JP4591401B2 - 反応容器 - Google Patents
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Description
そこで、本発明は反応プレートの外部からの異物の進入や、外部への環境汚染を防ぐことができる反応容器を提供することを目的とするものである。
この反応容器の使用に際し、何らかの方法によりサンプルをカバーで覆われた空間内に導入しなければならない。その導入方法は特に限定されるものではないが、例えば、カバーの一部に密閉可能に設けられた開口を介して外部からその空間内にサンプルを注入するサンプル導入部をさらに設けておいてもよい。
この反応容器が遺伝子の分析を対象とする場合には、反応プレートはその表面側に遺伝子増幅反応を行なう遺伝子増幅部を備えていることが好ましい。遺伝子増幅部は所定の温度サイクルで温度制御するのに適した形状になっていることが好ましく、反応容器をそのような形状にして遺伝子増幅部とすることもできるし、反応容器とは別に遺伝子増幅容器を設けてもよい。遺伝子増幅反応にはPCR法やLAMP法などを含む。
反応生成物の分析を反応容器内で行なうようにした形態の反応容器では、反応容器は底部から光学的に測定が可能なように光透過性の材質にて構成されていることが好ましい。
そのような分析部の他の例は、反応生成物に遺伝子が含まれている場合にその遺伝子と反応するプローブが配置されている領域である。そのようなプローブ配置領域の例は、DNAチップやハイブリダイズ領域である。
本発明の反応容器を用いて測定されるサンプルは、化学物質、生体試料、生体由来試料など種々のものを挙げることができ、特に限定されない。
サンプル導入部をさらに備えている場合には、カバーで覆われた空間内へのサンプルの導入操作が容易になる。
反応プレートが遺伝子増幅部をさらに備えている場合には、測定対象の遺伝子を微量にしか含んでいないサンプルでもPCR法やLAMP法など遺伝子増幅反応によって遺伝子を増幅して分析精度を高めることができるようになる。
遺伝子増幅反応を行なう場合には外部からサンプルに他のDNAなどが侵入する問題が生じる。また、増幅された遺伝子が他のサンプルを汚染する問題も生じる。本発明では遺伝子増幅反応も閉じた空間内で行ない、分析終了後はその空間に閉じたまま廃棄処理するので、外部からの汚染を阻止することができるとともに、他のサンプルを汚染する虞もなくなる。
図2に示されるように、反応プレート2は基板3の表面側にサンプルに反応を起こさせる反応容器4及びサンプルの反応に使用される試薬を収容しフィルム14で封止された試薬容器12を備えている。
カバー24の素材も特に限定されるものではなく、反応プレート2の表面側の上部空間を気密を保って覆うことができるものであればよいが、この反応容器が使い捨て可能であることから、安価に入手可能な素材があることが好ましい。そのような素材として、カバー本体26には例えばポリプロピレン、ポリカーボネートなどの樹脂素材、ベローズフィルム28にはナイロン(登録商標)、ポリ塩化ビニール、シリコーンゴムその他のゴム素材などが好ましい。
シール部材35の具体的な例は、基材に接着剤が塗布されたものである。基材としては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム、合成紙、ポリイミドフィルム、可変情報用フィルムなどを使用することができる。また、基材に塗布される接着剤としては、PVA系エマルジョン、SBR系エマルジョン、アクリル系エマルジョン、合成ゴム系エマルジョン、感圧接着剤、感熱接着剤などを使用することができる。
サンプル容器32にはサンプルを注入するために上に開いた凹部が形成されている。その凹部にサンプルを注入し、カバー24の内部に位置決めすると、サンプル容器32を保持しているプレート34が開口31を閉じる。その後、シール部材35の接着面の剥離紙を剥がし、シール部材35によってプレート34を被うようにシール部材35をカバー本体26に貼り付ける。これにより、シール部材35によって開口31が密閉される。
この反応容器は使い捨て可能なものであり、1つのサンプルについて分析を行なった後は反応プレート2がカバー24で覆われた状態のままでこの反応容器全体を破棄する。
分析に先立ち、サンプルは開口31からサンプル容器32に注入され、その後サンプル容器32により開口31が閉じられ、シール部材35によって開口31が密閉されることによってカバー本体26にサンプル容器32が固着されて、サンプルがこの反応容器のカバー24で覆われた空間内に導入された状態で外部と遮断される。
まず、図4に示されるように、シリンジ駆動部であるプランジャホルダ36bが下降してシリンジ22のプランジャと係合する。
続いて、図5に示されるように、チップホルダ36aも下降して分注チップ20に圧入されて分注チップ20を保持する。
続いて分注チップ20は試薬容器12へ移動させられ、フイルム14を貫通して試薬容器12から試薬を反応容器4へ分注して、反応に供される。この反応時に、必要に応じて反応容器4が外部の熱源と接触させられ、所定の温度に制御される。
図7は吸光度検出器からなる検出ユニットの例である。この場合、反応容器4は測定光の入射面と出射面となる互いに平行な一対の平面を備えていることが好ましい。
この検出ユニット38aでは光源40aからの光から反応生成物の検出に適した波長をフィルタ44a,54aにより選択し、その波長での吸光度を測定して反応生成物の検出を行なう。
この検出ユニット38bは励起光学系として光源40bと、光源40bからの光を集めていったん平行光とした後、反応容器4に集光して照射するための一対のレンズ42bと、レンズ42bで平行光とされた光線の光路に配置されて光源からの光から所定の励起光波長を選択するフィルタ44bとを備えている。また、受光光学系として光検出器48bと、反応容器4から発生する蛍光を受光し、いったん平行光とした後、集光して検出器48bに入射させる一対のレンズ52bと、レンズ52bにより平行光とされた蛍光の光路に配置され、所定の蛍光波長を選択するフィルタ54bとを備えている。ここでも、レンズ42b,52bでそれぞれの光をいったん平行光にするのは、フィルタ44b,54bにおける波長選択の精度を高めるためである。
この検出ユニット38cは、反応容器4からの発光を検出するために、光検出器48cと、反応容器4からの発光を受光して光検出器48cに導くためのレンズ52cと、集められた光から所定の発光波長を選択するフィルタ54cを備えている。
この検出ユニット38cでは反応容器4中の反応生成物からの化学発光又は生物発光による光がレンズ52cで集められ、フィルタ54cで波長が選択されて光検出器48cで検出される。
流路102,104の端にはリザーバが設けられ、分離バッファ液容器15に収容された分離バッファ液はそれらのリザーバに入れられる。
この実施例を遺伝子の分析に使用する場合の一例を示すと、試薬容器12にはPCR反応試薬を収容しておく。反応容器4はPCR反応容器となる。
電気泳動チップ100では、分注チップ20によって分離バッファ液を分離バッファ液容器15から電気泳動チップ100のリザーバを介して流路102,104に供給する。
電気泳動分離された試料成分を検出するために、処理装置には検出ユニット38dが設けられている。
ここでは、反応容器4をPCR反応容器として使用しているが、反応容器4とは別にPCR反応容器を設けてもよい。
この実施例を遺伝子の分析に使用する場合の一例を示すと、試薬容器12にはPCR反応試薬を収容しておく。反応容器4はPCR反応容器となる。
分注チップ20でプローブと結合した反応生成物を検出するために、処理装置には検出ユニット38eが設けられている。
反応プレート2cも、その表面側に、DNAチップ120においてプローブと結合した反応生成物から結合しなかった反応生成物を分離して除去するための洗浄液を収容し分注チップ20の先端で挿入可能なフィルムで封止された洗浄液容器17を備えている。試薬容器12にはPCR反応試薬を収容しておく。反応容器4はPCR反応容器となる。
図12又は図14の実施例において、DNAチップ110,120をハイブリダイズ用の領域に替えても同様に遺伝子を測定することができる。
この実施例では分注チップ20を移動可能に支持するカバーが剛性をもった素材で構成されている。カバー24aのカバー本体60は反応プレート2の上方に開口62をもち、その開口62にはその開口62の範囲内で分注チップ20を移動可能に支持するためのカバープレート64が設けられている。カバー本体60は開口部62の周辺が隙間をもつ二重構造になっており、カバープレート64はその周辺にシール材66を備え、シール材66がカバー本体60の開口部62の周辺の二重構造の隙間に挟まれてX方向に移動することにより、カバープレート64が水平面内でX方向に移動することができる。カバープレート64には分注チップ20が他のシール材68を介して垂直方向(Z方向)に摺動可能に支持されている。
80は上記の実施例に示される反応容器を表わしている。反応容器80は反応容器装着部であるテーブル82上に装着される。テーブル82は反応容器80の下面側に開口をもち、テーブル82の下部には反応容器82の反応容器4の反応生成物を光学的に検出する検出ユニット38が配置されている。テーブル82上には反応容器82の温度制御を行なう温調(温度調節)ユニット83も配置されている。反応容器の反応容器4又は別に設けた遺伝子増幅反応容器により遺伝子増幅反応を行なうものである場合には、温調ユニット83はその遺伝子増幅反応のための温度制御を行なうものとなる。また、反応容器が温度制御を必要とする分析部を備えている場合には、温調ユニット83はその分析部の温度制御を行なうものとなる。温調ユニット83はそれらの両方の機能を備えたものであるものも含む。検出ユニット38は図7〜図9に示されたものなどである。テーブル82は前後方向(X方向)に移動し、一方、検出ユニット38はそれに直交する横方向(Y方向)に移動するように支持されている。
3 基板
4 反応容器
12 試薬容器
14 フィルム
20 分注ノズル
22 シリンジのプランジャ
23 フィルタ
24 カバー
26 カバー本体
28 ベローズフィルム
32,32a サンプル容器
35 シール部材
64,64a,71 カバープレート
66,68,72 シール材
100,110,120 DNAチップ
106 電極
102 電気泳動分離用流路
Claims (11)
- 表面側にサンプルに反応を起こさせる反応容器を備えた反応プレートと、
前記反応プレートの表面側の上方に配置された分注チップと、
前記反応プレート上の表面側の上部に外部と遮断された空間を形成するとともに、前記分注チップをその先端部が前記空間の内側、基端部が外側になるようにして移動可能に支持しているカバーと、
前記空間内部に収容された、前記反応プレートとは別体のサンプル容器と、
前記カバーの一部に設けられた開口を介して外部から前記サンプル容器内にサンプルを注入するサンプル導入部と、
前記サンプル導入部が前記サンプル容器内にサンプルを注入した状態で前記開口を密閉するようにカバーに貼り付けられるシール部材と、
を備え、
前記分注チップは前記サンプル容器と前記反応容器との間で移動可能で、サンプルは前記サンプル容器から前記反応容器に分注される反応キット。 - 前記反応プレートはその表面側にサンプルの反応に使用される試薬を収容しフィルムで封止された試薬容器も備え、
前記分注チップは前記試薬容器と前記反応容器との間で移動可能で、前記試薬は前記試薬容器から前記反応容器に分注される請求項1に記載の反応キット。 - 前記分注チップは前記カバーの外側から操作するシリンジを備えており、そのシリンジの操作により分注動作を行なうものである請求項1又は2に記載の反応キット。
- 前記分注チップは先端部の内部にフィルタを備えている請求項1から3のいずれかに記載の反応キット。
- 前記反応プレートはその表面側に遺伝子増幅反応を行なう遺伝子増幅部を備えている請求項1から4のいずれかに記載の反応キット。
- 前記反応容器は底部から光学的に測定が可能なように光透過性の材質にて構成されている請求項1から5のいずれかに記載の反応キット。
- 前記反応プレートはその表面側に前記反応容器での反応生成物の分析を行なう分析部をさらに備えている請求項1から5のいずれかに記載の反応キット。
- 前記分析部は反応生成物の電気泳動分離を行なう電気泳動部である請求項7に記載の反応キット。
- 前記分析部は反応生成物に遺伝子が含まれている場合にその遺伝子と反応するプローブが配置されている領域である請求項7に記載の反応キット。
- 前記カバーは前記反応プレートと一体化された剛性をもつカバー本体と、前記カバー本体に取りつけられて反応プレートの表面側の上部に配置され、気密性をもち柔軟性のある素材によって前記分注チップを保持し移動可能に支持している上部カバー体とからなり、
前記サンプル導入部が配置される開口は前記カバー本体に設けられ、前記シール部材は前記カバー本体に貼り付けられるようになっている請求項1から9のいずれかに記載の反応キット。 - 前記カバーは前記反応プレートと一体化されたカバー本体と、前記反応プレートの表面側の上部に配置され、前記カバー本体に対してシール材により気密を保って水平面内で摺動可能に保持されたカバープレートとからなり、
前記分注チップが前記カバープレートに他のシール材により気密を保って垂直方向に摺動可能に保持されており、
前記サンプル導入部が配置される開口は前記カバー本体に設けられ、前記開口を密閉するシール部材は前記カバー本体に貼り付けられるようになっている請求項1から9のいずれかに記載の反応キット。
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