JP3554030B2 - 小型熱電子真空アーク蒸発源 - Google Patents
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【産業上の利用分野】
本発明は、真空容器内で金属材を電子ビームにより加熱して蒸発させると共にその一部をイオン化して該容器内に用意したワークに該金属材の薄膜を形成する小型熱電子真空アーク蒸発源に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、真空中での金属蒸着には、るつぼを電気炉で直接加熱して蒸発させる伝熱蒸発源や、電子ビーム源からの電子ビームを高圧電源からの電圧によって加速してるつぼ内の蒸発金属材を照射加熱する電子ビーム蒸発源が知られている。また、ワークへの金属蒸着膜の付着力を増すために、プラズマ中の金属イオンを加速してワーク表面に照射するイオンプレーティングが用いられているが、プラズマ中のイオン密度は通常の金属蒸発源からの金属蒸発密度よりも小さいため、成膜速度は大きくならない。
【0003】
高金属蒸気圧と高イオン密度を与える金属蒸気のアークプラズマを金属蒸発源として用いる技術は、米国特許第3,783,231号明細書に開示されており、これの蒸発金属源は冷陰極で、その表面にできる高温溶融金属の作るアークスポットが金属蒸気と高密度電子とを供給している。熱電子陰極からの電子を加速すると共に収束させて蒸発金属源である陽極に照射し、より安定なアークプラズマを作り、これを金属蒸発源として用いる技術は、フランス特許第1,496,697号明細書に開示されている。更に、熱陰極からの電子をウエネルト電極を用いて収束させることによって小型化された熱陰極真空アーク金属蒸発源は、Rev.Roum.Phys.,28,10,907(1981)にG.ムサ他によって開示されている。
【0004】
イオンプレーティングのプラズマとして、電子ビームにより加熱されたるつぼ中の蒸発金属材を、別のアーク電源からの電流によってアーク化して得られるアークプラズマを用いる技術は、木部洋他(表面技術協会89講演大会要旨集218頁 1994年)に開示されている。これは、電子ビーム電源とアーク電源が共用されている上述のG.ムサの教示する技術と同等の構造を持つと考えられるが、後者は小型化により適している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来のるつぼを使用した蒸発源は、金属蒸着膜の付着強度が弱い欠点があり、電子ビームを利用して金属蒸気をイオン化する形式の蒸発源は成膜速度の遅い欠点がある。また、いずれの蒸発源も蒸発量が経時的に変化するのみならず、アークプラズマを利用した蒸発源は、アークの点弧時および定常時に安定性を欠く不都合がある。また、従来の蒸発源は比較的大型で、成膜中の自在な移動は行えないもので、小型の移動可能な蒸発源の提供が要望されていた。
【0006】
本発明は、付着強度の大きな金属膜を高速で広範囲に成膜でき、安定したアークプラズマで安定した成膜を行える小型の蒸発源を提供すること、及び位置と方向を変えて蒸着を行える蒸発源を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、熱電子ビーム源と、蒸発金属材を供給する蒸発金属材供給装置と、上記熱電子ビーム源を上記蒸発金属材供給装置に対し負の高電圧に保ち電子を加速する制御電源とを備えた小型熱電子真空アーク蒸発源に於いて、上記熱電子ビーム源を、熱陰極と、ウエネルト電極と、上記熱陰極の温度を一定に制御するための熱陰極電流源と、上記ウエネルト電極に上記熱陰極に対し負の電圧を与える電極電源とで構成して、上記熱電子ビーム源から照射される電子ビームの照射方向に対して垂直方向の断面積を小さくした上記蒸発金属材を、その先端と上記ウエネルト電極との距離が、アーク放電可能な近接位置に配置し、上記蒸発金属材供給装置は、上記ウエネルト電極と上記蒸発金属材の先端との距離が一定に保たれるように上記蒸発金属材を連続的に供給する連続供給機構を備え、上記制御電源は、上記蒸発金属材の熱容量に応じてプログラムされた速度で電流を上昇させる機能を有する可変低電流源とバラスト負荷とを備え、上記熱電子ビーム源からの電子ビームの照射により蒸発した上記蒸発金属材の蒸気を、上記ウエネルト電極と上記蒸発金属材との間でアークプラズマ化してその一部をイオン化することを特徴としている。また、上記目的を達成するために、本発明は、上記熱電子真空アーク蒸発源の真空容器内にロボットアームを設けてその先端に上記熱電子ビーム源と上記蒸発金属材供給装置を搭載したことを特徴としている。
【0008】
【作用】
本発明の蒸発源を真空中に用意し、電極電源によりウエネルト電極に熱陰極に対して負の電圧をかけると共に、制御電源により熱電子ビーム源と蒸発金属材供給装置との間に負の高電圧をかけ、熱電子ビーム源の熱陰極へ通電すると、該熱陰極から発生する熱電子ビームが熱陰極または電子引出し電極とウエネルト電極の作る静電界により収束され、電気的にはアース電位の蒸発金属材供給装置の蒸発金属材の先端に向けて加速照射される。これにより蒸発金属材は加熱され、電子ビーム加熱がある臨界値(臨界電子加熱)を越えると該金属材の蒸気が発生し、その金属原子がイオン化されてアーク放電が発生する。アーク放電の発熱は、該蒸発金属材の先端を加熱し、該金属材の蒸発を増強する。こうしたイオンを含む蒸気流はワークの表面にイオンの化学作用によって固く付着する。該蒸発金属材は熱容量が小さくなるように形成されているので、その蒸発消耗は比較的速く、これを補うように連続供給装置により連続的に所定の位置にその先端を存在させるように供給が行われる。該制御電源は該蒸発金属材の熱容量に応じてプログラムされた速度で電流を上昇させる可変定電流源とバラスト負荷とで構成されているから、アーク放電が安定し、該制御電源が電子の加速とアークプラズマ化機能を兼備しているため、アーク放電用の設備が不要で蒸発源を小型にできる。
【0009】
該熱電子真空アーク蒸発源の真空容器内に、該熱電子ビーム源と該蒸発金属材供給装置を設ければ蒸着が可能になるので、これらを該真空容器内に設けたロボットアームに取り付け、ワークに対し任意の位置から蒸気流を流して金属膜を形成することができる。
【0010】
【実施例】
本発明の実施例を図面に基づき説明すると、図1に於いて符号1は真空に排気された熱電子真空アーク蒸発源の真空容器2の内部に設けた熱電子ビーム源を示し、該熱電子ビーム源1から放出される熱電子ビーム3は蒸発金属材供給装置4の蒸発金属材5の先端を照射し、該蒸発金属材5から蒸発する金属蒸気の一部がアークプラズマによりイオン化されて該真空容器1内に用意した金属或いはプラスチック製のワーク6の成膜面に付着してそこに金属膜が形成される。
【0011】
該熱電子ビーム源1は、陰極ステム7a、7aの間に張られたタングステン線の陰極フィラメント7bに真空容器2の外部の直流の熱陰極電流源8からの通電により白熱状態に加熱される熱陰極7と、この陰極フィラメント7bから出た熱電子を引出す筒形の電子引出し電極9、及び、引出された熱電子を静電界により収束して熱電子ビーム3とする筒形のウエネルト電極10とで構成され、該熱電子ビーム3は電気的には真空容器2に接地された蒸発金属材5の先端に照射される。この照射のために、陰極電流源8の他に直流の電極電源11と直流の制御電源12とが設けられ、該熱陰極電流源8の中性端子8aと電極電源11の電極基準端子11aとを制御電源12の負高圧端子12aに接続すると共に、該制御電源12の接地端子12bを真空容器2に接続し、電子引出し電極9を電極電源11の正端子11bに接続して該電極基準端子11aに対し少し正の電圧を与え、ウエネルト電極10を該電極電源11の第1負端子11cに接続して該電極基準端子11aに対し少し負の電圧を与えるようにした。
【0012】
該制御電源12が与える高電圧による熱電子ビーム加熱が、ある臨界値(臨界電子加熱)を越えると、蒸発金属材5の蒸気が発生し、その金属原子がイオン化されてアーク放電13が発生する。アーク放電13の発熱は棒状の蒸発金属材5の先端を加熱し、蒸発金属材5の蒸発を増大させる。こうして発生したイオンを含む金属蒸気の蒸気流は、矢印14のように流れてワーク6の成膜面に達し、イオンの化学作用で該ワーク6の表面を活性化すると共にその成膜面に固く付着する。
【0013】
該蒸発金属材5はその蒸発部に於ける熱容量を小さくするために、直径の小さい棒状に設計されており、その消耗は比較的速い。長時間に亘る蒸着作業を継続するため、ウエネルト電極10と蒸発金属材5の先端との距離を一定に保つように、該蒸発金属材5は連続供給機構15により連続的に供給される。該連続供給機構15は、図1の例では、真空容器2に形成した導入孔2aを貫通して延びる支持台15aに蒸発金属材5の根部を取付け固定し、該支持台15aの上下の移動を真空容器2の内部に設けた案内筒15bにより案内させ、該導入孔2aを真空容器2の外部から真空封止するベローズ15cを設けてこれに該支持台15aの下端を取付け、モータで駆動されるカム15eにより該支持台15aを上下に移動させる構成とした。該支持台15aは、該カム15eにより蒸発金属材5の消耗を補う速度で上昇し、常に所定の位置に該蒸発金属材5の先端が位置する。
【0014】
該熱電子ビーム源1のウエネルト電極10と蒸発金属材5との間隙が、夫々20mmと35mmであった場合、これらの間の電圧−電流(熱電子ビーム電流+アーク電流)特性は図2に示すようになる。図2の曲線Aは該間隙が20mmの場合、曲線Bは該間隙が35mmの場合である。これらの場合、電流は熱電子ビーム電流を主とする領域からアーク電流を主とする領域に変遷し、夫々の曲線A、Bの破線部分は、その変遷に伴う不安定領域である。これらの曲線A、Bは、アークに対し蒸発金属材5から供給される金属蒸気の量、従って蒸発金属材5の伝熱特性に依存している。
【0015】
一方、臨界電子加熱電力P(W)は、
P=(πd2 /4l)κθ……………式(1)
で表わされ、ここでdは蒸発金属材5の直径(cm)、lは蒸発金属材5の長さ(cm)、κは蒸発金属材5の熱伝導率(W/cm/deg)、θは臨界加熱温度(deg)である。d=0.15、l=1、κ=2.35、θ=930 としたとき、Pの値は39(W)になり、この値が図2の特性曲線に於けるアーク化開始の点となる。本発明の場合、該蒸発金属材5の伝熱設計によって、極めて低い電力でアーク化を開始させることが可能である。
【0016】
図3は制御電源12の詳細であり、この場合、該制御電源12を制御信号発生器12cの制御信号に比例した電流I0 を発生する可変定電流源12dとバラスト抵抗12eとで構成した。この図3と図2とに基づき制御電源12の作動を説明すると、図3に於いて、可変定電流源12dが発生する電流I0 は、
I0 =κ・f(t)……………………式(2)
となって制御信号発生器12cの制御信号f(t)に比例し、この電流I0 は、
I0 =Ia +Ib ………………………式(3)
となり、バラスト抵抗12eに流れる電流Ib と(熱電子ビーム電流+アーク電流)Ia との和である。また、バラスト抵抗12eのコンダクタンスgb の両端に発生する電圧Vb は、
Vb =gb ×Ib ………………………式(4)
である。
【0017】
図2に於いて、I0 =100mAのところを通る斜めの線16の電流軸となす角ψの正接はコンダクタンスgb (この場合20μモー)に等しく描かれている。曲線Bがこの場合のVb −Ib を示すとすると、式(3)及び(4)を満足する動作点17はこの斜めの線上にもある。I0 =150mAおよびI0 =50mAに夫々対応する動作点18、19についても同様な関係が成り立つ。従って、可変定電流源12dの電流が与えられれば、tanθ=gb の線が交わる動作点は曲線BがS字状でも一つに定まり、アーク放電の動作は安定となる。
【0018】
蒸発金属材5の密度ρ(g/cm3)と比熱Cp(J/g・deg)からその温度伝導率はκ/ρCpで与えられ、蒸発金属材5の時定数τは近似的に
τ=l2 (ρC p /κ)…………………式(5)
で与えられる。蒸発金属材5がアルミニウムである場合、(ρC p /κ)=1.1(s/cm2)であるから、l=1cmに対して時定数は約1秒になる。可変定電流源12dのf(t)は、蒸発金属材5の昇温に合わせて臨界電子加熱までその電流I0を上昇させ、その後アークの安定を待って更に同じ時定数で所定の動作電流まで電流I0を上昇させるように設定される。従って、アーク放電用の特別な電源や電極がなくても安定したアーク放電を発生させることができ、蒸発源の構成を簡略化できる。
【0019】
図4は本発明の第2実施例を示すもので、これの熱電子ビーム源1の電極構成と蒸発金属材5の形状及び蒸発金属材供給装置4の連続供給機構15の構成が図1のものと相違する。この例では、熱電子ビーム源1の電極として偏向電極20をウエルネルト電極10の外側に設け、熱電子ビーム3を薄肉の円筒状に形成した蒸発金属材5の先端に該偏向電極20で偏向して照射した。また、連続供給機構15として、該円筒状の蒸発金属材5を取付けた支持台15aを真空容器2の真空シールした導入孔2aから外部へ導出し、真空容器2に固定のねじ筒15fに該支持台15aの外周のねじとを噛合せ、モータ15dの回転が歯車15g、15gを介して支持台15aへ伝達されると、ねじ筒15fにより該支持台15aが蒸発金属材5の消耗を補ってその先端とウエネルト電極10との間隔を一定にするように上昇するようにした。その他の構成及び作動は図1の実施例と略同様である。
【0020】
図5は本発明の第3実施例を示すもので、これの熱電子ビーム源1は電極アッセンブリ25にマウントされ、該熱電子ビーム源1には電子引出し電極がなく、蒸発金属材供給装置4が放熱フィン4aに囲まれており、ワイヤ状の蒸発金属材5の連続供給機構15の構成及びロボットアーム21に熱電子ビーム源1と蒸発金属材供給装置4を取付けた点が図1の実施例と相違し、熱陰極7とウエネルト電極10への配線22、23を可撓碍子列24内に納めるようにした。熱陰極7の配線22とウエネルト電極10との間には熱陰極電流源8が接続され、ウエネルト電極10への負高圧配線23は制御電源12の負高圧端子12aに接続され、制御電源12の接地端子12bは真空容器2に接続される。この実施例は、図1、図4の実施例よりも電極構成は簡単になっているが、この場合も陰極フィラメント7bからでた熱電子ビーム3は、熱陰極とウエネルト電極10の作る静電界によって収束され、アース電位の蒸発金属材5の先端に向けて加速照射される。電極アッセンブリ25は約45°傾けて蒸発ヘッド26に取付けられ、熱電子ビーム3の蒸発ヘッド26の軸に対する角度は約45°である。蒸発ヘッド26のワイヤ状の蒸発金属材5を導出する支持孔27は蒸発ヘッド26の軸に対して−45°方向に傾いており、該支持孔27は蒸発金属材5の径に対して締まりばめに調整され、該蒸発金属材5の移動に対して摩擦抵抗を与えるようにした。該蒸発金属材5の繰出しは、送り爪29を往復動させるソレノイドアクチュエータ28により行われ、該送り爪29はその往動時には該蒸発金属材5のワイヤに食い込んでこれを押出し、その復動時には該蒸発金属材5から離れてそれ自体で復帰する。放熱フィン4aはこれら連続供給機構15の構成部材の過度の温度上昇を防ぐ。蒸発金属材5のワイヤは、蒸発ヘッド26の内部のワイヤリール30に巻かれ、長時間の連続作業に際しても蒸発金属材5を補給することができる。
【0021】
該蒸発ヘッド26はロボットアーム21を構成する先端アーム21aに取付けられ、該先端アーム21aは中間アーム21b、21cを介して駆動アーム21dに回転可能に取付けられる。該駆動アーム21dは軸回りの駆動が可能である。これらのアームの動きにより、蒸発ヘッド26は真空容器2の内部を自在に動き、ワーク6に対して任意の方向から蒸着することが可能になる。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、特別のアークプラズマ用の電極と電源を設けることなく安定した金属蒸気のプラズマが得られ、付着強度の良い金属膜を一定の比較的高速で広範囲に成膜でき、蒸発源を小型化することができる等の効果を得ることができる。また、請求項4に記載の発明によれば、小型化できることから熱電子真空アーク蒸発源の真空容器内にロボットアームを設けてその先端に上記熱電子ビーム源と上記蒸発金属材供給装置を搭載することができ、ワークに対し位置と方向を変えて蒸着を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の截断側面図
【図2】図1の実施例の電圧−電流特性の線図
【図3】図1の実施例の制御電源の詳細図
【図4】本発明の第2実施例の截断側面図
【図5】本発明の第3実施例の要部の截断側面図
【符号の説明】
1 熱電子ビーム源 2 真空容器 3 熱電子ビーム
4 蒸発金属材供給装置 5 蒸発金属材 6 ワーク
7 熱陰極 8 陰極電流源 9 電子引出し電極
10 ウエネルト電極 11 電極電源 12 制御電源
12a 高負圧端子 12b 接地端子 12c 制御信号発生器
12d 可変定電流源 12e バラスト抵抗 13 アーク放電
15 連続供給機構 20 偏向電極 21 ロボットアーム
Claims (4)
- 熱電子ビーム源と、蒸発金属材を供給する蒸発金属材供給装置と、上記熱電子ビーム源を上記蒸発金属材供給装置に対し負の高電圧に保ち電子を加速する制御電源とを備えた小型熱電子真空アーク蒸発源に於いて、
上記熱電子ビーム源を、熱陰極と、ウエネルト電極と、上記熱陰極の温度を一定に制御するための熱陰極電流源と、上記ウエネルト電極に上記熱陰極に対し負の電圧を与える電極電源とで構成して、上記熱電子ビーム源から照射される電子ビームの照射方向に対して垂直方向の断面積を小さくした上記蒸発金属材を、その先端と上記ウエネルト電極との距離が、アーク放電可能な近接位置に配置し、
上記蒸発金属材供給装置は、上記ウエネルト電極と上記蒸発金属材の先端との距離が一定に保たれるように上記蒸発金属材を連続的に供給する連続供給機構を備え、上記制御電源は、上記蒸発金属材の熱容量に応じてプログラムされた速度で電流を上昇させる機能を有する可変低電流源とバラスト負荷とを備え、
上記熱電子ビーム源からの電子ビームの照射により蒸発した上記蒸発金属材の蒸気を、上記ウエネルト電極と上記蒸発金属材との間でアークプラズマ化してその一部をイオン化することを特徴とする小型熱電子真空アーク蒸発源。 - 上記熱電子ビーム源は、熱陰極と、ウエネルト電極と、電子引出し電極と、該熱陰極の温度を一定に制御するための熱陰極電流源と、該ウエネルト電極に該熱陰極に対し負の電圧を与え、該電子引出し電極には該熱陰極に対し正の電圧を与える電極電源とで構成したことを特徴とする請求項1に記載の小型熱電子真空アーク蒸発源。
- 上記熱電子ビーム源は、熱陰極と、ウエネルト電極と、電子引出し電極と、偏向電極と、該熱陰極の温度を一定に制御するための熱陰極電流源と、該ウエネルト電極及び偏向電極に該熱陰極に対し負の電圧を与え、該電子引出し電極には該熱陰極に対し正の電圧を与える電極電源とで構成したことを特徴とする請求項1に記載の小型熱電子真空アーク蒸発源。
- 上記小型熱電子真空アーク蒸発源の真空容器内にロボットアームを設けて、その先端に上記熱電子ビーム源と上記蒸発金属材供給装置を搭載したことを特徴とする請求項1又は2又は3に記載の小型熱電子真空アーク蒸発源。
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JP17662894A JP3554030B2 (ja) | 1994-07-28 | 1994-07-28 | 小型熱電子真空アーク蒸発源 |
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JPH0841632A JPH0841632A (ja) | 1996-02-13 |
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- 1994-07-28 JP JP17662894A patent/JP3554030B2/ja not_active Expired - Fee Related
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