JP3549564B2 - コンパクト容器 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、本発明は、フックピースにより蓋体の開操作を行う形態のコンパクト容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、容器本体の後壁部にヒンジ結合された蓋体を備え、さらに蓋体に前後に摺動自在にフックピースを配設し、このフックピースを押圧操作することにより蓋体を開くように構成されたコンパクト容器がある。
【0003】
この種のコンパクト容器としては、図8に示すようなものが知られている(実公平4ー51685号公報)。このコンパクト容器Bは、蓋体20の前端部内面に係合突片21が垂設され、この係合突片21の高さ方向中間部に水平方向の挿通孔22が設けられるとともに、その下端部に係合突部23が設けられ、さらに容器本体24の前壁部24aにテーパー面25aを有する凹所25が形成されるとともに、この凹所25の奥面25bに前記係合突部23に係合する突部26が設けられ、前記係合突片21の挿通孔22にフックピース27の水平板部27aが遊嵌された構成とされている。
【0004】
そして、係る構成のもと、フックピース27を後方に押圧して、当該フックピース27を前記凹所25のテーパー面25aに沿ってせり上がらせて、前記係合突部23と突部26の係合を解除して蓋体20と容器本体24とを離反させるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のコンパクト容器Bでは、フックピース27の操作板部27bの下端部と、凹部のテーパー面25aとが広い摺接面積で摺接するので、フックピース27の押圧操作時の摺動抵抗が大きく、蓋体20の開閉時のシャープなレスポンスが得られないほか、フックピース27の押圧操作時や蓋体20の閉状態において、当該フックピース27にガタツキを生じる問題があった。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、フックピースのガタツキを抑さえることができるコンパクト容器を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係るコンパクト容器は、上面に収納凹所を有する容器本体と、該容器本体の後壁部に縦回動自在にヒンジ結合される蓋体と、これら容器本体と蓋体とを閉状態から離反させるフックピースとを備えてなるコンパクト容器において、前記容器本体の前壁部に上方及び前方を臨むように開口する凹部が形成されるとともに、該凹部の奥面に前方に突出する第1係合突部が形成され、前記蓋体の自由端内面に前後方向の孔を有し下方に向けて延びる係合壁部が形成されるとともに、該係合壁部の下端部に前記第1係合突部に係合する第2係合突部が形成され、前記フックピースは、水平板部とこの水平板部の前端部から垂設された操作板部とから構成されて前記凹部内において前記孔に該水平板部が挿嵌されて支持され、かつ該水平板部には、前記孔の前方開口縁部に前方から当接する係止段部が形成されるとともに、前記水平板部から上方に傾斜して突出し、その先端が前記孔の内面に当接する弾性片部が形成され、前記凹部には前記フックピースを押圧操作したときにその操作板部の背面両端部に摺接する斜面を有する摺接突部が設けられていることを特徴としている。
【0008】
【作用】
前記請求項1に係るコンパクト容器においては、フックピースの水平板部を、蓋体内面に設けた係合壁部の孔に挿嵌させることによって、当該フックピースが蓋体へ取付けられる。そして、水平板部の弾性片部が前記孔の内面に当接して、当該水平板部が常態において略水平に支持されることにより、フックピースのガタツキが抑さえられる。また、操作板部を押圧したときに水平板部に形成された段部が孔の前方開口縁部に当接して支点となるため、押圧操作時のフックピースのガタツキが抑さえられる。さらに、蓋体を閉じた状態、すなわち、前記第1、第2の係合突部が係合した状態において、フックピースの操作板部を後方に押圧操作すると、水平板部の係止段部と前記孔の前方開口縁部との当接部を支点として当該フックピースが回動するとともに、その操作板部の背面両端部が前記容器本体の摺接突部の斜面に摺接し、操作板部がガタツキなくこれに沿ってせり上がる。そして、前記第1、第2の係合突部の係合が解除されて蓋体と容器本体とが離反される。
【0009】
【実施例】
以下、本発明の実施例を添付図面を参照して詳細に説明する。
図1ないし図5は本発明に係るコンパクト容器の一実施例を示したものであり、これらの図において、符号Aはコンパクト容器を示している。
【0010】
図2に示すように、本実施例に係るコンパクト容器Aは、上面に収納凹所1を有する容器本体2と、容器本体2の後壁部2aに縦回動自在にヒンジ結合された蓋体3と、これら容器本体2と蓋体3とを閉状態から離反させるフックピース4とを備えた構成とされている。
【0011】
図1に示すように、容器本体2の前壁部2bには上方及び前方を臨むように開口する凹部5が形成されており、この凹部5の奥面5aには前方に突出する係合突部6が形成されている。また、この凹所5の奥面5aの上端部略中央には、前方に突出する係合突部(第1係合突部)6が形成されており、この係合突部6の両側には摺接突部7が形成されている。この摺接突部7の前端部には、前傾するテーパー面(斜面)7aが形成されている。
【0012】
一方、前記蓋体3の自由端内面には所定長さを有する偏平形状の係合壁部8が一体成形されている。この係合壁部8には前後方向の孔8aが形成されており、この孔8aの内面前端部には内側に対向して突出する係止突起8bが形成されている。また、係合壁部8には、その前端部を基部として前方へ突出しさらに先端部が下方に向けて屈曲する係合片部9が形成されており、この係合片部9の先端には、前記係合突部6に係合する係合突部(第2係合突部)10が形成されている。
【0013】
図3に示すように、前記フックピース4は、水平板部4aとこの水平板部4aの前端部から垂設された操作板部4bとから構成されており、これら各板部により形成される角部4cは、その角が切り欠かれて前傾する形態とされている。また、水平板部4aの後端部には、平面視してコ字状の嵌合板部11が一体成形されており、この嵌合板部11には、その左右両側面に係止突起11aが形成されている。さらに、嵌合板部11の後端部内側には当該嵌合板部11の基端部側に向けて前上方に傾斜して突出する弾性片部12が一体成形されている。そして、当該嵌合板部11を前記孔8aに挿嵌させたときに、孔8aの内面に弾性片部12の先端部を当接させることにより、フックピース4が支持される構成とされている。さらに、嵌合板部11はその厚さが水平板部4aより薄く形成されており、その基端部には段部(係止段部)13が形成されている。この段部13は、前記嵌合板部11を孔8aに挿嵌させたときに、前記係止突起11aとともに前記係止突起8bを挟持して、当該フックピース4を確実に係止させると共に、操作板部4bを押圧したときに孔8aの前方開口縁部8cに当接して支点となるように構成されている。
【0014】
上記構成のコンパクト容器においては、図4に示すように、フックピース4の水平板部4aの後端部に設けた嵌合板部11を、蓋体3内面に設けた係合壁部8の孔8aに挿嵌させると、嵌合板部11が弾性変形してこの孔8aに無理嵌合され(図5参照)、当該フックピース4が蓋体3に取付けられる。そして、弾性片部12が孔8aの内面に当接して、フックピース4が常態において略水平に支持されることにより、そのガタツキが抑さえられる(図1参照)。また、蓋体3を閉じた状態においては、フックピース4の操作板部4bを後方に押圧操作すると、水平板部4aの前記段部13と孔8aの前方開口縁部8cとの当接部を支点として当該操作板部4bが回動するとともに、その背面両端部が前記容器本体2の摺接突部7のテーパー面7aに摺接し、操作板部4bがガタツキなくこれに沿ってせり上がる。そして、前記係合突部6、10の係合が解除されて蓋体3と容器本体2とが離反される。
【0015】
このように、本実施例に係るコンパクト容器Aによれば、フックピース4の水平板部4aの後端部に嵌合板部11を設けると共に、弾性片部12を設け、当該嵌合板部11を前記孔8a内に嵌合させたときに、この孔8aの内面に弾性片部12を当接させて、当該フックピース4を常態において略水平に支持するようにしたので、フックピース4のガタツキを確実に抑さえることができる。また、フックピース4の操作板部4bを後方に押圧操作したときに、段部13と孔8aの前方開口縁部8cとの当接部を支点として当該操作板部4bを回動させるようにしたので、フックピース4のガタツキを抑さえることができるほか、その背面両端部を容器本体2の摺接突部7のテーパー面7aに摺接させるようにしたので、押圧操作時のフックピース4のガタツキを抑さえかつシャープなレスポンスを得ることができる。
【0016】
なお、上記フックピースは、いずれも操作板部4bの背面側が突起等を有しない連続面となっているため、バック転写等による加飾に特に好適である。
【0017】
【発明の効果】
本発明に係るコンパクト容器によれば、以下の効果を奏することができる。
請求項1に記載のコンパクト容器によれば、フックピースの水平板部の後端部に嵌合板部を設けると共に、弾性片部を設け、当該嵌合板部を前記孔内に嵌合させたときに、この孔の内面に弾性片部を当接させて、前記水平板部を常態において略水平に支持するようにしたので、フックピースのガタツキを確実に抑さえることができる。また、フックピースの操作板部を後方に押圧操作したときに、水平板部の係止段部と前記孔の前方開口縁部との当接部を支点として当該操作板部を回動させるようにしたので、フックピースのガタツキを抑さえることができるほか、操作板部の背面両端部を前記容器本体の摺接突部のテーパー面に摺接させるようにしたので、押圧操作時のフックピースのガタツキを抑さえかつシャープなレスポンスを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るコンパクト容器の第1実施例の口金部の構造を示す拡大断面図である。
【図2】同コンパクト容器の全体構成を示す斜視図である。
【図3】同コンパクト容器のフックピースの構成を示す斜視図である。
【図4】同コンパクト容器の蓋体にフックピースを取付けている状態を示した斜視図である。
【図5】蓋体の内面の係合壁部を切り欠いてフックピースの嵌合状態を見た拡大断面図である。
【図6】従来のコンパクト容器を示す要部側断面図である。
【符号の説明】
1 収納凹所
2 容器本体
2a 後壁部
2b 前壁部
3 蓋体
4 フックピース
4a 水平板部
4b 操作板部
5 凹部
5a 奥面
6 係合突部(第1係合突部)
7 摺接突部
7a テーパー面(斜面)
8 係合壁部
8a 孔
10 係合突部(第2係合突部)
12 弾性片部
13 段部
Claims (1)
- 上面に収納凹所(1)を有する容器本体(2)と、該容器本体(2)の後壁部(2a)に縦回動自在にヒンジ結合される蓋体(3)と、これら容器本体(2)と蓋体(3)とを閉状態から離反させるフックピース(4)とを備えてなるコンパクト容器において、前記容器本体(2)の前壁部(2b)に上方及び前方を臨むように開口する凹部(5)が形成されるとともに、該凹部(5)の奥面(5a)に前方に突出する第1係合突部(6)が形成され、前記蓋体(3)の自由端内面に前後方向の孔(8a)を有する係合壁部(8)が形成され、該係合壁部(8)の下端部に前記第1係合突部(6)に係合する第2係合突部(10)が形成され、前記フックピース(4)は、水平板部(4a)とこの水平板部(4a)の前端部から垂設された操作板部(4b)とから構成されるとともに、前記凹部(5)内において前記孔(8a)に挿嵌されて支持され、さらに該水平板部(4a)には、前記孔(8a)の前方開口縁部(8c)に前方から当接する段部(13)が形成されるとともに、前記水平板部(4a)から上方に傾斜して突出し、その先端が前記孔(8a)の内面に当接する弾性片部(12)が形成され、前記凹部(5)には前記フックピース(4)を押圧操作したときにその操作板部(4b)の背面両端部に摺接する斜面(7a)を有する摺接突部(7)が設けられていることを特徴とするコンパクト容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP01299994A JP3549564B2 (ja) | 1994-02-04 | 1994-02-04 | コンパクト容器 |
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JP01299994A JP3549564B2 (ja) | 1994-02-04 | 1994-02-04 | コンパクト容器 |
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Family Applications (1)
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1994
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