JP3551954B2 - 電動機 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転磁界を発生するステータを備えリラクタンストルクを利用して回転駆動する同期電動機に関する
【0002】
【従来の技術】
従来の一般的な同期電動機において、ステータはリング状のヨーク部から、その内周側に複数のティース部を一体的に突出している。なお、このステータは、内周側に突出した複数のティース部を備えたステータ板を積層して作られる。また、これら、ティース部間にスロット部を形成したステータコアを有しており、そのスロット部に、巻線を分布巻により巻装して構成される。この分布巻とは、スロット部を介して離れた、ティース部を巻回する巻回方法である。そして、ロータはロータコアの外周部に磁極用の複数の永久磁石を埋め込み、中心部に回転軸を嵌着して構成されている。
【0003】
このように、永久磁石をロータ内部に埋め込むことで、マグネットトルクに加えてリラクタンストルクをも利用することが可能な永久磁石埋め込みモータは、永久磁石の中心とロータ中心とを結ぶ方向であるd軸方向のインダクタンスLdと、d軸に対して電気角で90度回転した方向であるq軸方向のインダクタンスLdにインダクタンス差が生じ、永久磁石によるマグネットトルクに加えて、リラクタンストルクをも発生するように構成している。この関係を示したのが(1)式である。
T=Pn[ψa×Iq+1/2(Ld−Lq)×Id×Iq]・・・・(1)
Pn:極対数
ψa:鎖交磁束
Ld:d軸インダクタンス
Lq:q軸インダクタンス
Iq:q軸電流
Id:d軸電流
(1)式は、dq変換の電圧方程式を示している。例えば、表面磁石モータでは、永久磁石の透磁率が空気とほぼ等しいため、上式(1)の両インダクタンスLd、Lqはほぼ等しい値となり、(1)式の[ ]内の第2項に示されるリラクタンストルク分は発生しない。
【0004】
マグネットトルクに加えて、リラクタンストルクを利用して駆動する電動機のトルクを大きくしようとする場合、(1)式に従うと、(Ld−Lq)の差を大きくすればよい。磁束の通りやすさであるインダクタンスLはN(ティースの巻き数)に比例するので、ティースへの巻数を多くすれば、(Ld−Lq)の差も大きくなり、リラクタンストルクを大きくすることができる。しかしながら、リラクタンストルクの利用を大きくするために巻数を多くすると、巻数を多くするに従い、ステータの端面に突出した巻線群、つまり、コイルエンドが大きくなってしまう。よって、モータを効率よく回転駆動するために、リラクタンストルクを利用しようとすると、コイルエンドが大きくなってしまい、モータ自身が巨大化してしまう。
【0005】
また、分布巻では、巻線を複数回巻回した巻線輪を作り、この巻線輪をティースに挿入し、巻線輪の周はティース周より大きくなってしまう。さらに、分布巻ではスロットを介してティースを巻回するため、巻線同士が、交差してしまう。このように、分布巻であるとステータの端面は巻線が突出してしまい、更に巻線が交差してしまうためコイルエンドが大きくなってしまう。逆に、電動機を小型にしようとすると電動機の出力が低下してしまう。
【0006】
よって、リラクタンストルクを利用し電動機を効率よく駆動しようとすると、電動機のサイズが大きくなってしまう。逆に、電動機を小型にしようとすると電動機の出力が低下してしまう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、エアコン、冷蔵庫、電気自動車等において高出力つ小型化の電動機が必要とされている。
【0008】
また、ステータにおけるティース先端の磁極部は周方向に幅広に形成されている。しかし、隣接する磁極部間にはスロット部に巻線を施すための開口部を形成するためにティース先端間を周方向幅広にしなければならない。つまり、分布巻により巻線輪をティースに挿入するための開口部を必要としている。なお、ステータ内周とロータ外周との間の空隙は、スロット部の開口部を除いて全周にわたって均一に設定されていることが一般である。
【0009】
上記従来の構成では、ステータ側において、その磁極部間にスロット部の開口部が介在するので、磁極部から出る磁束分布に周方向の断絶部分を生じることになり、ロータ回転時にコギングトルクが生じるという問題があった。また、ロータ側においては、その外周から出る磁束の分布を正弦波形に近づけると、コギングトルクを小さくすることができるが、ステータ内周とロータ外周との間の空隙が一定であるのでこの空隙部での磁気抵抗は全周で一定であり、永久磁石の端部が隣合う部分では磁束分布が急変し、コギングトルクが大きくなる。このようにステータ側及びロータ側の両方のコギングトルク増大要因が重なることによって大きなコギングトルクを発生するという問題があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本件出願に係る第1の発明の電動機は、ステータとロータとを有し、前記ステータのティース部に一身巻きの巻き線設けられかつ前記ロータがリラクタンストルクを利用して回転駆動される電動機において、
前記ステータは、複数のコアエレメントとフレーム部とから成り、
前記コアエレメント各々は、そのコアエレメントの外周部において環状に組み合わせられて前記フレーム部の内周に固定されて、そして前記ロータは、複数の低透磁率部が内設され、さらに前記ロータの外周は前記低透磁率部の端部の隣合う部分に凹部が設けられ、この凹部は直線状の切除部であり、かつこの凹部の底の位置は、前記低透磁率部よりロータ 外周側であり、さらに前記低透磁率部が空隙の構成であり、
また、本件出願に係る第2の発明の電動機は、第1の発明において、空隙に換えて樹脂材料の構成であり、
また、本件出願に係る第3の発明の電動機は、第1の発明又は第2の発明において、さらに低透磁率部がロータ半径方向で複数層に形成され
また、本件出願に係る第4の発明の電動機は、第1の発明、第2の発明、又は第3の発明において、ロータ外周凹部とティース外周との間隔は0.7mm以上であり、
このように、複数のティース部を有するステータコアと、前記ティース部に一身巻を施した巻線と、複数の低透磁率部を内設する回転子とを備え、前記低透磁率部は空隙又は樹脂部材であるリラクタンストルクを利用して回転駆動する電動機であり、巻線をティース部に一身巻しているので、ステータ端面に巻線が大幅に突出することがなく、コイルエンドを小さくすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本件出願に係る発明は、複数のティース部を有するステータコアと、前記ティース部に一身巻を施した巻線と、複数の低透磁率部を内設する回転子とを備え、前記低透磁率部は空隙又は樹脂部材であるリラクタンストルクを利用して回転駆動する電動機であり、巻線をティース部に一身巻しているので、ステータ端面に巻線が大幅に突出することがなく、コイルエンドを小さくすることができる。
【0012】
【実施例】
(実施例1)
本実施例1について、第1図〜第4図を参照して説明する。
第1図において、1はマグネットトルクに加えて、リラクタンストルクを利用して回転駆動する同期電動機で、ステータ2とロータ3と回転軸4にて構成されている。ステータ2は、リング状のフレーム部21と、高透磁率材料製の複数の独立したコアエレメント5を環状に組み合わせて成るステータコア22と、各コアエレメント5のティース部7、7間に形成されてスロット部8に巻装された巻線にて構成され、それらの巻線群に電流が与えられることで回転磁界を発生する。
【0013】
ステータコア22は、複数のコアエレメント5をその外周部6において環状に組み合わせてフレーム部21の内周に嵌合固定することにより構成されており、各外周部6はその両側面6aの延長線がステータ中心を通る扇形の全体形状に形成されている。前記コアエレメント5には、第2図に詳細に示すように、その内周部分にスロット形成凹部9が形成され、隣接するティース部7、7のスロット形成部9、9にてスロット部8が形成されている。また、前記両側面6aには、コアエレメント5を環状に組み合わせた時に互いに係合する係合突起10aと係合凹部10bから成る係止部11が設けられ、コアエレメント5が相互に強固に固定されるように構成されている。なお、コアエレメント5の組み合わせは、溶接によって行われるが、コアエレメント5の側面に嵌合部を設けて、かしめ合わせて固定してもよい。
【0014】
このように、ステータ2は複数のコアエレメント5を組み合わせて形成する。よって、ステータ2に巻線を巻回するのではなく、コアエレメント5に巻線を巻回した後、ステータ2を成形することができる。このように、コアエレメント5の状態で巻線すれば、コアエレメント5ごとに巻線を巻回するので、一身巻(集中巻)を容易にすることができる。なぜならば、第4図に示すように、巻線23を巻回する時、ティース部7の側面には巻回に障害となるような箇所はない。よって、巻回装置の巻線口はティース部7を中心に回転し、絶縁フィルム24を介して整列巻をすることができる。更には、巻線40の巻回の精度も高くすることが可能であり、整列巻を容易に行うことができる。
【0015】
このように、ステータ2の巻線を一身巻することにより、ステータ端面での巻線どうしの交差を抑えることができる。よって、ステータ5の回転軸方向端面は、巻線が交差していないのでコイルエンドの大きさを抑えることができる。更には、ステータが分割した状態で巻線をするので、ティース5の周と巻線1周の長さを同じ長さにすることができる。よって、巻線がステータ端面で突出せず、コイルエンドを小さくすることができる。
【0016】
また、ステータ5を分割した状態で巻線するので、巻線時、巻線装置の巻線口のスペースを考慮する必要がないので、可能なかぎり、巻線を重ねることができる。また、ステータ5を分割した状態で巻線するので、巻線装置の精度が高くなり、整列巻をすることができる。よって、スロット部の占積率を高くすることができる。リラクタンストルクは巻線の数に比例するので、占積率をあげることにより、リラクタンストルクを上げることができる。
【0017】
このように、ティース部への巻線は、適切な長さで巻回することが可能であるので、巻線の余分はなく、全体の巻回数に対して巻線長を短くすることができる。よって、銅損を少なくし、つ巻線の発熱を小さくすることができる。
【0018】
更に、ティース部先端間dは、巻線を装置の巻線口を通すスペースを必要としないので、ティース部先端間dを小さくすることができる。よって、ティース部とロータ外周部の空隙の変化が少なくなるので、コギングトルクが低減する。
【0019】
なお、従来、巻回装置でステータ2に巻線を一身巻する場合、占積率30%程度しか巻回することができなかった。しかし、コアエレメント5に巻回した後、組み立てる場合、スロット部8の占積率を容易に30%以上にすることができ、更には占積率を60%以上にすることも可能である。
【0020】
また、各コアエレメント5のスロット形成凹部9よりも内周側の端部の磁極部12は周方向両側に長く突出され、その先端間に僅かな隙間dを置いて隣合うコアエレメント5の磁極部12と接続するように構成され、各コアエレメント5の磁極部12から出る周方向の磁束分布に断絶した部分が生じないように成されている。また、この磁極部12の両側部12aは先端に向かって径方向の幅が小さくなるように略三角形状に形成されており、磁極部12の両側部での磁気抵抗をおおきくして隣接するコアエレメント5、5の磁極部12、12間での磁気漏洩が少なくなるように成されている。
【0021】
実施例1の僅かな隙間dは0<d<0.2mmである。僅かな隙間dは、コアエレメント5に巻回した後、組み立てることにより可能となり、このように僅かな隙間しか開けないことにより、スロット部8の巻線から磁気漏洩を抑えることができ、コギングトルクが小さくなる。隙間dは0<d<0.2mmであるということは、実験により得られた値であり、コギングトルクが効率よく低減した値である。なお、完全に先端を接触しないのは、隣接するティース部7間で無効な磁束が流れることを抑えるためである。
【0022】
しかし、この隙間dは隣接するコアエレメント5、5間での漏洩磁束が無視しうるとともに、組立精度上も問題がなければ0にして、コギングトルクをなくすることも可能である。
【0023】
また、ティ−ス部7のティース部先端の対向面(ティース部7の先端であり、ティース部7先端間で対向している面)bはb<0.6mmが適切である。bをb<0.6mmにすることにより、ティース部7先端で磁気的飽和が生じ、無効な漏れ磁束を低減することができる。
【0024】
一方、ロータ3はステータ2の巻線群によって生じる回転磁界の磁束が通り易い高透磁率材料製のロータコア13と、ロータコア13にロータ3の極に対応して周方向に等間隔に内設された永久磁石14とを備えている。これら永久磁石14はS極とN極が周方向に交互となるように配設されている。
【0025】
永久磁石14のティース対向面14aは直線状である。このティース対向面14aとロータ13の外周との間の距離は、永久磁石14の端部より中央部の方が広い。このように、ロータ13の外周部では磁束の通りやすい部分と、通り難い部分を備えることによってq軸インダクタンスとd軸インダクタンスとのインダクタンス差を作ることが可能となり、リラクタンストルクを利用して回転駆動することができる。なお、永久磁石14の形状は、ロータ13の中心に向かって中央部が突出した形状であってもよい。
【0026】
なお、ロータコア13の外周部には、第3図で詳細に示すように、永久磁石14の端部同士が隣合う部分に直線状の切除部15を形成する。
【0027】
そして、ステータ2の外周は、リング状のフレーム部21により覆い、溶接により一体にしたコアエレメント5の補強を行う。このようにフレーム部21を用いることにより、高速回転の電動機であっても、コアエレメント5は強固に固定される。なお、コアエレメント5同士の組たステータ本体が充分な強度を備えていれば、フレーム部21により補強を行う必要はない。
【0028】
以上の構成によって、本発明の電動機はマグネットトルクに加えてリラクタンストルクを利用して駆動することができる。この電動機のスロット部8の占積率は60%以上であるものにもかかわらず、ステータの大きさは小さい。
【0029】
よって、マグネットトルクに加えてリラクタンストルクを利用して回転駆動する電動機の出力トルクは、式(1)に示すような関係であるので、スロット部8の占積率を高くすると、Ld−Lqの差が大きくなり、出力トルクを高くすることができる。なぜなら、インダクタンスLはN(巻回数)に比例するという関係があるので、巻数が多い、つまりスロット部8での占積率が高い程、高出力になる。
【0030】
よって、マグネットトルクに加えてリラクタンストルクを利用して駆動する電動機において、コアエレメント5に巻線を巻回した後、ステータ2に組み合わせると、占積率が高くできるので、高出力つ小型にすることができる。
【0031】
なお、隣合う永久磁石の幅が、磁極2極分(永久磁石2個分)に対向するティース幅(第1図の8極12スロットにおいては、磁極2極分に対向するティースとはティース3個分。8極4スロットでは、ティース6個分である)に対して、0.15〜0.20であれば、実験により、トルクリップルが低減することがわかった。
【0032】
また、ロータ3においては、ロータコア13の外周部における永久磁石14の端部が隣合う部分にはロータ外周凹部となるほぼ直線状の切除部15が形成されている。このように、切除部15を設けると、ステータ2内周とロータ3外周との間の空隙が、永久磁石14の端部が隣合う部分で大きくなる。したがってその空隙部での磁気抵抗がおおきくなることにより、ステータ2内周とロータ3外周との間の空隙部での磁束分布を正弦波形に近づけることができる。
【0033】
なお、隣合う永久磁石間の部分の外側に位置するロータ外周凹部の長さは、ロータコア1極分の中心角の0.2〜0.4の角度に相当する長さが適切である。
【0034】
また、ティース部7と切除部15との空間隔hは、ティース部7とロータ外周との空間隔の2倍以上必要である。なお、実施例1の場合、ティース部7と切除部との空間隔は、0.7〜1mmであることが適切であることが実験によりわかった。
【0035】
このように本実施例1においては、ステータ2側及びロータ3側の両方のコギングトルク発生要因を抑制することができるので、コギングトルクの小さい同期電動機を提供することができる。
【0036】
このような、電動機をコンプレッサー、冷蔵庫、エアコン、電気自動車等に用いることにより、小型化、収納スペースを広くするという効果を奏する。
【0037】
電気自動車に用いる電動機は、社内スペースを広くするために、小型化が必要であり、且つ充電器の電流を効率よく利用できる電動機が必要とされている。また、電気自転車に用いる電動機は平角線であり、断面の幅4mm以上、高さ1.5mm以上のものを用いるものが多い。また、巻線に流す大電流は300アンペア以上が多い。そして、大電流を流し7000〜15000回転するので、本発明の電動機のように、巻線数に対して、巻線長が短く発熱量が小さい電動機を用いることは有効である。また、整列巻が可能であれば丸線より、更に占積率を高くすることができる。
【0038】
本発明のような電動機を、電気自動車等の大電流を流す電動機に用いることはとても有効である。
【0039】
なお、上記記載は永久磁石を埋め込んでマグネットトルクに加えて、リラクタンストルクを利用した一身巻のステータを用いた電動機を説明したが、本件出願に係る発明は、永久磁石の変わりに、低透磁率材となす空隙又は樹脂材料をロータ内部に内設し、リラクタンストルクのみを利用して回転駆動優れた効果得られる。つまり、シンクロナスモータに一身巻のステータを用いても、優れた効果を奏する。
(実施例2)
第5図を用いて実施例2を説明する。
【0040】
第5図において、31はマグネットトルクに加えて、リラクタンストルクを利用して、主に正回転方向Fへ回転する同期電動機で、ステータ32とロータ33と回転軸34にて構成されている。
【0041】
ステータ32は、リング状のフレーム部と、高透磁率材料製の複数の独立したコアエレメント35を環状に組み合わせて成るステータコアと、各コアエレメント35のティース部37、37間に形成されたスロット部38に巻装された巻線にて構成され、それらの巻線群に電流が与えられることで回転磁界を発生するように構成されている。
【0042】
そして、このステータ32の中に備えるロータ33の内部に永久磁石39を埋め込む。この永久磁石39の形状はV形状としており、永久磁石はロータ33の中心に向かい突出している。このように、逆突極性にすることにより、d軸とq軸のインダクタンス差を大きく作ることが可能である。また、この永久磁石39は、ロータの正回転方向Fの39a永久磁石前方部39bと永久磁石後方部39bから成る。この時、永久磁石後方部39bの厚みは、永久磁石前方部39aの厚みより大きい。
【0043】
このような構成にした理由は次の通りである。永久磁石後方部39bでは、永久磁石後方部39bから生じる磁束とティース部37から出力される磁束と反発しあい、永久磁石後方部39bの減磁が生じる可能性がある。よって、減磁が生じないような磁力を発生するような永久磁石が必要なため、永久磁石を厚くしていた。
【0044】
しかしながら、ほとんどの回転が正回転方向Fしか回転しないような電動機では、ティースからの吸引力により吸いつけられる永久磁石前方部39aは、減磁が生じないので、永久磁石後方部39bと同等の厚みを備える必要はない。よって、永久磁石後方部39bより永久磁石前方部39aを薄くしてもよい。よって、ほとんどの回転を正回転で行う電動機において永久磁石の量を減らしても、特性は落とさないで、永久磁石の量を減らすことができる。
【0045】
なお、この内設した永久磁石後方部39bのティース対向面はステータ35側に突出し、永久磁石前方部39aより厚い。しかし、この内設した永久磁石後方部39bのティース対向面は、永久磁石前方部39aの対向面と対称とし、ロータ中心側へ突出するようにしてもよい。
【0046】
なお、この埋め込んだ磁石は、回転駆動するとき前方部と後方部とでバランス調整用の重りをロータに埋め込んでもよい。
【0047】
また、永久磁石の形状はV字形状に限らず直線状、円弧状でもよい。
(実施例3)
第6図を用いて実施例3を説明する。
【0048】
第6図において、51はマグネットトルクに加えて、リラクタンストルクを利用して回転する同期電動機で、ステータ52とロータ53と回転軸54にて構成されている。
【0049】
ステータ52は、高透磁率材料製の複数の独立したコアエレメント55を環状に組み合わせて成る。各コアエレメント55のティース部57、57間に形成されたスロット部58に巻装された巻線にて構成され、それらの巻線群に電流が与えられることで回転磁界を発生するように構成されている。
【0050】
ロータ53は、高透磁率材からなるロータコアに、N極、S極が交互となるように配置された4組の永久磁石59、60を埋め込みロータ軸54に固着することによって固定されている。1極あたりの永久磁石は、ロータ半径方向に2分割され、外側永久磁石59と内周側の永久磁石60とで構成されている。各永久磁石59、60は、ロータ中心側に凸の円弧形状に形成され、両端部59a、60aはロータ外周に近接する位置まで伸びている。そして、外周側の永久磁石59と内周側の永久磁石60との間隔は、ほぼ一定幅となっていて、この間隔部分にq軸方向の磁束が通る通路61が形成されている。
【0051】
ステータ52は、所定本数のティース57を備え、各ティス57には巻線を施し(図省略)構成されている。この時の巻線はコアエレメント55ごとに巻回するので、一身巻にすることができる。前記ステータ巻線に交流が与えられることで回転磁束が発生し、この回転磁束により、ロータ53にはマグネットトルク及びリラクタンストルクが作用し、ロータ53は回転駆動される。
【0052】
外周側の永久磁石59と内周側の永久磁石60の間の幅Mは、永久磁石59、60の起磁力損失を考えれば可能な限り小さいことが望まれる。しかし、q軸インダクタンスLqという観点からは、これを大きくするために磁気飽和しない程度に大きいことが望まれる。
【0053】
そこで、実施例3では、巻線に流れる電流により発生する磁束飽和しない幅とするため、前記幅Mを前記ティース56の幅Nの役1/2に設定している。幅Mとq軸インダクタンスLqを調査すると、幅Mのティース57の幅N1/3より小さくなる。一方、幅Mがティ−ス57の幅Nより大きくなっても、q軸インダクタンスLqはほとんど変化していない。そこでこの調査から、外周側の永久磁石59と内周側の永久磁石60との間隔、すなわち幅Mはステータ57の幅Nの1/3より大きくすればよい。
【0054】
実施例3では、複数層の永久磁石により磁束路を形成したものを示したが、複数層であれば何層でもよいが、実験により2層の時が、最も効率がよいことがわかった。
【0055】
(実施例4)
第7図、第8図により実施例4を説明する。
【0056】
第7図において、71はマグネットトルクに加えて、リラクタンストルクを利用して回転する同期電動機で、ステータ72とロータ73にて構成されている。
【0057】
ステータ72は、リング状のフレーム部74と、高透磁率材料製の複数の独立したコアエレメント75を環状に組み合わせて成るステータコアと、各コアエレメント75のティース部77、77間に形成されたスロット部78に巻装された巻線80にて構成され、それらの巻線群に電流が与えられることで回転磁界を発生するように構成されている。
【0058】
なお、コアエレメント75は第8図に示すように、コアエレメント75の端部は接続しておりコアエレメント群を構成する。コアエレメント群は端部で折曲部81に空間部を備えており、折曲げ易くなっている。このように、コアエレメント群で巻線80を巻回し、折曲げてステータ72を構成することにより、ステータの組立の位置決めが容易となる。この時、各コアエレメント75を溶接して接続してもよいし、リング状フレーム部74を嵌合して固定してもよい。
【0059】
なお、コアエレメント群は1群で環状のステータを構成してもよいし、コアエレメント群を複数組み合わせて、環状のステータを構成してもよい。
【0060】
また、コアエレメント75の端面を接触されてステータを形成するのではく、樹脂などによりコアエレメント群を固めてステータを形成してもよい。
【0061】
【発明の効果】
本件発明は、巻線をティース部に一身巻しているので、ステータ端面に巻線が大幅に突出することがなく、コイルエンドを小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例1の電動機の断面図
【図2】同ステータの部分断面図
【図3】同ロータの部分断面図
【図4】同コアエレメントを示す図
【図5】本実施例2の電動機の断面図
【図6】同実施例3の電動機の断面図
【図7】同実施例4の電動機の断面図
【図8】同実施例4の電動機のコアエレメント群の部分断面図
【符号の説明】
1 電動機
2 ステータ
3 ロータ
7 ティース部
14 永久磁
15 切除部

Claims (4)

  1. ステータとロータとを有し、前記ステータのティース部に一身巻きの巻き線設けられかつ前記ロータがリラクタンストルクを利用して回転駆動される電動機において、
    前記ステータは、複数のコアエレメントとフレーム部とから成り、
    前記コアエレメント各々は、そのコアエレメントの外周部において環状に組み合わせられて前記フレーム部の内周に固定されて、そして前記ロータは、複数の低透磁率部が内設され、さらに前記ロータの外周は前記低透磁率部の端部の隣合う部分に凹部が設けられ、この凹部は直線状の切除部であり、かつこの凹部の底の位置は、前記低透磁率部よりロータ外周側であり、さらに前記低透磁率部が空隙の構成である電動機。
  2. 空隙に換えて樹脂材料の構成である請求項1記載の電動機。
  3. 低透磁率部はロータ半径方向で複数層に形成されている請求項1記載又は請求項2記載の電動機。
  4. ロータ外周凹部とティース外周との間隔は0.7mm以上である請求項1から請求項3のいずれかに記載の電動機。
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