JP3551330B2 - 複数ロボットの制御方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、ロボットの制御方法に関し、特に、複数のロボットの協調作業時にアームの干渉を生ずる場合の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
産業用ロボットシステムにおいては、同一テーブルに置かれたワークに対して異なる作業を行う場合や、ワークを一方のロボットアームで支持しい他方のロボットのアームで加工・組立を行う場合のように、複数のロボットを協調動作させて作業を行うようにしたものがある。このように複数のロボットを用い、作業空間を共有するシステムにおいては、各ロボットアームが同時に同じ領域に存在すると、アーム同士が衝突するというアーム干渉の問題が生ずる。
そのため、従来では、一方のロボットの制御点(ロボットが保持しているツールの先端位置)を中心としてエンベロープ(球体や直方体等から定義される仮想空間領域)を仮想し、同様に仮想した他方のロボットのエンベロープが前記一方のロボットのエンベロープに干渉(仮想空間領域同士が一部重なること)したときに双方のロボットを停止させるようにしていた(本出願が提案した特開昭63−261403号公報参照)。この停止判断処理は、各ロボット制御部から伝えられるロボットの位置データに基づいて、モニタ部でプレイバック時にロボットの実動作と並行して行われ、アーム同士の衝突の直前で、双方のロボットの動作が停止するということになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の方法では、双方のロボットが近づきながら作業する場合や、一方のロボットが他方のロボットを追いかけるような動作を行う場合にも双方のロボットが停止してしまうという問題点がある。
一方、特開平5−53634号公報には、干渉領域をチェックし、干渉する場合は動作コマンドを自動修正する技術、併せて、干渉領域の内側から外側へ動作する動作コマンドは修正しないようにするものが開示されているが、ここでいう干渉領域とは固定的に設定される領域であって、上記エンベロープとは異なるものである。
そこで本発明は、双方のロボットが近づきながら作業する場合や、一方のロボットが他方のロボットを追いかけるような動作を行う場合にも、停止させずに動作を続行できる方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明は、各ロボットは外側と内側の二重のエンベロープを持つ。そして次のように動作する。
▲1▼各ロボットは自己の内側のエンベロープが干渉すれば自己のロボットを停止する。
▲2▼各ロボットの外側のエンベロープが同士が干渉すれば、その干渉から遠ざかる方のロボットではない方のロボットを停止させる。もし両方とも近づく方向に動いておれば優先度の低い方を停止させる。
【0005】
【作用】
外側のエンベロープが同士が干渉しても直ちに衝突することはないので、その干渉から遠ざかる方のロボットではない方のロボットを停止させることにより、少なくとも1つのロボットの作業は続行できる。また、もし両方とも近づく方向に動いておれば優先度の低い方を停止させることにより、少なくとも1つのロボットの作業は続行できる。内側のエンベロープが干渉すれば、衝突の恐れがあるので、それぞれ自己のロボットを停止することで衝突を回避する。
【0006】
【実施例】
以下、本発明の具体的実施例を図示して説明する。図2は本発明を実施する装置を示すブロック図であり、ロボット2台のシステムを示している。
ロボット1,2は、それぞれロボット制御部3,4から独自に制御されている。ロボット制御部3,4はバスまたはローカルエリアネットワーク5を介してモニタ部6から監視される。
モニタ部6は、ロボット制御部3,4から伝えられるロボットの位置データを基に、ロボット1,2の、手首に保持したツールの先端位置を中心に球状、立方体、または直方体状の仮想空間領域(以下エンベロープという)1a,2aを仮想し、その動きロボット1,2の実動作時に並行してシュミレーションしている。エンベロープは、内側エンベロープと外側エンベロープの2重になっているが、図示しているのは外側エンベロープである。また、エンベロープの形状は特に限定されないが、図示した直方体の他、立方体または球が望ましい。エンベロープを2重にすることにより、以下に述べるように、衝突の危険生がまだ低い段階と、即時停止しないと衝突してしまう段階との2つの状態に分けて制御できるのである。
【0007】
さて、図3に示すように、8の方向に動いているロボット2のエンベロープ2aをロボット1のエンベロープ1aが追いかけるように7の方向に動いているケースについて説明する。図示しているエンベロープは外側エンベロープであり、この外側エンベロープが干渉(接触)した場合、ロボット2は干渉しているロボットから遠ざかる方向に動作しているので、停止させず、そのまま動作させる。各制御部からはモニタ部にロボット動作位置・方向が逐次伝えられており、モニタ部ではそのデータからエンベロープの干渉と、ロボットの現在位置と動作方向しているロボットに近づく方向に動作しているので停。すなわち、モニタ部6からロボット制御部3に対して停止指令が発せられ、動作プログラムの実行が一時停止させる。エンベロープの干渉がなくなれば、一時停止は解除される。
【0008】
次に、図4に示すように、8の方向に動いているロボット2のエンベロープ2aと、7の方向に動いているロボット1のエンベロープ1aが互いに近づくように動作するケースについて説明する。この場合、優先度の低いロボットの方を停止させる(前述と同様に、モニタ部6からの指令で動作プログラムの実行を一時停止させ、エンベロープの干渉がなくなれば、一時停止は解除する)。
【0009】
上記の説明では、いずれも外側エンベロープの干渉による処置であり、これらの処置にも係わらず内側エンベロープの干渉が生じた場合は、内側エンベロープの干渉が生じた側のロボットを停止させる。以上の処理をまとめて示したのが図1のフローチャートである。
なお、内側又は外側エンベロープの大きさについては、作業の種類、ツールの種類、またはロボットの動作状態により自動的に変更できるようにすると作業効率はさらに上がる。そのためには作業の種類、ツールの種類、またはロボットの動作状態に対応するエンベロープの大きさを予め記憶させておけばよい。
【0010】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、衝突の危険度を2段階に分け、かつ又ロボット同士の動作方向を考慮して衝突を回避できるので、無駄な停止が発生せず作業時間の短縮に大きな効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示すフローチャート
【図2】本発明の実施に用いる装置例を示す図
【図3】本発明の作用説明図
【図4】本発明の作用説明図
【符号の説明】
1,2 ロボット
1a,2a エンベロープ(仮想空間領域)
3,4 ボット制御部
5 バスまたはローカルエリアネットワーク
6 モニタ部
7 エンベロープ1aの動作方向
8 エンベロープ2aの動作方向
Claims (1)
- 作業空間を共有する2台のロボットを有するロボットシステムにおいて、各ロボットがその先端部に保持するツールの先端位置に、所定範囲の第1の仮想空間領域と、その第1の仮想空間領域より内側に所定範囲の第2の仮想空間領域を仮想し、各ロボットの第2の仮想空間領域同士が干渉すれば各ロボットを停止するとともに、各ロボットの第1の仮想空間領域同士が干渉すれば、その干渉から遠ざかる方のロボットではない方のロボットを停止させ、両方とも近づく方向に動いておれば優先度の低い方を停止させるようにすることを特徴とする複数ロボットの制御方法。
【請求項2】作業もしくはツールの種類、またはロボットの動作状態に応じて前記第1の仮想空間領域又は第2の仮想空間領域の大きさを変化させることを特徴とする請求項1記載の複数ロボットの制御方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP30152594A JP3551330B2 (ja) | 1994-11-09 | 1994-11-09 | 複数ロボットの制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP30152594A JP3551330B2 (ja) | 1994-11-09 | 1994-11-09 | 複数ロボットの制御方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08141978A JPH08141978A (ja) | 1996-06-04 |
JP3551330B2 true JP3551330B2 (ja) | 2004-08-04 |
Family
ID=17897986
Family Applications (1)
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JP30152594A Expired - Lifetime JP3551330B2 (ja) | 1994-11-09 | 1994-11-09 | 複数ロボットの制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3551330B2 (ja) |
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WO2017127202A1 (en) | 2016-01-20 | 2017-07-27 | Intuitive Surgical Operations, Inc. | System and method for rapid halt and recovery of motion deviations in medical device repositionable arms |
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-
1994
- 1994-11-09 JP JP30152594A patent/JP3551330B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
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