JP3550627B2 - 露光装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、露光装置に係り、特に被露光基板として化学増幅型レジストが塗布された基板を使用するのに好適な露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体露光装置等の微細加工を行なう装置では、極めて高精度に温度調節をする必要があることから、その温度調節のために空調部が設けられているが、例えば、設定温度に対し±0.1℃の範囲という極めてシビアな温度調節を行う必要から空調系は循環系とする必要がある。このように空気を循環するためには送風機が必要となり、振動等の問題から、送風機を含む空調部は、露光本体部が収納された本体チャンバを含む本体部から独立させる必要がある。
【0003】
図4には、本体部2から空調部1が独立した状態の従来の露光装置の一例が概略的に示されている。以下、この図4に基づいてこの種の装置における空調系について概略的に説明する。
【0004】
半導体製造装置においては、清浄度を保つ必要から、レチクルR、投影レンズPL等から成る露光本体部が収納された本体チャンバ3内部の圧力は当該本体チャンバ3の外より常に陽圧にする必要がある。この本体チャンバ3内外の圧力差により本体チャンバ3内の空気が外部に漏れ、その漏れ分を外部から供給する必要が生じる。このため、OA(Outside Air inlet)口と呼ばれる外気取り込み口6が設けられ、通常のこのOA口6を介して外気の取り込みが自然吸気で行われるようになっている。
【0005】
一方、本体チャンバ3からの戻り空気は、外部からの供給空気といっしょになって空調部1に入る。空調部1に入った空気は、まずクーラー7によって冷却され、外気取り込みによって外部からもたらされた余分な水分が不図示の放熱フィンで結露し、除かれる。その後ヒーター8で所望の温度まで昇温させられ、送風ファン9で本体部2に送り込まれる。送風ファン9の下流には温度センサ11が設置されており、この温度センサ11の検出値が不図示の制御装置に送られている。そして、この制御装置では、温度センサ11の出力をモニタしつつ、目標温度との差が零となるようにクーラー7、ヒーター8を制御する。このようにして、いわゆるフィードバック制御により温度調整がなされるようになっている。
【0006】
また、本体チャンバ3内の空気の清浄度を保つ為に、空調部1を通った空気は、本体チャンバ3に導かれる前に、HEPAボックス13内のHEPAフィルタ(High Effeciency Particle Air Filter)10により清浄化されるようになっている。
【0007】
更に、クーラー7による冷却部で結露した水分は、クーラー7の下方部に設置されている排出用受け皿であるドレインパン4に集められ、排水管5を介して装置外に排出されている。
【0008】
ところで、最近になってクリーンルーム雰囲気中の微量ガスが、縮小投影型露光装置等の半導体製造装置に対して悪影響をもたらすことが判かってきた。これを具体的に説明すると、エキシマレーザをその光源に用いたエキシマレーザ露光装置やX線露光装置や電子ビーム露光装置等では、各光源の輝度が不足するのにレジストの高感度で対応しようとの観点から、レジスト中の感光剤として酸発生剤を含み、露光で発生した酸により、続く熱処理(PEB)において触媒反応が誘起され、現像液に対して不溶化(ネガ型)又は可溶化(ポジ型)が促進される、高感度の化学増幅型レジスト(chemically amplified resist)が用いられるが、例えば、ポジ型レジストの場合、雰囲気中のppbレベルの微量な塩基性ガスが、当該ポジ型化学増幅型レジストの表面に発生した酸触媒を中和して表面難溶化層を形成し、露光して現像した後、矩形になるべきレジスト断面が、Tシェイプと呼ばれる、Tの字に形の似たひさしを形成してしまう現象が生ずる。そのままでは高感度レジストである化学増幅型レジストが用いられないので、オーバーコート等を行わなければならなかったりして、スループットが低下することになる。
【0009】
また、露光光の短波長化、高照度化に伴い、照明系部材の表面に雰囲気中の微量ガスが曇り物質として析出するという問題も発生している。これは雰囲気中の微量ガスと露光光の間に光化学的相互作用が生じることによる。反応物質としては、空気中のアンモニアガスや硫黄酸化物、有機硅素化合物等が対象として挙がっている。照明系部材の曇り発生の結果として、照度低下が顕著となり、スループットが低減してしまう。
【0010】
そのため、これらのクリーンルーム雰囲気中の微量な不純物ガスを除去する手段として特開平6−77114号の発明等が提案されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
問題となる微量ガスは、元々クリーンルーム中に存在しているのであるから、何等かの手段によって装置内に入る前に除去してしまえば良いのであるが、前述した空調部の構成がこれを困難としていることが問題となる。
【0012】
すなわち、温度調節上、ドレインの配管は必要不可欠であり、このドレイン配管によって装置の空調部が外部に開放されている点が問題となり、更に問題なのは、装置の構成上ヒーターやクーラーは送風ファンの直前に置かれることが多く、送風ファンの特性上ドレインパンでは外気に対して陰圧(−30mmAq.ぐらい)になっている点である。このため、以下のような種々の不都合が生じる。
【0013】
▲1▼ ドレイン配管は、半導体製造工場内の他のデバイス機器と最終的に結合しており、ドレインパンでは外気に対して陰圧になっているので、ドレインパンに水が溜まっていないときには、他の製造装置由来の不純物ガスがドレイン配管によって装置内に流入してくる可能性がある。
【0014】
▲2▼ 他の製造装置で行われるアルカリ処理や酸性処理等の化学的な工程によって各装置雰囲気内に発生した化学物質が各装置の温調排水に溶け込むことが微視的レベルで発生している。それらの化学物質がドレイン配管によって露光装置内にppbレベルで流入してくる可能性はかなり大きい。配管系が特に高濃度の化学物質を含む排水でない限り、特に化学的な装置汚染に配慮がなされていない場合が多く、温調排水の配管系は、装置外のクリーンルーム雰囲気と繋がっている場合も有り得る。
【0015】
▲3▼ ドレインパンには、装置の設置条件によっては、常にクーラーでの結露水が溜まっていることがあり、その場合には工場配管から直接外気が装置内に混入されることは無いが、溜まっている結露水を介在して間接的に混入してくる可能性があり、いずれにしても問題となる。
【0016】
▲4▼ 工場配管の影響が小さい場合でも、ドレインパンに結露水が溜まっている場合、陰圧の影響で長時間流れ出ることがないため、循環している空気中の微量ガスが溶解し、濃縮された後、微生物等が繁殖したりして、露光装置に悪影響をもたらすガスの2次供給源となる可能性がある。
【0017】
本発明はかかる従来技術の有する不都合に鑑みてなされたもので、その目的は、化学増幅型レジストの表面難溶化層の発生や光学材料の曇りによる照度低下等の弊害の発生を効果的に抑制することができる露光装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、露光本体部が収納され、空気の清浄度、温度、圧力、湿度等の環境条件がほぼ一定に維持される本体チャンバを含む本体部と、前記本体チャンバ内の空調を行なう空調部とを備えた露光装置において、前記空調部の一部を成す冷却部での結露水中の不純物を除去する耐水性ケミカルフィルタが、前記空調部と装置の外部とを連通する排水路の前記空調部側端部に前記空調部内と排水路内とを区画する状態で配置されていることを特徴とする。
【0019】
これによれば、空調部の一部を成す冷却部での結露水中の不純物を除去する耐水性ケミカルフィルタが、空調部と装置の外部とを連通する排水路の空調部側端部に空調部内と排水路内とを区画する状態で配置されていることから、ケミカルフィルタにより結露水中の不純物が除去されると共に外部から排水路を開始して進入した不純物ガスが吸着されて本体内に入るのが防止され、これにより排水路の入口部分(通常、ドレインパンが設置される)に不純物が溜まるのが効果的に防止される。
【0020】
また、ケミカルフィルタの構成を工夫して圧力損失をある程度大きく設定することが望ましく、かかる場合には、、それ自身がトラップとなって、排水管からの汚染空気の逆流が阻止される。
【0021】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の露光装置において、前記耐水性ケミカルフィルタはイオン交換樹脂から成ることを特徴とする。イオン交換樹脂は、水分が多いほうが吸着反応が促進されるので、本発明のように、結露水中の不純物を除去するケミカルフィルタをイオン交換樹脂により形成した場合には、より効果的なイオン性不純物の除去が可能となる。
【0022】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の露光装置において、 前記耐水性ケミカルフィルタに当該フィルタに吸着された不純物の濃度を検出するイオンセンサが取り付けられていることを特徴とする。これによれば、イオンセンサにより耐水性ケミカルフィルタに吸着された不純物の濃度を検出することにより、当該耐水性ケミカルフィルタの寿命を判断することができ、これにより正確に交換時期を判断することが可能となる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図1ないし図3に基づいて説明する。ここで、前述した従来例と同一若しくは同等の構成部分については同一の符号を用いるものとする。
【0024】
図1には第1実施例に係る露光装置の概略平面図が示されている。この図1に示される露光装置は、空調部1と本体部2の2部分から構成される。
【0025】
本体部2は、本体チャンバ3を備えており、この本体チャンバ3内には、光源、照明部(いずれも図示省略)、レチクルR、投影光学系PL、ステージ、ウエハ(いずれも図示省略)等を有する露光本体部が収納されている。そして、エキシマレーザや水銀ランプ等の不図示の光源から射出された露光光が、各種レンズやミラー等からなる不図示の照明系で必要な波長、大きさ、及び照度均一性に整形されて、所定のパターンが形成されたレチクルRを照明し、このレチクルRに形成されたパターンが投影光学系PLを介して不図示のステージ上に載置された不図示の被露光基板としてのウエハに転写されるようになっている。このウエハとしては、化学増幅型レジストが塗布されたものが使用される。本体チャンバ3の内部は、環境条件(清浄度、温度、圧力、湿度等)がほぼ一定に維持されている。
【0026】
本体部2の入口、即ち、本体チャンバ3の上流側(図1における右側)にはHEPAボックス13が設けられている。このHEPAボックス13の内部には、本体チャンバ3内に流入する空気を清浄化するHEPAフィルター(High Effeciency Particle Air Filter)10が設けられている。更に、本実施例では、このHEPAフィルター10の上流側に、特開平6−77114号に開示されているように、化学増幅型レジストのいわゆるTシェイプ対策のためのケミカルフィルタ16が設けられている。ここで、ケミカルフィルタとは、化学物質除去用のエアフィルタの総称であり、特にその不純物の除去機構や構成材料は問わない。
【0027】
また、HEPAボックス13内のケミカルフィルタ16の近傍には、後述する温度調節のための温度センサ11が配置されている。
【0028】
本体チャンバ13の最下流側(図1における左側)には、本体チャンバ13内の空気をリターンダクト14内に戻すための通路であるリターン部12が形成されている。
【0029】
空調部1は、本体チャンバ3内の空調を行なうための構成部分で、冷却部を構成するクーラー7、加温部を構成するヒーター8及び送風ファン9等を備えている。クーラー7の下方、即ち図1における紙面奥側には、図示しない放熱フィンで結露した水分の排出用受け皿であるドレインパン4が配置され、このドレインパン4には、排水管5の一端が接続されている。
【0030】
本体チャンバ3内は、清浄度を保つために、常に陽圧に保たれており、そのため本体チャンバ3の前面等や不図示のインラインインターフェイス部等から空気が外部に漏れており、この漏れ分の外気を取り入れるため、装置の側壁の一部にリターンダクト14に連通するOA部6が設けられている。本実施例では、化学増幅型レジストのいわゆるTシェイプ対策のため等の目的で、OA部6を介して装置内部に取り込まれる空気中の化学物質(不純物)を除去して清浄な空気のみを装置内に取り入れるため、ケミカルフィルタ16と同様のケミカルフィルタ17がこの0A部6に設けられ、このケミカルフィルタ17からの発塵の装置内への混入を考慮してHEPAフィルタ19がその内部側に設置されている。ここで、HEPAフィルタ19自体の圧力損失が大きい場合には、必要供給量を確保するために、図示のような送風ファン18をケミカルフィルタ17とHEPAフィルタ19との間に設置することが望ましい。
【0031】
ここで、上述のようにして構成された露光装置の空調について説明する。
【0032】
本体チャンバ13内を通過し、リターン部12を介してリターンダクト14内に戻された空気は、外部からの空気供給口であるOA部6から取り入れられた空気と一緒になって空調部1に入る。空調部1に入った空気は、まずクーラー7によって冷却され、外気取り込みによって外部からもたらされる余分な水分は不図示の放熱フィンで結露し、除かれる。その後ヒーター8で所望の温度まで昇温され、送風ファン9で本体部2に送り込まれる。
【0033】
本体部2に入った空気は、ケミカルフィルタ16及びHEPAフィルター10により清浄化され、微小粒子を含まないという意味で清浄度の高い空気のみが、本体チャンバ3に供給される。
【0034】
ここで、空調部1から本体部2に供給される空気は、前述した従来例と同様に、図示しない制御装置により、温度センサ11の出力に基づいてクーラー7、ヒーター8が制御され、いわゆるフィードバック制御により温度調整がなされるようになっている。
【0035】
通常は、空調部1内のクーラー7により、雰囲気中の過剰な水分は結露し、ドレインパン4に集められるが、露光装置の設置環境によっては、ほとんど結露水が無い場合があり、かかる場合に配水管5を介して微量ガス等の不純物を含む汚れた空気が逆流することが考えられる。これと反対に、結露水が多い場合でも、クーラー7の不図示の冷却フィンからの析出物や、雰囲気中の微量ガスがドレインパン4内の水に溶け込んでしまい、不純物の濃縮が進行することが考えられる。
【0036】
かかる点を考慮し、本実施例では、図2に示されるように、クーラー7の不図示の放熱フィンで結露した水の受け皿であるドレインパン4の上に、空調部1内部とドレインパン4及びこれに接続された排水管5とから成る排水路内とを区画する状態で耐水性ケミカルフィルタ15が設置されている。ここで、このケミカルフィルタ15とドレインパン4との間は、仮に排水管5から装置側に外気が逆流したとしても、ケミカルフィルタ15を通過する事無く、その外気が装置内に進入することがないように、換言すれば、その外気は全てケミカルフィルタ15を通過するように、十分にシーリングがなされている。
【0037】
ケミカルフィルタ15は、ドレインパン4以降から逆流してくる不純物ガスを吸着し、本体内に入るのを防止し、また、クーラー7の放熱フィンから落ちる結露水に含まれる不純物を取り除き、ドレインパン4内に不純物が溜まって濃縮するのを防止するという目的のために設けられている。この目的を達成するため、本実施例のケミカルフィルタ15としては、気体液体兼用のフィルタであって水に濡れることによってその機能を失わない化学物質吸着フィルタ、例えばアンモニア等の極性物質(不純物の一種)を吸着除去するイオン交換樹脂等から成る耐水性のケミカルフィルタが使用される。なお、この耐水性ケミカルフィルタとして、活性炭等他の吸着剤を使用したケミカルフィルタを使用することは可能である。
【0038】
ところで、空調部1内は送風ファン9により陰圧になっているので、本実施例では、排水管5以降の外気が内外圧力差により逆流するのを妨げるべく、ケミカルフィルタ15自身の圧力損失ΔPFをある程度大きく設定し、配管におけるトラップと同じ役割を果たさせている。ケミカルフィルター15が布状のイオン交換樹脂から成る繊維で構成される場合には、布の重ね枚数と、プリーツの折り返し回数をより多くすることにより、ケミカルフィルタ15の吸着容量は増大し、圧力損失ΔPFも大きくなり、トラップ効果も大きくなる。また、圧力損失が大きい場合、気相物質の移動は困難になるが、クーラー7からの結露水は浸透によりドレインパン4へ移動するので問題はない。また、極性物質、例えば、アンモニア、アミン類等の除去に関しては、イオン交換樹脂から成るケミカルフィルタは、水分が大きい程その反応は進むので、不純物除去の観点からしても、本実施例は有利である。
【0039】
以上説明したように、本実施例によると、露光装置のドレインパン4上部に、耐水性ケミカルフィルタ15を設置することにより、工場配管からの不純物の露光装置内への混入、及びドレインパン4での不純物の濃縮を阻止することができ、結果として露光装置内部の化学的雰囲気を常に清浄に保つことができる。従って、露光装置の内部循環系に化学物質除去フィルターを設置した場合、その寿命をかなり延ばすことができる。
【0040】
《変形例》
図3には、変形例の主要部が示されている。この変形例は、ケミカルフィルタの交換時期を知るために、図3に示されるように、ケミカルフィルタ15を2枚にし、その間に半導体イオンセンサ20を設けた点に特徴を有するものである。
【0041】
この半導体イオンセンサ20としては、例えばMOSFETのゲートの金属電極に代えてNH4 +濃度を検出するイオン電極(イオン選択性の膜)をとりつけたものが使用される。
【0042】
ケミカルフィルター15、15は、上下両面からそれぞれ不純物に侵されていくので、両者の中央に配置された半導体イオンセンサ20の位置でイオン濃度がppmオーダーになった場合に、当該半導体イオンセンサ20がこれを検知し、交換時期を不図示の警告装置(ランプ、ブザー等)を介してオペレータに知らせるようになっている。判断濃度のオーダーが高いのは、汚染が進行し、不純物の吸着が進むとケミカルフィルタ内部の不純物の濃度が高濃度になること、及び半導体イオンセンサの性能(感度)上、ppmオーダー以上でないと正確に検出することができないという現実的な事情をも考慮したものである。
【0043】
これによれば、耐水性ケミカルフィルタ15の交換時期を正確に判断することが可能となる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ケミカルフィルタにより結露水中の不純物が除去されると共に外部から排水路を介して進入した不純物ガスが吸着されて本体内に入るのが防止され、これにより排水路の入口部分に不純物が溜まるのが効果的に防止されることから、露光装置内部の化学的雰囲気を常に清浄に保つことができる。従って、化学増幅型レジストの表面難溶化層の発生や光学材料の曇りによる照度低下等の弊害の発生を効果的に抑制することができるという従来にない優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例に係る露光装置を示す概略平面図である。
【図2】図1の装置の空調部内の構成を概念的に示す説明図である。
【図3】変形例の主要部を示す説明図である。
【図4】従来例に係る露光装置を示す概略平面図である。
【符号の説明】
1 空調部
2 本体部
3 本体チャンバ
7 クーラー(冷却部)
15 耐水性ケミカルフィルタ
20 半導体イオンセンサ
【発明の属する技術分野】
本発明は、露光装置に係り、特に被露光基板として化学増幅型レジストが塗布された基板を使用するのに好適な露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体露光装置等の微細加工を行なう装置では、極めて高精度に温度調節をする必要があることから、その温度調節のために空調部が設けられているが、例えば、設定温度に対し±0.1℃の範囲という極めてシビアな温度調節を行う必要から空調系は循環系とする必要がある。このように空気を循環するためには送風機が必要となり、振動等の問題から、送風機を含む空調部は、露光本体部が収納された本体チャンバを含む本体部から独立させる必要がある。
【0003】
図4には、本体部2から空調部1が独立した状態の従来の露光装置の一例が概略的に示されている。以下、この図4に基づいてこの種の装置における空調系について概略的に説明する。
【0004】
半導体製造装置においては、清浄度を保つ必要から、レチクルR、投影レンズPL等から成る露光本体部が収納された本体チャンバ3内部の圧力は当該本体チャンバ3の外より常に陽圧にする必要がある。この本体チャンバ3内外の圧力差により本体チャンバ3内の空気が外部に漏れ、その漏れ分を外部から供給する必要が生じる。このため、OA(Outside Air inlet)口と呼ばれる外気取り込み口6が設けられ、通常のこのOA口6を介して外気の取り込みが自然吸気で行われるようになっている。
【0005】
一方、本体チャンバ3からの戻り空気は、外部からの供給空気といっしょになって空調部1に入る。空調部1に入った空気は、まずクーラー7によって冷却され、外気取り込みによって外部からもたらされた余分な水分が不図示の放熱フィンで結露し、除かれる。その後ヒーター8で所望の温度まで昇温させられ、送風ファン9で本体部2に送り込まれる。送風ファン9の下流には温度センサ11が設置されており、この温度センサ11の検出値が不図示の制御装置に送られている。そして、この制御装置では、温度センサ11の出力をモニタしつつ、目標温度との差が零となるようにクーラー7、ヒーター8を制御する。このようにして、いわゆるフィードバック制御により温度調整がなされるようになっている。
【0006】
また、本体チャンバ3内の空気の清浄度を保つ為に、空調部1を通った空気は、本体チャンバ3に導かれる前に、HEPAボックス13内のHEPAフィルタ(High Effeciency Particle Air Filter)10により清浄化されるようになっている。
【0007】
更に、クーラー7による冷却部で結露した水分は、クーラー7の下方部に設置されている排出用受け皿であるドレインパン4に集められ、排水管5を介して装置外に排出されている。
【0008】
ところで、最近になってクリーンルーム雰囲気中の微量ガスが、縮小投影型露光装置等の半導体製造装置に対して悪影響をもたらすことが判かってきた。これを具体的に説明すると、エキシマレーザをその光源に用いたエキシマレーザ露光装置やX線露光装置や電子ビーム露光装置等では、各光源の輝度が不足するのにレジストの高感度で対応しようとの観点から、レジスト中の感光剤として酸発生剤を含み、露光で発生した酸により、続く熱処理(PEB)において触媒反応が誘起され、現像液に対して不溶化(ネガ型)又は可溶化(ポジ型)が促進される、高感度の化学増幅型レジスト(chemically amplified resist)が用いられるが、例えば、ポジ型レジストの場合、雰囲気中のppbレベルの微量な塩基性ガスが、当該ポジ型化学増幅型レジストの表面に発生した酸触媒を中和して表面難溶化層を形成し、露光して現像した後、矩形になるべきレジスト断面が、Tシェイプと呼ばれる、Tの字に形の似たひさしを形成してしまう現象が生ずる。そのままでは高感度レジストである化学増幅型レジストが用いられないので、オーバーコート等を行わなければならなかったりして、スループットが低下することになる。
【0009】
また、露光光の短波長化、高照度化に伴い、照明系部材の表面に雰囲気中の微量ガスが曇り物質として析出するという問題も発生している。これは雰囲気中の微量ガスと露光光の間に光化学的相互作用が生じることによる。反応物質としては、空気中のアンモニアガスや硫黄酸化物、有機硅素化合物等が対象として挙がっている。照明系部材の曇り発生の結果として、照度低下が顕著となり、スループットが低減してしまう。
【0010】
そのため、これらのクリーンルーム雰囲気中の微量な不純物ガスを除去する手段として特開平6−77114号の発明等が提案されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
問題となる微量ガスは、元々クリーンルーム中に存在しているのであるから、何等かの手段によって装置内に入る前に除去してしまえば良いのであるが、前述した空調部の構成がこれを困難としていることが問題となる。
【0012】
すなわち、温度調節上、ドレインの配管は必要不可欠であり、このドレイン配管によって装置の空調部が外部に開放されている点が問題となり、更に問題なのは、装置の構成上ヒーターやクーラーは送風ファンの直前に置かれることが多く、送風ファンの特性上ドレインパンでは外気に対して陰圧(−30mmAq.ぐらい)になっている点である。このため、以下のような種々の不都合が生じる。
【0013】
▲1▼ ドレイン配管は、半導体製造工場内の他のデバイス機器と最終的に結合しており、ドレインパンでは外気に対して陰圧になっているので、ドレインパンに水が溜まっていないときには、他の製造装置由来の不純物ガスがドレイン配管によって装置内に流入してくる可能性がある。
【0014】
▲2▼ 他の製造装置で行われるアルカリ処理や酸性処理等の化学的な工程によって各装置雰囲気内に発生した化学物質が各装置の温調排水に溶け込むことが微視的レベルで発生している。それらの化学物質がドレイン配管によって露光装置内にppbレベルで流入してくる可能性はかなり大きい。配管系が特に高濃度の化学物質を含む排水でない限り、特に化学的な装置汚染に配慮がなされていない場合が多く、温調排水の配管系は、装置外のクリーンルーム雰囲気と繋がっている場合も有り得る。
【0015】
▲3▼ ドレインパンには、装置の設置条件によっては、常にクーラーでの結露水が溜まっていることがあり、その場合には工場配管から直接外気が装置内に混入されることは無いが、溜まっている結露水を介在して間接的に混入してくる可能性があり、いずれにしても問題となる。
【0016】
▲4▼ 工場配管の影響が小さい場合でも、ドレインパンに結露水が溜まっている場合、陰圧の影響で長時間流れ出ることがないため、循環している空気中の微量ガスが溶解し、濃縮された後、微生物等が繁殖したりして、露光装置に悪影響をもたらすガスの2次供給源となる可能性がある。
【0017】
本発明はかかる従来技術の有する不都合に鑑みてなされたもので、その目的は、化学増幅型レジストの表面難溶化層の発生や光学材料の曇りによる照度低下等の弊害の発生を効果的に抑制することができる露光装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、露光本体部が収納され、空気の清浄度、温度、圧力、湿度等の環境条件がほぼ一定に維持される本体チャンバを含む本体部と、前記本体チャンバ内の空調を行なう空調部とを備えた露光装置において、前記空調部の一部を成す冷却部での結露水中の不純物を除去する耐水性ケミカルフィルタが、前記空調部と装置の外部とを連通する排水路の前記空調部側端部に前記空調部内と排水路内とを区画する状態で配置されていることを特徴とする。
【0019】
これによれば、空調部の一部を成す冷却部での結露水中の不純物を除去する耐水性ケミカルフィルタが、空調部と装置の外部とを連通する排水路の空調部側端部に空調部内と排水路内とを区画する状態で配置されていることから、ケミカルフィルタにより結露水中の不純物が除去されると共に外部から排水路を開始して進入した不純物ガスが吸着されて本体内に入るのが防止され、これにより排水路の入口部分(通常、ドレインパンが設置される)に不純物が溜まるのが効果的に防止される。
【0020】
また、ケミカルフィルタの構成を工夫して圧力損失をある程度大きく設定することが望ましく、かかる場合には、、それ自身がトラップとなって、排水管からの汚染空気の逆流が阻止される。
【0021】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の露光装置において、前記耐水性ケミカルフィルタはイオン交換樹脂から成ることを特徴とする。イオン交換樹脂は、水分が多いほうが吸着反応が促進されるので、本発明のように、結露水中の不純物を除去するケミカルフィルタをイオン交換樹脂により形成した場合には、より効果的なイオン性不純物の除去が可能となる。
【0022】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の露光装置において、 前記耐水性ケミカルフィルタに当該フィルタに吸着された不純物の濃度を検出するイオンセンサが取り付けられていることを特徴とする。これによれば、イオンセンサにより耐水性ケミカルフィルタに吸着された不純物の濃度を検出することにより、当該耐水性ケミカルフィルタの寿命を判断することができ、これにより正確に交換時期を判断することが可能となる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図1ないし図3に基づいて説明する。ここで、前述した従来例と同一若しくは同等の構成部分については同一の符号を用いるものとする。
【0024】
図1には第1実施例に係る露光装置の概略平面図が示されている。この図1に示される露光装置は、空調部1と本体部2の2部分から構成される。
【0025】
本体部2は、本体チャンバ3を備えており、この本体チャンバ3内には、光源、照明部(いずれも図示省略)、レチクルR、投影光学系PL、ステージ、ウエハ(いずれも図示省略)等を有する露光本体部が収納されている。そして、エキシマレーザや水銀ランプ等の不図示の光源から射出された露光光が、各種レンズやミラー等からなる不図示の照明系で必要な波長、大きさ、及び照度均一性に整形されて、所定のパターンが形成されたレチクルRを照明し、このレチクルRに形成されたパターンが投影光学系PLを介して不図示のステージ上に載置された不図示の被露光基板としてのウエハに転写されるようになっている。このウエハとしては、化学増幅型レジストが塗布されたものが使用される。本体チャンバ3の内部は、環境条件(清浄度、温度、圧力、湿度等)がほぼ一定に維持されている。
【0026】
本体部2の入口、即ち、本体チャンバ3の上流側(図1における右側)にはHEPAボックス13が設けられている。このHEPAボックス13の内部には、本体チャンバ3内に流入する空気を清浄化するHEPAフィルター(High Effeciency Particle Air Filter)10が設けられている。更に、本実施例では、このHEPAフィルター10の上流側に、特開平6−77114号に開示されているように、化学増幅型レジストのいわゆるTシェイプ対策のためのケミカルフィルタ16が設けられている。ここで、ケミカルフィルタとは、化学物質除去用のエアフィルタの総称であり、特にその不純物の除去機構や構成材料は問わない。
【0027】
また、HEPAボックス13内のケミカルフィルタ16の近傍には、後述する温度調節のための温度センサ11が配置されている。
【0028】
本体チャンバ13の最下流側(図1における左側)には、本体チャンバ13内の空気をリターンダクト14内に戻すための通路であるリターン部12が形成されている。
【0029】
空調部1は、本体チャンバ3内の空調を行なうための構成部分で、冷却部を構成するクーラー7、加温部を構成するヒーター8及び送風ファン9等を備えている。クーラー7の下方、即ち図1における紙面奥側には、図示しない放熱フィンで結露した水分の排出用受け皿であるドレインパン4が配置され、このドレインパン4には、排水管5の一端が接続されている。
【0030】
本体チャンバ3内は、清浄度を保つために、常に陽圧に保たれており、そのため本体チャンバ3の前面等や不図示のインラインインターフェイス部等から空気が外部に漏れており、この漏れ分の外気を取り入れるため、装置の側壁の一部にリターンダクト14に連通するOA部6が設けられている。本実施例では、化学増幅型レジストのいわゆるTシェイプ対策のため等の目的で、OA部6を介して装置内部に取り込まれる空気中の化学物質(不純物)を除去して清浄な空気のみを装置内に取り入れるため、ケミカルフィルタ16と同様のケミカルフィルタ17がこの0A部6に設けられ、このケミカルフィルタ17からの発塵の装置内への混入を考慮してHEPAフィルタ19がその内部側に設置されている。ここで、HEPAフィルタ19自体の圧力損失が大きい場合には、必要供給量を確保するために、図示のような送風ファン18をケミカルフィルタ17とHEPAフィルタ19との間に設置することが望ましい。
【0031】
ここで、上述のようにして構成された露光装置の空調について説明する。
【0032】
本体チャンバ13内を通過し、リターン部12を介してリターンダクト14内に戻された空気は、外部からの空気供給口であるOA部6から取り入れられた空気と一緒になって空調部1に入る。空調部1に入った空気は、まずクーラー7によって冷却され、外気取り込みによって外部からもたらされる余分な水分は不図示の放熱フィンで結露し、除かれる。その後ヒーター8で所望の温度まで昇温され、送風ファン9で本体部2に送り込まれる。
【0033】
本体部2に入った空気は、ケミカルフィルタ16及びHEPAフィルター10により清浄化され、微小粒子を含まないという意味で清浄度の高い空気のみが、本体チャンバ3に供給される。
【0034】
ここで、空調部1から本体部2に供給される空気は、前述した従来例と同様に、図示しない制御装置により、温度センサ11の出力に基づいてクーラー7、ヒーター8が制御され、いわゆるフィードバック制御により温度調整がなされるようになっている。
【0035】
通常は、空調部1内のクーラー7により、雰囲気中の過剰な水分は結露し、ドレインパン4に集められるが、露光装置の設置環境によっては、ほとんど結露水が無い場合があり、かかる場合に配水管5を介して微量ガス等の不純物を含む汚れた空気が逆流することが考えられる。これと反対に、結露水が多い場合でも、クーラー7の不図示の冷却フィンからの析出物や、雰囲気中の微量ガスがドレインパン4内の水に溶け込んでしまい、不純物の濃縮が進行することが考えられる。
【0036】
かかる点を考慮し、本実施例では、図2に示されるように、クーラー7の不図示の放熱フィンで結露した水の受け皿であるドレインパン4の上に、空調部1内部とドレインパン4及びこれに接続された排水管5とから成る排水路内とを区画する状態で耐水性ケミカルフィルタ15が設置されている。ここで、このケミカルフィルタ15とドレインパン4との間は、仮に排水管5から装置側に外気が逆流したとしても、ケミカルフィルタ15を通過する事無く、その外気が装置内に進入することがないように、換言すれば、その外気は全てケミカルフィルタ15を通過するように、十分にシーリングがなされている。
【0037】
ケミカルフィルタ15は、ドレインパン4以降から逆流してくる不純物ガスを吸着し、本体内に入るのを防止し、また、クーラー7の放熱フィンから落ちる結露水に含まれる不純物を取り除き、ドレインパン4内に不純物が溜まって濃縮するのを防止するという目的のために設けられている。この目的を達成するため、本実施例のケミカルフィルタ15としては、気体液体兼用のフィルタであって水に濡れることによってその機能を失わない化学物質吸着フィルタ、例えばアンモニア等の極性物質(不純物の一種)を吸着除去するイオン交換樹脂等から成る耐水性のケミカルフィルタが使用される。なお、この耐水性ケミカルフィルタとして、活性炭等他の吸着剤を使用したケミカルフィルタを使用することは可能である。
【0038】
ところで、空調部1内は送風ファン9により陰圧になっているので、本実施例では、排水管5以降の外気が内外圧力差により逆流するのを妨げるべく、ケミカルフィルタ15自身の圧力損失ΔPFをある程度大きく設定し、配管におけるトラップと同じ役割を果たさせている。ケミカルフィルター15が布状のイオン交換樹脂から成る繊維で構成される場合には、布の重ね枚数と、プリーツの折り返し回数をより多くすることにより、ケミカルフィルタ15の吸着容量は増大し、圧力損失ΔPFも大きくなり、トラップ効果も大きくなる。また、圧力損失が大きい場合、気相物質の移動は困難になるが、クーラー7からの結露水は浸透によりドレインパン4へ移動するので問題はない。また、極性物質、例えば、アンモニア、アミン類等の除去に関しては、イオン交換樹脂から成るケミカルフィルタは、水分が大きい程その反応は進むので、不純物除去の観点からしても、本実施例は有利である。
【0039】
以上説明したように、本実施例によると、露光装置のドレインパン4上部に、耐水性ケミカルフィルタ15を設置することにより、工場配管からの不純物の露光装置内への混入、及びドレインパン4での不純物の濃縮を阻止することができ、結果として露光装置内部の化学的雰囲気を常に清浄に保つことができる。従って、露光装置の内部循環系に化学物質除去フィルターを設置した場合、その寿命をかなり延ばすことができる。
【0040】
《変形例》
図3には、変形例の主要部が示されている。この変形例は、ケミカルフィルタの交換時期を知るために、図3に示されるように、ケミカルフィルタ15を2枚にし、その間に半導体イオンセンサ20を設けた点に特徴を有するものである。
【0041】
この半導体イオンセンサ20としては、例えばMOSFETのゲートの金属電極に代えてNH4 +濃度を検出するイオン電極(イオン選択性の膜)をとりつけたものが使用される。
【0042】
ケミカルフィルター15、15は、上下両面からそれぞれ不純物に侵されていくので、両者の中央に配置された半導体イオンセンサ20の位置でイオン濃度がppmオーダーになった場合に、当該半導体イオンセンサ20がこれを検知し、交換時期を不図示の警告装置(ランプ、ブザー等)を介してオペレータに知らせるようになっている。判断濃度のオーダーが高いのは、汚染が進行し、不純物の吸着が進むとケミカルフィルタ内部の不純物の濃度が高濃度になること、及び半導体イオンセンサの性能(感度)上、ppmオーダー以上でないと正確に検出することができないという現実的な事情をも考慮したものである。
【0043】
これによれば、耐水性ケミカルフィルタ15の交換時期を正確に判断することが可能となる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ケミカルフィルタにより結露水中の不純物が除去されると共に外部から排水路を介して進入した不純物ガスが吸着されて本体内に入るのが防止され、これにより排水路の入口部分に不純物が溜まるのが効果的に防止されることから、露光装置内部の化学的雰囲気を常に清浄に保つことができる。従って、化学増幅型レジストの表面難溶化層の発生や光学材料の曇りによる照度低下等の弊害の発生を効果的に抑制することができるという従来にない優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例に係る露光装置を示す概略平面図である。
【図2】図1の装置の空調部内の構成を概念的に示す説明図である。
【図3】変形例の主要部を示す説明図である。
【図4】従来例に係る露光装置を示す概略平面図である。
【符号の説明】
1 空調部
2 本体部
3 本体チャンバ
7 クーラー(冷却部)
15 耐水性ケミカルフィルタ
20 半導体イオンセンサ
Claims (5)
- 露光本体部が収納され、空気の清浄度、温度、圧力、湿度等の環境条件がほぼ一定に維持される本体チャンバを含む本体部と、前記本体チャンバ内の空調を行なう空調部とを備えた露光装置において、
前記空調部の一部を成す冷却部での結露水中の不純物を除去する耐水性ケミカルフィルタが、前記空調部と装置の外部とを連通する排水路の前記空調部側端部に前記空調部内と排水路内とを区画する状態で配置されていることを特徴とする露光装置。 - 前記耐水性ケミカルフィルタはイオン交換樹脂から成ることを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
- 前記耐水性ケミカルフィルタに当該フィルタに吸着された不純物の濃度を検出するイオンセンサが取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の露光装置。
- 前記排水路の前記空調部側端部に設けられ、前記結露水を集めるドレインパンを有し、
前記耐水性ケミカルフィルタは、前記ドレインパンに設けられることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の露光装置。 - 前記耐水性ケミカルフィルタは、装置の外部から逆流する不純物ガスを吸着することを特徴とする請求項 1 から4のいずれか一項に記載の露光装置。
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