JPH07302575A - イオン注入用イオン源 - Google Patents

イオン注入用イオン源

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JPH07302575A
JPH07302575A JP6120691A JP12069194A JPH07302575A JP H07302575 A JPH07302575 A JP H07302575A JP 6120691 A JP6120691 A JP 6120691A JP 12069194 A JP12069194 A JP 12069194A JP H07302575 A JPH07302575 A JP H07302575A
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JP
Japan
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magnetic field
ion
evaporation surface
ion source
cathode
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP6120691A
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English (en)
Inventor
Kenji Sugiyama
賢司 杉山
Jun Sasaki
純 佐々木
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Priority to JP6120691A priority Critical patent/JPH07302575A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 マクロパーティクルの発生を低減して、イ
オン注入による特性改善効果の低下を防止し得るイオン
注入用イオン源を提供する。 【構成】 真空中でアーク放電によりカソード材料1
を蒸発かつイオン化してイオンビーム6を引き出すよう
にしてなるイオン注入用イオン源において、カソード材
料の蒸発面3の近傍に設置された1個以上の空芯コイル
又は電磁石7a・7bと、該空芯コイル又は電磁石に時
間と共に変化する電流を流す電流制御手段9とを有し、
蒸発面に平行な成分が時間と共に変化する磁場8を蒸発
面に印可するものとする。特に、磁場の蒸発面に平行な
成分が、周期的に極性が変化する交番磁場、あるいは一
定周期で回転しながら向きが変化する回転磁場であるも
のとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、真空アーク放電により
カソード材料を蒸発・イオン化してイオンビームを引き
出すイオン注入用イオン源に関する。
【0002】
【従来技術】イオン注入用イオン源として、真空中でア
ーク放電によりカソード材料を蒸発・イオン化すること
でイオンビームを引き出すイオン源(例えば、I.G.Brow
n他、Rev.Sci.Instrum.57(6)June 1986)が知られてお
り、半導体への不純物添加等に用いられるフリーマン型
等の質量分離方式のイオン源と比較して、小型の装置で
大電流のイオンビーム引出しが可能であり、金属材料等
の表面改質の為の実用的な手段となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
イオン源においては、真空中のアーク放電によってカソ
ード材料を蒸発させる際に、カソード材料の溶融液滴が
生じることが避けられず、この溶融液滴がいわゆるマク
ロパーティクルとしてイオンビームに混じってイオン源
から放出されると、被処理材表面に付着してイオン注入
の品質を低化させることになる。耐摩耗性改善等を目的
とする場合には影響は少ないが、化学的特性や電気的特
性等が問題となる場合には、イオン注入による特性改善
を阻害する要因となることがある。
【0004】このマクロパーティクルの発生は、一般
に、カソード材料の融点が低い程多く、例えばモリブデ
ンやタングステン等の高融点金属をカソード材料に用い
る場合は少ないが、アルミニウムや鉛等の融点の低い金
属の場合は多く、有効な注入効果を得ることが出来なか
った。
【0005】また、マクロパーティクルの発生は、真空
中でアーク放電によりカソード材料を蒸発・イオン化し
て被処理材に照射する真空アークコーティングにおいて
も、その品質を低下させる要因として問題になってお
り、種々の抑制方法が提案されている。これらは何れ
も、マクロパーティクル発生がカソード蒸発面での放電
点(カソードスポット)の滞留により生じることに注目
し、蒸発面に平行な磁場の印加により蒸発面上のカソー
ドスポットの運動を促進させることを狙ったものであ
る。
【0006】例えば、特公昭61−501328号公報
では、平板状のカソード材料の裏面直近に設置した磁石
を回転させることにより磁場の蒸発面に平行な成分を時
間的に変化させる方法が、又、特開平2−194167
号公報では、空芯コイルによる磁場が外向きに発散する
位置にカソード材料を置き、蒸発面の半径方向成分によ
りカソードスポットを運動させる方法が、各々提案され
ている。
【0007】ところが、前者の方法では、磁石を回転さ
せるための機構を導入する必要があり、高電圧が加わる
イオン源アーク放電部にこのような機械的に運動する機
構を取り付けることは、装置を大きく複雑にする上、信
頼性やメインテナンス性の低下の要因ともなる。さら
に、イオン注入用イオン源においては、このような薄い
平板状のカソードを用いる真空アークコーティングと異
なり、装置の小型化や特性の安定化等の為に小径のロッ
ド状のカソードを用いるのが一般的であり、カソードの
蒸発面直近に磁石を設置して平行な磁場成分を印加する
ことは装置の構成上困難である。
【0008】一方、後者の方法では、カソード蒸発面の
中心部に蒸発面に平行な磁場成分が生じず、又、小径の
カソードを用いるイオン源の場合には蒸発面に平行な磁
場成分を大きく設定することが出来ず、有効に作用しな
いといった不都合があった。
【0009】本発明は、このような従来技術の不都合を
解消するべく案出されたものであり、その主な目的は、
マクロパーティクルの発生を低減して、イオン注入によ
る特性改善効果の低下を防止し得るイオン注入用イオン
源を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
る為に発明者らは、カソードの蒸発面に平行な磁場を印
加し、その方向を時間と共に変化させることにより、カ
ソードスポットを蒸発面上で運動させ、それによりマク
ロパーティクルの発生を抑制させる方法に着目し、磁場
生成の具体的方法として、カソードの蒸発面近傍に1個
以上の空芯コイル又は電磁石を配置し、そこに流す電流
の極性を時間と共に変化させる方法を考案した。
【0011】すなわち、上述した目的は、本発明によれ
ば、真空中でアーク放電によりカソード材料を蒸発かつ
イオン化してイオンビームを引き出すようにしてなるイ
オン注入用イオン源において、前記カソード材料の蒸発
面の近傍に設置された1個以上の空芯コイル又は電磁石
と、該空芯コイル又は電磁石に時間と共に変化する電流
を流す電流制御手段とを有し、前記蒸発面に平行な成分
が時間と共に変化する磁場を前記蒸発面に印可すること
を特徴とするイオン注入用イオン源を提供することによ
り達成される。特に、前記磁場の前記蒸発面に平行な成
分が、周期的に極性が変化する交番磁場、あるいは一定
周期で回転しながら向きが変化する回転磁場であると好
ましい。
【0012】
【作用】図1は、本発明に基づいて構成されたイオン源
の概略構成を示している。このイオン源は、通常10-4
TORR以下の圧力に真空排気された状態において、カ
ソード1とアノード2との間に電圧を印加してアーク放
電を起こすことで、カソード1のアノード2と対向する
端面である蒸発面3にカソードスポット4を形成して、
カソード1の材料を蒸発・イオン化させるものである。
生成されたイオンは、プラズマ状態で引き出し電極5の
方向に広がり、引き出し電極5のグリッド間に印加され
た高電圧により加速されて、イオンビーム6として引き
出される。なお、ここで印可する電圧は直流でも良い
が、制御性の良さからパルス状の電圧を印加するのが一
般的である。
【0013】このようなイオン源においては、上述した
ように、カソードスポット4が蒸発面3の一定点に滞留
する時間が長いと、マクロパーティクルの生成が増長さ
れることになる。そこで、蒸発面3に平行な成分を持つ
磁場8を形成するように1対の空芯コイルまたは電磁石
7a、7bを蒸発面3を挟むように直近に設置すると共
に、この空芯コイルまたは電磁石7a、7bに流れる電
流を変化させる電流制御器9を設けて磁場8を変化させ
るものとする。
【0014】蒸発面3に磁場8が印加されると、カソー
ドスポット4は、図2に示されるように、磁場8と直角
の方向に移動することになるが、例えば、電流制御器9
によってコイルまたは電磁石7a、7bに周期的に向き
が反転する同じ交流電流を流した場合、上・下方向の磁
場8が交互に周期的にカソード1の蒸発面3に加えら
れ、カソードスポット4は、図2の矢印で示されるよう
に、左右に周期的な運動を行なう。
【0015】また、1対の空芯コイルまたは電磁石7a
及び7bと1対の空芯コイルまたは電磁石7c及び7d
とを、図3に示されるように、互いに直交する位置に2
組配置してもよい。この場合、例えば空芯コイルまたは
電磁石7a、7bに流す交流電流に対し、1/4周期位
相の遅れた交流電流を空芯コイルまたは電磁石7c、7
dに流すことにより、7a、7bにより形成される磁場
8と、7c,7dにより形成される磁場8’が合成され
て、回転磁場が形成される。これによってカソードスポ
ット4を蒸発面3上で回転運動させることができる。
【0016】このように、カソード1の蒸発面3に時間
的に方向が変化する磁場を加えることによって、カソー
ドスポット4が一定点に滞留することなく蒸発面3上を
動き回るため、マクロパーティクルの発生を抑制するこ
とができる。
【0017】なお、空芯コイルまたは電磁石に流す電流
は、周期的に向きが変化するものであれば、例えば矩形
波電流等でも良いが、高周波成分が少ないこと等から正
弦波電流を用いるのが望ましい。また、印加する磁場の
大きさは、一般の電磁石で簡単に印加出来る100〜1
000ガウス程度で良く、向きを変える周期は、直径5
〜10mm程度のカソードを用いる場合は、0.1〜1
ms程度とすれば、カソードスポットが蒸発面上を充分
動き回りマクロパーティクルの抑制効果が得られる。
【0018】
【実施例】上記の回転磁場を形成してビームスポットを
回転運動させる方法を用いて、鉄鋼材料にアルミニウム
のイオン注入を行なった。
【0019】まず、図3に示されるように、2組の空芯
コイルまたは電磁石7a、7b、7c、及び7dを設置
して回転磁場を形成し、パルス状のアーク放電を行って
アルミニウムのイオンビームを引き出した。このときの
各条件は以下の通りである。 アーク電流 ; 100A パルス長さ ; 1ms パルス周波数 ; 10パルス/秒 磁場の強度 ; 100ガウス 回転の周波数 ; 5kHz イオンビームの加速電圧 ; 70kV
【0020】このイオンビームを用いて鉄鋼材料に注入
量1x1017ions/cm2のイオン注入を行い、被
処理面に付着したマクロパーティクル数を測定したとこ
ろ、表1に示すように、磁場を印可しないこと以外は同
一の条件で行なった比較例に比して、大幅にマクロパー
ティクル数が減少した。
【0021】
【表1】
【0022】
【発明の効果】以上の説明により明らかなように、本発
明によるイオン源によれば、被処理材表面へのマクロパ
ーティクルの付着の少ないイオン注入を行うことが可能
となり、イオン注入による特性改善効果の低下を防止し
得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づき構成されたイオン注入用イオン
源の概略構成を示す模式図。
【図2】図1に示されるイオン注入用イオン源を矢印II
-IIから見た模式図。
【図3】本発明に基づき構成されたイオン注入用イオン
源を示す図2と同様な模式図。
【符号の説明】
1 カソード 2 アノード 3 蒸発面 4 カソードスポット 5 引き出し電極 6 イオンビーム 7a、7b、7c、7d 磁場印加用コイルまたは電磁
石 8、8′ 磁場の方向 9 電流制御器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空中でアーク放電によりカソード材料
    を蒸発かつイオン化してイオンビームを引き出すように
    してなるイオン注入用イオン源において、 前記カソード材料の蒸発面の近傍に設置された1個以上
    の空芯コイル又は電磁石と、該空芯コイル又は電磁石に
    時間と共に変化する電流を流す電流制御手段とを有し、
    前記蒸発面に平行な成分が時間と共に変化する磁場を前
    記蒸発面に印可することを特徴とするイオン注入用イオ
    ン源。
  2. 【請求項2】 前記磁場の前記蒸発面に平行な成分が、
    周期的に極性が変化する交番磁場であることを特徴とす
    る請求項1に記載のイオン注入用イオン源。
  3. 【請求項3】 前記磁場の前記蒸発面に平行な成分が、
    一定周期で回転しながら向きが変化する回転磁場である
    ことを特徴とする請求項1に記載のイオン注入用イオン
    源。
JP6120691A 1994-05-09 1994-05-09 イオン注入用イオン源 Withdrawn JPH07302575A (ja)

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JP6120691A JPH07302575A (ja) 1994-05-09 1994-05-09 イオン注入用イオン源

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JP6120691A JPH07302575A (ja) 1994-05-09 1994-05-09 イオン注入用イオン源

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JPH07302575A true JPH07302575A (ja) 1995-11-14

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ID=14792582

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JP6120691A Withdrawn JPH07302575A (ja) 1994-05-09 1994-05-09 イオン注入用イオン源

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002025685A1 (en) * 2000-08-30 2002-03-28 Applied Materials, Inc. Ion source magnet assembly
KR100474533B1 (ko) * 1997-12-30 2005-05-17 삼성전자주식회사 와이드빔을이용하는반도체장치제조용이온주입설비및이를이용한와이드빔균일도향상방법
KR100509964B1 (ko) * 2003-03-07 2005-08-24 엘지.필립스 엘시디 주식회사 이온도핑장치
US7772571B2 (en) 2007-10-08 2010-08-10 Advanced Ion Beam Technology, Inc. Implant beam utilization in an ion implanter

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KR100474533B1 (ko) * 1997-12-30 2005-05-17 삼성전자주식회사 와이드빔을이용하는반도체장치제조용이온주입설비및이를이용한와이드빔균일도향상방법
WO2002025685A1 (en) * 2000-08-30 2002-03-28 Applied Materials, Inc. Ion source magnet assembly
KR100509964B1 (ko) * 2003-03-07 2005-08-24 엘지.필립스 엘시디 주식회사 이온도핑장치
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Effective date: 20010731