JP3549810B2 - 防水施工装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物屋上面等の目的の施工面に樹脂防水材を吹き付けて防水塗膜を形成する防水施工装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、建物屋上面等の施工面に防水塗膜を形成する防水作業(塗膜防水)としては、作業員が手に持ったスプレーノズルから液状の樹脂防水材を目的の施工面に吹き付け塗布する工法が広く用いられている。前述の建物屋上面等の床面の防水では、作業員が、施工面から適当な高さに保ったノズルを適当な振りスピードで動かしつつ(往復動)、適当な足運びで移動することで、施工面に目的の厚さの防水塗膜を形成する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、建築物の耐久性向上が求められるに伴い、防水塗膜を含む防水層にも高耐久性が求められるようになってきている。しかしながら、樹脂防水材の塗布によって得られる防水塗膜並びに該防水塗膜を含む防水層を構成する材料自体の防水性能が充分であっても、施工現場の施工管理を完璧に行うことが実質的に不可能であるなどの事由により、防水層に対する長期間の品質保証を行うことができず、施主あるいは元請業者、設計業者からの要求により、防水施工業者が10年程度の保証を行うことが実情であり、それ以上の長期間(例えば30年以上)の保証を行うことは事実上困難であった。
【0004】
塗膜防水における防水層の防水性能は、防水塗膜の物性、膜厚等の各種性状によるところが大きく、防水塗膜に目的の性状が安定に得られていれば、長期間にわたって優れた防水性能を維持することができる。しかしながら、これまで、現場における施工管理を効果的に実現する技術がなく、施工管理は作業員の勘に頼っているのが実情であった。
【0005】
例えば、イソシアネート成分とポリオール成分とを現場にて混合して用いる2液型の樹脂防水材の吹き付け塗布する防水施工装置としては、イソシアネート成分およびポリオール成分を個別の供給ラインにより吹付ノズルに圧給して該吹付ノズルに内蔵の混合部にて混合したものを噴射して施工面に吹き付け塗布する構成のものが多く用いられている。この防水施工装置を用いた樹脂防水材の吹き付け塗布により目的物性の防水塗膜を得るには、イソシアネート成分とポリオール成分との混合比が重要であるが、混合比まで作業員の勘を以って管理することは困難であり、混合比は初期設定のまま施工作業中の管理が行われていないことが実状であった。
【0006】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、樹脂防水材の吹付ノズルへの供給条件(特に、混合比や供給流量)を管理することで、防水塗膜に目的物性や膜厚等の所望の性状を安定に確保し、より長期の品質保証を実現できる防水施工装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために、
請求項1にかかる発明は、樹脂防水材を防水材供給機構によって吹付ノズルに供給して、建物屋上面等の目的の施工面に吹き付け塗布することで防水塗膜を形成する防水施工装置において、
前記防水材供給機構から前記吹付ノズルに供給される前記樹脂防水材の流量の計測データに異常が検知された場合に前記防水材供給機構による前記樹脂防水材の供給を停止する指令を出力する防水材供給停止指令部と、
前記吹付ノズルに供給される前記樹脂防水材の前記流量あるいは該流量から算出されるデータを含む1以上の計測データを、走行部に搭載された吹付ノズルにより樹脂防水材を吹き付け塗布する防水塗膜形成用ロボットによる前記樹脂防水材の施工位置を示すデータに対応させて表示する施工記録をプリントアウトするプリンタを備えること特徴とする防水施工装置である。
【0008】
請求項2にかかる発明は、樹脂防水材を防水材供給機構によって吹付ノズルに供給して、建物屋上面等の目的の施工面に吹き付け塗布することで防水塗膜を形成する防水施工装置において、
前記防水材供給機構による前記吹付ノズルへの前記樹脂防水材の供給流量、温度、圧力の内の少なくとも1以上の計測データに異常が検知された場合に前記防水材供給機構による前記樹脂防水材の供給を停止する指令を出力する防水材供給停止指令部と、
前記吹付ノズルに供給される前記樹脂防水材の温度、流量、圧力の内の少なくとも前記流量あるいは該流量から算出されるデータを含む1以上の計測データを、走行部に搭載された吹付ノズルにより樹脂防水材を吹き付け塗布する防水塗膜形成用ロボットによる前記樹脂防水材の施工位置を示すデータに対応させて表示する施工記録をプリントアウトするプリンタを備えることを特徴とする防水施工装置である。
【0009】
請求項3にかかる発明は、樹脂防水材を構成するイソシアネート成分とポリオール成分とを別々の供給ラインを介して吹付ノズル内に設けられた混合部に供給して混合した後、吹付ノズルから建物屋上面等の目的の施工面に吹き付け塗布することで防水塗膜を形成する防水施工装置において、
イソシアネート成分用の供給ラインとポリオール成分用の供給ラインとの間における両成分の流量比に異常が検知された場合に前記防水材供給機構による前記樹脂防水材の供給を停止する指令を出力する防水材供給停止指令部と、
前記吹付ノズルに供給される前記樹脂防水材のイソシアネート成分とポリオール成分の流量比の計測データを、走行部に搭載された吹付ノズルにより樹脂防水材を吹き付け塗布する防水塗膜形成用ロボットによる前記樹脂防水材の施工位置を示すデータに対応させて表示する施工記録をプリントアウトするプリンタを備えることを特徴とする防水施工装置である。
【0010】
請求項4にかかる発明は、前記防水材供給機構から前記吹付ノズルに供給される前記樹脂防水材の温度、流量、圧力、累計使用量等を表示する表示部を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の防水施工装置である。
請求項5にかかる発明は、防水材供給停止指令部からの防水材供給機構の停止指令の出力に伴い、走行部に搭載された吹付ノズルにより樹脂防水材を吹き付け塗布する防水塗膜形成用ロボットに、駆動を停止する指令を出力する施工停止指令部を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の防水施工装置である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1ないし図4は、本発明の防水施工装置の一例を示すもので、この例の防水施工装置は、防水材供給機構から供給される樹脂防水材を防水塗膜形成用ロボット1(以下「ロボット1」と略称する)によって吹き付け塗布するものである。
【0012】
図1は、ロボット1を示す図であって、(a)は構造の概略を示す正断面図、(b)は構造の概略を示す平断面図である。
図1(a)、(b)において、このロボット1は、走行部2と、往復動機構5とから概略構成されている。往復動機構5によって往復動されるアーム4先端の吹付ノズル7には、防水材供給機構8によって樹脂防水材が供給される。
【0013】
前記走行部2は、モータ等の駆動装置3の駆動力で回転駆動される車輪2aによって定速走行可能になっている。この走行部2の走行方向(矢印A)後側に設けられたアーム4は、前記走行部2に搭載された往復動機構5によって、前記走行部2の走行方向Aにほぼ垂直な方向に往復動されるようになっている。このアーム4は、前記走行部2から走行方向後方へ突出されており、その突出方向先端には防水材供給機構8から供給された樹脂防水材6を噴射する吹付ノズル7が設けられている。吹付ノズル7に接続されたホース8iは、防水材供給機構8の防水材供給用の供給ラインの一部を構成するものであり、優れた可撓性を有するものであり、吹付ノズル7が往復動されても、走行部2に設けられたホース支持部2bと吹付ノズル7の間で適宜追従変形して捩れや屈曲等を生じないため、樹脂防水材6の供給を安定に継続できる。
【0014】
前記往復動機構5による吹付ノズル7の可動範囲の周囲は防水材の飛散防止用のカバー7cによって取り囲まれているから、走行部2や、施工面10以外の周囲への防水材6の無駄な付着を防止できる。前記カバー7cは織布、不織布、網状構造体等からなり、図1(a)では、走行部2から突出されたステー7dによって、吹付ノズル7の可動範囲を取り囲む蚊帳状に配置されている。前記カバーとしては、吹付ノズル7の可動範囲を取り囲む構成に限定されず、例えば、吹付ノズル7と一体に設けられたものも採用可能であるが、往復動機構5による吹付ノズル7の往復動の精度、駆動安定性、振動防止等の面から、カバーは吹付ノズル7と別体にすることが好ましい。また、前記カバー7cや、カバー7cの支持体(図1(a)ではステー7d)は、走行部2の走行に掛かるエネルギの節約、横揺れ防止等の走行安定性、方向転換の容易性等に鑑みて、出来るだけ軽量の素材からなることが好ましい。
【0015】
防水材6は、吹き付け後に硬化すると除去に手間が掛かることから、カバー7cの設置により目的の施工面10以外への防水材6飛沫の付着等を防止することで、後の除去作業等を省略あるいは軽減できる。また、カバー7cは横風対策にもなり、多少強い横風が存在する条件でも、施工面10の目的位置への防水材6の吹き付け塗布を可能にする。
【0016】
このロボット1は、例えば建物屋上面や床等の施工面10に対しては、この施工面10を走行部2が走行しつつ、前記施工面10側、すなわち下向きにした吹付ノズル7から樹脂防水材6を噴射して、施工面10に吹き付け塗装する。この時、図4(a)、(b)に示すように、往復動機構5により吹付ノズル7を往復動させながら走行部2が走行することで、走行部2の走行に伴って、該走行部2の走行方向後側に順次防水塗膜6aが形成されることとなる。また、防水材供給機構8からの防水材6の供給量が一定である場合、走行部2の走行が定速であること、吹付ノズル7の往復動が定速であることによって、目的膜厚の防水塗膜6aを容易に得ることができる。
【0017】
なお、アーム4は、その中央部が走行部2に設けられたガイド9(図1(a)、(b)参照)に支持されつつ、該ガイド9をスライドするようにして走行方向Aにほぼ垂直な方向に移動するようになっているので、往復動機構5による移動では、がたつきや傾斜等を生じること無く安定な移動が実現される。
また、前記走行部2の走行速度、前記往復動機構5による前記アーム4の移動速度は設定により可変である。走行部2の走行、往復動機構5によるアーム4の移動(往復動)は、変更後も定速であることを基本とする。
【0018】
図2は、上記防水材供給機構8の一例を示す。
図2に示す防水材供給機構8は、2種類の液状材料からなる反応硬化性の樹脂防水材6の圧送・供給に対応するものであり、ポンプ8aによって2つのタンク8b、8cから吹付ノズル7へ各材料を供給する供給ライン8d、8eを液剤個別(タンク個別)に備えている。2種類の材料は、吹付ノズル7内に設けられた混合部7aにて攪拌混合され、吹付ガス供給部8fから供給される高圧の吹付用ガスによって吹付ノズル7先端からスプレー状に噴射される。
【0019】
樹脂防水材6としては、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂等の公知のものが採用される。例えば、ウレタン樹脂では、イソシアネート基を持つ化合物(イソシアネート成分)と、アルコール、アミン等の活性水素基を持つ化合物(ポリオール成分)との反応により硬化するので、供給配管8d、8eによってタンク8b、8cから個別に供給した材料を吹付ノズル7の混合部7aで混合し、これを吹付用ガスによって速やかにノズル7から噴射することで吹き付け塗布される。施工面10に吹き付けられた防水材6が硬化することで、防水塗膜6aが形成される。
なお、樹脂防水材6を構成する材料に、難燃剤、光沢剤等を加えることは任意である。
また、1液からなる防水材に対応する防水材供給機構では、供給ラインは1本で済む。
【0020】
次に、往復動機構5の一例を、図1(a)、(b)、図3(a)、(b)、図4(a)を参照して説明する。
これら図において、往復動機構5は、走行部2の幅方向(走行方向に対して垂直な方向)両側に対向配置された一対のギア5a、5b間に無端条体5dを巻き掛け、この無端条体5dにアーム4を取り付けて一体的に移動できるようにした構成であり、駆動装置5c(本実施の形態ではモータ)から一方のギア5aに伝達した駆動力によって前記無端条体5dを回転駆動することで、前記無端条体5dと一体的になっているアーム4を移動する。具体的には、無端条体5dは、それぞれチェーンであり、走行部2幅方向に沿って2本平行に設けられており、アーム4は、各無端条体5dを連結するようにして設けられたアタッチメント5eに固定されている。アタッチメント5eは、本実施の形態において無端条体5dであるチェーンを構成する各連結プレート5fから突設された舌片5gにネジ等
により固定される。
【0021】
この往復動機構5による前記アーム4の可動範囲両端に存在する移動方向反転位置5h、5iに前記アーム4が到達すれば、駆動装置5aによる無端条体5dの移動方向が自動的に反転される。この反転を繰り返してアーム4を連続的に往復動させることで、従来作業員が行っていたノズルの振りと同様の動作が実現される。なお、アーム4が移動方向反転位置5h、5iに到達したことを検知する手段としては、例えば、往復動機構5の駆動装置5cとしてステッピングモータを採用して、その駆動信号でアーム4の移動量を管理することや、ギア5a、5bの回転数を監視すること等によって可能である。
【0022】
また、このロボット1では、アーム4が移動方向反転位置5h、5iあるいはその近傍(移動方向反転位置5h、5iよりも可動範囲中央部に若干に寄った位置)に到達したときに、吹付ノズル7からの樹脂防水材6の吹き付け量を減少させたり、吹き付け面積を広げる構成等を採用することがより好ましい。これにより、移動方向の反転時に生じる重ね塗りにより吹付幅(図4(b)中矢印W参照)方向両端に膜厚が厚い部分や薄い部分が形成されることを防止でき、目的膜厚の防水塗膜6aをより安定に形成できることとなり、施工精度を向上できる。但し、吹付塗装された直後の樹脂防水材6は流動性によって平坦化するため、従来作業員がノズルの振りで行っていた作業でも、重ね塗りによる膜厚の増大は問題にならない範囲に収まることが普通であるから、吹付ノズル7からの樹脂防水材6の吹き付け量を減少させたり、吹き付け面積を広げる構成等を採用することで、目的膜厚の塗膜6aがより安定かつ確実に得られ、施工精度が向上するのである。
【0023】
前述の構成の往復動機構5によって往復動される前記アーム4は、可動範囲両端の移動方向反転位置5h、5i近傍を除く部分では直線的に移動されるが、移動方向反転位置5h、5i近傍に到達するとギア5a、5b外周に沿って移動されるため、ギア5a、5bの中心軸回りに回転される。そして、アーム4先端に固定されている吹付ノズル7もアーム4と一体的に回転されて向きが変更されるため、前記吹付ノズル7からの樹脂防水材6の吹き付け方向が変化される。具体的には、図4(a)、(b)に示すように、移動方向反転位置5h、5iに到達したアーム4の向きがギア5a、5bの中心軸回りに変更されると、吹付ノズル7の吹き付け向きは、吹付幅Wの端部に向けて傾斜される。これにより、吹付ノズル7から施工面10に向けて斜めに吹き付けられる防水材6は、施工面10に対する垂直の吹き付けに比べて広い範囲に分散されることとなる。これによって、移動方向反転位置5h、5iにて吹付ノズル7の移動方向が反転された際に生じる重ね塗り部分にも、目的の膜厚あるいはそれに極めて近い膜厚が容易に得られる。なお、図示していないが、移動方向反転位置5h、5i付近では、ガイド9は、アーム4の移動軌跡に合わせて湾曲されている。
【0024】
また、目的の吹付幅Wの端部へ向けた樹脂防水材6の噴射では、吹付ノズル7を吹付幅Wの端部の真上では無く、吹付幅W中央部に寄った所に位置に配置して傾斜させるので、常に垂直下方への吹き付けにより防水塗膜6aを形成する場合に比べて、往復動機構5によるアーム4や吹付ノズル7の可動範囲を狭くすることができる。このため、走行部2の小型化が可能になり、例えば、走行部2の幅寸法を吹付幅Wよりも小さくすることも可能になる。走行部2が小型化されれば、例えば、後述する方向転換等にも有利であり、障害物が多数存在する施工現場や、防水塗膜6aを形成する領域の形状が複雑である場合であっても施工可能、施工容易となり、このロボット1の汎用性が向上する。
【0025】
前記ギア5a、5bは、吹付ノズル7からの樹脂防水材6の吹き付け方向を変化させる吹付方向変更機構として機能する。なお、吹付方向変更機構としては、これに限定されず、例えば、アーム4を傾けずノズル7のみを傾ける構成や、走行部2の走行方向前方へ向けてノズル7を傾斜させる構成等、各種構成が採用可能である。
【0026】
図1(a)、(b)に示すように、走行部2の走行方向A前側には、走行方向A前方の障害物を検知する障害物検知センサ11が設けられている。障害物検知センサ11としては、接触型、非接触型の各種センサが採用可能であるが、障害物検知時の方向転換を容易にする等の点から、例えば超音波センサ等の非接触型センサを採用することがより好ましい。
【0027】
走行部2の中央部に設けられた方向転換機構12は、例えば建物屋上の各種構造物、各種役物等の障害物13を検知した障害物検知センサ11から出力される検知信号に基づいて駆動して、前記走行部2の走行方向を方向転換する。
前記方向転換機構12は、前記障害物検知センサ11からの検知信号に基いて駆動される昇降機構12aが、走行部2下方へ支持脚12bを突出させて前記施工面10を押圧することで走行部2をリフトアップした後、前記支持脚12bの周囲に設けられたマスターギア12cに噛み合わされたピニオンギア12dを駆動装置12e(本実施の形態ではモータ)によって回転駆動して前記支持脚12b回りに転動することで、このピニオンギア12dと一体的に走行部2を前記支持脚12b回りに回転して方向転換するようになっている。マスターギア12c、ピニオンギア12d、駆動装置12eは、リフトアップした走行部2の向きを変える向き変更機構12fを構成する。
なお、図1(a)、(b)では、昇降機構12aとして、エア圧あるいは油圧により駆動されて支持脚12bの走行部2下方への出没駆動を行うシリンダ装置を例示しているが、方向転換機構12としては、この構成に限定されず、例えば、シリンダ装置の駆動力で駆動されるリンク機構を介して支持脚12bの出没動作を行う構成等、各種構成が採用可能であることは言うまでも無い。
【0028】
走行部2に搭載されている各機器、防水材供給機構8側の各機器等、このロボット1を構成する各機器の作動は、図5に示す制御部20によって制御される。なお、制御部20の設置位置は、走行部2、施工現場あるいはその近傍に設置されるタンク8b、8c近傍等、いずれであっても良い。
図5に示すように、この制御部20に設けられたCPU24(中央演算処理装置)には、ロボット1に設けられた各種センサ81、82、83、14、11(温度センサ81、流量センサ82、圧力センサ83、速度センサ14、障害物検知センサ11)や、作業員によって操作される操作盤21からの信号や指令が入力される入力部22と、ロボット1の各作動部や表示部31、プリンタ27等へ作動指令を出力する出力部23とが接続されている。さらに、図2に示すように、制御部20には、前記CPU24によって制御される施工面積算出部25や、異常判定部26が設けられている(図5中図示略)。
なお、制御部20を構成する各部の間の信号伝送や、制御部20への入力信号(各センサ81、82、83、14からのデータ伝送等)、制御部20からの出力信号(指令)の伝送電気配線を介した構成を基本とするが、例えば無線や光ファイバ、油圧等を利用したデータ伝送等も採用可能である。
【0029】
このロボット1では、走行部2および往復動機構5の駆動と、防水材供給機構8の駆動とが前記制御部20によって連動されている。すなわち、このロボット1によって得られる膜厚は、走行部2の走行速度と、往復動機構5によるアーム4の移動速度とに対する防水材供給機構8による樹脂防水材6の供給量の関係によって決まるから、例えば、予め設定しておいた防水材6供給量(流量)に対して、操作盤21(図5参照)の操作により得たい膜厚を入力することで、走行部2の走行速度と、往復動機構5によるアーム4の移動速度とが自動的に設定される構成等が採用可能である。詳細には、現場の気温、天候によって防水材6の硬化時間や供給温度等を調整する必要があるため、これらの条件に対しても、走行部2の走行速度や、往復動機構5によるアーム4の移動速度が自動的に設定されることが好ましい。
【0030】
さらに、防水材6の吹き付け塗布中の条件変動に対応して、防水材供給機構8のポンプ8aや、防水材温度調整用のヒータ(図示せず)、走行部2の走行速度、往復動機構5によるアーム4の移動速度等が調整されて、目的の膜厚が維持される構成であることがより好ましい。但し、走行部2の走行速度や往復動機構によるアーム4の移動速度は、当初設定の条件にて定速とすることを基本とし、前記条件変動が、調整の必要無い所定の許容範囲を超えたときのみ調整されるようにすることが、ロボット1の作動安定性、構成の簡略化の点で好ましい。なお、防水材6の供給流量等のデータに対する作動条件の設定は、必ずしも走行部2と往復動機構5の両方とは限らず、片方のみの場合も有り得る。
【0031】
例えば防水材供給機構8側の各センサ81、82、83から制御部20に入力された計測データ(供給側データ)に異常が発見されたり、障害物検知センサ11からの障害物13の検知信号が制御部20に入力された場合には、走行部2の走行や防水材供給機構8による樹脂防水材6の供給が自動的に停止され、樹脂防水材6の吹き付け施工(塗布)が停止される。
【0032】
各センサ81、82、83の計測データに基づく異常の有無は異常判定部26にて判定され、この判定結果に基づいて、防水材供給機構8の防水材6供給を停止させる指令が制御部20から出力され、ポンプ8aが停止されるとともに、電磁弁8g、8hが閉鎖される。このとき、制御部20は、防水材供給停止指令部として機能する。異常判定部26による異常発生の有無の判定は、温度、流量、圧力の計測データ(計測値)や、これら計測データから判明する流量比(混合比)、圧力比(混合部7aにおける主剤と硬化剤との混合比、圧力比)が、施工不良を生じない範囲で設定した許容範囲内であるかどうかを判定するものである。防水材供給停止指令部としての制御部20は、樹脂防水材6の供給停止によって、計測された温度、流量、圧力、流量比、圧力比が施工不良を生じる可能性のある値に達することを防止し、硬化不良や膜厚不足等の不具合を含む防水塗膜の形成を確実に防止する機能を果たす。これにより、正常な流量比(混合比)、混合状態の樹脂防水材によって形成された防水塗膜のみを確実に得ることができる。
防水材供給機構8からの樹脂防水材6の供給停止指令が制御部20から出力されたら、これに伴い、走行部2の走行等のロボット1の駆動を停止する指令が制御部20から出力される。このとき、制御部20は、施工停止指令部として機能する。ここで停止されるロボット1の駆動は、走行部2の走行等を含む全部であっても良いが、一部であっても良い。
【0033】
また、操作盤21から作業員が入力した停止指令や、障害物検知センサ11で検知されなかった障害物への乗り上げ、走行床(施工面10)に存在する段差や凹所へのはまり込み、走行駆動系の故障等、何等かの原因によって走行部2が停止した場合でも、この走行部2の走行停止に連動して、防水材供給機構8による樹脂防水材6の供給は停止される。例えば、タンク8b、8cの材料の残量を検知できるようにしておくと、材料が無くなったことを知らせる信号によっても、走行部2の走行や、樹脂防水材6の供給を自動的に停止することができる。
【0034】
走行部2の走行が停止されたら、これに連動して往復動機構5の駆動も自動的に停止することが好ましい。これにより、非常停止の場合の原因調査等を安全かつ速やかに行うことができる。また、走行部2の走行停止と連動して、防水材供給機構8による防水材6の供給を停止することは、防水材6の無駄な消費や、現場での防水材6の飛散等による無用な汚れ等を防止できる点で好ましい。
防水材供給機構8による樹脂防水材6の供給が停止されると、これに連動してノズル洗浄機構15が作動され、前記吹付ノズル7内に高圧ガスを送り込んで洗浄する。この動作により、ノズル7先端に残留する樹脂防水材6の硬化による詰まりが防止できる。したがって、一時中断を含む吹き付け作業であっても、防水材6の吹き付けを円滑に再開できる。吹き付け作業完了後には、アーム4から取り外したノズル7の洗浄や交換等を行うのでノズル7の詰まりの問題は生じないが、走行部2の方向転換時、非常停止時等では、吹き付け再開までにノズル7内の残留防水材6が硬化して詰まりの原因になるから、防水材供給機構8の停止と同時、あるいは、停止後速やかにノズル洗浄機構15による洗浄を行うこで、ノズル7の詰まりを効果的に防止できるのである。
【0035】
図2において、ディスプレイ31は、供給側データ等、各種データを表示する表示部として機能するものである(以下「表示部31」と称する場合がある)。このディスプレイ31である表示部の設置位置は、防水塗膜の形成の障害にならない位置であれば、どこでも良い。但し、走行部2や防水材供給機構8等の作動監視、異常が生じた際の緊急停止、復旧等を迅速に行う点では、作業員が目視確認しやすい場所であることが好ましい。また、走行部2や防水材供給機構8の作動をカメラ等で監視できるようにしておけば、施工現場から離れた所に表示部31を設置しても、詳細な現場管理を行うことが可能である。
【0036】
この表示部31では、防水材供給機構8側の各センサ81、82、83から出力された計測データ等の各種データに基づいて制御部20の制御により様々なデータが表示される。
図6は、表示部31であるディスプレイの一例を示す。
図6において、ディスプレイ31は、防水材温度表示部31a、31b、流量比表示部31c、圧力差表示部31d、施工面積表示部31e、防水材使用量表示部31f、警報ランプ31gを備えた構成になっている。防水材温度表示部31a、31bは、供給ライン8d、8e(図2参照)毎に設けられた温度センサ81にて計測された温度データに基き、供給ライン8d、8e別に防水材6の温度を表示する。
【0037】
流量比表示部31c、圧力差表示部31d、施工面積表示部31e、防水材使用量表示部31fの表示データは、いずれも、各センサ81、82、83、14から伝送された計測データに基いて制御部20等にて算出後、出力された指令によって表示される。例えば、施工面積表示部31eの表示データは、施工面積算出部25での算出データに基いて表示される。施工面積算出部25は、走行部2の車輪2aの回転数等から速度センサ14によって計測された速度データが入力される前記速度データと施工開始からの経過時間とから算出される走行部2の走行距離や、吹付ノズル7の往復動による樹脂防水材6の吹き付け範囲に基づいて、このロボット1による防水塗膜の施工面積を算出する。但し、防水材供給機構8からの防水材6の供給が停止した状態での走行では防水塗膜の形成が進行しないから、施工面積算出部25は、前記速度センサ14からのデータに加えて流量センサ82からのデータ等をも合わせて判断することで、施工面積をより正確に算出する。
【0038】
また、警報ランプ31gは、各センサ81、82、83、14から制御部20への入力信号等に基いて、樹脂防水材(主剤、硬化剤)の供給条件異常が発生が検知された際に点灯される。ディスプレイ31では、警報ランプ31gのほかに、異常検知時に警報音を発する警報音出力部等を備えることも可能である。
なお、ディスプレイの構成は、図6のものに限定されず、各種構成が採用可能であり、例えば、防水材の残量の表示部や、異常発生時にその位置を表示する表示部等を備えた構成も採用可能である。
【0039】
プリンタ27は、この防水施工装置による施工記録を記録紙29にプリントアウトするものである。プリンタ27は、具体的には、図6に示すように、ディスプレイ31に併設になっている。但し、プリンタ27の設置位置は、図6に限定されず、表示部31とは別体であっても良い。
図8は、プリンタ27からプリントアウトされた施工記録28を示す。施工記録28は、施工面積(施工完了面積。m)を示す横軸28aを採用したものであり、樹脂防水材の供給圧力、流量比(図8中「配合比」で表示)、材料使用量(樹脂防水材の累計使用量。樹脂防水材6を構成する2種類の材料の供給量の合計。図8中「リットル」で表示)を、施工面積に対応させて表示したものである。
【0040】
ロボット1は、ノズル7の往復動による一定幅で樹脂防水材6の吹き付けを進めるから、施工記録28の横軸28a(施工面積)から、樹脂防水材6の供給条件(圧力、流量比、材料使用量)を樹脂防水材6の施工位置にほぼ対応させて把握することができる。例えば、横軸28aに付された目盛よって区分けされる施工面積単位で、樹脂防水材6の供給条件を把握できる。
なお、図示していないが、施工記録28には、防水材供給機構8からの防水材6の供給が停止した状態でのロボット1の走行、方向転換等を示す表示を付しても良い。
【0041】
次に、このロボット1の防水施工動作の一例を図7を参照して説明する。
例えば建物屋上等の平場の施工では、走行部2が目的の施工領域内をジグザグに走行しながら、施工面10への防水材6を吹き付け塗装して防水塗膜6aを形成していく。走行部2の移動経路は、操作盤21からの指令入力等により設定可能であるが、建物屋上のパラペット部のように、目的の施工領域を取り囲むように延在するような障害物が存在する場合には、この障害物を障害物検知センサ11で検知する度に走行部2の走行方向を折り返すようにすることで、施工領域全体の施工面10の吹き付け塗布を行うことも可能である。
【0042】
図7に示すように、樹脂防水材6の吹き付け塗装を行いながら矢印B方向に直線的に走行する走行部2の障害物検知センサ11が障害物13を検知して検知信号が出力されると、この検知信号に基いて、まず、走行部2の走行、往復動機構5の駆動、防水材供給機構8による防水材6の供給が停止され、次いで、方向転換機構12の駆動により走行部2の走行方向が90度変更(矢印C)される。
防水材6の供給停止は、各供給ライン8d、8e(図2参照)に設けられている電磁弁8g、8hを閉塞するとともに、防水材供給機構8のポンプ8aの駆動を停止することでなされる。以降の記載においても、防水材6の供給停止は、同様の動作を指す。また、防水材6の供給停止後に、速やかにノズル洗浄機構15が自動で駆動されて、ノズル7内の残留防水材が除去される。ノズル洗浄機構15によるノズル7内の洗浄は、以降の記載においても、防水材6の供給停止に合わせて、その直後に必ず行うものとする。
【0043】
走行部2の方向転換は、まず、昇降機構12a(図1(a)参照)が駆動して走行部2をリフトアップし、次いで、向き変更機構12fが駆動して走行部2の向きを90度変更して、矢印Cとする。走行部2が矢印Cに向けられたら、再度昇降機構12aを駆動して走行部2を施工面10上へ降ろし、防水材6の吹き付け塗布、すなわち、走行部2の走行、往復動機構5の駆動、防水材供給機構8による防水材6の供給(ポンプ8aによる防水材6の圧送再開と電磁弁8g、8hの開放)を再開する。
【0044】
矢印C方向への走行部2の走行距離が防水材6の吹付幅W(約1m)に達したら、吹き付け塗布の停止後、再度、方向転換機構12の駆動により再度走行方向を90度変更し、今度は、矢印Bを丁度180度反転した方向である矢印D方向とする。走行部2の走行距離は速度センサ14からのデータに基いて制御部20にて把握できるから、走行部2の走行距離が防水材6の吹付幅Wに達すると同時に、制御部20の制御によって、吹き付け塗布の停止は自動でなされる。また、方向転換、矢印D方向への吹き付け塗布の再開も、制御部20の制御により自動で行うことができる。
【0045】
矢印D方向への走行部2の走行による吹き付け塗布も、パラペット部等の障害物の検知により、施工停止、走行部2の方向転換が自動になされる。これにより、障害物を検知する度に、走行部2が折り返すようにして方向転換され、これを繰り返すことで、結局、障害物で取り囲まれるような領域を走行部2がジグザグに走行しながら、目的の施工面10全体に防水塗膜6aを吹き付け塗布することができる。また、前記方向転換機構12による方向転換では、矢印B、C間、矢印C、D間で塗膜を連続させるので、結局、施工面10全体に目的の膜厚が安定に得られる。
【0046】
なお、パラペット部等、施工領域縁部の目安となる適切な障害物が存在しない場合は、操作盤21からの指令入力等により走行部2の移動経路等をプログラムし、このプログラムに基く制御部20の制御により吹き付け塗布を行うことも可能である。走行部2の走行距離等は、速度センサ14からのデータにより制御部20で把握できるので、これに基いて走行部2の走行移動を、操作盤21から入力された指令に基いて自動で制御することができる。
【0047】
また、施工領域縁部の目安となるパラペット部等の適切な障害物が存在する場合でも、施工領域の形状(例えば建物屋上の形状等)が複雑で、障害物の形状や配置も複雑であると、走行部2の方向転換を制御プログラムによって制御することが困難な場合があるが、このような場合は、操作盤21の操作によって直接、方向転換機構12等を運転して、方向転換等を行うようにしても良い。
【0048】
走行部2の方向転換は、施工領域内に存在する障害物を検知した場合でも自動的に行うことができる。施工領域の内部に存在する障害物は、操作盤21からの指令入力によりその位置や、障害物検知センサ11による検知時の方向転換動作等を予め制御部20に教示しておく。なお、走行部2の方向転換は、図7に示したように、矢印B、C、Dの順にて走行部2の走行方向を180度反転させることに限定されず、方向転換後の走行部2の走行方向は適宜、設定される。
【0049】
また、制御部20に教示していない障害物が障害物検知センサ11によって検知された場合は、異常が検知されたものとして、ロボット1全体の作動を停止する。すなわち、制御部20に教示していない障害物の検知とは、走行部2の進行方向前方への人の侵入や、不用意に放置された障害物の検知等が考えられるため
、この場合には、検知と同時にロボット1(特に走行部2)を緊急停止して、事故防止等を図る必要がある。緊急停止は、例えば、ディスプレイ31近傍に設けた、緊急停止ボタン(図示略)の操作等により行う。
【0050】
本実施の形態の防水施工装置によれば、ロボット1の利用によって、防水材6の吹き付けによる防水塗膜6aの形成を自動化できるので、作業員を苦渋な作業から開放するとともに、従来、作業員の勘に頼っていた施工に比べて、目的の膜厚を安定かつ確実に得ることができ、広範囲の施工であっても、施工面10全体に、所望の流量比により主剤と硬化剤とが混合された樹脂防水材により形成された所望の物性、膜厚の防水塗膜6aを安定に得ることができる。例えば、施工面10全体の施工に数日を要する場合でも、ロボット1の条件設定を変更しない限り、一定膜厚の防水塗膜6aが安定に得られる。
また、作業員は、ロボット1の駆動を監視するだけで良いので、所要人員を削減することができ、低コスト化できる。しかも、条件設定により目的膜厚が安定に得られることにより、熟練工の確保の必要が無くなるから、人員確保も容易になるといった利点がある。
【0051】
さらに、このロボット1では、表示部31での様々なデータの表示により、防水材6の供給条件、施工を完了した面積等を把握できるので、現場管理や異常の有無の監視等が容易である。図6に示すように、例えば、施工面積表示部31eに表示される施工完了面積と、使用量表示部31fに表示される防水材6の計使用量とから、施工の残り面積と防水材6の残量とを把握できるから、防水材6の補充の必要の有無、そのタイミング等を判断することができる。
【0052】
なお、本発明は、前記実施の形態に限定されず、各種変更が可能である。
例えば、防水材供給機構としては、2液型の樹脂防水材の供給に対応するものに限定されない。防水材供給機構は、供給ラインの数を変更することで、1液型の樹脂防水材あるいは3液以上からなる樹脂防水材の供給に対応することができる。2液型以外の樹脂防水材を採用する場合、防水材供給機構のみならず、表示部や施工記録の構成も変更されることは言うまでも無い。例えば、1液型の樹脂防水材の供給条件の表示に対応する表示部や施工記録では、2液型の樹脂防水材に対応する表示部31や施工記録28における流量比、圧力差に代えて、当該樹脂防水材の供給流量、供給圧力の表示に置き換えること等により対応できる。また、3液以上からなる樹脂防水材に対応するには、2液型の樹脂防水材に対応する表示部31や施工記録28における流量比、圧力差に代えて、樹脂防水材を構成する各材料の供給流量、供給圧力の表示に置き換えること等によって対応可能である。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の防水施工装置によれば、防水塗膜形成用ロボットによって樹脂防水材を塗布するため、防水塗膜の均一性が保証され、信頼性の高い防水施工が行われる。また、上記ロボットに供給される樹脂防水材の流量、温度、圧力、混合比などの計測データに異常が認められた場合には、不良とされる防水塗膜の形成が未然に防止され、これによっても防水施工の信頼性が向上する。
さらに、上記計測データと防水施工位置とを対応させて表示する施工記録が得られるので、各施工位置における防水塗膜の状況が把握でき、高レベルの施工管理が実施できるとともに、施工後に防水塗膜のメンテナンスなどにもこの施工記録を利用できる。
【0054】
また、計測データに異常が検知された場合に、防水材供給機構のみならず、ロボットをも駆動停止させるので、所望の供給条件を満たさないで供給された防水材による防水塗膜の形成をより確実に停止できる。また、ロボットの停止により、異常発生時の状況が保存されることで、異常発生の原因究明、原因解消後の吹き付け再開時の再開位置の設定等が容易になるといった優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の防水施工装置に適用される防水塗膜形成用ロボットの1例を示す図であって、(a)は正断面図、(b)は平断面図である。
【図2】図1の防水塗膜形成用ロボットの防水材供給機構並びに制御部の構成を示すブロック図である。
【図3】図1の防水塗膜形成用ロボットに適用される吹付方向変更機構の一例を示す図であって、(a)は吹付幅中央部を施工時のノズル向き、(b)は吹付幅端部を施工時のノズル向きを示す。
【図4】図1の防水塗膜形成用ロボットに適用される往復動機構の作用を示す図であって、(a)は前記往復動機構による吹付ノズルの移動を模式的に示した側面図、(b)は前記往復動機構で移動される吹付ノズルによる樹脂防水材の吹き付け塗布を示す平面図である。
【図5】図1の防水塗膜形成用ロボットに適用される制御部の一例を示すブロック図である。
【図6】図1の防水塗膜形成用ロボットに適用される表示部であるディスプレイ、並びに、プリンタを示す正面図である。
【図7】図1の防水塗膜形成用ロボットの方向転換動作の一例を示す平面図である。
【図8】図1の防水塗膜形成用ロボットのプリンタからプリントアウトされる施工記録の一例を示す平面図である。
【符号の説明】
1…ロボット、2…走行部、6…樹脂防水材、6a…防水塗膜、7…吹付ノズル、8…防水材供給機構、10…施工面、20…制御部(防水材供給停止指令部、施工停止指令部)、27…プリンタ、28…施工記録、31…表示部(ディスプレイ)、

Claims (5)

  1. 樹脂防水材を防水材供給機構によって吹付ノズルに供給して、建物屋上面等の目的の施工面に吹き付け塗布することで防水塗膜を形成する防水施工装置において、
    前記防水材供給機構から前記吹付ノズルに供給される前記樹脂防水材の流量の計測データに異常が検知された場合に前記防水材供給機構による前記樹脂防水材の供給を停止する指令を出力する防水材供給停止指令部
    前記吹付ノズルに供給される前記樹脂防水材の前記流量あるいは該流量から算出されるデータを含む1以上の計測データを、走行部に搭載された吹付ノズルにより樹脂防水材を吹き付け塗布する防水塗膜形成用ロボットによる前記樹脂防水材の施工位置を示すデータに対応させて表示する施工記録をプリントアウトするプリンタを備えること特徴とする防水施工装置。
  2. 樹脂防水材を防水材供給機構によって吹付ノズルに供給して、建物屋上面等の目的の施工面に吹き付け塗布することで防水塗膜を形成する防水施工装置において、
    前記防水材供給機構による前記吹付ノズルへの前記樹脂防水材の供給流量、温度、圧力の内の少なくとも1以上の計測データに異常が検知された場合に前記防水材供給機構による前記樹脂防水材の供給を停止する指令を出力する防水材供給停止指令部
    前記吹付ノズルに供給される前記樹脂防水材の温度、流量、圧力の内の少なくとも前記流量あるいは該流量から算出されるデータを含む1以上の計測データを、走行部に搭載された吹付ノズルにより樹脂防水材を吹き付け塗布する防水塗膜形成用ロボットによる前記樹脂防水材の施工位置を示すデータに対応させて表示する施工記録をプリントアウトするプリンタを備えることを特徴とする防水施工装置。
  3. 樹脂防水材を構成するイソシアネート成分とポリオール成分とを別々の供給ラインを介して吹付ノズル内に設けられた混合部に供給して混合した後、吹付ノズルから建物屋上面等の目的の施工面に吹き付け塗布することで防水塗膜を形成する防水施工装置において、
    イソシアネート成分用の供給ラインとポリオール成分用の供給ラインとの間における両成分の流量比に異常が検知された場合に前記防水材供給機構による前記樹脂防水材の供給を停止する指令を出力する防水材供給停止指令部
    前記吹付ノズルに供給される前記樹脂防水材のイソシアネート成分とポリオール成分の流量比の計測データを、走行部に搭載された吹付ノズルにより樹脂防水材を吹き付け塗布する防水塗膜形成用ロボットによる前記樹脂防水材の施工位置を示すデータに対応させて表示する施工記録をプリントアウトするプリンタを備えることを特徴とする防水施工装置。
  4. 前記防水材供給機構から前記吹付ノズルに供給される前記樹脂防水材の温度、流量、圧力、累計使用量等を表示する表示部を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の防水施工装置。
  5. 防水材供給停止指令部からの防水材供給機構の停止指令の出力に伴い、走行部に搭載された吹付ノズルにより樹脂防水材を吹き付け塗布する防水塗膜形成用ロボットに、駆動を停止する指令を出力する施工停止指令部を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の防水施工装置。
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