JP3548697B2 - ショーケース - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばコンビニエンスストア等の店舗に設置されるショーケースに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のショーケースとしては、例えば実開平7−3413号公報に記載されているように、前面を開口したショーケース本体と、ショーケース本体内に取付けられた上下複数段の商品棚と、ショーケース本体内の底面側、背面側及び上面側に沿って形成された通風路と、通風路内に配置された冷却器及び送風機とを備え、ショーケース本体の前面開口部の下端側から通風路内に吸入した空気を冷却器によって冷却し、ショーケース本体の前面開口部の上端側から吐出することにより、ショーケース本体の前面開口部にエアカーテンを形成するようにしたものが知られている。
【0003】
また、前記ショーケースでは、ショーケース本体内の上面、背面、底面及び前面の下端側がそれぞれ一体の断熱壁によって覆われ、幅方向両側面はそれぞれ側板を構成する一対の断熱壁によって覆われている。この場合、各断熱壁としては、互いに間隔をおいて対向する金属板の間に発泡性の断熱材を介在させたものが用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記ショーケースの断熱壁を製造する場合には、対向一対の金属板をスペーサによって互いに間隔をおいて保持した後、各金属板間に断熱材の原料を注入し発泡させるようにしているが、断熱壁は通風路の上面側、背面側、底面側及び前面側に亘って連続して形成されるため、形状が複雑になり製造上不利であった。また、通風路の両側面は左右の側板をなす別部材の断熱壁によって覆われるため、その接合部分から空気や結露水が外部に漏出しないようにするための十分な密閉構造を必要とし、組立作業の繁雑化を来すという問題点もあった。更に、廃棄処分になったショーケースを解体する場合、前述のようにして製造された断熱壁は材料ごとに分離することが困難であるため、リサイクル性等においても不利であるという問題点があった。
【0005】
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、構造の簡素化及び低コスト化を図ることができ、しかも解体の際に材料ごとに容易に分離することのできるショーケースを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成するために、請求項1では、前面を開口したショーケース本体と、ショーケース本体内の底面側、背面側及び上面側に沿って形成された通風路と、通風路内に配置された冷却器及び送風機と、ショーケース本体の上面側、背面側及び底面側を覆う断熱部材とを備え、ショーケース本体の前面開口部の下端側から通風路内に吸入した空気を冷却器によって冷却し、ショーケース本体の前面開口部の上端側から吐出するようにしたショーケースにおいて、前記ショーケース本体の面側を覆う断熱部材を、面側通風路の前面側、下面側及び両側面を覆う壁面部を一体に有し、且つ底面側壁面部の前端側に空気吐出用の開口部を有する下側部材と、下側部材の上面を覆う上側部材とから形成している。これにより、面側の断熱部材を断熱材の原料を注入し発泡させることによって形成する必要がなく、しかも面側通風路における空気の漏出を生ずることもない。また、廃棄処分になったショーケースを解体する場合、面側の断熱部材は他の部品と容易に分離することができる。
【0007】
また、請求項2では、請求項1記載のショーケースにおいて、前記ショーケース本体の底面側を覆う断熱部材を、底面側通風路の前面側、下面側、背面側及び両側面を覆う壁面部を一体に有する断熱材によって形成している。これにより、請求項1の作用に加え、底面側の断熱部材を断熱材の原料を注入し発泡させることによって形成する必要がなく、しかも底面側通風路における空気及び結露水の漏出を生ずることもない。また、廃棄処分になったショーケースを解体する場合、底面側の断熱部材は他の部品と容易に分離することができる。
【0008】
また、請求項3では、請求項2のショーケースにおいて、前記送風機の取付けられる送風機用取付部材を備え、前記底面側の断熱部材内に送風機用取付部材を所定位置に保持する保持部を設けている。これにより、請求項2の作用に加え、送風機用取付部材が底面側の断熱部材の保持部によって所定位置に保持されることから、送風機用取付部材を別途締結部材や工具を用いて取付ける必要がない。
【0009】
また、請求項4では、請求項1、2または3記載のショーケースにおいて、前記断熱部材を発泡性の断熱材によって形成している。これにより、請求項1、2または3の作用に加え、断熱部材が発泡性の断熱材によって所定の形状に成形される。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1乃至図7は本発明の一実施形態を示すもので、図1はショーケースの側面断面図、図2はその全体斜視図、図3乃至図7はその分解斜視図である。
【0011】
このショーケースは、前面を開口したショーケース本体1と、ショーケース本体1内に取付けられた上下複数段の商品棚2と、ショーケース本体1内の底面側、背面側及び上面側に沿って形成された通風路3と、背面側通風路3内に配置された冷却器4と、底面側通風路3内に配置された複数の送風機5とから構成されている。
【0012】
ショーケース本体1は、ショーケース本体1の底面側、背面側及び上面側に沿って延びる左右一対の第1の補強部材10と、ショーケース本体1の幅方向に延びる複数の第2の補強部材11,12と、ショーケース本体1の上面側を覆う第1の断熱部材13と、ショーケース本体1の背面側を覆う第2の断熱部材14と、ショーケース本体1の底面側を覆う第3の断熱部材15と、ショーケース本体1の幅方向両側面を覆う一対の第4の断熱部材16と、ショーケース本体1の上面を覆う天板17と、ショーケース本体1の前面下端側を覆う前面板18と、ショーケース本体1の両側面を覆う一対の側板19と、上面側通風路3の下方を覆う上面板20と、背面側通風路3の前方を覆う背面板21と、底面側通風路3の上方を覆う底板22と、前面板18の上方に取付けられた化粧部材23とからなる。
【0013】
各補強部材10,11,12はそれぞれショーケース本体1のフレームをなすための十分な強度を有する鋼材からなり、第1の補強部材10はショーケース本体1の側面に沿って略コ字状に形成され、各第2の補強部材11,12はショーケース本体1の幅方向に直線状に延びている。
【0014】
各断熱部材13,14,15,16はそれぞれ単一の材料からなり、例えば予め発泡硬化された断熱材によって所定形状に成形されている。この場合、第1の断熱部材12は、上面側通風路3の前面、下面及び両側面を覆う下側部材13aと、下側部材13aの上面を覆う上側部材13bとからなる。即ち、下側部材13aは前面側壁面部13c、下面側壁面部13d及び左右の側面側壁面部13eを一体に有し、下面側壁面部13dの前端側には空気吐出用の開口部13fが設けられている。また、上側部材13bは平板状に形成され、下側部材13aの上面開口部を閉塞するようになっている。第2の断熱部材14は平面状に形成され、その外形はショーケース本体1の背面に沿って四角形に形成されている。また、第3の断熱部材15は底面側通風路3の前面、背面、下面及び両側面を覆う箱状に形成されている。即ち、第3の断熱部材15は前面側壁面部15a、下面側壁面部15b、背面側壁面部15c及び左右の側面側壁面部15dを一体に有し、第3の断熱部材15内には各送風機5を保持するための保持部15eがそれぞれ設けられている。各保持部15eは各側面側壁面部15dに設けた段部からなり、前方に下り傾斜をなすように形成されている。また、図示していないが第3の断熱部材15の下面側壁面部15bには結露水を排出するための排水口が設けられている。各第4の断熱部材16はそれぞれ平面状に形成され、その外形はショーケース本体1の側面に沿って略コ字状に形成されている。
【0015】
天板17、前面板18、各側板19、上面板20、背面板21及び底板22は金属板からなり、それぞれ所定形状に形成されている。天板17は前端を下方に屈曲し、その前端には光透過性の合成樹脂からなるシェード17aが取付けられている。この場合、シェード17a内には蛍光灯24が取付けられる。前面板18は上端側が下端側よりもやや前方に位置するように形成され、上端側と下端側との間は斜めに形成されている。各側板19はそれぞれ透明の側面ガラス19aを有し、側面ガラス19a以外の部分をショーケース本体1の側面に沿って略コ字状に形成されている。この場合、各側板19の周端部はショーケース本体1の内側に向かって屈曲している。上面板20は前端を下方に屈曲し、その両側端はそれぞれ上方に屈曲している。この場合、上面板20の前端側下方には蛍光灯25が取付けられる。また、背面板21は下端を前方に屈曲し、底板22は両側端をそれぞれ下方に屈曲している。化粧部材23は所定の彩色を施した合成樹脂からなり、前面板18の上端部を覆うように形成されている。
【0016】
各商品棚2は後端側をショーケース本体1側の棚柱2aによって支持され、前端側にはプライスカード等を保持するカード保持部2bが設けられている。
【0017】
通風路3は一端にショーケース本体1の前面開口部上端に位置する空気吐出口3aを有し、その他端にはショーケース本体1の前面開口部下端に位置する空気吸入口3bが設けられている。この場合、通風路3の空気吐出口3aには、例えばハニカム状の通気構造を有する整流部材3cが取付けられ、通風路3の空気吸入口3bには多数の通気孔を有する吸気口グリル3dが取付けられている。
【0018】
冷却器4は冷媒流通用のチューブ(図示せず)及び多数のフィンからなり、その両側面にはショーケース本体1側に固定するための支持板4aが取付けられている。
【0019】
各送風機5は互いに幅方向に間隔をおいて配置され、それぞれ送風機用取付部材をなす共通のファンダクト5aに取付けられている。
【0020】
以上のように構成されたショーケースにおいては、図1に示すように前面開口部下端の空気吸入口3bから通風路3内に吸入された空気が冷却器4によって冷却され、前面開口部上端の空気吐出口3aから吐出する。これにより、ショーケース本体1の前面開口部にエアカーテンが形成され、ショーケース本体1内が冷却される。
【0021】
次に、図3乃至図7を参照し、ショーケース本体1の組立構造について説明する。まず、図3に示すように各第1の補強部材10を互いに左右方向に間隔をおいて配置するとともに、各第1の補強部材10の背面側を一方の第2の補強部材11によって連結し、各第1の補強部材10の底面側を他方の第2の補強部材12によって連結する。その際、各第1の補強部材10には棚柱2aがそれぞれ取付けられる。次に、図4に示すように冷却器4を各支持板4aを介して各第1の補強部材10間に取付るとともに、各第1の補強部材10の上部に第1の断熱部材13、天板17及び上面板20を取付け、各第1の補強部材10の後部に第2の断熱部材14を取付ける。続いて、図5に示すように各第1の補強部材10の下部に第3の断熱部材15を取付け、各第1の補強部材10の側方に第4の断熱部材16及び側板19をそれぞれ取付ける。この場合、第4の断熱部材16の一側面及び周端面は側板19の側面及び周端屈曲面によって覆われる。次に、図6に示すように各第1の補強部材10の下部前端側に前面板18を取付けるとともに、第3の断熱部材15内にファンダクト5aに取付けられた各送風機5を収容する。この場合、ファンダクト5aは両側端を第3の断熱部材15内の各保持部15eに載置され、各保持部15eに沿って傾斜状態に保持される。また、上面板20の前端には整流部材3cが取付けられる。続いて、図7に示すように背面板21を各第1の補強部材10に第2の断熱部材14に対向するように取付けるとともに、各第1の補強部材10の前端側に化粧部材23及び吸気グリル3dを取付け、第3の断熱部材15の上方に底板22を載置する。以上でショーケース本体1の組立てが完了し、ショーケース本体1内の各棚柱2aには各商品棚2が取付けられる。
【0022】
このように、本実施形態のショーケースによれば、ショーケース本体1の各断熱部材13,14,15,16をそれぞれ単一の材料によって形成し、他の部品と共にショーケース本体1の組立時に取付けるようにしたので、従来のように断熱材の原料を注入し発泡させる工程が不要となり、構造の簡素化及び低コスト化を図ることができる。また、廃棄処分になったショーケースを解体する場合、各断熱部材13,14,15,16を他の部品と容易に分離することができるので、リサイクル性等においても極めて有利である。この場合、上面側通風路3を覆う第1の断熱部材12を前面側壁面部13c、下面側壁面部13d及び左右の側面側壁面部13eを一体に有する下側部材13aと、下側部材13aの上面を覆う上側部材13bとから形成するとともに、底面側通風路3を覆う第3の断熱部材15を前面側壁面部15a、下面側壁面部15b、背面側壁面部15c及び左右の側面側壁面部15dを一体に有する箱状に形成したので、上面側通風路3における空気の漏出と、底面側通風路3における空気及び結露水の漏出をそれぞれ確実に防止することができ、これら第1及び第3の断熱部材13,15のショーケース本体1への組付けも極めて容易に行うことができる。また、第3の断熱部材15内に各送風機5のファンダクト5aを保持するための保持部15eを設けたので、ファンダクト5aを別途締結部材や工具を用いて取付ける必要がなく、各送風機5の取付作業を極めて容易に行うことができる。更に、第1及び第3の断熱部材13,15を他の断熱部材14,16と同様、発泡性の断熱材によって形成したので、第1及び第3の断熱部材13,15を所定形状に容易に成形することができ、実用化に際して極めて有利である。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1のショーケースによれば、面側の断熱部材を断熱材の原料を注入し発泡させることによって形成する必要がないので、構造の簡素化及び低コスト化を図ることができ、生産性を大幅に向上させることができる。また、廃棄処分になったショーケースを解体する場合、断熱部材を他の部品と容易に分離することができるので、リサイクル性等においても極めて有利である。更に、面側通風路における空気の漏出を確実に防止することができ、しかも面側断熱部材のショーケース本体への組付けも極めて容易に行うことができる。
【0024】
また、請求項2のショーケースによれば、請求項1の効果に加え、底面側の断熱部材を断熱材の原料を注入し発泡させることによって形成する必要がないので、構造の簡素化及び低コスト化を図ることができ、生産性を大幅に向上させることができる。また、廃棄処分になったショーケースを解体する場合、断熱部材を他の部品と容易に分離することができるので、リサイクル性等においても極めて有利である。更に、底面側通風路における空気及び結露水の漏出を確実に防止することができ、しかも底面側断熱部材のショーケース本体への組付けも極めて容易に行うことができる。
【0025】
また、請求項3のショーケースによれば、請求項2の効果に加え、送風機用取付部材を別途締結部材や工具を用いて取付ける必要がないので、送風機の取付作業を極めて容易に行うことができる。

【0026】
また、請求項4のショーケースによれば、請求項1、2または3の効果に加え、断熱部材を所定形状に容易に成形することができるので、実用化に際して極めて有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すショーケースの側面断面図
【図2】ショーケースの全体斜視図
【図3】ショーケースの分解斜視図
【図4】ショーケースの分解斜視図
【図5】ショーケースの分解斜視図
【図6】ショーケースの分解斜視図
【図7】ショーケースの分解斜視図
【符号の説明】
1…ショーケース本体、3…通風路、4…冷却器、5…送風機、13…第1の断熱部材、15…第3の断熱部材、13a…下側部材、13b…上側部材、13c…前面側壁面部、13d…下面側壁面部、13e…側面側壁面部、13f…開口部、15…第3の断熱部材、15a…前面側壁面部、15b…下面側壁面部、15c…背面側壁面部、15d…側面側壁面部、15e…保持部。

Claims (4)

  1. 前面を開口したショーケース本体と、ショーケース本体内の底面側、背面側及び上面側に沿って形成された通風路と、通風路内に配置された冷却器及び送風機と、ショーケース本体の上面側、背面側及び底面側を覆う断熱部材とを備え、ショーケース本体の前面開口部の下端側から通風路内に吸入した空気を冷却器によって冷却し、ショーケース本体の前面開口部の上端側から吐出するようにしたショーケースにおいて、
    前記ショーケース本体の面側を覆う断熱部材を、面側通風路の前面側、下面側及び両側面を覆う壁面部を一体に有し、且つ底面側壁面部の前端側に空気吐出用の開口部を有する下側部材と、下側部材の上面を覆う上側部材とから形成した
    ことを特徴とするショーケース。
  2. 前記ショーケース本体の底面側を覆う断熱部材を、底面側通風路の前面側、下面側、背面側及び両側面を覆う壁面部を一体に有する断熱材によって形成した
    ことを特徴とする請求項1記載のショーケース。
  3. 前記送風機の取付けられる送風機用取付部材を備え、
    前記底面側の断熱部材内に送風機用取付部材を所定位置に保持する保持部を設けた
    ことを特徴とする請求項2記載のショーケース。
  4. 前記断熱部材を発泡性の断熱材によって形成した
    ことを特徴とする請求項1、2または3記載のショーケース。
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