JP3861967B2 - 洗濯機の制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗濯機の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
洗濯機のモータは誘導モータが主流であったが、モータ電磁音の静音化と省エネルギー化を図るために、DCブラシレスモータが用いられるようになってきている。DCブラシレスモータでは、ロータ位置にタイミングを合わせて正弦波状電圧をモータに供給する必要がある。
【0003】
このため、洗い攪拌などのモータ回転数が低いときはロータ位置を検出してモータに供給する正弦波状電圧を制御するフィードバック制御(同期運転)を行う。一方、脱水などのモータ回転数が高いときはロータ位置を検出してフィードバック制御していては、ロータ位置検出手段の取り付け誤差などによりモータに供給する正弦波状電圧の制御タイミングがずれてしまうため、予め設定された所定の周波数の正弦波状電圧を前記モータに供給しオープンループ駆動(非同期運転)するのが一般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、モータ負荷が大きな場合や商用電源電圧が低い場合などは、モータトルクが不足気味になり、ロータ位置がモータに供給する正弦波状電圧に対して遅れ気味になり、最悪の場合は脱調現象を起こして停止してしまっていた。
【0005】
また、脱水回転途中でフィードバック駆動からオープンループ駆動に切り換える際に、モータに供給する正弦波状電圧の周波数が急激に変化することにより脱調してしまうことがあった。
【0006】
ロータ位置とモータに供給する正弦波状電圧との位相ずれ量を減少させ未然に脱調現象を防止する従来技術としては、モータに供給する正弦波状電圧のPWMデューティを大きくして、すなわち、モータに供給する正弦波状電圧の振幅を大きくしてロータ位置の遅れを挽回する洗濯機の制御装置がある。
【0007】
しかし、このような制御装置ではモータ出力トルクを変化させるので、モータの回転数にムラが生じる。また、モータに供給する正弦波状電圧の周波数の変化に応じてロータ位置とモータに供給する正弦波状電圧との位相ずれ量が変化する際の追随速度は一定ではなく衣類の量によって変動するので、非常に複雑なフィードバック制御が必要となる。また、大きな出力トルクが出せるモータを必要とするため、コストがかかってしまう。
【0008】
本発明は、上記の問題点に鑑み、モータ負荷が大きくなっても脱調現象が起こらない洗濯機の制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、略水平な軸を中心に回転する横型のドラムを備えたドラム式洗濯機での脱水時における衣類の片寄りなどによってモータ負荷が周期的に変動しても脱調現象が起こらない洗濯機の制御装置を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明は、フィールドバック制御からオープンループ制御に切り換えても脱調現象が起こらず、且つ、円滑な切り換えを行うことができる洗濯機の制御装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る洗濯機の制御装置においては、洗濯用回転体を駆動させるDCブラシレスモータと、該モータの回転駆動を制御するインバータ制御手段と、前記モータのロータ位置を検出し前記モータのロータ位置に応じて前記モータ一回転当たり複数回状態が変化する位置信号を出力する位置検出手段と、を備え、前記洗濯用回転体を回転させて衣類を遠心脱水する脱水工程中に所定の設定周波数の正弦波状電圧を前記モータに供給しオープンループ駆動させたときに生ずる前記正弦波状電圧の位相と前記位置信号の位相との位相ずれ量を検出するとともに、前記位置信号の状態が変化する毎に前記位相ずれ量を調整するのではなく、前記位相ずれ量が予め設定された位相ずれ量閾値を越えた場合前記位相ずれ量を少なくする方向に予め設定されたずらし量だけ前記正弦波状電圧の波形をずらすような構成としている。
【0012】
また、上記構成に加え、前記インバータ制御手段は前記位相ずれ量の変動に応じて前記ずらし量を可変するような構成としてもよい。
【0013】
また、上記構成に加え、前記インバータ制御手段は、商用AC電源から供給されるAC電圧と該AC電圧を整流手段によって整流したDC電圧との少なくとも一方を検出する電圧検出手段を備えるとともに、前記電圧検出手段によって検出された電圧が低いほど、前記位相ずれ量閾値を小さめにしたり、前記ずらし量を大きめしたりするような構成にしてもよい。
【0014】
また、上記構成に加え、前記位相ずれ量を複数回連続して検出し、その検出された位相ずれ量の平均値をもって前記位相ずれ量閾値と比較するような構成にしてもよい。
【0015】
また、上記構成に加え、前記位相ずれ量閾値は、前記モータの回転数に応じて複数設定されているような構成にしてもよい。
【0016】
また、上記構成に加え、前記位相ずれ量が前記位相ずれ量閾値を越えたときは、前記正弦波状電圧の設定周波数を更新しないような構成としてもよい。さらに、前記正弦波状電圧の設定周波数を更新しない状態で、予め設定された所定の期間連続して前記位相ずれ量が前記位相ずれ量閾値を越えないときは、前記正弦波状電圧の設定周波数を更新可能とするような構成にしてもよい。
【0017】
また、上記構成に加え、前記電圧検出手段から検出される電圧が予め設定された電圧閾値を越えたときは、前記位相ずれ量が前記位相ずれ量閾値を越えなくても前記位相ずれ量に応じた前記正弦波状電圧の波形をずらすような構成にしてもよい。
【0018】
また、本発明に係る洗濯機の制御装置においては、洗濯用回転体を駆動させるDCブラシレスモータと、該モータの回転駆動を制御するインバータ制御手段と、前記モータのロータ位置を検出する位置検出手段と、を備え前記洗濯用回転体を回転させて衣類を遠心脱水する脱水工程中において、最初前記位置検出手段からの位置信号に同期した正弦波状電圧を前記モータに供給するフィードバック駆動し、その後所定の設定周波数の正弦波状電圧を前記モータに供給するオープンループ駆動するようになっており、前記フィードバック駆動から前記オープンループ駆動に切り換える直前の回転数が前記オープンループ駆動の設定回転数より大きい場合は、前記オープンループ駆動の開始時点での前記正弦波状電圧の位相が前記フィードバック駆動の終了時点での前記正弦波状電圧の位相に対して進むように、前記フィードバック駆動から前記オープンループ駆動に切り換える直前の回転数が前記オープンループ駆動の設定回転数より小さい場合は、前記オープンループ駆動の開始時点での前記正弦波状電圧の位相が前記フィードバック駆動の終了時点での前記正弦波状電圧の位相に対して遅れるように、前記オープンループ駆動の開始時点での前記正弦波状電圧の位相を設定する構成としている。
【0019】
また、上記構成に加え、前記インバータ制御手段は、商用AC電源から供給されるAC電圧と該AC電圧を整流手段によって整流したDC電圧との少なくとも一方を検出する電圧検出手段を備えるとともに、前記フィードバック駆動の終了時点での前記正弦波状電圧の位相と前記オープンループ駆動の開始時点での前記正弦波状電圧の位相との差が、前記フィードバック駆動の終了時点での前記モータの回転数または前記電圧検出手段によって検出された電圧に応じて複数設定されるような構成にしてもよい。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態について図面を参照に説明する。尚、本実施形態では、略水平な軸を中心に回転する横型のドラムを備えたドラム式洗濯機に本発明を適用するが、略垂直な軸を中心に回転する縦型の脱水槽を備えた洗濯機にも本発明が適用できる。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態におけるドラム式洗濯機の外観斜視図である。洗濯機の外壁を形成する本体外装部1は前面が開閉扉3で開閉できるようになっている。本体外装部1の前面上部には操作キーや表示部を備えた操作パネル11が設けられている。
【0022】
図2にドラム式洗濯機の側面断面図を示す。本体外装部1内には前面に開口部4aを有する有底筒状の水槽4が配される。水槽4は図6〜図7に示すように、本体外装部1内に引張りバネから成る第1懸架装置7a及び第2懸架装置7bで弾力的に支持されている。
【0023】
本体外装部1の内壁には水槽4の前方上部にアングル29aが取り付けられ、本体外装部1の背壁には上部にアングル29bが取り付けられている。水槽4の前面及び背面にはアングル30a、30bが固着されている。そして、アングル29aとアングル30aに第1懸架装置7aを掛着して、水槽4の前部は第1懸架装置7aにより左右の2箇所を懸架されている。
【0024】
同様に、アングル29bとアングル30bに第2懸架装置7bを掛着して、水槽4の後部は第2懸架装置7bにより左右の2箇所を懸架されている。また、第1、第2懸架装置7a、7bは、鉛直方向に対してそれぞれ角度θ1、θ2だけ左右対称に傾斜して取り付けられている。これにより、水槽4を左右方向の摺動に対して求心させることができる。尚、アングル30a、30bは水槽4と一体成形してもよい。
【0025】
また、水槽4はダンパー8a、8bから成る減衰装置により本体外装部1の底部に支持されている。水槽4の前方には左右の2箇所にダンパー8aが取付られ、水槽4の後方には左右の2箇所にダンパー8bが取付られている。これにより水槽4の揺動を減衰するようになっている。
【0026】
本体外装部1の背壁には、フェルトやゴム等から成る緩衝材28が固着されている。これにより、水槽4が前後方向に摺動した際に、水槽4と本体外装部1の背壁との衝突による騒音の発生を防止している。
【0027】
水槽4内にはドラム5が配設されている。ドラム5は軸部5eに固定されており、モータケース9aを介して水槽4と一体化されるベアリング6に軸部5eが支持されて、回転自在になっている。軸部5eにはロータ9bが固着され、モータケース9a内にはステータ9cが固定されている。これらにより、ドラム5を駆動するモータ9が構成されている。モータ9の回転駆動は後述する制御装置2によって制御されている。尚、本実施形態ではモータ9として3相20極DCブラシレスモータを使用している。
【0028】
モータ9のロータ9bは図11に示すような構造であり、図12に示すステータ9cの内部に同心軸状に回転可能に保持されている。ロータコア71は積層された鋼板で構成されている。ロータコア71の突極71Aの間には、永久磁石72が配設されている。隣り合う永久磁石72のN極72NとS極72Sの配置を逆にすることで、ロータコアの突極部分71AはN極71NとS極71Sの交互になる。このような構成にすることで、ロータコアに永久磁石を円周状に貼り付け周設する構成よりも高い磁力を得ることができる。
【0029】
モータ9は20極で、ロータコアの突極部分71AはN極とS極がそれぞれ10個ずつであるが、極数については本発明を限定するものではない。また、ロータの構成も本発明を限定するものではなく、例えばロータに永久磁石を円周状に貼り付け周設する構成にしてもよい。
【0030】
モータカバー9a内に設けられたステータ9cを図12に示す。ステータ9cは24極であり、ステータコア73はロータコア71と同様に積層された鋼板で構成される。ステータコア73には、巻線74が集中巻方式で巻設されている。集中巻方式は本発明を限定するものではなく、例えば重ね巻方式で巻線をステータコアに巻設してもよい。また、ロータ9bとステータ9cの間には、ホールセンサ(図示せず)がモータカバー9aに固着して設けられており、ロータコアの突極71AのN極とS極を検出する。
【0031】
尚、本実施形態は、ドラム5とモータ9が直接固定されたダイレクトドライブ方式であるが、ベルトとプーリでモータ回転トルクをドラム5に伝えるベルトドライブ方式でもよい。
【0032】
ドラム5の周壁全体には小孔5aが設けられている。小孔5aは洗濯時に水槽4とドラム5との間を洗濯水が流出入できるようにしている。ドラム5の内壁面にはバッフル5bが突出して設けられ、ドラム5の回転により洗濯物を引っかけて持ち上げ、洗濯液中に落下させることにより洗浄が行われるようになっている。
【0033】
ドラム5の前面の開口部5cの外周縁には液体バランサ5dが設けられている。液体バランサ5dには塩水等の液体が封入されており、ドラム5の回転時に該流体が移動して洗濯物及び洗濯液の片寄りによる重心移動をうち消すようになっている。尚、液体バランサ5dはドラム5の内周縁に設けてもよい。
【0034】
ドラム5の回転軸心y−yは、水平軸に対して角度θだけドラム5の奥が下がるように傾斜されている。これにより、使用者がドラム式洗濯機の前面側に立って洗濯物を出し入れする際に、ドラム5の奥まで見通しが良くなり、洗濯物の出し入れが容易になる。
【0035】
洗濯物投入口1aと水槽4の開口部4aの周縁にはゴムや樹脂等の弾性体からなるパッキン10が通路を形成するように取り付けられている。パッキン10は開閉扉3を閉じたときに内周縁10aが開閉扉3の周縁に密着する構造となっている。これにより、洗濯動作中の防水を行なうようになっている。また、パッキン10は蛇腹などにより水槽4の揺動に応じて撓みを生じて追従するようになっている。
【0036】
本体外装部1内の上部には水道管に接続された給水パイプ12が配設されている。給水パイプ12の途中に設けた給水弁13を開放すると、洗剤ケース14を介してパッキン10に取り付けられた給水ノズル15から水槽4内に水道水が給水されるようになっている。
【0037】
水槽4の底面より導出された排水ダクト16は、管路途中に糸屑フィルタ17aを内設した接続ケース17及び排水ポンプ18を備えており、水槽4からの洗濯液を本体外装部1の外部に排水する構造となっている。糸屑フィルタ17aは、例えば、樹脂を格子状に形成したり、あるいは、目の細かい繊維を袋状に形成して構成され、洗濯液中の糸屑等を集積するもので、接続ケース17内に着脱自在に装着され、本体外装部1の前面下部から取り外すことができる。
【0038】
接続ケース17の上部にはエアートラップ22から動圧パイプ21を介して水位センサ23が設けられている。水位センサ23は、エアートラップ22内の圧力変化に応じて磁性体をコイル内で移動させる。その結果生じるコイルのインダクタンス変化を発振周波数の変化として検出し、水槽4内の水位を検知するようになっている。
【0039】
また、ドラム式洗濯機は図3に示す側面断面図のような構造でもよい。尚、図2と同一の部品には同一の符号を付してある。接続ケース17の出口側には排水ダクト16bから分岐する循環ダクト19が設けられている。循環ダクト19は水槽4の開口部4aに臨むようにパッキン10に接続されており、管路途中に循環ポンプ20を備えている。
【0040】
従って、排水ポンプ18を停止して循環ポンプ20を駆動させると、水槽4、排水ダクト16a、接続ケース17、排水ダクト16b、循環ポンプ20及び循環ダクト19を通って水槽4に至る循環経路が形成される。この循環経路を通して水槽4内の洗濯液を循環させることで、洗濯液内の洗剤を充分溶解させるとともに、糸屑フィルタ17aによって糸屑等を除去する。これにより、洗濯物に対する糸屑の再付着を防止することができる。
【0041】
さらに、ドラム式洗濯機は図4に示す側面断面図のような構造でもよい。尚、図2と同一の部品には同一の符号を付してある。水槽4の上方には洗濯物を乾燥させるための送風ファン25とヒータ26から構成された乾燥ユニット24が設けられている。乾燥ユニット24は水槽4の開口部4aに臨む吹き出し口4bと下部に設けられた循環口4cとを連結する冷却ダクト27の経路途中に配されている。また、冷却ダクト27内には冷却装置(図示せず)が備えられている。
【0042】
上記のような構成において、ドラム式洗濯機の動作を制御する制御装置2が操作パネル11の裏面に配されている。制御装置2について図8を参照して説明する。
【0043】
制御装置2は主制御50と副制御51とで構成されている。主制御部50は洗い、すすぎ、脱水等の各工程の動作の内容や、工程の実行順序(すなわち処理コース)等のプログラムを記憶しており、このプログラムに従って給水弁13の開閉と排水ポンプ18を制御するとともに、副制御部51を介してモータ9を制御する。
【0044】
主制御部50は、洗濯の予約等の信号を操作パネル11から入力し、動作の経過等を表示するための信号を操作パネル11に出力する。また、主制御部50は、洗濯終了時等にブザー52を鳴らす。さらに、主制御部50は、水槽4内の水位を表す信号を水位センサ23から入力する。
【0045】
また、主制御部50はモータ9の回転を制御するために必要な信号S1を同期用クロックCLKとともに、副制御部51に送信する。信号S1を受けた副制御部51は信号S1を読み取った後、クロックCLKに同期して信号S2を主制御部50に送信する。
【0046】
次に、図9を用いて副制御部51の構成を説明する。商用電源53から出力される交流電圧はリアクトル54を介して整流回路55に供給され、整流回路55で脈流状の直流に変換される。整流回路55には、ダイオードブリッジが使用されている。
【0047】
整流回路55で整流された直流は平滑用のコンデンサ56a、56bで平滑される。コンデンサ56aの+端子は整流回路55の+側の端子に接続されている。コンデンサ56aの−端子とコンデンサ56bの+端子は商用電源53の−側の出力端子に接続されている。コンデンサ56bの−端子は整流回路53の−側の出力端子に接続されている。コンデンサ56a、56bで平滑された直流電圧がインバータ回路57に供給される。インバータ回路57は直流を三相交流に変換する。
【0048】
インバータ回路57はスイッチング手段として6個のNPN型トランジスタ58a〜58c、59a〜59cを三相全波ブリッジ構成にしたものである。そして、6個のトランジスタ58a〜58c、59a〜59cにはそれぞれ並列にダイオード60a〜60c、61a〜61cが接続されている。トランジスタ58a〜58cとトランジスタ59a〜59cの各接続点a、b、cがモータ9の各相(U相、V相、W相)のステータコイルLu、Lv、Lwに接続されている。また、トランジスタ58a〜58c、59a〜59cのベースはドライブ回路62に接続されている。
【0049】
モータ9はロータ9bの回転位置を検出するホールセンサ63a、63b、63cを有している。各ホールセンサ63a、63b、63cより出力されるロータ位置信号Hu、Hv、Hwはマイクロコンピュータ64に入力される。
【0050】
マイクロコンピュータ64は駆動信号P1〜P6をドライブ回路62に出力する。ドライブ回路62は駆動信号P1、P2を数〜数十kHzでPWMチョッピングするとともに増幅してそれぞれトランジスタ58a、59aのベースに供給し、駆動信号P3、P4を数〜数十kHzでPWMチョッピングするとともに増幅してそれぞれトランジスタ58b、59bのベースに供給し、駆動信号P5、P6を数〜数十kHzでPWMチョッピングするとともに増幅してそれぞれトランジスタ58c、59cのベースに供給する。
【0051】
ロータ位置信号Hu、Hv、HwとステータコイルLu、Lv、Lwに供給される正弦波状電圧Eu、Ev、Ewとの位相が一致するように、マイクロコンピュータ64が駆動信号P1〜P6をドライブ回路62に出力してモータ9を回転制御することを同期運転という。
【0052】
一方、正弦波状電圧Eu、Ev、Ewが任意の設定周波数になるように、マイクロコンピュータ64が駆動信号P1〜P6をドライブ回路62に出力してオープンループ駆動でモータ9を回転制御することを非同期運転という。
【0053】
65は抵抗R1と抵抗R2の接続ノードの電圧を入力してインバータ回路57の入力電圧を検出するインバータ入力電圧検出手段であり、その検出出力はマイクロコンピュータ64へ送られる。
【0054】
主制御部50は図5に示す運転チャートをプログラムとして記憶しており、そのプログラムに従って洗濯動作を実行するようになっている。
【0055】
洗濯物投入口1aより洗濯物を投入して開閉扉3を閉じると、開閉扉3の周縁にパッキン10の内周縁10aが密着して水槽4が封止される。そして、洗剤ケース14に洗剤を入れ、操作パネル11を操作すると主制御部50から信号S1が副制御部51に送られる。副制御部51は信号S1に基づき、モータ9を70rpmで所定の時間非同期運転させる。このときロータ位置信号Hu、Hv、Hwの信号位相とステータ9cに与えられる正弦波状電圧Eu、Ev、Ewとの間にはずれが生じる(以下、このずれを位相ずれ量という)。
【0056】
図13の(a)にU相に印加される正弦波状電圧Euの波形を、(b)〜(d)にロータ位置信号Huを、それぞれ示す。(b)に示すロータ位置信号Hu’は同期運転を行ったときの信号波形であり、ロータ位置信号Hu’のパルスエッジは、正弦波状電圧Euのゼロクロスと一致している。(c)に示すロータ位置信号Hu’’はオープンループ駆動して非同期運転を行っている状態で負荷トルクが大きくなったときの信号波形であり、同期運転のときに比べてロータ9bがステータ9cの巻線74に印加する電圧位相に対して遅れ気味に回転するため、ロータ位置信号Hu’’と正弦波状電圧Euとに位相ずれ量δ1が生じる。尚、本実施形態においてはU相を使って位相ずれ量を検知したが、他の相や複数の相を使ってもよい。また、図13においては電気角1周期分のみを示したが、本実施形態で用いたモータは20極であるので、N極とS極を一対として、ロータ1回転で10周期の正弦波状電圧Euとなる。
【0057】
ドラム内の衣類が片寄った状態の場合は、ドラム回転中に片寄った衣類を持ち上げる時と片寄った衣類が下ろされる時とで負荷トルクの差が生じるので、ドラム1回転中の10周期の正弦波状電圧Euに対するロータ位置信号Hu’’の位相ずれ量δ1は大きくなったり小さくなったりする。衣類の片寄り量が大きいほど位相ずれ量δ1の最大値と最小値の差が大きくなるなど、位相ずれ量δ1の変化に基づき衣類の片寄り量を検知することができる。尚、位相ずれ量δ1は遅れだけでなく、片寄っている衣類が下りてくる場合は衣類の重量でドラムがモータ駆動回転数以上になり、(d)に示すように正弦波状電圧Euより進み方向に位相ずれ量δ1が生じる場合もある。また、衣類の量が多い場合は回転負荷トルクが大きいため、位相ずれ量δ1の平均値が衣類の少ないときに比べて正弦波状電圧Euに対して遅れ気味に推移することを検知すれば、衣類の量を検出できる。
【0058】
モータ1回転における位相ずれ量の平均値は、図10に示すようにドラム内に設置した重りが重くなるほど大きくなる。尚、図10はモータ9の回転数が80rpm、モータ9に供給する正弦波状電圧のPWMデューティが120のときの特性を示している。従って、ドラム5に投入された衣類の量が多く重ければ重いほど、位相ずれ量δ1の平均値は大きくなる。これにより位相ずれ量からドラム内に投入された衣類の量を検出することができる。
【0059】
衣類の量を検出する際のモータ9の回転数やモータ9に供給する正弦波状電圧のPWMデューティは、本実施形態で用いた値に限定されることなくドラム5の直径や形状に応じて適した値を設定するとよい。
【0060】
衣類の量が検出されると、主制御部50はこの衣類の量に基づき、洗い、すすぎ、脱水及び乾燥工程におけるドラム5の回転速度、反転時間や反転周期を予め記憶されている回転チャートから決定し、さらには、乾燥運転の完了までの運転時間を予測する。これにより、衣類の量に応じた最適な洗濯動作を行なうことができる。洗濯動作を図5を参照して以下に説明する。
【0061】
まず、洗濯チャートに従って、「洗い工程」を開始する。「洗い工程」の給水動作では、開閉扉3がロックされるとともに給水弁13が開成する。給水弁13の開成に基づいて水道水は洗剤ケース14を経由して給水ノズル15から洗剤とともに水槽4とドラム5内に流れ込む。そして、水槽4内の水位は、位相ずれ量によって検出された衣類の量に応じて所定水位に決定されている。この所定の水位に達すると、水位センサ23が検知して検知信号を主制御部50に出力する。主制御部50は給水弁13を閉じ、洗いチャートに基づいて副制御部51に信号S1を送る。副制御部51は信号S1に基づきドラム5を回転駆動させるモータ9を制御して所定時間だけ”洗い動作”が行われる。この所定時間も位相ずれ量によって検出された衣類の量に基づいて決定される。
【0062】
そして、「洗い工程」が終了すると、”すすぎ脱水動作”と”攪拌すすぎ動作”を交互に複数回繰り返して成る「すすぎ工程」に移行する。「すすぎ工程」では、まず排水ポンプ18が作動して、洗濯液を排水ダクト16、接続ケース17を介して本体外装部1の外部に排水する排水動作が行われる。排水動作が終了すると、制御装置2はモータ9を第1脱水チャートに基づき駆動させる。これにより、ドラム5が回転して”すすぎ脱水動作”が行われる。洗濯物の洗濯液は脱水回転による遠心力でドラム5の全周壁に設けられた小孔5aを通じて水槽4の内壁へ突出される。その内壁を伝って水槽4内の下部に流下した洗濯液は排水ダクト16を介して外部に排水される。
【0063】
ドラム5内の衣類の片寄り量が大きいと、”すすぎ脱水動作”での高速回転運転において異常振動が起こり最悪の場合には洗濯機が転倒する。このため、高速回転運転に移行する前に低回転にて段階的に回転数を上げて運転することで脱水を行い、衣類の片寄り量が十分に小さくなるように、衣類をドラム5内周面に均等に貼り付けた後、高速回転運転を行うようにしている。
【0064】
”すすぎ脱水動作”でドラム5内の衣類を均等に貼り付けるようにドラム回転数を徐々に上昇させていくが、衣類の片寄り量が多い場合は図13()の位相ずれ量δ1が大きくなり、極端な場合は脱調現象を起こすことになる。
【0065】
また、衣類を均等に貼り付ける低速回転を終了し高速回転運転に移行しても、振動の共振周波数に対応したドラムの回転数においてドラム5の振動が大きくなり負荷トルクが増大して位相ずれ量δ1が大きくなったり、高速脱水回転でも律動現象により数〜数十秒単位の比較的大きな負荷トルク変動が起こり位相ずれ量δ1が大きくなる場合があり、極端な場合は脱調現象を起こすことになる。
【0066】
このような脱調現象を未然に防止するために、マイクロコンピュータ64は図15のフローチャートに基づき、図14に示すタイミングチャートのようにモータ9に供給する正弦波状電圧の位相をずらす。図14の(a)、(c)はU相に印加される正弦波状電圧Euの波形を、図14の(b)、(d)はロータ位置信号Huをそれぞれ示している。
【0067】
まず、正弦波状電圧Euが図14(a)であり、ロータ位置信号Huが図14(b)の場合について説明する。尚、本来であれば、T1〜T3の全区間において正弦波状電圧Euの波形ずらしの判定を行うが、正弦波状電圧Euの波形ずらしの効果を説明するために、区間T2のみ正弦波状電圧Euの波形ずらしの判定を行うこととする。
【0068】
区間T1は正弦波状電圧の波形ずらしの判定を行っていない区間である。このとき、正弦波状電圧Euが立ち上がりゼロクロス時点(t0)に対して、ロータ位置信号Huの立ち上がりパルスエッジ時点(t1)は90°遅れているので、位相ずれ量δ1は90°になる。
【0069】
区間T2は正弦波状電圧の波形ずらしの判定を行っている区間である。正弦波状電圧の波形ずらしは図15のフローチャートに基づき行われる。まず、ステップ#10において、位相ずれ量閾値δthと立ち上がりゼロクロスから位相ずれ量閾値δth分位相が遅れた位置での正弦波状電圧Euの振幅Athとを設定する。本実施形態では、位相ずれ量閾値δthを30°に設定している。
【0070】
次のステップ#20では、正弦波状電圧Euが立ち上がりゼロクロスの位置にあるか否かを判定する。正弦波状電圧Euが立ち上がりゼロクロスの位置にあれば(ステップ#20のY)、立ち上がりゼロクロスからの位相量θを零としたのち測定を開始する(ステップ#30)。図14(a)(b)においては、t2時点でステップ#20のYとなるので、t2時点から立ち上がりゼロクロスからの位相量θの測定を開始する。
【0071】
次のステップ#40では、ロータ位置信号Huの立ち上がりパルスエッジが現れたか否かを判定する。ロータ位置信号Huの立ち上がりパルスエッジが現れれば(ステップ#40のY)、正弦波状電圧Euとロータ位置信号Huとの位相ずれ量δ1は位相ずれ量閾値δthより小さい。この場合、正弦波状電圧Euの波形ずらしを行わずにステップ#10に移行し、次の周期での正弦波状電圧Euとロータ位置信号Huとの位相ずれを測定する。
【0072】
一方、ロータ位置信号Huの立ち上がりパルスエッジが現れなければ(ステップ#40のN)、立ち上がりゼロクロスからの位相量θが位相ずれ量閾値δth以下であるか否かを判定する(ステップ#50)。立ち上がりゼロクロスからの位相量θが位相ずれ量閾値δth以下であれば(ステップ#50のY)、ステップ#40に移行する。立ち上がりゼロクロスからの位相量θが位相ずれ量閾値δth以下でなければ(ステップ#50のN)、正弦波状電圧Euとロータ位置信号Huとの位相ずれ量δ1が位相ずれ量閾値δthを越えることになる。図14(a)(b)においては、t3時点でステップ#50のNとなるので、t3時点で正弦波状電圧Euの波形ずらしを行うことが確定する。
【0073】
次のステップ#60では、ロータ位置信号Huの立ち上がりパルスエッジが現れるか否かを判定する。
【0074】
ロータ位置信号Huの立ち上がりパルスエッジが現れれば(ステップ#60のY)、正弦波状電圧Euの出力値を立ち上がりゼロクロスから位相ずれ量閾値δth分位相が遅れた位置での振幅Athまでずらす(ステップ#70)。これにより、正弦波状電圧Euは位相ずれ量δ1と位相ずれ閾値δthの差だけ位相遅れ方向に平行移動した波形となる。すなわち、位相ずれ量δ1の変動に応じて正弦波状電圧Euの波形ずらし量が可変する。
【0075】
尚、正弦波状電圧Ev、Ewは、正弦波状電圧Euの波形ずらし後も波形ずらし前と同様に正弦波状電圧Euに対してそれぞれ240°、120°遅れの波形とすることで、正弦波状電圧Euと同様に波形がずれる。
【0076】
その後、ステップ#10に移行し、次の周期での位相ずれ測定を行う。図14(a)(b)においては、t4時点でロータ位置信号Huの立ち上がりパルスエッジが現れているので、t4時点で正弦波状電圧Euの振幅をAthに変更している。これにより、t4時点で正弦波状電圧Euの波形は60°位相遅れ方向にずれたことになる。
【0077】
区間T3は正弦波状電圧の波形ずらしの判定を行っていない区間である。このとき、正弦波状電圧Euの立ち上がりゼロクロス時点(t5)に対して、ロータ位置信号Huの立ち上がりパルスエッジ時点(t6)は30°遅れているので、位相ずれ量δ1は30°になる。
【0078】
尚、正弦波状電圧Ev、Ewは、正弦波状電圧Euの波形ずらし後も波形ずらし前と同様に正弦波状電圧Euに対してそれぞれ240°、120°遅れの波形とすることで、正弦波状電圧Euと同様に波形がずれる。
【0079】
区間T2において、図15のフローチャートのような動作を行うことで、位相ずれ量δ1は区間T1のときの90°から区間T3のときの30°に縮小され、脱調現象を未然に防止することができる。
【0080】
さらに、図15のフローチャートのような動作では、正弦波状電圧の周波数自体は変更されていないので、モータ9の回転数を変化させずに脱調現象を未然に防止することができる。従って、モータ9の回転数により決まる脱水性能への影響はなく、安定した脱水性能を得ることができる。
【0081】
また、位相ずれ量閾値は、衣類の量や脱水回転中のモータ9の回転数に応じて可変するように設定することで、正弦波状電圧の波形を滑らかにずらすことができ、脱水中の断続音や回転変動を小さくすることができる。また、モータ9は、オープンループ駆動時において、効率の良い位相ずれ角度が回転数に応じて変化する特性を持っているので、位相ずれ角度を効率の高いところに補正することで、省エネルギー化を図ることもできる。尚、本実施形態ではU相を基準としたが、V相やW相を、または複数の相を使用してもよい。
【0082】
次に、正弦波状電圧Euが図14(c)であり、ロータ位置信号Huが図14(d)の場合について説明する。尚、本来であれば、T1〜T3の全区間において正弦波状電圧Euの波形ずらしの判定を行うが、正弦波状電圧Euの波形ずらしの効果を説明するために、区間T2のみ正弦波状電圧Euの波形ずらしの判定を行うこととする。
【0083】
区間T1は正弦波状電圧の波形ずらしの判定を行っていない区間である。このとき、正弦波状電圧Euが立ち上がりゼロクロス時点(t10)に対して、ロータ位置信号Huの立ち上がりパルスエッジ時点(t11)は90°遅れているので、位相ずれ量δ1は図14の(a)(b)のときと同様に90°になる。
【0084】
区間T2は正弦波状電圧の波形ずらしの判定を行っている区間である。正弦波状電圧の波形ずらしは図19のフローチャートに基づき行われる。まず、ステップ#310において、位相ずれ量閾値δthと立ち上がりゼロクロスから位相ずれ量閾値δth分位相が遅れた位置での正弦波状電圧Euの振幅Athとを設定する。本実施形態では、位相ずれ量閾値δthを30°に設定している。
【0085】
次のステップ#320では、正弦波状電圧Euが立ち上がりゼロクロスの位置にあるか否かを判定する。正弦波状電圧Euが立ち上がりゼロクロスの位置にあれば(ステップ#320のY)、立ち上がりゼロクロスからの位相量θを零としたのち測定を開始する(ステップ#330)。図14(c)(d)においては、t12時点でステップ#320のYとなるので、t12時点から立ち上がりゼロクロスからの位相量θの測定を開始する。
【0086】
次のステップ#340では、ロータ位置信号Huの立ち上がりパルスエッジが現れたか否かを判定する。ロータ位置信号Huの立ち上がりパルスエッジが現れれば(ステップ#340のY)、正弦波状電圧Euの立ち上がりゼロクロスとロータ位置信号Huの立ち上がりパルスエッジとが一致しており、位相ずれ量δ1は零になる。この場合、正弦波状電圧Euの波形ずらしを行わずにステップ#310に移行し、次の周期での正弦波状電圧Euとロータ位置信号Huとの位相ずれを測定する。
【0087】
一方、ロータ位置信号Huの立ち上がりパルスエッジが現れなければ(ステップ#340のN)、正弦波状電圧Euの振幅を零にする(ステップ#350)。
【0088】
次のステップ#360では、再びロータ位置信号Huの立ち上がりパルスエッジが現れたか否かを判定する。ロータ位置信号Huの立ち上がりパルスエッジが現れてなければ(ステップ#360のN)、ステップ#350に移行しEuの振幅を零のまま維持する。
【0089】
一方、ロータ位置信号Huの立ち上がりパルスエッジが現れれば(ステップ#360のY)、ステップ#370に移行し立ち上がりゼロクロスからの位相量θが位相ずれ量閾値δth以下であるか否かを判定する。
【0090】
立ち上がりゼロクロスからの位相量θが位相ずれ量閾値δth以下であれば(ステップ#370のY)、ステップ#390に移行し、マイクロコンピュータ64に記憶されている正弦波状電圧Euの波形に基づいて、正弦波状電圧Euの振幅を現時点の位相量θの振幅に変更する。その後、ステップ#310に移行し、次の周期での位相ずれ測定を行う。
【0091】
一方、立ち上がりゼロクロスからの位相量θが位相ずれ量閾値δth以下でなければ(ステップ#370のN)、正弦波状電圧Euとロータ位置信号Huとの位相ずれ量δ1が位相ずれ量閾値δthを越えることになる。図14(c)(d)においては、t14時点でステップ#370のNとなるので、t14時点で正弦波状電圧Euの波形ずらしを行うことが確定する。
【0092】
次のステップ#400では、正弦波状電圧Euの出力値を立ち上がりゼロクロスから位相ずれ量閾値δth分位相が遅れた位置での振幅Athまでずらす。これにより、正弦波状電圧Euは位相ずれ量δ1と位相ずれ閾値δthの差だけ位相遅れ方向に平行移動した波形となる。
【0093】
尚、正弦波状電圧Ev、Ewは、正弦波状電圧Euの波形ずらし後も波形ずらし前と同様に正弦波状電圧Euに対してそれぞれ240°、120°遅れの波形とすることで、正弦波状電圧Euと同様に波形がずれる。
【0094】
その後、ステップ#310に移行し、次の周期での位相ずれ測定を行う。図14(c)(d)においては、t14時点で正弦波状電圧Euの振幅をAthに変更している。これにより、t14時点で正弦波状電圧Euの波形は60°位相遅れ方向にずれたことになる。
【0095】
区間T3は正弦波状電圧の波形ずらしの判定を行っていない区間である。このとき、正弦波状電圧Euが立ち上がりゼロクロス時点(t15)に対して、ロータ位置信号Huの立ち上がりパルスエッジ時点(t16)は30°遅れているので、位相ずれ量δ1は30°になる。
【0096】
区間T2において、前述した図19のフローチャートのような動作を行うことで、位相ずれ量δ1は区間T1のときの90°から区間T3のときの30°に縮小され、脱調現象を未然に防止することができる。
【0097】
また、図19のフローチャートの動作は図15のフローチャートの動作に比べて制御が容易であるが、t12〜t14間で正弦波状電圧Euが零になり、モータ9に供給する正弦波状電圧が滑らかに変化しない。このため、図15のフローチャートの動作に比べて騒音が大きくなる。
【0098】
商用電源53から供給されるAC電圧が高い場合はインバータ回路57に供給されるDC電圧も高くなる。この場合、モータ9へ供給する正弦波状電圧Eu、Ev、Ewも大きくなりモータトルクは増加し、位相ずれ量δ1が大きくても脱調現象を生じにくくなるので、位相ずれ量閾値δthは大きめに設定してもよい。
【0099】
一方、商用電源53から供給されるAC電圧が低い場合はインバータ回路57に供給されるDC電圧も低くなる。この場合、モータ9へ供給する正弦波状電圧Eu、Ev、Ewも小さくなりモータトルクは減少し、位相ずれ量δ1が小さくても脱調現象が生じ易くなるので、位相ずれ量閾値δthは小さめに設定した方がよい。
【0100】
従って、インバータ入力電圧検出手段65の電圧検出信号に応じて、位相ずれ量閾値δthを調整することで、より適切な制御が実現できる。また、インバータ入力電圧検出手段65の電圧検出信号によって正弦波状電圧の波形の平行移動ずらし量を補正してもよい。尚、商用電源53から出力されるAC電圧を検出する電圧検出手段を設けて、インバータ回路57に供給されるDC電圧ではなく、商用電源53から供給されるAC電圧に基づいて位相ずれ量閾値δthや正弦波状電圧の波形の平行移動ずらし量を調整してもよい。
【0101】
上述した正弦波状電圧Euの波形の平行移動ずらしは、ロータ位置信号の立ち上がりパルスエッジが現れる毎に検出する位相ずれ量δ1に基づいて行っているが、1回のみのロータ位置信号の立ち上がりパルスエッジの検出では外来ノイズがロータ位置信号に重畳された場合にロータ位置信号の立ち上がりパルスエッジを誤検知して制御してしまう虞がある。このため、複数回の位相ずれ量δ1の平均値に応じて正弦波状電圧の波形の平行移動ずらしを行えば、安定した制御性能が得られる。この場合のマイクロコンピュータ64の動作について、図18のフローチャートを参照して説明する。
【0102】
まず、ステップ#110において、位相ずれ量閾値δthと立ち上がりゼロクロスから位相ずれ量閾値δth分位相が遅れた位置での正弦波状電圧Euの振幅Athとを設定する。
【0103】
次のステップ#120では、測定回数nを1とし、ステップ#130に移行する。ステップ#130では、正弦波状電圧Euが立ち上がりゼロクロスの位置にあるか否かを判定する。正弦波状電圧Euが立ち上がりゼロクロスの位置にあれば(ステップ#130のY)、立ち上がりゼロクロスからの位相量θを零としたのち、測定を開始する(ステップ#140)。
【0104】
次のステップ#150では、ロータ位置信号Huの立ち上がりパルスエッジが現れたか否かを判定する。ロータ位置信号Huの立ち上がりパルスエッジが現れれば(ステップ#150のY)、そのときの立ち上がりゼロクロスからの位相量θを位相ずれ量δ1nとして記憶する(ステップ#160)。
【0105】
次のステップ#170では、測定回数nが予め設定されている平均値測定のための測定回数Kに達したか否かを判定する。測定回数nが平均値測定のための測定回数Kに達していなければ(ステップ#170のN)、ステップ#180に移行し測定回数nに1を足したものを新たな測定回数nとして記憶したのち、ステップ#130に移行し測定を続ける。
【0106】
一方、測定回数nが平均値測定のための測定回数Kに達していれば(ステップ#170のY)、記憶しているδ11、δ12、…、δ1Kから、位相ずれ量δ1の平均値を算出する(ステップ#190)。
【0107】
次のステップ#200では、位相ずれ量δ1の平均値が位相ずれ量閾値δth以下であるか否かを判定する。位相ずれ量δ1の平均値が位相ずれ量閾値δth以下であれば(ステップ#200のY)、正弦波状電圧Euの波形の平行移動ずらしは行わずにステップ#110に移行する。
【0108】
一方、位相ずれ量δ1の平均値が位相ずれ量閾値δth以下でなければ(ステップ#200のN)、ロータ位置信号Huの立ち上がりパルスエッジが現れるか否かを判定する(ステップ#210)。
【0109】
ロータ位置信号Huの立ち上がりパルスエッジが現れれば(ステップ#210のY)、正弦波状電圧Euの出力値を立ち上がりゼロクロスから位相ずれ量閾値δth分位相が遅れた位置での振幅Athまでずらす(ステップ#220)。これにより、正弦波状電圧Euは位相ずれ量δ1の平均値と位相ずれ閾値δthの差だけ位相遅れ方向に平行移動した波形となる。その後、ステップ#110に移行し、次の位相ずれ測定を行う。
【0110】
尚、正弦波状電圧Ev、Ewは、正弦波状電圧Euの波形ずらし後も波形ずらし前と同様に正弦波状電圧Euに対してそれぞれ240°、120°遅れの波形とすることで、正弦波状電圧Euと同様に波形がずれる。
【0111】
上述した正弦波状電圧の波形の平行移動ずらしを行っても、高速脱水回転運転の加速時などにおいては、商用電源53から供給される電圧が極端に低かったり、負荷トルクが連続して大きかったりすると、位相ずれ量δ1が位相ずれ量閾値δthを連続して越える場合がある。
【0112】
このように位相ずれ量δ1が位相ずれ量閾値δthを連続して越える場合は、高速脱水回転運転での加速を一時停止することで、すなわち、主制御部50から送られる信号S1に基づく運転を止め、そのままの設定周波数の正弦波状電圧をモータ9に供給し続けることで、加速に必要とするトルクが不要になり、徐々に位相ずれ量δ1が小さくなる。
【0113】
これにより、正弦波状電圧の波形の平行移動ずらしを毎周期連続して行うことによる実際の回転数低下を防止することができる。なぜならば、モータ9に供給する正弦波状電圧の設定周波数自体が固定であっても、毎周期連続して平行移動ずらしを行うと実際の周期は短くなってしまうため、設定周波数での回転数より減速するからである。
【0114】
このように、主制御部50から送られる信号S1に基づく運転を一時的に止めて高速脱水回転の加速を一時停止した後、所定の期間連続して位相ずれ量δ1が位相ずれ量閾値δth以下になれば、再度主制御部50から送られる信号S1に基づく運転を行い正弦波状電圧の設定周波数を更新して加速を開始する。これにより、無駄なトルクを必要とせず、省エネルギー化を図ることができる。また、無駄なトルクを必要としないので、大きなトルクが出力できるモータを用いなくてもよくなりモータの小型化も図れる。
【0115】
これまでの説明はロータ9bの位相がモータ9に供給する正弦波状電圧の位相に対して遅れる場合、すなわち、負荷トルクがモータトルクよりも大きい場合についてであったが、高速脱水時に最高回転数まで上昇して回転している時には、振動系による律動現象により、ロータ9bの位相がモータ9に供給する正弦波状電圧の位相に対して遅れ方向や進み方向に前後して揺れる場合がある。
【0116】
ロータ9bの位相がモータ9に供給する正弦波状電圧の位相に対して遅れる場合は、前述したようにモータ9に供給する正弦波状電圧の波形の平行移動ずらしを行うことで対応できる。ロータ9bの位相がモータ9に供給する正弦波状電圧の位相に対して進む場合についても、モータ9に供給する正弦波状電圧の波形の平行移動ずらしを行うことで位相ずれは補正できる。
【0117】
しかし、ロータ9bの位相がモータ9に供給する正弦波状電圧の位相に対して進む場合では、モータ9のステータ巻線に逆起電圧が発生し、コンデンサ56a、56bに回生電流が流れ込み、インバータ入力電圧検出手段65で検出されるDC電圧が上昇して、最悪の場合はそのDC電圧がトランジスタ58a〜58c、59a〜59cやダイオード60a〜60c、61a〜61cの耐圧を越えて、トランジスタ58a〜58c、59a〜59cやダイオード60a〜60c、61a〜61cが破壊に至ることがある。
【0118】
このため、脱水運転中にロータ9bの位相がモータ9に供給する正弦波状電圧の位相に対して進む場合は、位相ずれ量δ1が位相ずれ閾値δthを越えたときに行う正弦波状電圧の波形の平行移動ずらしに加えて、インバータ入力電圧検出手段65によって検出されるDC電圧が予め設定された電圧閾値を越えた場合は位相すれ角度量δ1が位相ずれ量閾値δthより小さくても、正弦波状電圧の波形の平行移動ずらしを即座に行うことで、トランジスタ58a〜58c、59a〜59cやダイオード60a〜60c、61a〜61cの損傷や破壊を未然に防止することができる。
【0119】
本実施形態の洗濯機の制御装置は、図9のように倍電圧整流回路を備えているので、通常はインバータ回路57に入力されるDC電圧は280[V]以下である。しかし、高速脱水回転運転中にロータ9bの位相がモータ9に供給する正弦波状電圧の位相に対して進んで逆起電圧が発生すれば、インバータ回路57に入力されるDC電圧は500[V]付近まで即座に上昇してしまう。
【0120】
この場合、図18のフローチャートの動作のように位相ずれ量δ1の平均値に基づいて平行移動ずらしを行っていては瞬時に制御対応できないため、インバータ入力電圧検出手段65で検出されるDC電圧がトランジスタ58a〜58c、59a〜59cやダイオード60a〜60c、61a〜61cの定格電圧(600[V])の80%程度(480[V])になれば、即座に平行移動ずらしを行うようにする。
【0121】
この高速脱水運転時の律動現象は、振動防止機構などによって定まる固有の回転数において生じるものであるため、モータ9の回転数を変更すれば、律動を少しは抑制できるが、モータ9の回転数を下げれば脱水性能が低下し、また、モータ9の回転数を上げれば騒音や振動が増加するなどの不具合が生じる。一方、インバータ回路57に入力されるDC電圧に応じて正弦波状電圧の波形の平行移動ずらしを行う本実施形態においては、モータ9の回転数が変化しないので、このような不具合が起こらない。
【0122】
尚、オープンループ駆動する場合にモータ9に供給する正弦波状電圧のPWMデューティは、各回転数に対して予め設定しておく。PWMデューティを大きめに設定した場合、位相ずれ量δ1は小さくなるが、消費電力は大きくなる。このことを考慮して、ドラム5の定格容量や形状およびモータ9の出力特性に応じて、PWMデューティを最適な値に設定すればよい。
【0123】
”すすぎ脱水動作”では、モータ9の回転数を低回転から段階的に上げて、衣類をドラム5内周面に均等に貼り付ける。回転始動時では濡れた衣類がドラム5の下部に固まっているため、大きな起動トルクが必要になる。従って、確実な起動を行うために、図16のように、フィードバック駆動(同期運転)でモータ9を起動回転(t1時点)させて、回転数が上昇してドラム5の回転慣性が高くなった時点(t2時点)でオープンループ駆動(非同期運転)に切り換えて、最高回転数まで(t3時点)回転上昇させ、その後高速脱水終了まで(t4時点)オープンループ駆動するのが一般的駆動方法である。
【0124】
フィードバック駆動では、モータ9の回転数を目標回転数に維持するためにモータ9へ供給する正弦波状電圧のPWMデューティを変化させているので、PWMデューティは不定である。
【0125】
一方、オープンループ駆動では、PWMデューティは設定回転数毎に割り当てられて固定されており、フィードバック駆動からオープンループ駆動に切り換える時点(t2時点)ではオープンループ駆動の設定回転数はフィードバック駆動での目標回転数と一致している。
【0126】
このため、フィードバック駆動からオープンループ駆動に切り換える直前のモータ回転数が目標回転数に近い場合は、フィードバック駆動からオープンループ駆動に切り換える時点(t2時点)においてPWMデューティはほとんど変化しない。
【0127】
一方、フィードバック駆動からオープンループ駆動に切り換える直前のモータ回転数が目標回転数から離れている場合は、フィードバック駆動からオープンループ駆動に切り換える時点(t2時点)においてPWMデューティが急激に変化する。しかし、PWMデューティが急激に変化してもモータ9の回転数はドラム5や衣類の回転慣性力があるため、急に変化しない。
【0128】
オープンループ駆動に切り換える直前のフィードバック駆動でのロータ9bの位相がモータ9に供給する正弦波状電圧の位相より進んでいた場合は、モータ9の回転数がフィードバック駆動での目標回転数より大きくなっている。
【0129】
この場合は、フィードバック駆動からオープンループ駆動に切り換える時点(t2時点)において、モータ9の回転数は急に変わらないがオープンループ駆動の設定回転数はフィードバック駆動での目標回転数と同じであるため、モータ9に供給する正弦波状電圧の位相に対してロータ9bの位相が進んでしまう。このため脱調現象を起こしやすい。
【0130】
また、オープンループ駆動に切り換える切り換える直前のフィードバック駆動でのロータ9bの位相がモータ9に供給する正弦波状電圧の位相より遅れていた場合は、モータ9の回転数がフィードバック駆動での目標回転数より小さくなっている。
【0131】
この場合は、フィードバック駆動からオープンループ駆動に切り換える時点(t2時点)において、モータ9の回転数は急に変わらないが、オープンループ駆動の設定回転数はフィードバック駆動での目標回転数と同じであるため、正弦波状電圧の位相に対してロータ9bの位相が遅れてしまう。このため、脱調現象を起こしやすい。
【0132】
また、ロータ9bの位相が正弦波状電圧の位相に対して進んだ場合は、ステータ9cの界磁によって、ロータ9bに対して遅れ方向の力が発生する。このため、次の周期では反作用によりロータ9bが遅れ方向に引き戻される。この結果、ロータ9bの位相がモータ9に供給する正弦波状電圧の位相に対して進み方向と遅れ方向に前後する。このような振動現象とオープンループ駆動時のドラム5内の衣類の片寄りによるロータ9bの位相ずれが重なると、更に脱調現象が生じやすくなる。
【0133】
そこで、フィードバック駆動からオープンループ駆動に切り換える時点(t2時点)においてオープンループ駆動の正弦波状電圧の位相をずらすことで、脱調現象が生じないようにする。
【0134】
例えば、フィードバック駆動からオープンループ駆動に切り換える直前の回転数がオープンループ駆動の設定回転数より大きい場合は、フィードバック駆動からオープンループ駆動に切り換える時のオープンループ駆動の正弦波状電圧の位相を進める。また、フィードバック駆動からオープンループ駆動に切り換える直前の回転数がオープンループ駆動の設定回転数より小さい場合は、フィードバック駆動からオープンループ駆動に切り換える時のオープンループ駆動の正弦波状電圧の位相を遅らせる。これにより、フィードバック駆動からオープンループ駆動に切り換え後の正弦波状電圧とロータ位置信号との位相ずれ量を小さくすることができ、上述した振動現象が抑制できる。
【0135】
図17にフィードバック駆動からオープンループ駆動切り換える直前の回転数がオープンループ駆動時の設定回転数より大きい場合のタイミングチャートを示す。
【0136】
(a)はモータ9に印加される正弦波状電圧の1周期毎のPWMデューティ平均値を、(b)はロータ位置信号Huを、(c)はフィードバック駆動からオープンループ駆動切り換えに位相ずらしを行わない場合の正弦波状電圧Euを、(d)はフィードバック駆動からオープンループ駆動切り換えに位相ずらしを行う場合の正弦波状電圧Eu’を、それぞれ示している。また、t10〜t30の区間はフィードバック駆動を行っており、t30〜t40の区間はオープンループ駆動を行っている。したがって、t30がフィードバック駆動からオープンループ駆動に切り換わる時点である。
【0137】
まず、(c)のフィードバック駆動からオープンループ駆動切り換えに位相ずらしを行わない場合の正弦波状電圧Euに関して説明する。
【0138】
10〜t20の区間のPWMデューティはt10以前に対して低くなっているが、これはt10以前のロータ9bの回転数がフィードバック駆動の目標回転数より大きかったためPWMデューティが少し低めに設定されたためである。
【0139】
PWMデューティが低くなったため、t10〜t20の区間における正弦波状電圧Euの周期T1は、目標回転数に対応する周期(T0)よりも長くなる。そして、t10〜t20の区間ではロータ9bの回転数が目標回転数より小さかったため、次のt20〜t30の区間ではPWMデューティが高めに変更される。PWMデューティが高くなったため、t20〜t30の区間における正弦波状電圧Euの周期T2は、目標回転数に対応する周期(T0)よりも短くなる。また、PWMデューティに高くなったことに従って、正弦波状電圧Euの波高値がt10〜t20の区間により高くなっている。このように、実際のロータ9bの回転数と目標回転数の差に応じて、次の周期でのPWMデューティを決定することでフィードバック駆動を行っている。
【0140】
10〜t30の区間はフィードバック駆動であるため、ロータ位置信号Huの立ち上がりパルスエッジとモータ9に供給する正弦波状電圧Euの立ち上がりゼロクロスとは同期している。
【0141】
30時点でフィードバック駆動からオープンループ駆動に切り換わる際、上述したように通常オープンループ駆動の設定回転数は、フィードバック駆動の目標回転数と等しく設定している。また、オープンループ駆動時(t30〜t40)のPWMデューティは高めに設定されている。これにより、安定した回転数を維持するのに十分なモータトルクを確保できる。
【0142】
ここで、フィードバック駆動からオープンループ駆動切り換え後のオープンループ駆動時(t30〜t40)では、設定回転数に対応する周波数(T0)の正弦波状電圧Euをモータ9に供給するが、ドラム5や衣類の回転慣性力があるのでロータ9bの回転数はすぐには変化せず、ロータ位置信号Huの周期はフィードバック駆動からオープンループ駆動切り換え直前のフィードバック駆動時の周期T2とほぼ同じままになる。このため、次の周期では、ロータ位置信号Huの立ち上がりパルスエッジは正弦波状電圧Euの立ち上がりゼロクロスに対して位相がθ1だけ進んでしまう。この位相ずれθ1が大きいと脱調現象を起こすことになる。
【0143】
そこで、(d)に示すような正弦波状電圧Eu’をモータ9に供給するとよい。正弦波状電圧Eu’は、フィードバック駆動からオープンループ駆動へ切り換え時点(t30)で、正弦波状電圧の位相をθ2だけ進めたものである。これにより、次の周期ではロータ位置信号Huの立ち上がりパルスエッジが正弦波状電圧の立ち上がりゼロクロスに対してθ3だけ位相が進むことになり、(c)に示す正弦波状電圧Euでの位相ずれθ1よりも位相進みが小さくなり脱調現象が起こりにくくなる。また、オープンループ駆動切り換え後の正弦波状電圧Eu’の周期は、当初の設定周波数に対応する周期T0と同じであるため、フィードバック駆動からオープンループ駆動へ切り換えたのちにモータ9の回転数が低下することもない。
【0144】
尚、本実施形態ではフィードバック駆動からオープンループ駆動に切り換える直前のフィードバック駆動での回転数が目標回転数より大きい場合について説明したが、フィードバック駆動からオープンループ駆動に切り換える直前のフィードバック駆動でのモータ9の回転数が目標回転数より小さい場合はオープンループ駆動時に位相を遅らせることで脱調を起こりにくくすることができる。
【0145】
また、フィードバック駆動からオープンループ駆動に切り換えるときの回転数が高めの場合やドラム5に投入されている衣類の量が多い場合は、ロータ9bの回転慣性力が高いので大きめに位相をずらし、インバータ回路57に供給するDC電圧が低い場合はオープンループ駆動時でのロータ9bの追随が遅いため大きめに位相をずらすなど、位相ずらし量を複数段階設定することで、より精度高く脱調現象を防止することができる。
【0146】
また、このような制御により、固定PWMデューティでのオープンループ駆動時にドラム5内の衣類の片寄りによってモータに供給する正弦波状電圧の位相に対するロータ9bの位相ずれが大きくなるような小出力トルクのモータでも、位相ずれが抑制されるので脱調しにくくなる。これにより、小出力トルクのモータを用いることができ、大型モータを使わないで済むので、低コスト化も図れる。
【0147】
”すすぎ脱水動作”が終了すると、給水動作が行われる。すなわち、排水ポンプ18が停止して、給水弁13が再度開かれる。給水弁13の開成に伴って水槽4内の水位が所定水位になると給水弁13が閉じられる。制御装置2はモータ9をすすぎチャートに基づき駆動させる。これにより、ドラム5が回転して”攪拌すすぎ動作”が実行される。
【0148】
この”攪拌すすぎ動作”中に、柔軟仕上剤収納箱(図示せず)及びこれに連通するすすぎ給水経路を別途設け、このすすぎ給水経路から柔軟仕上剤とともに給水するようにしてもよい。また、「洗い工程」における”洗い動作”あるいは「すすぎ工程」における”攪拌すすぎ動作”中に循環ポンプ20を駆動させて水槽4内の洗濯液を循環させてもよい。
【0149】
以上の”すすぎ脱水動作”と”攪拌すすぎ動作”とを数回繰り返して「すすぎ工程」が終了すると、主制御部50内に記録されているプログラムが「脱水工程」に切り替わる。「脱水工程」ではまず、給水弁13を閉じるとともに排水ポンプ18を作動させて洗濯液を外部に排水する”排水動作”が行われる。
【0150】
そして、制御装置2はモータ9を第2脱水チャートに基づき駆動させる。これにより、ドラム5が回転して”仕上げ脱水動作”が行われる。”仕上げ脱水動作”では、脱水回転による遠心力によって、ドラム5の全周壁に設けた小孔5aを通じて洗濯液を水槽4の内壁へ突出させる。突出した洗濯液は水槽4の内壁を下部に流下し、排水ダクト16を介して外部に排水される。この”仕上げ脱水動作”は前述した”すすぎ脱水動作”の実施形態と同様の実施形態で行われる。ただし、この2つの動作では回転数や運転時間等の設定は異なっている。
【0151】
「脱水工程」が終了すると、制御回路2は、モータ9を乾燥チャートに基づき制御することによりドラム5を回転させるともに、送風ファン25及びヒータ26を駆動させて「乾燥工程」を実行する。ドラム5内の空気はドラム5の小孔5a、水槽4の循環口4c、冷却ダクト27を経て送風ファン25、ヒータ26を通り、吸出し口4bよりドラム5内へ循環する。
【0152】
ドラム5内の洗濯物の水分を吸収した空気は、送風ファン25により冷却ダクト27内に吸引される。吸引された空気は冷却ダクト27を通過中に冷却ダクト27に設けた冷却器(図示せず)で冷却されることにより降温される。その結果、冷却ダクト27内の空気は水分の結露により除湿され、湿度の低い空気となってヒータ26に至る。
【0153】
ヒータ26で加熱された空気は温風となって吹き出し口4bより水槽4内に吹き込まれ、再び洗濯物と接触して洗濯物の水分を吸収する。再度循環口4aから冷却ダクト27内に吸引されて同様に冷却器で冷却され除湿される。この動作を繰り返すことにより、「乾燥工程」が実行される。
【0154】
そして、位相ずれ量δ1の平均値から検出された衣類の量に基づき決められた所定時間が経過すると「乾燥工程」を終了する。この「乾燥工程」において除湿により凝縮された水分は、冷却ダクト27内を下降して循環内4cから排水ダクト16を介して外部に排水される。尚、乾燥終了検知は、水槽の吹き出し口4bや循環口4cなどの温度変化や湿度変化によって行ってもよく、その場合位相ずれ量から検出された衣類の量は、乾燥運転前の運転時間予測して操作パネル11に表示すること等に使用することができる。
【0155】
以上のように、操作パネル11からの入力と、衣類の量と、衣類の片寄り量に基づいて、制御装置2が設定された条件に従って、「洗い工程」、「すすぎ工程」、「脱水工程」、「乾燥工程」を連続あるいは単独で実行する。
【0156】
なお、本実施形態ではドラム式インバータ洗濯機に本発明を適用したが、パルセータレス構造のダイレクトドライブ式インバータ洗濯機やモータがパルセータを回転させる構造のインバータ洗濯機など他の構造の洗濯機に本発明を適用してもよい。
【0157】
【発明の効果】
本発明によると、脱水工程中のオープンループ駆動時に、位置検知手段から出力される位置信号の状態が変化する毎にモータに供給する正弦波状電圧の位相と前記位置信号の位相との位相ずれ量を調整するのではなく、前記位相ずれ量が位相ずれ閾値を越えた場合、前記位相ずれ量を少なくする方向に前記正弦波状電圧の波形をずらすので、前記モータの回転数を変化させることなく脱調を未然に防止できる。これにより、安定した脱水性能を得ることができる。更に従来技術のような複雑な制御を必要とせず、大きな出力トルクを持つモータを用いなくても脱調を未然に防止することができる。これにより低コスト化を図ることができる。
【0158】
また、本発明によると、前記位相ずれ量の変動に応じて前記正弦波状電圧の波形のずらし量を可変するので、負荷トルク状態や前記モータの設定回転数が変化し前記位相ずれ量が大きくなっても脱調を未然に防止することができる。また、前記位相ずれ量が小さい場合に、前記正弦波状電圧の波形をずらし過ぎて逆方向に位相ずれが生じる不具合をなくすことができる。
【0159】
また、本発明によると、商用電源電圧が低いほど前記位相ずれ閾値を小さくするので、商用電源電圧が低下してモータ出力トルクが低下する場合は早めに前記正弦波状電圧の波形ずらしが行われる。これにより、モータ出力トルクの低下によって前記位相ずれ量が著しく増大する前に、前記正弦波状電圧の波形ずらしが行われ前記位相ずれ量を減少させることができ、未然に脱調を防止することができる。
【0160】
また、本発明によると、商用電源電圧が低いほど前記正弦波状電圧の波形ずらし量を大きめにするので、商用電源電圧の低下に伴うモータ出力トルクの低下によって前記位相ずれ量が著しく増大しても前記位相ずれ量を減少させることができ、未然に脱調を防止することができる。
【0161】
また、本発明によると、前記位相ずれ量を複数回連続して検出し、その検出された位相ずれ量の平均値をもって前記位相ずれ量閾値と比較するので、外部ノイズがロータ位置信号に重畳した場合でもロータ位置の誤検知を防止でき、正確な位相ずれ量を得ることができる。
【0162】
また、本発明によると、前記位相ずれ量閾値は前記モータの回転数に応じて複数設定されているので、前記正弦波状電圧の波形を滑らかにずらすことができる。これにより、脱水工程中の断続音や回転変動を小さくすることができる。また、前記モータは、オープンループ駆動時において、効率の良い位相ずれ角度が回転数に応じて変化する特性を持っているので、位相ずれ角度を効率の高いところに補正することで、省エネルギー化を図ることもできる。
【0163】
また、本発明によると、前記位相ずれ量が前記位相ずれ量閾値を越えたときは、前記正弦波状電圧の設定周波数を更新しないので、位相ずれ量の大きい状態が連続した場合は前記モータの加速を一時保留する。これにより、小出力トルクのモータでも脱調を未然に防止することが可能となり、低コスト化を図ることができる。
【0164】
また、本発明によると、所定の期間連続して前記位相ずれ量が前記位相ずれ量閾値を越えないときは、前記正弦波状電圧の設定周波数を更新可能とするので、位相ずれ量が小さく安定した後にしかモータ加速を再開しない。これにより、負荷トルクが変動しても確実な加速を行うことができる。更に、小出力トルクのモータの使用が可能となるので低コスト化を図ることができる。
【0165】
また、本発明によると、電圧検出手段から検出された電圧が閾値を越えたときは前記正弦波状電圧の波形をずらすので、ロータ位相が進んだ場合の逆起電圧によるインバータ制御手段の電圧上昇を抑えることができる。これにより、インバータ制御手段を構成する素子の耐圧劣化や破壊を防止できるとともに、耐圧の低い素子が使用可能となり低コスト化を図ることができる。
【0166】
また、本発明によると、脱水工程中において、最初位置検出手段からの位置信号に同期した正弦波状電圧をモータに供給するフィードバック駆動し、その後所定の設定周波数の正弦波状電圧を前記モータに供給するオープンループ駆動するようになっており、前記フィードバック駆動から前記オープンループ駆動に切り換える直前の回転数が前記オープンループ駆動の設定回転数より大きい場合は、前記オープンループ駆動の開始時点での前記正弦波状電圧の位相が前記フィードバック駆動の終了時点での前記正弦波状電圧の位相に対して進むように、前記フィードバック駆動から前記オープンループ駆動に切り換える直前の回転数が前記オープンループ駆動の設定回転数より小さい場合は、前記オープンループ駆動の開始時点での前記正弦波状電圧の位相が前記フィードバック駆動の終了時点での前記正弦波状電圧の位相に対して遅れるように、前記オープンループ駆動の開始時点での前記正弦波状電圧の位相を設定するので、駆動方法を切り換えた際に前記モータに供給する正弦波状電圧の位相と前記位置信号の位相との位相ずれ量が増大することを防ぐことができる。これにより、脱調を未然に防止することができ、小出力トルクのモータの使用が可能となるので低コスト化を図ることができる。
【0167】
また、本発明によると、フィードバック駆動からオープンループ駆動から切り換える際に、前記モータの回転数や前記インバータ制御手段の電圧に応じて前記正弦波状電圧の位相のずらし量やずらし方向を複数設定されているので、前記モータの回転数や前記インバータ制御手段の電圧が脱調を起こしやい状態の場合でも脱調を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態における洗濯機を示す斜視図である。
【図2】 本発明の実施形態における洗濯機を示す側面断面図である。
【図3】 本発明の実施形態における洗濯機を示す他の切断面の側面断面図である。
【図4】 本発明の実施形態における洗濯機を示す更に他の切断面の側面断面図である。
【図5】 本発明の実施形態における洗濯機の洗濯動作を示すチャート図である。
【図6】 本発明の実施形態における洗濯機の懸架状態を示す正面図である。
【図7】 本発明の実施形態における洗濯機の懸架状態を示す背面図である。
【図8】 本発明の実施形態における洗濯機の制御装置の回路ブロック図である。
【図9】 本発明の実施形態における洗濯機の副制御部の回路ブロック図である。
【図10】 ドラム内に貼り付けた重りに対する位相ずれ角度量の平均値の特性を示す図である。
【図11】 本発明の実施形態における洗濯機に設けられているモータのロータの構成を示す図である。
【図12】 本発明の実施形態における洗濯機に設けられているモータのステータの構成を示す図である。
【図13】 本発明の実施形態における洗濯機に設けられているモータに印加する電圧波形とモータから出力される位置信号を示す図である。
【図14】 本発明の実施形態における洗濯機に設けられているモータに印加する電圧波形とモータから出力される位置信号を示す図である。
【図15】 本発明の実施形態における洗濯機のモータに印加する電圧波形のずらし動作を示すフローチャート図である。
【図16】 脱水運転時のモータ回転数を示す図である。
【図17】 フィードバック駆動からオープンループ駆動に移行するときの洗濯機に設けられているモータに印加する電圧波形とモータから出力される位置信号を示す図である。
【図18】 本発明の実施形態における洗濯機のモータに印加する電圧波形の他のずらし動作を示すフローチャート図である。
【図19】 本発明の実施形態における洗濯機のモータに印加する電圧は帰依の更に他のずらし動作を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
1 本体外装部
2 制御装置
3 開閉扉
4 水槽
4a 開口部
4b 吹き出し口
4c 循環口
5 ドラム
5a 小孔
5c 開口部
5d 液体バランサ
5e 軸部
6 ベアリング
7a 第1懸架装置
7b 第2懸架装置
8a、8b ダンパー
9 モータ
9a モータケース
9b ロータ
9c ステータ
10 パッキン
10a 内周縁
11 操作パネル
12 給水パイプ
13 給水弁
14 洗剤ケース
15 給水ノズル
16 排水ダクト
17 接続ケース
17a 糸屑フィルタ
18 排水ポンプ
19 循環ダクト
20 循環ポンプ
21 動圧パイプ
22 エアートラップ
23 水位センサ
24 乾燥ユニット
25 送風ファン
26 ヒータ
27 冷却ダクト
28 緩衝材
29a、29b アングル
30a、30b アングル
50 主制御部
51 副制御部
52 ブザー
53 商用電源
54 リアクトル
55 整流回路
56a、56b コンデンサ
57 インバータ回路
58a〜59c トランジスタ
59a〜59c トランジスタ
60a〜60c ダイオード
61a〜61c ダイオード
62 ドライブ回路
63a〜63c ホールセンサ
64 マイクロコンピュータ
65 インバータ入力電圧検出手段
71 ロータコア
71A ロータコアの突極部分
71N N極であるロータコアの突極部分
71S S極であるロータコアの突極部分
72 永久磁石
72N 永久磁石のN極部
72S 永久磁石のS極部
73 ステータコア
74 巻線
Hu、Hv、Hw ロータ位置信号
P1〜P6 駆動信号

Claims (11)

  1. 洗濯用回転体を駆動させるDCブラシレスモータと、該モータの回転駆動を制御するインバータ制御手段と、前記モータのロータ位置を検出し前記モータのロータ位置に応じて前記モータ一回転当たり複数回状態が変化する位置信号を出力する位置検出手段と、を備えた洗濯機の制御装置において、
    前記洗濯用回転体を回転させて衣類を遠心脱水する脱水工程中に所定の設定周波数の正弦波状電圧を前記モータに供給しオープンループ駆動させたときに生ずる前記正弦波状電圧の位相と前記位置信号の位相との位相ずれ量を検出するとともに、
    前記位置信号の状態が変化する毎に前記位相ずれ量を調整するのではなく、前記位相ずれ量が予め設定された位相ずれ量閾値を越えた場合前記位相ずれ量を少なくする方向に予め設定されたずらし量だけ前記正弦波状電圧の波形をずらすことを特徴とする洗濯機の制御装置。
  2. 前記インバータ制御手段は、前記位相ずれ量の変動に応じて前記ずらし量を可変することを特徴とする請求項1に記載の洗濯機の制御装置。
  3. 前記インバータ制御手段は、
    商用AC電源から供給されるAC電圧と該AC電圧を整流手段によって整流したDC電圧との少なくとも一方を検出する電圧検出手段を備えるとともに、
    前記電圧検出手段によって検出された電圧が低いほど、前記位相ずれ量閾値を小さめにすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の洗濯機の制御装置。
  4. 前記インバータ制御手段は、
    商用AC電源から供給されるAC電圧と該AC電圧を整流手段によって整流したDC電圧との少なくとも一方を検出する電圧検出手段を備えるとともに、
    前記電圧検出手段によって検出された電圧が低いほど、前記ずらし量を大きめにすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の洗濯機の制御装置。
  5. 前記位相ずれ量を複数回連続して検出し、その検出された位相ずれ量の平均値をもって前記位相ずれ量閾値と比較することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の洗濯機の制御装置。
  6. 前記位相ずれ量閾値は、前記モータの回転数に応じて複数設定されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の洗濯機の制御装置。
  7. 前記位相ずれ量が前記位相ずれ量閾値を越えたときは、前記正弦波状電圧の設定周波数を更新しないことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の洗濯機の制御装置。
  8. 前記正弦波状電圧の設定周波数を更新しない状態で、予め設定された所定の期間連続して前記位相ずれ量が前記位相ずれ量閾値を越えないときは、前記正弦波状電圧の設定周波数を更新可能とすることを特徴とする請求項7に記載の洗濯機の制御装置。
  9. 前記インバータ制御手段は、
    商用AC電源から供給されるAC電圧と該AC電圧を整流手段によって整流したDC電圧との少なくとも一方を検出する電圧検出手段を備えるとともに、
    前記電圧検出手段から検出される電圧が予め設定された電圧閾値を越えたときは、前記位相ずれ量が前記位相ずれ量閾値を越えなくても前記位相ずれ量に応じた前記正弦波状電圧の波形をずらすことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の洗濯機の制御装置。
  10. 洗濯用回転体を駆動させるDCブラシレスモータと、該モータの回転駆動を制御するインバータ制御手段と、前記モータのロータ位置を検出する位置検出手段と、を備えた洗濯機の制御装置において、
    前記洗濯用回転体を回転させて衣類を遠心脱水する脱水工程中において、最初前記位置検出手段からの位置信号に同期した正弦波状電圧を前記モータに供給するフィードバック駆動し、その後所定の設定周波数の正弦波状電圧を前記モータに供給するオープンループ駆動するようになっており、
    前記フィードバック駆動から前記オープンループ駆動に切り換える直前の回転数が前記オープンループ駆動の設定回転数より大きい場合は、前記オープンループ駆動の開始時点 での前記正弦波状電圧の位相が前記フィードバック駆動の終了時点での前記正弦波状電圧の位相に対して進むように、
    前記フィードバック駆動から前記オープンループ駆動に切り換える直前の回転数が前記オープンループ駆動の設定回転数より小さい場合は、前記オープンループ駆動の開始時点での前記正弦波状電圧の位相が前記フィードバック駆動の終了時点での前記正弦波状電圧の位相に対して遅れるように、
    前記オープンループ駆動の開始時点での前記正弦波状電圧の位相を設定することを特徴とする洗濯機の制御装置。
  11. 前記インバータ制御手段は、商用AC電源から供給されるAC電圧と該AC電圧を整流手段によって整流したDC電圧との少なくとも一方を検出する電圧検出手段を備えるとともに、
    前記フィードバック駆動の終了時点での前記正弦波状電圧の位相と前記オープンループ駆動の開始時点での前記正弦波状電圧の位相との差が、前記フィードバック駆動の終了時点での前記モータの回転数または前記電圧検出手段によって検出された電圧に応じて複数設定されることを特徴とする請求項10に記載の洗濯機の制御装置。
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