JP3553821B2 - ルーフレールの取付構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のルーフ側部に設けられてルーフ上にキャリヤを支持するルーフレールの取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、図5の(a)及び(b)に示すように、車両101におけるルーフ102の側部には、ドリップチャンネル103が設けられており、該ドリップチャンネル103上には、ルーフレール104が設けられている。
【0003】
このルーフレール104には、下方へ突出するボルト111が設けられている。このボルト111は、前記ドリップチャンネル103内に設けられたスペーサプレート112を挿通するとともに、ルーフパネル113とアウタパネル114の接合部からなる底面115に挿入された後、ナット116により固定されている。また、前記ルーフレール104の周縁部と、前記ルーフパネル113及び前記アウタパネル114上部との間には、ゴムベース117が設けられており、ルーフレール104は、全周に亘り前記ゴムベース117により当接支持されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したルーフレール104の取付構造にあっては、ルーフレール104の外周部に、ゴム製で異物感のあるゴムベース117が露出しているため、外観品質が低下するという問題点があった。また、比較的高価で重量のあるゴムベース117をルーフレール104の全周に亘り配設するため、コスト高となるともに、軽量化の阻害要因となっていた。
【0005】
さらに、ルーフレール104は、ゴムベース117を介して、ルーフパネル113及びアウタパネル114の平面部に支持されており、荷物積載時のルーフレール104への荷重が、これらの平面部に加えられるように構成されている。このため、大きな荷重が加えられた際には、前記各パネル113,114の平面部が歪みやすく、外観品質を低下させる恐れがあった。
【0006】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、軽量化及びコストダウンを図りつつ、外観品質を高めることができるルーフレールの取付構造を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明の請求項1のルーフレールの取付構造にあっては、ルーフの両側部に、上方開口した凹溝状に形成されたドリップチャンネル上に配設されるルーフレールの取付構造において、前記ドリップチャンネルの上方開口縁を形成する角部と前記ルーフレールの下面との間に、該ルーフレールを支持する弾性を有したスペーサを、前記ドリップチャンネルの長さ方向に間隔をおいて複数設け、前記ルーフレールの周縁と前記ルーフの上面との間に間隙を形成した。
【0008】
すなわち、ルーフレールとルーフとの間に配設されるスペーサは、ドリップチャンネルに対して部分的に設けられるので、前記スペーサの使用量が削減される。また、前記ルーフレールの周縁と前記ルーフとの間には、間隙が確保されるとともに、この間隙の幅寸法は、前記スペーサにより均一に維持される。さらに、前記ルーフレールへの荷重は、前記各スペーサを介して、ドリップチャンネルの縁を形成する角部へ加えられる。
【0009】
また、請求項2のルーフレールの取付構造においては、前記ルーフレールを、締結部材により前記ドリップチャンネルの底面に固定するとともに、前記スペーサを、少なくとも前記締結部材による固定点を挟んで対向する前記両角部の部位に配置した。
【0010】
これにより、ルーフレールを、締結部材による固定点を挟んで対向する前記両角部の部位にて支持することができるので、締結部材から加えられた固定力による前記固定点でのルーフレールの撓みが防止される。
【0011】
さらに、請求項3のルーフレールでは、前記ルーフレールの周縁部に、該ルーフレールと前記ルーフの上面とに充填される充填材を、当該ルーフレールの周縁より内側に配設した。
【0012】
これにより、ルーフレールの周縁に形成された間隙は充填材により塞がれる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図に従って説明する。図1の(a)及び(b)は、本実施の形態にかかるルーフレール1の取付構造を備えた車両2を示す図であり、該車両2のルーフ3の両側部には(一方のみ図示)、ドリップチャンネル4が上方開口した凹溝状に形成されている。該ドリップチャンネル4は、図2〜図4に示すように、ルーフパネル5とアウタパネル6との接合部分に形成されており、当該ドリップチャンネル4上には、ルーフレール1が設けられている。
【0014】
このルーフレール1は、ドリップチャンネル4の長さ方向に延在するアルミ押し出し材からなるレール本体11と、該レール本体11の前端及び後端に取り付けられた状態でビス止めされる樹脂製のエンドキャップ12,12とにより構成されている。前記レール本体11は、図2及び図3に示したように、断面台形状に形成されており、その左側部及び右側部が、前記ドリップチャンネル4の左側部及び右側部上に位置するように構成されている。前記レール本体11の中央には、上方開口状の溝13が形成されており、該溝13の底部14には、締結部材としての取付ボルト15が六ヶ所に圧入されている。
【0015】
この取付ボルト15は、前記ドリップチャンネル4内に設けられたスペーサプレート21及び車体プレート22を挿通するとともに、前記ドリップチャンネル4の底面23及びレールインナ24に挿入されており、この取付ボルト15にナット25が締結されることにより、前記ルーフレール11が車体に固定されている。前記車体プレート22の周縁、及び前記ルーフパネル5とアウタパネル6との接合部分には、ペイントシール26が塗布され、かつ前記車体プレート22と前記スペーサプレート21との間には、スポンジシール27が積層されており、防水性が確保されている。
【0016】
前記ルーフレール1における前記レール本体11の下面には、前記ドリップチャンネル4の左縁及び右縁に位置する一対のゴムスペーサ31,31が、等間隔をおいた五カ所に設けられている。この対を成すゴムスペーサ31,31は、凹溝状に形成された前記ドリップチャンネル4の上方開口縁を形成するルーフパネル5側の第1角部32と、アウタパネル6側の第2角部33とに当接支持する位置に配設されており、前記ルーフレール1の周縁と、前記ルーフ3上面を形成するルーフパネル5及びアウタパネル6との間には、間隙34が形成されている。前記一対のゴムスペーサ31,31は、前記各取付ボルト15,・・・による固定点35を挟んで対向する前記各角部32,33の部位と、前記各取付ボルト15,・・・の中央部において相対向した前記各角部32,33の部位とにレール本体11を当接支持するように配置されている。
【0017】
また、前記レール本体11の下面には、前記各ゴムスペーサ31,・・・を挟む一対の突条部41,41が突設されており、両面テープによりレール本体11の下面に仮止めされる前記各ゴムスペーサ31,・・・は、前記突条部41,41間に挟まれた状態で各角部32,33の部位に位置決めされるように構成されている。そして、前記ルーフレール1の周縁部には、該ルーフレール1と前記ルーフ3の上面との間に充填される充填材としての発泡樹脂製によるシール材42が、当該ルーフレール1の周縁より内側に配設された状態で、該ルーフレール1の全周に亘り設けられている。
【0018】
一方、前記エンドキャップ12は、図4に示すように、上方へ膨出したキャップ本体51と、図3に示したように、前記レール本体11の溝13に挿入されるレール挿入部52とにより形成されている。該レール挿入部52が挿入される前記レール本体11の底面14の部位には、下方へ連通した水抜き穴53が設けられており、雨水等を、この水抜き穴53を介して前記ドリップチャンネル4へ流せるように構成されている。
【0019】
以上の構成にかかる本実施の形態において、ルーフレール1を支持するゴムスペーサ31,・・・は、ドリップチャンネル4に対して部分的に設けられているので、ルーフレール1の周縁部の全周に亘りゴムベースを設けた従来と比較して、ゴムスペーサ31の使用量を削減することができ、低コスト化及び軽量化を図ることができる。また、前記ゴムスペーサ31,・・・によって、ルーフレール1の周縁とルーフ3との間に間隙34を確保することができるとともに、この間隙34の幅寸法を、前記ゴムスペーサ31,・・・により均一に維持することができるので、ルーフレール1の外周部に異物感のあるゴムベースが露出した従来と比較して、外観品質を向上させることができる。さらに、前記ルーフレール1を、複数のゴムスペーサ31,・・・により複数箇所で支持するため、ルーフ3形状のバラツキを吸収し、前記間隙34幅の均一化を図ることができる。
【0020】
また、前記ルーフレール1への荷重を、強度が高く変形し難いドリップチャンネル4の各角部32,33で受けることができるので、前記荷重がルーフ3の平面部に加えられてしまう従来と比較して、ルーフ3の不用意な歪みを防止することができ、外観品質を高めることができる。さらに、ルーフ3が変形するまでの耐圧を高めることができるので、荷物の積載量を増大することができる。
【0021】
加えて、ルーフレール1の周縁部には、シール材42が全周に亘り設けられており、ルーフレール1の周縁に形成された前記間隙34を、このシール材42により塞ぐことができる。これにより、ルーフレール1の周縁より内側を隠蔽することができるので、間隙34より内部が見えてしまう場合と比較して、外観品質を高めることができる。
【0022】
一方、ルーフレール1をドリップチャンネル4の両脇で支持する一対のゴムスペーサ31,31は、ルーフレール1を固定する取付ボルト15,・・・による固定点35の両脇に配置されており、前記ルーフレール1を、各固定点35,・・・の両脇で支持することができる。これにより、取付ボルト15からの固定力による前記固定点35でのルーフレール1の撓みを防止することができ、ルーフレール1の撓みに起因した外観品質の低下を防止することができる。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の請求項1のルーフレールの取付構造にあっては、ルーフレールとルーフとの間に配設されるスペーサを、ドリップチャンネルに対して部分的に設けることによって、ルーフレール周縁部の全周に亘りゴムベースを設けた従来と比較して、スペーサの使用量を削減することができ、低コスト化及び軽量化を図ることができる。
【0024】
そして、ルーフレールの周縁とルーフとの間には、間隙が確保されるとともに、この間隙の幅寸法は、前記スペーサにより均一に維持されるので、ルーフレールの外周部に異物感のあるゴムベースが露出した従来と比較して、外観品質を向上させることができる。さらに、前記ルーフレールは、複数のスペーサにより複数箇所で支持されるので、ルーフ形状のバラツキを吸収し、前記間隙幅の均一化を図ることができる。加えて、ルーフレールへの荷重を、強度が高く変形し難いドリップチャンネルの角部で受けることができるので、前記荷重がルーフの平面部に加えられてしまう従来と比較して、ルーフの不用意な歪みを防止することができ、外観品質を高めることができる。また、ルーフが変形するまでの耐圧を高めることができるので、荷物の積載量を増大することができる。
【0025】
また、請求項2のルーフレールの取付構造においては、ルーフレールを、締結部材による固定点を挟んで対向する両角部の部位にて支持することにより、締結部材から加えられた固定力による前記固定点でのルーフレールの撓みを防止することができる。これにより、ルーフレールの撓みに起因した外観品質の低下を防止することができる。
【0026】
さらに、請求項3のルーフレールでは、ルーフレールの周縁に形成された間隙を充填材で塞ぐことにより、ルーフレール周縁より内側を隠蔽することができる。よって、間隙より内部が見えてしまう場合と比較して、外観品質を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の一実施の形態を示す要部の側面図であり、(b)は、(a)におけるA−A線に沿った透視図である。
【図2】図1の(a)におけるB−B線に沿った断面図である。
【図3】図1の(a)におけるC−C線に沿った断面図である。
【図4】図1の(a)におけるD−D線に沿った断面図である。
【図5】(a)は、従来のルーフレールを示す要部の側面図であり、(b)は、(a)におけるE−E線に沿った断面図である。
【符号の説明】
1 ルーフレール
3 ルーフ
4 ドリップチャンネル
15 取付ボルト(締結部材)
23 底面
31 ゴムスペーサ
32 第1角部
33 第2角部
34 間隙
42 シール材(充填材)
Claims (3)
- ルーフの両側部に、上方開口した凹溝状に形成されたドリップチャンネル上に配設されるルーフレールの取付構造において、
前記ドリップチャンネルの上方開口縁を形成する角部と前記ルーフレールの下面との間に、該ルーフレールを支持する弾性を有したスペーサを、前記ドリップチャンネルの長さ方向に間隔をおいて複数設け、前記ルーフレールの周縁と前記ルーフの上面との間に間隙を形成したことを特徴とするルーフレールの取付構造。 - 前記ルーフレールを、締結部材により前記ドリップチャンネルの底面に固定するとともに、前記スペーサを、少なくとも前記締結部材による固定点を挟んで対向する前記両角部の部位に配置したことを特徴とする請求項1記載のルーフレールの取付構造。
- 前記ルーフレールの周縁部に、該ルーフレールと前記ルーフの上面とに充填される充填材を、当該ルーフレールの周縁より内側に配設したことを特徴とする請求項1又は2記載のルーフレールの取付構造。
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