JP3553459B2 - ワーク切り出し装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワーク搬送路上を搬送されるワークを、所定のピッチに分離整列させるためのワーク切り出し装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば容器に液体や粉体を充填する工程においては、容器を一個づつ分離し、所定ピッチに整列させ次工程の充填装置による液体や粉体の充填工程に移す、いわゆるワーク切り出し装置が必要となる。そして、従来のワーク切り出し装置としては、スクリュー方式によるものや、スターホイル方式によるもの等がある。
【0003】
ここに、スクリュー方式によるワーク切り出し装置とは、ワーク搬送路と平行して設置した螺旋ネジを回転させ、該螺旋ネジのネジ溝により保持される形態でワークを搬送し、螺旋ネジの端部のネジ溝間のピッチに、すなわち定ピッチにワークを分離整列させていくものである。
【0004】
また、スターホイル方式によるワーク切り出し装置とは、等間隔にポケットを設けた円盤(スターホイル)をワーク搬送路上で回転させ、該ポケットにより保持される形態でワークを搬送し、定ピッチにワークを分離整列させていくものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
1、 従来例に係るスクリュー方式によるワーク切り出し装置や、スターホイル方式によるワーク切り出し装置には以下のような問題点がある。
【0006】
2、 まず、スクリュー方式によるワーク切り出し装置では、ワークをネジ溝で保持搬送するため、ネジ溝の幅がワークに応じたものでなければならず、ワークの大きさが変わるとその都度、該ワークの大きさに応じた螺旋ネジに取り替えねばならない。
【0007】
また、スターホイル方式によるワーク切り出し装置では、ワークをポケットで保持搬送するため、ポケットの大きさがワークに応じたものでなければならず、ワークの大きさが変わるとその都度該ワークの大きさに応じたスターホイルに取り替えねばならない。
【0008】
かように従来例に係るワーク切り出し装置では、いずれもワークの大きさが変わるとその都度部品交換が必要となり作業効率にもとるものであった。
【0009】
3、 更には、スクリュー方式による場合スターホイル方式による場合いずれも、搬入コンベアから切り出し装置にワークが運搬搬入される際に、複数個のワークが密着する形態で待機させられなけらばならない。なぜなら搬入コンベア上の最下流端に位置するワークが螺旋ネジあるいはスターホイルに装入されていくためには、該最下流端のワークが後方のワークにより押圧されていなければうまく装入され得ないからである。
【0010】
ところが、複数個のワークが密着する形態で待機され、互いに押圧した状態に置かれると、ワークが倒れてしまい、切り出し装置に装入されることが不可能になってしまうおそれがある。殊に、ワークの形態が下部に向かって先細りの形態であったり、その他不安定な形態であればなおさら倒れる恐れが高い。
【0011】
そこで、係る不都合を回避するためにワークを治具に嵌め込んで搬送するという手段が取られる場合がある。
【0012】
確かに係る手段を講じればワークが倒れてしまうことはない。
【0013】
しかし、ワークの形態に応じた治具が必要となり、ワークの形態が変わるとその都度治具を交換しなけらばならず、作業効率にもとるものである。
【0014】
4、 また、ワークに液体や粉体を充填するためには、充填装置のノズル位置にワークのセンターを正確に合致させねばならない。しかるに、幅の異なるワークであっても、容易にセンター位置を搬出コンベア上の所望位置(つまりは充填装置のノズルに正確に対応した位置)に合致切り出していくことが可能なワーク切り出し装置は従来なかった。
【0015】
5、 更には従来の切り出し装置では、搬入コンベア上のワークは、密着した状態で搬入されねばならなかった。しかし、これでは搬入コンベア上にワークを密着した状態に整然と載置する作業が必要となり作業性にもとるものであった。
【0016】
6、 そこで本発明は従来例のかような難点に鑑み、ワークの大きさが異なっても部品交換を要せず、幅の異なるワークであっても搬出コンベア上の所望位置に正確にセンター位置を合致した状態で、しかも安定した状態で切り出すことが可能であり、更には搬入コンベア上にワークが密着した状態で載置されていなくとも、或は不等間隔で載置されていたとしても切り出していくことが可能な作業効率に優れたワーク切り出し装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
1、 上記課題を解決するために、本発明に係るワーク切り出し装置では以下のような手段を採用した。
【0018】
2、 請求項1記載のワーク切り出し装置において採用した手段
ワークを挟持運搬するためのサイドベルトを設ける。
【0019】
該サイドベルトによるワーク運搬速度を制御する制御手段を設ける。
【0020】
該サイドベルトによるワーク切り出し位置付近までのワーク運搬速度をワーク搬入コンベアによるワーク運搬速度より高速にする。
【0021】
ワーク幅を測定する測定手段を設ける。
【0022】
該測定手段により測定した数値に基づき、ワーク停止位置を算出する演算手段を設ける。
【0023】
該演算手段によって算出された数値に基づき、搬出コンベア上の所定位置にワークのセンターを載置するようサイドベルトの回転を制御する。
【0024】
3、 請求項2記載のワーク切り出し装置において採用した手段
搬入コンベア側にワ−クを支持するためのガイド板を設ける。
【0025】
搬入コンベア側にストッパを設ける。
【0026】
ストッパからサイドベルトへのワークの供出を制御する制御手段を設ける。
【0027】
4、 請求項3記載のワーク切り出し装置において採用した手段
サイドベルト間の幅を調節可能とする。
【0028】
5、 請求項4記載のワーク切り出し装置において採用した手段
サイドベルトから搬出コンベアにワークを切り出す際の供出速度を、搬出コンベアの運搬速度と等速になるよう制御する。
【0029】
6、 以下、係る解決手段がいかなる作用を有するかを述べる。
【0030】
(1) 請求項1記載のワーク切り出し装置では、搬入コンベア下流端に位置するワークを、サイドベルトにより搬出コンベアに切り出していく。この際、サイドベルトによるワーク運搬速度を制御する制御手段が設けられており、この制御手段によりワークを、搬入コンベアによる運搬速度よりも速い速度で運搬していく。この際搬入コンベア上にワークを等間隔に載置しておく。係る手段を講じれば搬入コンベア上にワークが滞留することなく、且つ、サイドベルトによるワークの運搬速度を制御することで、搬出コンベア上にワークを定ピッチに切り出していくことが可能となるのである。
【0031】
更に請求項1記載のワーク切り出し装置ではワーク幅を測定する測定手段を設けると共に、該測定手段によって測定された測定数値に基づき、ワークの停止位置を算出する演算手段が設けてある。そしてこの演算手段により算出した数値に基づき、搬出コンベア上の所定位置にワークのセンターを載置するようサイドベルトの回転を制御するようになっている。
【0032】
ワーク幅が異なる容器をサイドベルトで挟持運搬すると、切り出し位置でのワークの位置関係は、図2に示すようになる。すなわち、幅の異なるワークA、ワークBをサイドベルト5で挟持運搬すると、ワークの搬出コンベア6側の先端部の位置はそろうが、ワークのセンター位置はずれてしまう。図2でいえばワークBのセンター位置は、ワークAのセンター位置に比べ上流側に位置することになってしまう。かような状態のまま搬出コンベア6でワークを搬送していくと、例えば充填装置でワークに液体や粉体を充填する場合を考えると、充填ノズルの位置がワークのセンターに合致しない場合が生じ、うまく充填できない場合が生じてしまうことがある。
【0033】
そこで、請求項1記載のワーク切り出し装置では、ワーク幅を測定する手段を、例えばサイドベルト5による搬送途上に設け、該測定手段によって、ワーク幅を測定する。そして、この測定手段によって測定された数値に基づき、演算手段により、ワークの停止位置を算出するのである。具体的には、例えば測定手段たるワーク幅検出センサー17から、ワーク切り出し位置までの距離をXmm、ワークの半径(あるいはワーク幅の半分の数値)をYmmとすると、センサー通過時からX−Ymmワークを運搬すると、図3に示すようにワーク幅にかかわらずワークのセンターが所定位置にくるようになるのである。
【0034】
(2) また、請求項2記載のワーク切り出し装置では、搬入コンベア側に設けたガイド板でワークを支持しつつ、搬入コンベア側に設けられたストッパにより待機させられたワークを、サイドベルトにより搬出コンベアに切り出していく。これにより搬入コンベア上にワークが密着した状態で載置されていなくとも、或は不等間隔で載置されていたとしても切り出していくことが可能になるのである。つまりストッパによりワークが堰き止められ、しかもガイド板により支持されることから不整列になったり転倒することなく密着した状態でストッパ位置に密着且つ整列状態で滞留していくことが可能となるのである。
【0035】
この際ストッパからサイドベルトへのワークの供出を制御するための制御手段が設けられている。これは、前送ワークがサイドベルトにより高速搬送されているときに、次送ワークがサイドベルトによる搬送位置に供出されてしまうと、定ピッチによる切り出しが困難となることから設けられたものである。
【0036】
(3) 請求項3記載のワーク切り出し装置では、サイドベルト間の幅が調節可能なものとなっている。これにより、ワークの幅に応じてサイドベルト間の幅を調節することが可能となり、ワークの大きさが異なっても部品交換を要しないワーク切り出し装置の提供が可能となるのである。
【0037】
(4) 請求項4記載のワーク切り出し装置では、サイドベルトから搬出コンベアにワークを切り出す際の速度を、搬出コンベアの運搬速度と等速になるよう制御してある。これにより、ワークを搬出コンベア上に切り出す際にワークが転倒してしまうことを防止することが可能となるのである。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、好ましい発明の一実施形態につき図面を参照しながら述べる。図1は本発明に係るワーク切り出し装置の使用状態図である。搬入コンベア1上を搬送されてきたワーク2は、供出位置付近において、ガイド板7によりその進行方向を規制されながらストッパー3まで搬送され、ストッパー3により堰き止められる。ストッパー3からワーク切り出し装置4に供出されたワーク2は、サイドベルト5に挟持される形で運搬され、搬出コンベア6上に切り出されていく。ここに搬入コンベア1、搬出コンベア6ともに通常のベルトコンベアを使用して構わない。
【0039】
サイドベルト5は、無端状のベルト体であり、搬入コンベア1、搬出コンベア6と平行して、ワーク2を挟持しうる形態に一対設けられている。サイドベルト5は、ワーク2を効率的に運搬することが可能になるよう、且つ、ワーク2を傷つけないよう弾性体で形成することが好ましい。
【0040】
サイドベルト5は、駆動源11により駆動されるものである。ここに、駆動源11としては、サーボモーター等の可変速モーターを使用する。駆動源11の駆動軸18には、原動プーリ9が取りつけられている。サイドベルト5のワーク切り出し側、すなわち搬出コンベア6側には、サイドベルト5を掛架するためのプーリ19が設けてある。該原動プーリ9とプーリ19とは、ベルト伝達機構等の伝達手段20を介して連結されており、これにより駆動力が伝達されるものである。
【0041】
駆動源11は、サイドベルト5のみならず、ストッパー3をも駆動させる。すなわち、駆動源11の駆動力は、ベルト伝達機構等の伝達手段12を介して、回転軸13に固着された従動プーリ10に伝えられる。そして、該回転軸13の回転がベルト伝達機構等の伝達手段15を介して、ストッパー3に伝えられるのである。
【0042】
ここに回転軸13と伝達手段15の間には、クラッチ16が介在させてある。このクラッチ16により、サイドベルト5が高速回転している際、すなわちワーク2を、搬出コンベア6や搬入コンベア1による運搬速度よりも高速で運搬している際に、ストッパー3が回転しないよう制御するのである。他方で、サイドベルト5から搬出コンベア6にワーク2を切り出す際には、サイドベルト5と搬出コンベア1を等速回転させるが、係るサイドベルト5の低速運転時に、ストッパー3を回転させ、搬入コンベア1から切り出し装置4にワーク2を供出して行くというふうにクラッチ16により、操作するのである。尚、ストッパー3と、サイドベルト5を掛架するプーリ14とは同軸上に別個に回転するよう設けられている。
【0043】
サイドベルト5の途上には、ワーク幅検出センサー17が設けられており、サイドベルト5によりワーク2が運搬されて行く際に、ワーク2の幅を計測する仕組みとなっている。ワーク幅検出センサー17により計測された数値に基づき、演算手段により、ワーク2の停止位置を算出するものである。
【0044】
尚、本発明では駆動源11の回転を制御することで、サイドベルト5によるワーク運搬速度を制御する。すなわち、サイドベルト5によりワーク2を高速に運搬したり、あるいは搬出コンベア6と等速でサイドベルト5を回転させ、等速切り出しを行ったりする。また、同じく駆動源11の回転を制御することで、ストッパー3の回転を制御している。故に、かような制御を行うための制御手段が必要となるが、係る制御手段としては通常のコンピューターによるソフト処理で足りるものである。また、ワーク2の停止位置を算出するための算出手段としても、通常のコンピューターによるソフト処理で足りるものである。
【0045】
一対のサイドベルト5間の幅を調整するための手段としては、脚体8a、脚体8bを折り曲げ自在なものと形成することによる。すなわち、図1に示すようにプーリ19を取り付けた脚体8aと、駆動源11等を支持する脚体8bを、折り曲げ自在に連結する。同様に、ストッパー3を取りつけた脚体8aと、クラッチ16等を支持する脚体8bとを、折り曲げ自在に連結する。かように、脚体8aと脚体8bとが折り曲げ自在なことにより、サイドベルト5間の幅を調整することが可能となるのである。
【0046】
尚、本実施形態においては、ストッパー3として円盤形状の弾性体を使用しているが、他に考えられる実施形態としては、板状の弾性体で形成することも考えられる。すなわち、一対の板状の弾性体でワークを挟持し、ワーク2の運搬を止めると共に、制御手段により、サイドベルト5の回転に合わせて適宜に板状の弾性体の開閉を行うことによるのである。
【0047】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成されていることから、ワークの大きさが異なっても部品交換を要せず、幅の異なるワークであっても搬出コンベア上の所望位置に正確にセンター位置を合致した状態で、しかも安定した状態で切り出すことが可能であり、更には搬入コンベア上にワークが密着した状態で載置されていなくとも、或は不等間隔で載置されていたとしても切り出していくことが可能な作業効率に優れたワーク切り出し装置を提供することが可能となるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るワーク切り出し装置の使用状態図。
【図2】ワークの搬送位置関係を示す概略図。
【図3】ワークの搬送位置関係を示す概略図。
【符号の説明】
1・・搬入コンベア 2・・ワーク
3・・ストッパー 4・・ワーク切り出し装置
5・・サイドベルト 6・・搬出コンベア
7・・ガイド板 8a、8b・・脚体
9・・原動プーリ 10・・従動プーリ
11・・駆動源 12・・伝達手段
13・・回転軸 14・・プーリ
15・・伝達手段 16・・クラッチ
17・・ワーク幅検出センサー 18・・駆動軸
19・・プーリ 20・・伝達手段
Claims (4)
- 搬入コンベアにより搬入されたワークのうち、その下流端に位置するワークを順次搬出コンベアに切り出していくワーク切り出し装置において、
ワークを挟持運搬するためのサイドベルトを設けたこと、
該サイドベルトによるワーク運搬速度を制御する制御手段を設けたこと、
該サイドベルトによるワーク切り出し位置付近までのワーク運搬速度をワーク搬入コンベアによるワーク運搬速度より高速にしたこと、
ワーク幅を測定する測定手段を設けたこと、
該測定手段により測定した数値に基づき、ワーク停止位置を算出する演算手段を設けたこと、
該演算手段によって算出された数値に基づき、搬出コンベア上の所定位置にワークのセンターを載置するようサイドベルトの回転を制御すること、
を特徴とするワーク切り出し装置。 - 搬入コンベア側にワ−クを支持するためのガイド板を設けたこと、
搬入コンベア側にストッパを設けたこと、
ストッパからサイドベルトへのワークの供出を制御する制御手段を設けたこと、
を特徴とする請求項1記載のワーク切り出し装置 - サイドベルト間の幅を調節可能としたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のワーク切り出し装置。
- サイドベルトから搬出コンベアにワークを切り出す際の速度を、搬出コンベアの運搬速度と等速になるよう制御したことを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載のワーク切り出し装置。
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JP2000112061A JP3553459B2 (ja) | 2000-04-13 | 2000-04-13 | ワーク切り出し装置 |
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-
2000
- 2000-04-13 JP JP2000112061A patent/JP3553459B2/ja not_active Expired - Lifetime
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