JP3553525B2 - 煙突解体工法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、焼却場の解体に関し、より詳細には有害物質等を扱ったプラント又は焼却場の煙突解体工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
有害物質等を扱ったプラント又は焼却場を解体する際、稼働を止めた後も、有害物質は依然としてプラントの中に残留する。したがって、プラント又は焼却場を解体したり、回収する場合には、有害物質が人体を汚染したり、汚染物質が周辺環境に飛散し環境を汚染することが問題とされている。このようなプラント内を人間の手で洗浄する等の作業は非常に危険を伴う作業である。また、このように高濃度に汚染したプラント内、特に燃焼生成物が排出される煙突は、汚染状態が劣悪でまた、煙突自体が高度を有しているため、解体に際し周囲に汚染された有害物質が飛散しやすく、その解体に際しては、作業環境及び周辺環境に対して著しく注意する必要がある。
【0003】
従来、このような煙突の解体に際しては、煙突を横倒しにして解体するか、短尺に切断して解体する方法、煙突を横倒しにせず、頂部から下側へと順次斫る解体方法が採られている。その際、有害物質が空気中に飛散して、周囲環境を汚染するという問題がある。また、通常煙突には、外筒の内側部に耐火煉瓦が内張りされており、解体時に有害物質に汚染された煉瓦が煙突上部から落下して散乱し、これに伴う周囲環境への汚染や、作業者への危険を伴うという問題点もある。
【0004】
このような耐火煉瓦を有する煙突を解体する際従来では、(1)耐火煉瓦をまず先に除去する、(2)耐火煉瓦の有害物質を除去、分解、固着、洗浄する、(3)耐火煉瓦を外筒と固定し、外筒と耐火煉瓦とを同時に解体するという方法が採られている。しかしながら、上述のように煙突の内部は高度に汚染されており、特に耐火煉瓦は煙道を画成しているため汚染の程度がひどく、耐火煉瓦を先に除去するのでは、汚染されたレンガが落下して周囲環境を汚染したり、作業者が高度に汚染された煉瓦を取扱わなければならず、周囲環境への影響が無視できない。また、作業環境の点でも作業者への影響が無視できない、といった問題もある。また、上述した煙突の解体に先立って煙道内部を洗浄等する方法は、洗浄の後に煙突の解体を行うので、煉瓦の落下等による周囲環境への影響は少なくできるものの、洗浄時に作業者が煙道内部に入って作業を行うことが必要になるため、作業環境的に好ましくない。また、作業者による洗浄時に未洗浄の煉瓦が落下して周囲環境を汚染したり、作業環境的にも問題が多い。また、耐火煉瓦を外筒と固定して解体する場合であっても、同様に作業環境的に望ましくなく、また別途周囲環境への配慮を行う必要がある。
【0005】
また、従来のように高濃度のダイオキシン等により汚染された煙突等の設備を手作業で除去する場合、汚染防止用の特別の作業着が必要とされたり、呼吸を行うために、空気ボンベ又は別途空気を供給する必要が生じる。また、作業者が容易に入れない部分も多く、このため危険度が益々高くなる。一方では、作業により汚染された作業着及び器具は、再度使用するには適さないので廃棄しなければならず、また、上述のような保護を行ったとしても作業者を完全に汚染から保護することが困難である。
【0006】
上述の理由から作業者が煙道内に入って作業をすることは作業環境上好ましくなく、またその解体に際しても、周辺環境への汚染を極力防止する必要がある。
【0007】
しかたがって、これまで、焼却場等に設けられた煙突の解体に際して、周囲環境を汚染せず、作業環境的にも許容できるように無人化して煙道内部の洗浄を行うことができ、かつ効率の良い解体工法が要求されていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、上述の問題点に鑑み、作業環境を著しく改善すると共に、周辺環境への影響を最小限に止める焼却場プラント、特に焼却場等の煙突の解体工法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1の発明によれば、基礎から頂部にまで垂直方向に延びた外筒と該外筒に沿って径方向内側に離間し周方向に延びて前記外筒との間に空間を形成するとともに内側面が煙道を画成する耐火煉瓦壁とを備えた煙突の解体工法において、
該解体工法は、少なくとも前記煙突を破断する工程を含み、
前記破断工程をフィルターを装着した集塵機を起動して前記煙突下部の開口から前記煙道の内部を吸引しつつ行うことを特徴とする、煙突解体工法が提供できる。本発明においては前記破断工程は、切断工程または斫る工程を含むことが好ましい。
【発明の実施の形態】
図1には、本発明の煙突解体工法により解体される焼却場プラント等の煙突1が示されている。煙突1は、地中に埋設された基礎2から垂直方向に頂部にまで延びた外筒3と、この外筒3の径方向内側に配設され耐火煉瓦により形成された耐火煉瓦壁4と、煙突下部に設けられた煙道口5とから構成されている。この煙道口5は、外筒3と耐火煉瓦壁4とが水平方向に突出して形成され煙道6と連通されている。外筒3は、多くの場合鉄筋コンクリート(RC)で製造されたRC壁とされており、耐火煉瓦により形成された耐火煉瓦壁4との間に空間7が設けられ、燃焼ガスによる熱が直接RC壁に伝導されないように構成されている。
【0010】
本発明の煙突解体工法は、煙突の煙道内を密閉下で無人化施工により洗浄し、また、煙突を横倒しにすることなく静的な大割工程に続いて遠隔操作による無人化した小割工程を行うことを特徴とするものである。以下、本発明の無人化施工に用いられる構成部材及び装置について説明する。
【0011】
図2には、図1に示した煙突1に対し、本発明の煙突解体工法における無人化洗浄工程を施工しているところが示されている。煙道口5には、集塵機8が配設されて密閉され、煙道1の頂部には、頂部密閉用の密閉カバー9が配設されているのが示されている。このように煙突1内部を周囲環境から密閉した状態で煙道6内部を洗浄することにより、煙道6内部の燃焼付着灰を周囲環境に放出することなく、作業者に対する汚染も無く、煙突解体工事を行うことが可能となる。
【0012】
図2には、また煙道6内部に高圧エアによるエア噴出により煙道内側面10を洗浄するための煙道内洗浄装置11と、この煙道内洗浄装置11を垂直方向に移動可能に吊下するためのウインチ12と、煙道内洗浄装置11に高圧エアを供給するための高圧エア供給部材13と、高圧エアを発生させるためのコンプレッサ14と、が配置されているのが示されている。
【0013】
煙道内洗浄装置11は、ウインチ12からワイヤ15といった吊下げ手段により煙突1の中間部に吊り下げられており、さらにコンプレッサ14からの高圧エアが供給される高圧エア供給部材13が連結されている。この高圧エア供給部材13は、高圧エアの圧力に充分耐えられるような柔軟なホースとされていて、ウインチ12により上下移動される煙道内洗浄装置11の移動に追従するようにされている。このホースの剛性や、内径等は、ホースの必要とされる柔軟性及び必要とされる高圧エア供給量等に適合させるように適宜選択することができる。
【0014】
図3は、図2の切断線A−Aに沿って煙突を切断し、煙道6内に収容されている煙道内洗浄装置11と煙突1の断面とを示した図である。煙突1は、RC製の外筒3を最も外側として、径方向内側に向かって、断熱のための空間7と、耐火煉瓦により形成され外筒3から径方向内側に離間して上述の空間7を形成する耐火煉瓦壁4とから形成されているのが示されている。この空間7には、後述する工程により軽量発泡モルタルが充填されているのが示されている。耐火煉瓦壁4の内側面は、煙道6を形成する煙道内側面10とされている。この煙道内側面10には、燃焼付着灰が長期の使用により堆積しており、この燃焼付着灰には、周囲環境に放出され、また作業者が接触することが好ましくないダイオキシンといった有害成分が高濃度に含有されている。
【0015】
図2に示され、図3にさらに詳細に示した煙道内洗浄装置11は、遠隔操作されることにより上述した劣悪な環境下にある煙道6内部を、作業者が煙道6内部に入って作業をせずに洗浄できるようにされている。
【0016】
図3においては、高圧エアを煙道内側面10に噴出させるための高圧エア噴出手段として用いられる高圧エア噴出装置17を明瞭に示すように、後述する上側支持体16を省略して示している。高圧エア噴出装置17の中心は、煙道6の中心と同心とされており、煙道内洗浄装置11の運転が円滑に行われ、均一な洗浄ができるように構成されている。この高圧エア噴出装置17の中心部は、下側支持体18の中心に回動可能に支持されていると共に、高圧エア導入口19が設けられていてエアモータ17’が形成されている。
【0017】
高圧エア噴出装置17の中心からは、内部に高圧エアが通されるスプリングパイプ20が径方向外側に向けて煙道内側面10に近接するようにして延ばされている。このパイプ20は、中心軸を中心として軸対称に配置され、高圧エアの圧力が均一に作用するようにされている。図3においては、このパイプ20は、3本とされているが、この数は煙道内洗浄装置11の適切な洗浄効果や動作を得るために適宜変更することが可能である。このパイプ20の先端部にはまた、煙道内側面10に隣接し周方向に回動するローラといったガイド部材21が配設されている。このガイド部材21は、スプリングパイプ状に形成されたパイプ20の弾性によりローラ21を煙道内側面10に押圧させて、後述する高圧エアノズルと煙道内側面10との離間を一定に保っている。パイプ20には、このローラ21から回転中心に向かった方向で、かつ煙道内側面10に面した位置に、エアノズル22が設けられており、コンプレッサ14から供給された高圧エアを煙道内側面10に向かって噴出させて煙道内側面10を洗浄することができるようにされている。
【0018】
図4は、図3の切断線B−Bに沿って煙突1を切り欠いて図中矢線Cの方向から見た場合の本発明の煙道内洗浄装置11を示した図である。本発明の煙道内洗浄装置11は、上側支持体16と、高圧エア噴出装置17と下側支持体18とを備えており、高圧エア噴出装置17は、上側支持体16と下側支持体18の間にエアスイベル23を中心として配置されている。エアスイベル23には、エアホース13が連結されており、コンプレッサ14からの高圧エアが導入されると、供給される高圧エアにより高圧エア噴出装置17が回転するようにされている。
【0019】
上側支持体16には、中心軸に対称に配設され上側に向かって突出する上側支持部材24a,24bの一端が運動可能に取付られている。この上側支持部材24a,24bの他端には、ガイドローラといった回転部材25a,25bが設けられていて、この上側支持部材24a,24bの回転部材25a,25bが煙道内側面10にスプリングにより当接している。
【0020】
図4に示される下側支持体18には、中心軸に対称に配設され下側に向かって突出する下側支持部材26a,26bの一端が運動可能に取付られている。この下側支持部材26a,26bの他端には、ガイドローラといった回転部材27a,27bが設けられている。この下側支持部材26a,26bのガイドローラ27a,27bは、下側支持体18の下側部に取付けられ、煙道内側面10に向かって延ばされて端部が下側支持部材26a,26bの下側部に連結された押圧部材、例えばエアシリンダー28a,28bにより煙道内側面10に隣接するように押圧されている。このようにガイドローラ27a,27bを煙道内側面10に向かって押圧することによって上側支持部材24a,24bと共に煙道内洗浄装置11の煙道6内での配置を安定化させ、高圧エア噴出装置17の回転の反作用により煙道内洗浄装置11自体が回転してしまわないようにされている。さらに図4には、煙道内洗浄装置11がワイヤ15により取付部材29を介して吊下られているのが示されている。
【0021】
また、本発明の無人化小割工程においては、遠隔操作できるバックホウといった粉砕手段を用いるが、これについては図9を用いてより詳細に後述する。
【0022】
図5は、本発明の焼却プラント等の煙突解体工法のフローチャートを示した図である。本発明の煙突解体工法は、ステップ101から開始され、次いで、ステップ102の準備工事に移り、煙突1周囲にコンプレッサ14や、集塵機8や、後述するように発泡モルタルを煙突1の空間7に充填するための機材を配置したり、周辺の不要物を撤去する等の準備工事が行われる。
【0023】
次いで、本発明の解体工法は、ステップ105において解体工程中に耐火煉瓦壁4を形成する耐火煉瓦が落下しないように、外筒3と耐火煉瓦壁4とを固定する充填材を注入する充填材注入工程に移る。このステップ105の充填材注入工程により、外筒3と耐火煉瓦壁4の間の空間7に充填材、具体的にはステップ103及びステップ104で調合された軽量発泡モルタルが充填され、汚染煉瓦洗浄工程106や、その後の短尺切断加工工程107において、耐火煉瓦が落下しないようにされ、作業の安全が確保されると共に、煉瓦の落下による周囲環境への汚染等を最小限とすることができる。このステップ105を詳細に図6を用いて説明する。
【0024】
図6は、本発明のステップ105における充填材充填工程を詳細に示した図である。図6に示す煙突1は、地中に埋設された基礎から垂直方向に延びたRC製の外筒3と、この外筒から径方向内側に離間して外筒3に沿って形成され、外筒3との間に空間7を形成する耐火煉瓦で形成された耐火煉瓦壁4と、から形成されている。また、図6では、説明の便宜のため、不必要な部材を省略し空間7を拡大して示している。
【0025】
ステップ105に示す充填材充填工程は、まず、煙突頂部の空間7に相当する部分に開口部31を確保することから開始する。この開口部31は、発泡モルタルといった充填材を導入するための充填材注入手段32を挿入するために用いられる。この充填材注入手段32としては、具体的にはパイプ、チューブ、ホースといった充填材を適切に供給でき、煙突1と充填ポンプ33との間を連結できるような太さ、柔軟性の部材であれば、いかなる部材でも用いることができる。図6では、上述の開口部31は2カ所に設けられ、充填材注入手段32は、2本用いられているのが示されているが、本発明においては、この数は、適切な時間で空間7に軽量発泡モルタルといった充填材を充填することができるような数であれば、1本でも良く、2本よりも多く用いられても良い。
【0026】
この開口31を確保した後、充填材充填手段32を開口部31から空間7内へと挿入する。この時、挿入は、充填材注入手段32の先端部が、略地面の水準となるまで挿入される。このようにすることによって、後述するステップ108の切断部移動工程における切断部分の重量を軽減させるため、またコストを低下させるために用いられる軽量発泡モルタルを煙突下部、特に地表から露出している部分において隙間なく充填することが可能となり、後の切断工程の確実化、効率化が図られることになる。
【0027】
次いで、予め充填プラント34により調合しておいたモルタルに発泡剤混合機35により発泡剤を混合し、軽量発泡モルタル充填材を調合する。このようなモルタルとしては、例えば、小野田ケミコ株式会社の気泡モルタル等を挙げることができるが、本発明の目的を達成することができれば、軽量モルタル、発泡モルタル、軽量コンクリート等、又はこれら以外のいかなる充填材であっても適宜使用することができる。発泡剤の混合された軽量発泡モルタルを充填用ポンプにより充填材注入手段32を通じて空間7内に圧送して充填を行う。図6内ではすでに充填された軽量発泡モルタル部分36が模式的に示されている。充填材である軽量発泡モルタルの充填が煙突1の頂部まで行われると充填用ポンプ33を停止させ充填を止める。この後、軽量発泡モルタルが固化することにより、外筒3と耐火煉瓦壁4とが強固に固着され、煉瓦の脱落といった弊害を防止することが可能となる。なお、充填材注入手段32は、必要に応じて軽量発泡モルタル充填後に抜き取っても良いし、またそのまま軽量発泡モルタルが固化するまで放置し、後述するステップ107の短尺切断工程において外筒3等と共に切断することも可能である。
【0028】
次いで本発明の解体工法は、ステップ106の汚染煉瓦洗浄工程に移る。図2を参照してこの工程を説明すると、煙道内洗浄装置設置用架台30を煙突の外筒3に設置し、煙道内洗浄装置11のためのウインチ12を配置する。次いで、煙道口5に集塵機8を通気パイプ8aを介して煙道口5に接続して、煙道口5を密閉する。次いで、ウインチ12のワイヤ15に連結された煙道内洗浄装置11を煙道6内に導入する。次いで、煙突頂部を密閉カバー9によって密閉し、煙道内部を周囲環境から遮断する。このようにすることにより、煙道6内部の汚染物質が周囲環境へと排出されて周囲環境や、作業者を汚染する可能性が最低化できる。次いで、コンプレッサ14を起動して煙道内洗浄装置11に高圧エアを送り、煙道内洗浄装置11の高圧エアノズル22から高圧エアを噴出させて高圧エア噴出装置17を回転させつつ、周方向に燃焼付着灰の洗浄を行う。上述の煙道内洗浄装置11への高圧エアの供給開始と同時に集塵機8を起動して、洗浄により煙道内側面10から分離された燃焼付着灰を吸引させる。このようにすることによって煙道内の洗浄を行うと同時に、汚染された燃焼付着灰を含んだ空気流は、図2の矢線Dの方向に向かって流れて行き、燃焼付着灰の回収を行うことが可能となる。上述の煙道内洗浄装置11が、周方向の燃焼付着灰の洗浄を終えると、煙道内洗浄装置11は、ウインチ12を遠隔操作によって駆動することにより順次煙突の下側へと移動され、煙突1の周方向及び垂直方向の内側面の洗浄が遠隔操作を用いた無人化施工工程により行われる。なお、上述した集塵機8には、燃焼付着灰をトラップするに充分なフィルターを装着する。
【0029】
本発明の無人化施工による煙道6内部の洗浄は、上述したロータリエアジェット洗浄機を用いて煙突解体工法における後述する軽量発泡モルタルの充填工程の後に行われることが耐火煉瓦壁が洗浄中に崩れないようにする点で好ましい。
しかしながら、本発明においては、上述の汚染煉瓦洗浄工程106を充填材充填工程105の後に行うものとして説明しているが、耐火煉瓦壁4の強度等が充分であることが予めわかっている場合には、充填材注入工程105の前に汚染煉瓦洗浄工程106を行うことも可能である。
【0030】
次いで本発明の煙突解体工法は、ステップ107の短尺切断加工工程に移る。この工程は、煙突を横倒しにする等の周囲環境に汚染を引き起こさずに、煙突の静的な解体を可能とする工程である。この短尺切断加工工程を図7を参照しつつ説明する。まず、ステップ107の短尺切断加工工程では、煙突に近接して作業用足場37a,37bを仮設する。次いで、この作業用足場37a,37bの周囲に仮囲い38を地面GLから仮設する。この仮囲い38は、短尺切断加工工程中における粉塵の発生による周囲環境や作業者への汚染をより防止するために配置される。また、この仮囲い38は、作業用足場37a,37b及び煙突1の高さよりも高くされていることが、汚染をより確実に防止する点から好ましい。
【0031】
次いで、短尺切断加工工程107では、図8に示すようにしてワイヤソー工法により煙突1の切断が行われる。この短尺切断加工工程107では、図8に示すように地上からガイドプーリ39を介して延ばされたワイヤソー40を煙突の外筒3に掛け渡し、駆動装置41によりワイヤソー40を巡回駆動させて煙突1を切断する。また、本発明においては、適宜ブレード式のコンクリートカッタを用いることもできる。
【0032】
図8においては、ワイヤソー手段40がRC構造物、具体的には煙突1に掛け渡され、複数のガイドプーリ手段39によって駆動装置41へと連結されているのが示されている。この駆動装置41は、地面に設置された移動装置42上に載置されている。この移動装置42は、煙突1と言ったRC構造物に対して水平方向に移動できるようにされており、ワイヤソー手段40に加えられる切断荷重が可変となるようにされ、煙突1と言ったRC構造物を駆動装置41及び移動装置42の配置された側の反対方向から適切な切断荷重をもって連続して切断できるようにされている。駆動装置41,移動装置42については、適切なトルクを与えることができ、かつ、適切な切断荷重を与えることができるように駆動装置41を移動できるものであればいかなるものでも用いることができる。
【0033】
次いで、本発明の煙突解体工法は、ステップ108の切断部移動工程に移る。この切断部移動工程は、短尺切断された煙突1の切断部分43をさらに細かく分解するための作業室へと移動させる工程である。この工程は、すでにステップ105の充填材充填工程において発泡モルタル耐火煉瓦壁4が外筒3に固定されているので、煉瓦の離脱といった問題が生じずに効率よく行うことが可能とされている。
【0034】
図7を参照してこの切断部移動工程108を説明する。この切断部移動工程108では、まず、煙突1の大割された部分43の頂部に設置された洗浄機設置用架台30にワイヤを掛け渡し、図示しないクレーンにより図7の矢線Eで示されるように、切断部分43を垂直方向に移動させ、作業用足場37a,37bや、仮囲い38を超えるまで上昇させ、例えば地面に一端載置した後、別工程で後小割作業室へと移動させることにより行われても良いし、小割作業室の屋根部分が開閉式にされていて、直接クレーンから小分け作業室へと移動できるようにされていても良い。なお、上述したステップ107の短尺切断加工工程及びステップ108の切断部移動工程中においては、集塵機8は常時起動されていて、汚染粉塵が周囲環境に飛散しないようにされていることが好ましい。このようにすることにより周囲環境への汚染が防止できる。
【0035】
次いで、本発明の煙突解体工法は、図9に示されるステップ109の解体工程、すなわち小割工程に移る。このステップ109の小割工程においては、煙突1の切断部分43を周囲環境から遮断された小割作業室44に移動させた後、この小割作業室から離れた操作室45からの無線操作により遠隔的に操作される無線操縦バックホウ等といった作業機械が用いられる。この際の操作にあたっては、非汚染区域に設けられた操作室45のモニタを見ながら操作盤によりバックホウを操作する。バックホウには、車載カメラが取付けられており、実際にバックホウを運転しているように小割作業において遠隔操作により無人化施工を行うことが可能とされている。この小割作業室44についても集塵機46が取付けられていて、周囲環境を汚染しないようにされている。
【0036】
次いで、本発明の煙突解体工法は、ステップ110の廃棄物処分工程へと移る。この廃棄物処分工程では、汚染がされていないRC壁を作業場外へと搬出し、汚染の程度の高い耐火煉瓦については、別途ドラム缶詰めを行い、別の棟の内部に保管する等して適切な処理を行うことが好ましい。
【0037】
さらに、残された煙突1の部分は、新たにクレーン吊り上げ用部材を外筒3部分に装着し、上述したステップ107〜110までの工程を繰り返すことにより解体される。このようにして本発明の煙突解体工法が終了した時点においては、煙突1の地上部分が周囲環境への汚染なく解体できることになる。
【0038】
さらに、本発明では、必要に応じてさらに汚染を低減させるために、煙突1の表面部をハツリといった工程により予め除去してから上述の解体工法を行うことも可能である。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、ダイオキシンといった汚染物質によって汚染された部分を完全に周囲環境から密閉し、燃焼付着灰を分解作業前に除去し、煙突を倒すことなく、周囲環境にダイオキシンといった汚染物質を飛散させないことにより周囲環境を汚染せず、作業着といった新たな汚染物の発生を防止でき、汚染された環境の作業を遠隔操作された装置を用いて行うので作業環境に煙突解体工法が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により解体される煙突の概略断面図。
【図2】本発明の煙道内洗浄工程を示した図。
【図3】本発明の煙道内洗浄装置の分解上面図。
【図4】本発明の煙道内洗浄装置の側面図。
【図5】本発明の煙突解体工法を示したフローチャート。
【図6】本発明の煙突解体工法に用いられる充填剤充填工程を示した図。
【図7】本発明の煙突解体工法に用いられる短尺切断加工工程を示した図。
【図8】本発明で用いるワイヤソーを示した図。
【図9】本発明の解体工法における小割工程を示した概略図。
【符号の説明】
1…煙突
2…基礎
3…外筒
4…耐火煉瓦壁
5…煙道口
6…煙道
7…空間
8…集塵機
8a…通気パイプ
9…密閉カバー
10…煙道内側面
11…煙道内洗浄装置
12…ウインチ
13…高圧エア供給部材
14…コンプレッサ
15…ワイヤ
16…上側支持部材
17…高圧エア噴出装置
17’…エアモータ
18…下側支持体
19…高圧エア導入口
20…スプリングパイプ
21…ローラ
22…エアノズル
23…エアスイベル
24a,24b…上側支持部材
25a,25b…ガイドローラ
26a,26b…下側支持部材
27a,27b…ガイドローラ
28a,28b…エアシリンダー
29…取付部材
30…煙道内洗浄装置用架台
31…開口部
32…充填材注入手段
33…充填用ポンプ
34…充填プラント
35…発泡剤混合プラント
36…軽量発泡モルタル充填部分
37a,37b…作業用足場
38…仮囲い
39…ガイドプーリ
40…ワイヤソー
41…駆動手段
42…移動手段
43…切断部分
44…小割作業室
45…操作室
46…集塵機
GL…グラウンドレベル

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  1. 基礎から頂部にまで垂直方向に延びた外筒と該外筒に沿って径方向内側に離間し周方向に延びて前記外筒との間に空間を形成するとともに内側面が煙道を画成する耐火煉瓦壁とを備えた煙突の解体工法において、
    該解体工法は、少なくとも前記煙突を破断する工程を含み、
    前記破断工程をフィルターを装着した集塵機を起動して前記煙突下部の開口から前記煙道の内部を吸引しつつ行うことを特徴とする、煙突解体工法。
  2. 前記破断工程は、切断工程または斫る工程を含む、請求項1に記載の煙突解体工法。
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