 0 有 20 5.10 40 0 有 21 5.08 39 0 有 22 5.15 41 0 有 23 5.16 42 0 有 24 5.15 43 0 有 25 5.14 42 0 有 26 5.03 38 0 有 27 5.05 38 0 有 28 5.18 44 0 有 29 5.15 41 0 有 30 5.15 42 0 有 31 5.15 40 0 有 32 5.14 43 0 有 33 5.16 42 0 有 34 5.13 40 0 有
【0019】表3及び表4から明らかなように、Fe2
O3 が40〜50mol%、ZnOが2〜35mol
%、CuOが1〜13mol%、NiOが残部から成る
組成比の範囲に於いて、本発明が有効であることがわか
る。また、CoO、MgO、MnO、SiO2 を添加し
ても効果に影響がないことがわかる。なお、よく知られ
ているように、Fe2 O3 が40mol%未満では焼結
性が低下し、50mol%を越えると抵抗率が低下し好
ましくない。また、ZnOは、35mol%を越えると
キュリー点が低下し実用的でない。また、CuOが1m
ol%未満では焼結性が悪く、13mol%を越えると
Qが低下して好ましくない。
O3 が40〜50mol%、ZnOが2〜35mol
%、CuOが1〜13mol%、NiOが残部から成る
組成比の範囲に於いて、本発明が有効であることがわか
る。また、CoO、MgO、MnO、SiO2 を添加し
ても効果に影響がないことがわかる。なお、よく知られ
ているように、Fe2 O3 が40mol%未満では焼結
性が低下し、50mol%を越えると抵抗率が低下し好
ましくない。また、ZnOは、35mol%を越えると
キュリー点が低下し実用的でない。また、CuOが1m
ol%未満では焼結性が悪く、13mol%を越えると
Qが低下して好ましくない。
【0020】PbOとNb2 O5 を、主成分を仮焼した
後に添加しても差支えないことを確認するために、試料
No. 4、5、8〜11、14〜16、19〜34と同一
の主成分を用意し、これを空気中において850℃、2
時間焼成しこの仮焼した主成分にPbOとNb2 O5 又
はPbOとNb2 O5 とSiO2 とを試料No. 4、5、
8〜11、14〜16、19〜34と同様に添加し、こ
れを使用して試料No.1〜34と同様に成形体を作り、
この成形体を空気中において1100℃、2時間焼成し
てフェライト焼結体を得た。しかる後、このフェライト
焼結体の焼結密度、強度、割れ発生率を測定したとこ
ろ、試料No. 4、5、8〜11、14〜16、19〜3
4とほぼ同様に結果が得られた。
後に添加しても差支えないことを確認するために、試料
No. 4、5、8〜11、14〜16、19〜34と同一
の主成分を用意し、これを空気中において850℃、2
時間焼成しこの仮焼した主成分にPbOとNb2 O5 又
はPbOとNb2 O5 とSiO2 とを試料No. 4、5、
8〜11、14〜16、19〜34と同様に添加し、こ
れを使用して試料No.1〜34と同様に成形体を作り、
この成形体を空気中において1100℃、2時間焼成し
てフェライト焼結体を得た。しかる後、このフェライト
焼結体の焼結密度、強度、割れ発生率を測定したとこ
ろ、試料No. 4、5、8〜11、14〜16、19〜3
4とほぼ同様に結果が得られた。
【0021】実施例のフェライトがコイル装置のドラム
コアに適していることを確認するために、実施例のフェ
ライトを図1に示すドラムコア1として使用し、このド
ラムコア1に金属層から成る端子2、3を設け、巻線4
の端末5、6を端子2、3にからげ、端子2、3の部分
を溶融半田に浸して半田7、8によって端末5、6を端
子2、3に半田付けしてコイル装置を完成させ、割れの
発生を調べたところ、本発明に従うコアには割れが発生
しなかった。
コアに適していることを確認するために、実施例のフェ
ライトを図1に示すドラムコア1として使用し、このド
ラムコア1に金属層から成る端子2、3を設け、巻線4
の端末5、6を端子2、3にからげ、端子2、3の部分
を溶融半田に浸して半田7、8によって端末5、6を端
子2、3に半田付けしてコイル装置を完成させ、割れの
発生を調べたところ、本発明に従うコアには割れが発生
しなかった。
【0022】
【変形例】本発明は上述の実施例に限定されるものでな
く、例えば次の変形が可能なものである。 (1) PbOの代りにPb3 O4 等の酸化鉛を添加す
ることができる。 (2) PbとNbとを含む化合物を予め用意し、この
化合物を主成分に添加してもよい。 (3) 仮焼の温度を好ましくは800〜1050℃の
範囲で変えること、焼成の温度を好ましくは1000〜
1300℃の範囲で変えることができる。
く、例えば次の変形が可能なものである。 (1) PbOの代りにPb3 O4 等の酸化鉛を添加す
ることができる。 (2) PbとNbとを含む化合物を予め用意し、この
化合物を主成分に添加してもよい。 (3) 仮焼の温度を好ましくは800〜1050℃の
範囲で変えること、焼成の温度を好ましくは1000〜
1300℃の範囲で変えることができる。
【図1】本発明を適用することができるコイル装置を示
す断面図である。
す断面図である。
1 フェライトコア 2,3 端子 4 巻線 7,8 半田
Claims (6)
- 【請求項1】 Fe、Zn、Cu、Niを、Fe
2 O3 、ZnO、CuO、NiOに換算した組成比で、 Fe2 O3 40〜50mol %、 ZnO 2〜35mol %、 CuO 1〜13mol %、 NiO 2〜57mol %と成るように含む100
重量部の主成分と、 PbをPbOに換算して0.3〜8重量部と、 NbをNb2 O5 に換算して0.15〜6重量部とを含
むフェライト材料。 - 【請求項2】 Fe、Zn、Cu、Niを、Fe
2 O3 、ZnO、CuO、NiOに換算した組成比で、 Fe2 O3 40〜50mol %、 ZnO 2〜35mol %、 CuO 1〜13mol %、 NiO 2〜57mol %と成るように含む100
重量部の主成分と、 PbをPbOに換算して0.3〜8重量部と、 NbをNb2 O5 に換算して0.15〜6重量部とを含
むフェライト焼結体であって、前記焼結体が、主となる
スピネル構造の結晶相の他に、Pb及びNbを含有する
酸化物の結晶相を有していることを特徴とするフェライ
ト。 - 【請求項3】 Fe、Zn、Cu、Ni、Coを、Fe
2 O3 、ZnO、CuO、NiO、CoOに換算した組
成比で、 Fe2 O3 :40〜50 mol %、 ZnO : 2〜35 mol %、 CuO : 1〜13 mol %、 NiO : 2〜57 mol %、 CoO :0.02〜2 mol %となるように含む1
00重量部の主成分と、 PbをPbOに換算して0.3〜8重量部と、 NbをNb2 O5 に換算して0.15〜6重量部とを含
むフェライト材料。 - 【請求項4】 Fe、Zn、Cu、Ni、Coを、Fe
2 O3 、ZnO、CuO、NiO、CoOに換算した組
成比で、 Fe2 O3 :40〜50 mol %、 ZnO : 2〜35 mol %、 CuO : 1〜13 mol %、 NiO : 2〜57 mol %、 CoO :0.02〜2 mol %となるように含む1
00重量部の主成分と、 PbをPbOに換算して0.3〜8重量部と、 NbをNb2 O5 に換算して0.15〜6重量部とを含
むフェライト焼結体であって、前記焼結体が主となるス
ピネル構造の結晶相の他にPb及びNbを含有する酸化
物の結晶相を有していることを特徴とするフェライト。 - 【請求項5】 前記主成分が更にMgO又はMnOを含
有していることを特徴とする請求項1又は3記載のフェ
ライト材料。 - 【請求項6】 前記主成分に対してPb、Nbの他にS
iO2 が添加されていることを特徴とする請求項1又は
3又は5記載のフェライト材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10327196A JP3245049B2 (ja) | 1996-03-29 | 1996-03-29 | フェライト材料及びフェライト |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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