JP3549828B2 - 電話機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電話機に関し、特に、エニーキーアンサー(any key answer) 機能を有する携帯電話機、PHS(Personal Handyphone Service) 等の電話機において、メール文章を作成中に着信があった際、エニーキーアンサー機能が動作するのを防止できる電話機に関する。
【0002】
【従来の技術】
殆どの携帯電話機やPHS(Personal Handyphone Service) は、着信があったときや応答保留中にあるとき、開始キーを押さなくとも、予め特定した他のキー(例えば、0〜9の数字キーを含むダイヤルキー、クリア(clear )キー、ファンクションキー、メール(mail)キー、電話帳キー等)のいずれかを押せば、直ちに通話状態に入ることができるエニーキーアンサー機能を備えている。この機能により、通話に入るための開始キーがどの場所に在るのか探すなどすることなく、直ちに応答することができる。
【0003】
また、携帯電話機やPHSはメール機能を備えた機種があり、携帯電話会社と契約をしていれば、所定長の文章を送受信することができる。このメールを行うためには、ダイヤルキー等を用い、それぞれのキーにわり当てられた文字、アルファベット、数字を所望の文章になるように入力することにより行われ、語又は文の入力に対して確定キーを操作することにより、その内容が内蔵の半導体メモリに保存される。
【0004】
図3はエニーキーアンサー機能及びメール機能を備えた従来の電話機の処理を示す。ここでは、電話機として移動電話機、具体的には携帯電話機を例にして説明する。また、図中の“S”はステップを表している。
まず、メール作成画面が選択されているか否かが判定される(S201)。メール作成画面が選択されている場合、所定時間内にメール作成画面への文字入力が有ったか否かが判定される(S202)。文字入力有りが判定された場合、その間に着信が有ったか否かが判定される(S203)。着信が有ると、それまで液晶表示器に表示されていたメール作成画面は消え、着信画面に切り替わり、電話をかけてきた相手の電話番号が表示される(S204)。ユーザーにとって通話したい相手であった場合、ユーザーは開始キーを押下する。この開始キーの押下が検出されると(S205)、回線の接続が開始され、通話可能な状態になる(S206)。
一方、S205で開始キーが押下されず、開始キー以外の特定のキーが押下されたとき(S207)、エニーキーアンサー機能が動作し、回線接続が行われ、通話状態に入る(S206)。
以上のように、従来においては、着信が有ると、それまでの処理(操作)内容にかかわらず、いずれかのキーが押下されたことをもってエニーキーアンサー機能が動作し、直ちに通話モードへ移行し、通話可能な状態になる。
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の電話機によると、エニーキーアンサー機能及びメール機能を備えた機種において、文字等の入力操作を行っているメール作成中に着信があった場合、応答したいか否かというユーザーの気持ちとは無関係に、着信時にエニーキーアンサー機能を実行するキーを押下した場合、勝手に通話状態に移行してしまう。つまり、実際には着信に応答したくなかったとしても、通話を受けるしかなかった。
エニーキーアンサー機能は、メール作成中以外のときの着信に対しては快適な機能であるが、メール作成中においては、エニーキーアンサー機能が不要な場合があり、携帯電話機等の主な使用目的がメール機能であるユーザーにとっては、不便な機能になっているのが現状である。
【0005】
したがって、本発明の目的は、メール文章を作成中に着信があったとき、開始キー以外のキー操作に対してエニーキーアンサー機能が動作しないようにした電話機を提供することにある。
【0006】
本発明は、上記の目的を達成するため、メール文の作成及びメール送信を行うメール機能、及び通話を開始するための開始キー又は予め特定したキーの操作に応じて着信に応答するエニーキーアンサー機能を有する電話機において、前記メール機能が選択されたときに前記エニーキーアンサー機能をオフにする第1の手段と、前記メール機能モード中に着信があったとき、前記開始キー以外のキーの操作により、前記着信に対して非応答の処理を実行し、前記メール機能に基づくメールの作成を可能にする第2の手段と、前記メール機能により作成したメールの送信が行われた後、前記エニーキーアンサー機能をオンにする第3の手段を備えることを特徴とする電話機を提供する。
【0007】
この構成によれば、メール機能の実行時にはエニーキーアンサー機能が自動的にオフにされ、この状態下で着信があったとき、エニーキーアンサー機能が停止しているために、通話に入れるのは開始キーを操作したときのみであり、開始キー以外のキーを操作すると着信に対して非応答の処理を実行し、メール作成を続行することができる。そして、メール送信を行った後には、ユーザーが設定を行うことなく自動的にエニーキーアンサー機能がオンになる。したがって、メール作成中にはエニーキーアンサー機能が自動的にオフになり、着信に対する応答は開始キーのみにより実行されるため、急ぎのメールの作成及び送信の作業をしたいときに誤って着信を受けることがなく、しかも非応答の操作を行う必要もない。メールの送信が終了すると、自動的にエニーキーアンサー機能がオンになるので、エニーキーアンサー機能に復帰するためのキー操作も必要がないので、キー操作の煩わしさもない。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を基に説明する。
図1は本発明の電話機を示す。ここでは、電話機として移動電話機、具体的には携帯電話機について説明する。
携帯電話機を動作させるための各種の制御を実行する制御部1には無線部2が接続され、この無線部2にはアンテナ3が接続されている。さらに、制御部1には、ダイヤルボタン、開始キー、メールキー、クリアキー、電話帳ボタン等の各種のキーを備えた入力部4、音声の入出力の処理を行う音声処理部5、液晶表示器を用いた表示部6、及び各種のオプション機器を接続するための入出力インターフェース(I/O IF)7を備えて構成されている。各回路は、電源スイッチ9を介して接続されるバッテリー8を電源として動作する。音声処理部5には、マイクロホン(マイク)51及びスピーカ52が接続され、入出力インターフェース7にはコネクタ71が接続されている。
【0009】
制御部1は、図示しないCPUを用いて構成され、携帯電話機における全体の制御を実行する制御手段11、メール作成画面が選択されたか否かを検出するメール作成モード検出手段12、メール作成画面が選択されたときにエニーキーアンサー機能をOFF(オフ)にするエニーキーアンサ自動off切り替え手段13、メール作成終了後にメール送信があったことを検出するメール送信検出手段14、メール送信後にエニーキーアンサー機能を自動でON(オン)にするエニーキーアンサ自動on切り替え手段15を備えている。
【0010】
図2は本発明の電話機の処理を示す。
以下に、図1及び図2を参照して、本発明の動作を説明する。以下の処理は図1に示した制御部1によって実行される。
まず、メニューからメール作成画面がユーザーにより選択されたことが、制御部1の制御手段11によって判定されると(S101)、エニーキーアンサ自動off切り替え手段1によってエニーキーアンサー機能が自動的にOFFにされる(S102)。この状態において、ユーザーは送信する文章を入力部4を用いてメール作成画面に入力する。メール作成が行われているか否かは所定のタイミングでチェックされる(S103)。このメール作成中に着信が有った場合(S104)、それまで表示部6の液晶表示器に表示されていたメール作成画面が消え、代わりに着信画面が表示される(S105)。この着信画面には、相手先の電話番号が発信番号通知機能によって表示されるので、この時点でユーザーは着信に応答すべきか、メール作成作業を続行すべきかを決めることができる。ここで、ユーザーが着信番号の表示を確認して通話を希望したときには、開始キーを押下する(S106)。これにより、回線接続が開始され、通話可能な状態になる(S107)。
【0011】
一方、S106で開始キーの押下無しが判定された場合、つまり、開始キー以外のキーが押下されたとき、着信に対する応答は無視され、表示部6の表示は着信画面からメール作成画面に切り替わり、この切り替わりが判定されると(S108)、着信に対する非応答の処理が実行され、さらにS104の着信で中断していたメールの作成がユーザーによって再実行可能になり、メール作成を最後まで続けることができる(S109)。メールする文章の作成が終了し、ユーザーがメニューからメール送信のモードを選択し、所定の操作を行うと、通信先へのメールの送信が開始される。このメール送信の終了の有無が、メール送信検出手段14によって判定される(S110)。メール送信が終了していれば、エニーキーアンサー自動on切り替え手段15によって、自動的にエニーキーアンサー機能がON状態にされる(S111)。以後の着信に対してエニーキーアンサー機能が有効になる。
【0012】
以上説明した本実施の形態によれば、メール作成中であれば、エニーキーアンサー機能は停止され、開始キー以外のキーであればメール作成に使用しても着信に応答することはない。そして、メール送信が終了すれば、自動的にエニーキーアンサー機能は復帰する。このように、エニーキーアンサ機能を自動切り替えできるようにしたことにより、従来の不都合が解消される。例えば、急ぎのメールを作成中に着信があったとき、文字入力したつもりがエニーキーアンサー機能を起動させる結果となり、自分の意志とは関係なく通話状態になってしまうことがあった。しかし、本発明によれば、メール作成画面を選択した時点で自動的にエニーキーアンサー機能がOFFにされ、着信に対する応答は開始キーのみにより行われるため、急ぎのメールの作成及び送信の作業の継続が、そのための設定等を行うことなく行えるようになる。
【0013】
上記説明においては、電話機として、エニーキーアンサー機能及びメール機能の搭載が最も普及している携帯電話機及びPHSの移動電話機について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、エニーキーアンサー機能及びメール機能を備えた電話機であれば、移動、固定を問わず適用可能である。例えば、自動車電話機、電話回線に接続された有線式の固定電話機にも本発明を適用することができる。
【0014】
【発明の効果】
以上より明らかなように、本発明の電話機によれば、メール機能の実行時にはエニーキーアンサー機能が第1の手段により自動的にオフにされ、その後の着信に対しては開始キーの操作のみにより応答することができ、開始キー以外のキーを操作した場合には第2の手段によって着信に対して非応答の処理を実行し、メール作成の続行を可能にし、メール送信後には第3の手段により自動的にエニーキーアンサー機能がオンになるようにしたので、メール作成中にはエニーキーアンサー機能が自動的にオフになり、着信に対する応答は開始キーのみにより実行されるため、急ぎのメールの作成及び送信の作業をしたいときに誤って着信を受けることがなく、しかも非応答の操作を行う必要もない。また、メール発信後は、自動的にエニーアンサー機能に復帰するので、キー操作の煩わしさもなくエニーアンサー機能を活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電話機を示すブロック図である。
【図2】本発明の電話機の処理を示すフローチャートである。
【図3】従来の電話機の処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 制御部
2 無線部
4 入力部
6 表示部
11 制御手段
12 メール作成モード検出手段
13 エニーキーアンサ自動off切り替え手段
14 メール送信検出手段
15 エニーキーアンサ自動on切り替え手段
Claims (3)
- メール文の作成及びメール送信を行うメール機能、及び通話を開始するための開始キー又は予め特定したキーの操作に応じて着信に応答するエニーキーアンサー機能を有する電話機において、
前記メール機能が選択されたときに前記エニーキーアンサー機能をオフにする第1の手段と、
前記メール機能モード中に着信があったとき、前記開始キーの操作に応じて通話を開始し、前記開始キー以外のキーの操作により、前記着信に対して非応答の処理を実行し、前記メール機能に基づくメールの作成を可能にする第2の手段と、
前記メール機能により作成したメールの送信が行われた後、前記エニーキーアンサー機能をオンにする第3の手段を備えることを特徴とする電話機。
【請求項2】前記第2の手段は、前記着信があったときに表示部の表示をメール作成画面から着信画面に変更し、以後、前記開始キー以外のキーの操作があったときに前記着信画面から前記メール作成画面に変更するほか、前記着信に対して非応答の処理を行うことを特徴とする請求項1記載の電話機。 - 前記電話機は、移動電話機であることを特徴とする請求項1記載の移動電話機。
- 前記移動電話機は、携帯電話機又はPHSであることを特徴とする請求項3記載の電話機。
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