JP3475981B2 - 光学用ポリカーボネート樹脂の連続製造法 - Google Patents

光学用ポリカーボネート樹脂の連続製造法

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JP3475981B2
JP3475981B2 JP13642095A JP13642095A JP3475981B2 JP 3475981 B2 JP3475981 B2 JP 3475981B2 JP 13642095 A JP13642095 A JP 13642095A JP 13642095 A JP13642095 A JP 13642095A JP 3475981 B2 JP3475981 B2 JP 3475981B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低分子量体の少ない光
学用ポリカーボネート樹脂の連続製造法に関するもので
ある。ポリカーボネート樹脂は、レーザー光の反射や透
過によって信号の読み取りを行う光ディスク用、コンパ
クトディスク用の原料として用いられている。本発明で
得られる低分子量体の少ない光学用ポリカーボネート樹
脂を使用することにより、ディスク成形時に発生するス
タンパーの汚れを低減し、成形品の高湿高熱環境下にお
ける白点の発生を抑えることができるので、本発明によ
る光学用ポリカーボネート樹脂は、光ディスク用、コン
パクトディスク用の原料として、特に、有用である。
【0002】
【従来の技術】一般に、ポリカーボネート樹脂は、その
透明性、耐熱性、寸法安定性等の特徴を生かして光情報
ディスク用基板材料、レンズ、ファイバー等の光学部品
の成形材料として使用されている。特に光学情報記録材
料としては、記録膜の耐久性、ポリカーボネート基板自
身の耐久性、基板作製時のスタンパー汚れ防止等の面か
ら高純度のポリカーボネートが要求されている。本発明
者らは、ディスク成形時のスタンパーの汚れが少なく、
成形品の高温高湿下に曝された場合に、基板中に白点の
発生の少ないポリカーボネート樹脂を得るべく鋭意検討
した結果、スタンパーの汚れや高温高湿下の白点発生の
原因として、界面重合法によるポリカーボネート樹脂に
は、低分子量体が残存しており、光学用ディスク基板の
成形の際には、この低分子量体の揮発物がスタンパーの
汚れを引き起こし、メンテナンスのために著しく生産性
が落ちたり、ピットの転写性低下を招くという問題があ
ることを見いだした。さらには、この低分子量体は、原
料モノマー:末端停止剤が1:1の割合で反応すること
によって生じたオリゴマーや、1:2の割合で反応して
生成した単量体オリゴマー、末端停止剤の2量体などが
存在するが、このなかで最も問題となり、ポリマー中の
含有率が高いものは単量体オリゴマーであることを見い
だした。
【0003】ここで、ポリカーボネート樹脂を得る界面
重合法は、2価フェノールの苛性アルカリ水溶液のホス
ゲン化反応によって、得られたポリカーボネートオリゴ
マーのメチレンクロライド溶液、苛性アルカリおよび末
端停止剤(分子量調節剤)の混合溶液に、触媒を添加す
ることによって重合を促進させる方法である。このよう
な界面重合法においては、ホスゲン反応後の水相中に
は、未反応の2価フェノールや2価フェノールのクロロ
ホルメート体が残存しており、上述の如く、重合反応の
際に、この未反応の2価フェノール等と末端停止剤とが
反応して、単量体オリゴマーを生成しているものと思わ
れる。従って、従来の界面重合法では、単量体オリゴマ
ーを生成を避けることが困難であり、通常、ポリマー中
には、単量体オリゴマーは1重量%以上含有されている
ことが判っている。
【0004】重合反応時に生成する、低分子量体を低減
化する方法として、特公平6−23243号公報には、
重合反応時の原料の仕込みのタイミングや苛性アルカリ
濃度を規定する方法が記載されている。しかし、この方
法では、低分子量体の低減率については、未だ充分では
ない。また、特開平6−336522号公報には、ポリ
カーボネートオリゴマーの分子量や芳香族ジヒドロキシ
化合物のビスハロホルメート化合物の含有量等が所望の
値になった所で、分子量調節剤を添加することにより、
低分子量オリゴマーの含有量を低減する方法の記載があ
る。しかし、ポリカーボネートオリゴマーの分子量や芳
香族ジヒドロキシ化合物のビスハロホルメート化合物の
含有量を常時監視することは困難である。さらに、特開
平3−109420号公報には、ホスゲン化反応時に管
型反応装置を使用し、管型反応器内あるいは管型反応器
出口で分子量調節剤を添加することにより、分子量調節
剤の2量体オリゴマーの生成量を低減する方法が記載さ
れている。しかし、この方法によっても、上述の単量体
オリゴマーの低減率は充分ではない。
【0005】さらに、本発明に類似の方法として、特開
昭50−22089号公報、特開平6−100685号
公報等には、重合反応時に管型反応装置を使用する方法
が記載されているが、低分子量体についての記載は見当
たらない。
【0006】一方、生成したポリマーから低分子量体を
除去する方法として、特開昭63−278929号公
報、特開昭64−6020号公報、特開平4−3062
27号公報等に、アセトンによって、ポリカーボネート
パウダーから低分子量体を抽出する方法が記載されてい
る。しかしながら、一旦、粒状化によって生成したポリ
カーボネートパウダーから低分子量体を抽出するために
装置が大型となったり、使用したアセトンから溶解して
いる低分子量体を除去する工程が煩雑であるため、コス
トアップにつながる上、粉末の比表面積の違いによっ
て、アセトン抽出を行う際の低分子量体抽出率が異なる
ため、得られた粉末の平均分子量にばらつきを生じると
いう欠点を有しており、充分な方法とは言えない。る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、上述の界面重
合法において、生成したポリマー中の低分子量体を除去
する方法ではなく、重合反応中にその生成を抑制する、
新たな方法の開発が必要となった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
の結果、上述の界面重合法において、重合反応中の低分
子量体の生成を抑制する方法を見いだした。すなわち本
発明は、2価フェノールの苛性アルカリ水溶液と有機溶
媒の混合溶液に、水中油分散型の懸濁状態を維持しなが
ら、ホスゲンを反応させてポリカーボネートオリゴマー
の反応溶液を生成させた後、該反応溶液を、(1)10
0〜2500cm/sの速度でオリフィス孔を通過させ
て油中水分散型乳化液へ転相し、(2)該乳化液を、1
00〜2500cm/sの速度でオリフィス孔を通過さ
せた後、1〜600秒間熟成させる工程を、少なくとも
1回繰り返した後、(3)重合触媒を添加後、(4)1
00cm/s以上の速度でオリフィス孔を通過させた
後、5〜600秒間熟成させる工程を、少なくとも1回
繰り返すことによって、重合反応を完結させることを特
徴とする、光学用ポリカーボネートの連続製造法であ
る。さらに、好ましい実施態様としては、末端停止剤
を、上記(3)に先立って、乳化液に添加する、上記の
方法である。
【0009】本発明の方法により、重合反応速度を格段
に向上することができるので、触媒量が低減でき、ひい
ては副反応による低分子量体の生成が抑制されるもの
と、本発明者らは推察する。本発明により、得られるポ
リカーボネート樹脂は、単量体オリゴマーの含有量が
0.2重量%以下に低減されるので、高品質を要求され
る光学用材料として有用である。また、耐熱制に悪影響
を与える、ポリマー中の末端クロロホルメート基の残量
も低減されることも判った。
【0010】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明でいう、ポリカーボネート樹脂としては、2価フェ
ノール系化合物を主成分とし、界面重合法によりホスゲ
ンと反応させて得られるものである。ビスフェノール類
を使用してなる、芳香族のホモ或いはコポリカーボネー
ト樹脂、更に分岐化されたもの、末端に長鎖アルキル基
を導入したものなどの、粘度平均分子量として、130
00〜100000の範囲のものが適用可能である。さ
らには、末端停止剤やコモノマーとして、炭素−炭素二
重結合を有する化合物を反応させた二重結合を有するポ
リカーボネート樹脂を製造し、これにスチレンなどをグ
ラフト反応したポリカーボネート樹脂、またはポリスチ
レン等にフェノール系水酸基、その他の反応性モノマー
をグラフト重合したポリカーボネート樹脂など、何れで
も適用可能である。これらの中で、芳香族ポリカーボネ
ート樹脂としては、特に、ビスフェノールAを主原料と
するポリカーボネートが挙げられ、これに例えばビスフ
ェノールZやテトラブロムビスフェノールA(TBA)
などを併用して得られるポリカーボネート共重合体、こ
れらの分岐化物や末端長鎖アルキル変性したものが好ま
しい。
【0011】本発明のポリカーボネート樹脂の製造法に
使用するビスフェノール系化合物として好ましいもの
は、具体的にはビス(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)スルファイド、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ケトン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン(ビスフェノールA;BPA)、2,2−ビス
(3,5−ジブロム−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン2(TBA)、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シク
ロヘキサン(ビスフェノ−ルZ;BPZ)、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロ
ロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−
ヒドロキシ−3−クロロフェニル)プロパン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル
フェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−1−フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)ジフェニルメタン、α,ω−ビス[3−(O
−ヒドロキシフェニル)プロピル]ポリジメチルシロキ
サン(PDS)、ビフェノールなどが例示される。これ
らは、2種類以上併用して用いてもよい。中でもビスフ
ェノ−ルA、ビスフェノ−ルZ、TBA、PDSから選
ばれるものが望ましい。
【0012】本発明に使用される末端停止剤(あるいは
分子量調節剤)としては、1価のフェノール性水酸基を
有する化合物が挙げられ、通常のフェノール、p−t−
ブチルフェノール、トリブロモフェノール等の他、長鎖
アルキルフェノール、脂肪族カルボン酸クロライド、脂
肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、芳香族酸クロライ
ド、ヒドロキシ安息香酸アルキルエステル、アルキルエ
ーテルフェノールなどが挙げられる。また、反応性二重
結合を有する末端停止剤として用いてもよく、その場合
の例として、アクリル酸、ビニル酢酸、2−ペンテン
酸、3−ペンテン酸、5−ヘキセン酸、9−ウンデセン
酸などの不飽和カルボン酸;アクリル酸クロライド、ソ
ルビン酸クロライド、アリルアルコ−ルクロロホーメー
ト、イソプロペニルフェノールクロロホルメートまたは
ヒドロキシスチレンクロロホーメート等の酸クロライド
またはクロロホーメート;イソプロペニルフェノール、
ヒドロキシスチレン、ヒドロキシフェニルマレイミド、
ヒドロキシ安息香酸アリルエステルまたはヒドロキシ安
息香酸メチルアリルエステルなどの不飽和基を有するフ
ェノール類等が挙げられる。この中で、フェノール、p
−t−ブチルフェノールが好ましい。
【0013】末端停止剤の使用量としては、上述の2価
フェノール系化合物1モルに対して、通常、1〜25モ
ル%、好ましくは1.5〜10モル%の範囲で使用され
る。末端停止剤は有機溶媒溶液あるいは苛性アルカリの
水溶液の状態で添加することができるが、アルカリ水溶
液の状態で放置すると、赤く変色してポリカーボネート
の成形品の色相に影響を与えるため、有機溶媒溶液とし
て添加することが好ましく、通常10〜30重量%の溶
液として添加される。
【0014】本発明に使用する有溶媒としては、ジクロ
ロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−
テトラクロロエタン、クロロホルム、1,1,1−トリ
クロロエタン、四塩化炭素、モノクロロベンゼン、ジク
ロロベンゼン等の塩素化炭化水素類;ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素;ジ
エチルエーテル等のエーテル系化合物を挙げることがで
き、これらの有機溶媒は2種以上を混合して使用するこ
ともできる。また、所望により前記以外のエーテル類、
ケトン類、エステル類、ニトリル類などの水と親和性の
ある溶媒を混合溶媒系が水と完全に相溶しない限度内で
使用してもよい。
【0015】更に、分岐化剤を前述の2価フェノール系
化合物に対して、0.01〜3モル%、特に0.1〜
1.0モル%の範囲で併用して分岐化ポリカーボネート
とすることができる。分岐化剤としては、フロログルシ
ン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロ
キシフェニル)ヘプテン−3、4,6−ジメチル−2,
4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−
2、1,3,5−トリ(2−ヒドロキシフェニル)ベン
ゾール、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)
エタン、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルベ
ンジル)−4−メチルフェノール、α,α' ,α" −ト
リ(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソ
プロピルベンゼンなどで例示されるポリヒドロキシ化合
物、及び3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オキ
シインドール(=イサチンビスフェノール)、5−クロ
ルイサチンビスフェノール、5,7−ジクロルイサチン
ビスフェノール、5ーブロムイサチンビスフェノールな
どが例示される。
【0016】本発明では、2価フェノールの苛性アルカ
リ水溶液と有機溶媒の混合溶液を、攪拌機付きの攪拌
槽、管型反応器、スタティックミキサーなどによる攪拌
手段によって、水中油分散型の懸濁状態を維持させなが
ら、ホスゲンと反応させることによってポリカーボネー
トオリゴマー生成させる。2価フェノールとホスゲンの
モル比は通常1:1.02〜1.35までの範囲で使用
される。ホスゲン化反応時に油中水分散型乳化液を形成
していると、ホスゲンの分解率が上昇し、副反応が促進
されるため好ましくないため、ホスゲン化反応時に水中
油分散型懸濁液を形成させておく。水中油分散型懸濁液
を形成させる手段としては、ホスゲン導入初期からホス
ゲン化反応終了時まで攪拌を継続する方法が一般的に用
いられる。こうして得られたポリカーボネートオリゴマ
ーの分子量は、粘度平均分子量で2000〜4500の
範囲である。ホスゲン化反応終了時の苛性アルカリ水溶
液には、未反応の2価フェノールが0.2〜2.0w/
v%残存している。
【0017】ホスゲン化反応が終了すれば、ポリカーボ
ネートオリゴマーを含む混合液に、必要に応じて、追加
の苛性アルカリ、有機溶媒を添加する。このとき反応液
が油中水分散型乳化液に転相していると、追加原料の分
散不良が発生して好ましくないため、これら追加の原料
を添加する際には、攪拌を継続するなどして、反応溶液
は水中油分散型懸濁液を維持させておくことが、必要で
ある。
【0018】本発明において、末端停止剤の添加につい
ては、ホスゲン化反応終了直後でもよいが、必要量を全
量、後述の重合触媒の添加に先立ち、乳化液に添加する
方が、単量体オリゴマーの低減率が高く、特に好まし
い。
【0019】本発明では、こうして得られた水中油分散
型の反応液を、ポンプなどの加圧装置を用いることによ
って、オリフィス孔へ導き、100〜2500cm/s
の流速で通過させる。このとき水中油型分散液の反応溶
液は、強力な攪拌力を受け、油中水分散型の乳化液に転
相される。反応液の流速が100〜2500cm/sに
なるように、生産量(全反応液量)に応じて、オリフィ
スの穴径を調節することが必要である。流速が100c
m/s未満であると、充分な乳化液が得られず、油中水
分散液への転相が起こらない場合もあるため好ましくな
い。また、2500cm/sを越えた流速にすると、乳
化液中の水相粒子が微細になりすぎて副反応が促進され
低分子量体の生成量が多くなったり、重合後の分離作業
を困難にしたり、オリフィスを通過させるための動力が
過大になりすぎて好ましくない。より好ましくは、20
0〜1500cm/sの範囲である。
【0020】オリフィス孔の出口側には生成した乳化液
が滞留しており、この乳化液が種乳化液として働き、順
次流入してくる水中油型分散液と混合されることによ
り、連続的に乳化液への転相が可能となる。運転開始時
にはオリフィス孔出口側には乳化液が無いため、オリフ
ィス孔出口以降を有機溶媒で満たしておき、転相を行い
易くすることが好ましい。
【0021】水中油分散型懸濁液および油中水分散型乳
化液の生成の確認方法としては、静電容量型あるいは導
電率型のモニターによって行う。
【0022】油中水分散型乳化液へ変換することによっ
て生成した乳化液は、水相/有機相の接触面積が格段に
大きくなって重合速度が上昇しているため、重合触媒の
使用量を削減することができる。本発明では、さらに、
乳化液を100〜2500cm/sの速度で、再度オリ
フィス孔を通過させた後、1〜600秒間熟成させる工
程を、少なくとも1回繰り返す。これにより、水相/有
機相の接触面積を上昇させ、効率的な重合反応が促進さ
れるので好ましい。この工程は、通常は2〜20回の範
囲で繰り返される。特に、好ましくは、2〜10回の範
囲である。
【0023】乳化液の分子量増加を目的として、上記の
熟成を行うが、熟成の方法としては乳化液を静置させる
か、配管を通過させるなどして滞留時間を稼ぐことであ
る。熟成時間は長すぎても効果があがらないので、1〜
300秒間の範囲で行うことが、特に好ましい。
【0024】上記の方法で得られた乳化液に、重合触媒
を添加し、攪拌を行って重合反応を完結させる。重合触
媒としては、通常ポリカーボネートの界面重合反応で用
いられる触媒を使用することが可能であるが、一般的に
は第3アミンあるいは第4アンモニウム塩などが選択さ
れる。触媒は有機溶媒あるいは水に溶解して、添加する
ことが好ましく、溶液の濃度としては、0.2〜15v
/v%の範囲に調整して用いる。濃度がこの範囲より低
いと、乳化液の組成が大幅に変化して、低分子量体の生
成が多くなるので好ましくない。また、濃度がこの範囲
より高いと、反応液中での分散不良を起こし、好ましく
ない。
【0025】本発明では、乳化液と重合触媒の混合溶液
の攪拌を、さらに、100cm/s以上の速度でオリフ
ィス孔を通過させた後、5〜600秒間熟成させる工程
を、少なくとも1回繰り返す。これにより、反応液に充
分な攪拌混合を与え、重合反応を進行させることがで
き、重合反応を完結させる。オリフィスの通過速度が、
100cm/s未満であると、充分な攪拌混合が行われ
ないため、触媒の分散不良や重合不良を引き起こす。
オリフィス径を絞ることによって流速を上げることがで
きるが、流速が上記の範囲より大きいと、オリフィスで
の圧損が大きくなりすぎて、圧入ポンプの動力が過大と
なったり、装置全体を耐圧構造にしなければならなくな
るため、通常は、100〜2500cm/sの範囲で選
択される。
【0026】熟成の方法としては乳化液を静置させる
か、配管を通過させるなどして滞留時間を稼ぐことであ
る。熟成時間は長すぎても効果が上がらないため、10
〜300秒の範囲で選択されることが、特に好ましい。
【0027】上記の工程の繰り返し回数は、オリフィス
を通過させる流速と関係があり、流速が2000cm/
s以上の場合には繰り返し回数が1〜3回、流速が12
00〜2000cm/sの場合には2〜5回程度、流速
が800〜1200cm/sの場合には3〜10回程
度、流速が800cm/sを下まわる場合には、5〜3
0回の範囲で選ばれる。
【0028】重合反応の完結時のポリマーの分子量が、
目標とする範囲にあることを確認する方法としては、粘
度平均分子量と乳化液粘度が正の相関があることを利用
して、各々の仕込み組成ごとにあらかじめこの関係を掴
んでおき、連続的に乳化液粘度を測定することによっ
て、ポリカーボネートの粘度平均分子量を知る方法が好
ましい。
【0029】重合反応完結により、得られるポリカーボ
ネート重合樹脂液から溶媒溶液を分離し、触媒の除去、
中和、水洗、濃縮等を行い、さらに遠心分離法又は精密
濾過等を行うことにより精製したポリカーボネート樹脂
溶液を得る。ポリカーボネート樹脂溶液から固形物を得
る方法としては、公知の方法によって達成することがで
きる。例えば、ポリカーボネートの有機溶媒溶液を、必
要に応じて貧溶媒を添加混合後、攪拌下の温水に滴下す
る方法、ポリカーボネートの有機溶媒溶液を加熱ジャケ
ット付きニーダーに投入して、造粒と乾燥を行う方法な
どが用いられる。
【0030】
【実施例】以下に、実施例をあげて本発明をさらに詳し
く説明するが、本発明の範囲を越えない限り、これに限
定されるものではない。
【0031】(1)ポリマー中の単量体オリゴマー含有
率;ポリマー100mgをクロロホルム20mlに溶解
し、Waters社製GPC(カラム:Shodex
K803L×2本、検出器:490UV検出器,254
nm,AUFS1.0)を用い、サンプル量100μ
l、溶媒流量1.0ml/minで測定を行い、保持時
間19.25分付近のピーク面積からペレット中の単量
体オリゴマーの含有量(wt%)を求めた。
【0032】(2)色相評価方法;射出成形機を用いて
各ポリマーを、射出成形機(住友重機械工業(株)製:
ネオマット350/120)で樹脂温度320℃、金型
温度80℃、保持圧1000 kg/cm2 で、50mm×60
mm、厚さ3mmの成形片を連続的に5枚成形し、成形片を
日本電色(株)色差計で測色し、YI値(黄色味を示す
指標;数値の小さい方が良)を求めた。
【0033】(3)末端クロロホルメート基由来の塩素
濃度;クロロホルメート基の残存量に応じ、ポリマーを
ジクロロメタン溶媒中に0.05〜5g/Lの濃度で溶
解し、4−(ニトロベンジル)ピリジンを0.8g/L
の濃度となるように添加し発色させる。得られた着色溶
液の440nmでの吸光度を測定して、0.2〜20m
ol/Lのクロロ蟻酸フェニル標準液の吸光度から得ら
れたファクターを使ってクロロホルメート濃度に変換
し、さらに塩素濃度へ変換した。
【0034】実施例1 アジター型攪拌機(島崎製作所製、三角型2枚翼、反転
数135cpm)が設置された、内容積50Lの攪拌槽
に、ビスフェノールA63kg/h、8.0w/w%の
水酸化ナトリウム水溶液340L/h、ハイドロサルフ
ァイト(HD)270g/hで連続的にフィードし、溢
流してくる混合液とメチレンクロライド140L/h
を、アジター型攪拌機が設置された内容積50Lのホス
ゲン化槽へ連続的に供給しつつ、ホスゲンを31kg/
hでフィードしてホスゲン化を行った。ホスゲン化時に
は、反応溶液は水中油分散型懸濁状態を維持していた。
ホスゲン化槽から溢流してくる反応溶液に、末端停止剤
として、p−t−ブチルフェノールのメチレンクロライ
ド溶液(13.3w/w%)17.3kg/h、メチレ
ンクロライド75L/h、8.8%水酸化ナトリウム水
溶液50L/hを連続に加えて、プロペラ翼攪拌機が設
置された攪拌槽(内容積50L)で、水中油分散型懸濁
液を維持させながら攪拌を行った。
【0035】攪拌槽より溢流してくる反応液を、運転開
始時にメチレンクロライドで満たされていた乳化装置と
重合装置が直列に接続された装置へ、プランジャーポン
プを用いて640L/hのフィード量で圧入した。乳化
装置として、1段目として、入口に穴径12mmのオリ
フィス(流速157cm/s)を有する内容量50L
(滞在時間281秒)の配管と2〜5段目には、入口に
穴径4mm(流速1415cm/s)を有する内容量1
0L(滞留時間56秒)の配管が直列に接続されたもの
を用いた。乳化装置の1段目で、反応液は油中水分散型
乳化液に転相していた。乳化装置の出口部分に、重合触
媒として、トリエチルアミンのメチレンクロライド溶液
(10v/v%)を0.5L/hで圧入した。混合樹脂
溶液をさらに、入口に穴径6mm(流速629cm/
s)を有する、内容量10L(滞留時間56秒)の配管
が10本直列に接続された、重合装置へ送り込んだ。重
合装置から溢流してくる重合樹脂液はアルカリ性の水相
と、ポリカーボネート樹脂が溶解した有機相の2相に分
離した。上液を除去し、メチレンクロライド相を燐酸で
中和後、純水で洗浄してポリカーボネートの精製樹脂液
を得た。得られた精製樹脂溶液を蒸発皿に入れ、140
℃で4時間乾燥後、乾燥固形物が得られた。固形物のG
PC測定の結果、粘度平均分子量は15400であり、
ポリマー中の単量体オリゴマーの含有量は0.15wt
%、末端クロロホルメート基由来の塩素濃度は0.06
9ppm、連続プレートの色相YI値は0.90であっ
た。
【0036】実施例2 アジター型攪拌機(島崎製作所製、三角型2枚翼、反転
数135cpm)が設置された、内容積50Lの攪拌槽
に、ビスフェノールA63kg/h、8.0w/w%の
水酸化ナトリウム水溶液340L/h、ハイドロサルフ
ァイト(HD)270g/hで連続的にフィードし、溢
流してくる混合液とメチレンクロライド140L/h
を、アジター型攪拌機が設置された内容積50Lのホス
ゲン化槽へ連続的に供給しつつ、ホスゲンを31kg/
hでフィードしてホスゲン化を行った。ホスゲン化時に
は、反応溶液は水中油分散型懸濁状態を維持していた。
ホスゲン化槽から溢流してくる反応溶液に、末端停止剤
として、p−t−ブチルフェノールのメチレンクロライ
ド溶液(13.3w/w%)17.3kg/h、メチレ
ンクロライド75L/h、8.8w/w%水酸化ナトリ
ウム水溶液50L/hを加えて、プロペラ翼攪拌機が設
置された攪拌槽(内容積50L)で、水中油分散型懸濁
液を維持させながら攪拌を行った。
【0037】攪拌槽より溢流してくる反応液を、運転開
始時にメチレンクロライドで満たされていた乳化装置と
重合装置が直列に接続された装置へ、プランジャーポン
プを用いて640L/hのフィード量で圧入した。乳化
装置として、1段目として、入口に穴径3.2mmのオ
リフィス(流速2210cm/s)を有する内容量10
0L(滞在時間562秒)の配管と2〜7段目には、入
口に穴径8mm(流速354cm/s)を有する内容量
5L(滞留時間28秒)の配管が直列に接続されたもの
を用いた。乳化装置の1段目で反応液は油中水分散型乳
化液に転相していた。乳化装置の出口部分に、重合触媒
として、トリエチルアミンのメチレンクロライド溶液
(10v/v%)を0.5L/hで圧入した。混合樹脂
溶液をさらに、入口に穴径12mm(流速157cm/
s)を有する内容量5L(滞留時間28秒)の配管が1
5本直列に接続された重合装置へ送り込んだ。 重合装
置から溢流してくる重合樹脂液はアルカリ性の水相と、
ポリカーボネート樹脂が溶解した有機相の2相に分離し
た。上液を除去しメチレンクロライド相を燐酸で中和
後、純水で洗浄してポリカーボネートの精製樹脂液を得
た。得られた精製樹脂溶液を蒸発皿に入れ、140℃で
4時間乾燥後、乾燥固形物が得られた。固形物のGPC
測定の結果、粘度平均分子量は15700であり、ポリ
マー中の単量体オリゴマーの含有量は0.13wt%、
末端クロロホルメート基由来の塩素濃度は0.067p
pm、連続プレートの色相YI値は0.92であった。
【0038】実施例3 アジター型攪拌機(島崎製作所製、三角型2枚翼、反転
数135cpm)が設置された、内容積50Lの攪拌槽
に、ビスフェノールA63kg/h、8.0w/w%の
水酸化ナトリウム水溶液340L/h、ハイドロサルフ
ァイト(HD)270g/hで連続的にフィードし、溢
流してくる混合液とメチレンクロライド140L/h
を、アジター型攪拌機が設置された内容積50Lのホス
ゲン化槽へ連続的に供給しつつ、ホスゲンを31kg/
hでフィードしてホスゲン化を行った。ホスゲン化時に
は、反応溶液は水中油分散型懸濁状態を維持していた。
ホスゲン化槽から溢流してくる反応溶液に、メチレンク
ロライド75L/h、8.8w/w%水酸化ナトリウム
水溶液50L/hを加えて、プロペラ翼攪拌機が設置さ
れた攪拌槽(内容積50L)で、水中油分散型懸濁液を
維持させながら攪拌を行った。
【0039】攪拌槽より溢流してくる反応液を、運転開
始時にメチレンクロライドで満たされていた乳化装置と
重合装置が直列に接続された装置へ、プランジャーポン
プを用いて640L/hのフィード量で圧入した。乳化
装置として、1段目として入口に穴径6mmのオリフィ
ス(流速629cm/s)を有する、内容量40L(滞
在時間23秒)の配管と2〜7段目に入口に穴径8mm
(流速354cm/s)を有する内容量5L(滞留時間
28秒)の配管が直列に接続されたものを用いた。乳化
装置の1段目で反応液は油中水分散型乳化液に転相して
いた。乳化装置の出口部分に、末端停止剤として、p−
t−ブチルフェノールのメチレンクロライド溶液(1
3.3w/w%)を17.3kg/hで圧入し、スタテ
ィックミキサーで混合攪拌後、重合触媒として、トリエ
チルアミンのメチレンクロライド溶液(10v/v%)
を0.5L/hで圧入した。混合樹脂溶液をさらに、入
口に穴径6mm(流速629cm/s)を有する内容量
30L(滞留時間169秒)の配管が10本直列に接続
された重合装置へ送り込んだ。重合装置から溢流してく
る重合樹脂液はアルカリ性の水相と、ポリカーボネート
樹脂が溶解した有機相の2相に分離した。上液を除去
し、メチレンクロライド相を燐酸で中和後、純水で洗浄
してポリカーボネートの精製樹脂液を得た。得られた精
製樹脂溶液を蒸発皿に入れ、140℃で4時間乾燥後、
乾燥固形物が得られた。固形物のGPC測定の結果、粘
度平均分子量は15500であり、ポリマー中の単量体
オリゴマーの含有量は0.09wt%、末端クロロホル
メート基由来の塩素濃度は0.055ppm、連続プレ
ートの色相YI値は0.90であった。
【0040】比較例1 アジター型攪拌機(島崎製作所製、三角型2枚翼、反転
数135cpm)が設置された内容積50Lの攪拌槽
に、ビスフェノールA63kg/h、8.0w/w%の
水酸化ナトリウム水溶液340L/h、ハイドロサルフ
ァイト(HD)270g/hで連続的にフィードし、溢
流してくる混合液とメチレンクロライド140L/h
を、アジター型攪拌機が設置された内容積50Lのホス
ゲン化槽へ連続的に供給しつつ、ホスゲンを31kg/
hでフィードしてホスゲン化を行った。このホスゲン化
の途中で攪拌を、一旦停止し、5分間静置分離後、再度
攪拌を行うと、ホスゲン化槽内の反応液は油中水分散型
乳化液に転相した、以降この状態を保持していた。
【0041】ホスゲン化槽から溢流してくる油中水型反
応溶液に、末端停止剤として、p−t−ブチルフェノー
ルのメチレンクロライド溶液(13.3w/w%)1
7.3kg/h、メチレンクロライド75L/h、8.
8w/w%水酸化ナトリウム水溶液50L/hを加え
て、プロペラ翼攪拌機が設置された攪拌槽(内容積50
L)で、油中水分散型乳化液を維持させながら攪拌を行
ったが、添加した水酸化ナトリウム水溶液が乳化液の上
層に浮き、反応溶液が均一になっていなかった。得られ
た反応溶液をプランジャーポンプを用いて、640L/
hの送液量で5mmの穴径を有するオリフィスを介し
て、905cm/sの速度で通過させて、内容積10L
の乳化液容器に吹き込み滞留時間56秒で熟成させた。
該容器内では、反応溶液は油中水分散型の乳化状態を呈
しており、容器から溢流してくる乳化液をアジター型攪
拌機が設置された、内容積100Lの攪拌槽へオーバー
フローさせ、重合触媒として、トリエチルアミンのメチ
レンクロライド溶液(10v/v%)を0.5L/hを
添加し重合反応を完結させた。重合樹脂液はアルカリ性
の水相と、ポリカーボネート樹脂が溶解した有機相の2
相に分離した。上液を除去し、メチレンクロライド相を
燐酸で中和後、純水で洗浄してポリカーボネートの精製
樹脂液を得た。得られた精製樹脂溶液を蒸発皿に入れ、
140℃で4時間乾燥後、乾燥固形物が得られた。固形
物のGPC測定の結果、粘度平均分子量は10200で
あり、ポリマー中の単量体オリゴマーの含有量は4.2
2wt%、末端クロロホルメート基由来の塩素濃度は1
0.4ppm、連続プレートの色相YI値は3.09で
あった。
【0042】比較例2 実施例1において、乳化装置として、1段目として入口
に穴径16mmのオリフィス(流速88cm/s)を有
する内容量50L(滞在時間281秒)の配管と2〜5
段目には入口に穴径16mm(流速88cm/s)を有
する内容量10L(滞留時間56秒)の配管が直列に接
続されたものを用いた以外は、実施例1と同様にして、
繰り返した。このとき乳化装置出口の溶液は油中水分散
型乳化状態を呈していなかった。得られた固形物のGP
C測定の結果、粘度平均分子量は11100であり、ポ
リマー中の単量体オリゴマーの含有量は4.35wt
%、末端クロロホルメート基由来の塩素濃度は14.2
ppm、連続プレートの色相YI値は3.90であっ
た。
【0043】比較例3 実施例1において、重合装置として、入口に穴径16m
m(流速88cm/s)を有する内容量10L(滞留時
間56秒)の配管が10本直列に接続された重合装置を
用いた以外は、実施例1と同様にして、繰り返した。得
られた固形物のGPC測定の結果、粘度平均分子量は1
2400であり、ポリマー中の単量体オリゴマーの含有
量は2.85wt%、末端クロロホルメート基由来の塩
素濃度は8.2ppm、連続プレートの色相YI値は
2.7であった。
【0044】比較例4 実施例1において、重合装置として、入口に穴径8mm
(流速354cm/s)を有する内容量0.5L(滞留
時間2.8秒)の配管が20本直列に接続された重合装
置を用いた以外は、実施例1と同様にして、繰り返し
た。得られた固形物のGPC測定の結果、粘度平均分子
量は12700であり、ポリマー中の単量体オリゴマー
の含有量は2.63wt%、末端クロロホルメート基由
来の塩素濃度は7.8ppm、連続プレートの色相YI
値は2.4であった。
【0045】
【発明の効果】本発明の製造法によれば、通常の界面重
合法によるポリカーボネートの製造法では困難であっ
た、重合反応時における単量体オリゴマーの生成の抑制
を可能にすることができる。また、耐熱性に悪影響を与
える、ポリマー中の末端クロロホルメート基の残量も低
減できるので、高温高湿下において、高品質を要求され
る光ディスク用、コンパクトディスク用の原料として、
特に、有用な光学用ポリカーボネート樹脂の連続製造方
法を提供することができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−100686(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 64/00 - 64/42

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2価フェノールの苛性アルカリ水溶液と
    有機溶媒の混合溶液に、水中油分散型の懸濁状態を維持
    しながら、ホスゲンを反応させてポリカーボネートオリ
    ゴマーの反応溶液を生成させた後、該反応溶液を、
    (1)100〜2500cm/sの速度でオリフィス孔
    を通過させて油中水分散型乳化液へ転相し、(2)該乳
    化液を、100〜2500cm/sの速度でオリフィス
    孔を通過させた後、1〜600秒間熟成させる工程を少
    なくとも1回繰り返し、(3)重合触媒を添加後、
    (4)100cm/s以上の速度でオリフィス孔を通過
    させた後、5〜600秒間熟成させる工程を、少なくと
    も1回繰り返すことによって、重合反応を完結させるこ
    とを特徴とする、光学用ポリカーボネートの連続製造
    法。
  2. 【請求項2】 末端停止剤を、上記(3)に先立って、
    乳化液に添加する請求項1記載の方法。
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