JP3551917B2 - 反応容器及びそれを用いる反応装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一対の板状部材を貼り合わせてなる反応容器と、その反応容器を用いて遺伝子増幅反応を行なわせるための反応装置に関するものである。
そのような反応容器は遺伝子増幅反応を含む化学反応一般に用いられ、また、反応装置は生化学分野や臨床分野において使用され、特にDNA(デオキシリボ核酸)解析分野においてサンプルの増幅のために使用される。
【0002】
【従来の技術】
DNAを増幅する方法として、PCR(Polymerase Chain Reaction)法がある。PCR法では、DNA鎖の熱変性、プライマーの結合及びDNAポリメラーゼによる相補鎖の合成を繰り返し行なうことによってDNAの増幅を行なう。
PCR法を用いてDNAを増幅する反応装置として種々のものが提案されている。例えば、ガラスキャピラリー反応容器を用いるLightCycler system(Roche社(スイス国)の製品)や、平薄キュベット型反応容器を用いるI−CORE Module / Smart Cycler system(Cepheid社(米国)の製品)などがある。
【0003】
また、基板の表面に溝を形成し、その溝をカバープレートで覆うことによりチャンネル(流路)を形成し、基板又はカバープレートのチャンネルの両端に対応する位置にチャンネルに達する穴をリザーバとして形成したマイクロチップを用い、1つのリザーバ内でPCRを行なわせ、PCR産物を電気泳動によりチャンネル内に注入して分離検出する方法が提案されている(Julia Khandurina et al./ Anal. Chem., 2000, 72(13), 2995-3000 文献参照)。PCRを行なわせるリザーバの容量は10〜20μLである。
従来、多数のサンプルを取り扱う反応容器として、容量が100〜1000μL程度のウエルがプラスチック製の基板の一表面に多数設けられたマイクロタイタープレート(MTP)が用いられている。MTPとしては、ウエルが9mmピッチで12×8個形成された96穴MTPや、ウエルが4.5mmピッチで24×16個形成された384穴MTPなどが用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来技術の場合、PCR法を行なうために20μL程度の反応ボリュームが必要である。DNA分析、特にDNAシーケンスの場合、分析ランニングコストの大半はサンガー反応PCR試薬であり、PCRに要する反応ボリュームを下げることが望まれている。
本発明の第1の目的は、PCRなどの遺伝子増幅反応を含む化学反応一般の反応ボリュームを低減できるとともに、一次元又は二次元に並ぶ複数のウエルに溶液を同時に分注するための分注器具など、MTP用として用いられている機器を適用することのできる反応容器を提供することである。
本発明の第2の目的は、本発明にかかる反応容器を用いて遺伝子増幅反応を行なうことができる反応装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる反応容器は、一対の板状部材を備え、少なくとも一方の板状部材の表面に複数の溝が形成され、一方の板状部材には上記溝の両端に対応する位置に貫通孔が形成され、これらの板状部材が溝を内側にして貼り合わされて上記溝により反応を行なわせるための空間を形成しており、前記貫通孔の同一ライン上の配置は、マイクロタイタープレートフォーマットのピッチの整数(1以上)分の1となっているものである。
ここでMTPフォーマットとは、MTPのウエルの配列をいう。
【0006】
一対の板状部材が貼り合わされて形成される流路(チャンネルとも言う)は、半導体フォトリソグラフィー技術及びエッチング技術やマイクロマシニング技術などを用いることにより、小容量に形成することができる。そのチャンネル内でPCR法などの遺伝子増幅反応を行なうことにより、遺伝子増幅反応の反応ボリュームを下げることができる。また、一方の板状部材に形成された貫通孔は、チャンネル内に溶液を注入したり、溶液を収容したりするためのリザーバとして用いられる。
本発明にかかる反応容器の用途は遺伝子増幅反応に限定されるものではなく、化学反応一般に用いることができ、化学反応の反応ボリュームを下げることができる。
また、本発明にかかる反応容器を構成する貫通孔の同一ライン上の配置をMTPフォーマットのピッチの1/n(nは1以上の整数)にしたので、一次元又は二次元に並ぶ複数のウエルに溶液を同時に分注するための分注器具など、MTP用として用いられている機器を本発明にかかる反応容器に適用することができるようになる。
【0007】
本発明にかかる反応装置は、上記反応容器を保持するための反応容器保持部と、上記反応容器を予め設定された恒温又は温度サイクルで温調する温調機構とを備えたものである。
【0008】
上記反応容器を反応容器保持部に保持し、上記反応容器の流路内に遺伝子増幅用の反応溶液を注入した後、又は予め流路内に遺伝子増幅用の反応溶液を注入した上記反応容器を反応容器保持部に保持した後、温調機構により反応容器の流路内を注入された反応溶液に応じて予め設定された恒温又は温度サイクルで温調することにより、上記反応容器の流路内で遺伝子増幅反応を行なわせる。
【0009】
本発明にかかる反応容器及び反応装置は、予め設定された恒温で増幅反応を行なわせるLAMP法やICAN法、INVADER法、RCAT法、又は予め設定された温度サイクルで増幅反応を行なわせるPCR法など、種々の遺伝子増幅法に適用されるものである。
【0011】
本発明にかかる反応容器において、貫通孔の配置に対応し、貫通孔に嵌合される突起部分を備えた蓋部材をさらに備えていることが好ましい。その結果、反応溶液の蒸発を抑制することができる。
【0012】
本発明にかかる反応装置において、遺伝子増幅反応に必要な試薬を収容する試薬保持部と、試薬保持部に収容された試薬を反応容器の貫通孔に分注する試薬分注機構とをさらに備えていることが好ましい。その結果、反応容器を反応容器保持部に設置した後、自動で遺伝子増幅反応を行なうことができるようになる。
【0013】
チャンネル内の反応溶液を取り出す際、チャンネルの一端側の貫通穴に希釈液を満たした後、遠心機を用いて希釈液をチャンネル内に注入し、希釈液を注入した貫通穴とは反対側の貫通孔にチャンネル内の反応溶液を出す方法が考えられる。
そこで、本発明にかかる反応装置において、分注機構は貫通孔に希釈液を分注する機能をさらに備えていることが好ましい。その結果、貫通穴に希釈液を注入するまでの工程を自動化することができる。
【0014】
反応容器の流路内のサンプルを光学的に検出モニターする光学的モニター機構をさらに備えていることが好ましい。その結果、流路内の遺伝子増幅反応のリアルタイムモニターが実現可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は反応容器の一実施例を示す図であり、(A)は平面図、(B)は(A)のB−B位置を示す断面図、(C)は(A)のC−C位置を拡大して示す断面図である。
反応容器(以下、反応容器チップという)1は、例えばホウケイ酸、石英ガラス、又はポリジメチルシロキサンなどの樹脂からなる一対の板状基板1a,1bにより構成される。基板1a,1bの寸法は、例えば長さLが10〜150mm、幅Wが60〜150mm、厚さHが1.1〜3mmである。
【0016】
一方の基板1bの表面に半導体フォトリソグラフィー技術及びエッチング技術や、鋳型形成などのマイクロマシニング技術により、複数のチャンネル3が互いに平行に形成されている。チャンネル3の寸法は、例えば長さLcが50〜100mm、幅Wcが50〜500μm、深さDが20〜100μmである。チャンネル3は、隣り合うチャンネル3,3をチャンネル3の長さ方向に交互にずらしてちどり状に配置されている。
【0017】
他方の基板1aにはチャンネル3の両端に対応する位置に貫通孔がリザーバ5として設けられている。基板1aの幅方向の同一ライン上に並ぶリザーバ5,5の間隔Pは、現行MTPフォーマットのピッチの1/n(nは整数)に形成されている。MTPフォーマットのピッチは4.5mm又は9.0mmであり、間隔Pは、例えばnが1のとき4.5mm又は9.0mm、nが2のとき2.25mm又は4.5mm、nが3のとき1.5mm又は3.0mm、nが4のとき1.125mm又は2.25mm、nが5のとき0.9mm又は1.8mm、nが6のとき0.75mm又は1.5mm、nが9のとき0.5mm又は1mm、nが10のとき0.45mm又は0.9mmである。リザーバ5の寸法は、例えば直径が0.2〜3mmである。
反応容器チップ1は、両基板1a,1bを(B)及び(C)に示すように重ねて接合した状態で使用される。
【0018】
この実施例において、チャンネル3の最小体積は、チャンネル3の寸法が長さLc=50mm、幅Wc=50μm、深さD=20μmのときで0.05μLである。チャンネル3の最大体積は、チャンネル3の寸法が長さLc=100mm、幅Wc=500μm、深さD=100μmのときで5μLである。
リザーバ5の最小体積は、基板1aの厚さHが1.1mmのときで0.9mLである。リザーバ5の最大体積は、基板1aの厚さHが3mmのときで21mLである。
【0019】
図2は、反応容器チップ1の蓋部材を示す側面図である。
蓋部材7は、例えばポリプロピレン、ポリエチレンなどの樹脂や、シリコーン樹脂などのエラストマーによって形成され、反応容器チップ1の基板1aの長さ寸法及び幅寸法をもつ板状部分7aと、リザーバ5の配置に対応して板状部分7aに設けられた突起部分7bにより構成されている。蓋部材7は突起部分7bを対応するリザーバ5にそれぞれ嵌合して使用され、リザーバ5を密閉する。
【0020】
図3は、反応装置の一実施例を示す概略斜視図である。
装置本体9の上部に、反応容器チップ1を収容する反応チャンバー(反応容器保持部)11が設けられている。反応容器チップ1は基板1aを上方にしてチャンバー11内に設置される。装置本体9の上部には開閉可能なカバー13が設けられている。装置の運転時には、カバー13が装置本体8に密着して閉じられ、反応チャンバー11内に収容された反応容器チップ1は外部から遮断される。反応チャンバー11の底面に対向して、装置本体9内部にペルチェ素子などの温調機構(図示は省略)が設けられている。装置本体9の前面15には、温度変化を表示する表示部や、恒温設定や温度変化プログラムを入力するための設定入力キーなどが配置されている。
【0021】
図4は、図3の反応装置に隣接して設けられるディスペンサー(試薬分注機構)を一部断面で示す概略斜視図である。このディスペンサーは本発明にかかる反応装置を構成するものである。
ディスペンサー17は、溶液の吸引吐出を行なうためのシリンジ17aと、使い捨て式であり、先端が溶液内に進入するノズル17bと、シリンジ17とノズル17bの基端部とを接続するチューブ17cにより構成されている。ノズル17bは移動機構(図示は省略)により、3次元方向に移動される。ノズル17bの移動範囲内に、DNAサンプルを収容するサンプル容器19a、PCR用のサンガー反応Pre−mix溶液を収容するPre−mix容器19b、プライマー溶液を収容するプライマー容器19c、及び希釈液としてのシーケシング用ローディングバッファ又はMilli−Q水を収容する希釈液容器19dが試薬保持部19に配置されている。図4では図示は省略するが、ノズル17bの移動範囲には、反応容器チップ1のリザーバ5も含まれる。
【0022】
次に、図1から図4を用いて図3及び図4に示す実施例の動作を説明する。
反応チャンバー11に反応容器チップ1を収容した後、ディスペンサー17を駆動させて、Pre−mix溶液、プライマー溶液、DNAサンプルの順に所定量をノズル17b内に吸い上げる。
ノズル17bを移動させ、吸引したPre−mix溶液、プライマー溶液及びDNAサンプルの混合溶液からなる反応溶液をチャンネル3の一端側のリザーバ5底面に吐出する。リザーバ5内に注入された反応溶液は、毛細管現象によりチャンネル3内に導入される。同様にして、各チャンネル3の一端側のリザーバ5に反応溶液を分注する。
【0023】
ここでは、1種類のDNAサンプルしか用意していないが、試薬保持部19に複数のDNAサンプルが配置されている場合には、Pre−mix溶液及びプライマー溶液とともに、各サンプルをそれぞれ異なるリザーバ5内に分注する。ノズル17bは使い捨て式であり、サンプルごとにノズル17bを交換して使用する。
また、ノズル17bは使い捨て式であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、洗浄ポートを設けてノズル17bを洗浄して繰り返し使用するようにしてもよい。
【0024】
各チャンネル3の一端側のリザーバ5に反応溶液を分注した後、図2に示す蓋部材7によりすべてのリザーバ5を密閉した後、カバー13を閉じて反応チャンバー11を密閉する。
反応装置8により、反応チャンバー11内を所定の温度サイクルで温調し、PCRによりDNAサンプルを増幅する。ここでは、PCR用のPre−mix溶液を用いているので反応チャンバー11内を所定の温度サイクルで温調しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、LAMP法やICAN法、INVADER法、RCAT法など、予め設定された恒温で増幅反応を行なわせる増幅方法を用いる場合には、その方法に適したPre−mix溶液を準備し、予め設定された恒温でチャンバー11内を温調するようにすることができる。
この実施例によれば、チャンネル3内で0.05〜5μLの反応ボリュームでDNAの増幅反応を行なわせることができる。
【0025】
次に、チャンネル内の反応溶液を取り出す操作を説明する。
増幅反応終了後、ディスペンサー17を駆動させ、希釈液容器19dに収容された希釈液を各チャンネル3の一端側のリザーバ5に分注する。
反応容器チップ1を反応チャンバー11から取り出し、例えばMTP遠心機などの遠心機に設置し、図5(A)に示すように穏やかに遠心させる。図5(B)に示すように、リザーバ5a内に分注された希釈液21(遠心処理前参照)は遠心力によってチャンネル3内に注入される。チャンネル3内の反応溶液23は希釈液21によって、もう片側のリザーバ5bに押し出され、リザーバ5b内で希釈液によって希釈され、希釈反応溶液25となる(遠心処理後参照)。
リザーバ5b内の希釈反応溶液25をディスペンサーなどの吸引機器により吸引して回収する。その後、電気泳動分離などにより、回収した希釈反応溶液25の解析を行なう。
【0026】
図6は、反応装置の他の実施例を示す概略構成図である。
反応容器チップ1のチャンネル3を含む領域に励起光を照射し、チャンネル3からの蛍光を検出する光学的モニター機構27が反応チャンバー11の底面側に設けられている。
モニター機構27には、励起光源レーザ装置29が設けられている。レーザ装置29としては、例えばアルゴン(Ar)レーザやクリプトン(Kr)レーザ、ヘリウムネオン(He−Ne)レーザ、ネオジム(Nd)−YAG(YAl12)などのNdイオン固体レーザ、半導体レーザ(Laser Diode:LD)、光第2高調波発生(SHG)現象を利用した固体レーザなど、種々のレーザ装置を用いることができる。
【0027】
レーザ装置29からの励起光の光路にはその励起光を平行光にするビームエキスパンダ31が設けられている。ビームエキスパンダ31からの励起光の光路には反射ミラー33が設けられている。
反射ミラー33により反射された励起光の光路にはその励起光を広げるレンズ35が設けられている。レンズ35からの励起光の光路には、反応チャンバー11の底面側に配置され、レンズ35からの励起光を反応容器チップ1の底面側へ反射するダイクロイックミラー37が設けられている。ダイクロイックミラー37は励起光を反射し、反応容器チップ1側からの蛍光を透過するような波長特性のものを用いる。
【0028】
ダイクロイックミラー37の反応チャンバー11とは反対側に、分光フィルター39が設けられている。分光フィルター39はダイクロイックミラー37を透過した反応容器チップ1からの蛍光のうち、所定の蛍光波長の光のみを透過するものである。ダイクロイックミラー37及び分光フィルター39の仕様は、サンプルの標識に使用する蛍光物質とレーザ装置29が発振する励起光の波長により決定される。
分光フィルター39を透過した蛍光の光路にはその蛍光をCCD(Charge Coupled Device)43の受光面に結像するためのレンズ41が設けられている。
CCD43には、CCD43の動作を制御し、CCD43の検出信号を処理するためのCPU(中央演算処理装置)45が電気的に接続されている。
【0029】
モニター機構27は、増幅反応時に、反応容器チップ1のチャンネル3における、PCR産物であるDNAの二重螺旋構造に挟み込まれた蛍光標識を検出することにより、PCR産物の量を検出する。これにより、PCRのリアルタイムモニターが可能になる。
【0030】
図6のモニター機構27では励起光源としてレーザ装置を用いているが、他の光源、例えばLED(Light Emitting Device)を用いてもよい。LEDの配置は、例えばレンズ35のダイクロイックミラー37とは反対側に配置してもよいし、反応チャンバー11の上方にLEDアレイとして配置してもよい。反応チャンバー11の上方にLEDを配置する場合、ダイクロイックミラー37は必要ない。LEDとしては、例えば発振周波数480nmの青色LEDを用いることができる。ただし、本発明で用いるLEDは青色LEDに限定されるものではなく、用いる蛍光物質に応じて他の色、すなわち他の波長の光を発光するLEDを用いることができる。
【0031】
図6のモニター機構27はチャンネル3からの蛍光を検出しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば紫外線吸収によりチャンネル3内の増幅物を検出するなど、チャンネル3内の増幅物を検出できる光学的機構であればどのような機構であってもよい。
【0032】
上記の実施例では、反応容器チップ1として、厚さが同じ基板1a,1bを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、厚さが異なる一対の基板を用いてもよい。
また、上記の実施例では、チャンネル3が形成された基板1bとは異なる基板1aにリザーバ5用の貫通孔を形成しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、基板1bにリザーバ用の貫通孔を設けてもよい。
【0033】
上記の実施例では反応容器チップ1は基板1aにリザーバ5用の貫通孔を形成した後、基板1a,1bを重ね合わせて形成しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、一対の基板を重ね合わせた後、いずれかの基板の、張り合わせた表面とは反対側の表面からチャンネルに到達するリザーバ用の貫通孔を形成してもよい。
また、上記の実施例では反応容器チップ1は基板1aのみにリザーバ5用の貫通孔を形成しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、貫通孔が形成される一方の基板とは異なる他方の基板の、一方の基板と張り合わされる側の表面の貫通孔に対応する位置に凹部を形成し、その凹部及び貫通孔によりリザーバを構成するようにしてもよい。
【0034】
【発明の効果】
本発明にかかる反応容器は、一対の板状部材を備え、少なくとも一方の板状部材の表面に1又は複数の溝が形成され、一方の板状部材には上記溝の両端に対応する位置に貫通孔が形成され、これらの板状部材が溝を内側にして貼り合わされて上記溝により遺伝子増幅反応を行なわせるための空間を形成してなるものであるので、反応を行なわせるための空間を小容量に形成することができ、反応ボリュームを下げることができる。
【0035】
また、貫通孔の配置は、MTPフォーマットのピッチの1/n(nは1以上の整数)であるようにしたので、MTP用の機器を適用することができる。
【0036】
本発明にかかる反応容器において、貫通孔の配置に対応し、貫通孔に嵌合される突起部分を備えた蓋部材をさらに備えているようにすれば、反応溶液の蒸発を抑制することができる。
【0037】
本発明にかかる反応装置は、上記反応容器を保持するための反応容器保持部と、上記反応容器を予め設定された恒温又は温度サイクルで温調する温調機構とを備え、上記反応容器を反応容器保持部に保持し、上記反応容器の流路内に遺伝子増幅用の反応溶液を注入した後、又は予め流路内に遺伝子増幅用の反応溶液を注入した上記反応容器を反応容器保持部に保持した後、温調機構により反応容器の流路内を注入された反応溶液に応じて予め設定された恒温又は温度サイクルで温調するようにしたので、上記反応容器のチャンネル内で遺伝子増幅反応を行なわせることができる。
【0038】
本発明にかかる反応装置において、遺伝子増幅反応に必要な試薬を収容する試薬保持部と、試薬保持部に収容された試薬を反応容器の貫通孔に分注する試薬分注機構とをさらに備えているようにすれば、反応容器を反応容器保持部に設置した後、自動で遺伝子増幅反応を行なうことができるようになる。
【0039】
本発明にかかる反応装置において、分注機構は貫通孔に希釈液を分注する機能をさらに備えているようにすれば、遠心機を用いてチャンネル内の反応溶液を取り出す際に、貫通穴に希釈液を注入するまでの工程を自動化することができる。
【0040】
反応容器の流路内のサンプルを光学的に検出モニターする光学的モニター機構をさらに備えているようにすれば、流路内の遺伝子増幅反応のリアルタイムモニターを行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】反応容器の一実施例を示す図であり、(A)は平面図、(B)は(A)のB−B位置を示す断面図、(C)は(A)のC−C位置を拡大して示す断面図である。
【図2】反応容器チップ1の蓋部材を示す側面図である。
【図3】反応装置の一実施例を示す概略斜視図である。
【図4】同反応装置に隣接して設けられるディスペンサー(試薬分注機構)を一部断面で示す概略斜視図である。
【図5】(A)は遠心処理を示す概略構成図であり、(B)はリザーバ5に希釈液を分注した後、遠心処理にかける前及びかけた後の反応容器反応容器チップ1内を示す断面図である。
【図6】反応装置の他の実施例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 反応容器チップ
3 チャンネル
5 リザーバ
7 蓋部材
9 反応装置本体
11 反応チャンバー
13 カバー
15 反応装置前面
17 ディスペンサー
17a シリンジ
17b ノズル
17c チューブ
19 試薬保持部
19a サンプル容器
19b サンガー反応Pre−mix溶液
19c プライマー容器
19d 希釈液容器
21 希釈液
23 反応溶液
25 希釈反応溶液
27 光学的モニター機構
29 励起光源レーザ装置
31 ビームエキスパンダ
33 反射ミラー
35,41 レンズ
37 ダイクロイックミラー
39 分光フィルター
43 CCD
45 CPU

Claims (6)

  1. 一対の板状部材を備え、少なくとも一方の板状部材の表面に複数の溝が形成され、一方の板状部材には前記溝の両端に対応する位置に貫通孔が形成され、これらの板状部材が前記溝を内側にして貼り合わされて前記溝により反応を行なわせるための空間を形成しており、前記貫通孔の同一ライン上の配置は、マイクロタイタープレートフォーマットのピッチの整数(1以上)分の1である反応容器。
  2. 前記貫通孔の配置に対応し、前記貫通孔に嵌合される突起部分を備えた蓋部材をさらに備えた請求項1に記載の反応容器。
  3. 請求項1又は2に記載の反応容器を保持するための反応容器保持部と、前記反応容器を予め設定された恒温又は温度サイクルで温調する温調機構とを備えたことを特徴とする反応装置。
  4. 遺伝子増幅反応に必要な試薬を収容する試薬保持部と、前記試薬保持部に収容された試薬を前記反応容器の前記貫通孔に分注する試薬分注機構とをさらに備えた請求項3に記載の反応装置。
  5. 前記分注機構は前記貫通孔に希釈液を分注する機能をさらに備えた請求項4に記載の反応装置。
  6. 前記反応容器の前記流路内のサンプルを光学的に検出モニターする光学的モニター機構をさらに備えた請求項3、4又は5のいずれかに記載の反応装置。
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