JP3550075B2 - ドラム式洗濯機の制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、略水平な軸を中心に回転する横型のドラムを備えたドラム式洗濯機の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
略水平な軸を中心に回転する横型のドラムを備えたドラム式洗濯機は、特にヨーロッパおいて広く使用されている。ドラム式洗濯機は一般に、ドラムを低速で回転させる洗い工程、すすぎ工程と、ドラムを高速で回転させる脱水工程から成る洗濯作業を行い、さらに乾燥工程を行なうものが商品化されている。
【0003】
従来のドラム式洗濯機は、ドラムを駆動させるモータを高速回転させたのち、モータ駆動をオフにすることで慣性回転減衰を求め、この減衰に基づいてドラム内に投入された衣類の量を検出していた。
【0004】
また、ドラム内の衣類の片寄り量は、その片寄り量が原因で起こる振動を振動センサで検出することによって、検知していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、慣性回転減衰に基づいた衣類の量の検出は、モータの回転軸のオイルシール摺動抵抗の影響を受けるため、誤差が大きい。また、ドラム内の衣類の片寄り量の検知には振動センサが必要なためコストがかかっていた。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑み、投入された衣類の量の検出誤差が少ないドラム式洗濯機の制御装置を提供することを目的とする
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係るドラム式洗濯機の制御装置においては、
ドラムを駆動させるDCブラシレスモータと、前記モータの回転駆動を制御するインバータ制御手段と、前記モータのロータ位置を検出する位置検出手段と、を備え、
洗い工程前に所定の設定周波数の正弦波状電圧を前記モータに供給しオープンループ駆動させたときに生じる前記正弦波状電圧の位相と前記位置検出手段によって検出される位置信号の位相とのずれである洗い工程前ずれ角度量を検出するとともに、前記ドラムが1回転する際の前記洗い工程前ずれ角度量の平均値に基づいて前記ドラムに投入された衣類の量を検出することを特徴とする。DCブラシレスモータをロータ位置信号からの位置信号を同期基準にしないで、任意の設定周波数で駆動させるオープンループ駆動(非同期運転)の場合、負荷がかかるとモータに供給される正弦波状電圧とロータの位置検出手段によって検出される位置信号との位相ずれが可変する。この位相ずれ角度量は負荷が大きくなるほど大きくなる。従って、モータに供給される正弦波状電圧とロータの位置検出手段によって検出される位置信号との位相ずれ角度量のドラム1回転中の平均値を求めることで、ドラムに投入された衣類の量を求めることができる。
【0009】
また、上記ドラム式洗濯機の制御装置において、検出された衣類の量に応じて、「洗い工程」、「すすぎ工程」、「脱水工程」、「乾燥工程」の運転制御を行うとともに、乾燥運転完了までの運転時間を推定するようにしてもよい。
【0010】
また、上記ドラム式洗濯機の制御装置において、商用電源から供給されるAC電圧を整流手段によって整流したDC電圧を検出する電圧検出手段を備え、前記AC電圧の変動に伴い、前記電圧検出手段によって検出されたDC電圧が変動した場合でも、前記正弦波状電圧を一定にするようにしてもよい。
【0011】
また、上記ドラム式洗濯機の制御装置において、商用電源から供給されるAC電圧を整流手段によって整流したDC電圧を検出する電圧検出手段を備え、前記AC電圧の変動に伴い、前記電圧検出手段によって検出されたDC電圧が変動した際に、検知された衣類の量を前記DC電圧の変動に応じて補正するようにしてもよく、検知された衣類の量を商用電源のAC電圧またはAC電流の変動に基づいて補正するようにしてもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態におけるドラム式洗濯機の外観斜視図である。洗濯機の外壁を形成する本体外装部1は前面が開閉扉3で開閉できるようになっている。本体外装部1の前面上部には操作キーや表示部を備えた操作パネル11が設けられている。
【0013】
図2にドラム式洗濯機の側面断面図を示す。本体外装部1内には前面に開口部4aを有する有底筒状の水槽4が配される。水槽4は図6〜図7に示すように、本体外装部1内に引張りバネから成る第1懸架装置7a及び第2懸架装置7bで弾力的に支持されている。
【0014】
本体外装部1の内壁には水槽4の前方上部にアングル29aが取り付けられ、本体外装部1の背壁には上部にアングル29bが取り付けられている。水槽4の前面及び背面にはアングル30a、30bが固着されている。そして、アングル29aとアングル30aに第1懸架装置7aを掛着して、水槽4の前部は第1懸架装置7aにより左右の2箇所を懸架されている。
【0015】
同様に、アングル29bとアングル30bに第2懸架装置7bを掛着して、水槽4の後部は第2懸架装置7bにより左右の2箇所を懸架されている。また、第1、第2懸架装置7a、7bは、鉛直方向に対してそれぞれ角度θ1、θ2だけ左右対称に傾斜して取り付けられている。これにより、水槽4を左右方向の摺動に対して求心させることができる。尚、アングル30a、30bは水槽4と一体成形してもよい。
【0016】
また、水槽4はダンパー8a、8bから成る減衰装置により本体外装部1の底部に支持されている。水槽4の前方には左右の2箇所にダンパー8aが取付られ、水槽4の後方には左右の2箇所にダンパー8bが取付られている。これにより水槽4の揺動を減衰するようになっている。
【0017】
本体外装部1の背壁には、フェルトやゴム等から成る緩衝材28が固着されている。これにより、水槽4が前後方向に摺動した際に、水槽4と本体外装部1の背壁との衝突による騒音の発生を防止している。
【0018】
水槽4内にはドラム5が配設されている。ドラム5は軸部5eに固定されており、モータケース9aを介して水槽4と一体化されるベアリング6に軸部5eが支持されて、回転自在になっている。軸部5eにはロータ9bが固着され、モータケース9a内にはステータ9cが固定されている。これらにより、ドラム5を駆動するモータ9が構成されている。モータ9の回転駆動は後述する制御装置2によって制御されている。尚、本実施形態ではモータ9として3相20極DCブラシレスモータを使用している。
【0019】
モータ9のロータ9bは図16に示すような構造であり、図17に示すステータ9cの内部に同心軸状に回転可能に保持されている。ロータコア71は積層された鋼板で構成されている。ロータコア71の突極71Aの間には、永久磁石72が配設されている。隣り合う永久磁石72のN極72NとS極72Sの配置を逆にすることで、ロータコアの突極部分71AはN極71NとS極71Sの交互になる。このような構成にすることで、ロータコアに永久磁石を円周状に貼り付け周設する構成よりも高い磁力を得ることができる。
【0020】
モータ9は20極で、ロータコアの突極部分71AはN極とS極がそれぞれ10個ずつであるが、極数については本発明を限定するものではない。また、ロータの構成も本発明を限定するものではなく、例えばロータに永久磁石を円周状に貼り付け周設する構成にしてもよい。
【0021】
モータカバー9a内に設けられたステータ9cを図17に示す。ステータ9cは24極であり、ステータコア73はロータコア71と同様に積層された鋼板で構成される。ステータコア73には、巻線74が集中巻方式で巻設されている。集中巻方式は本発明を限定するものではなく、例えば重ね巻方式で巻線をステータコアに巻設してもよい。また、ロータ9bとステータ9cの間には、ホールセンサ(図示せず)がモータカバー9aに固着して設けられており、ロータコアの突極71AのN極とS極を検出する。
【0022】
尚、本実施形態は、ドラム5とモータ9が直接固定されたダイレクトドライブ方式であるが、ベルトとプーリでモータ回転トルクをドラム5に伝えるベルトドライブ方式でもよい。
【0023】
ドラム5の周壁全体には小孔5aが設けられている。小孔5aは洗濯時に水槽4とドラム5との間を洗濯水が流出入できるようにしている。ドラム5の内壁面にはバッフル5bが突出して設けられ、ドラム5の回転により洗濯物を引っかけて持ち上げ、洗濯液中に落下させることにより洗浄が行われるようになっている。
【0024】
ドラム5の前面の開口部5cの外周縁には液体バランサ5dが設けられている。液体バランサ5dには塩水等の液体が封入されており、ドラム5の回転時に該流体が移動して洗濯物及び洗濯液の片寄りによる重心移動をうち消すようになっている。尚、液体バランサ5dはドラム5の内周縁に設けてもよい。
【0025】
ドラム5の回転軸心y−yは、水平軸に対して角度θだけドラム5の奥が下がるように傾斜されている。これにより、使用者がドラム式洗濯機の前面側に立って洗濯物を出し入れする際に、ドラム5の奥まで見通しが良くなり、洗濯物の出し入れが容易になる。
【0026】
洗濯物投入口1aと水槽4の開口部4aの周縁にはゴムや樹脂等の弾性体からなるパッキン10が通路を形成するように取り付けられている。パッキン10は開閉扉3を閉じたときに内周縁10aが開閉扉3の周縁に密着する構造となっている。これにより、洗濯動作中の防水を行なうようになっている。また、パッキン10は蛇腹などにより水槽4の揺動に応じて撓みを生じて追従するようになっている。
【0027】
本体外装部1内の上部には水道管に接続された給水パイプ12が配設されている。給水パイプ12の途中に設けた給水弁13を開放すると、洗剤ケース14を介してパッキン10に取り付けられた給水ノズル15から水槽4内に水道水が給水されるようになっている。
【0028】
水槽4の底面より導出された排水ダクト16は、管路途中に糸屑フィルタ17aを内設した接続ケース17及び排水ポンプ18を備えており、水槽4からの洗濯液を本体外装部1の外部に排水する構造となっている。糸屑フィルタ17aは、例えば、樹脂を格子状に形成したり、あるいは、目の細かい繊維を袋状に形成して構成され、洗濯液中の糸屑等を集積するもので、接続ケース17内に着脱自在に装着され、本体外装部1の前面下部から取り外すことができる。
【0029】
接続ケース17の上部にはエアートラップ22から動圧パイプ21を介して水位センサ23が設けられている。水位センサ23は、エアートラップ22内の圧力変化に応じて磁性体をコイル内で移動させる。その結果生じるコイルのインダクタンス変化を発振周波数の変化として検出し、水槽4内の水位を検知するようになっている。
【0030】
また、ドラム式洗濯機は図3に示す側面断面図のような構造でもよい。尚、図2と同一の部品には同一の符号を付してある。接続ケース17の出口側には排水ダクト16bから分岐する循環ダクト19が設けられている。循環ダクト19は水槽4の開口部4aに臨むようにパッキン10に接続されており、管路途中に循環ポンプ20を備えている。
【0031】
従って、排水ポンプ18を停止して循環ポンプ20を駆動させると、水槽4、排水ダクト16a、接続ケース17、排水ダクト16b、循環ポンプ20及び循環ダクト19を通って水槽4に至る循環経路が形成される。この循環経路を通して水槽4内の洗濯液を循環させることで、洗濯液内の洗剤を充分溶解させるとともに、糸屑フィルタ17aによって糸屑等を除去する。これにより、洗濯物に対する糸屑の再付着を防止することができる。
【0032】
さらに、ドラム式洗濯機は図4に示す側面断面図のような構造でもよい。尚、図2と同一の部品には同一の符号を付してある。水槽4の上方には洗濯物を乾燥させるための送風ファン25とヒータ26から構成された乾燥ユニット24が設けられている。乾燥ユニット24は水槽4の開口部4aに臨む吹き出し口4bと下部に設けられた循環口4cとを連結する冷却ダクト27の経路途中に配されている。また、冷却ダクト27内には冷却装置(図示せず)が備えられている。
【0033】
上記のような構成において、ドラム式洗濯機の動作を制御する制御装置2が操作パネル11の裏面に配されている。制御装置2について図8を参照して説明する。
【0034】
制御装置2は主制御50と副制御51とで構成されている。主制御部50は洗い、すすぎ、脱水等の各工程の動作の内容や、工程の実行順序(すなわち処理コース)等のプログラムを記憶しており、このプログラムに従って給水弁13の開閉と排水ポンプ18を制御するとともに、副制御部51を介してモータ9を制御する。
【0035】
主制御部50は、洗濯の予約等の信号を操作パネル11から入力し、動作の経過等を表示ための信号を操作パネル11に出力する。また、主制御部50は、洗濯終了時等にブザー52を鳴らす。さらに、主制御部50は、水槽4内の水位を表す信号を水位センサ23から入力する。
【0036】
また、主制御部50はモータ9の回転を制御するために必要な信号S1を同期用クロックCLKとともに、副制御部51に送信する。信号S1を受けた副制御部51は信号S1を読み取った後、クロックCLKに同期して信号S2を主制御部50に送信する。
【0037】
次に、図9を用いて副制御部51の構成を説明する。商用電源53から出力される交流電圧はリアクトル54を介して整流回路55に供給され、整流回路55で脈流状の直流に変換される。整流回路55には、ダイオードブリッジが使用されている。
【0038】
整流回路55で整流された直流は平滑用のコンデンサ56a、56bで平滑される。コンデンサ56aの+端子は整流回路55の+側の端子に接続されている。コンデンサ56aの−端子とコンデンサ56bの+端子は商用電源53の−側の出力端子に接続されている。コンデンサ56bの−端子は整流回路53の−側の出力端子に接続されている。コンデンサ56a、56bで平滑された直流電圧がインバータ回路57に供給される。インバータ回路57は直流を三相交流に変換する。
【0039】
インバータ回路57はスイッチング手段として6個のNPN型トランジスタ58a〜58c、59a〜59cを三相全波ブリッジ構成にしたものである。
そして、6個のトランジスタ58a〜58c、59a〜59cにはそれぞれ並列にダイオード60a〜60c、61a〜61cが接続されている。トランジスタ58a〜58cとトランジスタ59a〜59cの各接続点a、b、cがモータ9の各相(U相、V相、W相)のステータコイルLu、Lv、Lwに接続されている。また、トランジスタ58a〜58c、59a〜59cのベース端子はドライブ回路62に接続されている。
【0040】
モータ9はロータの回転位置を検出するホールセンサ63a、63b、63cを有している。各ホールセンサ63a、63b、63cより出力されるロータ位置信号Hu、Hv、Hwはマイクロコンピュータ64に入力される。
【0041】
マイクロコンピュータ64は駆動信号P1〜P6をドライブ回路62に出力する。ドライブ回路62は駆動信号P1、P2を数〜数十kHzでPWMチョッピングするとともに増幅してそれぞれトランジスタ58a、59aのベース端子に供給し、駆動信号P3、P4を数〜数十kHzでPWMチョッピングするとともに増幅してそれぞれトランジスタ58b、59bのベース端子に供給し、駆動信号P5、P6を数〜数十kHzでPWMチョッピングするとともに増幅してそれぞれトランジスタ58c、59cのベース端子に供給する。
【0042】
ロータ位置信号Hu、Hv、HwとステータコイルLu、Lv、Lwに供給される正弦波状電圧Eu、Ev、Ewとの位相が一致するように、マイクロコンピュータ64が駆動信号P1〜P6をドライブ回路62に出力してモータ9を回転制御することを同期運転という。
【0043】
一方、正弦波状電圧Eu、Ev、Ewが任意の設定周波数になるように、マイクロコンピュータ64が駆動信号P1〜P6をドライブ回路62に出力してオープンループ駆動でモータ9を回転制御することを非同期運転いう。
【0044】
65は抵抗R1と抵抗R2の接続ノードの電圧を入力してインバータ回路57の入力電圧を検出するインバータ入力電圧検出手段であり、その検出出力はマイクロコンピュータ64へ送られる。
【0045】
主制御部50は図5に示す運転チャートをプログラムとして記憶しており、そのプログラムに従って洗濯動作を実行するようになっている。
【0046】
洗濯物投入口1aより洗濯物を投入して開閉扉を閉じると、開閉扉3の周縁にパッキン10の内周縁10aが密着して水槽4が封止される。そして、洗剤ケース14に洗剤を入れ、操作パネル11を操作すると主制御部50から信号S1が副制御部51に送られる。副制御部51は信号S1に基づき、モータ9を70rpmで所定の時間非同期運転させる。このときロータ位置信号Hu、Hv、Hwの信号位相とステータ9cに与えられる正弦波状電圧Eu、Ev、Ewとの間にはずれが生じる(以下、このずれを位相ずれ角度量という)。
【0047】
図18の(a)にU相に印加される正弦波状電圧Euの波形を、(b)〜(d)にロータ位置信号Huを、それぞれ示す。(b)に示すロータ位置信号Hu’は同期運転を行ったときの信号波形であり、ロータ位置信号Hu’のパルスエッジは、正弦波状電圧Euのゼロクロスと一致している。(c)に示すロータ位置信号Hu’’はオープンループ駆動して非同期運転を行っている状態で負荷トルクが大きくなったときの信号波形であり、同期運転のときに比べてロータ9bがステータ9cの巻線74に印加する電圧位相に対して遅れ気味に回転するため、ロータ位置信号Hu’’と正弦波状電圧Euの位相にずれ角δ1が生じる。尚、本説明においてはU相を使ってずれ角を検知したが、他の相や複数の相を使ってもよい。また、図18においては電気角1周期分のみを示したが、本実施形態で用いたモータは20極であるので、N極とS極を一対として、ロータ1回転で10周期の正弦波状電圧Euとなる。
【0048】
ドラム内の衣類が片寄った状態の場合は、ドラム回転中に片寄った衣類を持ち上げる時と片寄った衣類が下ろされる時とで負荷トルクの差が生じるので、ドラム1回転中の10周期の正弦波状電圧Euに対するロータ位置信号Hu’’のずれ角δ1は大きくなったり小さくなったりする。衣類の片寄り量が大きいほどずれ角δ1の最大値と最小値の差が大きくなるなど、ずれ角δ1の変化に基づき衣類の片寄り量を検知することができる。尚、ずれ角δ1は遅れだけでなく、片寄っている衣類が下りてくる場合は衣類の重量でドラムがモータ駆動回転数以上になり、(d)に示すように正弦波状電圧Euより早めにずれ角δ1が生じる場合もある。また、衣類の量が多い場合は回転負荷トルクが大きいため、ずれ角δ1の平均値が衣類の少ないときに比べて正弦波状電圧Euに対して遅れ気味に推移することを検知すれば、衣類の量を検出できる。
【0049】
ドラム1回転における位相ずれ角度量の平均値は、図10に示すようにドラム内の設置した重りが重くなるほど大きくなる。尚、図10はモータ9の回転数が80rpm、モータ9に供給する正弦波状電圧のPWMデューティが120のときの特性を示している。従って、ドラムに投入された衣類の量が多く重ければ重いほど、位相ずれ角度量の平均値は大きくなる。これにより位相ずれ角度量からドラム内に投入された衣類の量を検出することができる。
【0050】
衣類の量を検出する際のモータ9の回転数やモータ9に供給する正弦波状電圧のPWMデューティは、本実施形態で用いた値に限定されることなくドラム5の直径や形状に応じて適した値を設定するとよい。
【0051】
衣類の量が検出されると、主制御部50はこの衣類の量に基づき、洗い、すすぎ、脱水及び乾燥工程におけるドラム5の回転速度、反転時間や反転周期を予め記憶されている回転チャートから決定し、さらには、乾燥運転の完了までの運転時間を予測する。これにより、衣類の量に応じた最適な洗濯動作を行なうことができる。洗濯動作を図5を参照して以下に説明する。
【0052】
まず、洗濯チャートに従って、「洗い工程」を開始する。「洗い工程」の給水動作では、開閉扉3がロックされるとともに給水弁13が開成する。給水弁13の開成に基づいて水道水は洗剤ケース14を経由して給水ノズル15から洗剤とともに水槽4とドラム5内に流れ込む。そして、水槽4内の水位は、位相ずれ角度量によって検出された衣類の量に応じて所定水位に決定されている。この所定の水位に達すると、水位センサ23が検知して検知信号を主制御部50に出力する。主制御部50は給水弁13を閉じ、洗いチャートに基づいて副制御部51に信号S1を送る。副制御部51は信号S1に基づきドラム5を回転駆動させるモータ9を制御して所定時間だけ”洗い動作”が行われる。この所定時間も位相ずれ角度量によって検出された衣類の量に基づいて決定される。
【0053】
そして、「洗い工程」が終了すると、”すすぎ脱水動作”と”攪拌すすぎ動作”を交互に複数回繰り返して成る「すすぎ工程」に移行する。「すすぎ工程」では、まず排水ポンプ18が作動して、洗濯液を排水ダクト16、接続ケース17を介して本体外装部1の外部に排水する排水動作が行われる。排水動作が終了すると、制御装置2はモータ9を第1脱水チャートに基づき駆動させる。これにより、ドラム5が回転して”すすぎ脱水動作”が行われる。洗濯物の洗濯液は脱水回転による遠心力でドラム5の全周壁に設けられた小孔5aを通じて水槽4の内壁へ突出される。その内壁を伝って水槽4内の下部に流下した洗濯液は排水ダクト16を介して外部に排水される。
【0054】
ドラム5内の衣類の片寄り量が大きいと、”すすぎ脱水動作”での高速回転運転において異常振動が起こり最悪の場合には洗濯機が転倒する。このため、高速回転運転に移行する前に低回転にて段階的に回転数を挙げて運転することで脱水を行い、衣類の片寄り量が十分に小さいことを確認した後、高速回転を行なうようにしている。
【0055】
この衣類の片寄り量は、衣類の量の検出と同様にロータ位置信号Hu、Hv、Hwの信号位相とステータコイルLu、Lv、Lwに供給される正弦波状電圧Eu、Ev、Ewの位相との間に生じるずれ角度量から検出する。
【0056】
図11は正弦波状電圧Eu、Ev、EwのPWMデューティが80、モータ9の回転数が70rpmのときにおけるドラム5内の一箇所に重りを張り付けたときのロータ位置信号Hu、Hv、Hwの信号位相と正弦波状電圧Eu、Ev、Ewの位相との間に生じるずれ角度量の変化量(以下位相ずれ角度量の変化量という)を示す特性図である。これにより一箇所に張り付けらた重りが重いほど、位相ずれ角度量の変化量が大きくなることが分かる。従って、ドラム内の衣類の片寄り量は、位相ずれ角度量の変化量から求めることができる。尚、図11の変化量は位相ずれ角度量の最大値と最小値の差を使用している。
【0057】
”すすぎ脱水動作”は図12のフローチャートに示す手順で行われる。このフローチャートはマイクロコンピュータ64内に記憶されている。ステップ#10では、モータ9を約50rpmで回転駆動させ布ほぐし同期運転を行なう。次に、ステップ#20において、モータ9を70rpmの回転数で非同期運転させる。ステップ#30では1回転中の位相ずれ角度量の変化量と予め記憶されている閾値を比較する。位相ずれ角度量の変化量が閾値よりも小さい場合は、衣類の片寄り量が充分に小さいので、ただちにステップ#50の高速脱水立ち上げ(非同期)に移行する。これにより、以降の80rpm、90rpm非同期運転を省略することができ、洗濯時間を短縮することができる。
【0058】
一方、位相ずれ角度量の変化量が閾値よりも大きい場合は、ステップ#40に進み、所定の70rpm運転時間が終了しているかを判断する。運転時間が終了していなければ、ステップ#30に戻り70rpmの回転数での運転を続行しながら、逐次位相ずれ角度量の変化量と閾値を比較する。
【0059】
70rpmでの運転時間が終了しても、依然として位相ずれ角度量の変化量が閾値より大きい場合は、衣類の片寄り量が大きいままであるので、ステップ#60に進み80rpmで非同期運転を行なう。回転数を大きくすることで回転による遠心力が増し、衣類に含まれている水分が飛ばされるので、衣類の片寄り量は小さくなる。80rpm非同期運転においても、70rpm非同期運転と同様ステップ#70では1回転中の位相ずれ角度量の変化量と予め記憶されている閾値を比較する。位相ずれ角度量の変化量が閾値よりも小さい場合は、衣類の片寄り量が充分に小さいので、ただちにステップ#50の高速脱水立ち上げ(非同期)に移行する。これにより、以降の90rpm非同期運転を省略することができ、洗濯時間を短縮することができる。
【0060】
一方、位相ずれ角度量の変化量が閾値よりも大きい場合は、ステップ#80に進み、所定の80rpm運転時間が終了しているかを判断する。運転時間が終了していなければ、ステップ#70に戻り80rpmの回転数での運転を続行しながら、逐次位相ずれ角度量の変化量と閾値を比較する。
【0061】
80rpmでの運転時間が終了しても、依然として位相ずれ角度量の変化量が閾値より大きい場合は、衣類の片寄り量が大きいままであるので、ステップ#90に進み90rpmで非同期運転を行なう。90rpm非同期運転においても、80rpm非同期運転と同様にステップ#100では1回転中の位相ずれ角度量の変化量と予め記憶されている閾値を比較する。位相ずれ角度量の変化量が閾値よりも小さい場合は、衣類の片寄り量が充分に小さいので、ステップ#50の高速脱水立ち上げ(非同期)に移行する。
【0062】
一方、ずれ角度量が閾値よりも大きい場合は、ステップ#110に進み、所定の90rpm運転時間が終了しているかを判断する。運転時間が終了していなければ、ステップ#100に戻り90rpmの回転数での運転を続行しながら、逐次位相ずれ角度量の変化量と閾値を比較する。
【0063】
90rpmでの運転時間が終了しても、依然として位相ずれ角度量の変化量が閾値より大きい場合は、衣類の片寄り量が大きいままである。衣類の片寄り量が大きいままこれ以上回転数を上げると異常振動等が発生する可能性があり危険であるので、衣類の片寄り量が小さくなるようにステップ#10の布ほぐし同期運転からやり直す。
【0064】
尚、ステップ#30、#70、#100での閾値は、衣類の量に応じて可変させてもよい。これにより、衣類の量毎に高速脱水運転に移行できる衣類の片寄り量を設定できるので、衣類の量にかかわらず高速脱水運転での振動や騒音を低減することができる。また、ステップ#20、#60、#90の回転数は、ドラム5の直径や形状に応じて適した値に設定すればよい。
【0065】
次に、ステップ#50以降の高速脱水運転について説明する。ステップ#120では回転数を1000rpmまで上昇させて非同期運転で高速脱水を行なう。ステップ#120において位相ずれ角度量の変化量と予め記憶している閾値とを比較する。位相ずれ角度量の変化量が閾値よりも大きい場合、衣類の片寄り量が大きくなったので、ステップ#130に進みモータ9の回転を停止させる。これにより、衣類に囲まれていた水が高速脱水により急に抜け出し衣類の片寄り量が大きくなった場合でも、すぐにモータを停止させることができるのでドラム式洗濯機の安全性が高まる。尚、片寄り量を検知する回転数は1000rpmだけでなく、中間回転数でも複数回検知を行うなど振動抑制機構に応じて適した値に設定すればよい。
【0066】
一方、位相ずれ角度量の変化量が閾値よりも小さい場合は、ステップ#140に進み脱水時間が所定の運転時間に達していないか判断する。脱水運転時間が終了していない場合ステップ#120に戻り、高速脱水を行いながら、逐次位相ずれ角度量の変化量と閾値を比較する。脱水運転時間が終了した場合、”すすぎ脱水動作”を終了する。
【0067】
”すすぎ脱水動作”は図13に示すフローチャートの手順によって行ってもよい。尚、図13に示すフローチャートは、図12に示すフローチャートのステップ#30と#40の間、ステップ#70と#80の間、ステップ#100と#110の間のそれぞれに同じ判別ステップを設けているので、ステップ#30と#40の間のみを記載し他は省略する。
【0068】
ステップ#32において1回転中のずれ角度と設定値を比較する。比較の結果1回転中のずれ角度が設定値より小さいときは、そのままステップ#36に進む。一方、1回転中のずれ角度が設定値より大きいときは、ドラム5内の衣類の量に対してモータ9のトルクが不足しているので、ステップ#34に進みステータコイルLu、Lv、Lwに供給する正弦波状電圧のPWMデューティ幅を大きめに補正しモータトルクを大きくし、ステップ#36に進む。
【0069】
次にステップ#36においてロータ位置信号Hu、Hv、Hwに基づいて検出されるモータ9の回転数と設定値を比較する。比較の結果1回転中のずれ角度が設定値より小さいときは、そのままステップ#40に進む。一方、1回転中のずれ角度が設定値より大きいときは、ドラム5内の衣類の量に対してモータ9のトルクが不足しているので、ステップ#38に進みステータコイルLu、Lv、Lwに供給する正弦波状電圧のPWMデューティ幅を大きめに補正しモータトルクを大きくし、ステップ#40に進む。
【0070】
また、”すすぎ脱水動作”は図14に示すフローチャートの手順によって行ってもよい。尚、図14のフローチャートは、図12のフローチャートのステップ#30と#40の間、ステップ#70と#80の間のそれぞれに同じ判別ステップを設けているので、ステップ#30と#40の間のみを記載し他は省略する。
【0071】
ステップ#32において1回転中のずれ角度と設定値を比較する。比較の結果1回転中のずれ角度が設定値より小さいときは、そのままステップ#36に進む。一方、1回転中のずれ角度が設定値より大きいときは、ドラム5内の衣類の量に対してモータ9のトルクが不足しているので、不安定な回転になったり、ロータ位相の大幅ずれによる脱調現象に至る可能性がある。そこで、ステップ#60に進み、回転数を高くすることで衣類のドラムへの貼り付きを強くし、回転を安定させ、上記のような不具合を未然に防止する。
【0072】
次にステップ#36においてロータ位置信号Hu、Hv、Hwに基づいて検出されるモータ9の回転数と設定値を比較する。比較の結果1回転中のずれ角度が設定値より小さいときは、そのままステップ#40に進む。一方、1回転中のずれ角度が設定値より大きいときは、ドラム5内の衣類の量に対してモータ9のトルクが不足しているので、不安定な回転になったり、ロータ位相の大幅ずれによる脱調現象に至る可能性がある。そこで、ステップ#60に進み、回転数を高くすることで衣類のドラムへの貼り付きを強くし、回転を安定させ、上記のような不具合を未然に防止する。
【0073】
さらに、モータトルク不足が起こらないようにするため、位相ずれ角度量から検出された衣類の量が多いほど、ステップ#20、#60、#90において設定されている回転数を高めに設定するようにしてもよい。
【0074】
次に、商用電源53の電圧変動に応じて、PWMデューティ幅又は衣類の量および衣類の片寄り量を補正する実施形態について説明する。商用電源53から供給される電圧が大きいときは、インバータ入力電圧検出手段65で検出されるDC電圧も大きくなる。DC電圧が252、280、308(V)と変動したときの位相ずれ角度量の変化量の特性図を図15に示す。このとき、ドラム5には均等に15kgの重りが貼り付けられたうえに一箇所に600gの重りを貼り付けており、モータ回転数は70rpm、モータ9へ供給する正弦波状電圧Eu、Ev、EwのPWMデューティは80に設定している。
【0075】
図15から分かるように、DC電圧が上昇することで、モータ9へ供給する正弦波状電圧Eu、Ev、Ewも大きくなりモータトルクが増加する。これにより、位相ずれ角度量の変化量は小さくなる。
【0076】
そこで、DC電圧に応じた前記PWMデューティを予めマイクロコンピュータに記憶しておくことで、DC電圧が変動した場合でも正弦波状電圧Eu、Ev、Ewが一定になるようにする。すなわち、DC電圧が大きいときは前記PWMデューティを小さくし、DC電圧が小さいときは前記PWMデューティを大きくする。これにより、DC電圧が変動した場合でもモータトルクは一定になり、衣類の片寄り量が正確に検出できる。
【0077】
また、DC電圧に応じて検出された衣類の片寄り量を補正してもよい。すなわち、DC電圧が大きいときは検出された衣類の量を少なめに補正し、DC電圧が小さいときは検出された衣類の量を多めに補正する。これにより、DC電圧が変動に伴いモータトルクが変動した場合でも、衣類の片寄り量が正確に検出できる。
【0078】
衣類の量においても、衣類の片寄り量と同様の補正によって商用電源53の電圧が変動した場合でも正確に検出できる。
【0079】
尚、本実施形態ではインバータ回路57に入力されるDC電圧に基づき補正を行ったが、DC電圧の代わりに商用電源から出力されるAC電圧あるいはAC電流に基づいて補正を行ってもよい。
【0080】
”すすぎ脱水動作”中に、給水弁13を開いて給水ノズル15から水槽4内に水道水を噴射してもよい。このようにすると、水道水は遠心力により洗濯物を透過して、洗濯物に残った洗剤を効率よく除去することができる。
【0081】
尚、高速脱水においては回転数が高く、慣性力も大きく、負荷トルクが安定しているため非同期運転に設定しているが、同期運転にして高速脱水を行ってもよい。また、本実施形態の各ステップで用いている回転数に限られず、ドラムの直径や形状に応じて適する回転数を設定するとよい。
【0082】
”すすぎ脱水動作”が終了すると、給水動作が行われる。すなわち、排水ポンプ18が停止して、給水弁13が再度開かれる。給水弁13の開成に伴って水槽4内の水位が所定水位になると給水弁13が閉じられる。制御装置2はモータ9をすすぎチャートに基づき駆動させる。これにより、ドラム5が回転して”攪拌すすぎ動作”が実行される。
【0083】
この”攪拌すすぎ動作”中に、柔軟仕上剤収納箱(図示せず)及びこれに連通するすすぎ給水経路を別途設け、このすすぎ給水経路から柔軟仕上剤とともに給水するようにしてもよい。また、「洗い工程」における”洗い動作”あるいは「すすぎ工程」における”攪拌すすぎ動作”中に循環ポンプ20を駆動させて水槽4内の洗濯液を循環させてもよい。
【0084】
以上の”すすぎ脱水動作”と”攪拌すすぎ動作”とを数回繰り返して「すすぎ工程」が終了すると、主制御部50内に記録されているプログラムが「脱水工程」に切り替わる。「脱水工程」ではまず、給水弁13を閉じるとともに排水ポンプ18を作動させて洗濯液を外部に排水する”排水動作”が行われる。
【0085】
そして、制御装置2はモータ9を第2脱水チャートに基づき駆動させる。これにより、ドラム5が回転して”仕上げ脱水動作”が行われる。”仕上げ脱水動作”では、脱水回転による遠心力によって、ドラム5の全周壁に設けた小孔5aを通じて洗濯液を水槽4の内壁へ突出させる。突出した洗濯液は水槽4の内壁を下部に流下し、排水ダクト16を介して外部に排水される。この”仕上げ脱水動作”は前述した”すすぎ脱水動作”の実施形態と同様の実施形態で行われる。ただし、この2つの動作では回転数や運転時間等の設定は異なっている。
【0086】
「脱水工程」が終了すると、制御回路2は、モータ9を乾燥チャートに基づき制御することによりドラム5を回転させるともに、送風ファン25及びヒータ26を駆動させて「乾燥工程」を実行する。ドラム5内の空気はドラム5の小孔5a、水槽4の循環口4c、冷却ダクト27を経て送風ファン25、ヒータ26を通り、吸出し口4bよりドラム5内へ循環する。
【0087】
ドラム5内の洗濯物の水分を吸収した空気は、送風ファン25により冷却ダクト27内に吸引される。吸引された空気は冷却ダクト27を通過中に冷却ダクト27に設けた冷却器(図示せず)で冷却されることにより降温される。その結果、冷却ダクト27内の空気は水分の結露により除湿され、湿度の低い空気となってヒータ26に至る。
【0088】
ヒータ26で加熱された空気は温風となって吹き出し口4bより水槽4内に吹き込まれ、再び洗濯物と接触して洗濯物の水分を吸収する。再度循環口4aから冷却ダクト27内に吸引されて同様に冷却器で冷却され除湿される。この動作を繰り返すことにより、「乾燥工程」が実行される。
【0089】
そして、位相ずれ角度量から検出された衣類の量に基づき決められた所定時間が経過すると「乾燥工程」を終了する。この「乾燥工程」において除湿により凝縮された水分は、冷却ダクト27内を下降して循環内4cから排水ダクト16を介して外部に排水される。尚、乾燥終了検知は、水槽の吹き出し口4bや循環口4cなどの温度変化や湿度変化によって行ってもよく、その場合位相ずれ角度量から検出された衣類の量は、乾燥運転前の運転時間予測して操作パネル11に表示すること等に使用することができる。
【0090】
以上のように、操作パネル11からの入力と、衣類の量と、衣類の片寄り量に基づいて、制御装置2が設定された条件に従って、「洗い工程」、「すすぎ工程」、「脱水工程」、「乾燥工程」を連続あるいは単独で実行する。
【0091】
【発明の効果】
本発明によると、モータに供給される正弦波状電圧の位相と位置検出手段によって検出される位置信号の位相との差の1回転中の平均値に基づいてドラムに投入された衣類の量を検出するので、特別なセンサが不要となる。
【0092】
更に、タイマ動作のみの測定になるので、振動センサなどのアナログ値の常時検知と比較してデータの処理が簡単になる。これにより、低コスト化を図ることができる。
【0095】
また、本発明によると、洗い工程前ずれ角度量の平均値に基づいて検出される衣類の量に応じて運転パターンを制御するので、衣類の量に対応した最適な洗濯運転が実施できる。
【0096】
更に、乾燥運転完了までの運転時間を推定するので、使用者にとって使い勝手が良くなる。
【0097】
また、本発明によると、商用電源から供給されるAC電圧の変動に伴い、電圧検出手段によって検出されたDC電圧が変動した場合でも、モータに供給する正弦波状電圧を一定にするので、AC電圧が変動したときでもモータトルクを一定にできる。
【0098】
これにより、AC電圧が変動したときでも衣類の量を正確に検出できる。
【0099】
また、本発明によると、商用電源から供給されるAC電圧の変動に伴い、電圧検出手段によって検出されたDC電圧が変動した際に、検知された衣類の量を前記DC電圧の変動に応じて補正することができる。
【0100】
これにより、AC電圧が変動に伴いモータトルクが変動したときでも衣類の量を正確に検出できる。
【0101】
また、本発明によると、検知された衣類の量を商用電源のAC電圧またはAC電流の変動に基づいて補正することができる。
【0102】
これにより、AC電圧が変動に伴いモータトルクが変動したときでも衣類の量を正確に検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態におけるドラム式洗濯機を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態におけるドラム式洗濯機を示す側面断面図である。
【図3】本発明の実施形態におけるドラム式洗濯機を示す他の切断面の側面断面図である。
【図4】本発明の実施形態におけるドラム式洗濯機を示す更に他の切断面の側面断面図である。
【図5】本発明の実施形態におけるドラム式洗濯機の洗濯動作を示すチャート図である。
【図6】本発明の実施形態におけるドラム式洗濯機の懸架状態を示す正面図である。
【図7】本発明の実施形態におけるドラム式洗濯機の懸架状態を示す背面図である。
【図8】本発明の実施形態におけるドラム式洗濯機の制御装置の回路ブロック図である。
【図9】本発明の実施形態におけるドラム式洗濯機の副制御部の回路ブロック図である。
【図10】ドラム内に貼り付けた重りに対する位相ずれ角度量の平均値の特性を示す図である。
【図11】ドラム内の1箇所に貼り付けた重りに対する位相ずれ角度量の変化量の特性を示す図である。
【図12】本発明の実施形態におけるドラム式洗濯機の”すすぎ脱水動作”を示すフローチャート図である。
【図13】本発明の実施形態におけるドラム式洗濯機の”すすぎ脱水動作”を示す他のフローチャート図である。
【図14】本発明の実施形態におけるドラム式洗濯機の”すすぎ脱水動作”を示す更に他のフローチャート図である。
【図15】DC電圧に対する位相ずれ角度量の変化量の特性を示す図である。
【図16】本発明の実施形態におけるドラム式洗濯機に設けられているモータのロータの構成を示す図である。
【図17】本発明の実施形態におけるドラム式洗濯機に設けられているモータのステータの構成を示す図である。
【図18】本発明の実施形態におけるドラム式洗濯機に設けられているモータに印加する電圧波形とモータから出力される位置信号を示す図である。
【符号の説明】
1 本体外装部
2 制御装置
3 開閉扉
4 水槽
4a 開口部
4b 吹き出し口
4c 循環口
5 ドラム
5a 小孔
5c 開口部
5d 液体バランサ
5e 軸部
6 ベアリング
7a 第1懸架装置
7b 第2懸架装置
8a、8b ダンパー
9 モータ
9a モータケース
9b ロータ
9c ステータ
10 パッキン
10a 内周縁
11 操作パネル
12 給水パイプ
13 給水弁
14 洗剤ケース
15 給水ノズル
16 排水ダクト
17 接続ケース
17a 糸屑フィルタ
18 排水ポンプ
19 循環ダクト
20 循環ポンプ
21 動圧パイプ
22 エアートラップ
23 水位センサ
24 乾燥ユニット
25 送風ファン
26 ヒータ
27 冷却ダクト
28 緩衝材
29a、29b アングル
30a、30b アングル
50 主制御部
51 副制御部
52 ブザー
53 商用電源
54 リアクトル
55 整流回路
56a、56b コンデンサ
57 インバータ回路
58a〜59c トランジスタ
59a〜59c トランジスタ
60a〜60c ダイオード
61a〜61c ダイオード
62 ドライブ回路
63a〜63c ホールセンサ
64 マイクロコンピュータ
65 インバータ入力電圧検出手段
71 ロータコア
71A ロータコアの突極部分
71N N極であるロータコアの突極部分
71S S極であるロータコアの突極部分
72 永久磁石
72N 永久磁石のN極部
72S 永久磁石のS極部
73 ステータコア
74 巻線
Hu、Hv、Hw ロータ位置信号
P1〜P6 駆動信号

Claims (5)

  1. ドラムを駆動させるDCブラシレスモータと、前記モータの回転駆動を制御するインバータ制御手段と、前記モータのロータ位置を検出する位置検出手段と、を備えたドラム式洗濯機の制御装置において、
    洗い工程前に所定の設定周波数の正弦波状電圧を前記モータに供給しオープンループ駆動させたときに生じる前記正弦波状電圧の位相と前記位置検出手段によって検出される位置信号の位相とのずれである洗い工程前ずれ角度量を検出するとともに、
    前記ドラムが1回転する際の前記洗い工程前ずれ角度量の平均値に基づいて前記ドラムに投入された衣類の量を検出することを特徴とするドラム式洗濯機の制御装置。
  2. 検出された衣類の量に応じて、「洗い工程」、「すすぎ工程」、「脱水工程」、「乾燥工程」の運転制御を行うとともに、乾燥運転完了までの運転時間を推定することを特徴をする請求項1に記載のドラム式洗濯機の制御装置。
  3. 商用電源から供給されるAC電圧を整流手段によって整流したDC電圧を検出する電圧検出手段を備え、
    前記AC電圧の変動に伴い、前記電圧検出手段によって検出されたDC電圧が変動した場合でも、前記正弦波状電圧を一定にすることを特徴とする請求項1に記載のドラム式洗濯機の制御装置。
  4. 商用電源から供給されるAC電圧を整流手段によって整流したDC電圧を検出する電圧検出手段を備え、
    前記AC電圧の変動に伴い、前記電圧検出手段によって検出されたDC電圧が変動した際に、検知された衣類の量を前記DC電圧の変動に応じて補正することを特徴とする請求項1に記載のドラム式洗濯機の制御装置。
  5. 検知された衣類の量を商用電源のAC電圧またはAC電流の変動に基づいて補正する請求項1に記載のドラム式洗濯機の制御装置。
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