JP3549772B2 - 安定化電源装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、その内部を流れる負荷電流が軽負荷時または負荷の待機時に生じる電力損失を低減する安定化電源装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子機器等においては、一般に、機器内の回路や電子部品を動作させるための直流電圧を出力する安定化電源装置が設けられている。図9に、従来の安定化電源装置の一構成例を示し、図10に、従来の安定化電源装置の一回路例を示す。
【0003】
図9に示すように、従来の安定化電源装置31は、出力用素子32と制御用素子33とのマルチチップ(ここでは2チップ)構成となっている。出力用素子32はPNPトランジスタチップとして構成され、制御用素子33はバイポーラICとして構成されている。
【0004】
この安定化電源装置31において、リードフレーム34のインナーリード上には、出力用素子32が、半田35(または導電ペースト等)によって接着されており、制御用素子33が、出力用素子32に隣接するように絶縁ペースト36によって実装されている。出力用素子32は、コレクタ端子およびベース端子が、金線37・37によって制御用素子33に接続され、エミッタ端子が、金線39によってアウターリード40に電気的に接続されている。また、制御用素子33は、金線41・42によってそれぞれアウターリード43とリードフレーム34のGND端子部34aとに電気的に接続されている。
【0005】
さらに、上記のインナーリード、出力用素子32、制御用素子33、アウターリード40・43およびGND端子部34aの各端部(金線ボンディング部)は、モールド樹脂44によってモールドされて封止されている。
【0006】
図10に示すように、安定化電源装置において、出力用素子32は、PNPトランジスタTr11によって構成されており、制御用素子24内に構成される制御回路51によって制御される。制御回路51は、差動増幅器51a、基準電圧源51b、抵抗R11・R12および駆動トランジスタTr12を備えている。このような安定化電源装置31では、通常、差動増幅器51aによって、基準電圧源51bと、抵抗R11・R12によって検出された出力電圧(安定化電源装置31の出力側の電位)とが比較される。そして、その結果に応じて駆動トランジスタTr12のベース電流が制御されることにより、出力電圧が安定化するようにPNPトランジスタTr11のベース電流(Id 電流値)が調整される。
【0007】
ところで、上記のような安定化電源装置を備える電子機器等には、通常の動作状態にすぐ移行できるような待機状態を設定したり、内蔵された時計やタイマーを動作させるための待機モードを備えたものがある。待機モードは、待機状態を維持するために、通常、わずかではあるが機器内に電流を流している。
【0008】
一般に、このような待機モードを備える機器は、通常の動作状態におかれる場合より、待機モードにおかれる場合が多く、この待機状態での消費電力も累積すると大きくなる。これに対し、現在、世界的なエネルギー削減のため、このような待機時の消費電力の削減が注目されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
図8に、上記の出力用素子32(PNPトランジスタTr11)のhfe特性を示す。このhfe特性において、負荷電流Io =1Aのとき(通常動作時)のhfeは80であり、負荷電流Io =100mAのとき(低負荷時または待機時)のhfeは100である。このとき、出力用素子32のPNPトランジスタTr11に必要なベース電流Id は、負荷電流Io が1Aのときに125mAであり、負荷電流Io が100mAのときに1mAである。
【0010】
したがって、上記のような安定化電源装置が組み込まれた電子機器等においては、1mAの電流が待機時(軽負荷時(Io =100mA程度))に常に流れていることになる。このため、待機状態においては、入力電圧×Id の電力損失が生じている。このような一般的な安定化電源装置では、Id を減少させるための改善はなされておらず、待機状態における電力損失の低減が図られていなかった。
【0011】
本発明は、このような問題を解決するものであり、電子機器等の待機時の電力損失を抑制できる安定化電源装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の安定化電源装置は、負荷に供給する電流を出力する複数の出力用素子と、これらの出力用素子を制御するための制御用素子とを備えた安定化電源装置において、上記の課題を解決するために、上記出力用素子として、上記複数の出力用素子から負荷側に流れる負荷電流供給能力の異なる2つ以上の出力用素子を含んでおり、上記制御用素子が、負荷電流の値によって上記出力用素子の動作を切り替える切替手段を有し、上記複数の出力用素子がトランジスタであり、そのうちの一つが、所定値より小さい電流領域で他のトランジスタよりh fe (エミッタ接地閉路小信号順電流増幅率)が大きい第1トランジスタであり、他の一つが、所定値より小さい電流領域での第1トランジスタのh fe よりh fe が小さく、かつ上記所定値を超える電流領域でも一定のh fe を維持する第2トランジスタであることを特徴としている。
【0013】
上記の構成では、軽負荷時等の負荷電流が小さい状態では、制御用素子に設けられた切替手段によって負荷電流供給能力の低い出力用素子に動作が切り替えられる。一方、負荷電流が増大した状態では、切替手段によって負荷電流供給能力の高い出力用素子に動作が切り替えられる。これにより、この安定化電源装置が組み込まれた電子機器等では、待機状態での負荷電流を通常の動作状態での負荷電流に比べて小さく抑えることができる。
【0014】
特開平7−121252号公報には、出力段に複数のパワートランジスタが複数設けられた構成が開示されている。しかしながら、この公報に記載された発明は、出力段のトランジスタが1つであれば、そのトランジスタの設計が困難になること、および大きい設計マージンが必要とされることを課題としており、この課題に対し、出力段に設けた複数のトランジスタを全て動作させることによって設計マージンを分散化させるようにしている。
【0015】
一方、本発明に係る安定化電源装置では、前述のように、負荷電流供給能力の異なる複数の出力用素子(例えば、トランジスタ)を出力段に設け、出力側に流れる電流の値によって、その出力用素子の動作を切り替えることによって省エネルギー設計を実現することができる。上記公報に記載された安定化電源装置は、このような構成を備えていないため、省エネルギー設計を実現することができない。
【0017】
また、上記の構成では、hfeが大きい方の第1トランジスタが小電流領域で動作する一方、hfeが小さい方の第2トランジスタが所定値より大きい電流領域で動作する。例えば、図8のhfe特性に示すように、hfeが大きい(最大で1000程度)のトランジスタTr1 は、大きい負荷電流Io を供給することができないので、小電流領域での動作に適している。また、hfeが小さい(最大で100程度)のトランジスタTr2は、小電流領域から大電流領域まで負荷電流Io を供給することができるので、大電流領域での動作に適している。
【0018】
この安定化電源装置においては、上記切替手段が、負荷電流の大きさに応じて変化する出力電圧の分圧値と所定の第1基準電圧との差に基づいて上記第1トランジスタを動作させて出力電圧を安定化させる第1差動増幅器と、上記分圧値と上記第1基準電圧より低い所定の第2基準電圧との差に基づいて上記第2トランジスタを動作させて出力電圧を安定化させ、上記分圧値が上記第2基準電圧以下であるときに動作する第2差動増幅器と、上記第1トランジスタのベースに最大の電流が流れたときに上記第1差動増幅器の出力を遮断する出力遮断手段とを有していることが好ましい。
【0019】
上記の構成では、負荷電流が小さい状態では出力電圧が高くなるので、第1差動増幅器によって、この出力電圧の分圧値と第1基準電圧とに基づいて出力電圧が安定化される。このとき、上記の分圧値は、ほぼ第1基準電圧と等しくなっており、第2基準電圧より高い。このため、第2差動増幅器が動作せず、したがって第2トランジスタはオンしない。
【0020】
また、負荷電流が大きい状態では出力電圧が低くなるので、分圧値もそれに応じて低下する。そして、その分圧値が第2基準電圧以下に低下すると、第2差動増幅器が動作して、第2トランジスタを動作させる。このとき、第1差動増幅器は、低下した出力電圧を安定させるために、負荷電流供給能力の低い第1トランジスタのベース電流を増大させる。しかしながら、そのベース電流が最大値に達すると、出力遮断手段によって第1差動増幅器の出力が遮断されるので、第1トランジスタはオフ状態に移行する。
【0021】
このように、第1および第2トランジスタは、負荷電流が小さいときには負荷電流供給能力の高い第1トランジスタが動作する一方、負荷電流が大きいときには負荷電流供給能力の高い第2トランジスタが動作するように制御される。
【0022】
あるいは、上記の安定化電源装置においては、上記切替手段が、負荷電流の大きさに応じて変化する出力電圧を所定の比率で分圧した第1分圧値と所定の基準電圧との差に基づいて上記第1トランジスタを動作させて出力電圧を安定化させる第1差動増幅器と、上記第1分圧値より高く、上記出力電圧を所定の比率で分圧した第2分圧値と上記基準電圧との差に基づいて上記第2トランジスタを動作させて出力電圧を安定化させ、上記第2分圧値が上記基準電圧以下であるときに動作する第2差動増幅器と、上記第1トランジスタのベースに最大の電流が流れたときに上記第1差動増幅器の出力を遮断する出力遮断手段とを有していることが好ましい。
【0023】
上記の構成では、負荷電流が小さい状態では出力電圧が高くなるので、第1差動増幅器によって、この出力電圧の第1分圧値と基準電圧とに基づいて出力電圧が安定化される。このとき、上記の第1分圧値は、ほぼ基準電圧と等しくなっており、第2分圧値より低い。すなわち、第2分圧値が基準電圧より高くなっている。このため、第2差動増幅器が動作せず、したがって第2トランジスタはオンしない。
【0024】
また、負荷電流が大きい状態では出力電圧が低くなるので、第2分圧値もそれに応じて低下する。そして、その第2分圧値が基準電圧以下に低下すると、第2差動増幅器が動作して、第2トランジスタを動作させる。このとき、第1差動増幅器は、低下した出力電圧を安定させるために、負荷電流供給能力の低い第1トランジスタのベース電流を増大させる。しかしながら、そのベース電流が最大値に達すると、出力遮断手段によって第1差動増幅器の出力が遮断されるので、第1トランジスタはオフ状態に移行する。
【0025】
このように、第1および第2トランジスタは、負荷電流が小さいときには負荷電流供給能力の高い第1トランジスタが動作する一方、負荷電流が大きいときには負荷電流供給能力の高い第2トランジスタが動作するように制御される。
【0026】
あるいは、上記の安定化電源装置においては、上記切替手段が、負荷電流の大きさに応じて変化する出力電圧の分圧値と所定の基準電圧との差に基づいて上記第1トランジスタを動作させて出力電圧を安定化させる第1差動増幅器と、上記分圧値と上記基準電圧との差に基づいて上記第2トランジスタを動作させて出力電圧を安定化させる第2差動増幅器と、軽負荷時に上記第1トランジスタのベースに流れる電流が所定値以下であるときに上記第2差動増幅器の出力を遮断する出力遮断手段とを有していることが好ましい。
【0027】
上記の構成では、第1および第2差動増幅器によって、出力電圧の分圧値と第1基準電圧とに基づいて出力電圧が安定化される。ところが、負荷電流が小さい状態では、第1トランジスタのhfeが大きいために、第1トランジスタのベースを流れる電流が小さい(所定値以下)。このため、出力遮断手段によって、第2差動増幅器の出力が遮断されるので、第2トランジスタはオフしている。
【0028】
また、負荷電流が大きい状態では出力電圧が低くなるので、第1差動増幅器が第1トランジスタのベース電流を増大させる。しかしながら、そのベース電流が所定値を越えると、出力遮断手段による第2差動増幅器の出力の遮断が解除され、第2トランジスタはオン状態に移行する。
【0029】
このように、第1および第2トランジスタは、少なくとも負荷電流が小さいときには、同時にオンしないように動作が制御される。
【0030】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について図1ないし図4に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0031】
図2に示すように、本発明の一実施の形態に係る安定化電源装置1は、出力用素子としてのPNP型トランジスタチップ(以降、トランジスタチップと称する)2・3と、制御用ICチップ4とを備えている。
【0032】
トランジスタチップ2・3は、銅板によって形成されたリードフレーム5のインナーリード5a上に、半田材6で接着されることによって実装されている。一方、制御用ICチップ4は、インナーリード5a上に、接着剤7によって絶縁状態で実装されている。
【0033】
トランジスタチップ2・3の入力端子(エミッタ端子)は、金線8・8によって後述する入力端子IN(図3参照)となるアウターリード14に接続されている。また、トランジスタチップ2のベース端子は、金線9によって制御用ICチップ4に接続され、トランジスタチップ3のベース端子および制御用ICチップ4の入力は、それぞれ金線10・10によって制御用ICチップ4に接続されている。一方、制御用ICチップ4の出力端子は、金線13によって後述する出力端子OUT(図3参照)となる出力端子部5bに接続されるとともに、金線12によって後述する接地端子GNDとなるアウターリード15に接続されている。また、トランジスタチップ2・3は、それぞれの底面に設けられたコレクタ端子が半田材6を介してリードフレーム5(出力端子部5b)に接続されている。
【0034】
上記のアウターリード14・15は、リードフレーム5と独立して設けられている。また、出力端子部5bは、リードフレーム5の一部であって、インナーリード5aからアウターリード14・15と同じ側に突出するように設けられている。さらに、上記のトランジスタチップ2・3、制御用ICチップ4、出力端子部5bの一部、アウターリード14・15の一部および金線8〜13を含めてモールド樹脂16にて封止されている。
【0035】
図1に、上記の安定化電源装置1の回路構成を示す。この安定化電源装置1は、上記のトランジスタチップ2・3としてそれぞれ形成される出力用トランジスタTr1 ・Tr2 、抵抗R1 ・R2 、切替回路21、入力端子IN、出力端子OUTおよび接地端子GNDを制御用ICチップ4内に形成される制御回路22として備えている。
【0036】
出力用トランジスタTr1 ・Tr2 は、入力端子INと出力端子OUTとの間に並列に接続され、それぞれのベースが切替回路21に接続されている。また、抵抗R1 ・R2 は、出力端子OUTと接地端子GNDとの間に直列に接続されており、これらの接続点(A点)が切替回路21に接続されている。
【0037】
出力用トランジスタTr1 は、図8に示すhfe特性に基づいて、小電流領域(上限100mA程度)でhfe≒1000程度であるトランジスタが用いられる。一方、出力用トランジスタTr2 は、hfeが小さく(hfe≒100程度)、かつ大電流領域(1000mA(1A)以上)までhfeが伸びる(100より低下するが)トランジスタが用いられる。
【0038】
切替回路21は、A点の電位に基づいて、出力用トランジスタTr1 ・Tr2 の動作を切り替えるようになっている。以下に、切替回路21の詳細について説明する。
【0039】
図3に示すように、切替回路21は、抵抗R1 ・R2 、差動増幅器21a・21b、基準電圧源21c・21d、駆動トランジスタTr3 ・Tr4 および過電流保護回路21eを備えている。
【0040】
差動増幅器21a・21bの反転入力端子は、ともにA点に接続され、差動増幅器21a・21bの非反転入力端子は、それぞれ基準電圧源21c・21dに接続されている。差動増幅器21a・21bの出力端子は、それぞれ駆動トランジスタTr3 ・Tr4 のベースに接続されている。駆動トランジスタTr3 ・Tr4 のコレクタは、それぞれ出力用トランジスタTr1 ・Tr2 のベースに接続されている。駆動トランジスタTr3 ・Tr4 のエミッタおよびベースは、ともに過電流保護回路21eに接続されている。
【0041】
第1差動増幅器としての差動増幅器21aは、反転入力端子に入力されるA点の電位と、非反転入力端子に入力される第1基準電圧としての基準電圧源21cからの基準電圧Vref1とを比較して、両電圧の差に応じて駆動トランジスタTr3 を介して出力用トランジスタTr1 のベース電流(駆動電流)Id1を調整して、出力側の電位を安定化させる。第2差動増幅器としての差動増幅器21bは、反転入力端子に入力されるA点の電位と、非反転入力端子に入力される基準電圧源21dからの第2基準電圧としての基準電圧Vref2(Vref1−ΔV)とを比較して、両電圧の差に応じて駆動トランジスタTr4 を介して出力用トランジスタTr2 のベース電流(駆動電流)Id2を調整して、出力側の電位を安定化させる。また、差動増幅器21bは、A点の電位が基準電圧Vref2以下で動作し、その出力で駆動トランジスタTr4 をオンさせるようになっている。
【0042】
出力遮断手段としての過電流保護回路21eは、負荷電流Io が増大して駆動トランジスタTr3 ・Tr4 を流れる駆動電流Id1・Id2が所定の過電流検出値を超えると、差動増幅器21a・21bの出力を接地レベルに低下させることで駆動電流Id1・Id2を制限する。これによって、出力用トランジスタTr1 ・Tr2 を流れる負荷電流Io が制限される。この過電流保護回路21eは、図4に示すように、負荷電流Io が過電流保護動作領域に達すると負荷電流Io を急激に減少させる、いわゆるフの字型減流動作を行うタイプの保護回路である。
【0043】
続いて、上記のように構成される安定化電源装置1の動作について説明する。
【0044】
通常、負荷電流Io に対応した出力電圧(出力側の電位)が抵抗R2 ・R1 によって分圧され、その分圧値が差動増幅器21a・21bの反転入力端子に入力されている。差動増幅器21a・21bは、それぞれこの分圧値と基準電圧Vref1・Vref2とを比較することによって、差動増幅器21a・21bが駆動トランジスタTr3 ・Tr4 の動作を制御する。この結果、駆動トランジスタTr3 ・Tr4 が、それぞれ出力用トランジスタTr1 ・Tr2 のベースを流れる駆動電流Id1・Id2を調整することによって、出力側の電位を安定化させる。
【0045】
負荷電流Io が小電流領域の値(100mA程度以下)であるとき、出力用トランジスタTr1 のhfeが十分大きいので、出力電圧が安定しており、A点の電位も安定している。負荷電流Io が微量変化すれば、差動増幅器21aが駆動トランジスタTr3 を動作させて、出力用トランジスタTr1 のベース電流(駆動電流Id1)を制御することによって出力電圧を安定化させる。このとき、A点の電位が基準電圧Vref2の電圧よりΔV高いので、差動増幅器21bが、動作せずに駆動トランジスタTr4 をオフさせるので、出力用トランジスタTr2 がオフ状態となっている。
【0046】
負荷が大きくなるなどして負荷電流Io が増加するにつれて、出力用トランジスタTr1 のhfeが減少し(図8参照)、最終的には負荷電流Io が要求に対して十分に供給できなくなる。このため、差動増幅器21aが駆動トランジスタTr3 を最大限動作させさせることで、出力用トランジスタTr1 のベース電流を最大限流して出力電圧を安定化させようとする。しかしながら、出力用トランジスタTr1 のhfeが減少しているため、出力用トランジスタTr1 が電流を供給することができなくなり、出力電圧が低下しはじめる。出力電圧が低下すると、A点の電位も低下する。そして、A点の電位の値がVref2、すなわちVref1−ΔVに達すると、差動増幅器21bが動作しはじめる。これによって、駆動トランジスタTr4 がオンして出力用トランジスタTr2 のベース電流(駆動電流Id2)を流すので、出力用トランジスタTr2 が動作する。
【0047】
この結果、図4に示すように、出力側に高出力電流が供給されることになり、出力側の電圧も安定化する。また、この状態では、差動増幅器21aが出力電圧を上昇させようとして、駆動トランジスタTr3 に最大電流供給能力までベース電流Id1を流させるので、この電流値が過電流検出値を越えて過電流保護回路21eが動作する。これにより、駆動トランジスタTr3 は、ベース電位が接地レベルに低下するので、オフ状態に移行して、出力用トランジスタTr1 もオフする。
【0048】
従来の安定化電源装置においては、前述のように、1つの出力用素子(図9参照)を用いて制御していたため、この安定化電源装置を備えた機器が待機状態にある場合、負荷電流Io が100mA程度のとき、上記の出力用素子を制御するベース電流Id が1mA必要であった。これに対し、本実施の形態の安定化電源装置1では、上記のように電流が小さいときには、出力用トランジスタTr1 のみを動作させるので、駆動電流Id1は0.1mAあればよい。したがって、本安定化電源装置1が組み込まれた機器が、待機時に損失する電力を従来の1/10に低減することができる。
【0049】
また、本実施の形態では、基準電圧Vref1と基準電圧Vref2との間にΔVの差が設けられ、A点の電位が基準電圧Vref2(Vref1−ΔV)より高いときに差動増幅器21bが動作せずに駆動トランジスタTr4 がオフし、A点の電位が基準電圧Vref2以下であるときに差動増幅器21bが動作して駆動トランジスタTr4 がオンするように構成されている。また、本実施の形態では、負荷電流Io が大きくなるのに伴って、ベース電流Id1が過電流検出値まで増大すると、過電流保護回路21eが動作して、出力用トランジスタTr1 の動作を停止させるようになっている。
【0050】
これにより、負荷電流Io が小電流領域の値であるときにhfeが十分大きい出力用トランジスタTr1 によって出力電圧が安定して、A点の電位が基準電圧Vref1となったときに出力用トランジスタTr2 がオフ状態となる一方、負荷電流Io が大きくなったときに出力用トランジスタTr1 がオフ状態となる代わりに出力用トランジスタTr2 がオン状態となる。このように、出力用トランジスタTr1 ・Tr2 の動作切替を円滑に行うことができる。
【0051】
なお、差動増幅器21a・21bの動作の切り替えによって出力電圧が若干変動するが、この変動値は必要とされる出力電圧精度内に収まる。
【0052】
また、本実施の形態において、図1に示すように、出力用トランジスタTr1 は、制御用ICチップ4と独立して形成されているが、このような形態に限らず、制御用ICチップ4に組み込まれていてもよく、またその逆に、出力用トランジスタTr1 に制御用ICチップ4が組み込まれていてもよい。これは、本実施の形態だけでなく、後述する他の実施の形態についても同様に適用される。
【0053】
〔実施の形態2〕
本発明の実施の他の形態について図5および図6に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において、実施の形態1における構成要素と同等の機能を有する構成要素については、同一の符号を付記してその説明を省略する。
【0054】
図5に示すように、本実施の形態に係る安定化電源装置1において、切替回路21は、前述の実施の形態1における切替回路21における、基準電圧源21c・21d(図3参照)の代わりに基準電圧源21fを備え、抵抗R2 の代わりに抵抗R3 ・R4 を備えている。
【0055】
基準電圧源21fは、基準電圧Vref を差動増幅器21a・21bの非反転入力端子に与えている。また、抵抗R1 に直列接続される抵抗R3 ・R4 を設けて、出力電圧(B点の電圧)を抵抗R1 ・R3 ・R4 で分圧することによって、A点の電位より高いC点(抵抗R3 ・R4 の接続点)の電圧が差動増幅器21bの反転入力端子に与えられる。抵抗R1 ・R3 ・R4 の分圧比は、A点とC点との電位差が前述のΔVとなるように設定されている。
【0056】
本実施の形態における差動増幅器21aは、反転入力端子に入力されるA点の電位と、非反転入力端子に入力される基準電圧Vref とを比較して、両電圧の差に応じて駆動トランジスタTr3 を介して出力用トランジスタTr1 のベース電流(駆動電流)Id1を調整して、出力側の電位を安定化させる。一方、本実施の形態における差動増幅器21bは、反転入力端子に入力されるC点の電位と、非反転入力端子に入力される基準電圧Vref とを比較して、両電圧の差に応じて駆動トランジスタTr4 を介して出力用トランジスタTr2 のベース電流(駆動電流)Id2を調整して、出力側の電位を安定化させる。また、差動増幅器21bは、C点の電位が基準電圧Vref 以下で動作し、その出力で駆動トランジスタTr4 をオンさせるようになっている。
【0057】
上記のように構成される安定化電源装置1では、負荷電流Io が小電流値(100mA程度)であるとき、出力用トランジスタTr1 のhfeが十分大きく、B点の電位(出力電圧)が図6に示すようにVo1に安定しており、C点の電位(第1分圧値)が基準電圧Vref より高くなっている。このため、負荷電流Io が微量変化すれば、差動増幅器21aが駆動トランジスタTr3 を動作させて、出力用トランジスタTr1 のベース電流Id1を制御することによって出力電圧を安定化させる。この結果、A点の電位が基準電圧Vref にほぼ等しくなる。
【0058】
このとき、C点の電位(第2分圧値)が基準電圧Vref よりさらにΔV高いので、差動増幅器21bは、動作せずに駆動トランジスタTr4 をオフさせる。したがって、出力用トランジスタTr2 はオフ状態となっている。
【0059】
一方、負荷電流Io が増加するにつれて、出力用トランジスタTr1 のhfeが減少し(図8参照)、最終的には負荷電流Io が十分に供給できなくなる。このため、出力電圧が(B点の電位がVo1からVo2)に低下して差動増幅器21aでは出力電圧を十分安定させることができなくなる。出力電圧の低下に伴ってC点の電位も低下することで、C点の電位がVref に達すると、差動増幅器21bが動作しはじめる。これによって、駆動トランジスタTr4 がオンして出力用トランジスタTr2 のベース電流(駆動電流Id2)を流すので、出力用トランジスタTr2 がオンする。その結果、図6に示すように、出力側に高出力電流が供給されることになり、出力側の電圧も安定化する。
【0060】
このとき、差動増幅器21aが出力電圧を上昇させようとして、駆動トランジスタTr3 に最大電流供給能力までベース電流Id1を流させるので、過電流保護回路21eが動作する。これにより、駆動トランジスタTr3 は、ベース電位が接地レベルに低下して、出力用トランジスタTr1 もオフする。
【0061】
本実施の形態の安定化電源装置1は、実施の形態1の安定化電源装置1と異なり、差動増幅器21a・21bに同じ基準電圧Vref を与える一方、比較される電圧を差動増幅器21a・21bとでそれぞれ異ならせている。しかしながら、両実施例の安定化電源装置1は、反転入力端子の電位(C点の電位)がVref にまで低下したときに始めて差動増幅器21bが動作するとともに、負荷電流Io が大きいときに過電流保護回路21eによって出力用トランジスタTr1 のオフさせる点で類似している。これにより、出力用トランジスタTr1 ・Tr2 の動作切替を円滑に行うことができる。
【0062】
したがって、本実施の形態の安定化電源装置1でも、負荷電流Io が小さいときには、出力用トランジスタTr1 のみを動作させて駆動電流Id1を小さい値に抑えることによって、本安定化電源装置1が組み込まれた機器が、待機時に損失する電力を大幅に低減することができる。
【0063】
なお、差動増幅器21a・21bの動作の切り替えによって出力電圧が若干変動するが、この変動値が必要とされる出力電圧精度内に収まるのは実施の形態1と同様である。
【0064】
〔実施の形態3〕
本発明の実施のさらに他の形態について図7に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において、実施の形態1における構成要素と同等の機能を有する構成要素については、同一の符号を付記してその説明を省略する。
【0065】
図7に示すように、本実施の形態に係る安定化電源装置1において、切替回路21は、差動増幅器21bの代わりに差動増幅器21hを備え、さらに、PNP型のトランジスタTr5 およびベース電流検出抵抗R5 を備えている。
【0066】
ベース電流検出抵抗R5 は、トランジスタTr3 のエミッタと接地端子GNDとの間に接続されている。トランジスタTr5 のエミッタは差動増幅器21hの出力端子に接続され、コレクタは接地端子GNDに接続され、ベースは駆動トランジスタTr3 のエミッタに接続されている。
【0067】
上記のように構成される安定化電源装置1においては、通常、待機状態のように負荷電流Io が小さいときには、A点の電位を検出しながら、差動増幅器21a・21hがともに出力することによって、駆動電流Id1・Id2を調整している。しかしながら、このとき、出力用トランジスタTr1 のhfeが十分に大きく、D点(駆動トランジスタTr3 のエミッタと抵抗R5 との接続点)を流れる駆動電流Id1が小さいため、トランジスタTr5 がオン状態になっている。これによって、差動増幅器21hの出力がトランジスタTr5 を介してGND端子に接続されるので、駆動トランジスタTr4 がオフ状態になる結果、出力用トランジスタTr2 もオフ状態になる。
【0068】
一方、負荷電流Io が増加するにつれて、出力用トランジスタTr1 のhfeが減少し(図8参照)、出力電圧が低下するので、A点の電位も低下する。このため、駆動電流Id1を増大させて出力電圧を安定させるように差動増幅器21aの出力が増大するが、これによって駆動電流Id1が増大するにつれてB点の電位が高くなると、やがてトランジスタTr5 がオフ状態に移行する。これによって、駆動トランジスタTr4 がオン状態となって出力用トランジスタTr2 をオンさせる。この結果、出力用トランジスタTr2 が負荷電流Io の供給を行って出力を安定化させる。
【0069】
このように、本実施の形態でも、差動増幅器21a・21hを用いて出力用トランジスタTr1 ・Tr2 の動作を切り替えるようにしている。それゆえ、前述の実施の形態1および2と同様に、電流が小さいときには、出力用トランジスタTr1 のみを動作させて負荷電流Io を小さい値に抑えることによって、本安定化電源装置1が組み込まれた機器が、待機時に損失する電力を大幅に低減することができる。
【0070】
また、本実施の形態では、出力用トランジスタTr1 のベース電流を検出するベース電流検出抵抗R5 によって、待機時のように負荷電流Io が小さいときに出力用トランジスタTr1 ・Tr2 が同時に動作しないように、出力用トランジスタTr2 の動作を制限している。これにより、出力用トランジスタTr1 ・Tr2 の切替動作を円滑に行うことができる。
【0071】
なお、差動増幅器21a・21hの動作の切り替えによって出力電圧が若干変動するが、この変動値が必要とされる出力電圧精度内に収まるのは実施の形態1と同様である。
【0072】
また、本実施の形態を含む全ての実施の形態では、2つの出力用素子を備えた構成について説明したが、本発明は、それに限らず3つ以上の出力用素子を備えた構成にも適用できることは勿論である。
【0073】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る安定化電源装置は、負荷に供給する電流を出力する複数の出力用素子と、これらの出力用素子を制御するための制御用素子とを備えており、上記出力用素子として、上記複数の出力用素子から負荷側に流れる負荷電流供給能力の異なる2つ以上の出力用素子を含み、上記制御用素子が、負荷電流の値によって上記出力用素子の動作を切り替える切替手段を有し、上記複数の出力用素子がトランジスタであり、そのうちの一つが、所定値より小さい電流領域で他のトランジスタよりh fe が大きい第1トランジスタであり、他の一つが、所定値より小さい電流領域での第1トランジスタのh fe よりh fe が小さく、かつ上記所定値を超える電流領域でも一定のh fe を維持する第2トランジスタである構成である。
【0074】
これにより、軽負荷時等の負荷電流が小さい状態では負荷電流供給能力の低い出力用素子に動作が切り替えられる一方、負荷電流が増大した状態では負荷電流供給能力の高い出力用素子に動作が切り替えられる。それゆえ、この安定化電源装置が組み込まれた電子機器等では、待機状態での負荷電流を通常の動作状態での負荷電流に比べて小さく抑えることができる。したがって、上記電子機器等の待機状態での電力消費を大幅に低減することができるという効果を奏する。
【0076】
また、上記の構成では、hfeが大きい方の第1トランジスタが小電流領域で動作する一方、hfeが小さい方の第2トランジスタが所定値より大きい電流領域で動作する。したがって、hfe特性の異なるトランジスタを選択することによって、本発明に係る安定化電源装置が奏する効果を容易に実現することができる。
【0077】
また、この安定化電源装置において、上記切替手段が、負荷電流の大きさに応じて変化する出力電圧の分圧値と所定の第1基準電圧との差に基づいて上記第1トランジスタを動作させて出力電圧を安定化させる第1差動増幅器と、上記分圧値と上記第1基準電圧より低い所定の第2基準電圧との差に基づいて上記第2トランジスタを動作させて出力電圧を安定化させ、上記分圧値が上記第2基準電圧以下であるときに動作する第2差動増幅器と、上記第1トランジスタのベースに最大の電流が流れたときに上記第1差動増幅器の出力を遮断する出力遮断手段とを有している構成である。
【0078】
これにより、負荷電流が小さい状態で出力電圧が高くなるとき、第1差動増幅器が動作することによって第1トランジスタがオンする一方、出力電圧の分圧値が第2基準電圧より高いために第2差動増幅器が動作しないことによって第2トランジスタがオフする。また、負荷電流が大きい状態で出力電圧が低くなるとき、分圧値が第2基準電圧以下になるために第2差動増幅器が動作することによって第2トランジスタがオンする一方、第1差動増幅器が第1トランジスタのベース電流を増大させた結果、出力遮断手段によって第1差動増幅器の出力が遮断されることによって第1トランジスタがオフする。したがって、負荷の大きさに応じて、第1トランジスタの動作と、第2トランジスタの動作とを円滑に切り替えることができるという効果を奏する。
【0079】
あるいは、上記の安定化電源装置においては、上記切替手段が、負荷電流の大きさに応じて変化する出力電圧を所定の比率で分圧した第1分圧値と所定の基準電圧との差に基づいて上記第1トランジスタを動作させて出力電圧を安定化させる第1差動増幅器と、上記第1分圧値より高く、上記出力電圧を所定の比率で分圧した第2分圧値と上記基準電圧との差に基づいて上記第2トランジスタを動作させて出力電圧を安定化させ、上記第2分圧値が上記基準電圧以下であるときに動作する第2差動増幅器と、上記第1トランジスタのベースに最大の電流が流れたときに上記第1差動増幅器の出力を遮断する出力遮断手段とを有している構成である。
【0080】
これにより、負荷電流が小さい状態で出力電圧が高くなるとき、第1差動増幅器が動作することによって第1トランジスタがオンする一方、出力電圧の第2分圧値が基準電圧より高いために第2差動増幅器が動作しないことによって第2トランジスタがオフする。また、負荷電流が大きい状態で出力電圧が低くなるとき、第2分圧値が基準電圧以下になるために第2差動増幅器が動作することによって第2トランジスタがオンする一方、第1差動増幅器が第1トランジスタのベース電流を増大させた結果、出力遮断手段によって第1差動増幅器の出力が遮断されることによって第1トランジスタがオフする。したがって、負荷の大きさに応じて、第1トランジスタの動作と、第2トランジスタの動作とを円滑に切り替えることができるという効果を奏する。
【0081】
あるいは、上記の安定化電源装置においては、上記切替手段が、負荷電流の大きさに応じて変化する出力電圧の分圧値と所定の基準電圧との差に基づいて上記第1トランジスタを動作させて出力電圧を安定化させる第1差動増幅器と、上記分圧値と上記基準電圧との差に基づいて上記第2トランジスタを動作させて出力電圧を安定化させる第2差動増幅器と、軽負荷時に上記第1トランジスタのベースに流れる電流が所定値以下であるときに上記第2差動増幅器の出力を遮断する出力遮断手段とを有している構成である。
【0082】
これにより、負荷電流が小さいときには、第1トランジスタのhfeが大きいために、第1トランジスタのベースを流れる電流が小さく、出力遮断手段によって第2差動増幅器の出力が遮断されるので、第2トランジスタはオフしている。また、負荷電流が大きいときには出力電圧の低下に伴い、第1差動増幅器によって第1トランジスタのベース電流を増大した結果、所定値を越えると、出力遮断手段による第1差動増幅器の出力の遮断が解除され、第2トランジスタがオンする。したがって、少なくとも負荷電流が小さいときには、第1および第2トランジスタ同時にオンしないように、第2トランジスタの動作を切り替えることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る安定化電源装置の概略の回路構成を示す回路図である。
【図2】上記安定化電源装置の外観を示す斜視図である。
【図3】上記安定化電源装置の具体的な構成を示す回路図である。
【図4】図3の安定化電源装置の出力電圧対出力電流特性を示すグラフである。
【図5】本発明の実施の他の形態に係る安定化電源装置の回路構成を示す回路図である。
【図6】図5の安定化電源装置の出力電圧対出力電流特性を示すグラフである。
【図7】本発明の実施のさらに他の形態に係る安定化電源装置の回路構成を示す回路図である。
【図8】負荷電流供給能力の異なる2つの出力用トランジスタのhfe特性を示すグラフである。
【図9】従来の安定化電源装置の外観を示す斜視図である。
【図10】従来の安定化電源装置の回路構成を示す回路図である。
【符号の説明】
1 安定化電源装置
2・3 PNPトランジスタチップ(出力用素子)
4 制御用ICチップ(制御用素子)
21 切替回路
21a 差動増幅器(第1差動増幅器)
21b 差動増幅器(第2差動増幅器)
21c・21d 基準電圧源
21e 過電流保護回路(出力遮断手段)
21f 基準電圧源
21h 差動増幅器(第2差動増幅器)
Tr1 ・Tr2 出力用トランジスタ
Tr5 トランジスタ(出力遮断手段)
R1 〜R4 抵抗
R5 ベース電流検出抵抗(検出手段)
Io 負荷電流
Vref1 基準電圧(第1基準電圧)
Vref2 基準電圧(第2基準電圧)
Vref 基準電圧
Claims (4)
- 負荷に供給する電流を出力する複数の出力用素子と、これらの出力用素子を制御するための制御用素子とを備えた安定化電源装置において、
上記出力用素子として、上記複数の出力用素子から負荷側に流れる負荷電流供給能力の異なる2つ以上の出力用素子を含んでおり、
上記制御用素子が、負荷電流の値によって上記出力用素子の動作を切り替える切替手段を有し、
上記複数の出力用素子がトランジスタであり、そのうちの一つが、所定値より小さい電流領域で他のトランジスタよりh fe が大きい第1トランジスタであり、他の一つが、所定値より小さい電流領域での第1トランジスタのh fe よりh fe が小さく、かつ上記所定値を超える電流領域でも一定のh fe を維持する第2トランジスタであることを特徴とする安定化電源装置。 - 上記切替手段が、負荷電流の大きさに応じて変化する出力電圧の分圧値と所定の第1基準電圧との差に基づいて上記第1トランジスタを動作させて出力電圧を安定化させる第1差動増幅器と、上記分圧値と上記第1基準電圧より低い所定の第2基準電圧との差に基づいて上記第2トランジスタを動作させて出力電圧を安定化させ、上記分圧値が上記第2基準電圧以下であるときに動作する第2差動増幅器と、上記第1トランジスタのベースに最大の電流が流れたときに上記第1差動増幅器の出力を遮断する出力遮断手段とを有していることを特徴とする請求項1に記載の安定化電源装置。
- 上記切替手段が、負荷電流の大きさに応じて変化する出力電圧を所定の比率で分圧した第1分圧値と所定の基準電圧との差に基づいて上記第1トランジスタを動作させて出力電圧を安定化させる第1差動増幅器と、上記第1分圧値より高く、上記出力電圧を所定の比率で分圧した第2分圧値と上記基準電圧との差に基づいて上記第2トランジスタを動作させて出力電圧を安定化させ、上記第2分圧値が上記基準電圧以下であるときに動作する第2差動増幅器と、上記第1トランジスタのベースに最大の電流が流れたときに上記第1差動増幅器の出力を遮断する出力遮断手段とを有していることを特徴とする請求項1に記載の安定化電源装置。
- 上記切替手段が、負荷電流の大きさに応じて変化する出力電圧の分圧値と所定の基準電圧との差に基づいて上記第1トランジスタを動作させて出力電圧を安定化させる第1差動増幅器と、上記分圧値と上記基準電圧との差に基づいて上記第2トランジスタを動作させて出力電圧を安定化させる第2差動増幅器と、軽負荷時に上記第1トランジスタのベースに流れる電流が所定値以下であるときに上記第2差動増幅器の出力を遮断する出力遮断手段とを有していることを特徴とする請求項1に記載の安定化電源装置。
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