JP3551434B2 - 自動取引機の紙幣分配処理装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、例えば銀行業務で入出金取引き利用されるような自動取引機に関し、さらに詳しくは紙幣の分配処理性能に富む自動取引機の紙幣分配処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動取引機を営業開始時等で初期セットする場合、複数の金種を装填した運用カートリッジを自動取引機に装着し、この運用カートリッジから紙幣を繰出して内部に設置された金種別の各スタッカに分配収納して初期セットしている(例えば先行出願の特願平3ー215882号参照)。
【0003】
しかし、金種別スタッカへの分配処理途中で搬送障害が発生した場合は、分配処理を中断して係員による障害復旧を行った後、繰出した全ての紙幣を元の運用カートリッジに戻して、最初から再び分配処理を開始するため、障害発生時には初期セットに時間がかかる問題を有していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこでこの発明は、分配処理途中に搬送障害が発生しても、運用カートリッジから繰出した全ての紙幣を戻さず、有効管理して分配処理を再開することができる分配処理性能を高めた自動取引機の紙幣分配処理装置の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は、紙幣を入出金処理する自動取引機に着脱利用される運用カートリッジから紙幣を繰出して内部に設置された複数の金種別スタッカに分配収納する自動取引機の紙幣分配処理装置であって、前記金種別スタッカに配設し、該金種別スタッカに取込まれる紙幣の取込みを検知する紙幣取込み検知センサと、前記紙幣取込み検知センサの検知信号に基づいて、金種別スタッカに取込んだ紙幣の取込み枚数を計数する計数手段と、前記金種別スタッカへの分配処理途中で該金種別スタッカ以外の位置で搬送障害が発生したとき、既にスタッカに分配収納した計数済みの紙幣を有効に取扱い、障害復旧後に継続して分配処理を再開させる制御手段を備えたことを特徴とする。
【0006】
さらに、実施の形態として、前記金種別スタッカへの分配処理途中で該金種別スタッカの位置で搬送障害が発生したとき、当該金種別スタッカ内の分配紙幣を未確定として取扱うように前記制御手段を設定することができる。
【0007】
【作用】
この発明によれば、運用カートリッジから繰出した紙幣を金種別スタッカに分配収納する分配処理時は、金種別スタッカ毎に取込まれた紙幣の取込み枚数を紙幣取込み検知センサを介して計数手段が計数管理し、この分配処理途中で、該金種別スタッカ以外の位置で搬送障害が発生したとき、制御手段が既にスタッカに分配収納された計数済みの紙幣を有効に取扱い、障害復旧後に継続して分配処理を再開させる。
【0008】
また、分配処理途中で、金種別スタッカの位置で搬送障害が発生したとき、当該金種別スタッカ内の分配された紙幣のみ未確定として取扱い、この分配紙幣を運用カートリッジに戻す。
【0009】
【発明の効果】
したがって、分配処理途中に搬送障害が発生しても、一旦、金種別スタッカに分配収納された紙幣は有効に管理されて運用カートリッジに戻す必要がなくなるため、全ての紙幣を戻さずに分配処理を再開することができる。
また、金種別スタッカの位置で搬送障害が発生した場合、当該金種別スタッカに分配された紙幣のみを運用カートリッジに戻し、他の搬送障害が発生していない金種別スタッカに分配収納された紙幣は運用カートリッジに戻す必要がない。それゆえ、分配処理を再開したときの紙幣回収時間の短縮化が図れ、また未繰出し量を繰出せばよいため分配処理時間の短縮化が図れ、短時間に能率よく分配処理することができる。
【0010】
【実施例】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は現金自動預金支払機のような自動取引機の紙幣分配処理装置を示し、図1において、この自動取引機の紙幣分配処理装置は、装置本体11の前面パネル12に、取引き案内および操作手順を表示するタッチパネル兼用のCRT表示器13と、通帳を挿入または返却する通帳挿入口14と、紙幣を出入れ許容する紙幣出入口15と、硬貨を出入れ許容する硬貨出入口16と、カードを挿入または返却するカード挿入口17と、取扱い表示器18と、係員呼出しボタン19とを備えている。
【0011】
上述の装置本体11の内部には、図2に示すように、紙幣の真偽判別、金種判別および表裏判別を行なう鑑別部21と、裏向き紙幣を表向きに表裏反転する表裏反転部22と、紙幣を一時的に保留する一時保留部23と、模擬紙幣を収納する模擬紙幣収納部24と、一時保留部23に保留した紙幣を一括して放出および通過許容させる返却保留部25と、紙幣の集積および繰出し機能を千円札、五千円札、万円札の金種毎に設けた金種別繰出し収納部としての第1〜第3スタッカS1 〜S3 と、入出金取引時の鑑別不良紙幣を回収する取引系回収部26と、紙幣補充時の鑑別不良紙幣を回収する補充系回収部27と、取忘れ紙幣を回収する取忘れ回収部28と、装置本体11に着脱許容して紙幣を分配、精査および回収する出入れ運用機能を備えた運用カートリッジC1 と、同じく装置本体11に着脱許容して外部より紙幣を補充する補充カートリッジC2 とを配設しており、これら各要素20〜28、S1 〜S3 、C1 〜C2 をループ状の搬送ラインLにより接続し、入力設定された処理信号に基づいて、入金処理、出金処理、分配処理、補充処理、精査処理等を施す。
【0012】
上述の第1〜第3スタッカS1 〜S3 の各紙幣出入口には、スタッカ出入口センサ29…を配設して、スタッカに取込まれる紙幣あるいは繰出される紙幣を検知し、この検知信号に基づいて後述するCPUが紙幣の出入れ枚数を正確に計数する。
【0013】
図3は自動取引機の紙幣分配処理装置の制御回路ブロック図を示し、CPU31はROM32に格納されたプログラムに沿って各回路装置を制御し、その制御データをRAM33で読出し可能に記憶する。
【0014】
このCPU31は、インタフェース34を介してCRT制御部35、タッチパネルスイッチ制御部36、カードリーダ37、通帳・出入表プリンタ38、紙幣処理部39、硬貨処理部40、フロッピディスク装置41および伝送制御部42を接続している。
【0015】
CRT制御部35は、入出金取引き等の取引き案内および払込み設定等の表示案内と、その操作手順を表示制御する。
【0016】
タッチパネルスイッチ制御部36は、CRT13の画面上に表示した表示部分と対応してタッチ入力された入力信号を制御する。
【0017】
カードリーダ37は、カード挿入口17より挿入されたカードの取引きデータを読取り、また更新データを書込み処理して、顧客の取引データに応じた入出金処理を行ない、このカード取引き終了時および入出金取消し時においてカードをカード挿入口17より放出する。
【0018】
通帳・出入表プリンタ38は、通帳挿入口14より挿入された通帳の印字欄に取引きデータや未記帳データの記帳処理を行ない、また通帳利用されない場合には取引き内容を証明する取引きデータを印字した明細票を発行する。
【0019】
紙幣処理部39は、紙幣出入口15から入金された紙幣を装置本体11の内部に取込み処理し、出金時および入金取消時に放出処理する。
【0020】
硬貨処理部40は、硬貨出入口16から入金された硬貨を装置本体11の内部に取込み処理し、出金時および入金取消時に放出処理する。
【0021】
フロッピディスク装置41は、フロッピディスク43に顧客の詳細な取引情報や自動取引機が取引許容する様々な貯蓄プラン等の取引プランを記録する。
【0022】
伝送制御部42は、編集した入出金電文、払込み設定電文および記帳電文等をセンタ44に送信し、センタ44から伝送された入出金回答、払込み設定データ、未記帳データと今回の取引き分および残高等の記帳データを受信処理する。
【0023】
また、CPU31は装置本体11の外部に装備された取扱い表示器18、呼出しボタン19、補充カートリッジC2 等を制御する他、内部に装備された運用カートリッジC1 および第1〜第3スタッカS1 〜S3 を制御管理するものであって、例えば上述のスタッカ出入口センサ29…を介して、スタッカS1 〜S3 に取込まれた紙幣枚数、またスタッカより繰出された紙幣枚数を計数し、各スタッカ内の紙幣増減度合いおよびスタッカ出入口での障害発生を検知する。
【0024】
また、自動取引機を営業させる運用開始時や運用終了時は、運用カートリッジC1 を装置本体11に着脱して、分配処理あるいは回収処理して紙幣を一括して取扱うようにしている。
【0025】
さらに、CPU31は運用カートリッジC1 からの分配処理途中で、スタッカ以外の位置で搬送障害が発生したとき、既にスタッカS1 〜S3 内に分配収納した計数済みの紙幣を分配有効紙幣として管理し、障害復旧後に継続して枚数加算して分配処理を再開させる。
【0026】
これにより、分配処理途中で搬送障害が発生しても、一旦スタッカに収納させた紙幣は運用カートリッジC1 に戻さずに分配処理を再開でき、分配処理時間を確実に短縮することができる。
【0027】
このように構成された自動取引機の紙幣分配処理装置の分配処理動作を図4のフローチャートを参照して説明する。
【0028】
今、自動取引機を営業開始に備えて初期セットするとき、千円札、五千円札、万円札の複数の金種を装填した運用カートリッジC1 を装置本体11に装着し、この装着した運用カートリッジC1 から紙幣を繰出して、図2に太く実戦で示すように、分配経路を介して内部に設置された第1〜第3スタッカS1 〜S3 に金種別に分配収納する(ステップn1 〜n2 )。
【0029】
この間に搬送障害が発生しなければ、CPU31は運用カートリッジC1 が空になるまで分配処理を実行させ、各スタッカS1 〜S3 で紙幣を取込む毎に、CPU31がスタッカ出入口センサ29…を介して、その取込み枚数を計数し、全て分配すると、金種別の分配枚数が確定し、その分配内容を明細票に印字して初期セットが終了する(ステップn3 〜n6 )。
【0030】
この分配処理途中で、スタッカ以外の位置で搬送障害が発生した場合は、CPU31が既にスタッカS1 〜S3 に分配収納した計数済みの確定紙幣を分配有効紙幣として取扱い、その分配途中までの分配確定内容を明細票に印字した後、係員によるジャム除去処理等の復旧処理を施す。このとき、係員はスタッカ内の紙幣が確定されているため、スタッカ内をチェックする必要がなくなり、係員復旧作業が軽減する(ステップn7 〜n10)。
【0031】
そして、この障害復旧後は、運用カートリッジC1 から繰出されて搬送ラインL上に残存している紙幣を運用カートリッジC1 に戻し、ジャム発生まで分配処理したスタッカ内の紙幣をそのまま待機させ、再び運用カートリッジCから未繰出しの紙幣を繰出して分配処理を再開させる(ステップn11〜n12)。
【0032】
一方、障害発生場所が、スタッカ出入口の部分であれば、正確な枚数チェックができないため、CPU31はそのスタッカ内の紙幣を未確定として取扱い、その未確定状況を明細票に印字した後、係員による復旧処理を行なう(ステップn13〜n15)。
【0033】
復旧処理後は、搬送ラインL上に残存している紙幣を運用カートリッジC1 に戻すと共に、スタッカ内の未確定の紙幣を運用カートリッジC1 に戻した後、最初から分配処理を再開させる(ステップn16〜n17)。
【0034】
上述のように、分配処理途中に搬送障害が発生しても、一旦、金種別のスタッカに分配収納された紙幣は有効に管理されて運用カートリッジに戻す必要がなくなるため、全ての紙幣を戻さずに分配処理を再開することができる。それゆえ、分配処理を再開したときの紙幣回収時間の短縮化が図れ、また未繰出し量を繰出せばよいため分配処理時間の短縮化が図れ、短時間に能率よく分配処理することができる。
【0035】
この発明と、上述の一実施例の構成との対応において、
この発明の金種別スタッカは、実施例の第1〜第3スタッカS1 〜S3 に対応し、
以下同様に、
紙幣取込み検知センサは、スタッカ出入口センサ29に対応し、
計数手段および制御手段は、CPU31に対応するも、
この発明は、上述の一実施例の構成のみに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の自動取引機を示す外観斜視図。
【図2】この発明の自動取引機の紙幣分配処理装置を示す内部構成図。
【図3】この発明の自動取引機の紙幣分配処理装置の制御回路ブロック図。
【図4】この発明の自動取引機の紙幣分配処理装置の処理動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
11…装置本体
29…スタッカ出入口センサ
31…CPU
C1 …運用カートリッジ
S1 〜S3 …スタッカ
Claims (2)
- 紙幣を入出金処理する自動取引機に着脱利用される運用カートリッジから紙幣を繰出して内部に設置された複数の金種別スタッカに分配収納する自動取引機の紙幣分配処理装置であって、
前記金種別スタッカに配設し、該金種別スタッカに取込まれる紙幣の取込みを検知する紙幣取込み検知センサと、
前記紙幣取込み検知センサの検知信号に基づいて、金種別スタッカに取込んだ紙幣の取込み枚数を計数する計数手段と、
前記金種別スタッカへの分配処理途中で該金種別スタッカ以外の位置で搬送障害が発生したとき、既にスタッカに分配収納した計数済みの紙幣を有効に取扱い、障害復旧後に継続して分配処理を再開させる制御手段を備えたことを特徴とする自動取引機の紙幣分配処理装置。 - 前記金種別スタッカへの分配処理途中で該金種別スタッカの位置で搬送障害が発生したとき、当該金種別スタッカ内の分配紙幣を未確定として取扱うように前記制御手段を設定した
請求項1に記載の自動取引機の紙幣分配処理装置。
Priority Applications (1)
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JP3259492A JP3551434B2 (ja) | 1992-01-22 | 1992-01-22 | 自動取引機の紙幣分配処理装置 |
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ID=12363187
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JP3259492A Expired - Lifetime JP3551434B2 (ja) | 1992-01-22 | 1992-01-22 | 自動取引機の紙幣分配処理装置 |
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Families Citing this family (1)
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-
1992
- 1992-01-22 JP JP3259492A patent/JP3551434B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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