JP3551553B2 - カートリッジのシャッター開閉機構及びカートリッジのシャッター開閉機構を有する記録及び/又は再生装置 - Google Patents
カートリッジのシャッター開閉機構及びカートリッジのシャッター開閉機構を有する記録及び/又は再生装置 Download PDFInfo
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は新規なカートリッジのシャッター開閉機構及びシャッター開閉機構を有する記録及び/又は再生装置に関する。詳しくは、カートリッジのシャッターの開閉動作を確実に行うことができるようにしようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
カートリッジ、例えば、扁平な箱状をした筐体内に記録媒体ディスク、例えば、光磁気ディスクを回転可能に収納した光ディスクカートリッジがある。
【0003】
このようなカートリッジにおいて、上記筐体にアクセス孔を形成し、該アクセス孔を開閉するシャッターを設け、不使用時にはシャッターがアクセス孔を閉塞しており、該カートリッジを記録及び/又は再生装置に装着したときに、シャッターが開いてピックアップが筐体内の記録媒体ディスクにアクセスすることができるようにしてある。
【0004】
そして、かかるカートリッジを使用する記録及び/又は再生装置における従来のカートリッジのシャッター開閉機構には、例えば、図14乃至図18に示したようなものがある。
【0005】
カートリッジホルダーaは板金材料を折曲加工して形成され、上面板bの両側から側板c、c′が垂設され、これら側板c、c′の下縁の一部から押え板d、d′が上面板bと対向するように突設されている。
【0006】
一方の側板cを内方へ切り起こして開放片eが内方へ突設され、また、該側板cには開放片eから前方へ離間した位置に開口fが形成されている。
【0007】
シャッター押えばねgは板バネ材料で形成され、その先端部にV字状に屈曲された引掛部hが形成されている。そして、該シャッター押えばねgの基端部が上記側板cの外側面に固定され、その引掛部hが開口fから内方へ突出されている。
【0008】
このようなカートリッジホルダーaは図示しない記録及び/又は再生装置のシャーシに回動自在に支持されている。
【0009】
カートリッジiは扁平な箱状をした筐体j内に図示しない記録媒体ディスクが回転可能に収納されており、該記録媒体ディスクに外部からアクセスするための図示しないアクセス孔を開閉するシャッターkが筐体jに摺動自在に設けられている。
【0010】
シャッターkは板金材料を偏平なコ字状に折り曲げて形成されており、上下の大きな覆い片を連結している幅狭の背部lには被押圧片mと係合孔nが形成されている。被押圧片mは一方の覆い片から延び他方の覆い片の手前で終わっている。
【0011】
そして、筐体jのうち背部lが対向している側面にはその長手方向に延びる溝oが形成され、該溝oはそれが形成された側面の一方の端部にまで達している。
【0012】
そして、カートリッジiのシャッターkの開閉は次のように為される。
【0013】
カートリッジiをカートリッジホルダーaに挿入して行くと、先ず、シャッター押えばねgが外方へ撓むことによってその引掛部hがシャッターkの背部lに乗り上げて行き引掛部hがシャッターkの係合孔nに係合した状態となり、これと同時にカートリッジホルダーaの開放片eの一端がシャッターkの被押圧片mの一側縁に当接し、それから、それを図14(a)及び図15(a)に矢印で示す方向、即ち、開放方向へ押圧して行く。これによってシャッターkは開放方向へ移動せしめられ、カートリッジiが図14(c)及び図15(c)に示す位置まで挿入されると、シャッターkは上記アクセス孔を完全に開放する位置まで移動される。
【0014】
次にカートリッジiのシャッターkの閉塞は次のように為される。
【0015】
図16(a)及び図17(a)に示す状態からカートリッジiをカートリッジホルダーaから引き出して行くと、カートリッジホルダーaのシャッター押えばねgの引掛部hが係合孔nに係合しているので、相対的にシャッターkが引っ張られ、閉塞位置へ向けて移動される(図16(b)、図17(b)参照)。そして、シャッターkが閉塞位置に達すると、そこから更にカートリッジiが引き出されて行くことによってシャッター押えばねgの引掛部hはシャッターkの背部lに乗り上げて(図16(c)、図17(c)参照)、そして、シャッターkから離れて行く。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来のカートリッジのシャッター開閉機構にあっては、シャッターkの被押圧片mの先端と筐体jの溝oの一側との間には僅かな間隙pが有り、一方、カートリッジホルダーaの開放片eはカートリッジホルダーaの一部を切り起こしたもので板金から成る厚みの薄いものであるので、カートリッジiのカートリッジホルダーaへの挿入の仕方如何によっては、開放片eが被押圧片mと溝oとの間の間隙pに入ってしまい(図18参照)、シャッターkが開かないことがあったりし、動作が不確実になることがあるという問題がある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明カートリッジのシャッター開閉機構は、上記した課題を解決するために、カートリッジが挿入保持される回動自在なカートリッジホルダーと、該カートリッジホルダーにその回動に応動してカートリッジの挿脱方向に移動するように支持され、先端部にカートリッジホルダーの内部に突出した押圧部材を有すると共に該押圧部材の突出方向に撓み弾性を有する摺動部材とから成り、カートリッジホルダーが一の方向に回動する際に、カートリッジに付設されたシャッターの被押圧片の一の縁に当接した上記押圧部材が該被押圧片を一の方向に押圧して該シャッターを解放すると共に上記摺動部材が反シャッター方向へ撓むことによって押圧部材がシャッターの被押圧片上に乗り上げて移動して被押圧片の他の縁に当接し、カートリッジホルダーが他の方向に回動する際に、押圧部材がシャッターの被押圧片の他の縁を他の方向に押圧して閉塞すると共に摺動部材が反シャッター方向へ撓むことによって押圧部材がシャッターの被押圧片上に乗り上げて移動して被押圧片の一の縁に当接する位置に移動するようにしたものである。
また、本発明カートリッジのシャッター開閉機構を有する記録及び/又は再生装置は、カートリッジが挿入保持される回動自在なカートリッジホルダーと、該カートリッジホルダーにその回動に応動してカートリッジの挿脱方向に移動するように支持され、先端部にカートリッジホルダーの内部に突出した押圧部材を有すると共に該押圧部材の突出方向に撓み弾性を有する摺動部材とから成り、カートリッジホルダーが一の方向に回動する際に、カートリッジに付設されたシャッターの被押圧片の一の縁に当接した上記押圧部材が該被押圧片を一の方向に押圧して該シャッターを解放すると共に上記摺動部材が反シャッター方向へ撓むことによって押圧部材がシャッターの被押圧片上に乗り上げて移動して被押圧片の他の縁に当接し、カートリッジホルダーが他の方向に回動する際に、押圧部材がシャッターの被押圧片の他の縁を他の方向に押圧して閉塞すると共に摺動部材が反シャッター方向へ撓むことによって押圧部材がシャッターの被押圧片上に乗り上げて移動して被押圧片の一の縁に当接する位置に移動するようにしたカートリッジのシャッター開閉機構を備えたものである。
【0018】
【作用】
従って、本発明にあっては、摺動部材が撓むことによってそれに設けられた押圧部材がシャッターの被押圧片を乗り上げて移動して被押圧片の2つの縁にそれぞれ当接し得て、よって、単一の部材、即ち、摺動部材によってシャッターの開放のみならず閉塞も行うことができるので、シャッターの開閉動作を確実に為すことが出来る。
【0019】
【実施例】
以下に、本発明カートリッジのシャッター開閉機構及びカートリッジのシャッター開閉機構を有する記録及び/又は再生装置の詳細を図示した実施例に従って説明する。
【0020】
尚、図示した実施例は、本発明を所謂ミニディスク(MD)と称される64mm径の小型の光磁気ディスクを筐体内に収容したカートリッジを使用して上記光ディスクの再生を行うディスクプレーヤーにおけるカートリッジホルダーに設けるカートリッジのシャッター開閉機構に適用したものである。
【0021】
先ず、MDカートリッジについて説明する。
【0022】
MDカートリッジ1は扁平で矩形の外形を有する筐体2を有している。そして、該筐体2内に光磁気ディスク3が回転可能に収容されている。光磁気ディスク3の中心部には板金製のセンターコア4が取着され、該センターコア4の中心にはセンターホール5が開設されている。
【0023】
筐体2の下面の中心部には挿入孔6が形成され、該挿入孔6から上記センターコア4が外部に臨まされている。
【0024】
また、筐体2の上下両面の一の側縁と中心近くとの間の部分のうち上記側縁の中央より稍一端(この端部を「前端」とする。)に寄った位置から他端(この端部を「後端」とする。)近くまでの範囲に浅い凹部7、7が形成され、該凹部7、7の前端側にアクセス孔8、8が形成されている。そして、筐体2の上記一の側縁側の側端面にはその前端から後端近くに至る溝9が形成されている。
【0025】
シャッター10は薄い板金材料を折曲成形して扁平なコ字状に形成され、上記アクセス孔8、8より一回り大きい矩形をした覆い片11、12とこれら覆い片11と12との間を連結している背部13とが一体に形成されて成る。
【0026】
下側の覆い片12の基端部、即ち、背部13側の端部はその余の部分より稍幅が大きく形成され、前後に突出した部分12′、12′の反背部13側の縁には上方へ屈曲された小片14、14が形成され、該小片14、14が下側の凹部7の一の側縁に近接して前後方向に延びて形成された案内溝15に摺動自在に係合されている。そして、各覆い片11、12が筐体2の凹部7、7内に各別に摺動自在に位置される。
【0027】
背部13のうち上記突出した部分に連続する部分13′、13′は上下幅が細幅に、即ち、上側の覆い片11までは達しない細幅に形成され、前側の部分13′の前端部には上方へ突出した被押圧片16が形成されている。また、被押圧片16の上端部16aは略直角に屈曲されて溝9の奥側へ突出され被係止片とされている。
【0028】
筐体2内の前端部で溝9に近接した位置にロック部材17が配置されている。ロック部材17は溝9側の面にコ字状をした係合凹部18を有する主部19と該主部19の前端から略前方へ向けてかつ前方へ行くに従って溝9から遠去かるように突出した腕部20とが一体に形成されて成る。主部19の前端面21aは溝9に近づくに従って係合凹部18に近づく傾斜面とされ、また、主部19の後端面21bも溝9に近づくに従って係合凹部18に近づく傾斜面とされている。
【0029】
そして、上記ロック部材17には図示しない弾発手段によって主部19が溝9側へ移動する回動力が付勢されており、外力が加えられていない状態で、主部19の外端側の部分が溝9内に位置し、その係合凹部18に閉塞位置にあるシャッター10の被係止片16aが係合され、これによってシャッター10が閉塞位置に保持される。
【0030】
シャーシ22の上面側にカートリッジホルダー23が回動自在に支持されている。
【0031】
カートリッジホルダー23は板金材料の折曲加工によって形成され、上面板24の両側縁から側板25、26が垂設され、該側板25、26の下縁から押え板27、28が上面板24と対向するように突設されている。また、一方の側板25にはその長手方向に延びるガイド孔29が形成されている。そして、カートリッジホルダー23の前端部がシャーシ22に回動自在に支持されている。
【0032】
回動レバー30の基端部がシャーシ22に回動自在に支持されている。回動レバー30はカートリッジホルダー23の一方の側板25に近接して位置しており、その回動中心はカートリッジホルダー23の回動中心から離れて位置している。
【0033】
摺動部材31は板バネ材料で形成され、幅広の基部31aと該基部31aの後端から後方へ突出した支持部31bとが一体に形成されて成り、基部31aの幅はカートリッジホルダー23のガイド孔29の幅より広く形成されている。そして、基部31aが上記回動レバー30の回動端に回動自在に支持されている。
【0034】
摺動部材31の支持部31bに押圧部材32が合成樹脂、例えば、POMのアウトサート成形によって一体的に形成されている。押圧部材32はその前端面32aと後端面32bとが先端に行くに従って、即ち、摺動部材31から遠去かるに従って互いに近づくように傾斜されている。また、押圧部材32はその幅がカートリッジホルダー23のガイド孔29の幅より僅かに小さい幅に形成されている。
【0035】
そして、押圧部材32はカートリッジホルダー23のガイド孔29に外側から挿通され、その基端側の部分を除く部分がカートリッジホルダー23内に突出された状態でガイド孔29に摺動自在とされている。
【0036】
そして、カートリッジホルダー23が開放位置、即ち、図1に示す位置にある状態で、押圧部材31はガイド孔29の前端部に位置している。そして、カートリッジホルダー23が閉塞位置、即ち、図2に示す位置へ向けて回動されるに従って、カートリッジホルダー23と回動レバー30の回動中心の位置の相違から、摺動部材31はガイド孔29の後端へ向けて移動されて行く。
【0037】
MDカートリッジ1は挿入孔6が下を向いた状態で前端から開放位置にあるカートリッジホルダー23に挿入される。即ち、カートリッジホルダー23の上面板24と側板25、26と押え板27とから成るチャンネル状部分に筐体2の両側部が挿入されて行く。そして、MDカートリッジ1をカートリッジホルダー23内に完全に挿入した状態でカートリッジホルダー23を閉塞位置へ向けて回動する。そして、カートリッジホルダー23が閉塞位置に達すると、MDカートリッジ1のシャッター10が開放位置に達しアクセス孔8、8が開放され、シャーシ22に設けられた図示しない光学ピックアップが光磁気ディスク3にアクセスすることができる状態となり、また、シャーシ22に設けられたスピンドル33の上端部が挿入孔6から筐体2内へ挿入され光磁気ディスク3のセンターコア4を吸着し、スピンドル33のセンターピン33aがセンターコア4のセンターホール5に挿通される。
【0038】
しかして、スピンドル33が図示しないスピンドルモータによって回転されると、光磁気ディスク3が回転され、図示しない光学ピックアップによって光磁気ディスク3に記録された内容が読み取られ再生される。
【0039】
また、カートリッジホルダー23が閉塞位置にある状態から開放位置に回動されると、シャッター10が閉塞位置に達する。その状態から、MDカートリッジ1がカートリッジホルダー23から取り出される。
【0040】
上記動作のうち、シャッター10が開閉される動作の詳細について説明する。
【0041】
先ず、シャッター10が開放される動作について説明する。
【0042】
MDカートリッジ1がカートリッジホルダー23に完全に挿入されると、摺動部材31の押圧部材32の後側の傾斜面32bがシャッター10の被押圧片16の前縁16bに近接した状態となる(図5(a)、図6(a)参照)。
【0043】
従って、カートリッジホルダー23の閉塞位置へ向けての回動により摺動部材31がガイド孔29の後端へ向けて移動することによって、先ず、押圧部材32の後側の傾斜面32bが被押圧片16の前縁16bに当接するまでの間に、押圧部材32の後端部がロック部材17の傾斜面21aを押圧してロック部材17をその主部19が溝9から遠去かる方向へ回動させ、シャッター10の被係止片16aとロック部材17の係合凹部18との係合が解除される(図5(b)、図6(b)参照)。
【0044】
そして、押圧部材32の後側傾斜面32bが被押圧片16の前縁16bに当接してから該傾斜面32bが被押圧片16の前縁16bを後方へ向けて押圧して行くので、これによって、シャッター10が後方へ移動され、アクセス孔8、8を開放して行く。
【0045】
シャッター10が開放位置へ移動すると(図5(c)、図6(c)参照)、シャッター10はそれ以上は移動することができないので、摺動部材31が外方へ撓んで押圧部材32が被押圧片16の外面に乗り上げ(図5(d)、図6(d)参照)、更に後方へ移動する。そして、カートリッジホルダー23が閉塞位置に達すると(図7(a)、図8(a)参照)、押圧部材32は被押圧片16の後側に達して撓んでいた摺動部材31が元の状態に復元し、押圧部材32の前縁32aが被押圧片16の後縁16cに当接乃至は近接した状態になる。
【0046】
次に、カートリッジホルダー23が閉塞位置から開放位置へ回動する間に、シャッター10が閉じられる。
【0047】
即ち、この間に、前方へ向けて移動する押圧部材32の前側の傾斜面32aが被押圧片16の後縁16cを前方へ向けて押圧するので、シャッター10が閉塞位置へ向けて移動される。
【0048】
そして、シャッター10が閉塞位置に達する直前に被係止片16aの前端部がロック部材17の後側傾斜面21bを押圧しロック部材17を主部19が溝9から遠去かる方向へ回動させ(図7(b)、図8(b)参照)、そして、シャッター10が閉塞位置に達すると、ロック部材17が元の状態に復帰し、その係合凹部18にシャッター10の被係止片16aが係合される(図7(c)、図8(c)参照)。
【0049】
シャッター10が閉塞位置に達すると、シャッター10はそれ以上前方へは移動しないが、摺動部材31はまだ前方へ移動する。従って、摺動部材31が外方へ撓んで押圧部材32が被押圧片16の外面に乗り上げ(図7(d)、図8(d)参照)、更に前方へ移動する。
【0050】
そして、カートリッジホルダー23が開放位置へ移動すると、MDカートリッジ1をカートリッジホルダー23から取り出すことが可能となる。
【0051】
上記したカートリッジのシャッター開閉機構にあっては、摺動部材31が撓むことによってそれに設けられた押圧部材32がシャッター10の被押圧片16を乗り上げて移動して被押圧片16の2つの縁16b、16cにそれぞれ当接し得て、よって、単一の部材、即ち、摺動部材31によってシャッター10の開放のみならず閉塞も行うことができ、しかも、押圧部材32はある程度の幅を有しているので、シャッター10の開閉を確実に行うことができる。
【0052】
【発明の効果】
以上に記載したところから明らかなように、本発明カートリッジのシャッター開閉機構は、カートリッジが挿入保持される回動自在なカートリッジホルダーと、該カートリッジホルダーにその回動に応動してカートリッジの挿脱方向に移動するように支持され、先端部にカートリッジホルダーの内部に突出した押圧部材を有すると共に該押圧部材の突出方向に撓み弾性を有する摺動部材とから成り、カートリッジホルダーが一の方向に回動する際に、カートリッジに付設されたシャッターの被押圧片の一の縁に当接した上記押圧部材が該被押圧片を一の方向に押圧して該シャッターを解放すると共に上記摺動部材が反シャッター方向へ撓むことによって押圧部材がシャッターの被押圧片上に乗り上げて移動して被押圧片の他の縁に当接し、カートリッジホルダーが他の方向に回動する際に、押圧部材がシャッターの被押圧片の他の縁を他の方向に押圧して閉塞すると共に摺動部材が反シャッター方向へ撓むことによって押圧部材がシャッターの被押圧片上に乗り上げて移動して被押圧片の一の縁に当接する位置に移動するようにしたことを特徴とする。
また、本発明カートリッジのシャッター開閉機構を有する記録及び/又は再生装置は、カートリッジが挿入保持される回動自在なカートリッジホルダーと、該カートリッジホルダーにその回動に応動してカートリッジの挿脱方向に移動するように支持され、先端部にカートリッジホルダーの内部に突出した押圧部材を有すると共に該押圧部材の突出方向に撓み弾性を有する摺動部材とから成り、カートリッジホルダーが一の方向に回動する際に、カートリッジに付設されたシャッターの被押圧片の一の縁に当接した上記押圧部材が該被押圧片を一の方向に押圧して該シャッターを解放すると共に上記摺動部材が反シャッター方向へ撓むことによって押圧部材がシャッターの被押圧片上に乗り上げて移動して被押圧片の他の縁に当接し、カートリッジホルダーが他の方向に回動する際に、押圧部材がシャッターの被押圧片の他の縁を他の方向に押圧して閉塞すると共に摺動部材が反シャッター方向へ撓むことによって押圧部材がシャッターの被押圧片上に乗り上げて移動して被押圧片の一の縁に当接する位置に移動するようにしたカートリッ ジのシャッター開閉機構を備えたことを特徴とする。
【0053】
従って、本発明カートリッジのシャッター開閉機構及びカートリッジのシャッター開閉機構を有する記録及び/又は再生装置にあっては、摺動部材が撓むことによってそれに設けられた押圧部材がシャッターの被押圧片を乗り上げて移動して被押圧片の2つの縁にそれぞれ当接し得て、よって、単一の部材、即ち、摺動部材によってシャッターの開放のみならず閉塞も行うことができるので、シャッターの開閉動作を確実に為すことが出来る。
【0054】
尚、上記実施例に示した各部の形状乃至構造は、何れも本発明を実施するに際しての具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって、本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2乃至図8と共に本発明カートリッジのシャッター開閉機構の実施の一例を示すものであり、本図はカートリッジホルダーが開放位置にある状態を示す斜視図である。
【図2】カートリッジホルダーが閉塞位置にある状態を示す斜視図である。
【図3】要部の拡大断面図である。
【図4】要部の拡大分解斜視図である。
【図5】シャッターが開放される動作を示す要部の拡大側面図であり、(a)から(d)へ経時的に示すものである。
【図6】シャッターが開放される動作を示す要部の拡大断面図であり、(a)から(d)へ経時的に示し、図5に対応して示すものである。
【図7】シャッターが閉塞される動作を示す要部の拡大側面図であり、(a)から(d)へ経時的に示すものである。
【図8】シャッターが閉塞される動作を示す要部の拡大断面図であり、(a)から(d)へ経時的に示し、図7に対応して示すものである。
【図9】図10乃至図12と共に本発明カートリッジのシャッター開閉機構において使用されるカートリッジの一例を示すものであり、本図は上方から見た斜視図である。
【図10】下方から見た斜視図である。
【図11】拡大側面図である。
【図12】要部の拡大断面図である。
【図13】図14乃至図18と共に従来のカートリッジのシャッター開閉機構の一例を示すものであり、本図は斜視図である。
【図14】シャッターが開放される動作を示す要部の拡大側面図であり、(a)から(c)へ経時的に示すものである。
【図15】シャッターが開放される動作を示す要部の拡大断面図であり、(a)から(c)へ経時的に示し、図14に対応するものである。
【図16】シャッターが閉塞される動作を示す要部の拡大側面図であり、(a)から(c)へ経時的に示すものである。
【図17】シャッターが閉塞される動作を示す要部の拡大断面図であり、(a)から(c)へ経時的に示し、図16に対応するものである。
【図18】従来のカートリッジのシャッター開閉機構における問題点を示す要部の拡大側面図である。
【符号の説明】
1 MDカートリッジ(カートリッジ)
10 シャッター
16 被押圧片
16b 前縁(一の縁)
16c 後縁(他の縁)
23 カートリッジホルダー
29 ガイド孔
30 回動レバー
31 摺動部材
32 押圧部材
【産業上の利用分野】
本発明は新規なカートリッジのシャッター開閉機構及びシャッター開閉機構を有する記録及び/又は再生装置に関する。詳しくは、カートリッジのシャッターの開閉動作を確実に行うことができるようにしようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
カートリッジ、例えば、扁平な箱状をした筐体内に記録媒体ディスク、例えば、光磁気ディスクを回転可能に収納した光ディスクカートリッジがある。
【0003】
このようなカートリッジにおいて、上記筐体にアクセス孔を形成し、該アクセス孔を開閉するシャッターを設け、不使用時にはシャッターがアクセス孔を閉塞しており、該カートリッジを記録及び/又は再生装置に装着したときに、シャッターが開いてピックアップが筐体内の記録媒体ディスクにアクセスすることができるようにしてある。
【0004】
そして、かかるカートリッジを使用する記録及び/又は再生装置における従来のカートリッジのシャッター開閉機構には、例えば、図14乃至図18に示したようなものがある。
【0005】
カートリッジホルダーaは板金材料を折曲加工して形成され、上面板bの両側から側板c、c′が垂設され、これら側板c、c′の下縁の一部から押え板d、d′が上面板bと対向するように突設されている。
【0006】
一方の側板cを内方へ切り起こして開放片eが内方へ突設され、また、該側板cには開放片eから前方へ離間した位置に開口fが形成されている。
【0007】
シャッター押えばねgは板バネ材料で形成され、その先端部にV字状に屈曲された引掛部hが形成されている。そして、該シャッター押えばねgの基端部が上記側板cの外側面に固定され、その引掛部hが開口fから内方へ突出されている。
【0008】
このようなカートリッジホルダーaは図示しない記録及び/又は再生装置のシャーシに回動自在に支持されている。
【0009】
カートリッジiは扁平な箱状をした筐体j内に図示しない記録媒体ディスクが回転可能に収納されており、該記録媒体ディスクに外部からアクセスするための図示しないアクセス孔を開閉するシャッターkが筐体jに摺動自在に設けられている。
【0010】
シャッターkは板金材料を偏平なコ字状に折り曲げて形成されており、上下の大きな覆い片を連結している幅狭の背部lには被押圧片mと係合孔nが形成されている。被押圧片mは一方の覆い片から延び他方の覆い片の手前で終わっている。
【0011】
そして、筐体jのうち背部lが対向している側面にはその長手方向に延びる溝oが形成され、該溝oはそれが形成された側面の一方の端部にまで達している。
【0012】
そして、カートリッジiのシャッターkの開閉は次のように為される。
【0013】
カートリッジiをカートリッジホルダーaに挿入して行くと、先ず、シャッター押えばねgが外方へ撓むことによってその引掛部hがシャッターkの背部lに乗り上げて行き引掛部hがシャッターkの係合孔nに係合した状態となり、これと同時にカートリッジホルダーaの開放片eの一端がシャッターkの被押圧片mの一側縁に当接し、それから、それを図14(a)及び図15(a)に矢印で示す方向、即ち、開放方向へ押圧して行く。これによってシャッターkは開放方向へ移動せしめられ、カートリッジiが図14(c)及び図15(c)に示す位置まで挿入されると、シャッターkは上記アクセス孔を完全に開放する位置まで移動される。
【0014】
次にカートリッジiのシャッターkの閉塞は次のように為される。
【0015】
図16(a)及び図17(a)に示す状態からカートリッジiをカートリッジホルダーaから引き出して行くと、カートリッジホルダーaのシャッター押えばねgの引掛部hが係合孔nに係合しているので、相対的にシャッターkが引っ張られ、閉塞位置へ向けて移動される(図16(b)、図17(b)参照)。そして、シャッターkが閉塞位置に達すると、そこから更にカートリッジiが引き出されて行くことによってシャッター押えばねgの引掛部hはシャッターkの背部lに乗り上げて(図16(c)、図17(c)参照)、そして、シャッターkから離れて行く。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来のカートリッジのシャッター開閉機構にあっては、シャッターkの被押圧片mの先端と筐体jの溝oの一側との間には僅かな間隙pが有り、一方、カートリッジホルダーaの開放片eはカートリッジホルダーaの一部を切り起こしたもので板金から成る厚みの薄いものであるので、カートリッジiのカートリッジホルダーaへの挿入の仕方如何によっては、開放片eが被押圧片mと溝oとの間の間隙pに入ってしまい(図18参照)、シャッターkが開かないことがあったりし、動作が不確実になることがあるという問題がある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明カートリッジのシャッター開閉機構は、上記した課題を解決するために、カートリッジが挿入保持される回動自在なカートリッジホルダーと、該カートリッジホルダーにその回動に応動してカートリッジの挿脱方向に移動するように支持され、先端部にカートリッジホルダーの内部に突出した押圧部材を有すると共に該押圧部材の突出方向に撓み弾性を有する摺動部材とから成り、カートリッジホルダーが一の方向に回動する際に、カートリッジに付設されたシャッターの被押圧片の一の縁に当接した上記押圧部材が該被押圧片を一の方向に押圧して該シャッターを解放すると共に上記摺動部材が反シャッター方向へ撓むことによって押圧部材がシャッターの被押圧片上に乗り上げて移動して被押圧片の他の縁に当接し、カートリッジホルダーが他の方向に回動する際に、押圧部材がシャッターの被押圧片の他の縁を他の方向に押圧して閉塞すると共に摺動部材が反シャッター方向へ撓むことによって押圧部材がシャッターの被押圧片上に乗り上げて移動して被押圧片の一の縁に当接する位置に移動するようにしたものである。
また、本発明カートリッジのシャッター開閉機構を有する記録及び/又は再生装置は、カートリッジが挿入保持される回動自在なカートリッジホルダーと、該カートリッジホルダーにその回動に応動してカートリッジの挿脱方向に移動するように支持され、先端部にカートリッジホルダーの内部に突出した押圧部材を有すると共に該押圧部材の突出方向に撓み弾性を有する摺動部材とから成り、カートリッジホルダーが一の方向に回動する際に、カートリッジに付設されたシャッターの被押圧片の一の縁に当接した上記押圧部材が該被押圧片を一の方向に押圧して該シャッターを解放すると共に上記摺動部材が反シャッター方向へ撓むことによって押圧部材がシャッターの被押圧片上に乗り上げて移動して被押圧片の他の縁に当接し、カートリッジホルダーが他の方向に回動する際に、押圧部材がシャッターの被押圧片の他の縁を他の方向に押圧して閉塞すると共に摺動部材が反シャッター方向へ撓むことによって押圧部材がシャッターの被押圧片上に乗り上げて移動して被押圧片の一の縁に当接する位置に移動するようにしたカートリッジのシャッター開閉機構を備えたものである。
【0018】
【作用】
従って、本発明にあっては、摺動部材が撓むことによってそれに設けられた押圧部材がシャッターの被押圧片を乗り上げて移動して被押圧片の2つの縁にそれぞれ当接し得て、よって、単一の部材、即ち、摺動部材によってシャッターの開放のみならず閉塞も行うことができるので、シャッターの開閉動作を確実に為すことが出来る。
【0019】
【実施例】
以下に、本発明カートリッジのシャッター開閉機構及びカートリッジのシャッター開閉機構を有する記録及び/又は再生装置の詳細を図示した実施例に従って説明する。
【0020】
尚、図示した実施例は、本発明を所謂ミニディスク(MD)と称される64mm径の小型の光磁気ディスクを筐体内に収容したカートリッジを使用して上記光ディスクの再生を行うディスクプレーヤーにおけるカートリッジホルダーに設けるカートリッジのシャッター開閉機構に適用したものである。
【0021】
先ず、MDカートリッジについて説明する。
【0022】
MDカートリッジ1は扁平で矩形の外形を有する筐体2を有している。そして、該筐体2内に光磁気ディスク3が回転可能に収容されている。光磁気ディスク3の中心部には板金製のセンターコア4が取着され、該センターコア4の中心にはセンターホール5が開設されている。
【0023】
筐体2の下面の中心部には挿入孔6が形成され、該挿入孔6から上記センターコア4が外部に臨まされている。
【0024】
また、筐体2の上下両面の一の側縁と中心近くとの間の部分のうち上記側縁の中央より稍一端(この端部を「前端」とする。)に寄った位置から他端(この端部を「後端」とする。)近くまでの範囲に浅い凹部7、7が形成され、該凹部7、7の前端側にアクセス孔8、8が形成されている。そして、筐体2の上記一の側縁側の側端面にはその前端から後端近くに至る溝9が形成されている。
【0025】
シャッター10は薄い板金材料を折曲成形して扁平なコ字状に形成され、上記アクセス孔8、8より一回り大きい矩形をした覆い片11、12とこれら覆い片11と12との間を連結している背部13とが一体に形成されて成る。
【0026】
下側の覆い片12の基端部、即ち、背部13側の端部はその余の部分より稍幅が大きく形成され、前後に突出した部分12′、12′の反背部13側の縁には上方へ屈曲された小片14、14が形成され、該小片14、14が下側の凹部7の一の側縁に近接して前後方向に延びて形成された案内溝15に摺動自在に係合されている。そして、各覆い片11、12が筐体2の凹部7、7内に各別に摺動自在に位置される。
【0027】
背部13のうち上記突出した部分に連続する部分13′、13′は上下幅が細幅に、即ち、上側の覆い片11までは達しない細幅に形成され、前側の部分13′の前端部には上方へ突出した被押圧片16が形成されている。また、被押圧片16の上端部16aは略直角に屈曲されて溝9の奥側へ突出され被係止片とされている。
【0028】
筐体2内の前端部で溝9に近接した位置にロック部材17が配置されている。ロック部材17は溝9側の面にコ字状をした係合凹部18を有する主部19と該主部19の前端から略前方へ向けてかつ前方へ行くに従って溝9から遠去かるように突出した腕部20とが一体に形成されて成る。主部19の前端面21aは溝9に近づくに従って係合凹部18に近づく傾斜面とされ、また、主部19の後端面21bも溝9に近づくに従って係合凹部18に近づく傾斜面とされている。
【0029】
そして、上記ロック部材17には図示しない弾発手段によって主部19が溝9側へ移動する回動力が付勢されており、外力が加えられていない状態で、主部19の外端側の部分が溝9内に位置し、その係合凹部18に閉塞位置にあるシャッター10の被係止片16aが係合され、これによってシャッター10が閉塞位置に保持される。
【0030】
シャーシ22の上面側にカートリッジホルダー23が回動自在に支持されている。
【0031】
カートリッジホルダー23は板金材料の折曲加工によって形成され、上面板24の両側縁から側板25、26が垂設され、該側板25、26の下縁から押え板27、28が上面板24と対向するように突設されている。また、一方の側板25にはその長手方向に延びるガイド孔29が形成されている。そして、カートリッジホルダー23の前端部がシャーシ22に回動自在に支持されている。
【0032】
回動レバー30の基端部がシャーシ22に回動自在に支持されている。回動レバー30はカートリッジホルダー23の一方の側板25に近接して位置しており、その回動中心はカートリッジホルダー23の回動中心から離れて位置している。
【0033】
摺動部材31は板バネ材料で形成され、幅広の基部31aと該基部31aの後端から後方へ突出した支持部31bとが一体に形成されて成り、基部31aの幅はカートリッジホルダー23のガイド孔29の幅より広く形成されている。そして、基部31aが上記回動レバー30の回動端に回動自在に支持されている。
【0034】
摺動部材31の支持部31bに押圧部材32が合成樹脂、例えば、POMのアウトサート成形によって一体的に形成されている。押圧部材32はその前端面32aと後端面32bとが先端に行くに従って、即ち、摺動部材31から遠去かるに従って互いに近づくように傾斜されている。また、押圧部材32はその幅がカートリッジホルダー23のガイド孔29の幅より僅かに小さい幅に形成されている。
【0035】
そして、押圧部材32はカートリッジホルダー23のガイド孔29に外側から挿通され、その基端側の部分を除く部分がカートリッジホルダー23内に突出された状態でガイド孔29に摺動自在とされている。
【0036】
そして、カートリッジホルダー23が開放位置、即ち、図1に示す位置にある状態で、押圧部材31はガイド孔29の前端部に位置している。そして、カートリッジホルダー23が閉塞位置、即ち、図2に示す位置へ向けて回動されるに従って、カートリッジホルダー23と回動レバー30の回動中心の位置の相違から、摺動部材31はガイド孔29の後端へ向けて移動されて行く。
【0037】
MDカートリッジ1は挿入孔6が下を向いた状態で前端から開放位置にあるカートリッジホルダー23に挿入される。即ち、カートリッジホルダー23の上面板24と側板25、26と押え板27とから成るチャンネル状部分に筐体2の両側部が挿入されて行く。そして、MDカートリッジ1をカートリッジホルダー23内に完全に挿入した状態でカートリッジホルダー23を閉塞位置へ向けて回動する。そして、カートリッジホルダー23が閉塞位置に達すると、MDカートリッジ1のシャッター10が開放位置に達しアクセス孔8、8が開放され、シャーシ22に設けられた図示しない光学ピックアップが光磁気ディスク3にアクセスすることができる状態となり、また、シャーシ22に設けられたスピンドル33の上端部が挿入孔6から筐体2内へ挿入され光磁気ディスク3のセンターコア4を吸着し、スピンドル33のセンターピン33aがセンターコア4のセンターホール5に挿通される。
【0038】
しかして、スピンドル33が図示しないスピンドルモータによって回転されると、光磁気ディスク3が回転され、図示しない光学ピックアップによって光磁気ディスク3に記録された内容が読み取られ再生される。
【0039】
また、カートリッジホルダー23が閉塞位置にある状態から開放位置に回動されると、シャッター10が閉塞位置に達する。その状態から、MDカートリッジ1がカートリッジホルダー23から取り出される。
【0040】
上記動作のうち、シャッター10が開閉される動作の詳細について説明する。
【0041】
先ず、シャッター10が開放される動作について説明する。
【0042】
MDカートリッジ1がカートリッジホルダー23に完全に挿入されると、摺動部材31の押圧部材32の後側の傾斜面32bがシャッター10の被押圧片16の前縁16bに近接した状態となる(図5(a)、図6(a)参照)。
【0043】
従って、カートリッジホルダー23の閉塞位置へ向けての回動により摺動部材31がガイド孔29の後端へ向けて移動することによって、先ず、押圧部材32の後側の傾斜面32bが被押圧片16の前縁16bに当接するまでの間に、押圧部材32の後端部がロック部材17の傾斜面21aを押圧してロック部材17をその主部19が溝9から遠去かる方向へ回動させ、シャッター10の被係止片16aとロック部材17の係合凹部18との係合が解除される(図5(b)、図6(b)参照)。
【0044】
そして、押圧部材32の後側傾斜面32bが被押圧片16の前縁16bに当接してから該傾斜面32bが被押圧片16の前縁16bを後方へ向けて押圧して行くので、これによって、シャッター10が後方へ移動され、アクセス孔8、8を開放して行く。
【0045】
シャッター10が開放位置へ移動すると(図5(c)、図6(c)参照)、シャッター10はそれ以上は移動することができないので、摺動部材31が外方へ撓んで押圧部材32が被押圧片16の外面に乗り上げ(図5(d)、図6(d)参照)、更に後方へ移動する。そして、カートリッジホルダー23が閉塞位置に達すると(図7(a)、図8(a)参照)、押圧部材32は被押圧片16の後側に達して撓んでいた摺動部材31が元の状態に復元し、押圧部材32の前縁32aが被押圧片16の後縁16cに当接乃至は近接した状態になる。
【0046】
次に、カートリッジホルダー23が閉塞位置から開放位置へ回動する間に、シャッター10が閉じられる。
【0047】
即ち、この間に、前方へ向けて移動する押圧部材32の前側の傾斜面32aが被押圧片16の後縁16cを前方へ向けて押圧するので、シャッター10が閉塞位置へ向けて移動される。
【0048】
そして、シャッター10が閉塞位置に達する直前に被係止片16aの前端部がロック部材17の後側傾斜面21bを押圧しロック部材17を主部19が溝9から遠去かる方向へ回動させ(図7(b)、図8(b)参照)、そして、シャッター10が閉塞位置に達すると、ロック部材17が元の状態に復帰し、その係合凹部18にシャッター10の被係止片16aが係合される(図7(c)、図8(c)参照)。
【0049】
シャッター10が閉塞位置に達すると、シャッター10はそれ以上前方へは移動しないが、摺動部材31はまだ前方へ移動する。従って、摺動部材31が外方へ撓んで押圧部材32が被押圧片16の外面に乗り上げ(図7(d)、図8(d)参照)、更に前方へ移動する。
【0050】
そして、カートリッジホルダー23が開放位置へ移動すると、MDカートリッジ1をカートリッジホルダー23から取り出すことが可能となる。
【0051】
上記したカートリッジのシャッター開閉機構にあっては、摺動部材31が撓むことによってそれに設けられた押圧部材32がシャッター10の被押圧片16を乗り上げて移動して被押圧片16の2つの縁16b、16cにそれぞれ当接し得て、よって、単一の部材、即ち、摺動部材31によってシャッター10の開放のみならず閉塞も行うことができ、しかも、押圧部材32はある程度の幅を有しているので、シャッター10の開閉を確実に行うことができる。
【0052】
【発明の効果】
以上に記載したところから明らかなように、本発明カートリッジのシャッター開閉機構は、カートリッジが挿入保持される回動自在なカートリッジホルダーと、該カートリッジホルダーにその回動に応動してカートリッジの挿脱方向に移動するように支持され、先端部にカートリッジホルダーの内部に突出した押圧部材を有すると共に該押圧部材の突出方向に撓み弾性を有する摺動部材とから成り、カートリッジホルダーが一の方向に回動する際に、カートリッジに付設されたシャッターの被押圧片の一の縁に当接した上記押圧部材が該被押圧片を一の方向に押圧して該シャッターを解放すると共に上記摺動部材が反シャッター方向へ撓むことによって押圧部材がシャッターの被押圧片上に乗り上げて移動して被押圧片の他の縁に当接し、カートリッジホルダーが他の方向に回動する際に、押圧部材がシャッターの被押圧片の他の縁を他の方向に押圧して閉塞すると共に摺動部材が反シャッター方向へ撓むことによって押圧部材がシャッターの被押圧片上に乗り上げて移動して被押圧片の一の縁に当接する位置に移動するようにしたことを特徴とする。
また、本発明カートリッジのシャッター開閉機構を有する記録及び/又は再生装置は、カートリッジが挿入保持される回動自在なカートリッジホルダーと、該カートリッジホルダーにその回動に応動してカートリッジの挿脱方向に移動するように支持され、先端部にカートリッジホルダーの内部に突出した押圧部材を有すると共に該押圧部材の突出方向に撓み弾性を有する摺動部材とから成り、カートリッジホルダーが一の方向に回動する際に、カートリッジに付設されたシャッターの被押圧片の一の縁に当接した上記押圧部材が該被押圧片を一の方向に押圧して該シャッターを解放すると共に上記摺動部材が反シャッター方向へ撓むことによって押圧部材がシャッターの被押圧片上に乗り上げて移動して被押圧片の他の縁に当接し、カートリッジホルダーが他の方向に回動する際に、押圧部材がシャッターの被押圧片の他の縁を他の方向に押圧して閉塞すると共に摺動部材が反シャッター方向へ撓むことによって押圧部材がシャッターの被押圧片上に乗り上げて移動して被押圧片の一の縁に当接する位置に移動するようにしたカートリッ ジのシャッター開閉機構を備えたことを特徴とする。
【0053】
従って、本発明カートリッジのシャッター開閉機構及びカートリッジのシャッター開閉機構を有する記録及び/又は再生装置にあっては、摺動部材が撓むことによってそれに設けられた押圧部材がシャッターの被押圧片を乗り上げて移動して被押圧片の2つの縁にそれぞれ当接し得て、よって、単一の部材、即ち、摺動部材によってシャッターの開放のみならず閉塞も行うことができるので、シャッターの開閉動作を確実に為すことが出来る。
【0054】
尚、上記実施例に示した各部の形状乃至構造は、何れも本発明を実施するに際しての具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって、本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2乃至図8と共に本発明カートリッジのシャッター開閉機構の実施の一例を示すものであり、本図はカートリッジホルダーが開放位置にある状態を示す斜視図である。
【図2】カートリッジホルダーが閉塞位置にある状態を示す斜視図である。
【図3】要部の拡大断面図である。
【図4】要部の拡大分解斜視図である。
【図5】シャッターが開放される動作を示す要部の拡大側面図であり、(a)から(d)へ経時的に示すものである。
【図6】シャッターが開放される動作を示す要部の拡大断面図であり、(a)から(d)へ経時的に示し、図5に対応して示すものである。
【図7】シャッターが閉塞される動作を示す要部の拡大側面図であり、(a)から(d)へ経時的に示すものである。
【図8】シャッターが閉塞される動作を示す要部の拡大断面図であり、(a)から(d)へ経時的に示し、図7に対応して示すものである。
【図9】図10乃至図12と共に本発明カートリッジのシャッター開閉機構において使用されるカートリッジの一例を示すものであり、本図は上方から見た斜視図である。
【図10】下方から見た斜視図である。
【図11】拡大側面図である。
【図12】要部の拡大断面図である。
【図13】図14乃至図18と共に従来のカートリッジのシャッター開閉機構の一例を示すものであり、本図は斜視図である。
【図14】シャッターが開放される動作を示す要部の拡大側面図であり、(a)から(c)へ経時的に示すものである。
【図15】シャッターが開放される動作を示す要部の拡大断面図であり、(a)から(c)へ経時的に示し、図14に対応するものである。
【図16】シャッターが閉塞される動作を示す要部の拡大側面図であり、(a)から(c)へ経時的に示すものである。
【図17】シャッターが閉塞される動作を示す要部の拡大断面図であり、(a)から(c)へ経時的に示し、図16に対応するものである。
【図18】従来のカートリッジのシャッター開閉機構における問題点を示す要部の拡大側面図である。
【符号の説明】
1 MDカートリッジ(カートリッジ)
10 シャッター
16 被押圧片
16b 前縁(一の縁)
16c 後縁(他の縁)
23 カートリッジホルダー
29 ガイド孔
30 回動レバー
31 摺動部材
32 押圧部材
Claims (8)
- カートリッジが挿入保持される回動自在なカートリッジホルダーと、
該カートリッジホルダーにその回動に応動してカートリッジの挿脱方向に移動するように支持され、先端部にカートリッジホルダーの内部に突出した押圧部材を有すると共に該押圧部材の突出方向に撓み弾性を有する摺動部材とから成り、カートリッジホルダーが一の方向に回動する際に、カートリッジに付設されたシャッターの被押圧片の一の縁に当接した上記押圧部材が該被押圧片を一の方向に押圧して該シャッターを解放すると共に上記摺動部材が反シャッター方向へ撓むことによって押圧部材がシャッターの被押圧片上に乗り上げて移動して被押圧片の他の縁に当接し、カートリッジホルダーが他の方向に回動する際に、押圧部材がシャッターの被押圧片の他の縁を他の方向に押圧して閉塞すると共に摺動部材が反シャッター方向へ撓むことによって押圧部材がシャッターの被押圧片上に乗り上げて移動して被押圧片の一の縁に当接する位置に移動するようにした
ことを特徴とするカートリッジのシャッター開閉機構。 - カートリッジホルダーに形成されカートリッジの挿脱方向に長いガイド孔に摺動部材が摺動自在に支持され、
カートリッジホルダーの回動軸と異なる位置に回動軸を有する回動レバーの回動端に摺動部材が回動自在に支持された
ことを特徴とする請求項1に記載のカートリッジのシャッター開閉機構。 - 上記摺動部材はばね弾性を有する板金材料で形成され、
上記押圧部材は合成樹脂材料によって摺動部材に一体的に形成された
ことを特徴とする請求項1に記載のカートリッジのシャッター開閉機構。 - 上記摺動部材はばね弾性を有する板金材料で形成され、
上記押圧部材は合成樹脂材料によって摺動部材に一体的に形成された
ことを特徴とする請求項2に記載のカートリッジのシャッター開閉機構。 - カートリッジが挿入保持される回動自在なカートリッジホルダーと、
該カートリッジホルダーにその回動に応動してカートリッジの挿脱方向に移動するように支持され、先端部にカートリッジホルダーの内部に突出した押圧部材を有すると共に該押圧部材の突出方向に撓み弾性を有する摺動部材とから成り、カートリッジホルダーが一の方向に回動する際に、カートリッジに付設されたシャッターの被押圧片の一の縁に当接した上記押圧部材が該被押圧片を一の方向に押圧して該シャッターを解放すると共に上記摺動部材が反シャッター方向へ撓むことによって押圧部材がシャッターの被押圧片上に乗り上げて移動して被押圧片の他の縁に当接し、カートリッジホルダーが他の方向に回動する際に、押圧部材がシャッターの被押圧片の他の縁を他の方向に押圧して閉塞すると共に摺動部材が反シャッター方向へ撓むことによって押圧部材がシャッターの被押圧片上に乗り上げて移動して被押圧片の一の縁に当接する位置に移動するようにした
カートリッジのシャッター開閉機構を備えた
ことを特徴とするカートリッジのシャッター開閉機構を有する記録及び/又は再生装置。 - カートリッジホルダーに形成されカートリッジの挿脱方向に長いガイド孔に摺動部材が摺動自在に支持され、
カートリッジホルダーの回動軸と異なる位置に回動軸を有する回動レバーの回動端に摺動部材が回動自在に支持された
ことを特徴とする請求項5に記載のカートリッジのシャッター開閉機構を有する記録及び/又は再生装置。 - 上記摺動部材はばね弾性を有する板金材料で形成され、
上記押圧部材は合成樹脂材料によって摺動部材に一体的に形成された
ことを特徴とする請求項5に記載のカートリッジのシャッター開閉機構を有する記録及び/又は再生装置。 - 上記摺動部材はばね弾性を有する板金材料で形成され、
上記押圧部材は合成樹脂材料によって摺動部材に一体的に形成された
ことを特徴とする請求項6に記載のカートリッジのシャッター開閉機構を有する記録及び/又は再生装置。
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