JP2857743B2 - 薄膜形成装置および薄膜形成方法 - Google Patents

薄膜形成装置および薄膜形成方法

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JP2857743B2
JP2857743B2 JP34743095A JP34743095A JP2857743B2 JP 2857743 B2 JP2857743 B2 JP 2857743B2 JP 34743095 A JP34743095 A JP 34743095A JP 34743095 A JP34743095 A JP 34743095A JP 2857743 B2 JP2857743 B2 JP 2857743B2
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昭義 茶谷原
兼栄 藤井
裕治 堀野
淳 木野村
信輝 坪内
由明 杢野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜形成装置およ
び薄膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】薄膜形成方法としては、種々の物理的お
よび化学的蒸着方法が知られている。
【0003】例えば、真空中でのアーク放電により薄膜
形成原料が殆ど溶融することなく、カソードスポットと
呼ばれる領域に放電電流の集中が起こる形態の真空アー
ク蒸着法がある。従来、真空アーク蒸着法では、蒸着源
として基板に対向した円盤状のターゲットが用いられ、
アークスポットをその表面で移動させている。この様な
真空アーク蒸着法による薄膜形成においては、カソード
スポットで生じた原料液滴が飛散し、これが基板に直接
到達するので、粒子が形成され、薄膜中に混入して平坦
な成膜が形成されない場合がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、真空アーク
蒸着法による薄膜形成に際して、原料微粒子を含まない
緻密で平滑な薄膜を形成しうる新たな技術を提供するこ
とを主な目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記のよう
な従来技術の現状に鑑みて研究を進めた結果、真空アー
ク蒸着装置におけるアーク放電電極の構造を改善するこ
とにより、上記の目的を達成しうることを見出した。
【0006】即ち、本発明は、下記の薄膜形成装置およ
び薄膜形成方法を提供するものである。
【0007】1.カソードとしてのターゲット材料の周
囲に円筒状のアノードを配置し、カソード近辺にトリガ
電極を配置し、トリガ放電により発生するカソードスポ
ットとアノード間でパルス放電を行うための主放電電源
としてコンデンサを備えたことを特徴とする薄膜形成装
置。
【0008】2.カソードとしてのターゲット材料の周
囲に円筒状のアノードを配置し、カソード近辺にトリガ
電極を配置してなる薄膜形成装置を使用して、トリガ電
極とターゲット材料との間に高電圧パルスを加えてトリ
ガ放電させた後、ターゲット材料上に発生するカソード
スポットとアノードとの間での主放電により発生した電
子およびイオンを基板方向に加速移動させて基板上に金
属薄膜を形成させることを特徴とする薄膜形成方法。
【0009】3.主放電をコンデンサを電源とするパル
ス放電により行う上記項2に記載の薄膜形成方法。
【0010】
【発明の実施の形態】以下図面に示す実施態様を参照し
つつ、本発明をさらに詳細に説明する。
【0011】図1に示す様に、本発明による装置におい
ては、真空アーク放電のカソード(ターゲット材料)の
周囲に円筒状のアノードを設け、カソード近傍に配置し
たトリガ電極とカソードとの間に高電圧パルスを加え
て、トリガ放電させる。このトリガ放電により、カソー
ド上に電流が集中する点乃至領域(カソードスポット)
が発生し、次いで、このカソードスポットとアノードと
の間で主放電が始まって、カソードスポットの成長と移
動が起こり、カソードスポット中で生成した原子、イオ
ンおよび液滴が放出される。
【0012】主放電が連続して長時間継続すると、カソ
ードが加熱されてついには溶融し、通常の溶融蒸着法
(抵抗通電、電子ビーム、高周波誘導などを利用する溶
融蒸着法)に近い現象を生じて、粒子を含む膜が形成さ
れるので、カソードが溶融する前に主放電を終えておく
ことが必要である。このためには、充電したコンデンサ
を主放電電源として使用する。操作の制御を良好に行う
ためには、パルス電源を用いることが好ましい。
【0013】本発明においては、カソードの溶融を防止
するために、1回のアーク放電時間が制限されるので、
所望の膜厚を有する薄膜が形成されるまで、必要な回数
アーク放電を繰り返し行う。
【0014】本発明においても、カソードスポットにお
いて原料液滴が形成されるが、これは、その箇所から直
線的に到達できる主にアノード上に堆積する。これに対
し、アノード−カソード間の空間で生じた原子およびイ
オンは、プラズマ流として基板の配置された方向に進ん
で、基板上に堆積し、膜を形成する。この際、アノード
電極へ流れる電流により、アノード電極を中心にして同
心円状に磁界が発生する。この磁界とカソードからアノ
ードへ向かう電流とは直交するので、この電流成分であ
るイオンと電子とには電磁力が働いて、これらは基板方
向に加速され、基板上に堆積して、膜を形成する。これ
に対し、原子およびイオンに比して遙かに重い原料液滴
は、電磁力の影響を殆ど受けないので、基板方向には加
速されず、膜内に取り込まれることはない。従って、基
板上に形成される膜は、平滑なものとなる。
【0015】なお、絶縁性化合物からなる薄膜を形成す
る場合には、ターゲット材料として導電性物質を使用
し、雰囲気に酸素、窒素などを供給することにより、酸
化物、窒化物などの絶縁性化合物を形成させれば良い。
【0016】
【発明の効果】
1.本発明によれば、平坦な成膜が得られるので、真空
アーク法による蒸着が広く利用可能となる。
【0017】2.通常の蒸着方法では、ターゲットの殆
どを溶融させるのに対し、本発明ではその必要がないの
で、炭素、タングステンなどの高融点金属膜を容易に成
膜することができ、加熱に使用するエネルギーを減少さ
せ、電源装置の簡素化が可能となる。
【0018】3.通常の蒸着法とは異なり、高温の原料
融液からの輻射熱がないので、耐熱性に劣る安価な基板
を使用することができる。
【0019】4.原料融液が存在しないので、重力に対
して蒸着方向が制限されず、真空槽への取り付けを自由
に行いうる。また、無重力下でも、実施できる。
【0020】5.加熱の必要がないので、加熱に伴う脱
ガスによる蒸着操作中の真空度低下に対処する設備を必
要とせず、しかも高純度膜生成を行いうる。
【0021】6.短時間パルスにより主放電を行う場合
には、瞬間の蒸発速度が極めて早いので、残留ガスの取
り込みによる純度の劣化が少ない。
【0022】7.アーク放電は、イオン化率の非常に高
い放電形態なので、イオンを利用した基板バイアス、イ
オンプレーティング、イオン源用プラズマなどに好適で
ある。
【0023】8.上記の様な多くの利点を備えた本発明
方法は、半導体などの電子材料の作製、光学薄膜の形
成、防食・装飾などを目的とする表面改質などに有用で
ある。
【0024】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明の特徴とすると
ころをより一層明確にする。
【0025】実施例1 図1に示す装置において、下記の条件で真空アーク放電
を行い、高分子材料(商標“カプトン”、デュポン社
製)フィルム上に鉄薄膜(0.03μm)を形成させ
た。
【0026】*トリガ部:電源5kV、抵抗50MΩ、
コンデンサ0.33μF *主放電部:電源90V、コンデンサ8800μF *ターゲット:鉄、直径8mm *真空度:10-7Torr 得られた鉄薄膜表面を2次電子顕微鏡(SEM)像によ
り観察したところ、緻密で平滑な薄膜が得られているこ
とが確認できた。
【0027】これに対し、従来の真空アーク放電法によ
り得られた鉄薄膜表面をSEM像により観察したとこ
ろ、原料液滴に由来する粒子が存在し、平滑性に劣るこ
とが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発による薄膜形成装置の一例を示す概念図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木野村 淳 大阪府池田市緑丘1丁目8番31号 工業 技術院大阪工業技術研究所内 (72)発明者 坪内 信輝 大阪府池田市緑丘1丁目8番31号 工業 技術院大阪工業技術研究所内 (72)発明者 杢野 由明 大阪府池田市緑丘1丁目8番31号 工業 技術院大阪工業技術研究所内 (56)参考文献 特表 平3−502344(JP,A) 特開 平4−45262(JP,A) 特公 昭58−3033(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23C 14/00 - 14/58

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空アーク蒸着法により基板上に薄膜を形
    成するための装置において、カソードとしてのターゲッ
    ト材料周囲に、生成したプラズマ中の原子およびイオン
    を基板方向に加速移動させるための円筒形アノードを配
    置し、カソード近辺にトリガ電極を配置し、トリガ放電
    により発生するカソードスポットとアノード間でパルス
    放電を行うための主放電電源としてコンデンサを備えた
    ことを特徴とする薄膜形成装置。
  2. 【請求項2】真空アーク蒸着法により基板上に薄膜を形
    成する方法であって、カソードとしてのターゲット材料
    周囲に円筒形アノードを配置し、カソード近辺にトリガ
    電極を配置してなる薄膜形成装置を使用して、トリガ電
    極とターゲット材料との間に高電圧パルスを加えてトリ
    ガ放電させた後、ターゲット材料上に発生するカソード
    スポットとアノードとの間での主放電により原子および
    イオンを含むプラズマを発生させ、この原子およびイオ
    ンを前記円筒形アノードを中心として同心円状に発生す
    る磁界により基板方向に加速移動させて基板上に金属薄
    膜を形成させることを特徴とする薄膜形成方法。
  3. 【請求項3】主放電をコンデンサを電源とするパルス放
    電により行う請求項2に記載の薄膜形成方法。
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JP4987379B2 (ja) * 2006-08-04 2012-07-25 株式会社アルバック カーボンナノチューブ形成装置
JP4805205B2 (ja) * 2007-03-30 2011-11-02 オリジン電気株式会社 放電負荷用電源
JP5016976B2 (ja) * 2007-05-25 2012-09-05 株式会社アルバック 微粒子膜の製造方法
JP4739383B2 (ja) * 2008-09-22 2011-08-03 株式会社アルバック 蒸着源、蒸着装置

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