JP3991164B2 - ナツメ抽出物および胡桃抽出物を含む化粧料組成物 - Google Patents

ナツメ抽出物および胡桃抽出物を含む化粧料組成物 Download PDF

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Description

本願発明は、ナツメ抽出物および胡桃抽出物を含み、特に、角質分化促進効果と肌保湿効果に優れた化粧料組成物に関する。
外部環境から生体を保護する障壁(Barrier)として重要な役割をする肌(皮膚)は、水分の損失を妨げるために、表皮層での分化過程を経て、水分を含んだ薄い角質層を形成する。 この角質層は、外部環境と直接接触する肌の最外角層に位置しており、物理的および化学的に有害な成分の生体内への侵入を防止し、また、生体内より乾燥した外部環境下でも、生体内の水分損失を阻むと共に、角質層自らも適度の水分を保有して柔軟性を維持している。 肌の水分量は、真皮では約70%程度であるが、表皮側に移るにつれて水分量は減少し、最外角層の角質層では約10%〜約30%程度になる。 角質層に適度の水分が保持されている場合には、肌の弾力や柔軟性が維持されており、一般的に、正常な肌には約30%程度の水分や水溶性成分が含まれている。 また、健康な人の角質細胞には、高濃度の自然保湿因子(Natural Moisturing Factors, NMF)が存在しており、これが肌の水分保持を補助している。
このような機能があるにもかかわらず、肌は、過酷な外部環境、すなわち、風雨、寒冷気候、日光などの他に、洗顔、髭剃り、冬季の室内暖房、そして、汚染した大気に露出し、また、加齢が進むにつれて老化という因子が加わるなどして、肌の水分は容易に損失してしまい、肌が乾燥しやすくなるので、このような現象を阻む肌用保湿剤が待望されている。
保湿効果を示す物質は多数存在しており、また、そのような現象に対処するための研究も盛んに行われており、これまでに、角質層での水分量を増加させることのできる肌用保湿剤成分として、セラマイドなどの脂質成分、必須脂肪酸および脂質複合体などが知られている(非特許文献1を参照)。
最近になって、単純に角質層での水分量を増加させるだけではなく、基底層の角質形成細胞が最外郭の角質層の角質細胞に発達する分化過程が正常に機能する場合にのみ、肌水分保有障壁としての役割を果たすという事実が、新たに解明された。 すなわち、生理的にみて、肌の乾燥とは、角質層の脱落時間が長くなったり、表皮細胞の脂質合成能力が低下するなどして、肌角質層の保湿因子と脂質の量が減少する現象であるので、角質形成細胞の分化を促すことによって、肌の水分量維持機能を増進させることができる。 したがって、角質層での水分保持物質を、角質分化促進の役割を担う物質と共に使用することで、改善された肌保湿効果を獲得できるものと期待される。
J. Invest. Dermatol., 5, pp.731-740 (1994)
最近の漢方への関心の高まりと相俟って、人体に安全な天然生薬源から人体に有用な成分を取得するための研究も活発に行われているが、それでもなお、改善された角質分化促進効果と肌保湿効果を相乗的に奏する化粧料組成物の実現には至っていない。
本願発明者らは、上掲した従来技術で認識されていた技術課題に鑑みて、肌保湿効果を有する漢方生薬成分を鋭意研究したところ、ナツメ抽出物に肌の角質分化を促進する成分が、また、胡桃抽出物に脂質を供給する成分が含まれていることを知見するに至ったのである。 すなわち、本願発明の要旨とするところは、ナツメ抽出物および胡桃抽出物を含む化粧料組成物にある。
本願発明によると、所期の目的であった、ヒトの肌の細胞角質層の分化を促進し、なおかつ損傷された肌の障壁機能を回復させるなど、ヒトの肌の保湿力を改善および維持する効果を相乗的に奏する化粧料組成物、すなわち、肌用保湿剤の用途で好適に利用可能な化粧料組成物が実現される。
本願発明の構成を、以下に、詳細に説明する。
本願発明の化粧料組成物に用いられるナツメ抽出物は、肌の角質分化を促進する物質として用いられ、また、胡桃抽出物は、脂質を豊富に含んでおり、角質層に水分を付与する。
ナツメおよびび胡桃の抽出物は、それぞれナツメの木および胡桃の木の実から取得する。
本願発明の化粧料組成物には、ナツメ抽出物を、約0.001重量%〜約20重量%の濃度で配合することが好ましい。 これはすなわち、ナツメ抽出物の含有量が、約0.001重量%にも満たない場合には所望の肌保湿効果が得られず、また、約20重量%を超えてしまうと、肌の安全性に影響を生じかねないからである。
本願発明の化粧料組成物には、胡桃抽出物を、約0.001重量%〜約20重量%の濃度で配合することが好ましい。 これはすなわち、胡桃抽出物の含有量が、約0.001重量%にも満たない場合には所望の肌保湿効果が得られず、また、約20重量%を超えてしまうと、肌の安全性に影響を生じかねないからである。
また、本願発明の化粧料組成物でのナツメ抽出物と胡桃抽出物との構成比は、約1:約9〜約9:約1に調整する。 これはすなわち、化粧料組成物でのナツメ抽出物および胡桃抽出物のいずれか一方が他方に比べて少なすぎると、角質形成細胞の分化促進と角質層の水分付与という、肌での保湿作用に関与する二つの作用を相乗的に獲得できないことによる。 従って、ナツメ抽出物および胡桃抽出物の構成比は、少なくとも約1:約9〜約9:約1の構成比に調整しておく必要がある。
本明細書で使用する「ナツメ」の用語は、なつめの木(Zizyphus jujuba)の実を指すものであり、棗または木蜜とも称されている。 この実の表面は、さび色で楕円形であり、長さ1.5〜2.5cmにも成長して、赤く熟すと甘味を呈する。 ナツメの生実では、乾物質が20%〜49%を占めており、その内の14〜42%が果糖、ショ糖、ブドウ糖、ラムノースなどの糖で構成されている。 また、リンゴ酸、ブドウ酸、コハク酸、グリコール酸のような有機酸が0.54%〜3.4%を占めており、また、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルも豊富に含まれている。 なつめの果実は生食のみならず、ナツメ酒、ナツメ茶、ナツメ酢、ナツメ粥などを一般家庭で加工する際の食材としても利用されている。 漢方の分野では、利尿、強壮、緩和剤の生薬として使われている。 また、漢方の分野では、筋肉が緊縮する疾病や、筋肉が引き締まって疼痛を生ずる場合、それに、咳、全身に痛みが現れる時などによく用いられており、抗アレルギー効果に加えて、肌の角質除去にも効果的であることが知られている。
本明細書で使用する「胡桃」の用語は、胡桃科の落葉喬木であるクルミ(Juglans sinensis)の実を指すものであり、この実は、ほぼ円形で、核果である。 ヨーロッパが原産地であるが、中国およびアジアにも分布しており、世界各地で栽培されている。 韓国では、主に中部以南に分布している。 胡桃の化学成分としては、特に、タンパク質含量が肉類より多く、脂質は豚肉の二倍も含んでおり、脂質は不飽和脂肪酸が多く、とりわけ、血清コレステロールの低下作用のある必須脂肪酸が多く、この必須脂肪酸は、血管へのコレステロールの過剰な付着を防止することが知られている。 また無機質やビタミンB1を毎日多量に摂取すれば、肌に艶が出て、また、老化防止と強壮効果も期待できる。 本草綱目によれば、胡桃は、肝臓を癒し、また、腰と膝を暖かくし、さらには、便秘を治すともされている。 加えて、痰を解消し、腎臓の機能を強化する他に、記憶力を増強するなど、神経衰弱の治療においても利用されている。 脂質成分などを利用して角質層の水分量を増加させることが知られているので、脂質が豊富な胡桃もやはり、肌の乾燥を防止し、なおかつ肌の潤いを改善するものと考えられる。
本願発明のナツメ抽出物および胡桃抽出物は、次のような方法で取得できる。
まず、ナツメ抽出物は、ナツメに一定量の水を添加した後に、還流装置で、約30分〜約12時間、沸騰させて抽出を行う。 抽出液を濾過して、上清を除去した後に、水を添加して総量を調整する。 総量調整された水溶液を、低温下で、1日〜12日間放置し、膜濾過に適用して沈殿物などを除去することによって、ナツメ抽出物が取得できる。
一方で、胡桃抽出物は、胡桃に一定量の水を添加した後に、還流装置で、約30分〜約12時間、沸騰させて抽出を行う。 抽出液をペーパーフィルターで濾過して、上清を除去した後に、水を添加して総量を調整する。 総量調整された水溶液を、低温下で、1日〜12日間放置し、膜濾過に適用して沈殿物などを除去することによって、胡桃抽出物が取得できる。
次に、得られたナツメ抽出物および胡桃抽出物のそれぞれを、約1:約9〜約9:約1の割合で混合して、ナツメ抽出物と胡桃抽出物との混合物を取得することができる。
このようにして取得されたナツメ抽出物および胡桃抽出物を配合してなる化粧料組成物、特に、肌用保湿剤の用途で好適に利用可能な化粧料組成物も提供される。
本願発明の化粧料組成物は、前述の抽出物の他に、本願発明が奏する作用効果を実質的に損ねない限りは、これら作用効果を補助または改善する他の保湿成分などをさらに加えることもできる。 このような成分として、セラマイド、グリセロール、グリセリンなどがあるが、これらに限定されない。
本願発明のナツメ抽出物および胡桃抽出物は、湧出物、湧出液、湧出物または湧出液の乾燥粉末の形態で、そのまま塗布することもできるし、また、通常の外用剤または化粧料などの形態とすることもできる。
ナツメ抽出物および胡桃抽出物を含む本願発明の化粧料組成物は、肌保湿効果のための化粧品、洗顔剤、シャンプーなどの多様な製品において利用することができる。 本願発明の化粧料組成物を添加できる製品として、各種クリーム、ミルクローション、スキンローションなどの化粧品類、それに、シャンプー、リンス、クレンジング、洗顔剤、石けん、トリートメント、美容液などがあるが、これらに限定されない。
また、ナツメ抽出物および胡桃抽出物を含む本願発明の化粧料組成物は、溶液、乳化物、粘性型混合物などの形態とすることができる。 本願発明の化粧料組成物が利用できる製品として、例えば、乳液、クリーム、化粧水、エッセンス、パック、ジェル、パウダー、リップスティック、メークアップベース、ファウンデーション、ローション、軟膏、ゲル、パッチ、美容液、クレンジングフォーム、クレンジングクリーム、クレンジングウォーター、石けん、噴霧剤などがあるが、これらに限定されない。
本願発明の化粧料組成物を利用した製品に、化粧料の剤形または使用目的に応じて、ナツメ抽出物および胡桃抽出物以外の成分を選択して取り込むことは、当業者であれば容易になしえることである。
本願発明の化粧料組成物に対して、保湿効果を高める目的で、肌への吸収性を促進する物質を併用することができる。
また、本願発明の化粧料組成物に、水溶性ビタミン、油用性ビタミン、高分子ペプチド、高分子多糖、スフィンゴ脂質、海草エキスなどを加えることもできる。
さらに、本願発明の化粧料組成物に、上記した成分に加えて、必要に応じて、通常の化粧料に配合される他の任意成分を組み合わせて用いることもできる。 このような任意成分として、油脂成分、保湿剤、エモルリエント剤、界面活性剤、有機顔料、無機顔料、有機粉体、紫外線吸収剤、防腐剤、殺菌剤、酸化防止剤、植物抽出物、pH調整剤、アルコール、色素、香料、血行促進剤、冷感剤、制汗剤、精製水などがあるが、これらに限定されない。 これら任意成分の配合量は、本願発明が奏する作用効果を実質的に損ねない量とすべきであり、好ましくは、本願発明の化粧料組成物の約0.01重量%〜約5重量%、好ましくは、約0.01重量%〜約3重量%の量に調整される。
以下に、本願発明をその実施例に沿って説明するが、この実施例の開示に基づいて本願発明が限定的に解釈されるべきでないことは勿論である。
実施例1:ナツメ抽出物の製造
10gのナツメに100mlの水を添加した後に、還流装置で、3時間沸騰させて抽出を行った。 抽出液をペーパーフィルターで濾過して、上清を除去した後に、水を添加して総量が約100mlになるように調整する。 総量調整された水溶液を、4℃で、6日間放置した後に、0.45μmの膜濾過に適用して沈殿物などを除去して、ナツメ抽出物を取得した。
実施例2:胡桃抽出物の製造
10gの胡桃に100mlの水を添加した後に、還流装置で、3時間沸騰させて抽出を行った。 抽出液をペーパーフィルターで濾過して、上清を除去した後に、水を添加して総量が約100mlになるように調整する。 総量調整された水溶液を、4℃で、6日間放置した後に、0.45μmの膜濾過に適用して沈殿物などを除去して、胡桃抽出物を取得した。
実施例3:ナツメ抽出物と胡桃抽出物との混合物の製造
実施例1で取得したナツメ抽出物と実施例2で取得した胡桃抽出物を、それぞれ1:2の割合、すなわち、ナツメ抽出物100gと胡桃抽出物200gとを混合して、ナツメ抽出物と胡桃抽出物との混合物(300g)を製造した。
実験例1:ナツメ抽出物および胡桃抽出物の角質形成細胞での分化誘導効果
ナツメ抽出物および胡桃抽出物が奏する角質形成細胞での分化誘導効果を検証するために、以下の手順で実験を行った。
まず、1.0%のウシ胎児血清を含有する角質細胞増殖(KGM)培地を入れた96ウェル平板培養プレート(96-well microtiter plate)に、ヒトの角質形成細胞を、5,000細胞/ウェルの密度になるように加えた。 ウェルに細胞が付着した後に、古いKGM培地を、ウシ胎児血清を含まない新鮮なKGM培地と交換して、約70%〜約80%程度の成長度に至るまで培養を行った。 培養を終えたヒトの角質形成細胞を、培養用フラスコに移して、そこで、約80%程度の成長度に至るまで培養を行った。
次に、培養物を、実施例1で取得したナツメ抽出物、実施例2で取得した胡桃抽出物、または実施例3で取得した抽出物混合物の各200mlと共に、4日間かけてインキュベーションした後に、尿素、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、ベータメルカプトエタノール(β-mercaptoethanol)などの還元剤を混合して、混入しているタンパク質を除去した。
そして、残存している角質層を、310nmでの吸光度測定に供して、そのペプタイド濃度を測定した。 なお、いずれの抽出物も用いずに低濃度カルシウム(0.05mM)で処理したグループを、ネガティブコントロール群とした。 また、いずれの抽出物も用いずに高濃度カルシウム(1.5mM)で処理したグループを、ポジティブコントロール群とした。
その測定結果を、以下の表1に示した。
Figure 0003991164
表1に記載の結果から明らかように、角質形成細胞の増殖効果は、胡桃抽出物で31%、ナツメ抽出物では57%であったのに対して、ナツメ抽出物と胡桃抽出物の混合物では72%であった。 つまり、ナツメ抽出物の角質分化誘導効果は、胡桃抽出物より優れてはいるものの、ナツメ抽出物と胡桃抽出物との混合物での角質分化誘導効果にはほど遠いことが判明したのである。
実験例2:ナツメ抽出物および胡桃抽出物による動物の肌での障壁回復効果
ナツメ抽出物および胡桃抽出物が奏する動物の肌の障壁回復効果を検証するために、以下の手順で実験を行った。 すなわち、本実験例では、肌の障壁回復効果を、損傷された障壁状態を100として、表皮水分損失量(Trans Epidermal Water Loss (TEWL)、経皮水分損失量とも称する)の変化に基づいて測定した。 この表皮水分損失とは、肌の真皮から供給された水分が、主に受動的拡散によって、角質層の上部に拡散されて、外部に排出されて損失する現象を指す。
まず、8週齢〜10週齢の雌の無毛マウス(入手先:チャールズリバー社)に、アセトンを繰り返して塗布して障壁機能を損傷させた後、水分損失測定機(evaporimeter EP1、
ServoMED社)で、表皮水分損失量を測定した。 4.0g/m2/hの表皮状態になり次第に、各抽出物(実施例1のナツメ抽出物、実施例2の胡桃抽出物または実施例3の抽出物混合物)を含有する試料を、表皮上の5cm2の箇所に塗布して表皮水分損失量を測定し、その後、1時間、2時間、4時間および8時間経過後に、水分損失量を測定して、肌の障壁機能の回復度を評価した。 なお、抽出物を含まないグループを、ネガティブコントロール群とし、公知の脂質混合物(セラマイド:コレステロール:脂肪酸=2:1:1)を用いたグループを、ポジティブコントロール群とした。 そして、肌の障壁回復効果は、前述したように、損傷された障壁状態を100として、表皮水分損失量(TEWL)の変化に基づいて測定した。
その測定結果を、以下の表2に示した。
Figure 0003991164
表2に記載の結果から明らかように、ナツメ抽出物と胡桃抽出物の混合物は、ポジティブコントロール群とほぼ同様の回復効果を示していた。 また、ナツメ抽出物だけで処理した場合では、胡桃抽出物のみで処理した場合よりも、肌の障壁回復効果は相対的に小さかった。 したがって、ナツメ抽出物と胡桃抽出物とを併用した場合に、肌の障壁効果が有意に改善されることが判明したのである。
実験例3:ナツメ抽出物および胡桃抽出物によるヒトの肌保湿力改善効果
ナツメ抽出物および胡桃抽出物に関して、ヒトの肌での保湿力改善効果を検証するために、肌の水分量の増大効果に関する実験を以下の手順で行うと共に、肌の乾燥度の改善に関する意見を被験者から聞き取り調査した。
実験例3−1−1:化粧料の調製
下記表3に記載の化粧料成分(原材料)を準備した。 そして、乳相成分と水相成分を、70℃にて完全溶解させ、次いで、7,000rpmで、5分間かけて乳化を進行せしめて、クリーム状の化粧料A〜Eを調製した。
Figure 0003991164
実験例3−1−2:肌の水分量の増大効果
肌状態があまり良くない20歳〜40歳の140名の女性に対して、毎日2回、1ヶ月間、クリーム状の化粧料A〜Eを、顔および身体前部に塗布してもらった。 初回の塗布に先駆けて、恒温・恒湿条件(24℃、湿度40%)下で、水分測定機(corneometer、CM820 courage Khazaka electronic GmbH社、ドイツ)で、肌の乾燥度を測定してもらい、その測定値を基本値とした。 そして、1週間経過後、2週間経過後および3週間経過後に、同様にして、肌の水分量を測定して、得られた測定値から、水分量の増大効果を客観的に評価した。 なお、抽出物を含まないグループを、ネガティブコントロール群とし、公知の脂質混合物(セラマイド:コレステロール:脂肪酸=2:1:1)を用いたグループを、ポジティブコントロール群とした。
実験例3−1−3:試験結果
試験を開始して1週間経過後、2週間経過後および3週間経過後の肌の水分増加率を、以下の表4に記載した。
Figure 0003991164
表4に記載の結果から明らかように、ナツメ抽出物、胡桃抽出物、ナツメ抽出物と胡桃抽出物の混合物を用いた試験区で、肌の水分量が増大していることが確認された。 この内でも、特に、ナツメ抽出物と胡桃抽出物の混合物が奏する水分量の増大効果が顕著であった。
実験例3−2:肌の乾燥度の改善評価
前出の140名の女性被験者に対して、試験期間終了後の肌の乾燥度について、聞き取り調査を行った。 その調査結果を、以下の表5に示した。
Figure 0003991164
表5に記載の結果から明らかように、被験者らの主観的評価において、ナツメ抽出物および胡桃抽出物の混合物は、肌に潤い感を残しており、不快な乾燥感を被験者に与えていなかった。 したがって、角質分化促進剤としてのナツメ抽出物と、水分付与物質としての胡桃抽出物との混合物によって、肌保湿効果が改善することが確認された。
実施例4:化粧料組成物の利用形態
本願発明の化粧料組成物を配合した各種製剤を調製した。 なお、本実施例での成分配合量の単位は、特に断りのない限り、重量%で表示してある。
1:石けん
以下の表6に記載の配合比に従った材料を用いて石けんを調製した。
Figure 0003991164
2:ミルクローション
以下の表7に記載の配合比に従った材料を用いてミルクローションを調製した。
Figure 0003991164
3:クリーム
以下の表8に記載の配合比に従った材料を用いて化粧用クリームを調製した。
Figure 0003991164
4:パック
以下の表9に記載の配合比に従った材料を用いてパックを調製した。
Figure 0003991164
5:美容液
以下の表10に記載の配合比に従った材料を用いて美容液を調製した。
Figure 0003991164
本願発明の化粧料組成物は、改善された角質分化促進効果と肌保湿効果を相乗的に奏する肌用保湿剤の有効成分として有用である。

Claims (3)

  1. 角質の分化促進成分であるナツメ抽出物を0.001重量%〜20重量%と、角質の保湿成分である胡桃抽出物を0.001重量%〜20重量%とを含み、
    前記ナツメ抽出物と前記胡桃抽出物との構成比が、1:9〜9:1である、保湿性化粧料組成物。
  2. 乳液、クリーム、化粧水、エッセンス、パック、ジェル、パウダー、リップスティック、メークアップベース、ファウンデーション、ローション、軟膏、ゲル、パッチ、美容液、クレンジングフォーム、クレンジングクリーム、クレンジングウォーター、石けん、噴霧剤からなるグループから選択される形態である、請求項1に記載の保湿性化粧料組成物。
  3. 肌の障壁機能を回復することにより肌を保湿する、請求項1または2に記載の保湿性化粧料組成物。
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