JP3553285B2 - プリーツスクリーン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のプリーツが設けられたスクリーンを備えたプリーツスクリーンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のプリーツスクリーンは、上下方向に均一な間隔でプリーツが形成されたスクリーンを備えていることが常識であり、スクリーンが降ろされたときに、上下方向に規則正しくプリーツが揃うことが意図されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この従来のプリーツスクリーンでは、スクリーンが降ろされたときに、スクリーンの下端に固定されたボトムレール及びスクリーン自身の自重でスクリーンの上部側が下部側よりも伸び、プリーツの間隔が不揃いになるという問題がある。
【0004】
そのため、プリーツのピッチを一定間隔に保つため、ヘッドボックスから垂下される間隔保持テープ等を設け、この間隔保持テープを各プリーツ毎に連結することにより、プリーツの間隔を均一にしている。
本願発明は、かかる従来のプリーツスクリーンと逆転の発想に基づき、均一なプリーツを形成せずに、斬新なプリーツスクリーンを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明のうち請求項1記載の発明は、上下方向に複数のプリーツが設けられたスクリーンの上端をヘッドボックスに固定し、スクリーンの下端にボトムレールを固定し、ヘッドボックスから昇降可能に垂下された昇降コードをボトムレールに連結して、昇降コードが昇降することによって前記スクリーンが畳み上げられるようにしたプリーツスクリーンにおいて、
前記スクリーンには、上下方向に均一でないピッチで前記複数のプリーツが形成されており、スクリーンに重力が下方向に負荷されていない自然状態において、ランダムなピッチとなるように前記複数のプリーツの丈が選択されて形成され、昇降コードが挿通する各プリーツの挿通孔の位置は、昇降コードが一番小さいプリーツの丈方向の中心を通る位置に選択されることを特徴とする。
また、請求項2記載の発明は、上下方向に複数のプリーツが設けられたスクリーンの上端をヘッドボックスに固定し、スクリーンの下端にボトムレールを固定し、ヘッドボックスから昇降可能に垂下された昇降コードをボトムレールに連結して、昇降コードが昇降することによって前記スクリーンが畳み上げられるようにしたプリーツスクリーンにおいて、
前記スクリーンには、上下方向に均一でないピッチで前記複数のプリーツが形成されており、スクリーンに重力が下方向に負荷されていない自然状態において、ランダムなピッチとなるように前記複数のプリーツの丈が選択されて形成され、昇降コードが挿通する各プリーツの挿通孔の位置は、昇降コードが側面から見たスクリーン形状の重心を通る位置に選択されることを特徴とする。
【0006】
上下方向に均一でないピッチ、換言すれば、すべてのプリーツが同じピッチを有する従来のプリーツスクリーンとは異なる構成とすることにより、プリーツの前後方向(または前側、後側のいずれか一方)の突出量が上下方向で変化し、従来のプリーツスクリーンの規制概念を脱したものとなる。この上下方向に均一でないピッチで複数のプリーツを形成する例としては、請求項記載の発明のように、ランダムなピッチとするものや、請求項記載の発明のように、一定周期で繰り返される上下方向にランダムなピッチパターンに基づくピッチで前記複数のプリーツを形成するものや、請求項記載の発明のように、上下方向に規則的に変化するピッチとするものがある。
【0007】
さらに、請求項記載の発明は、請求項1〜記載のいずれかのものにおいて、前記複数のプリーツの前後方向の突出端の前側または後側のいずれか一方の側の突出端は、すべてのプリーツで鉛直方向に揃っており、前記昇降コードは、この鉛直方向に揃えられた突出端から一定の間隔を隔てた位置においてスクリーンを挿通していることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明のプリーツスクリーンの実施の形態を表す全体斜視図であり、図2は図1の側面図である。
図において、10はヘッドボックスであり、ヘッドボックス10にスクリーン12の上端が固定され、スクリーン12の下端がボトムレール14に固定されている。
【0009】
スクリーン12には複数のプリーツが形成されており、スクリーン12は、重力が下方向に負荷されていない自然状態において、ランダムなピッチとなるように複数のプリーツ12a、12a、・・・の丈が選択されて形成されている。
本形態では、すべてのプリーツ12aの後側の突出端12b、12b、・・・が鉛直方向に揃っており、この鉛直方向に揃えられた突出端12b、12b、・・・から一定の間隔dを隔てた位置には挿通孔12cがそれぞれ穿設されている。そして、各挿通孔12cを、幅方向に間隔を隔ててヘッドボックス10から昇降可能に垂下された2本の昇降コード16が挿通しており、昇降コード16の一端はボトムレール14に連結されている。また、各昇降コード16の他端は、ヘッドボックス10内に導入されヘッドボックス10内を長手方向に誘導されて、ヘッドボックス10内に設けられた図示しないストッパを介してヘッドボックス10から導出されて操作部18に連結されている。
【0010】
以上のように構成されたプリーツスクリーンは図1に示したように、プリーツのピッチが規則的でなく、不規則となる。また、プリーツの前側の突出量が上下方向で変化するため、スクリーン表面の陰影などに変化が出て、意匠的に斬新なものとすることができる。
本形態では、敢えて不規則なピッチとしているために、間隔保持テープを設けて、プリーツ間隔を一定にする必要がなく、ボトムレール14及びスクリーン12自身の自重によってスクリーンの一部が伸びても、そのままにしておくことができるため、間隔保持テープを省略することができる。
【0011】
また、操作部18を操作して、昇降コード16の前記一端を上昇させると、ボトムレール14がスクリーン12のプリーツ12aを下から畳み上げていくので、ボトムレール14が所望の高さまで上昇したところでストッパを締結させて昇降コード16を保持させると、プリーツスクリーンが設けられた開口を開放した状態を保持することができる。
【0012】
ランダムなピッチの例としては、図1及び図2の例のように複数種類(例えば4種類)のプリーツの丈をランダムに選択することにより、順次プリーツの幅を決定するようにすることも良いし、また、上限値と下限値の範囲の中でランダムな値をプリーツの丈とするように、順次プリーツの丈を決めるようにすることもできる。そして、1枚の生布に対して、決められたプリーツの丈に従ってプリーツの折り目を施していくことにより、ランダムなピッチのプリーツを有するスクリーンを製造することができる。または他の方法として、図7に示したように、様々なプリーツ丈を有する複数の個別のプリーツ要素12a−1、12a−2の上下端部を順次接合していくことにより、1枚のスクリーンを製造することとしてもよい。
【0013】
プリーツの折り目を付けた後、プリーツを折り畳んだ状態で、突出端12b、12b、・・・を揃えて、そこから一定間隔dを隔てた位置に孔を開けることにより、各プリーツの丈が均一でなくとも、昇降コード16のための挿通孔12cの加工作業が容易に行え、昇降コード16を挿通することができる。また、挿通孔12cの位置は、図示したように昇降コード16がスクリーン12の一番小さいプリーツの丈方向の中心を通るように選択されると良い。またはできるだけ昇降コード16が側面から見たスクリーン12形状の重心を通るように選択されると、プリーツ12aを折り畳んだときに前側または後側に下がることを防止することができるので、望ましい。
【0014】
次に、図3は、第2の実施の形態を表すプリーツスクリーンであり、第1の実施の形態と異なるプリーツを有するプリーツスクリーンの例を示している。
この形態のスクリーン22は、重力が下方向に負荷されていない自然状態において、一定周期Pで繰り返される上下方向にランダムなピッチパターンに基づくピッチでプリーツ22a、22a、・・・が形成されている点で第1の実施の形態と異なっている。それ以外の点は、すべてのプリーツ22aの後側の突出端22b、22b、・・・は鉛直方向に揃っており、この鉛直方向に揃えられた突出端22b、22b、・・・から一定の間隔dを隔てた位置において、ヘッドボックス10から昇降可能に垂下された昇降コード16が、スクリーン22の挿通孔22cを挿通している点を含み第1の実施の形態と同じである。
【0015】
このような不規則性と規則性を組み合わせることによっても、第1の実施の形態と同様に、プリーツの前側の突出量が上下方向で変化するため、スクリーン表面の陰影などに変化が出て、意匠的に斬新なものとすることができる。
また、間隔保持テープは、周期P毎の間隔を一定に保持するよう周期P毎に順次プリーツに結合するように設けてもよいが、ボトムレール14及びスクリーン22自身の自重に任せて、下方の周期が上方の周期より長くなってもかまわない。
【0016】
次に、図4は、第3の実施の形態を表すプリーツスクリーンであり、第1及び第2の実施の形態と異なるプリーツを有するプリーツスクリーンの例を示している。
この形態のスクリーン32は、重力が下方向に負荷されていない自然状態において、一定周期Pで繰り返される波形状の規則的に変化するピッチでプリーツ32a、32a、・・・が形成されている点で上記実施の形態と異なっている。それ以外の点は、すべてのプリーツ32aの後側の突出端32b、32b、・・・は鉛直方向に揃っており、この鉛直方向に揃えられた突出端32b、32b、・・・から一定の間隔dを隔てた位置において、ヘッドボックス10から昇降可能に垂下された昇降コード16が、スクリーン32の挿通孔32cを挿通している点を含み第1の実施の形態と同じである。
【0017】
このような規則的に変化するピッチで複数のプリーツを形成する事としても、第1及び第2の実施の形態と同様に、プリーツの前側の突出量が上下方向で変化するため、スクリーン表面の陰影などに変化が出て、意匠的に斬新なものとすることができる。
また、間隔保持テープは、波形の周期毎の間隔を一定に保持するよう設けてもよいが、ボトムレール14及びスクリーン32自身の自重に任せて、下方の周期が上方の周期より長くなってもかまわない。
【0018】
次に、図5は、第4の実施の形態を表すプリーツスクリーンであり、第1の実施の形態と異なるスクリーンを有するプリーツスクリーンの例を示している。
この形態のスクリーン42は、複数のプリーツ42aがランダムに形成されていると共に、各プリーツ42aの後端に水平方向に突出する水平部42dを有しており、すべてのプリーツ42aの水平部42dの後側の突出端42b、42b、・・・が鉛直方向に揃っており、この鉛直方向に揃えられた突出端42b、42b、・・・から一定の間隔d’を隔てた位置でかつ水平部42d内に挿通孔42cが穿設されており、ヘッドボックス10から昇降可能に垂下された昇降コード16が、各挿通孔42cを挿通している。
【0019】
この形態でも、第1の実施の形態と同様に、プリーツの前側の突出量が上下方向で変化するため、スクリーン表面の陰影などに変化が出て、意匠的に斬新なものとすることができると共に、昇降コード16がスクリーン42の正面に露出することがないので、見栄えを向上させることができる。また、挿通孔42cによって光漏れを生じることもない。
【0020】
次に、図6は、第5の実施の形態を表すプリーツスクリーンであり、第1の実施の形態と同様にスクリーンを有するプリーツスクリーンの例を示している。
この形態のスクリーン52は、複数のプリーツ52aがランダムに形成されていると共に、各プリーツ52aの丈方向の中心が鉛直方向に揃っており、この中心に挿通孔52cが穿設されており、ヘッドボックス10から昇降可能に垂下された昇降コード16が、各挿通孔52cを挿通している。
【0021】
この形態では、プリーツの前側及び後側の突出量が上下方向で変化するため、スクリーン表面の陰影などに変化が出て、意匠的に斬新なものとすることができると共に、昇降コード16が各プリーツ52aの中心を通り側面から見たスクリーン52形状の重心を通過しているので、前後方向にバランス良く折り畳むことができる。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1ないし請求項記載の発明によれば、上下方向に均一でないピッチ、換言すれば、すべてのプリーツが同じピッチを有する従来のプリーツスクリーンとは異なる構成とすることにより、プリーツの前後方向(または前側、後側のいずれか一方)の突出量が上下方向で変化するため、スクリーン表面の陰影などに変化が出て、意匠的に斬新なものとすることができる。
【0023】
また、敢えて均一でないピッチとしているために、間隔保持テープ等のプリーツの間隔を保持するための部材を省略することが可能になり、部品点数を減少させることができる。また、請求項記載の発明によれば、昇降コードの挿通位置を突出端から一定の間隔を隔てた位置にすることにより、各プリーツが均一なものでなくとも、挿通孔の加工作業を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプリーツスクリーンの第1の実施の形態を表す全体斜視図である。
【図2】図1の側面図である。
【図3】本発明のプリーツスクリーンの第2の実施の形態を表す図2相当図である。
【図4】本発明のプリーツスクリーンの第3の実施の形態を表す図2相当図である。
【図5】本発明のプリーツスクリーンの第4の実施の形態を表す図2相当図である。
【図6】本発明のプリーツスクリーンの第5の実施の形態を表す図2相当図である。
【図7】本発明のプリーツスクリーンの変形例を表す要部側面図である。
【符号の説明】
10 ヘッドボックス
12、22、32、42、52 スクリーン
12a、22a、32a、42a、52a プリーツ
12b、22b、32b、42b 突出端
12c、22c、32c、42c、52c 挿通孔
14 ボトムレール
16 昇降コード

Claims (6)

  1. 上下方向に複数のプリーツが設けられたスクリーンの上端をヘッドボックスに固定し、スクリーンの下端にボトムレールを固定し、ヘッドボックスから昇降可能に垂下された昇降コードをボトムレールに連結して、昇降コードが昇降することによって前記スクリーンが畳み上げられるようにしたプリーツスクリーンにおいて、
    前記スクリーンには、上下方向に均一でないピッチで前記複数のプリーツが形成されており、スクリーンに重力が下方向に負荷されていない自然状態において、ランダムなピッチとなるように前記複数のプリーツの丈が選択されて形成され、昇降コードが挿通する各プリーツの挿通孔の位置は、昇降コードが一番小さいプリーツの丈方向の中心を通る位置に選択されることを特徴とするプリーツスクリーン。
  2. 上下方向に複数のプリーツが設けられたスクリーンの上端をヘッドボックスに固定し、スクリーンの下端にボトムレールを固定し、ヘッドボックスから昇降可能に垂下された昇降コードをボトムレールに連結して、昇降コードが昇降することによって前記スクリーンが畳み上げられるようにしたプリーツスクリーンにおいて、
    前記スクリーンには、上下方向に均一でないピッチで前記複数のプリーツが形成されており、スクリーンに重力が下方向に負荷されていない自然状態において、ランダムなピッチとなるように前記複数のプリーツの丈が選択されて形成され、昇降コードが挿通する各プリーツの挿通孔の位置は、昇降コードが側面から見たスクリーン形状の重心を通る位置に選択されることを特徴とするプリーツスクリーン。
  3. 前記スクリーンには、上下方向にランダムなピッチで前記複数のプリーツが形成されていることを特徴とする請求項1または2記載のプリーツスクリーン。
  4. 前記スクリーンには、一定周期で繰り返される上下方向にランダムなピッチパターンに基づくピッチで前記複数のプリーツが形成されていることを特徴とする請求項1または2記載のプリーツスクリーン。
  5. 前記スクリーンには、上下方向に規則的に変化するピッチで前記複数のプリーツが形成されていることを特徴とする請求項1または2記載のプリーツスクリーン。
  6. 前記複数のプリーツの前後方向の突出端の前側または後側のいずれか一方の側の突出端は、すべてのプリーツで鉛直方向に揃っており、前記昇降コードは、この鉛直方向に揃えられた突出端から一定の間隔を隔てた位置においてスクリーンを挿通していることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のプリーツスクリーン。
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