JP3548508B2 - 真空発生器用の真空破壊ユニット及び真空発生器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は真空発生器用の真空破壊ユニット及び真空発生器に関する。
【0002】
【従来の技術】
背景技術の真空発生器として、本件特許出願人によって開発され、特開平9−317698号及び特開平9−317698号によって開示された発明がある。その発明の構成について、図8〜12に基づいて以下に説明する。
10は本体であり、一端側に高圧流体源に連通される高圧ポート12が設けられている。14は第1シリンダ室であり、本体10内に形成され、一端側14aで高圧流体源に連通されるように後述する第2シリンダ室40を介して高圧ポート12に連通されている。また、第1シリンダ室14の他端側14bは開放しており、その他端側14bの開放部は消音部16となっている。消音部16には複数の消音用フィルタ16a、16b、16c・・・が配設されている。
【0003】
18は真空ポートであり、本体10の他端側に設けられている。
20は負圧ポート部であり、真空ポート18に連通すべく、第1シリンダ室14の側壁中途部に開口されて設けられている。
負圧ポート部20と真空ポート18との間は通路空間19になっており、真空ポート18側から第1シリンダ室14側へ空気が通過するように、円筒状のフィルタ21が配設されている。
【0004】
22はエジェクタ部であり、第1シリンダ室14内で軸線方向へ摺動可能に設けられ、軸線方向に延びる流体の流路24を有する。流路24の第1シリンダ室14の一端側に位置される部位が流路24を絞るノズル部26に形成されている。そのノズル部26よりも流路24の下流側となる第1シリンダ室14の他端側に位置される部位が流路24を拡大するデェフューザ部28に形成されている。また、ノズル部26とデェフューザ部28の間に側方に開口する開口部30が設けられいる。第1シリンダ室14の他端側14bに移動した際には開口部30と負圧ポート部20とを連通させると共に前記流路24へ一端側から高圧流体が供給されることで開口部30近傍に負圧を発生させる。なお、この負圧を発生する原理は、空気の粘性を利用するものであり、エジェクタ効果として周知の技術である。
【0005】
また、このエジェクタ部22は、一端側14aに移動した際には開口部30と負圧ポート部20との連通を遮断する。すなわち、図12に示すように、第1シリンダ室14の負圧ポート部20よりも一端側の内周に形成された斜面15に、デェフューザ部28の外周に嵌められた’O’−リング32が当接し、開口部30と負圧ポート部20との連通部を閉塞するのである。
27はシールリングであり、ノズル部26の外周に嵌められている。また、29もシールリングであり、デェフューザ部28の外周に嵌められている。これらのシールリング27、29によって、エジェクタ部22が、第1シリンダ室14内で気密状態で軸線方向へ摺動できる。第1シリンダ室14の一端側14aに高圧空気が供給されるとシールリング27が好適に気密しているため、エジェクタ部22がその高圧空気の圧力によって好適に押圧されて他端側14b側へ移動されるのである。また、シールリング29によって真空ポート18側が負圧になった際に空気が進入しないように好適に気密している。
【0006】
34は第1スプリングであり、第1シリンダ室14内に形成された内周フランジ部14cと、デェフューザ部28の外周に形成された外周フランジ部28aとの間に弾装されている。この第1スプリング34によれば、第1シリンダ室14の一端側に高圧流体が供給された際にはエジェクタ部22が第1シリンダ室14の他端側14bに移動することを許容し、高圧流体が供給されない際にはエジェクタ部22を第1シリンダ室14の一端側14aに位置するように付勢する。
【0007】
36はメイン流路であり、第1シリンダ室14と高圧流体源とを連通する。38はメインバルブであり、メイン流路36に配され、第1シリンダ室14へ高圧流体の供給を選択的に行うよう、メイン流路36を開閉する。
メインバルブ38は、本体10内に設けられた主流路シリンダ室である第2シリンダ室40と、第2シリンダ室40の側壁に開口して設けられ、高圧ポート12を介して高圧流体源と第2シリンダ室40とを連通する入力ポート部42と、その第2シリンダ室40の側壁に開口して設けられ、第2シリンダ室40と第1シリンダ室14とを連通する連通ポート部44とを備える。また、メインバルブ38には、第2シリンダ室40内で軸線方向へ摺動可能に形成され、第2シリンダ室40の一端側40aに移動した際には入力ポート部42と連通ポート部44とを連通させ、他端側に移動した際には入力ポート部42と連通ポート部44との連通を遮断するメイン弁体46を備える。
メイン弁体46は、スプール状に形成されて、中途部に小径部46aが形成されている。この小径部46aによって、第2シリンダ室40の一端側40aに移動した際に入力ポート部42と連通ポート部44とを連通させる。
【0008】
48は第1制御流路であり、第2シリンダ室40の他端側40bに連通している。この第1制御流路48は、後述する第1パイロット弁70の出力通路72に接続されている。第1パイロット弁70から第1制御流路48を介して第2シリンダ室40の他端側40bに高圧流体が供給された際には、メイン弁体46が一端側40aに移動される。
100は第2制御流路であり、第2シリンダ室40の一端側に連通し、メイン弁体46を他端側へ移動させるべく、高圧流体を第2シリンダ室40の一端側40aに導入可能に設けられている。この第2制御流路100は、後述する第2パイロット弁74の出力通路に接続されている。
【0009】
50は破壊バルブであり、真空ポート18と高圧流体源とを連通する真空破壊用流路52に配され、真空ポート18へ高圧流体の供給を選択的に行うよう、真空破壊用流路52を開閉する。この破壊バルブ50が開き、真空ポート18へ高圧流体が供給されれば、真空ポート18の真空が破壊する。本実施例では、本体内に段付形状に形成された破壊流路シリンダ室である第3シリンダ室54と、その第3シリンダ室54内で軸線方向に摺動可能に段付形状に形成された摺動弁体56とを備える。摺動弁体56は、第3シリンダ室の一端側に移動した際(図12に示す状態)には真空破壊用流路52を連通させ、他端側に移動した際には(図8に示す状態)真空破壊用流路52を遮断する。また、58は真空破壊空気制御用の流路であり、第3シリンダ室54の大径部の内上底面(第3シリンダ室54の他端側)に開通すると共に、後述する第2パイロット弁74の出力通路に接続されている。従って、第2パイロット弁74から、高圧流体が第3シリンダ室54の他端側へ導入されると、摺動弁体56が一端側へ移動される。なお、第2パイロット弁74の構造は第1パイロット弁70の構造と同一に設けられている。
【0010】
60は第3スプリングであり、摺動弁体56を常時は真空破壊用流路52を閉塞するように図8の図面上において上方に付勢し、高圧流体が第2パイロット弁74から真空破壊空気制御用の流路58を介して第3シリンダ室54の大径部の上部側(第3シリンダ室54の他端側)に供給された際には、真空破壊用流路52を開口するよう、摺動弁体56が下方に移動することを許容する。すなわち、第3スプリング60は摺動弁体56の下面と第3シリンダ室54の底面との間に弾装され付勢部材として作用する。なお、56aは’O’−リングであり、摺動弁体56の先端部に嵌められており、これによって気密がなされて確実に真空破壊用流路52を閉塞できる。
破壊バルブ50が開口すると、高圧の破壊空気は真空破壊用流路52を構成する高圧ポート12、入力ポート部42、第2シリンダ室40、ニードル挿入孔部64、破壊バルブ50および細管62内を通過して真空ポート18に流入して真空を破壊する。細管62は内容積が小さいため、流入空気は素早く真空ポート18に導入でき、真空破壊を好適に行うことができる。なお、第2シリンダ室40とニードル挿入孔部64とは、貫通孔68によって連通されている。
【0011】
また、真空破壊空気制御用の流路58は、前記第2シリンダ室40の一端側40aに連通する第2制御流路100(図11(a)参照)と連通している。従って、第2パイロット弁74を介して、第3シリンダ室54の他端側と第2シリンダ室40の一端側に高圧流体を同時に導入することができる。
【0012】
66はニードルであり、ニードル挿入孔部64に挿入されており、先端が大径孔から小径孔に臨むように配設されている。このニードル66を軸線方向にねじ込み式で移動させることが可能に設けられており、真空破壊用流路52の開口面積を微調整することができる。これによってニードル弁が構成され、真空ポート18に供給される真空破壊空気の流量を調整でき、真空破壊の速度を好適に調整することができる。
なお、各摺動部に嵌められた’O’−リング、および本体10を構成する部材間の気密をするために設けられたガスケット類は、図に明らかであり、説明を省略する。
【0013】
次に第1パイロットバルブ70および第2パイロットバルブ74の構造と取付状態について図9および図10に基づいて説明する。第1パイロットバルブ70および第2パイロットバルブ74は同一構造のものを利用できるので、一方のみ(第1パイロットバルブ70)の構成について詳述する。
76は入力通路である。この入力通路76は図8の実施例の本体10に形成された連絡通路69に連通している。連絡通路69は前述した真空破壊用流路52と入力通路76を連通するように開口している。
【0014】
78はソレノイドであり、入力通路76の中途部に臨むように設けられ、その入力通路76を開閉する開閉弁80を作動させる駆動源として設けられている。82はプランジャであり、84はコイルである。コイル84に電通されるとプランジャ82がソレノイド78内に引き込むように作動する。プランジャ82の先端には、開閉弁80が固定部材86によって固定されている。プランジャ82の先端に固定された開閉弁80は、常時はソレノイド78の外郭部と固定部材86の間に弾装されたスプリング88の付勢力によって、入力通路76を閉塞するように付勢されている。具体的には入力通路76の中途部に設けられた開口76aを開閉弁80で蓋をしている。
【0015】
90は排気路であり、排気弁92が開口することによって出力通路72と連通可能に設けられていると共に大気に開放している。排気弁92は、開閉弁80に対向する位置に、排気路の開口90aを開閉可能に配されている。また、排気弁92の取付枠材94によって保持されており、その取付枠材94と一体に排気路の開口90aに接離して、その排気路の開口90aを開閉する。取付枠体94には、開閉弁80に当接するまで延設された間隔保持部94aが設けられている。また、排気弁92は、本体に外側へ突出することを阻止された押しボタン部材95との間に弾装されたスプリング96の付勢力によって、常時は排気路の開口90aを塞ぐ方向へ付勢されている。なお、スプリング96の付勢力は、スプリング88の付勢力よりも小さく設定されている。また、押しボタン部材95は、スプリング97の付勢力に抗して内側へ移動可能に設けられている。この押しボタン部材95を内側へ押し込むことで、手動によって、排気弁92を移動させて排気路の開口90aを塞ぐと共に、開閉弁80を移動させて入力通路76の開口76aを開き、出力通路72から高圧空気を出力することができる。
【0016】
従って、ソレノイド78が作動されていない際には図9に示すように、スプリング88の付勢力がスプリング96の付勢力に打ち勝って開口76aを閉塞すると共に、排気路の開口90aは間隔保持部94aによって排気弁92が支持されることによって開口した状態にある。
そして、ソレノイド78が作動された際には、スプリング88の付勢力にプランジャ82の作動力が打ち勝って開閉弁80が移動して開口76aを開口すると共に、排気路の開口90aは、スプリング96の付勢力によって移動した排気弁92によって閉塞された状態になり、出力通路72から高圧空気を出力することができる。
以上の構成からなる電磁弁であるパイロットバルブが、図10に示すように第1パイロットバルブ70、および第2パイロットバルブ74として図8に示す真空発生装置に固定されている。
【0017】
以上の構成からなる真空発生器の動作について、図8、図10〜図12に基づいて以下に説明する。なお、図11の(a)は回路図であり、(b)はそのタイムチャートである。タイムチャートは第1パイロットバルブ70、および第2パイロットバルブ74の動作と、真空発生、および破壊エア発生の関係を示している。また、図12は真空破壊の作動状態を示している。
先ず、真空を発生している状態を図8に基づいて説明する。第1パイロットバルブ70が作動(ON)することによって、第1制御流路48から第2シリンダ室40の他端側40bに高圧空気が供給され、メイン弁体46が第2シリンダ室40の一端側40aに移動される。これにより、高圧流体が第1シリンダ室14の一端側14aに内に流入し、エジェクタ部22が第2シリンダ室14の他端側14bに移動することにより、開口部30が負圧ポート部20と連通する。そして、エジェクタ部22の流路24を空気が通過することによって、開口部30付近に真空が発生し、開口部30に連通する負圧ポート部20等を介して真空ポート18に真空が発生する。このとき、破壊バルブ50は閉塞状態になっている。
【0018】
次に、上記の状態から第1パイロットバルブ70をOFFすると、メイン弁体46は第2シリンダ室40の一端側40aに移動された状態で維持される。すなわち、動作を示すタイムチャート(図11(b))のように、第1パイロットバルブ70をパルス的に作動させることで、メイン弁体46が第2シリンダ室40の一端側40aに移動した状態を保持するので、真空発生状態が維持される。第1パイロットバルブ70の作動を非常に短時間にすることができるので、その消費電力を低減できる。
【0019】
次に、真空を破壊する状態を図12に基づいて説明する。
先ず、第1パイロットバルブ70がOFFの状態で、第2パイロットバルブ74がONの状態とする。高圧空気が真空破壊空気制御用の流路58を介して第3シリンダ室54に供給され、摺動弁体56が移動して破壊バルブ50が開く。同時に第2シリンダ室40の一端側40aに高圧流体が供給され、メイン弁体46が第2シリンダ室40の他端側40bに移動するため、メインバルブ38が閉じられ、エジェクタ部22による真空発生も停止できる。これは、第2制御流路100が真空破壊空気制御用の流路58と連通されており、第2パイロットバルブ74を介して高圧流体を同時に導入可能に設けられているためである。これにより、第2パイロットバルブ74の作動により、エジェクタ部22の真空発生を停止することと、破壊バルブ50の開放による真空破壊を同時に行うことができ、真空の破壊作用をシャープに得ることができる。
【0020】
このとき、エジェクタ部22は、第1スプリング34の付勢力によって第1シリンダ室14の一端側14aに移動され、開口部30と負圧ポート部20とが連通しないようにその通路を閉塞するため、真空破壊空気は第1シリンダ室14側へ洩れることがない。従って、真空破壊が効率良く好適になされる。
すなわち、高圧空気の第1シリンダ室14への供給が断たれ、エジェクタ部22によって真空が発生しなくなると共に、エジェクタ部22が第1スプリング34の付勢力によって第1シリンダ室14の一端側14aに移動され、斜面15に’O’−リング32が当接して開口部30と負圧ポート部20とが連通しないようにその通路を閉塞する。このように、本実施例のエジェクタ部22は、図11(a)の回路図にも明らかなように、真空発生機能22aと切換弁22bとの二つの機能を備えるのである。
このように、エジェクタ部22は、真空を発生する真空発生源となると共に、第1シリンダ室14内で移動できることで一種の逆止弁の作用をするため、特別な切換弁機構を別に設けることなく、好適な作動が可能な真空発生器となっている。
【0021】
以上に説明した従来の真空発生器の真空破壊にかかる弁機構では、前述したように流量調整用のニードル弁が内臓されており、真空破壊エア(空気)の流量調整ができる。
なお、真空破壊とは、真空部(真空発生機構部から配管、アクチュエータなどを含むワークまでの容積空間)を圧縮空気などによって大気圧以上に強制的に加圧することである。この真空部の容積の大きさは真空破壊時間に大きく影響を与えるため、真空部の容積を無くすことができれば、理想的な真空破壊が可能となるのであるが、実用上は機器のレイアウト、メンテナンス性等の理由から、ある程度の真空部容積が発生するのは避けようがない。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、現在、半導体産業をはじめとするあらゆる分野において機器の小型化、及び軽量化が必要とされている。これに伴い、部品(ワーク)自体の微小化、或いは、高密度実装が進む中でワークを高い位置精度で設置する高精度化などが要求されている。また、ワークを実装する場合には、生産性を向上できるように、ワークを素早く設置する高速性が要求される。
このため、ワークを搬送する際など、ワークを吸着するために用いる真空発生器についても、ワークの微小、軽量化に対応できる性能が要求される。
【0023】
しかしながら、従来の真空発生器では、真空破壊空気の流量調整のみによって真空破壊時間の調整をしていたため、真空部の容積が大きく、且つワークが微小、軽量である場合には、瞬時の真空破壊とワークの高精度な設置を両立させることは困難であるという課題があった。
すなわち、ワークが微小、軽量である場合、真空破壊空気の流量を大きくして真空破壊時間の短縮を図るとワークが真空破壊空気によって吹き飛ばされ、高精度の設置が困難となる。逆に、ワークの高精度の設置を重視し、真空破壊エアの流量を絞ると破壊時間が長くなり、ワークの実装等の生産効率が低下してしまう。
【0024】
そこで、本発明の目的は、上記のような2つの相反する課題を両方とも解決し、吸着したワークにかかる真空破壊時間の短縮を図ると共に、ワークが真空破壊空気によって吹き飛ばされることなく、ワークにかかる高精度の設置ができる真空発生器を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成するに次の構成を備える。
すなわち、本発明は、ワークを真空吸着する吸着部が連通するように、配管が接続される真空ポートと、該真空ポート内を、真空にできるように真空発生源に接続されると共に、真空が破壊できるように高圧空気源に接続される配管接続ポートと、該配管接続ポートと前記真空ポートとの間に設けられた真空破壊空気の空気流量調整弁と、真空破壊空気の圧力が所定以上の高圧になった際、該真空破壊空気を逃がす空気圧調整用リリーフ弁とを具備することを特徴とする。
【0026】
また、本発明は、真空吸着を行うために減圧される空間の一部となる真空吸着側空間と、該真空吸着側空間に接続され、該真空吸着側空間内を真空にする真空発生源と、前記真空吸着側空間内に高圧空気を供給して真空を破壊するように、高圧空気源に接続される高圧ポートと、該高圧ポートと前記真空吸着側空間との間に設けられた真空破壊空気の空気流量調整弁と、真空破壊空気の圧力が所定以上の高圧になった際、該真空破壊空気を逃がす空気圧調整用リリーフ弁とを具備することを特徴とする真空発生器にもある。
【0027】
また、前記配管接続ポートと前記空気流量調整弁との間に設けられた接続空間と、該接続空間に臨んで設けられた前記空気圧調整用リリーフ弁とを具備することで、応答性を向上できる。
また、前記真空発生源が、エジェクタ効果を利用して真空を発生するものであることで、高圧空気を用いて真空を発生することができる。従って、高圧空気源となるコンプレッサ装置を備えれば、真空を発生させるための高圧空気の供給と、真空破壊用高圧空気(真空破壊空気)の供給の両方を行うことができ、別置の駆動源を備える真空発生装置(バキュームポンプ)を要しない。
【0028】
前記空気圧調整用リリーフ弁には、ポペット弁が用いられていることで、簡単な構成で応答性を向上できる。
また、前記ポペット弁を押さえる調圧スプリングの付勢力を変更することにより、真空破壊空気圧のリリーフ圧を任意に調整することで、種々の仕様に好適に対応できる。
また、前記調圧スプリングによる付勢力は、ネジによる調整によってなされることで、簡単な構成で真空破壊空気圧のリリーフ圧を好適に微調整することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる好適な実施例を添付図面と共に詳細に説明する。
図1は本発明にかかる真空発生器用の真空破壊ユニットの一実施例を説明する説明図であって、図1(a)は真空破壊ユニット120を示す側面図(外観図)であり、図1(b)は図1(a)に示す真空破壊ユニット120の回路図である。また、図2は図1に示す真空破壊ユニット120の内部構造を示す断面図である。また、図3は、他の真空破壊ユニット120の内部構造を示す断面図である。
【0030】
18Xは真空ポートであり、その内側空間が真空吸着側空間9Xとなっており、ワークを真空吸着する吸着部1aが連通するように、真空ポート側の配管1が接続される。本実施例ではテーパ螺子式の管継手18aによって構成されている。
【0031】
33は配管接続ポートであり、真空ポート18X内を真空にするように真空発生源に接続されると共に、真空ポート18X内に高圧空気を供給して真空を破壊するように高圧空気源に接続される。図1では一例として、この配管接続ポート33に、背景技術で説明した真空発生器110が、配管111を介して接続された状態を示している。すなわち、配管111を介して、真空発生器110の真空ポート18と配管接続ポート33とが接続されており、真空発生器110は、真空ポート18X内を真空にする真空発生源になると共に、真空ポート18X内に真空破壊空気を供給する高圧空気源になり、真空発生器110と配管接続ポート33とを接続する一つの管路(配管111)によって連通されている。
なお、配管接続ポート33として、本実施例ではワンタッチ式の管継手33aによって構成されているが、他の種々の管継手を利用できるのは勿論である。
【0032】
33Xは接続空間であり、配管接続ポート33に続いて設けられ、真空吸着を行うために減圧される空間の一部となる。
3は空気流量調整弁であり、図2に示すように、接続空間33Xと真空ポート18Xとの間に設けられており、真空破壊空気の流量を調整する。本実施例では、空気流量調整弁の一例として背景技術の構成と同様にニードル弁4が用いられており、詳細の説明を省略する。これにより、簡単な構成で真空破壊空気の流量を任意に微調整できる。
また、接続空間33Xの位置は、配管接続ポート33と空気流量調整弁3との間に設けられているということができる。
【0033】
また、5は空気圧調整用リリーフ弁であり、接続空間33Xに臨んで、配管接続ポート33に直接連通するように設けられており、真空破壊空気の空気圧を制御する。真空破壊空気が急激に多く流れ込んで、その真空破壊空気による圧力が一定値以上に上昇した場合は、その圧力を空気圧調整用リリーフ弁5で好適に逃がすことができる。なお、本実施例では、後述するようにポペット弁6が用いられている。これにより、簡単な構成で真空破壊空気の圧力が必要以上に大きくならないように好適に調整できる。
従って、この空気圧調整用リリーフ弁5の作用によれば、空気流量調整弁3によって真空破壊空気の流量を必要以上に少量に絞ることを回避でき、真空破壊にかかる応答性を低下させない。このため、真空発生器をワークの実装に利用する際などにおいて、その生産性を向上できる。
【0034】
13はチェックパッキンであり、真空ポート18X内(真空吸着側空間9X)を真空にする場合には、通路13aを開くように小径に変形して吸引空気の流れを良好にする。すなわち、チェックパッキン13の作用によって、通路13aが空気流量調整弁3のバイパスとなり、真空吸着側空間9X及びそれに接続される吸着部1a側の空間から、真空発生源(本実施例では真空発生器110)によって空気を直接的に吸引し、真空作用を迅速に発生させることができる。従って、真空吸着の作業を効率良く行うことができ、ワークのピックアップ作業を含む工程の生産性を向上できる。
【0035】
また、このチェックパッキン13は、真空吸着側空間9Xに高圧空気源から真空破壊空気を供給する場合には、通路13aを閉じて、真空破壊空気が必ず空気流量調整弁3を通るようにする。これによって、空気流量調整弁3(ニードル弁)を介し、確実に真空破壊空気の流量制御を行うことができる。
なお、このチェックパッキン13には、めくれ防止部13bが設けられている。このめくれ防止部13bは、傘状のチェックパッキン13の外側面に突起した状態に、複数が設けられている。別言すれば、円周方向に所定の間隔をおいて配され、放射線方向に突出して形成されている。このめくれ防止部13bによれば、異常作動を好適に防止できる。
また、本実施例では、ニードル弁4とポペット弁6とが対向する位置に配されており、その二つの弁の間に接続空間33Xが設けられた形状になっている。
【0036】
以上の構成による真空破壊ユニット120における作用を、空気の流れと共に説明する。図2に点線の矢印で示した空気の流れは、ワークを吸着する際に吸着部1aを真空にすべく、空気が真空発生源によって吸引される状態を示している。
また、図2に実線の矢印で示した空気の流れは、真空破壊空気が吸着部1a(図1参照)へ供給される経路を示しており、配管接続ポート33、接続空間33X、空気流量調整弁3(ニードル弁)、及び真空吸着側空間9X(真空ポート18X)を通過して吸着部1a(図1参照)へ供給される。
この真空破壊の際、真空破壊空気の圧力が所定以上になった場合は、ポペット弁6が調圧スプリング7の付勢力に抗して移動される。そして、図2に1点鎖線の矢印で示したように空気が流れて大気に開放される。これにより、吸着部1aに吸着したワークを吹き飛ばすことなく、好適に離脱することができる。
なお、ポペット弁6には外周にリング状のシール部材6aが嵌められており、そのシール部材6aを介して開閉がなされる。また、ポペット弁6には連通孔6bが穿設されており、ポペット弁6が開くとき、開口度が急激に大きくなって、短時間で圧を逃がすことができる形状になっている。
【0037】
この真空破壊ユニット120によれば、シンプルで小型に形成されるため、配管の先端である吸着部1a(図1参照)の近傍に配設することが可能となる。
このため、空気流量調整弁3(ニードル弁4)から吸着部1aまでの距離を短くできる。すなわち、真空吸着側配管1を短くでき、空気流量調整弁3によって流量が制限された真空破壊空気が供給される空間(真空吸着側空間9X及び真空吸着側配管1内を含む空間)(図1参照)の容積を縮小できる。
このように、真空破壊の際に、真空破壊空気が満たされるべき空気流量調整弁3以降の空間の容積をより小さくできることで、真空破壊が可能となる適度な圧力になるまでの時間を短くすることができる。従って、真空発生器の真空破壊にかかる応答性を向上でき、短時間でワークを吸着部1aから離脱することが可能となる。これにより、ワークの実装工程における吸着搬送などで、著しく生産性を向上できる。
なお、背景技術の真空発生器110にもニードル弁が内臓されているが、本実施例の真空破壊ユニット120を用いる場合は、その真空発生器110のニードル弁によって絞り作用がなされないように開放しておけばよい。
【0038】
また、図3に示した真空破壊ユニットの他の実施例によれば、図2に示した実施例と真空ポート18Xの形態が相違している。すなわち、本実施例によれば、真空ポート18Xが、ワンタッチ式の管継手18bによって構成され、図2の実施例と比較して180度反対の位置に設けられている。また、装着用のブラケット99が設けられている。このように、特に管継手の部分は種々の形態に選択的に設けることが可能であり、使用される装着条件に好適に対応できる。
【0039】
図4は本発明にかかる真空発生器の一実施例を示す説明図であり、図4(a)は平面図であり、図4(b)は正面図である。また、図5は、図4の実施例の流体(空気圧)回路図である。また、図6は図4の実施例の内部構造を詳細に説明する断面図であり、図7は図4の実施例の内部構造を詳細に説明するように図6の断面図とは別の部分で図4の実施例を切断した断面図である。
【0040】
9は真空吸着側空間であり、真空吸着を行うために減圧される真空ポート18の空間である。
2は真空発生機構部であり、真空吸着側空間9に接続され、真空吸着側空間9内を真空(減圧)にする真空発生源の一実施例である。本実施例の真空発生機構部2は、背景技術と同様のエジェクタ部22(図6及び7参照)が内臓されており、エジェクタ効果を利用して真空を発生するものである。従って、高圧空気を用いて真空を発生することができるから、高圧空気源11となるコンプレッサ装置を備えれば、特別な真空を発生させるための装置(バキュームポンプ)を要せず、装置が複雑化することを回避できる。
【0041】
11は高圧空気源であり、真空吸着側空間9に高圧ポート12を介して接続され、真空吸着側空間9内に高圧空気(圧縮空気)である真空破壊空気を供給して真空を破壊する。
なお、この高圧空気源11が、エジェクタ効果を利用した前記真空発生機構部2のエジェクタ部22に高圧空気を供給する高圧空気源11としても用いられる。すなわち、高圧ポート12は、真空発生機構部2と真空破壊用の弁にかかる構成との両方に連通している。
この高圧空気源11としては、通常の工場設備として一般的に使用されているコンプレッサ装置を用いることができる。
【0042】
3は空気流量調整弁であり、高圧空気源と真空吸着側空間9との間に設けられており、真空破壊空気の流量を制御する。本実施例では、空気流量調整弁の一例として背景技術及び前述した実施例の構成と同様にニードル弁4が用いられており、詳細の説明を省略する。これにより、簡単な構成で真空破壊空気の流量を任意に微調整できる。
【0043】
5は空気圧調整用リリーフ弁であり、空気流量調整弁3と真空吸着側空間9との間に設けられており、真空破壊空気の空気圧を制御する。真空破壊空気が急激に多く流れ込んで、その真空破壊空気による圧力が一定値以上に上昇した場合は、その圧力を空気圧調整用リリーフ弁5で好適に逃がすことができる。なお、本実施例では、後述するようにポペット弁6が用いられている。これにより、簡単な構成で真空破壊空気の圧力が必要以上に大きくならないように好適に調整できる。
従って、この空気圧調整用リリーフ弁5の作用によれば、空気流量調整弁3によって真空破壊空気の流量を必要以上に少量に絞ることを要せず、応答性を低下させないため、生産性を向上できる。
なお、77は真空吸着側空間9の圧力を測定して表示するセンサ表示部である。
【0044】
次に、図5、6及び7に基づいて、本実施例の真空発生と真空破壊のメカニズムを以下に詳細に説明する。
なお、本実施例の真空発生機構部2等、多くの構成は、前述した図8〜12の技術(背景技術)にかかる構成と基本的に同一に設けられている。そこで、背景技術と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
先ず、図5及び6に基づいて真空発生のメカニズムについて説明する。
図6に点線の矢印で示した空気の流れは、エジェクタ部22によって真空(減圧状態)を発生させるため、高圧空気源11から供給された高圧空気によるものである。また、図6に1点鎖線の矢印で示した空気の流れは、真空吸着側空間9の空気が、エジェクタ部22によって吸引されることで発生する。
【0045】
図6に示すように、高圧ポート12は高圧空気源11に接続されており、その高圧空気源から圧縮空気が導入される。
すると、背景技術のメインバルブ38に相当する開閉手段(切換弁)としての真空発生用スプール弁39が、真空発生用パイロット弁71によって開いている状態のとき、圧縮空気はその真空発生用スプール弁39を通過してエジェクタ部22に導入される。その導入された空気がノズル部26からデェフュ−ザ部28を通過して外部へ排出されることで真空が発生する。
なお、図6においては、真空発生用スプール弁39の中心線より右側に、背景技術のメイン弁体68に相当する真空用スプール39aが図面上で上方へ移動して真空発生用スプール弁39が開いた状態を示しており、真空発生用スプール弁39の中心線より左側に、真空用スプール39aが図面上で下方へ移動して真空発生用スプール弁39が閉じた状態を示してある。
【0046】
このように真空発生機構部2において真空が発生すると、真空吸着側空間9の空気が吸引される。すなわち、ワークを吸着する吸着部1aに真空吸着側配管1を介して接続される真空ポート18(真空吸着側空間9)から、フィルタ21、連通路部25、及び開口部30を通過して真空発生機構部2へ吸引されてデェフュ−ザ部28を通過して外部へ排出される。
これにより、吸盤状等に形成され、内部が真空ポート18へ連通されている吸着部1aにおいて、ワークを吸着することができる。
なお、図6においては、エジェクタ部22の中心線より右側に、エジェクタ部22が図面上で上方へ移動して開口部30が真空吸着側空間9に連通し、真空が発生している状態を示しており、エジェクタ部22の中心線より左側に、エジェクタ部22が図面上で下方へ移動して開口部30と真空吸着側空間9との通路が閉じて真空の発生が停止した状態を示してある。デェフュ−ザ部28側に配された第1スプリング34によってエジェクタ部22が通路を閉じるように付勢された状態にある。
【0047】
次に、図5、6及び7に基づいて真空破壊のメカニズムについて説明する。
背景技術の第2パイロットバルブ74に相当する真空破壊用パイロット弁75が作動すると、図5の回路図から明らかなように真空破壊用スプール弁51が開き、真空吸着側空間9に連通する真空破壊用流路53に圧縮空気(高圧空気)が送りこまれる。すなわち、真空破壊用パイロット弁75が作動することで、図7において真空破壊用スプール弁51の中心線より右側に示してあるように、シリンダ室51bの一方である上部に高圧空気が導入され、破壊用スプール51aが下方へ移動し、高圧ポート12と真空破壊用流路53とが連通して真空吸着側空間9へ高圧空気が導入されるようになる。なお、シリンダ室51bの他方である下部は常に高圧ポート12を介して高圧空気源11に連通され、常に高圧空気が印加されている状態になっているが、破壊用スプール51a形状が上部の受圧面積に比較して下部の受圧面積が小さくなるように設定されている。このため、シリンダ室51bの上部に、その下部と同一の高圧空気源の高圧空気が導入された場合には、前記受圧面積の差によって、破壊用スプール51aが下方へ移動されることになる。なお、この構成に代えて、破壊用スプール51aの下部(下面)とこれに対抗するシリンダ室51bの内面との間にスプリングを入れて、破壊用スプール51aが作動するようにしてもよい。
【0048】
また、このとき、図5に示すように真空発生用スプール弁39には、そのシリンダ室39bへ真空破壊用パイロット弁75から高圧空気が供給されるように空気圧回路が構成されている。すなわち、図6おいて真空発生用スプール弁39の中心線より左側に示してあるように、シリンダ室39bの一方である上方に高圧空気が導入され、真空用スプール39aが下方へ移動し、真空発生用スプール弁39が閉じる。この真空発生用スプール弁39が閉じることにより、前述したようにエジェクタ部22に圧縮空気が供給されず、真空発生が停止する。
【0049】
そして、真空破壊空気は、流量調整用のニードル弁4により流量が調整され、フィルタ21を通って真空吸着側空間9へ送り込まれる。
ワークは、真空吸着側空間9が大気圧以上になった時点でアクチュエータ(吸着パッド等の吸着部1a)から離脱するわけであるが、ワーク離脱までの時間内で、空気圧調整用リリーフ弁5は設定圧力を超えたときに作動し、必要以上の加圧を防止する。本実施例では、図6において空気圧調整用リリーフ弁5の中心線より右側に示してあるように、ポペット弁6が作動(図面において上方へ移動)し、空気圧調整用リリーフ弁5が開き、空気圧が大気に開放される。
【0050】
この際の空気の流れについて、図7及び図6に基づいて説明する。図に実線の矢印で示した空気の流れは、高圧空気が真空吸着側空間9を満たすための流れと、その真空吸着側空間9が所定の圧力以上になった際に空気圧調整用リリーフ弁5から排出される流れとを示している。
先ず、図7に示すように、真空破壊用スプール弁51が開くことによって、高圧空気が、高圧ポート12から、真空破壊用スプール弁51、真空破壊用流路53、及びニードル弁4を通り、次に、下流側の真空破壊用流路53から、真空破壊空気用のフィルタ55を通過してフィルタ21が配されたフィルタユニット容器内21aを通って真空ポート18へと供給される。
【0051】
そして、空気圧調整用リリーフ弁5は設定圧力を超えたときに開き、高圧空気は、図6に示すように、再度真空破壊空気用のフィルタ55を通過して連通路57から空気圧調整用リリーフ弁5内に入り、騒音防止用のフィルタを通過して大気へ開放される。
これにより、ワーク離脱後、空気圧調整用リリーフ弁5により調整された真空破壊空気は、ワークを吹き飛ばすほどの圧力ではなくなっているため、真空破壊空気によりワークの設置位置のズレ等が防止される。
【0052】
また、本実施例の空気圧調整用リリーフ弁5には、調圧スプリング7が介在してその付勢力に抗して移動することで開くポペット弁6が用いられている。これにより、簡単な構成で応答性を向上できる。なお、ポペット弁6には外周にリング状のシール部材6aが嵌められており、そのシール部材6aを介して開閉がなされる。また、ポペット弁6には連通孔6bが穿設されており、ポペット弁6が開くとき、開口度が急激に大きくなって、短時間で圧を逃がすことができる形状になっている。
また、本実施例の空気圧調整用リリーフ弁5では、ポペット弁6を押さえる調圧スプリング7の付勢力を変更することで、リリーフ圧を任意に調整することができ、種々の仕様に好適に対応できるように設けられている。
【0053】
具体的に実施例では、調圧スプリング7による付勢力が、ネジ8による調整によってなされるように構成されており、簡単な構成で好適に微調整することができる。例えば、図6において空気圧調整用リリーフ弁5の中心線より左側に示してあるように、ネジ8をより奥までねじ込むことで、調圧スプリング7がより圧縮されてリリーフ圧を高めることことができる。
リリーフ圧の設定基準は、ワークが微小、軽量である場合でもワークが吹き飛ぶ圧力よりも小さい圧力で、空気圧調整用リリーフ弁5が作動するようにしておけばよい。これにより、破壊流量を強く絞ることなく、瞬時の真空破壊が可能となる。
【0054】
また、以上の実施例では、図6及び7で示したように、パイロットバルブとして電磁弁を用いているが、開閉弁機能を有すればこれに限られることがないのは勿論である。
また、以上の実施例では、図6及び7で示したように、スプール弁を介してパイロットバルブによって真空発生及び真空破壊を制御しているが、電磁弁で直接的に制御することも可能である。但し、電磁弁で流路を直接的に開放する場合、構造が簡単になる反面、流路を大きく開くためには大型の電磁弁を要したり、消費電力が大きくなるというデメリットがある。
以上、本発明につき好適な実施例を挙げて種々説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのは勿論のことである。
【0055】
【発明の効果】
本願発明にかかる真空発生器用の真空破壊ユニット及び真空発生器によれば、真空破壊空気の空気圧調整用リリーフ弁を加えた点に特徴がある。
これによれば、本発明は、真空破壊空気の空気圧調整用リリーフ弁を設けることにより、真空破壊の際、ワークが微小、軽量である場合でも、真空破壊空気の流量を強く絞ることなく、必要以上の加圧を防止できるため、瞬時の真空破壊とワークの高精度な設置を両立させることが可能となるという著効を奏する。
また、本発明にかかる真空発生器用の真空破壊ユニットによれば、真空破壊空気の空気流量調整弁を、ワークを吸着する吸着部のより近傍に配置することが可能になるため、真空発生器の真空破壊にかかる応答性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる真空破壊ユニットの一実施例を説明する説明図である。
【図2】図1の実施例の内部構造を説明する断面図である。
【図3】本発明にかかる真空破壊ユニットの他の実施例を説明する断面図である。
【図4】本発明にかかる真空発生器の一実施例を説明する説明図である。
【図5】図4の実施例の流体(空気圧)回路図である。
【図6】図4の実施例の内部構造を説明する断面図である。
【図7】図4の実施例の内部構造を説明するように、図6の断面図とは別の部分で図4の実施例を切断した断面図である。
【図8】背景技術にかかる真空発生器の一例を示す断面図である。
【図9】背景技術の真空発生器に利用されるパイロットバルブの一例を説明する断面図である。
【図10】背景技術にかかる真空発生器の全体構成の一例を示す正面図である。
【図11】図10の真空発生器全体の回路図およびタイムチャートである。
【図12】図8の真空発生装置にかかる真空破壊の作動状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 真空吸着側配管
1a 吸着部
2 真空発生機構部
3 空気流量調整弁
4 ニードル弁
5 空気圧調整用リリーフ弁
6 ポペット弁
7 調圧スプリング
8 ネジ
9 真空吸着側空間
9X 真空吸着側空間
10 本体
11 高圧空気源
12 高圧ポート
13 チェックパッキン
14 第1シリンダ室
16 消音部
18 真空ポート
20 負圧ポート部
22 エジェクタ部
24 流路
26 ノズル部
28 デェフューザ部
30 開口部
32 ’O’−リング
33 配管接続ポート
33X 接続空間
34 第1スプリング
39 真空発生用スプール弁
39a 真空用スプール
51 真空破壊用スプール弁
51a 破壊用スプール
53 真空破壊用流路
71 真空発生用パイロット弁
74 真空破壊用パイロット弁
110 真空発生器
120 真空破壊ユニット
Claims (10)
- ワークを真空吸着する吸着部が連通するように、配管が接続される真空ポートと、
該真空ポート内を、真空にできるように真空発生源に接続されると共に、真空が破壊できるように高圧空気源に接続される配管接続ポートと、
該配管接続ポートと前記真空ポートとの間に設けられた真空破壊空気の空気流量調整弁と、
真空破壊空気の圧力が所定以上の高圧になった際、該真空破壊空気を逃がす空気圧調整用リリーフ弁とを具備することを特徴とする真空発生器用の真空破壊ユニット。 - 前記配管接続ポートと前記空気流量調整弁との間に設けられた接続空間と、
該接続空間に臨んで設けられた前記空気圧調整用リリーフ弁とを具備することを特徴とする請求項1記載の真空発生器用の真空破壊ユニット。 - 前記空気圧調整用リリーフ弁には、ポペット弁が用いられていることを特徴とする請求項1又は2記載の真空発生器用の真空破壊ユニット。
- 前記ポペット弁を押さえる調圧スプリングの付勢力を変更することにより、リリーフ圧を任意に調整することを特徴とする請求項3記載の真空発生器用の真空破壊ユニット。
- 前記調圧スプリングによる付勢力は、ネジによる調整によってなされることを特徴とする請求項4記載の真空発生器用の真空破壊ユニット。
- 真空吸着を行うために減圧される空間の一部となる真空吸着側空間と、
該真空吸着側空間に接続され、該真空吸着側空間内を真空にする真空発生源と、
前記真空吸着側空間内に高圧空気を供給して真空を破壊するように、高圧空気源に接続される高圧ポートと、
該高圧ポートと前記真空吸着側空間との間に設けられた真空破壊空気の空気流量調整弁と、
真空破壊空気の圧力が所定以上の高圧になった際、該真空破壊空気を逃がす空気圧調整用リリーフ弁とを具備することを特徴とする真空発生器。 - 前記真空発生源が、エジェクタ効果を利用して真空を発生するものであることを特徴とする請求項6記載の真空発生器。
- 前記空気圧調整用リリーフ弁には、ポペット弁が用いられていることを特徴とする請求項6又は7記載の真空発生器。
- 前記ポペット弁を押さえる調圧スプリングの付勢力を変更することにより、リリーフ圧を任意に調整することを特徴とする請求項8記載の真空発生器。
- 前記調圧スプリングによる付勢力は、ネジによる調整によってなされることを特徴とする請求項9記載の真空発生器。
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