JP3548989B2 - 化粧品用保湿剤、及びこれを含む保湿化粧品 - Google Patents
化粧品用保湿剤、及びこれを含む保湿化粧品 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、化粧品用保湿剤、及びこれを含む保湿化粧品に関し、詳しくは、保湿作用に優れ、しかも皮膚に対する安全性が高く、かつ乳化作用等をも有する化粧品用保湿剤、及びこれを含む保湿化粧品に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
周知の通り、化粧品の有効性を引出すために種々の化粧料が配合されている。その中で、従来より、保湿性を目的に、グリセリンが前記した化粧料の1つとして広く使用されている。
【0003】
グリセリンは、安全性には問題がないものの、皮膚に塗布したとき熱感があるなど使用感に問題があった。これは、高い濃度時において顕著であった。また、保湿性も、それほど満足いくものではなかった。
【0004】
本発明の目的は、人体に安全であり、かつ保湿性が高く、使用感もよい化粧品用保湿剤、及びこれを含む保湿化粧品を提供するところにある。
【0005】
本発明者らは、前記の課題を解決するために鋭意検討した結果、アスパラギン酸とジグリセリンの縮合物が人体に安全であり、かつ保湿性が高く、使用感もよい化粧品用原料となり得ることを見出した。
【0006】
すなわち、アスパラギン酸とジグリセリンを縮合することによって得た化粧料が保湿性(保湿付与性)に優れ、また乳化性を併有し、化粧料としてより有効であり、上記目的を達成するために最適であることがわかった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の化粧品用保湿剤は、下記式(I)の構造を有するアスパラギン酸−ジグリセリン−アスパラギン酸縮合物(以下、略して「ADA縮合物」ともいう)よりなるものである。
【0008】
【化3】
。
【0009】
また、本発明の保湿化粧品は、上記式(I)の構造を有するアスパラギン酸−ジグリセリン−アスパラギン酸縮合物が配合されたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
上記した保湿剤の原料であるジグリセリン、アスパラギン酸は、いずれも容易に入手可能であり、ADA縮合物の合成方法も従来公知の方法を使用し得る。
【0011】
この物質を他の化粧品原料、例えばスクワラン、ホホバ油等の液状油、ミツロウ、セチルアルコール等の固体油、各種の活性剤、グリセリン、1,3−ブチレングリコール等の保湿剤や各種薬剤等を添加して、様々な剤形、例えばローション、クリーム、乳液、パック等の化粧品を調整することができる。
【0012】
保湿化粧料を作成する際、上記したADA縮合物の配合割合としては、0.01〜30重量%であることが好ましい。
【0013】
0.01重量%未満の場合は、充分な保湿効果が得られないという可能性があり、30重量%を超える場合は、これ以上配合しても効果が向上せず不経済を招くという可能性がある。なお、さらに好ましい範囲は0.1〜15重量%である。
【0014】
【実施例】
以下に実際の利用方法である実施例を記載するが、本発明はこの実施例によって何ら限定されるものではない。
【0015】
製造例1(ADA縮合物の製造)
還流冷却器を付けた撹拌装置にジグリセリン2.0gおよびピリジン1.1gをとり、これをドライアイスで−10℃に保ちながら臭化チオニル2.9gを滴下した。この状態(0℃以上に上がらないようにする)で30分間撹拌した後、室温にて2時間撹拌した。
【0016】
反応終了後、希塩酸で弱酸性にした。その後、エーテル抽出し、溶媒を除去し、のち凍結乾燥した。これにより、臭化物が得られた。
【0017】
−5〜−10℃に調整(塩を使用)した氷水中で、還流冷却器を付けた撹拌装置にL−アスパラギン酸0.5gと70%エタノール10mlをそれぞれとり、撹拌しながら1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン(DBN)を0.66g滴下し、その後、先に得た臭化物1.1gを滴下した。
【0018】
そのまま45分間撹拌し、その後、70℃で5時間加熱還流させた。その後、水層部のエタノールを留去し、エーテル抽出した。
【0019】
溶媒除去後減圧乾燥し、これにテトラヒドロキシフランを加えて超音波をかけて溶かし、メンブランフィルターで固形物を除去し、溶媒を除去後、凍結乾燥を行なった。これにより、ADA縮合物を得た。
【0020】
実施例1[保湿化粧品(クリーム剤)]
【表1】
上記[表1]における(A)と(B)をそれぞれ計量し、70℃まで加温した。その後、(B)に(A)を撹拌しつつ徐々に加え、のちゆっくり撹拌しながら30℃まで冷却してクレーム剤を得た。なお、表中の数値は重量部数を示す。
【0021】
実施例2[保湿化粧品(ローション)]
ローションの処方を以下に示す。
【表2】
。
【0022】
実施例3[保湿化粧品(乳液)]
乳液の処方を以下に示す。
【表3】
。
【0023】
ADA縮合物に対する保湿性試験(実験例1、及び比較実験例1、2)
上記製造例1で得たADA縮合物を、シリカゲルを入れたデシケーター中にて48時間放置し、125メッシュの網を通した。その後、凍結乾燥させた。
【0024】
この縮合物を約1.0g正確に秤取り、相対湿度75%のデシケーターに試料をシャーレに広げて放置して湿分を吸収させた。
【0025】
72時間後、相対湿度33%のデシケーター中に放置した(すなわち、乾燥状態下に放置した)。
【0026】
この乾燥状態下に放置した縮合物の重量を24時間後、72時間後、96時間後、及び144時間後に測定し、下記[数1]に示した式より増加率を求めた。結果を下記[表4]に示す。
【0027】
なお、ADA縮合物の代わりにグリセリン(比較実験例1に相当)、ジグリセリン(比較実験例2に相当)を使用したという以外は上記実験例1と同様にして保湿性試験を行なった。結果を[表4]に併記する。
【0028】
【数1】
【表4】
。
【0029】
使用テスト(官能試験)
女性8名に次のようなテストをしてもらった。すなわち、顔の左側および右側の一方を実施例用として、上記実施例1のクリームを毎日1回以上使用してもらい、また他方を比較例用として比較例用クリーム(後述)を毎日1回以上使用してもらい、1ヶ後にアンケート調査した。
【0030】
なお、比較例用クリームは、実施例1におけるADA縮合物(製造例1で得たもの)の代わりに、グリセリンを配合して製造したものである。
【0031】
アンケートにおいて、試技者の各々が、保湿性、安全性(刺激感、かぶれ等)使用感などを念頭において、下記[表5]に示す基準により判定し、8名の合計点を以て、実施例1の保湿化粧品を評価した。(24点満点[8人全員が『実施例の方が非常によい』と答えた場合])
【表5】
結果は「+21点」であった。この結果から、ほとんどの人が本発明の保湿化粧品を高く評価していることが分かった。
【0032】
【発明の効果】
本発明により、人体に安全で、かつ保湿性が高く、使用感もよい化粧品用保湿剤、及び保湿化粧品を提供することができる。
Claims (3)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20947795A JP3548989B2 (ja) | 1995-08-17 | 1995-08-17 | 化粧品用保湿剤、及びこれを含む保湿化粧品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP20947795A JP3548989B2 (ja) | 1995-08-17 | 1995-08-17 | 化粧品用保湿剤、及びこれを含む保湿化粧品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0959122A JPH0959122A (ja) | 1997-03-04 |
JP3548989B2 true JP3548989B2 (ja) | 2004-08-04 |
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ID=16573500
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP20947795A Expired - Fee Related JP3548989B2 (ja) | 1995-08-17 | 1995-08-17 | 化粧品用保湿剤、及びこれを含む保湿化粧品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3548989B2 (ja) |
-
1995
- 1995-08-17 JP JP20947795A patent/JP3548989B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0959122A (ja) | 1997-03-04 |
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