JP3549315B2 - ポリブタジエンとエポキシ樹脂の相溶化方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エポキシ樹脂の可塑性、電気特性等を向上するのに寄与するポリブタジエンをエポキシ樹脂に相溶化させる方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、エポキシ樹脂は、IC、LSI等の封止材、積層板、接着剤、塗料用樹脂等に広く用いられているが、エポキシ樹脂では硬化、収縮及び変形に伴ない内部応力が発生し蓄積され、硬化物の剥離や亀裂が生じるという欠点を有する。
【0003】
そこで、様々な方法によりこのエポキシ樹脂中に発生する内部応力を緩和することが試されている。例えば、カルボキシル基末端のブタジエン・アクリロニトリル共重合体とエポキシ樹脂との混合系(日本接着学会誌 ,第30巻 ,第6号 , 252〜257頁(1994))、また、ポリブタジエン分子内エポキシ基変性物(デナレックスR45 EPI:商品名、長瀬産業社製)とエポキシ樹脂との混合系(デナレックス技術資料)が開示されている。
しかし、どちらの系もポリブタジエン骨格特有の分子内二重結合によるゴム弾性や疎水性骨格による耐水性が少なからず低下する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、良好な電気特性を有し、内部応力を緩和するポリブタジエンを、ポリブタジエン特有の骨格(1,2−又は1,4−結合)そのままでエポキシ樹脂に相溶化させる方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、ポリブタジエン変性物として、分子鎖の外側にビスフェノール骨格、及び分子鎖中央にポリブタジエン骨格を有する、いわゆるBAB型ブロック共重合体(A:ポリブタジエン骨格、及びB:ビスフェノール骨格と略する。)を選ぶことが有効であるという事実を見出し、本発明に至った。
【0006】
すなわち、本発明は、次の成分a1 、成分b1 及び成分c1 ;成分a2 、成分b2 及び成分c2 ;成分a1 及び成分b2 ;成分a2 及び成分b1 を反応させて得られるBAB型ブロック共重合体(A:ポリブタジエン骨格、及びB:ビスフェノール骨格)を用いることを特徴とする、成分a1 又は成分a2 中のポリブタジエン骨格をエポキシ樹脂に相溶化する方法である。
成分a1 :数平均分子量が 3000 以下であり、その分子両末端に水酸基を有するポリブタジエン。成分a2 :数平均分子量が 3000 以下であり、その分子両末端にエポキシ基を有するポリブタジエン。
成分b1 :ビスフェノールA、ビスフェノールF又はビスフェノールSのビスフェノール骨格を有し、その分子両末端に水酸基を有するビスフェノール系樹脂。成分b2 :ビスフェノールA、ビスフェノールF又はビスフェノールSのビスフェノール骨格を有し、その分子両末端にエポキシ基を有するビスフェノール系樹脂。
成分c1 :ジイソシアネート化合物。成分c2 :多官能アミン、ジカルボン酸又はグリコール類。
【0007】
【発明の実施の形態】
まず、本発明において用いるポリブタジエン(成分a;成分a1 又は成分a2 )、ビスフェノール系樹脂(成分b;成分b1 又は成分b2 )及び第三成分(成分c;成分c1 又は成分c2 )について、説明する。
【0008】
本発明におけるポリブタジエン(成分a)とは、数平均分子量 3000 以下であり、またその分子の両末端に水酸基やエポキシ基のような反応性置換基を有するものである。その具体例として、ポリブタジエンジオール(Poly bd R−15 HT:商品名、出光石油化学社製、数平均分子量 1200 ;Poly bd R−45 HT:商品名、出光石油化学社製、数平均分子量 2800 )、その分子両末端の変性誘導品(TDIプレポリマー、ジグリシジルエーテル化物、マレイン酸変性物)、ポリブタジエンジグリシジルエーテルオール(Poly bd R−15 EPT :商品名、長瀬産業社製、数平均分子量 1200 )が挙げられる。
もし、ポリブタジエンの数平均分子量が 3000 を越えると、得られるポリブタジエン変性物がBAB型ブロック共重合体であるとしても、それはマトリックスであるエポキシ樹脂とは相溶化しなくなる。また、分子の両末端に反応性置換基を有しないポリブタジエンは、ビスフェノール系樹脂と反応することができなく、ブロック共重合体は得られない。
【0009】
本発明におけるビスフェノール系樹脂(成分b)は、ビスフェノールA、ビスフェノールF又はビスフェノールSのビスフェノール骨格を有し、その分子両末端に水酸基やエポキシ基のような反応性置換基を有するものである。それらには、ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル、ビスフェノールF型ジグリシジルエーテル、ビスフェノールS型ジグリシジルエーテル;ビスフェノールA、ビスフェノールF、及びビスフェノールSから選ばれた混合型ジグリシジルエーテル;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビスフェノールAのポリオキシアルキレン変性物等が挙げられる。
【0010】
本発明における第三成分(成分c)は、上記のポリブタジエン(成分a)、及びビスフェノール系樹脂(成分b)中のビスフェノール骨格を有する分子鎖において、反応性置換基の種類により異なる化合物が選ばれる。すなわち、両者における反応性置換基が水酸基のとき、ジイソシアネート化合物、また、それらがエポキシ基のときは、多官能アミン、ジカルボン酸又はグリコール類を用いる。
【0011】
具体的には、ジイソシアネート化合物の例として、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族系ジイソシアネート;テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,6−ジイソシアネート、4,4−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3−ジ(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等の脂環式ジイソシアネート;又はこれらのジイソシアネート類の多量体が挙げられる。
【0012】
また、多官能アミンとしては、 2−エチルヘキシルアミン、イソプロパノールアミン、モノプロパノールアミン、モノブタノールアミン、モノエタノールアミン、ジエチレントリアミン、エチレンジアミン、ブチルアミン、プロピルアミン、イソホロンジアミン、テトラヒドロフルフリルアミン、キシレンジアミン、ジアミンジフェニルメタン、ジアミノスルホン、オクチルアミン、メタフェニレンジアミン、アミルアミン、ヘキシルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、トリエチレンテトラミン、テトラメチレンペンタミン、ジメチルアミノプロピルアミン、N−アミノエチルピペラジン、メタセンジアミン、ジアミノジフェニルスルホン等が挙げられる。
ジカルボン酸としては、フタル酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、セバシン酸等、グリコール類としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられる。
【0013】
次に、本発明における特徴的なポリブタジエン変性物、いわゆる、BAB型ブロック共重合体の合成法について、説明する。
上記のポリブタジエン(成分a)とビスフェノール系樹脂(成分b)、更には第三成分(成分c)からBAB型ブロック共重合体を合成するには、次の公知の方法を採ればよい。すなわち、▲1▼.成分aの両末端の置換基と、成分b中ビスフェノール骨格を有する分子鎖の置換基とを直接反応させる。▲2▼.成分aの両末端の置換基、及び成分b中ビスフェノール骨格を有する分子鎖の置換基と、成分cを反応させる。
【0014】
前者▲1▼の例としては、ポリブタジエンジオール中の水酸基1当量に対し、ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル中のエポキシ基2当量を水酸化カリウムの存在下で反応させ、分子の両末端がビスフェノールA骨格、及び分子鎖中央がポリブタジエンであるBAB型ブロック共重合体を得る。
後者▲2▼において、成分cとしてジイソシアネート化合物を用いる例では、まず、ポリブタジエンの両末端の水酸基1当量に対して、ジイソシアネート化合物中の活性イソシアネート2当量を反応させ、分子の両末端に活性イソシアネートを有するポリブタジエン変性物を得る。続いて、このポリブタジエン変性物中の活性イソシアネート1当量に対して、ビスフェノールA中の水酸基2当量を反応させることにより、分子の両末端がビスフェノールA骨格、及び分子鎖中央がポリブタジエンであるBAB型ブロック共重合体を得る。
【0015】
また、後者▲2▼において、成分cとして多官能アミンを用いる例では、まず、ポリブタジエンの両末端ジグリシジルエーテル変性物のエポキシ基1当量に対して、多官能アミン中の活性水素1当量を反応させ、ポリブタジエンの第二級アミン両末端変性物を得る。続いて、この第二級アミン中の活性水素1当量に対して、ビスフェノールAジグリシジルエーテル中のエポキシ基2当量を反応させることにより、分子の両末端がビスフェノールA骨格、及び分子鎖中央がポリブタジエンであるBAB型ブロック共重合体を得る。
【0016】
本発明において、上記のように、得られるポリブタジエン変性物の分子配列は、分子鎖の外側がビスフェノール骨格、かつ分子鎖中央がポリブタジエンであることが必須である。
ところで、ポリブタジエン変性物を合成する際に、たとえ上記と同じ反応性置換基を有する成分aと成分b、更には成分cを用い、各成分の当量比が上記と同じであるとしても、各成分を一括で反応させたり、また各成分の反応順序が上記と異なるとすれば、得られるものは、所望のBAB型ブロック共重合体ではなく、それと異なるものになる。すなわち、それらは、ポリブタジエンとビスフェノール骨格とのランダム共重合体;分子鎖の外側にポリブタジエン骨格、及び分子鎖中央にビスフェノール骨格を有する、いわゆるABA型ブロック共重合体等である。
【0017】
更に、上記のように得られるBAB型ブロック共重合体(ポリブタジエン−ビスフェノール変性物)は、マトリックスであるエポキシ樹脂と任意の組成で相溶化することができ、その相溶化物は長期間安定している。ここでいうエポキシ樹脂とは、主骨格がビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS型であるか、又は、それらのアミン、酸又はウレタンの変性物である。
一方、上記のランダム共重合体、ABA型ブロック共重合体等は、該エポキシ樹脂との相溶性が悪く、経時的にその混合物は粘度が上昇したり、相分離を生じたりする。
【0018】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明を詳細に説明する。以下において、「部」と「%」は重量基準であり、また、用いる成分cの化合物は次の略号で示す。TDI:トリレンジイソシアネート、2−EHA: 2−エチルヘキシルアミン、MA:無水マレイン酸。
【0019】
実施例1
ガラス製四つ口フラスコ(撹拌機、温度計、外部ヒーター、冷却管、凝縮器及び窒素導入管付き)中、ポリブタジエンジオール(Poly bd R−15 HT:商品名、出光石油化学社製、数平均分子量 1200 )300部(0.56 eq )にキシレン 340部を加え溶解させる。キシレンにて還流脱水後、TDI 98部(1.12 eq )を加え 65℃にて反応させ、4時間後と5時間後にそれぞれサンプリングし、イソシアナト基(%)が一定になったことを確認した後、室温まで冷却した。
次に、この溶液にビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物(ビスオール2PN:商品名、東邦化学工業社製、数平均分子量 350)200部(0.56 eq )を加え、再び 65℃にて反応させ、4時間後と5時間後にそれぞれサンプリングし、イソシアナト基(%)が0になったことを確認した後、室温まで冷却し、n−ブチルアルコール 453部を加えて希釈し、固形分45%の樹脂溶液を得た。なお、上記の成分の種類・量を表1にまとめる。
更に、この樹脂溶液の相溶性を下記の方法により評価し、その結果を表2に示す。
相溶性: 得られた樹脂溶液(ポリブタジエン変性物)とエポキシ樹脂(エピコート#1007:商品名、油化シェルエポキシ社製、エポキシ当量 1980g/eq )とを、1/9 ,5/5又は9/1(固形分重量比)で室温にて撹拌混合し、この混合物を室温にて1週間放置し、その間の3回(混合直後、1日後及び1週間後)その安定状態を目視で観察した。一方、その混合物をガラス板上に塗布し、150℃で30分間強制乾燥し、その物を目視で観察した。
【0020】
実施例2
実施例1で用いたものと同じフラスコ中、ポリブタジエンジグリシジルエーテルオール(Poly bd R15 EPT:商品名、長瀬産業社製、数平均分子量 1200 )930部(0.58 eq )にキシレン 700部を加え溶解させる。これに 2−EHA 129部(1.0 eq)を加え 100℃にて反応させ、4時間後と5時間後にそれぞれサンプリングし、粘度が一定になったことを確認した後、60℃まで冷却した。次に、この溶液にビスフェノールA型グリシジルエーテル(エピコート#828 :商品名、油化シェルエポキシ社製、エポキシ当量 190g/eq )378部(1.0 eq)を加え、再び 100℃にて反応させ、4時間後と5時間後にそれぞれサンプリングし、粘度が一定になったことを確認した後、室温まで冷却し、n−ブチルアルコール 1056部を加えて希釈し、固形分45%の樹脂溶液を得た。なお、上記の成分の種類・量を表1にまとめる。
更に、この樹脂溶液の相溶性を実施例1の後半に記載の方法により評価し、その結果を表2に示す。
【0021】
実施例3
実施例1で用いたものと同じフラスコに、ポリブタジエンジグリシジルエーテルオール(Poly bd R−15 EPT )930部(0.58 eq )とビスフェノールAの 455部(2.0 eq)を加え、175℃に昇温し、10%水酸化カリウム水溶液1部を加え、4時間反応させた後、赤外吸収分光法にてエポキシ基の消失を確認した後、室温まで冷却し、キシレン 1129部とn−ブチルアルコール 564部を加えて希釈し、固形分45%の樹脂溶液を得た。なお、上記の成分の種類・量を表1にまとめる。更に、この樹脂溶液の相溶性を実施例1の後半に記載の方法により評価し、その結果を表2に示す。
【0022】
実施例4
実施例1で用いたものと同じフラスコに、ポリブタジエンジオール(Poly bdR−15 HT)300部(0.56 eq )とMA 55部(1.12 eq )を加え 80℃にて反応させ、4時間後と5時間後にそれぞれサンプリングし、酸価が一定になったことを確認した後、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物(ビスオール2PN)200部(0.56 eq )を加え、再び 210℃にて反応させ、4時間後と5時間後にそれぞれサンプリングし、酸価が0 mg−KOH/gになったことを確認した後、室温まで冷却し、キシレン 340部とn−ブチルアルコール 453部を加えて希釈し、固形分45%の樹脂溶液を得た。なお、上記の成分の種類・量を表1にまとめる。
更に、この樹脂溶液の相溶性を実施例1の後半に記載の方法により評価し、その結果を表2に示す。
【0023】
実施例5
実施例1で用いたものと同じフラスコ中、ポリブタジエンジオール(Poly bdR−45 HT:商品名、出光石油化学社製、数平均分子量 2800 )600部(0.5 eq)にキシレン 840部を加え溶解させる。キシレンにて還流脱水後、TDI 98部(1.12 eq )を加え 65℃にて反応させ、4時間後と5時間後にそれぞれサンプリングし、イソシアナト基(%)が一定になったことを確認した後、室温まで冷却した。次に、この溶液にビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物(ビスオール20PN:商品名、東邦化学工業社製、数平均分子量 1300 )742部(0.56eq)を加え、再び 65℃にて反応させ、4時間後と5時間後にそれぞれサンプリングし、イソシアナト基(%)が0になったことを確認した後、室温まで冷却し、n−ブチルアルコール 920部を加えて希釈し、固形分45%の樹脂溶液を得た。なお、上記の成分の種類・量を表1にまとめる。
更に、この樹脂溶液の相溶性を実施例1の後半に記載の方法により評価し、その結果を表2に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
比較例1
実施例1において、ポリブタジエンジオール、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物及びTDIの3成分を一括して反応させる以外、同様な操作を行なった。すなわち、実施例1で用いたものと同じフラスコ中、ポリブタジエンジオール(Poly bd R−15 HT)300部(0.56 eq )とビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物(ビスオール2PN)200部(0.56 eq )にキシレン 340部を加え溶解させる。キシレンにて還流脱水後、TDI 98部(1.12 eq )を加え 65℃にて反応させ、4時間後と5時間後にそれぞれサンプリングし、イソシアナト基(%)が0になったことを確認した後、室温まで冷却し、n−ブチルアルコール 453部を加え希釈し、固形分45%の樹脂溶液を得た。なお、上記の成分の種類・量を表3にまとめる。
更に、この樹脂溶液の相溶性を実施例1の後半に記載の方法により評価し、その結果を表4と表5に示す。
【0027】
比較例2
実施例1において、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物にTDIを反応させ、これにポリブタジエンジオールを反応させる以外、同様な操作を行なった。すなわち、実施例1で用いたものと同じフラスコ中、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物(ビスオール2PN)100部(0.28 eq )にキシレン 340部を加え溶解させる。キシレンにて還流脱水後、TDI 98部(1.12 eq )を加え 65℃にて反応させ、4時間後と5時間後にそれぞれサンプリングし、イソシアナト基(%)が一定になったことを確認した後、室温まで冷却した。次に、この溶液にポリブタジエンジオール(Poly bd R−15 HT)300部(0.56 eq)を加え、再び 65℃にて反応させ、4時間後と5時間後にそれぞれサンプリングし、イソシアナト基(%)が0になったことを確認した後、室温まで冷却し、n−ブチルアルコール 269部を加えて希釈し、固形分45%の樹脂溶液を得た。なお、上記の成分の種類・量を表3にまとめる。
更に、この樹脂溶液の相溶性を実施例1の後半に記載の方法により評価し、その結果を表4と表5に示す。
【0028】
比較例3
実施例1で用いたものと同じフラスコ中、ポリブタジエンジオール(Poly bdR−45 HT)1344部にキシレン 812部を加え溶解させる。キシレンにて還流脱水後、TDI 98部を加え 65℃にて反応させ、4時間後と5時間後にそれぞれサンプリングし、イソシアナト基(%)が0になったことを確認した後、室温まで冷却し、ポリブタジエンジオール−TDI変性物(数平均分子量 5000 )1492部(1.12 eq )を得た。次に、この変性物にTDI 98部(1.12 eq )を加え 65℃にて反応させ、4時間後と5時間後にそれぞれサンプリングし、イソシアナト基(%)が一定になったことを確認した後、室温まで冷却した。更に、この溶液にビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物(ビスオール2PN)200部(0.56eq)を加え、再び 65℃にて反応させ、4時間後と5時間後にそれぞれサンプリングし、イソシアナト基(%)が0になったことを確認した後、室温まで冷却し、n−ブチルアルコール 1315部を加えて希釈し、固形分45%の樹脂溶液を得た。なお、上記の成分の種類・量を表3にまとめる。
更に、この樹脂溶液の相溶性を実施例1の後半に記載の方法により評価し、その結果を表4と表5に示す。
【0029】
比較例4 ,5
ポリブタジエンジオール(Poly bd R−15 HT:商品名、出光石油化学社製、数平均分子量 1200 )及びポリブタジエンジオール(Poly bd R−45 HT:商品名、出光石油化学社製、数平均分子量 2800 )について、それらの相溶性を実施例1の後半に記載の方法により評価し、その結果を表4と表5に示す。
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】
【表5】
【0033】
【発明の効果】
本発明におけるポリブタジエン骨格とビスフェノール骨格からなるBAB型ブロック共重合体は、マトリックスであるエポキシ樹脂と任意の組成で相溶化することができ、その相溶化物は長期間安定している。
したがって、良好な電気特性を有し、内部応力を緩和するポリブタジエンを含む相溶化物は、既存のエポキシ樹脂の分野、例えば、塗料用原料樹脂、接着剤、半導体封止材等に応用することができる。
Claims (3)
- 次の成分a1 、成分b1 及び成分c1 を反応させて得られるBAB型ブロック共重合体(A:ポリブタジエン骨格、及びB:ビスフェノール骨格)を用いることを特徴とする、成分a1 中のポリブタジエン骨格をエポキシ樹脂に相溶化する方法。
成分a1 : 数平均分子量が 3000 以下であり、その分子両末端に水酸基を有するポリブタジエン。
成分b1 : ビスフェノールA、ビスフェノールF又はビスフェノールSのビスフェノール骨格を有し、その分子両末端に水酸基を有するビスフェノール系樹脂。
成分c1 : ジイソシアネート化合物。 - 次の成分a2 、成分b2 及び成分c2 を反応させて得られるBAB型ブロック共重合体(A:ポリブタジエン骨格、及びB:ビスフェノール骨格)を用いることを特徴とする、成分a2 中のポリブタジエン骨格をエポキシ樹脂に相溶化する方法。
成分a2 : 数平均分子量が 3000 以下であり、その分子両末端にエポキシ基を有するポリブタジエン。
成分b2 : ビスフェノールA、ビスフェノールF又はビスフェノールSのビスフェノール骨格を有し、その分子両末端にエポキシ基を有するビスフェノール系樹脂。
成分c2 : 多官能アミン、ジカルボン酸又はグリコール類。 - 次の成分a1 及び成分b2 、又は成分a2 及び成分b1 を反応させて得られるBAB型ブロック共重合体(A:ポリブタジエン骨格、及びB:ビスフェノール骨格)を用いることを特徴とする、成分a1 又は成分a2 中のポリブタジエン骨格をエポキシ樹脂に相溶化する方法。
成分a1 : 数平均分子量が 3000 以下であり、その分子両末端に水酸基を有するポリブタジエン。
成分a2 : 数平均分子量が 3000 以下であり、その分子両末端にエポキシ基を有するポリブタジエン。
成分b1 : ビスフェノールA、ビスフェノールF又はビスフェノールSのビスフェノール骨格を有し、その分子両末端に水酸基を有するビスフェノール系樹脂。
成分b2 : ビスフェノールA、ビスフェノールF又はビスフェノールSのビスフェノール骨格を有し、その分子両末端にエポキシ基を有するビスフェノール系樹脂。
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