JP3551211B2 - ポリカーボネート樹脂粒状体の製造法 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂粒状体の製造法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリカーボネート樹脂粒状体の製造方法に関し、さらに詳しくは、ポリカーボネートの有機溶媒溶液と水との混合物を、特定の流速で懸濁状態として加熱下に有機溶媒を除去し、粒状化する方法である。本発明によると、得られた粒状体の残存溶媒量が極めて少なく、乾燥が容易で、嵩密度が高く取扱い易く、高品質のポリカーボネート樹脂粒状体を得ることができる。
【0002】
【従来の技術】
ポリカーボネートは、機械的強度、耐衝撃性、透明性、耐熱性等に優れた熱可塑性樹脂であり、射出成形、押出成形、真空成形等の各種の成形法によって加工することができるエンジニアリングプラスチックであり、各種産業用途として多方面に用いられている。
【0003】
ポリカーボネート樹脂の製造法には大きく分けて、溶融法(エステル交換法)と溶液法があり、溶液法には界面重合法とピリジン法に類別される。現在、工業的には主として界面重合法により製造されているが、界面重合法ではポリカーボネートを有機溶媒溶液として重合反応させるために、得られた有機溶媒溶液からポリカーボネート樹脂の粒状物を得る過程で、有機溶媒の除去という操作が必要になる。
【0004】
従来、ポリカーボネートの有機溶媒溶液から溶媒を除去してポリカーボネート粒状体を得る方法としては、特公昭45−9875号公報に記載されているように、温水中でゲル化物となした後粉砕する方法が一般的である。しかしながら、この方法で製造した粒状体は、得られた粒状体中に有機溶媒が多量に残存しておりその除去のために乾燥工程が煩雑になる。
【0005】
特公平4−71412号公報、特開平4−202427号公報では、ポリカーボネート樹脂溶液に固形化用溶媒を添加し、加熱下の温水中に該混合物溶液を添加して、湿式粉砕を行うことによって、ポリカーボネート固形粒子の水スラリー液を製造する方法が開示されているが、温水中でのポリカーボネート樹脂溶液の分散が効率的に行われないと塊状の固形物が発生するというトラブルを引き起こす。
【0006】
特公平4−55810号公報には、攪拌下の温水中にポリカーボネートの塩化メチレン溶液を導入し、攪拌流中でポリカーボネート樹脂粒状体を生成させ、温水の攪拌流中に狭い流路を設けるとともに、この流路内で攪拌翼を高速回転させて剪断力を与える方法が開示されている。この方法では、ポリカーボネート樹脂液に高剪断力を与えるために、得られた粒子の粒状体の嵩密度は小さい。
【0007】
特開昭59−133228号公報では、ポリカーボネートの塩化メチレン溶液を連続的に造粒槽へ供給し、懸濁状態を保ちながら加熱して塩化メチレンを蒸発させて粒状体を製造する方法が開示されている。この方法では、造粒槽内で懸濁状態を生成させるため、強力な攪拌動力を必要とする上、造粒槽内で分散した樹脂溶液粒子が再度互着し、塊状の固形物を生成するというトラブルを引き起こすため好ましくない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ポリカーボネートの有機溶媒溶液(以下樹脂溶液ということがある)から粒状体を得る方法としては、有機溶媒溶液から直接溶媒を除去するにはエネルギー効率の観点から好ましくなく、ポリカーボネートの有機溶媒溶液を水などの貧溶媒へ投入することにより、間接的に溶媒除去を行う方法がより好ましい。しかしながら、ポリカーボネート樹脂溶液を攪拌下の水に投入するとある程度は分散するが、攪拌槽や攪拌機への樹脂の付着トラブルが発生し、得られた粒状物は有機溶媒を多量に含むため長い乾燥時間を必要とする。
【0009】
本発明は、上記の事情に鑑み、得られた粒状体の残存溶媒量が極めて少なく、乾燥が容易で、嵩密度が高く取扱い易く、高品質のポリカーボネート樹脂粒状体を得ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ポリカーボネートの有機溶媒溶液と水との混合物を、特定の流速で懸濁状態とすることにより、攪拌槽や攪拌機への樹脂の付着トラブルが発生などがなく、極めて容易に粒状化させることに着目し、本発明を完成させた。
【0011】
すなわち本発明は、ポリカーボネート樹脂の有機溶媒溶液と水との混合液を加圧下、9.70〜100m/secの線速度で混合して懸濁状態となし、得られた懸濁液を加温して有機溶媒を除去し、粒状化することを特徴とするポリカーボネート樹脂粒状体の製造法に係る。
【0012】
【発明の実施の態様】
本発明において、ポリカーボネート樹脂の有機溶媒溶液は、ポリカーボネートに対する良溶媒と貧溶媒とが使用され、良溶媒と貧溶媒との比率は重量比で10:0〜6:4である。
また、ポリカーボネート樹脂溶液と水との混合比は、重量比で1:100ないし90:10であり、ポリカーボネート樹脂溶液と水とからなる懸濁液は、水中油分散型(O/W)の懸濁液である。
本発明の方法は、この懸濁液から有機溶媒を除去し、樹脂スラリーを得たのち乾燥して樹脂粒状物とする。
【0013】
本発明におけるポリカーボネート樹脂は、従来のポリカーボネート樹脂の製法と同様の製法、すなわち界面重合法、ピリジン法等の溶液法により製造されたものであり、二価フェノール系化合物を主成分とし、少量の分子量調節剤および所望により分岐化剤を用いてホスゲンと反応させることにより製造されるもので、通常のビスフェノール類を使用してなる芳香族のホモ−或いはコーポリカーボネート樹脂、更に分岐化されたもの、末端に長鎖アルキル基を導入したものなどの、粘度平均分子量13,000〜100,000のものである。
【0014】
さらには、末端停止剤やコモノマーとして炭素−炭素二重結合その他のグラフト可能点を持つポリカーボネート樹脂を製造し、これにスチレンなどをグラフトしたもの、またはポリスチレン等にフェノール系水酸基、その他のポリカーボネート樹脂のグラフト重合開始点を持つ化合物を共重合したもの、これにポリカーボネート樹脂をグラフト重合したものなど何れでも使用可能である。通常用いられる芳香族ポリカーボネート樹脂としては、ビスフェノールAを主たる原料とするポリカーボネートが挙げられ、これに例えばビスフェノールZやテトラブロムビスフェノールA(TBA)などを併用して得られるポリカーボネート共重合体、これらの分岐化物や末端長鎖アルキル変性したものが挙げられる。
【0015】
本発明のポリカーボネート樹脂の製造法に使用する二価フェノール系化合物として好ましいものは、具体的にはビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルファイド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノ−ルA;BPA)、2,2−ビス(3, 5−ジブロム−4−ヒドロキシフェニル)プロパン2(TBA),2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(ビスフェノ−ルZ;BPZ)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、α,ω−ビス[3−(O−ヒドロキシフェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサン(PDS)、ビフェノールなどが例示される。これらは、2種類以上併用して用いてもよい。中でもビスフェノ−ルA、ビスフェノ−ルZ、TBA、PDSから選ばれるものが望ましい。
【0016】
末端停止剤ないし分子量調節剤としては一価のフェノール性水酸基を有する化合物が挙げられ、通常のフェノール、P−第3ブチルフェノール、トリブロモフェノール等の他、長鎖アルキルフェノール、脂肪族カルボン酸クロライド、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、芳香族酸クロライド、ヒドロキシ安息香酸アルキルエステル、アルキルエーテルフェノールなどが挙げられる。また、反応性二重結合を有する末端停止剤を用いることもできる。そのような化合物の例としては、アクリル酸、ビニル酢酸、2−ペンテン酸、3−ペンテン酸、5−ヘキセン酸、9−ウンデセン酸などの不飽和カルボン酸;アクリル酸クロライド、ソルビン酸クロライド、アリルアルコ−ルクロロホーメート、イソプロペニルフェノールクロロホルメートまたはヒドロキシスチレンクロロホーメート等の酸クロライドまたはクロロホーメート;イソプロペニルフェノール、ヒドロキシスチレン、ヒドロキシフェニルマレイミド、ヒドロキシ安息香酸アリルエステルまたはヒドロキシ安息香酸メチルアリルエステルなどの不飽和基を有するフェノール類等が挙げられる。これらの化合物は通常の末端停止剤と併用してもよいものであり、上記した二価フェノール系化合物1モルに対して、通常、1〜25モル%、好ましくは1.5〜10モル%の範囲で使用される。
【0017】
反応に用いられる溶媒としては、メチレンクロライド、1,2−ジクロルエタン、クロロホルム、1,1,1−トリクロルエタン、四塩化炭素、等の塩素化炭化水素類;ベンゼン等の芳香族炭化水素;ジエチルエーテル等のエーテル系化合物を挙げることができ、これらの有機溶媒は二種以上を混合して使用することもできる。また、所望により前記以外のエーテル類、ケトン類、エステル類、ニトリル類などの水と親和性のある溶媒を混合溶媒系が水と完全に相溶しない限度内で使用してもよい。
【0018】
更に分岐化剤を上記の二価フェノール系化合物に対して、0.01〜3モル%、特に0.1〜1.0モル%の範囲で併用して分岐化ポリカーボネートとすることもできる。分岐化剤としては、フロログルシン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−3、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−2、1,3,5−トリ(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾール、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、α,α′,α″−トリ(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼンなどで例示されるポリヒドロキシ化合物、及び3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オキシインドール(=イサチンビスフェノール)、5−クロルイサチンビスフェノール、5,7−ジクロルイサチンビスフェノール、5ーブロムイサチンビスフェノールなどが例示される。
【0019】
ポリカーボネート樹脂重合液から溶媒溶液を分離し、触媒の除去、中和、水洗、濃縮等を行い、さらに遠心分離法又は精密濾過等を行うことにより精製したポリカーボネートの有機溶媒溶液を得る。一般的に精製樹脂液濃度は、4〜27重量%で製造される。
【0020】
本発明においては、ポリカーボネート樹脂の有機溶媒溶液と水を混合し、該混合液を加圧し9.70〜100m/sの線速度をもたせて懸濁状態となし、得られた懸濁液を昇温することにより有機溶媒を除去する。線速度が9.70m/s未満では有機溶媒溶液と水との混合が充分に行われず好ましくなく、線速度が100m/sを越えると懸濁溶液中の粒子が微細になりすぎて、得られた粒状体が微粉になるため好ましくない。ポリカーボネートの有機溶媒と水の混合の際には、それぞれ予め9.70〜100m/sの線速度を持たせておけば混合が効率的に行われるため好ましい。
【0021】
上記のようなポリカーボネートの有機溶媒溶液と水を混合させて懸濁液を得る手段としては、たとえば、ナノマイザーやハーモナイザー(ナノマイザー株式会社製)、スタティックミキサー、スルーザーミキサー、オリフィスミキサーなどが例示されるが、同様の効果を有するものであれば他のものでもよい。
【0022】
ポリカーボネートの有機溶媒溶液はそのまま温水に滴下しても固形物を得ることはできるが、有機溶媒がジクロルメタンなどの塩素系溶媒の場合、粒状体中に残存した塩素系溶媒が熱履歴を受けた際に加水分解反応を起こし、塩素イオンを発生させて、ポリカーボネートの耐熱性などの品質に悪影響を及ぼすおそれがある。これを防ぐために、生成した粒状物の多孔質度を向上させ、乾燥時にできるだけ塩素系溶媒除去することを目的として、あらかじめ非溶媒あるいは貧溶媒を添加しておくことが好ましい。この場合、乾燥した粒状物中には非溶媒あるいは貧溶媒が数十〜数百ppm残存するが、押出成形時に容易に揮散するため品質上特に支障を及ぼさない。
【0023】
このような非溶媒或いは貧溶媒としては、n−ヘプタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、水等が例示され、好ましい多孔質度を有する粒状体を得ること目的として、特に、n−ヘプタン、n−ヘキサン、シクロヘキサンが好適である。非溶媒或いは貧溶媒の添加量としては、ポリカーボネートに対しての良溶媒と貧溶媒との比率が10:0〜6:4の重量比になる範囲で選ぶことが好ましい。
【0024】
本発明では、ポリカーボネートの有機溶媒溶液と水とを混合させて懸濁液にしたのち、懸濁液の温度を上げることによってポリカーボネート樹脂粒状体を析出させるが、得られる粒状体の粒度を均質なものにするために、ポリカーボネートの有機溶媒溶液と水との混合比を、重量比で1:100ないし90:10にすることが好ましい。また、ポリカーボネートの有機溶媒溶液と水との懸濁液が、水中油分散型(O/W)の懸濁液であることが好ましい。
【0025】
ポリカーボネートの有機溶媒溶液と水とを混合させた懸濁液から粒状体を析出させる際して、懸濁液の温度を90〜105℃まで昇温して、有機溶媒を除去させることが好ましい。昇温に伴い有機溶媒は揮散し、ポリカーボネート樹脂の固形分が析出する。
【0026】
懸濁液の温度を上昇する手段としては、懸濁液をスチームジャケット付き攪拌槽へ投入して、スチーム導入によって懸濁液を加温する方法や、あらかじめ90〜105℃に保った温水の中に懸濁液を投入しながら加温する方法などを用いることができる。
【0027】
上記方法により、粒状体中の溶媒を揮散させて、ポリカーボネート樹脂粒状体の水スラリー液が得られる。これを濾過してポリカーボネート樹脂の湿潤粉末を得、100〜155℃で3〜15時間乾燥することにより乾燥粉末が得られる。
【0028】
【実施例】
以下に実施例をあげて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明の範囲を越えない限り、これに限定されるものではない。
【0029】
実施例1
ポリカーボネート樹脂(三菱ガス化学製ユーピロンS−3000ナチュラル粉末)200kgをメチレンクロライド800kgに溶解して、20w/w%のポリカーボネートの有機溶媒溶液を調製した。内径27mm、長さ550mmのスタティックミキサーの中へ、2台のプランジャーポンプを用いて、ポリカーボネートの有機溶媒溶液を100リットル/h、45℃の純水800リットル/hをそれぞれ圧入し混合させ、水中油分散型の懸濁液とした。このとき、スタティックミキサー中での懸濁液の流速は計算値で43. 7m/sec.であった。
【0030】
この懸濁液を、あらかじめ85℃に昇温した熱水に投入して30分攪拌して、ポリカーボネート樹脂粒状体の水スラリー液を得た。これを濾過して得られた湿潤粉末中の残存メチレンクロライド濃度を、ガスクロマトグラフ分析により定量したところ0. 32%であった。湿潤粉末を145℃、3時間乾燥したのちの、粉末中の残存メチレンクロライド濃度は3. 0ppmであり、嵩比重は0. 62g/cc、粒度分布測定による10メッシュオン含有量:1. 20重量%、80メッシュパス含有量:1. 14重量%であった。
【0031】
実施例2〜6
実施例1において、スタティックミキサーへの水の圧入流量をそれぞれ、実施例2:100リットル/h(流速:9. 70m/sec)、実施例3:300リットル/h(流速:19. 4m/s)、実施例4:500リットル/h(流速:29. 1m/sec)、実施例5:1300リットル/h(流速:67. 9m/sec)、実施例6:1800リットル/h(流速:92. 2m/sec)とした以外は実施例1と同様に行った。その結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
Figure 0003551211
【0033】
比較例1
実施例において、スタティックミキサーへのポリカーボネートの有機溶媒溶液と水の圧入流量をそれぞれ5リットル/h(スタティックミキサー中での流速:0.5/sec)にした以外は実施例1と同様に行ったが、均質な懸濁液は得られず、有機層と水層が分離した。得られた湿潤粉末中には直径1cm以上の塊状物が生じ、良好な粉末が得られなかった。
【0034】
比較例2
実施例1で用いたポリカーボネートの有機溶媒溶液40リットルを20リットル/hの割合で、攪拌下の95℃の熱水100リットルの中へ滴下した。得られた水スラリー液を濾過して湿潤粉末を得、湿潤粉末中の残存メチレンクロライド濃度を、ガスクロマトグラフ分析により定量したところ3. 5%であった。湿潤粉末を145℃、3時間乾燥したのちの粉末中の残存メチレンクロライド濃度は255ppmであり、嵩比重は0. 32g/cc、粒度分布測定による10メッシュオン含有量:6. 10重量%、80メッシュパス含有量:2. 05重量%であった。
【0035】
実施例7
実施例1において、ポリカーボネートの有機溶媒溶液の調製に際し、メチレンクロライド600kg、n−ヘプタンを200kgの混合溶液に、ポリカーボネート樹脂粉末200kgを溶解したものを用いた以外は実施例1と同様にして行った。得られた湿潤粉末中の残存溶媒濃度を、ガスクロマトグラフ分析により定量したところn−ヘプタンが1. 3%、メチレンクロライドが0. 22%であった。湿潤粉末を145℃、3時間乾燥したのちの粉末中の残存有機溶媒濃度は、n−ヘプタンが120ppm、メチレンクロライドが0. 2ppmであり、嵩比重は0. 65g/cc、粒度分布測定による10メッシュオン含有量:0. 85重量%、80メッシュパス含有量:0. 90重量%であった。
【0036】
比較例3
実施例7で使用したポリカーボネートの有機溶媒溶液20リットルを、ホモミキサー(回転数:1760rpm)で攪拌している50℃の温水の中へ、60分かけて滴下し、さらに攪拌を継続しながら97℃まで昇温したところ、ポリカーボネート樹脂粒状体の水スラリー液を得た。これを濾過して得られた湿潤粉末中の残存溶媒濃度を、ガスクロマトグラフ分析により定量したところn−ヘプタンが4. 5%、メチレンクロライドが1. 37%であった。湿潤粉末を145℃、3時間乾燥したのちの粉末中の残存有機溶媒濃度は、n−ヘプタンが1540ppm、メチレンクロライドが65ppmであり、さらに145℃で10時間乾燥した場合、n−ヘプタンが130ppm、メチレンクロライドが14ppmであり、嵩比重は0. 43g/cc、粒度分布測定による10メッシュオン含有量:2. 35重量%、80メッシュパス含有量:6. 32重量%であった。
【0037】
実施例8
実施例1において、ポリカーボネートの有機溶媒溶液の調製に際して、メチレンクロライド500kg、n−ヘプタンを300kgの混合溶液に、ポリカーボネート樹脂粉末200kgを溶解したものを用いた以外は実施例1と同様に行った。得られた湿潤粉末中の残存溶媒濃度を、ガスクロマトグラフ分析により定量したところn−ヘプタンが1. 4%、メチレンクロライドが0. 17%であった。湿潤粉末を145℃、3時間乾燥したのちの粉末中の残存有機溶媒濃度は、n−ヘプタンが90ppm、メチレンクロライドが0. 1ppmであり、嵩比重は0. 66g/cc、粒度分布測定による10メッシュオン含有量:0. 83重量%、80メッシュパス含有量:0. 88重量%であった。
【0038】
実施例9
ポリカーボネート樹脂(三菱ガス化学製ユーピロンS−3000ナチュラル粉末)200kgを、メチレンクロライド700kgとn−ヘキサン300kgの混合溶液に溶解して、16. 7w/w%のポリカーボネートの有機溶媒溶液を調製した。内径36mm、長さ7000mmのスタティックミキサーの中へ、2台のプランジャーポンプを用いて、ポリカーボネートの有機溶媒溶液を600リットル/h、45℃の純水200リットル/hをそれぞれ圧入し、混合し油中水分散型の懸濁液とした。このとき、スタティックミキサー中での懸濁液の流速は計算値で21. 8m/secであった。
【0039】
この懸濁液を、あらかじめ97℃に昇温した熱水に投入して30分攪拌して、ポリカーボネート樹脂粒状体の水スラリー液を得た。これを濾過して得られた湿潤粉末中の残存溶媒濃度を、ガスクロマトグラフ分析により定量したところ、メチレンクロライドが0. 35%、n−ヘキサンが1. 3%であった。湿潤粉末を145℃、3時間乾燥したのちの粉末中の残存溶媒濃度は、メチレンクロライドが0. 8ppm、n−ヘキサンが80ppmであり、嵩比重は0. 63g/cc、粒度分布測定による10メッシュオン含有量:1. 33重量%、80メッシュパス含有量:1. 24重量%であった。
【0040】
実施例10
ポリカーボネート樹脂粉末(三菱ガス化学製ユーピロンZ−200(ビスフェノールZのホモポリマー)、粘度平均分子量:22000)100kgを、メチレンクロライド600kgとn−ヘプタン100kgの混合溶液に溶解して、12. 5w/w%のポリカーボネートの有機溶媒溶液を調製した。内径36mm長さ1000mmのスタテイックミキサー中へ、2台のプランジャーポンプを用いて、ポリカーボネートの有機溶媒溶液を120リットル/h、45℃の純水1000リットル/hでそれぞれ圧入し、混合し水中油分散型の懸濁液とした。このとき、スタティックミキサー中での懸濁液の流速は計算値で30. 6m/secであった。
【0041】
この懸濁液を内容量100リットルの攪拌機付き攪拌槽へ80リットル投入し、攪拌を行いながらスチームジャケットへスチームを導入することによって101℃まで昇温し、さらに30分攪拌してポリカーボネート樹脂粒状体の水スラリー液を得た。これを濾過して得られた湿潤粉末中の残存溶媒濃度を、ガスクロマトグラフ分析により定量したところ、メチレンクロライドが0. 20%、n−ヘプタンが8700ppmであった。湿潤粉末を145℃、3時間乾燥したのちの粉末中の残存溶媒濃度はメチレンクロライドが0. 2ppm、n−ヘプタン濃度が104ppmであり、嵩比重は0. 61g/cc、粒度分布測定による10メッシュオン含有量:0. 93重量%、80メッシュパス含有量:1. 02重量%であった。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、ポリカーボネート樹脂粒状体を簡易な操作で得ることができ、嵩密度が大きく粒度分布のシャープな均質な粒状体を効率よく得ることができる。また、得られる粒状体は、残存溶媒量が少なく、その後の乾燥時間も短縮でき、製造工程の簡素化を図ることができるなどの利点がある。

Claims (5)

  1. ポリカーボネート樹脂の有機溶媒溶液と水との混合液を加圧下、9.70〜100m/secの線速度で混合して懸濁状態となし、得られた懸濁液を加熱して有機溶媒を除去し、粒状化することを特徴とするポリカーボネート樹脂粒状体の製造法。
  2. 有機溶媒が、ポリカーボネートの良溶媒と貧溶媒とからなり、該良溶媒と貧溶媒との比率が重量比で10:0〜6:4である請求項1記載の方法。
  3. ポリカーボネート樹脂の有機溶媒溶液と水との混合比が、重量比で1:100ないし90:10である請求項1または2記載の方法。
  4. ポリカーボネート樹脂の有機溶媒と水からなる懸濁液が、水中油分散型(O/W)の懸濁液である請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 懸濁液を90〜105℃に加熱する請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
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