JP2003329681A - 生体試料検査装置 - Google Patents

生体試料検査装置

Info

Publication number
JP2003329681A
JP2003329681A JP2002138729A JP2002138729A JP2003329681A JP 2003329681 A JP2003329681 A JP 2003329681A JP 2002138729 A JP2002138729 A JP 2002138729A JP 2002138729 A JP2002138729 A JP 2002138729A JP 2003329681 A JP2003329681 A JP 2003329681A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pixel
reaction
biological sample
sample
reaction tank
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002138729A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3641619B2 (ja
Inventor
Yoshiaki Yazawa
義昭 矢澤
Hideki Kanbara
秀記 神原
Masao Kamahori
政男 釜堀
Kunio Harada
邦男 原田
Kazunobu Okano
和宣 岡野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2002138729A priority Critical patent/JP3641619B2/ja
Priority to US10/338,899 priority patent/US7163822B2/en
Publication of JP2003329681A publication Critical patent/JP2003329681A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3641619B2 publication Critical patent/JP3641619B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6813Hybridisation assays
    • C12Q1/6816Hybridisation assays characterised by the detection means
    • C12Q1/6825Nucleic acid detection involving sensors
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6813Hybridisation assays
    • C12Q1/6827Hybridisation assays for detection of mutation or polymorphism
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S435/00Chemistry: molecular biology and microbiology
    • Y10S435/808Optical sensing apparatus

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)
  • Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 遺伝子検査を安価、簡便に行うために、小
型、高感度、低コストの遺伝子検査装置を実現する手段
を提供する。 【解決手段】 生体試料検査装置用光センサアレイにお
いて同時に2個のピクセルを選択する手段を備え、夫々
の信号の差動出力をとることにより微小な化学発光を検
出する。 【効果】 安価、小型、高感度の遺伝子検査装置を提供
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はDNA検出、遺伝子診
断、一塩基変異検出などDNAの検出、遺伝子のタイピン
グあるいはタンパク質やATPなどの生体物質検出装置シ
ステムに関する。
【0002】
【従来の技術】ヒトゲノム配列解析がほぼ完了し、遺伝
子情報を診断など医療分野に活用しようとする動きが活
発化している。ゲノム配列解析に続いて注目されている
のは遺伝子発現プロフィール分析や遺伝子中の1塩基置
換(SNPs:single nucleotidepolymorphisms)の分析で
ある。種々条件下で発現している遺伝子を調べたり、種
々固体の遺伝子変異を調べたりすることで遺伝子の機能
や遺伝子と病気あるいは医薬品感受性との関連が調べら
れている。また、これらの蓄積された遺伝子に関する知
識を用いて病気の診断などが行われつつある。
【0003】病気の診断では未知遺伝子の解析と異な
り、既に知られた遺伝子やその変異の有無が検査対象で
ある。これには安いコストで検査できることが望まし
く、種々の方法が開発されている。医療診断では単一の
遺伝子による病気の診断から種々遺伝子と環境が影響し
て起こる病気や医薬品に対する感受性に関連した複数の
遺伝子の検査が重要になりつつある。ここでは何種類も
の遺伝子を同時に検査することが重要である。従って一
つの遺伝子や変異を検査するのでなく複数の遺伝子を検
査する必要があり、遺伝子の検査部位の増幅プロセスを
含めて安価にSNPsなどを測定するシステムが求められて
いる。SNPs分析や遺伝子のプローブ検査に使用できるシ
ステムとしては、Invader assay (Science 260, 778(19
93)), Taqmanassay(J. Clin. Microbiol.34, 2933(19
96)), DNA マイクロアレイ(Nature Gent. 18, 91(19
98), pyrosequencing(Science281, 363(1998)) など
が報告されている。前3者は蛍光標識を用いた検出シス
テムであり、励起レーザ光源と光検出システムを持つ。
一方、pyrosequencingは段階的相補鎖合成と化学発光を
用いたシステムで、微量の核酸基質を順次注入するシス
テムと光検出システムを持ち、励起光源を必要としな
い。
【0004】図1に従来法を用いた化学発光の測定装置
の構成例を示す。試料プレート100上の複数の反応槽101
からの発光検出する機構として検出器260として例えば
光電子増倍管を用いる。試料DNAの入った容器133からピ
ペット135により試料プレート100の各反応槽101に試料
が分注される。次いで複数の測定項目に対応するプライ
マーを含む試薬溶液を容器131からピペット134によって
分注する。異なる試薬の混入防止のためピペット134は
容器132の洗浄液で洗浄される。試薬と試料のマッチン
グに応じて反応槽で誘起される発光を検出するため移動
機構136により検出器260が反応槽をスキャンする。ここ
では検出器あるいは試料プレートを移動させる機構が不
可欠であるため、装置の小型化、低コスト化、高スルー
プット化が困難であった。
【0005】微弱光を計測する光検出器としては光電子
増倍管、電荷結合素子(CCD)やMOS型半導体センサなど
が一般に多く使用される。光電子増倍管は大きな利得が
得られるが高電圧が必要な上、集積化が困難であること
から小型の装置には適さない。一方、半導体センサは大
規模な集積化が可能な上、低電圧、低電流で動作するた
め装置の小型化に適している。半導体センサは、製造プ
ロセスが複雑で集積化には適しないアバランシェフォト
ダイオードの場合は別として、一般に利用されるCCDや
フォトダイオードの量子効率は高々1であり、光電子増
倍管に比べて低い。S/N比を向上するためには化学発光
を効率的に利用する方策が必要である。
【0006】生体試料からの発光計測においては、バッ
クグラウンド光強度の高い測定条件下で目的信号だけを
増幅することが必要とされる。また、検出器としてフォ
トダイオードを用い、電荷蓄積方式で測定する場合は1
〜5V程度の充電電位からの電位減少分が信号出力とな
るため、微小信号に対して大きな増幅をするには増幅器
の飽和を避けるために、充電電位をキャンセルするため
の機構が必要になる。こうした必要性から、目的試料か
らの信号とともに参照信号を測定し、これらの差動増幅
を行ってS/N比を向上する手法が用いられる。このと
き、試料プレート上の特定の場所を定めてコントロール
ピクセルとし、これを基準として目的サンプルからの信
号の差動増幅をとる方式、あるいはセンサに光を照射し
ない状態で信号を読み取りこれを一時記録用キャパシタ
に蓄積し次に信号光を照射して先に蓄積した信号との間
で差動増幅をとる方式(IEEE Transactions on electron
devices vol.41, 452(1994))がある。前者の方式では
コントロールピクセルの選択において柔軟性がなく、異
なる複数試料からの相対発光強度を測定するには使い勝
手の点で難点があり、後者については数秒にわたる信号
蓄積に対しても電荷を保持できるキャパシタの形成や暗
電流変動の影響を排除して高い測定精度を得ることが困
難であった。そこでこれらの課題を解決するより高度な
補正方法が必要とされていた。
【0007】高スループット計測の実現は、SNP等DNA診
断の利用拡大に向けて必須である。そこで複数項目の同
時計測は有力であるが、化学発光を利用した測定では従
来、試料プレート上の各反応槽について一種類の試料と
プローブの反応が行なわれており、多数の検査項目や多
数の試料について高スループットを得ることが困難であ
った。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】医療診断のためのDNA
検査システムとしては(1)必要とする試料が少量で、
試薬のコストが安いこと、(2)同時に複数のDNA部位
の検査ができること、(3)1塩基の変異を識別検出で
きること、(4)信号検出装置が小型かつ低コストであ
ること、が必要である。
【0009】多くの部位を検査できるDNAマイクロアレ
イを利用した検出システムにおいては一般に蛍光分析法
が用いられる。そこでは信号検出部はレーザあるいはハ
ロゲンランプ等の励起光源、蛍光検出部、光学系及び試
料台の移動機構からなるが、励起光源と関連する光学系
は検出部を小型化する上で大きな障害となる。先に提案
されているpyrosequence法あるいはBAMPER (biolumino
metric assay with modified primer extension reacti
ons)法(Nucleic Acid Research vol.29, e93(2001))
等の化学発光による検出法は励起のための光源を必要と
せず、検出部の小型化が可能である。例えばBAMPER法に
よるSNPs検出フローを図2に示す。ターゲット301に野
生型プローブDNA302及び変異型プローブDNA304をハイブ
リダイズせしめ、ターゲットが野生型かあるいは変異型
かによって相補鎖合成が進行したり303、しなかったり
させる(あるいはその逆)ものである。相補鎖合成に伴
って生成されるピロリン酸307をATPに変え、ルシフェリ
ンとの反応による化学発光を測定するものである。これ
は非常に簡便な方法であるが、検出器については従来同
様、高感度が要求されていた。信号検出手段としては光
電子増倍管や冷却CCD(電荷結合素子)がすでに広く用
いられているが、高い感度を維持しながら低価格化や小
型化を図ることが困難であった。その上、従来の信号検
出方法では2つの試料間のわずかな信号強度の差を正確
に測定するにはそれぞれの信号を別々に測定した後、そ
の測定値を比較する手順が必要であった。これらの課題
を解決するために、簡便、高速に2つの試料間の信号を
高感度の測定ができる新しい方法及び検査システムが望
まれていた。また、複数項目の同時測定によって高スル
ープットの検査を実現するため、同時に多数の検査項目
あるいは試料を簡便に処理できる構造が望まれていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】これらの課題を解決する
手段として、(1)複数の試料からの発光を効率よく捕
捉するためにフォトダイオードアレイで光検出器を構成
して夫々の生体試料と光検出器のピクセルを一対一に対
応させ、かつ試料プレートに密着して配置した構造、
(2)試料固有の微弱発光を正確に測定するため、任意
のピクセルを選んで出力の差動増幅を行うためのピクセ
ル選択手段として2個以上のデコーダーを備え、目的試
料からの発光信号とコントロール試料からの発光信号を
同時に検出して、その検出信号を差動増幅する機構、
(3)少量の試料で迅速な測定を実現するために試料を
入れる試料プレート上の各反応槽の中に小さな区画を複
数設けてサブセルとして一回の試料分注により異なるプ
ローブとの反応を行う機構、を特徴的に取り入れた。
【0011】複数個の試料からの発光を高感度で検出す
る従来の装置では、検出器として光電子増倍管を用い、
試料プレートあるいは受光光学系を移動して試料プレー
ト上の反応槽と受光部を順次光学的に結合させて信号を
読み出している。DNAを対象とした計測ではマイクロア
レイをはじめとして蛍光が多く用いられ、励起光が必要
となる。励起光は信号光検出に対してはバックグランド
ノイズとなるため、これを除去するために光センサの前
にはフィルタや分光器などを設置する必要があり、検出
器と試料の間には一定のスペースを確保せねばならなか
った。
【0012】これに対し、化学発光による検査法は励起
光が不要なため光学系が大幅に単純化できる上に光セン
サと試料を近接させることができる。化学発光による検
出法として、例えばBAMPER法があり、これはターゲット
にプローブDNAをハイブリダイズせしめ、ターゲットが
野生型であるかあるいは変異型であるかによって相補鎖
合成が進行したり、しなかったりさせる(あるいはその
逆)。相補鎖合成が起こった場合に生成されるピロリン
酸をATPに変え、ルシフェリンと反応させて化学発光を
得てこれを計測するものである。本発明では、複数の光
センサが集積された光センサアレイを用い、前記反応槽
と光センサアレイのピクセルとが垂直方向で1対1に対
応するように、前記試料プレートと前記光センサアレイ
基板とを固定する。これに密着して配置された反応槽内
で生成する光を、選択された前記ピクセルの前記光セン
サによって読出す構造を提供する。これにより試料プレ
ートあるいは光学系の移動機構が不要になり、装置は大
幅に単純化される。更に試料と光センサの光結合が強く
なり、検出感度を向上することができる。
【0013】複数の光センサが集積された光センサアレ
イを用い、目的試料とコントロール試料からの発光の差
を増幅することで実効的な測定感度を大幅に向上するこ
とができる。化学発光による遺伝子検査では、試料間の
微小な差異を高精度に検出することが要求される。そこ
で試料プレート上の任意位置の試料ピクセルとコントロ
ールピクセルを同時に選択し、両者の信号の間で差動増
幅を行う構成を開示する。ここでは目的試料の信号を検
出するピクセルを選択するデコーダー(Sデコーダーと
呼ぶ)及びコントロール試料の信号を検出するピクセル
を選択するデコーダー(Cデコーダーと呼ぶ)、からな
る2個の独立したデコーダーを搭載した光センサアレイ
を用い、目的試料に対応するピクセルからの信号とコン
トロール試料に対応するピクセルからの信号をそれぞれ
独立の信号線に出力する。これにより、選択セル間の共
通のオフセット成分をキャンセルでき、高倍率増幅を可
能にすることによって、微弱光の検出感度を向上でき
る。 BAMPER法は非常に簡便な方法であるが、多数のDN
A部位を検査するときにはそれぞれの部位を独立に測定
するので省力化に向けた改良が必要であった。すなわち
種々のプローブ領域を同時に簡便に検査できるようにす
る必要があった。本発明はこれを解決するために、反応
槽の中に複数の小さなサブ反応セルを設けて測定対象の
種々DNA部位毎に行うシステムを提供する。ハイブリダ
イゼーション反応は一括して行うが、相補鎖合成反応と
複数反応による発光反応を同時に、しかし区別して行う
システムを実現するものである。各サブセルには異なる
プローブあるいはターゲットが保持され、ターゲットあ
るいはプローブのハイブリダイゼーションに続いて相補
鎖合成反応が進行する。この相補鎖合成反応は各セル毎
にほぼ孤立した状態で行われる。そのために、相補鎖合
成とそれに伴う化学発光反応液はセルの外には漏れない
構造あるいは条件で使用される。相補鎖合成反応の副産
物として生成したピロリン酸(ppi; inorganic pyropho
sphate)が他のセルへ流入するとどこで相補鎖合成が起
こったか、すなわちターゲットがあったのか否か分から
なくなってしまう。ターゲットをハイブリダイズさせる
ときにはターゲットを含む液は全てのセルの間を行き来
できるがハイブリダイゼーション後にサブセルはそれぞ
れ隔離された状態として相補鎖合成を進行させる。これ
はサブセルの上部に分離板を密着させることにより行
う。それぞれのサブセルからの化学発光を区別して検出
し、複数のDNA部位の検査を同時に行う。
【0014】
【発明の実施の形態】本説明では、最初に複数のターゲ
ット領域あるいはDNAを同時に検査する化学発光検出に
おいて有効な高感度、小型の検出装置の構成を開示す
る。ここでは反応槽と光検出器のピクセルを1対1に対
応させ、密着して配置することにより検出系の感度向上
と装置の小型化を図る手段を開示する。次に塩基の伸長
反応に伴う発光信号を高い検出感度で測定するため、光
センサアレイとして2系統のピクセル選択手段を備え、
片方をコントロールピクセル、他方を目的試料を選択さ
せて、同時に2個のピクセルの信号を出力してその差動
出力をとることにより、真に塩基伸長すなわち遺伝子変
異に基づく信号を抽出する手段を示す。
【0015】最後に多くのターゲット領域あるいはDNA
を同時に検査する時にはターゲット毎にPCR増幅し、1
本鎖DNAとした後、各反応セルに注入してBAMPERの測定
を行うシステムを開示する。すなわち従来はターゲット
の数だけBAMPERあるいはSNPsの測定をする必要があっ
た。ここではターゲットの増幅を同時に行い、複数のタ
ーゲットが混合状態にあるサンプルからそれぞれのSNPs
を測定する手段を明らかにする。
【0016】(実施例1)図3(A)は本発明の実施例
を示す試料プレートと光センサアレイの断面図である。
複数の反応槽とピクセルを1対1させ、互いに近接して
配置している。ここで試料プレート100はガラス基板上
に複数個の反応槽直径(2mm、深さ2mm)101a-cを形成し
たものである。反応槽の底面は透明で、試料から発した
光の一部は試料プレートの下に配置された光センサアレ
イに到達する。光センサアレイ200はシリコン基板上に
形成されたフォトダイオード210a-cによって構成され
る。ここでフォトダイオードと反応槽の位置関係が重要
となる。従来、DNA検査装置では蛍光標識による測定が
多く利用され、そこでは励起光が必要であった。励起光
強度に比較して信号である蛍光は微弱なため、励起光の
影響を除去するためにフィルタあるいは分光装置を試料
と光検出器の間に設置する必要があった。これに対し、
化学発光による検出系では励起光を除く光学系が不要で
あり、試料と検出器の距離を最小限にすることができ
る。図4は試料プレート100とフォトダイオードアレイ2
01を密着させた構造の鳥瞰図を示す。フォトダイオード
アレイ201は図4(B)に示すように透明キャップ251で
封止されたパッケージ250に収められ、試料プレート100
は透明キャップ251に密着して配置されている(図4
(C))。光の強度は光源からの距離の2乗に反比例し
て減衰し、反応槽の光が隣のピクセルに到達する比率は
試料プレートと光センサの距離とともに増加する。従っ
て、フォトダイオードアレイと試料プレートの距離は短
いことが望ましい。ただし、距離の短縮にあたってはフ
ォトダイオードアレイのパッケージ実装上の制限と、試
料からの静電的ノイズによる制限を考慮せねばならな
い。フォトダイオードアレイ上の電極パッドとパッケー
ジピン253の間はワイヤボンディング252によって接続さ
れ、ボンディング工程におけるワイヤ形状ばらつきを考
慮して約1mmのスペースが必要である。静電ノイズは反
応溶液300とフォトダイオード210の静電結合に起因し、
結合の強さは距離の逆数の2乗に比例して増加する。こ
れは距離を拡大することで回避できるが、ここでは、光
センサアレイ251を収納するパッケージ250の透明キャッ
プ251の表面に導電膜を形成してシールド効果によって
フォトダイオードの雑音を低減する手段をとった。具体
的には厚さ1mmの透明キャップ251表面に厚さ120-160n
m、抵抗率2x10-4Ωcmの酸化インジウムスズ膜(I
TO)を抵抗加熱型蒸着装置により基板温度300℃で蒸
着する。光センサアレイのパッケージを装置に取り付け
る際にこれを接地電位に接続することにより、直接試料
プレート100を載せても静電的な結合による雑音を抑制
することができる。図4に示す様にフォトダイオードア
レイ201のパッケージングにおいては、ボンディングワ
イヤ252のスペース、あるいはフォトダイオード201とキ
ャップ251とのスペースが必要である。これらのスペー
スについて素子信頼性、製造歩留まりの観点から一定の
値を確保する必要がある一方、感度を確保してクロスト
ークを抑制するには極力近接させることが望ましい。図
5(A)に示すような縦横寸法がそれぞれa、bの長方
形の受光部が、その一頂点からhの距離だけ離れた点光
源Sに対して張る立体角は次式で表される。 (ハンス・
ユルゲン・ヘンシェル 森礼於訳「光と照明」日本理工
学出版会(1994)) Ωab = 4sin-1((ab/h2)/(√(1+(a/h)2 √(1+(b/h)2))Ω
0 Ω0:単位立体角(=1sr)
【0017】図5(B)は上式を用いて計算した光源直
下においた一辺2mmの正方形受光部の張る立体角Ω0及び
3mm周期で配置された隣の受光部(一辺2mm正方形)の張
る立体角Ω1の距離hとの関係を示すグラフである。ここ
では光源Sを受光部対角線の交点の真上に置き、対称性
からxy平面の一象限に張る角度Ω0/4を計算してこれ
を4倍している。隣接の受光部に対してはy軸に対する
対称性からΩ1/2を計算してこれを2倍した。距離hが1m
mのとき、光源S(反応槽の中心に対応)から受光部(ピ
クセル)を見込む立体角Ω0は約2.1srとなり、等方的な
点光源からの全放射に対するピクセル到達光の割合は1
6.7%(=2.1/4π)となる。距離hを3mmとするとピクセル
を見込む立体角は0.4sr、到達光の割合は3.2%(=0.4/4
π)となり、高感度実現の観点からセンサと試料の距離
をこれ以上拡大するのは好ましくない。光源Sに対して
隣接するピクセルが張る立体角Ω1は図5(B)に示す
ように(10倍にして表示)、距離hとともに増大し2mm
付近でピークをとった後、hとともに減少する。隣の反
応槽からの光に対するクロストークをノイズとみて、直
上の反応槽からの光に対する応答との比をS/Nとして図
5(B)に示した。距離hが4mmを超えるとS/Nは2よりも
小さくなり、直上の反応槽からの信号は隣の反応槽から
の信号の2倍以下になってしまう。そこでピクセルと試
料プレートの距離は3mm以下の距離になるように試料プ
レートの保持機構を設計した。
【0018】上記構成によって化学反応によって発生し
た光を検出するための光センサアレイと試料プレートの
構成を検出装置に応用した実施例を図6(A)に示す。
直径2mmの反応槽に合わせてフォトダイオード受光部の
形状は2mm角とした。光センサアレイ200の各ピクセルと
試料プレート100の反応槽を1対1に対応させて固定
し、その距離は3mm以下に設定している。検出器あるい
は試料プレート100の移動機構が省略されて小型化、低
コスト化が可能になる。また、試料プレート100と検出
器の距離が大幅に低減されるため、検出感度を向上する
ことができる。図6(B)は試料プレート100と光セン
サアレイ200の間に光学系を挿入して固定した例を示
す。反応槽から拡散する光を対応するピクセルに集める
ような光学系120の付加により、反応槽とピクセルの光
結合を向上すると同時に隣接するピクセルへのクロスト
ークを減少させることができる。
【0019】(実施例2)図3(B)は2個のピクセル
選択回路を備えた光センサアレイのブロック図を示す。
図7は光センサアレイの回路構成図である。受光部202
とこれをリセットしたり信号転送する機構を1ユニット
210(以下ピクセルと呼ぶ)として複数のピクセルが同
一シリコン基板上に集積されている。図3(B)では36
個のピクセルが集積され、各ピクセルはフォトダイオー
ド202、リセット用MOSトランジスタ211、読出し用MOSト
ランジスタ212、ピクセル選択用MOSトランジスタ213、2
14から構成されている。各ピクセルは目的ピクセル選択
用デコーダー(Sデコーダー)204とコントロールピクセ
ル選択用デコーダー(Cデコーダー)205によって独立に
選択されてそれぞれのデコーダーに対応する出力端20
7、208に信号が出力される。
【0020】従来、ピクセルを選択して出力端に信号を
出力する手段としてシフトレジスタが多く用いられてき
た(IEEE J. Solid-state circuits vol.9, 1(197
4))。これはトリガパルスによって起動される時系列的
に決まった順序、決まった時間間隔でピクセル選択信号
を発生するものである。多数のピクセルが搭載されたイ
メージセンサについて制御信号が少なくできる、回路構
成をコンパクトにできる、等の利点がある。本発明にお
いてシフトレジスタを適用することも可能であるが、こ
こではランダムにピクセルを選択できるデコーダーを用
いた例(IEEE Transactions on electron devices vol.
38, 1772(1991)、IEEE Transaction on electron devic
es vol.44, 1716(1997))を適用した実施例を説明す
る。分析装置向けのセンサアレイでは各ピクセルの信号
間演算、読出し順序や時間間隔設定の柔軟性が要求され
るが、デコーダーの適用によってこうした要求に応える
ことができる。分析検査用途のセンサアレイではピクセ
ル数が比較的少なく、制御信号数や回路規模が過大にな
ることはない。本実施例の特徴は2個のデコーダーを備
え、同時に2個のピクセルを選択してその出力を差動増
幅することにある。これによって各ピクセル固有の固定
パターンノイズや暗電流、電源変動、試料からのバック
グラウンドの影響を排除し、高感度での信号検出が可能
となる。
【0021】図7(A)は本発明の回路構成について実
施例を示すものである。36個のピクセルのランダムに選
択するため、Sデコーダー204とCデコーダー205には夫々
AS0-5 235及びAR0-5 236までの6ビットずつのアドレス
が与えられる。図7(A)及び(B)はピクセルの構成
を示す。図7(A)はリセットMOSとしてnチャネルMOS
を利用したもの、図7(B)はリセットMOSとしてpチ
ャネルMOSを利用したものである。後者については実施
例4で説明することとし、ここでは前者について説明す
る。各ピクセルはフォトダイオード202、リセットMOS21
1a、読出しMOS 212、選択MOS 213、214はnチャネルMOS
から構成されている。図8は各デコーダー204、205で選
択される目的試料ピクセルとコントロール試料ピクセル
が選択され、それぞれの信号が出力される経路を示すも
のである。Sデコーダー204によって選択MOS 213-1がオ
ン状態となったピクセルは目的試料ピクセルとなり、C
デコーダー205によって選択MOS 214-2がオン状態となっ
たピクセルがコントロール試料ピクセルとなる。すべて
のピクセルが目的試料信号出力線SGLout 220接続された
選択MOS213とコントロール試料信号出力線CTLout 221に
接続された選択MOS214を備えており、2つのデコーダー
出力により目的試料あるいはコントロール試料への対応
を自由に設定することができる。図9はSデコーダーの
一構成例である。AS0-5の6ビットのアドレス信号によ
りピクセルをランダムに選択することができる。6ビッ
トの信号によれば64個のピクセル選択が可能だが、その
一部を使って36個のピクセルを選択する。ここでは64の
アドレス空間を16個ずつの4つに分割し、3入力NANDゲ
ート239、2入力NORゲート240によりデコードを行って
いる。目的試料ピクセルを選択する信号237aはバッファ
回路241で駆動され、各ピクセルに送られる。Cデコーダ
ーについても図8と同様な構成を用いることができる。
図10に本発明による光センサアレイの動作タイミング
チャートの一例を示す。タイミングの説明では簡単のた
めにピクセル数は2個とした。このときAS, ARのアドレ
スはそれぞれ1ビットなり、"H"と"L"で2個のピクセル
を選択する。各ピクセルのフォトダイオードのリセット
と読出しのタイミングはφselとφresによって制御され
る。すなわちリセット時にはφresがON状態("H"とす
る)、φselがOFF状態("L"とする)になり、アドレスA
S及びARにしたがってSデコーダー及びCデコーダーで選
択されたフォトダイオードが、リセットMOS 211を介し
てあらかじめ設定されたVpdの電圧まで充電(リセッ
ト)される。アドレスAS及びARが非選択になると、フォ
トダイオードは電荷蓄積モードに入り、試料からの信号
光を捉えて蓄積を開始する。時間経過とともにPD(1)あ
るいはPD(2)のノードの電位は図10に示すように入射
した光量に応じてリセット電位Vpdから減少し始める。
信号蓄積時間Tssの後、φresが"L"φselが"H"になり、A
S、ARによってピクセルが選択されると信号読取りモー
ドとなる。各ピクセルに設けられ、Sデコーダー及びCデ
コーダーに接続された選択用MOS 213及び214によってピ
クセルの信号すなわちノードPD(n1)、PD(n2)の電位は共
通の出力線SGLout 220及びCTLout 221に出力される。こ
うしてノードPD(n1)、PD(n2)の電圧減少分を読み取るこ
とによって光量を計測することができる。
【0022】ピクセルを構成する各素子の作製例ついて
述べる。シリコン基板(p型、抵抗率10Ωcm)上にn型
の拡散層によりpn接合を形成してフォトダイオードと
する。受光面となるn型層の形状は反応セルの大きさ
(直径2mm)に合わせて2mm角とする。リセット用のn型
MOSトランジスタ211はソース電極をフォトダイオードの
カソード(n型)に接続し、ドレインを前記Vpdに接続
し、Vpdは2.6Vに設定する。ゲート幅/ゲート長(W/
L)はフォトダイオードの充電時間(リセット時間)が1
0μs以下となるように、1200μm/0.6μmに設定する。フ
ォトダイオードのカソード電位を読出すためのソースフ
ォロワを構成するn型MOSジスタ212の設計サイズはW/L=
4000μm/2.0μmとし、Wについてはコンダクタンスを大
きくして熱雑音の低減、Lについては最小設計ルールよ
りも大きく設定して1/f雑音の低減を図っている。ピク
セル選択用のn型MOSトランジスタ213、214については
ソースフォロワ回路における寄生抵抗の効果が出ないよ
うに留意してW/L=100μm/0.6μmとした。
【0023】他の実施例として、2個を超えるデコーダ
ーを具備し、同時に2個を超えるピクセルを選択してそ
れらの間での演算や平均化処理、ノイズ処理を行うこと
によってより高度の機能を実現することが可能である。
【0024】(実施例3)図11(A)は目的ピクセル
選択用デコーダー(Sデコーダー)204とコントロールピ
クセル選択用デコーダーに対応する出力線220と221を介
して信号が出力される部分の構成例を示す。目的ピクセ
ル信号用の出力線220、コントロールピクセル信号用の
出力線221にそれぞれ、電流源412と413を接続し、例え
ば電流をまず2mAに設定する。2つの出力線は差動増幅
器401の入力端子に接続され、差動増幅器の出力はサン
プルホールド回路に接続され、その出力はADコンバー
タ403を経て制御用コンピュータ404に読み込まれる。目
的試料からの発光を計測する前に、目的試料を発光させ
ない状態、例えば発光基質となるルシフェリンを加えな
い状態で目的試料とコントロール試料を同時に測定して
両者の出力差を例えば1mV以下になる様に電流源412、4
13の設定値を補正する。この補正によって差動増幅器の
利得を1000としても暗状態の差動出力は1V以下であり
出力を飽和させることなく、入力に対して出力の線型性
を保持することができる。これにより製造上避けられな
いMOSトランジスタ特性のばらつきや配線抵抗の差に起
因するノイズを除去することができ、高い倍率での差動
増幅が可能となり、微小信号の検出が可能になる。
【0025】図11(B)は電流源の1構成例を示す。
電源と接地電位の間にMOSトランジスタ415と416を接続
し、415のゲートをドレインに接続してダイオード動作
をさせ、416のゲート電位を調整することによりコンダ
クタンスを可変にする。415と416の接続点にMOSトラン
ジスタ414のゲートを接続する。ここでMOSトランジスタ
416のゲート電位を変化させることで電流源となるMOSト
ランジスタ414に流れる電流を変化させてオフセット補
正を行う。他の方法を図11(C)に示す。ここではソ
ースフォロワの負荷抵抗として、素子に与える信号によ
って抵抗値を変えられる電子可変型のポテンショメータ
417、418(例えばAnalog Devices社製AD8403)を用い
る。前記の補正操作において各ピクセルの暗状態におけ
る信号を記録し、各ピクセル間の暗状態出力が一定にな
るように上記ポテンショメータの値をピクセル毎に変化
させ、資料からの発光を開始する試薬注入をする前の状
態において差動増幅器の出力がゼロになるように調整す
る。
【0026】図7(A)の光センサアレイに図11
(C)の電流源を適用した検出装置による化学発光計測
の実施例を示す。ここでは次の反応式で示される様に、
ルシフェリンがATPとルシフェラーゼの存在下で酸化さ
れて発光する系を用いた。
【0027】
【数1】
【0028】具体的には緩衝液(10 mM Tris-acetate b
uffer, pH7.75)中にルシフェリン(0.1μg/μL)とル
シフェラーゼ(0.5, 1.0及び 2.0 μg/μL)が溶解され
た基質溶液として、ここにATP溶液(2×10-7M, 0.05μ
L)を添加した。図12に化学発光の時間変化を示す。A
TP添加により前記反応式にしたがって発光が観測され
る。信号蓄積時間Tssを1秒として発光の経時変化を観
測することにより、ルシフェラーゼの濃度依存性を得る
ことができた。
【0029】(実施例4)図7(A)においてフォトダ
イオードをリセットするためのMOSトランジスタ211とし
てpチャネル型MOSを採用することによりリセット時間
を高速化することができる。図7(B)の様にnチャネ
ル型MOSトランジスタ211aを用いた場合、フォトダイオ
ードが充電されて回路上のノードPD(2)がVpdに近づ
くとシリコン基板に対してソースが逆方向にバイアスさ
れる効果により、リセットMOSトランジスタの閾値電圧
が増加してMOSのオン抵抗が上昇する。その結果、フォ
トダイオードを所定電位Vpdにまで充電する時定数が増
加する。図7(C)に示すようにpチャネル型MOSトラ
ンジスタ211bの採用により基板バイアス効果が排除で
き、高速でのリセットが可能になる。
【0030】(実施例5)本発明を適用した検査装置に
よる測定の実施例を図12に示す。図13(A1-3)は3
6個の反応槽を備えた試料プレート100に各種試料を入れ
る方法を示している。図において白色の反応槽103にはS
NPsタイピングしようとする目的試料が、斜線で施した
反応槽104はコントロール試料が、それぞれ入ってい
る。多種の試料の測定にあたっては試料や試薬の特性に
応じてオフセット補正をする必要がある。比較的信号強
度が強い試料や、バックグラウンド光が弱い試料では図
13(A-1)に示すように一つコントロール試料を試
料プレート毎に共通にして使用し、多くの試料を同時に
検査する。異なる検出項目、特にバックグラウンド光の
レベルが検出項目毎に異なる場合には図13(A-2)
の様に6種の検出項目について1個のコントロール試料
をおいてオフセット補正を行う。特に信号が弱く測定条
件に敏感な試料については図13(A-3)の様に目的
試料の反応槽に近接するところにコントロール試料を入
れてオフセットを補正することにより、高い精度での測
定が可能になる。本発明によれば目的試料とコントロー
ル試料の選択を柔軟にできるため図13(B)に示す様
に多種の試料や測定項目について効率的にオフセット補
正が可能となり、高い測定精度を維持しながらスループ
ットを向上することが可能になる。
【0031】本発明は遺伝子検査システムあるいはDNA
システムに関するものである。そこで利用する試料調製
のプロセスについて具体的に説明する。もちろん試料調
整方法はここで開示した限りではない。図14は血液か
らゲノムを抽出して、検査対象である複数のターゲット
領域をPCR増幅するプロセスまでを示している。ターゲ
ットとなるDNAが得られた後は図2に示した手順によりD
NA検査が行なわれる。
【0032】まず、血液からゲノムDNAを抜き出す。こ
れには市販のDNA抽出装置あるいは抽出試薬キットなど
が使用される。まず、全血2mLに50mMのNaCl溶液18mLを
添加して赤血球を溶血させる。4℃の条件で3500rpmで1
5分間遠心して沈殿を得る。得られた沈殿を50mMのNaCl
溶液で洗浄し、白血球分画を得る。DNAzol(GBCO BRL)
1mL添加し、細胞壁を溶解する。18Gの注射針付きのシリ
ンジで溶液を出し入れしてゲノムDNAを短く切断する。
遠心して不要物を除く。エタノール0.5mLと添加し攪拌
後、遠心してゲノムDNAを回収する。70%エタノールで
リンス後、400μLの水を添加し65℃で溶解する。10mg/m
LのRnase Aを8μL添加し37℃2時間インキュベートして
RNAを分解する。フェノール・クロロホルム・アミルア
ルコール混合液を400μL添加し、酵素を失活させる。プ
ロパノ−ル沈殿操作によりゲノムDNAを回収する。0.5×
TE(pH8.0)200μLに溶解する。この操作でほぼ100μg
/mLのゲノムDNA溶液を得る。抽出されたゲノムDNA 311
を鋳型として、測定対象部位ごとにPCRプライマーを用
意し、ゲノムを対象としてマルチプルPCRを行っても良
い。しかし、プライマーの配列が異なることによりハイ
ブリダイゼーション効率が異なり、同時に種々のDNAをP
CRで増やすことはしばしば困難である。ここでは確実に
マルチプルPCRが行える一つの方法を採用するが他の方
法でも良い。測定対象の種々DNA部位の5'側にアンカー
配列を持つプライマーセット341をゲノムDNA311にハイ
ブリダイズさせ相補鎖合成を行う。プライマーセット34
1は5'末端に共通のアンカー配列313を持ち、測定対象毎
に異なる配列315-1,315-2,・・・,315-nを共通アンカー
配列313の3'末端側にもつプライマー群からなるプライ
マーセットである。具体的には、ゲノムDNA試料1μLに
キアゲン社のHotStarTaq添付の10×PCR緩衝液5μL、5mM
のdNTPを2μL、プライマー341(1pmol/μL)5μL、水
37μL、HotStarTaq 0.25μLを添加し、95℃10分間加熱
後、57℃で30秒間、72℃で60秒間のステップを5回繰り
返し、特定DNA領域を増幅する。プライマー341はターゲ
ットとなる測定対象毎に特異的な配列を持っているが、
5'末端に共通のアンカー配列313を持つ。相補鎖合成
後、余剰なプライマーを除去する。プライマー同士が反
応して不要なDNA産物を作ることを防止するためであ
る。除去方法としては、分画分子量10万ダルトンの限外
ろ過膜を有するスピンカラム(ミリポア社のウルトラフ
リーC3)を用いた。反応試料溶液全量50μLをスピンカ
ラムにのせ、3000gで3分間遠心する。10mM Tris-HCl
(pH8.0)、1mM EDTAの緩衝液100μLを加え、同様に遠
心を行う。限外ろ過膜を同じ緩衝液50μLでよくリンス
し、限外ろ過膜上に残っているゲノムDNA311と合成相補
鎖317を回収する。相補鎖伸長したDNA鎖317はゲノム311
にハイブリダイズした状態なのでゲノムと共に限外ろ過
で回収できる。昇温して合成相補鎖317を遊離させる。
測定しようとする部位を挟むようにしてプライマー342
をハイブリダイズさせ上記反応条件と同様にHotStarTaq
を用いて相補鎖合成を行う。
【0033】あるいは、プライマー341の5'末端にビオ
チンを標識しておき、相補鎖317合成後、相補鎖合成で
得た2本鎖DNA鎖をビオチンーアビジン結合を利用して
アビジン付きの磁気ビーズで分離して合成相補鎖317を
回収しても良い。すなわち、上記で調製したゲノムDNA3
11試料1μLにキアゲン社のHotStarTaq添付の10×PCR緩
衝液5μL、5mMのdNTPを2μL、ビオチン化したプライマ
ー341(1pmol/μL)5μL、水37μL、HotStarTaq 0.25
μLを添加し、95℃10分間加熱後、94℃で30秒間、57℃
で30秒間、72℃で60秒間のステップを5回繰り返し、特
定DNA領域を増幅する。PCR産物(200〜500fmol)に磁
気ビーズであるDynabeades (M280) Streptavidin (Dyn
al, 6.7×108 beads/mL)1μLと2M NaCl、1mM EDT
A、0.02%NP-40、10 mM Tris・HCl (pH 7.5)の溶液2
5μLを添加し、25℃で30分間攪拌する。マグネットによ
り相補鎖合成で得た2本鎖DNA 311、317を回収する。
【0034】回収した合成相補鎖317に対し、5'末端に
アンカー配列344を持ち、測定対象毎に異なる配列316-
1,316-2,・・・,316-nを共通アンカー配列344の3'末端
側に持つプライマー群からなるプライマーセット342を
加え、相補鎖合成を行う。その結果、測定対象となる領
域をもつ2本鎖DNAが得られる。この2本鎖このように
して得られる2本鎖DNA溶液中には対象とする全てのDNA
領域に対応したDNA鎖が含まれている。次いで、共通プ
ライマー343,344を同時に加えてPCR増幅する。PCRに用
いる2つのプライマー343,344は全ての2本鎖DNA断片32
4について共通であり、プライマーのハイブリダイゼー
ション効率の差によるDNA鎖増幅の違いはない。これに
より対象とする全ての領域のDNAを均一に増幅する。PCR
反応としては、以下の条件を用いる。上記で調製した2
本鎖DNA溶液1μLにキアゲン社のHotStarTaq添付の10×P
CR緩衝液5μL、5mMのdNTPを2μL、PCR用の2種のプライ
マー(1pmol/μL)5μL、水37μL、HotStarTaq 0.25
μLを添加し、95℃10分間加熱後、94℃で30秒間、57℃
で30秒間、72℃で60秒間のステップを30回繰り返し、全
ての対象となるDNA領域を増幅する。この時に、プライ
マー343をビオチン標識しておきターゲットとするDNA配
列を含む全ての2本鎖DNA 324を磁気ビーズで釣りだ
し、1本鎖とした後にターゲットDNAとして使用する。
ビオチンのついたDNA鎖を用いる場合とその相補鎖を用
いる場合の二通りがある。磁気ビーズで1本鎖にする方
法は、マグネットを用いてビオチン残基の入ったPCR産
物の結合した磁気ビーズを回収し、0.1 M NaOH 100μL
に懸濁して5分間放置後、水洗し、ビーズに固定した1本
鎖DNAあるいはNaOH溶液中に遊離した1本鎖DNAを得る。
ビーズに固定した1本鎖DNAは10μLの水に懸濁して試料
として用いる。NaOH溶液中に遊離した1本鎖DNAの場合
は、直ちに3M酢酸で中和し、エタノール沈殿して10μL
の水に溶解して試料として用いる。もちろん、プライマ
ー343の濃度をプライマー344より相対的に高くした非対
称PCRで目的とするDNA配列を含む1本鎖を生成して使用
することもできる。この場合化学発光検出の障害となる
ピロリン酸を除去することとルシフェリンとの反応の基
質になるdATPの代わりにdATP-αSを用いることが必要で
ある。このようにして反応チューブの中に対象とする種
々DNA鎖を1本鎖として得る。
【0035】ここで得られたターゲットDNAについて本
発明による試料プレートと光センサの構成を用い、BAMP
ER法によって測定を行う実施例示す。SNPs検出の難しい
点は塩基配列中の1塩基の違いを調べるために、DNAチ
ップを用いた単純なハイブリダイゼーション検査や一般
のゲル電気泳動によるDNA長さ分析を使い得ない点にあ
る。BAMPER法ではプライマーの3'末端が変位を検出しよ
うとする位置に来るように設計し、相補鎖合成を行うこ
とに特徴がある。プライマーの相補鎖伸長は3'末端がタ
ーゲットにマッチしているか否かにより大きく左右され
る。マッチしていると相補鎖伸長は起きるが、マッチし
ていないと相補鎖伸長は殆ど起きない。これを利用すれ
ばSNPsの識別ができる。しかし、末端塩基がミスマッチ
の状態でも相補鎖合成が進行する場合があり、これを防
止するためにプライマーの3'末端近傍に人工的にミスマ
ッチ塩基を入れる。この場合、プライマー末端にミスマ
ッチがあるとプライマー末端領域に2つのミスマッチが
あることになり、このプライマーの相補鎖伸長は殆ど起
こらない。一方、3'末端がマッチしている場合には人工
的なミスマッチが末端近傍にあっても相補鎖合成は起こ
り、ピロリン酸が放出される。人工的なミスマッチをプ
ライマーの3'末端近傍に入れることにより、プライマー
末端のマッチ、ミスマッチによる相補鎖合成の制御を精
度良く行うことができる。反応式を以下に示す。
【0036】
【数2】
【0037】図2に示すように、DNAポリメラーゼ305存
在下での反応基質dNTP(デオキシヌクレオチド3リン
酸)306のDNA相補鎖合成によって副産物としてピロリン
酸(PPi; inorganic pyrophosphate)307ができる。こ
れをAPS(adenosine5-phosphosulfate)とATP sulfuryl
aseの存在下で反応させるとATPが生成される。ATPはル
シフェリンとルシフェラーゼ存在下で反応して光を発
し、これを測定することで相補鎖伸長303を検出する。
発光反応ではPPiが生成するので発光はAPSを消費して持
続する。
【0038】本法で使用する試薬と組成を以下に示す。 (i)反応溶液 0.1M Tris-acetate buffer, pH7.75 0.5 mM EDTA 5 mM magnesium acetate 0.1% bovine serum albumin 1 mM dithiothreitol 0.2 mg/mL polyvinylpyrrolidone 0.2 U/μL DNA polymerase I, Exo-klenow Fragment 1.0 U/mL ATP sulfurylase 2 mg/mL luciferase (ii) 基質溶液A 10 mM Tris-acetate buffer, pH7.75 25 μM dNTPs 1.0 μM APS (iii) 基質溶液B 10 mM Tris-acetate buffer, pH7.75 20mM D-luciferin
【0039】DNAサンプルとして合成オリゴ(p53と同一
配列)を使用したBAMPER測定の手順を説明する。p53配
列中の変異部位は下線で示している。実施例として用い
たDNAサンプル及びゲノムタイピング用プライマーを以
下に示す(いずれもAmersham Pharmacia Biotech)。
尚、ゲノムタイピング用プライマーは人工ミスマッチプ
ライマーを使用した。 [p53exon8-wild type] 5'-CTTTC TTGCG GAGAT TCTCT TCCTC TGTGC GCCGG TCTCT
CCCAG GACAG GCACA AACAC GCACC TCAAA GCTGT TCCGT C
CCAG TAGAT TACCA-3' [p53exon8-mutant type] 5'-CTTTC TTGCG GAGAT TCTCT TCCTC TGTGC GCCGG TCTCT
CCCAG GACAG GCACT AACAC GCACC TCAAA GCTGT TCCGT C
CCAG TAGAT TACCA-3' [ゲノムタイピング用プライマー(wild type用)] 5'-AACAGCTTTGAGGTGCGTGATT-3' [ゲノムタイピング用プライマー(mutant用)] 5'-AACAGCTTTGAGGTGCGTGATA-3'
【0040】ターゲットとなるDNAサンプル301 (10-1
00fmol/μL)に1.5倍量のゲノムタイピング用プローブ
(プライマー)302をアニーリングバッファー中(10 mM
Tris-acetate buffer, pH7.75, 2 mM magnesium aceta
te)でハイブリダイズさせ(94℃,20s → 65℃,120s
→室温)、DNAサンプル溶液を得る。本試料を用い、BAM
PER法によってSNPsを検出する実施例を図15に示す。
反応槽101a-bに入れた上記反応溶液(4μL)に基質溶
液A(1μL)とDNAサンプル溶液(1μL)を加えて塩基
伸長反応を行う。ここでは各反応槽101a-bについてプラ
イマー302は同一とし、異なる3種類のDNAサンプル301a
-bを滴下した例を示す。反応が開始してから約10秒後に
ディスペンサーを用いて基質溶液B(0.1μL)を加えて
化学発光反応を開始させる。ディスペンサーにはキャピ
ラリーチューブを用いた。内径は25μm、キャピラリー
長は21mmとした。圧力と加圧時間を変化することにより
高い精度で添加する基質溶液の量を制御できる。0.1μL
の場合、圧力0.2MPa、加圧時間1.1sとした。プライマー
末端のマッチあるいはミスマッチにより伸長反応が制御
され、図15の場合、反応槽101aにおいて発光が観測さ
れ、この反応槽中のプライマーに対応する配列がターゲ
ットDNA上にあることが分かった。
【0041】図16は反応槽101a-fにプライマーを固定
してSNPs検査を行う実施例である。試料プレート100は
ガラスでできており、既存のシランカップリング反応で
サブセル表面にグリシドキシプロピル基を導入する。試
料プレートを1M NaOHに浸し、30分間超音波洗浄する。
超純水で流水洗浄した後、110℃15分間ベークする。3-
グリシドキシプロピルトリメトキシシランの原液に5分
間浸淅した後、50%のエタノール溶媒に溶解した4%の3
-グリシドキシプロピルトリメトキシシランの溶液に30
分間浸し、時々撹拌する。110℃で30分間ベークし、シ
ランカップリング試薬でサブセル表面にグリシドキシ基
を導入したチップを得る。色々なプローブ302(20pmol
/μL)0.1μLを0.5 Mの炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH
9.5)に溶解し、1pmol/μLとする。このDNA溶液0.5μL
を金属表面にグリシドキシ基を導入したチップ表面1の
2,3にそれぞれ滴下する。乾燥しないように飽和水蒸
気下で50℃30分間加熱する。0.1M Lysの0.5 Mの炭酸水
素ナトリウム緩衝液(pH9.5)に浸し、残存するグリシ
ドキシ基をブロックする。20mM のTris-HCl(pH7.5)で
洗浄する。以上の操作で数百bpのプローブ102が5'末端
のアミノ基とグリシドキシ基との反応で固定される。塩
基伸長反応と化学発光反応は実施例5と同様にして行
う。
【0042】(実施例6)図17はサブセルを備えた反
応槽によって多種項目を同時に検査する実施例を示す図
である。反応槽内のサブセル102a-fへのプローブ固定は
実施例5に用いた手法と同様でこの操作で各サブセルに
数百bpのプローブ102が5'末端のアミノ基とグリシドキ
シ基との反応で固定される。
【0043】各種のプローブは上記手順により、図17
に示すように各サブセル102a-fに固定される。ここでDN
Aサンプルの抽出は実施例5と同様にして行い、PCR産物
の2本鎖DNA 324をNaOH処理して得た1本鎖DNAターゲッ
ト301を含む反応液300を反応槽101毎に分注する。この
段階では各サブセルの間を自由に動けるので反応液を攪
拌することで効率良くDNA捕獲ができる。ハイブリダイ
ゼーションによる捕獲後余分な溶液304を除去して相補
鎖合成試薬と化学発光試薬を加える。この時各サブセル
の間で反応液が混合しないようにする。相補鎖合成で生
成したピロリン酸が他のサブセルに混入することを防ぐ
ためである。相補鎖合成303、更に化学発光をさせて光
を検出する。
【0044】ここではPCRを用いて試料調製をしたが、
ローリングサイクル増幅あるいはループを作製するDNA
増幅(LAMP: Loop-mediated isothermal amplification
of DNA ;Nucleic Acids Research 2000, 28, e63)な
どを用いても良い。すなわち、図18に示すようにゲノ
ムから相補鎖合成して得た相補鎖350を固定プローブ351
にハイブリダイズさせ、相補鎖合成によりDNA鎖352を得
る。検査用に作製した環状DNA 353をテンプレートとし
てDNA鎖の末端配列部分354をハイブリダイズさせて相補
鎖合成を繰り返し行ったり、あるいは、末端に折り返し
配列を持つ鋳型DNAを作製してLAMP法により繰り返し相
補鎖合成を行ったりして得られるピロリン酸を検出して
も良い。この場合非常に多くのピロリン酸が得られるの
で高感度が得られる。
【0045】(実施例7)本実施例は固体表面に固定さ
れたプローブを用いて相補鎖合成し、化学発光を検出す
る手段を示す。図19は本発明による多数のサブセルを
反応槽内に持った試料プレートと光センサアレイの構成
を示す図である。これを用いたシステム全体の概念構成
を図20に示した。これは(試料プレート100、化学発
光検出部200、試薬注入ユニット134、データ処理部140
からなる。試料プレート上には複数の反応槽101、本実
施例では96個の反応槽があり、底面あるいは上部から
化学発光を観測できる。更に反応槽の中には複数のサブ
セル102が設けられている。底面積1cm2程度の反応槽内
101に1mmピッチでサブマイクロリッター程度の容量を持
つサブセル102が合計25-40個並んでいる。
【0046】試料は試料プレート100をシステムに入れ
る前に注入しても良い。複数のターゲットを含む試料溶
液を反応槽に入れ、サブセルを液で満たしハイブリダイ
ゼーションを行う。反応液の体積は十分大きく、全ての
サブセルからあふれた状態で反応槽内に保持される。溶
液は反応槽内を移動可能であり、攪拌により十分にハイ
ブリダイゼーションが行なわれる。余分な溶液を除去し
た後、DNAポリメラーゼ、核酸基質(dNTP)、ルシフェ
リン、ルシフェラーゼなどを必要な試薬と共にバッファ
に混ぜて加える。相補鎖合成及び発光反応で生成するピ
ロリン酸がサブセル間を移動しないように、サブセル分
離板を用いて反応液をサブセル毎に分離した状態にす
る。各セルを分離するプレート(セル分離板)を反応槽
に挿入した後にシステムに入れる。もちろん、反応試薬
注入及びセル分離板を反応槽に挿入してサブセルを分離
することをシステムの中で行っても良いが、多くのタイ
タープレート測定を行う場合には測定部の外でこれを行
うことが高スループットを得る上で望ましい。相補鎖合
成を開始しない温度に試料プレートを保持して置き、シ
ステムに挿入した後に温度を上げて反応を開始するよう
にするのでプレート保持板は温度コントロールできる。
【0047】本実施例ではサブセル102は溶液を保持で
きる形のものであるが平らな板にプローブを区画して固
定した平板型としても良い。この場合、相補鎖合成反応
は前記分離板でそれぞれのプローブが固定された区画を
分離してから行うこともできる。相補鎖合成及び化学発
光試薬は反応セルに入れられた後に分離板により区画さ
れるが、分離板にサブセルに対応して試薬移送管を設け
て分離後にそれぞれの反応セルに反応液を注入しても良
い。
【0048】各サブセルに固定されたプライマーは図2
で述べたように変位部署を識別できる特異プライマーで
あり、ターゲットにハイブリダイズした後、核酸変位の
有無に応じて相補鎖合成が進行したり、進行しなかった
りする。これによりピロリン酸の生成が制御されること
になる。すなわち、ピロリン酸をATPに変え、ルシフェ
リンとの反応で発光するが発光を観測することで変異を
識別できる。相補鎖合成反応は酵素の最適温度を制御す
ることでスタート時刻をコントロールできる。プライマ
ーが十分ハイブリダイズしてから一気に反応をスタート
した方が高感度が得られるので、本システムには反応部
の温度を変化させる機能を具備した。
【0049】一方、固定プライマーを単にターゲットの
捕獲にだけ用い、捕獲したターゲットの変位に敏感なプ
ライマーをマトリックスと共にサブセル毎に加えてお
き、ターゲットにハイブリダイズさせて相補鎖合成をし
たり、ターゲットにハイブリダイズした固定プローブか
ら相補鎖合成で得たDNA鎖をターゲットにして再度相補
鎖合成してピロリン酸を生成し、化学発光を得ても良
い。
【0050】少なくともプローブを固定したサブセル部
位は透明であり、化学発光は底面部から検出される。発
光部を覆う形の分離板は光を反射して受光部により多く
の光が入るように工夫されている。上部から光検出を行
うときには、プローブ保持板は光が反射するようにし
て、上部に被さる分離板は透明である。
【0051】(実施例8)本実施例はプローブをマトリ
ックスと共にサブセルに保持した例である。この場合、
プローブは固定されておらず反応は全て液相で行われ
る。異なるターゲットに対応したプローブを含有したマ
トリックスはあらかじめインクジェットなどによりサブ
セル毎に供給されている。ターゲットのDNA、DNAポリメ
ラーゼ、核酸基質(dNTP及びその類似体)、化学発光試
薬、バッファ液などの混合物をセルに注入し、分離板に
よりサブセルを分離した後に昇温し、反応を行う。マト
リックスはグリセロールあるいは40−50℃程度の温度で
融解するアガロースゲルなどを使用する。室温以下では
プライマーはマトリックスに保持されているが、相補鎖
合成温度では反応液中に放たれ、相補鎖合成に使用され
る。これは液相反応であり、固定したプローブによる反
応よりも反応効率がよい。また、SNPsを識別するターゲ
ットに固有のプライマーと共通プライマーを用いたPC
R、ローリングサイクルDNA増幅などを用いて多くのピロ
リン酸を生成し、検出感度を高めることもできる。これ
はそれぞれのサブセルが分離されていることにより可能
となる。
【0052】このようなターゲットの増幅も兼ねたSNPs
検出におけるサンプル調製の模式図を図21に示した。
検査対象のゲノムDNA 311にターゲット特異的なプライ
マー(プローブ)341をハイブリダイズさせ相補鎖合成
を行う。この時、プライマーは5'末端に共通のアンカー
配列(種々プライマーに共通な配列)313を持つ。相補
鎖合成後、余分なプライマーは除去する。ゲノムから相
補鎖合成したDNA鎖317を取り出し、他の試薬331と共に
反応セルに入れる。共通プライマーはアンカー部分と同
じ配列を持つものであり、合成されたDNA鎖の相補鎖が
できるとこれにハイブリダイズして相補鎖合成を行う。
各サブセルにはそれぞれ目的とするターゲットに相補的
なプローブが入れられており、特定のDNA断片だけを増
幅する。ターゲット特異的にハイブリダイズして相補鎖
合成できる変異判別能力のあるプライマーが存在して且
つ、相補鎖合成が行われたときにだけ共通プライマーは
ハイブリダイズ可能なサイトをサブセル内のDNAに見い
だすことができる。この時発生するピロリン酸は相補鎖
の長さに相当する量が一つの相補鎖生成から生まれる。
相補鎖合成がPCR増幅モードで行われる。これらppiはAT
Pに変えられルシフェリンとの化学発光反応に使用され
る。光は分離板111で隣のサブセルからの光と分離して
検出される。これらはサブセル及び反応槽を構成してい
る透明な試料プレートを通して観測される。ここではタ
ーゲットに特異的なプライマーとして人工的なミスマッ
チを入れたプライマーを必ずしも必要としない場合があ
る。相補鎖合成反応を繰り返す過程で末端塩基がマッチ
したプライマーがより高い頻度でターゲットにハイブリ
ダイズするために反応速度が大きくなり、このPCR産物
が主産物として生成するからである。更に、PCRにかわ
りローリングサイクルDNA増幅などを用いることは有効
である。特に、高温ではdNTPが熱分解してピロリン酸が
生成し、バックグラウンド光を与えるので70℃以下の温
度で動作するDNA増幅方法を用いることは有効である。
【0053】(実施例9)本実施例はプローブを固定し
たビーズを用いる方法である。ビーズをサブセルに入
れ、前の実施例と同じ様に反応を行う。ビーズはガラス
あるいはプラスチックなどが用いられる。この実施例で
は10-100μmのガラスビーズが可能であるが、ここでは
直径100μmのビーズを用いる形について説明する。この
ビーズ105にプローブを固定して用いた。ガラスビーズ
表面へのプローブの固定には、実施例6と同様の方法を
用いた。図22に示すように凹み112のある保持板111に
プローブ付きのビーズ105をグリセロールなど可溶性の
材料で固定したビーズプローブアレイを作製する。プロ
ーブアレイは検査対象となるDNA部位に対応するDNAプロ
ーブを含む。これはそれぞれ反応セルに挿入される。反
応セルの位置とビーズについたプローブアレイを対応さ
せておく。反応セル101にはサブセル102が設けられてい
るが最初は保持板の凹み112とサブセル102がずれた状態
としておきビーズ105はサブセル102には入らない(図2
2(A))。ターゲットを含む液305を反応槽101に導入
しハイブリダイゼーションを十分に行う。この後、保持
板111をずらし(図22(B))、ビーズ105をサブセル
に入れて、相補鎖合成に必要な試薬及び化学発光試薬を
入れ(図22(C))、反応を行う。化学発光反応はサ
ブセルの中だけで起こるので、各ビーズに捕獲されたタ
ーゲットを鋳型にして行われた相補鎖合成に起因した信
号を識別して検出できる。発光の有る部位からプローブ
の種類を知り、発光強度からプローブにハイブリダイズ
したターゲットの量を知ることができる。もちろん各サ
ブセルに入れるビーズの個数は1個でも良いが、複数個
ビーズをサブセルに入れても良い。
【0054】(実施例10)本実施例はカラーコードさ
れたビーズを用いる方法である。DNAプローブはそれぞ
れのカラーコードの異なるプローブを対応させ、これら
を表面に固定する。相補鎖合成の際に出るピロリン酸の
検出ではターゲットとプローブをハイブリダイズさせ、
効率よく相補鎖合成が行われる必要がある。平面状の固
体表面に固定されたプローブよりも反応液中を浮遊し得
るビーズに固定したプローブの方が格段にハイブリダイ
ゼーション効率は向上する。本方法は溶液中でハイブリ
ダイゼーションを行い、しかる後に反応セルにビーズを
サブセルにトラップして化学発光を検出する方法であ
る。図23はこの実施例を示したものである。サブセル
113の底面には溶液吸引吐出用の穴115があいており、各
穴を結ぶ配管116につながっている。配管116を減圧にす
ることでカラーコードビーズ106を各サブセル113に捕捉
する。カラービーズ106上に固定されたプローブの種類
はビーズのカラーを読み取ることにより行われる。すな
わち、光照射による蛍光検出からカラーコードを読み取
り、化学発光からターゲットの量を調べる。カラーコー
ドビーズと蛍光標識ターゲットを用いた測定はこれまで
に報告されているが、カラーコードしたビーズから出る
蛍光は非常に強く、一方、ターゲットを標識した蛍光か
ら出る光はあまり強くない。このために精度の高い測定
が不可能であった。本方法では、蛍光計測を化学発光計
測の終了後あるいは測定に先立って行い、光照射中に化
学発光測定をしないことにより高感度検出とビーズの光
計測によるコーディングを実現している。
【0055】コードを読み取るためのレーザは発光波長
が650nmの赤色レーザを用いたが、グリーンあるいは青
色レーザなどを用いても良い。レーザは一度広げた後、
マイクロレンズアレーによりマルチスポットとして反応
槽内のセルに捕獲されたビーズに照射される。蛍光はレ
ンズで集光され、フィルタを通過した後に冷却CCDなど
のラインセンサーあるいはエリアセンサーで受光され
る。カラーコードした色素の波長に合わせて2種あるい
は3種の透過波長帯の異なるフィルタを交互に通過させ
て蛍光を観測するか、あるいは蛍光増を複数の受光ピク
セルにわたるようにレンズを調整しておき、それぞれの
受光ピクセルの前に異なる透過波長のフィルタを用いて
波長選別受光してカラーコードを読み取る。化学発光の
測定時にはフィルタは除いて測定する。相補鎖合成反応
及び化学発光反応は分離板を用いてそれぞれのサブセル
を分離して行われる。この例ではビーズをトラップした
穴の下部の毛細管115から相補鎖合成に必要な核酸基質
及びDNAポリメラーゼ、化学発光試薬などを反応セル中
に注入する。もちろん、反応槽全体に試薬を均一に入れ
て、から分離板で各セルを分離しても良い。以下の反応
を光検出は前の実施例と同じである。
【0056】(実施例11)上記でも説明したが、本発
明の第3のポイントはDNAプローブをビーズやファイバ
ーのようなそれぞれを分割できる部材に固定し、ハイブ
リダイゼーション反応を一つの反応槽で一括して効率よ
く行い、次いで分離された状態で相補鎖合成、化学発光
検出することである。プローブの担体としてビーズの他
に、ファイバーの先端、ワイヤなど種々のものが使用可
能である。この実施例を図24に示す。オプティカルフ
ァイバー121の先端をプローブ固定部として用いた。本
オプティカルファイバーの代わりに、ワイヤ状の物質に
プローブをつけてキャピラリーに封入しても同様な結果
が得られる。ファイバーを用いた例は、ファイバー先端
に直接プローブを取り付ける、ファイバーの先端をエッ
チングしてそこにビーズやマトリックスと共にプローブ
を保持する。相補鎖合成反応をそれぞれが隔離した状態
で行うためにファイバーの先端に作ったプローブ保持部
は図24に示したようにサブセルで分けられるようにし
てある。すなわち、ビーズ107とほぼ同じ穴を一つ持つ
浅い反応セルを用いる。ビーズ107は穴に一つだけトラ
ップされており、各ファイバーの先端の反応セルに一種
だけプローブが入れられる。以下の反応は前述の通りで
ある。一方、ワイヤあるいは細い棒に同様の反応セルを
設け、ここにプローブを固定して全体をキャピラリーチ
ューブの中に入れることで反応セルを沢山持ったキャピ
ラリー状の反応槽108を作ることができる。図24はこ
のキャピラリー状の反応槽108の断面を示した。反応セ
ルが細い溝でつながれ、反応液355は反応セルを通過す
るように配置されている。反応セルにはプローブがビー
ズに固定されたり、反応セルの表面に固定されたりして
保持されている。DNAプローブはターゲットをセルを通
して流し、ハイブリダイズされるときには固定されてい
る必要があるが、以後の反応では各セルはほぼ隔絶され
るのでプローブは固定されたままでいる必要はない。例
えば抗原抗体結合のように熱で乖離する結合を用いても
良い。ハイブリダイズさせた後、相補鎖合成及び化学発
光試薬を注入する。試薬の注入は相補鎖合成反応が起こ
りにくい十分低温で(一般的には氷冷することで実質的
な反応を押えることができる。)試薬類を注入し、注入
している最中に反応が進行することを防止する。注入後
反応最適温度まで温度を上げ、相補鎖合成反応及び化学
発光反応を行う。
【0057】(実施例12)図25に示す実施例では、
棒状のホルダー162にくぼみ169がアレー状に形成された
もので、本ホルダーはキャピラリー161の中に挿入され
ている。これらの穴の中にビーズ163を入れている。具
体的な作成方法は、棒状のホルダーにくぼみ169あるい
は穴166を開けてビーズ163をくぼみ169ないし穴166にホ
ールドしてキャピラリー161に入れる。あるいは、キャ
ピラリー内に、プローブ付きビーズ167の間にスペーサ
ービーズ168を導入し、プローブビーズの種類を同定し
ても良い。
【0058】(実施例13)プローブホルダーとしてマ
イクロチャンネルを用いた例を図26に示す。プレート
に設けられた数ミクロン−数百ミクロンの穴(貫通した
穴)173の壁部分などにプローブを固定してこれらの穴
を反応サブセルとして用いる。この穴に固定するDNA量
を増やすために穴の中を多孔質の部材で埋めたり、ビー
ズを保持したりすることも良い方法である。ここでは単
純な穴173を持ったプレートの例で説明する。試料プレ
ートの底に穴を設けてこの穴の壁にプローブを固定す
る。これは細かい穴を複数設けても良くまた、一つの穴
でも良い。一つの反応槽に30-40の穴173(これが反応サ
ブセルであり、サブセル同士は空間的に離れている)
が、設けられている。サブセル毎に異なるDNAプローブ
を固定してあるので、サブセルの数だけDNAを検査でき
る。この反応槽にターゲットを含む溶液を加えてハイブ
リダイズ及び相補鎖伸長反応を行う。この状態でハイブ
リダイゼーションを効率よく行うために溶液356は下の
受け皿174を上下して流動させるとよい。反応終了後タ
ーゲットを含む溶液を除去するか、試料プレート171を
別の密着型の受け皿に移動する。リングDNA及びDNAポリ
メラーゼ、化学発光試薬などを加えてピロリン酸生成
(リングDNAを鋳型とした相補鎖合成)及び化学発光反
応をサブセル毎に行う。サブセルは密着型サブセル及び
分離板172により分離されているのでサブセルそれぞれ
の反応による発光が分離して観測できる。
【0059】化学発光の検出にはこれまでに提示したラ
インセンサー、エリアセンサーに加えて、光電子増倍管
などを用いた光検出器とタイタープレートを相対的に移
動して検出することもできる。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように本発明では複数のプ
ローブを用いて簡便にターゲットの検出を行うことがで
きる。本方式の遺伝子検査システムではターゲットとな
る複数のDNA領域を同時に増幅して一括して反応槽に入
れて種々プローブを用いてそれぞれの対象領域を独立に
検査できるので試薬コストが安い利点がある。更に検出
にはレーザなどの高価な部品を使わないので安価なシス
テムを用いて多数の検査部位を簡便に検査できる利点が
ある。DNAチップなどの単純なハイブリダイゼーション
による方法と異なり、ハイブリダイゼーションに続く相
補鎖合成のプロセスを経ることにより一層精度の高い検
出が行える。この結果、塩基配列中の一塩基置換などの
検査にも使用できる。血液サンプルからDNAを注出し、
後は同一の反応槽の中での反応であり操作が簡単な利点
を持つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)本発明の実施例1における化学発光によ
りSNPsを検出する装置における試料プレートと光検出
器部分の断面を示す図、(B)本発明の実施例2におけ
る2つのピクセル選択手段を有する光センサアレイのブ
ロック図を示す図。
【図2】従来例による遺伝子検査装置の一例を示す図。
【図3】本発明が利用するSNP検出手法の一つであるBAM
PER法のプロトコルのフローを説明する図。
【図4】本発明による光センサアレイのパッケージ構造
と試料プレートを示す図。
【図5】(A)光源に対し受光部の張る立体角を示す
図、(B)受光部と光源の距離と立体角の関係及びクロ
ストークの関係を示す図。
【図6】(A)本発明による光センサアレイと試料プレ
ートの設置方法を適用したSNP解析装置の構造を説明す
る図、(B)本名発明による光センサアレイと試料プレ
ートを集光光学系により結合した構造を示す図。
【図7】本発明の実施例2における光センサアレイの回
路図を示す図、(B)実施例2における光センサアレイ
のピクセルの構成を示す図。
【図8】本発明の実施例2の光センサアレイの動作にお
いて目的試料ピクセルとコントロール試料ピクセルを選
択する制御信号の経路と出力信号の経路を示す図。
【図9】実施例2の光センサアレイのデコーダーの構成
を示す図。
【図10】本発明の実施例2における光センサアレイの
動作を示すタイミングチャートを説明する図.
【図11】(A−C)本発明の実施例3における光セン
サアレイのソースフォロワ回路の電流源あるいは負荷抵
抗を能動的に制御する回路を説明する図。
【図12】本発明による生体試料検査装置で測定した化
学発光の経時変化データを示す図。
【図13】(A)本発明の実施例5においてSNP検査装置
で使用する試料プレートと目的試料とコントロール試料
配置の例を示す図、(B)本発明の実施例5において光
センサアレイ、試料プレート及び試薬分注器を組み合わ
せた構造を示す図。
【図14】本発明の実施例5において血液からDNAサン
プルを抽出するフローを示す図。
【図15】本発明の実施例5においてBAMPER法を実行す
るときのフローを説明する図。
【図16】本発明の実施例5においてプローブを反応槽
に固定してBAMPER法を実行するときのフローを説明する
図。
【図17】本発明の実施例6における一つの反応槽内に
複数のサブセルを設けてそこに異なるプローブを固定し
た場合のBAMPER法のフローを示す図。
【図18】本名発明の実施例8におけるサークルDNAを
鋳型に用いてDNA相補鎖合成を行い、多くのピロリン酸
を得る方法を説明する図。
【図19】本名発明の実施例9におけるサブセルを設け
た反応槽を利用したSNP検査装置の構造を示す図。
【図20】本発明によるサブセルを備えた反応槽と光セ
ンサアレイの鳥瞰図。
【図21】本発明によるサブセルを用いて多種のターゲ
ットを一括分析する検査法のフローを示す図。
【図22】本発明によるサブセルとビーズを組み合わせ
た試料プレートの構造を示す図。
【図23】本発明によるカラーコードビーズを用いた検
査法のフローを示す図。
【図24】本発明による実施例11におけるファイバー
を用いた反応槽の断面構造を示す図。
【図25】(A)(B)本発明による実施例12におけ
るキャピラリーにビーズをホールドする溝付きロッドを
入れるタイプの反応槽を示す図、(C)本発明による実
施例17におけるキャピラリーに分離ビーズとプローブ
ビーズを交互に並べるタイプの反応槽を示す図。
【図26】本発明の実施例13におけるプローブホルダ
ーとしてマイクロチャンネルを用いた例を示す図。
【符号の説明】
100:試料プレート、101:反応槽、101a-c:異なる試料
あるいは異なるプローブが入れられた反応槽、102:サ
ブセル、102a-f:同一の反応槽内に形成され、異なるプ
ローブが固定されたサブセル、103:目的試料が分注さ
れた反応槽、104:コントロール試料が分注された反応
槽、105:ビーズ、106:カラービーズ、107:ビーズ、1
08:キャピラリー状の反応槽、111:ビーズの保持板で
あると同時にサブセル間の分離板、112:ビーズ保持板
に設けられた凹み、113:底面に溶液吸引吐出用の穴を
設けたサブセル、116:サブセルに設けた穴を接続する
配管、120:光検出器のピクセルと反応槽を光学的に連
結する光学系、121:オプティカルファイバー、131:異
なるプローブを含む溶液、132:異なるプローブの混入
を防止するためピペットの洗浄を行う槽、133:試料を
含む溶液、134:試薬を分注するためのピペット、135:
試料を分注するためのピペット、150:装置を光学的、
電磁的に遮蔽するシールドボックス、161:キャピラリ
ー、162:棒状ホルダー、163ビーズ、166:棒状ホルダ
ーにあけられた穴、167:プローブ付きビーズ、168:ス
ペーサービーズ、169:棒状ホルダーに設けられたくぼ
み、173:マイクロチャネルに設けられた貫通穴、174:
反応溶液用の下側の受け皿、200:光検出器、201:光セ
ンサアレイ、202:フォトダイオード、204:目的試料の
信号を検出するピクセルを選択するデコーダー(Sデコ
ーダー)、205:コントロール試料の信号を検出するピ
クセルを選択するデコーダー(Cデコーダー)、206:光
センサアレイを駆動、制御するための電源、及び信号、
207:目的試料に対応するピクセルとして選択されたピ
クセルからの信号の出力端子、208:コントロール試料
に対応するピクセルとして選択されたピクセルからの信
号の出力端子、210:フォトダイオード、リセットMOS、
読出しMOS、選択MOSから構成されるピクセル、210a-c:
異なる反応槽に対応したピクセル、211:フォトダイオ
ードをリセットするMOSトランジスタ、211a:フォトダ
イオードをリセットするnチャネルMOSトランジスタ、2
11b:フォトダイオードをリセットするpチャネルMOSト
ランジスタ、212:フォトダイオードの信号を読出すソ
ースフォロワ回路を構成するMOSトランジスタ、213:信
号読出し時にピクセルを選択して信号を目的試料の信号
出力線220に出力するMOSトランジスタ、214:信号読出
し時にピクセルを選択して信号をコントロール試料の信
号出力線221に出力するMOSトランジスタ、215:Sデコー
ダー又はCデコーダーの選択信号の論理和をとるORゲー
ト、216:ORゲート215の出力と信号読出しモードを選択
する制御信号φselとの論理積をとるゲート、217:Sデ
コーダー選択信号とリセットモードを選択する制御信号
φresとの論理積をとるゲート、218:Cデコーダー選択
信号とリセットモードを選択する制御信号φresとの論
理積をとるゲート、220:Sデコーダーの選択に対応する
信号出力線、221:Cデコーダーの選択に対応する信号出
力線、231:信号読出し用ソースフォロワ回路の電源Vdd
の入力端子、232:フォトダイオード充電用の電源Vpdの
入力端子、232:フォトダイオードのリセットモードを
指定する制御信号φresの入力端子、234:フォトダイオ
ードの信号読出しモードを指定する制御信号φselの入
力端子、235:Sデコーダーを制御するアドレス信号AS0-
5の入力端子、236:Cデコーダーを制御するアドレス信
号AR0-5の入力端子、237:Sデコーダーの出力線、238:
Cデコーダーの出力線、239:デコーダーを構成するNAND
ゲート、240:デコーダーを構成するNORゲート、250:
光センサアレイのパッケージ、251:パッケージの透明
キャップ、252:ボンディングワイヤ、253:パッケージ
のピン電極、260:従来の検査装置における光検出器、3
00:試料DNAを含む溶液、301:ターゲットDNA鎖、301a-
c:異なるターゲットDNA鎖、野生型に対応したプライマ
ー、302:反応槽に固定されたゲノムタイピング用プロ
ーブ(プライマー)、303:伸長したDNA、304:余分な
溶液、305:DNAポリメラーゼ、306:dNTP(デオキシヌ
クレオチド3リン酸)、307:ピロリン酸(PPi; inorga
nic pyrophosphate)、311:血液から抽出したゲノムDN
A、313:第1の共通アンカー配列、315:測定対象毎に
異なる配列、316:測定対象毎に異なる配列、317:合成
相補鎖、332:ターゲットに特異的にハイブリダイズす
る変異判別プライマー、333:共通プライマー、334:サ
ブセル内で合成された相補鎖(317の相補鎖)、341:測
定対象となる種々DNA部位の5'側にアンカー配列を持つ
プライマーセット、342:共通アンカー配列344の3'末端
側に持つプライマー群からなるプライマーセット、34
3:第1のアンカーと同じ配列をもつ共通PCRプライマ
ー、344:第2のアンカーと同じ配列をもつ共通PCRプラ
イマー、344:第2の共通アンカー配列をもつPCRプライ
マー、350:ゲノムDNAから合成した相補鎖、351:固定
されたプローブ、352:プローブ351から伸長した相補
鎖、353:環状DNA、354:環状DNA353をテンプレートと
して合成された相補鎖にハイブリダイズされた末端配
列、355:反応溶液、356:反応溶液、401:差動増幅
器、402:サンプル/ホールド回路、403:アナログ/デ
ィジタル変換回路、404:制御、記録用コンピュータ、4
10:目的試料の信号を読み出すソースフォロワ回路の負
荷抵抗、411:コントロール試料の信号を読み出すソー
スフォロワ回路の負荷抵抗、412:目的試料の信号を読
み出すソースフォロワ回路の電流源、413:コントロー
ル試料の信号を読み出すソースフォロワ回路の電流源、
414:ソースフォロワ回路の電流源を構成するMOSトラン
ジスタ、415:ソースフォロワ回路の電流源MOS414のゲ
ート電位を設定するMOSトランジスタ、416:ソースフォ
ロワ回路の電流源MOS414のゲート電位を設定するための
MOSトランジスタ、417:目的試料の信号を読み出すソー
スフォロワ回路に接続された可変の負荷抵抗、418:コ
ントロール試料の信号を読み出すソースフォロワ回路に
接続された可変の負荷抵抗、t1:フォトダイオードのリ
セットを指定する制御信号φresのON状態("H")になり
第1のリセットモードが始まる時刻、t2:フォトダイオ
ードの第1のリセットモードにおいてCデコーダーに入
力するアドレス信号ARが所定のアドレス信号を確定し、
ピクセル選択信号が"H"になる時刻、t3:フォトダイオ
ードの第1のリセットモードにおいてSデコーダーに入
力するアドレス信号ASが所定のアドレス信号を確定し、
ピクセル選択信号が"H"になる時刻、t4:フォトダイオ
ードの信号読出しモードを指定する制御信号φselがON
状態("H")になり第1の読出しモードが始まる時刻、t
5:フォトダイオードの第1の読出しモードにおいてCデ
コーダーに入力するアドレス信号ARが所定のアドレス信
号を確定し、ピクセル選択信号が"H"になる時刻、t6:
フォトダイオードの第1の読出しモードにおいてSデコ
ーダーに入力するアドレス信号ASが所定のアドレス信号
を確定し、ピクセル選択信号が"H"になる時刻、t7:フ
ォトダイオードのリセットを指定する制御信号φresのO
N状態("H")となる時刻、t8:フォトダイオードの第2
のリセットモードにおいてCデコーダーに入力するアド
レス信号ARが所定のアドレス信号を確定し、ピクセル選
択信号が"H"になり第2のリセットモードが始まる時
刻、t9:フォトダイオードの第2のリセットモードにお
いてSデコーダーに入力するアドレス信号ASが所定のア
ドレス信号を確定し、ピクセル選択信号が"H"になる時
刻、tw1:φresの"H"が保持される時間、tw2:φselの"
H"が保持される時間、Tss:信号がフォトダイオードに
蓄積される時間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 釜堀 政男 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 原田 邦男 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 岡野 和宣 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 Fターム(参考) 2G054 CA22 CA23 CE02 EA01 4B024 AA11 AA19 CA09 HA14 4B029 AA07 AA23 FA15 GA03

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生体試料が収納される複数の反応槽が1
    次元又は2次元に配列される試料プレートと;光センサ
    が形成される複数のピクセルが1次元又は2次元に配列
    される光センサアレイと、信号を読み出す前記ピクセル
    を選択するピクセル選択回路とが形成される光センサア
    レイ基板と;前記反応槽と前記ピクセルとが1対1で垂
    直方向で対応するように、前記試料プレートと前記光セ
    ンサアレイ基板とを固定する部材とを有し、選択された
    前記ピクセルに対応する前記反応槽内で、前記生体試料
    と試薬との反応により生成する光を、選択された前記ピ
    クセルの前記光センサにより受光して、選択された前記
    ピクセルから信号を読み出すことを特徴とする生体試料
    検査装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の装置において、前記光
    センサアレイ基板に形成される、少なくとも2つの前記
    ピクセル選択回路を有し、相互に独立して複数の前記ピ
    クセルが選択されることを特徴とする生体試料検査装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の装置において、前記光
    センサアレイ基板の光入射面と前記試料プレートの前記
    反応槽の底部側の面との間の距離を3mm以下とする、あ
    るいは、前記光センサアレイ基板の光入射面と前記試料
    プレートの前記反応槽の底部側の面との間に光導波作用
    又はレンズ作用を具備する透明部材を配置することによ
    り、前記光センサアレイ基板の光入射面と前記試料プレ
    ートの前記反応槽の底部側の面とが光学的に結合される
    ことを特徴とする生体試料検査装置。
  4. 【請求項4】 生体試料が収納される複数の反応槽が1
    次元又は2次元に配列される試料プレートと;フォトダ
    イオードが形成される複数のピクセルが1次元又は2次
    元に配列されるフォトダイオードアレイと、信号を読み
    出す第1の前記ピクセルを選択する第1のピクセル選択
    回路と、信号を読み出す第2の前記ピクセルを選択する
    第2のピクセル選択回路とが形成される光センサアレイ
    基板と;前記反応槽と前記ピクセルとが1対1で垂直方
    向で対応するように、前記試料プレートと前記光センサ
    アレイ基板とを固定する部材とを有し、前記第1のピク
    セルの前記フォトダイオードにより受光し、前記第2の
    ピクセルに対応する第2の前記反応槽内での反応により
    生成する光を、前記第2のピクセルの前記フォトダイオ
    ードにより受光して、前記第1及び第2のピクセルから
    信号を同時に読み出すことを特徴とする生体試料検査装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の装置において、前記各
    ピクセル選択回路が、時系列的にランダムに前記ピクセ
    ルを選択するデコーダー、又は、時系列的に所定の順序
    で前記ピクセルを選択するシフトレジスタであることを
    特徴とする生体試料検査装置。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載の装置において、前記複
    数のピクセル選択回路から選択される第1及び第2のピ
    クセル選択回路によりそれぞれ選択された第1及び第2
    の前記ピクセルから読み出された信号の差分を増幅する
    増幅回路を有することを特徴とする生体試料検査装置。
  7. 【請求項7】 請求項4に記載の装置において、検査し
    ようとする前記生体試料が収納される前記反応槽で生成
    する前記光が前記第1のピクセルの前記フォトダイオー
    ドにより受光され、検査しようとする前記生体試料と比
    較すべき比較用試料が収納される前記反応槽で生成する
    前記光が前記第2のピクセルの前記フォトダイオードに
    より受光され、あるいは、前記第2のピクセルから読み
    出される信号が前記第2のピクセルが暗状態に於ける信
    号であることを特徴とする生体試料検査装置。
  8. 【請求項8】 請求項4に記載の装置において、検査し
    ようとする前記生体試料が収納される前記反応槽で生成
    する前記光の強度又は前記第2のピクセルの前記フォト
    ダイオードの暗電流の値に応じて、前記第1及び第2の
    ピクセルに於ける信号蓄積時間を変化させて、前記増幅
    回路の出力の零点補正を行うことを特徴とする生体試料
    検査装置。
  9. 【請求項9】 請求項4に記載の装置において、前記ピ
    クセルに第1、第2及び第3のMOSトランジスタが形成
    され、前記ピクセルの前記フォトダイオードからの前記
    信号が、第1のMOSトランジスタのゲートに入力され、
    前記第1のMOSトランジスタのソースに出力が得られる
    ソースフォロワ回路が構成され、前記第2及び第3のMO
    Sトランジスタのドレインが前記第1のMOSトランジスタ
    のソースに接続され、前記第1のピクセル選択回路の出
    力端が前記第2のMOSトランジスタのゲートに接続さ
    れ、前記第2のピクセル選択回路の出力端が前記第3の
    MOSトランジスタのゲートが接続され、前記第2のMOSト
    ランジスタのソースが第1の出力信号線に接続され、前
    記第3のMOSトランジスタのソースは第2の出力信号線
    に接続され、負荷抵抗又は定電流原が前記第1及び第2
    の出力信号線に接続され、素子を構成する複数のピクセ
    ルは前記第1、及び第2のピクセル選択回路によって独
    立に選択され、前記第1又は第2の出力信号線に信号を
    出力するように制御することを特徴とする生体試料検査
    装置。
  10. 【請求項10】 請求項4に記載の装置において、前記
    前記試料プレートの前記反応槽の底部側の面と前記光セ
    ンサアレイ基板の受光面側の面との間に透明導電膜を有
    することを特徴とする生体試料検査装置。
  11. 【請求項11】 生体試料が収納される複数の反応槽が
    1次元又は2次元に配列され、前記各反応槽の底部に形
    成される複数のサブセルを具備する試料プレートと、複
    数のフォトダイオードが形成される複数のピクセルが1
    次元又は2次元に配列されるフォトダイオードアレイが
    形成される光センサアレイ基板とを有し、前記各反応槽
    の前記複数のサブセルのそれぞれにDNAプローブ及び/
    又は試薬が収納され、前記各反応槽の前記各サブセル内
    で、前記生体試料と前記DNAプローブ及び/又は前記試
    薬との反応により生成する光を検出することを特徴とす
    る生体試料検査装置。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の装置において、前
    記光センサアレイ基板に形成される、信号を読み出す前
    記ピクセルを選択するピクセル選択回路と、選択された
    前記ピクセルの前記複数のフォトダイオードから信号を
    読み出す前記フォトダイオードを選択するフォトダイオ
    ード選択回路と、前記反応槽と前記ピクセルとが1対1
    で垂直方向で対応するように、前記試料プレートと前記
    光センサアレイ基板とを固定する部材を有し、選択され
    た前記ピクセルに対応する前記反応槽の選択された前記
    サブセル内で、前記生体試料と前記DNAプローブ及び/
    又は前記試薬との反応により生成する光を、選択された
    前記ピクセルの選択された前記フォトダイオードにより
    受光して、選択された前記フォトダイオードから信号を
    読み出すことを特徴とする生体試料検査装置。
  13. 【請求項13】 請求項11に記載の装置において、前
    記光センサアレイ基板に形成される、少なくとも2つの
    前記フォトダイオード選択回路を有し、相互に独立して
    複数の前記フォトダイオードが選択されることを特徴と
    する生体試料検査装置。
  14. 【請求項14】 請求項11に記載の装置において、前
    記生体試料が前記反応槽に収納され、前記生体試料が収
    納される前記反応槽の前記複数のサブセル毎にそれぞれ
    異なる種類の前記DNAプローブが固定され、前記複数の
    サブセルにおいて、相補鎖結合により前記生体試料に結
    合された前記DNAプローブの相補鎖合成により生成する
    ピロリン酸が、前記複数のサブセルの間で混合しないよ
    うにすることを特徴とする生体試料検査装置。
  15. 【請求項15】 請求項11に記載の装置において、相
    補鎖合成の基質として複数塩基種又は核酸アナログを混
    合状態で前記各反応槽の前記各サブセルに供給する手段
    を有することを特徴とする生体試料検査装置。
  16. 【請求項16】 請求項11に記載の装置において、前
    記DNAプローブ又は前記生体試料であるターゲットが固
    定されたカラーコードされたビーズが前記反応槽の前記
    複数のサブセルに固定され、前記ビーズに固定された前
    記DNAプローブに前記ターゲットを相補結合により捕獲
    し、あるいは、前記ビーズに固定された前記ターゲット
    にプラマーをハイブリダイズさせて、前記DNAプローブ
    又は前記プラマーの伸長を行う相補鎖合成により生成す
    るピロリン酸をATPに変換し、前記ATPと発光物質との反
    応により生成する化学発光を、前記反応槽の前記複数の
    サブセル毎にそれぞれ検出すると共に、前記ビーズのカ
    ラーコードを読み取ることを特徴とする生体試料検査装
    置。
JP2002138729A 2002-05-14 2002-05-14 生体試料検査装置 Expired - Fee Related JP3641619B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002138729A JP3641619B2 (ja) 2002-05-14 2002-05-14 生体試料検査装置
US10/338,899 US7163822B2 (en) 2002-05-14 2003-01-09 Apparatus and method for luminometric assay

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002138729A JP3641619B2 (ja) 2002-05-14 2002-05-14 生体試料検査装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003329681A true JP2003329681A (ja) 2003-11-19
JP3641619B2 JP3641619B2 (ja) 2005-04-27

Family

ID=29544881

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002138729A Expired - Fee Related JP3641619B2 (ja) 2002-05-14 2002-05-14 生体試料検査装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US7163822B2 (ja)
JP (1) JP3641619B2 (ja)

Cited By (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006013832A1 (ja) * 2004-08-02 2006-02-09 The Furukawa Electric Co., Ltd. 検体の光情報認識装置およびその認識方法
JP2006071417A (ja) * 2004-09-01 2006-03-16 Casio Comput Co Ltd 生体高分子分析チップ
JP2006322819A (ja) * 2005-05-19 2006-11-30 Sony Corp バイオアッセイ用の基板と装置、並びに基板の製造方法
WO2007040117A1 (ja) * 2005-09-30 2007-04-12 National University Corporation University Of Toyama 多細胞応答同時測定法
JP2007218874A (ja) * 2006-02-20 2007-08-30 Shimadzu Corp 反応キット
JP2007285834A (ja) * 2006-04-17 2007-11-01 Shimadzu Corp 反応容器
JP2007319097A (ja) * 2006-06-01 2007-12-13 Shimadzu Corp 反応キット
JP2007322291A (ja) * 2006-06-01 2007-12-13 Shimadzu Corp 分注チップ及びそれを用いた反応キット
JP2007322290A (ja) * 2006-06-01 2007-12-13 Shimadzu Corp 反応キット
JP2007333444A (ja) * 2006-06-13 2007-12-27 Shimadzu Corp 分注チップ駆動機構及びそれを備えた反応キット処理装置
JP2008109864A (ja) * 2006-10-30 2008-05-15 Hitachi Ltd 遺伝子配列解析システム
JPWO2006054690A1 (ja) * 2004-11-19 2008-06-05 株式会社島津製作所 遺伝子多型検出方法、診断方法、並びにそのための装置及び検査試薬キット
JP2008268069A (ja) * 2007-04-23 2008-11-06 Hitachi Ltd 化学発光検出装置
CN100451128C (zh) * 2004-04-16 2009-01-14 松下电器产业株式会社 试料检查装置及其制造方法
JP2009503447A (ja) * 2005-07-20 2009-01-29 コーニング インコーポレイテッド ラベルフリーハイスループット生体分子スクリーニングシステム及び方法
JP2010509577A (ja) * 2006-11-09 2010-03-25 ナノアイデント テクノロジーズ アクチェンゲゼルシャフト 薄膜光センサを備えるタイタプレート
WO2014077601A1 (ko) * 2012-11-16 2014-05-22 (주)실리콘화일 온 칩 세포배양관찰 통합유닛 및 온 칩 세포배양관찰 통합키트
WO2014088240A1 (ko) * 2012-12-05 2014-06-12 (주)실리콘화일 온 칩 세포배양 관찰장치 및 온 칩 세포배양 관찰키트
JP2018057342A (ja) * 2016-10-06 2018-04-12 株式会社東芝 細胞分取装置および細胞分取システム
JP2020091185A (ja) * 2018-12-05 2020-06-11 株式会社日立製作所 分析装置及び分析方法
CN113826104A (zh) * 2019-03-22 2021-12-21 虹软科技股份有限公司 平铺图像传感器

Families Citing this family (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU2002367744A1 (en) * 2001-07-03 2003-10-27 The Board Of Trustees Of The Leland Stanford University Bioluminescence regenerative cycle (brc) for nucleic acid quantification
US7595883B1 (en) 2002-09-16 2009-09-29 The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University Biological analysis arrangement and approach therefor
EP1514595A3 (en) * 2003-08-27 2005-09-14 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Microchip, process of manufacturing the same, and analytical method using the same
US20100261288A1 (en) * 2005-06-13 2010-10-14 Fortebio, Inc. Tip tray assembly for optical sensors
US20070238140A1 (en) * 2006-04-07 2007-10-11 Pentoney Stephen L Jr Method For Multiplex Bead-Based Assays Using Chemiluminescence and Fluorescence
US8232108B2 (en) * 2006-10-06 2012-07-31 Sharp Laboratories Of America, Inc. Method of making micro-pixelated fluid-assay structure
US8236245B2 (en) * 2006-10-06 2012-08-07 Sharp Laboratories Of America, Inc. Micro-pixelated fluid-assay precursor structure
US8232109B2 (en) * 2006-10-06 2012-07-31 Sharp Laboratories Of America, Inc. Micro-pixelated active-matrix fluid-assay performance
US8236571B2 (en) * 2006-10-06 2012-08-07 Sharp Laboratories Of America, Inc. Method of making micro-pixelated fluid-assay precursor structure
US8231831B2 (en) * 2006-10-06 2012-07-31 Sharp Laboratories Of America, Inc. Micro-pixelated fluid-assay structure
US8236244B2 (en) * 2006-10-06 2012-08-07 Sharp Laboratories Of America, Inc. Micro-pixelated fluid-assay structure with on-board addressable, pixel-specific functionalization
EP2045015B1 (de) * 2007-10-01 2011-11-23 Tecan Trading AG Mikroküvetten-Anordnung und deren Verwendung
US20090100162A1 (en) * 2007-10-15 2009-04-16 Microsoft Corporation Sharing Policy and Workload among Network Access Devices
AU2012352965B2 (en) 2011-12-16 2014-08-21 Li-Cor, Inc. Luminescence imaging scanner
US8906320B1 (en) 2012-04-16 2014-12-09 Illumina, Inc. Biosensors for biological or chemical analysis and systems and methods for same
CN103792481B (zh) * 2012-11-02 2016-08-03 纬创资通股份有限公司 电路板自动测试装置及电路板自动测试方法
US20140274747A1 (en) * 2013-03-15 2014-09-18 Illumina, Inc. Super resolution imaging
US10052052B2 (en) * 2013-06-18 2018-08-21 Vlad Joseph Novotny Optical sensing array architectures for spatial profiling
EP3080585B1 (en) 2013-12-10 2023-12-06 Illumina, Inc. Biosensors for biological or chemical analysis and methods of manufacturing the same
US9736388B2 (en) 2013-12-13 2017-08-15 Bio-Rad Laboratories, Inc. Non-destructive read operations with dynamically growing images
US9774804B2 (en) 2013-12-13 2017-09-26 Bio-Rad Laboratories, Inc. Digital imaging with masked pixels
EP2987181B1 (en) * 2013-12-13 2018-02-14 Bio-Rad Laboratories, Inc. Digital imaging with masked pixels
AU2017444624B2 (en) 2017-12-26 2021-07-22 Illumina, Inc. Sensor system

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0831991B2 (ja) * 1984-04-17 1996-03-27 オリンパス光学工業株式会社 固体撮像装置
JPH0972843A (ja) 1995-09-06 1997-03-18 Nikon Corp ウェルプレート
US6197503B1 (en) * 1997-11-26 2001-03-06 Ut-Battelle, Llc Integrated circuit biochip microsystem containing lens
WO2000037684A1 (en) 1998-12-22 2000-06-29 Kris Richard M High throughput assay system using mass spectrometry
US6238869B1 (en) 1997-12-19 2001-05-29 High Throughput Genomics, Inc. High throughput assay system
KR100279295B1 (ko) * 1998-06-02 2001-02-01 윤종용 액티브 픽셀 센서
US6770441B2 (en) * 2000-02-10 2004-08-03 Illumina, Inc. Array compositions and methods of making same
JP2002175020A (ja) * 2000-09-29 2002-06-21 Fuji Photo Film Co Ltd 光学フィルターおよび画像表示装置
US7084912B2 (en) * 2001-09-20 2006-08-01 Yuen-Shung Chieh Method for reducing coherent row-wise and column-wise fixed pattern noise in CMOS image sensors

Cited By (37)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100451128C (zh) * 2004-04-16 2009-01-14 松下电器产业株式会社 试料检查装置及其制造方法
JPWO2006013832A1 (ja) * 2004-08-02 2008-05-01 古河電気工業株式会社 検体の光情報認識装置およびその認識方法
US7999929B2 (en) 2004-08-02 2011-08-16 The Furukawa Electric Co., Ltd. Specimen optical information recognizing device and its recognizing method
WO2006013832A1 (ja) * 2004-08-02 2006-02-09 The Furukawa Electric Co., Ltd. 検体の光情報認識装置およびその認識方法
JP2006071417A (ja) * 2004-09-01 2006-03-16 Casio Comput Co Ltd 生体高分子分析チップ
JP4576557B2 (ja) * 2004-09-01 2010-11-10 カシオ計算機株式会社 生体高分子分析チップ及び分析支援装置
JP4742050B2 (ja) * 2004-11-19 2011-08-10 株式会社島津製作所 検査試薬キットとそれを用いる遺伝子多型検出装置
JPWO2006054690A1 (ja) * 2004-11-19 2008-06-05 株式会社島津製作所 遺伝子多型検出方法、診断方法、並びにそのための装置及び検査試薬キット
JP2006322819A (ja) * 2005-05-19 2006-11-30 Sony Corp バイオアッセイ用の基板と装置、並びに基板の製造方法
JP4591195B2 (ja) * 2005-05-19 2010-12-01 ソニー株式会社 バイオアッセイ用の基板と装置、並びに基板の製造方法
JP2009503447A (ja) * 2005-07-20 2009-01-29 コーニング インコーポレイテッド ラベルフリーハイスループット生体分子スクリーニングシステム及び方法
WO2007040117A1 (ja) * 2005-09-30 2007-04-12 National University Corporation University Of Toyama 多細胞応答同時測定法
JP2007218874A (ja) * 2006-02-20 2007-08-30 Shimadzu Corp 反応キット
JP4591377B2 (ja) * 2006-02-20 2010-12-01 株式会社島津製作所 反応キット
JP2007285834A (ja) * 2006-04-17 2007-11-01 Shimadzu Corp 反応容器
JP4591401B2 (ja) * 2006-04-17 2010-12-01 株式会社島津製作所 反応容器
JP2007322290A (ja) * 2006-06-01 2007-12-13 Shimadzu Corp 反応キット
JP2007322291A (ja) * 2006-06-01 2007-12-13 Shimadzu Corp 分注チップ及びそれを用いた反応キット
JP2007319097A (ja) * 2006-06-01 2007-12-13 Shimadzu Corp 反応キット
JP4591408B2 (ja) * 2006-06-01 2010-12-01 株式会社島津製作所 反応キット
JP4591409B2 (ja) * 2006-06-01 2010-12-01 株式会社島津製作所 分注チップ及びそれを用いた反応キット
JP4591407B2 (ja) * 2006-06-01 2010-12-01 株式会社島津製作所 反応キット
JP2007333444A (ja) * 2006-06-13 2007-12-27 Shimadzu Corp 分注チップ駆動機構及びそれを備えた反応キット処理装置
JP4591410B2 (ja) * 2006-06-13 2010-12-01 株式会社島津製作所 分注チップ駆動機構及びそれを備えた反応キット処理装置
JP2008109864A (ja) * 2006-10-30 2008-05-15 Hitachi Ltd 遺伝子配列解析システム
JP2010509577A (ja) * 2006-11-09 2010-03-25 ナノアイデント テクノロジーズ アクチェンゲゼルシャフト 薄膜光センサを備えるタイタプレート
US9550185B2 (en) 2006-11-09 2017-01-24 Asmag-Holding Gmbh Titer plate with thin-film-light sensor
JP2008268069A (ja) * 2007-04-23 2008-11-06 Hitachi Ltd 化学発光検出装置
WO2014077601A1 (ko) * 2012-11-16 2014-05-22 (주)실리콘화일 온 칩 세포배양관찰 통합유닛 및 온 칩 세포배양관찰 통합키트
KR101505874B1 (ko) 2012-12-05 2015-03-25 (주)옵토레인 온 칩 세포배양 관찰장치 및 온 칩 세포배양 관찰키트
WO2014088240A1 (ko) * 2012-12-05 2014-06-12 (주)실리콘화일 온 칩 세포배양 관찰장치 및 온 칩 세포배양 관찰키트
JP2018057342A (ja) * 2016-10-06 2018-04-12 株式会社東芝 細胞分取装置および細胞分取システム
JP2020091185A (ja) * 2018-12-05 2020-06-11 株式会社日立製作所 分析装置及び分析方法
WO2020116058A1 (ja) * 2018-12-05 2020-06-11 株式会社日立製作所 分析装置及び分析方法
JP7300826B2 (ja) 2018-12-05 2023-06-30 株式会社日立製作所 分析装置及び分析方法
CN113826104A (zh) * 2019-03-22 2021-12-21 虹软科技股份有限公司 平铺图像传感器
CN113826104B (zh) * 2019-03-22 2024-04-19 虹软科技股份有限公司 平铺图像传感器

Also Published As

Publication number Publication date
US7163822B2 (en) 2007-01-16
JP3641619B2 (ja) 2005-04-27
US20030219891A1 (en) 2003-11-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3641619B2 (ja) 生体試料検査装置
US20220154274A1 (en) Method and System for Multiplex Genetic Analysis
US8637436B2 (en) Integrated semiconductor bioarray
ES2559004T3 (es) Aparato para detección y diferenciación del tipo de un objeto molecular
US6613523B2 (en) Method of DNA sequencing using cleavable tags
US8313904B2 (en) Biological analysis arrangement and approach therefor
JP4917883B2 (ja) 核酸の増幅および検出装置
CN103154265A (zh) 纳米孔阵列用于核酸多重测序的用途
JP2020528741A (ja) 核酸インデックス付け技術
US11360029B2 (en) Methods and systems for time-gated fluorescent-based detection
WO2008082713A2 (en) Integrated semiconductor bioarray
US20130338010A1 (en) Filter architecture for analytical devices
JP2015042182A (ja) 核酸検出方法
US20180252646A1 (en) Optical structure and optical light detection system
JP2005195492A (ja) 分析装置及び分析方法
ES2317081T3 (es) Chip de analisis con gama patron, maletines y procedimientos de analisis.
US20230184678A1 (en) Methods for loading and data acquisition
JP3834519B2 (ja) 生化学的検査方法
US20220187205A1 (en) Systems and methods for chip regeneration
US20220128566A1 (en) Calibration of single-molecule detection system
JP2002350349A (ja) 蛍光検出装置
JP2006006274A (ja) 遺伝子検査方法
JP3811393B2 (ja) 蛍光検出装置
JP2003526096A (ja) 核酸、dna、rna、pna及び蛋白質などの分子化合物のハイブリダイゼーションを同時かつ多角的に検出し定量化するための方法及びシステム
JP2002350346A (ja) 蛍光検出装置およびその製造方法並びにそれを用いた蛍光検出方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040817

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041013

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041109

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041126

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050111

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050124

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080128

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090128

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090128

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100128

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100128

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110128

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110128

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120128

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130128

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees