JP3548305B2 - 画像信号入力装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばスチルカメラに設けられ、撮影レンズにより得られた光学像を可視像として保持するとともに、この可視像に応じた画像信号を生成する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来光学像を記録する材料として、銀塩写真材料が広く用いられている。銀塩写真材料は、光感度および解像度が高く、また経済性も優れている等の特徴を備えているが、現像処理が煩雑であるだけでなく、可視像が撮影と同時に得られないという欠点もある。現像処理を簡単にするために乾式現像法が開発されているが、この現像法においても、即時現像化すなわち撮影時に可視像を得ることは不可能である。
【0003】
一方、非銀塩写真材料としては、電子写真材料、ジアゾ写真材料、フリーラジカル写真材料等が知られている。しかし、これらの写真材料において、銀塩写真材料のような特徴を備えていると同時に即時現像化が可能なものはない。なお、電子写真材料は乾式現像ができ、露光により得られた静電潜像をトナー等によって即時に現像できるので、複写機を中心として広く普及してきた。
【0004】
さて、このような電子写真技術において近年、銀塩写真材料のように記録媒体自体が直接電子的に現像され、かつその現像された可視像が即時に得られる写真材料が開発されてきている。このような電子的に現像される記録媒体を、この明細書では電子現像型記録媒体と呼ぶ。
【0005】
例えば特開平5−2280号公報には、静電情報記録媒体と電荷保持媒体とを組み合わせた記録媒体が開示されており、静電情報記録媒体は光導電層と無機酸化物層を有し、電荷保持媒体は液晶表示素子を有している。この構成では、静電情報記録媒体と電荷保持媒体に電圧が印加された状態で静電情報記録媒体が露光されると、入射光量に応じた電荷が静電情報記録媒体に生成される。静電情報記録媒体に対向して配置された液晶表示素子にかかる電界の強さは、その生成電荷に応じて変化するので、液晶表示素子には光量分布に応じた画像が表示すなわち現像される。
【0006】
特開平5−150251号公報には、液晶表示素子にかかる電界を除去しても液晶表示素子に表示された画像が保持される、分散型液晶表示素子が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし従来、このような即時現像化ができる電子写真材料をカメラ等の光学機械に応用したものはなく、この電子写真材料により得られた画像を例えば電気的な信号に変換して出力できる装置の開発が望まれていた。
【0008】
本発明は、簡単な構成によって静止画像の信号を生成することができ、しかも複数回の撮影動作を短時間の間に実施できる画像信号入力装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る画像信号入力装置は、第1の光学系と、この第1の光学系によって結像された画像を電子的に現像する電子現像型記録媒体と、この電子現像型記録媒体を照明する光源と、光源による照明によって電子現像型記録媒体を透過もしくは反射した光の経路の途中に設けられた第2の光学系と、この第2の光学系による画像の結像面に配置されたラインセンサと、電子現像型記録媒体とラインセンサの少なくとも一方を、ラインセンサの長手方向とは異なる方向に移動させる記録媒体移動機構とを備えたことを特徴としている。
【0010】
記録媒体移動機構は、電子現像型記録媒体を移動させることが好ましい。また記録媒体移動機構は、電子現像型記録媒体を、例えばラインセンサが電子現像型記録媒体の一端に対応した位置から他端に対応した位置まで移動させる。
【0011】
画像信号入力装置は、複数の電子現像型記録媒体を記録媒体移動機構に移動方向に沿って配列させて保持する記録媒体ホルダを備えていてもよい。
【0012】
電子現像型記録媒体は例えば、画像に応じた電荷が発生する静電情報記録媒体と、この電荷に応じて可視像が発生するとともにこの可視像を保持可能な電荷保持媒体とを有する。電荷保持媒体は分散型液晶表示素子であってもよい。
【0013】
第2の光学系は、前記電子現像型記録媒体とラインセンサの間に位置することが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態を適用したスチルビデオカメラの外観図である。
【0015】
カメラ本体11を前方から見ると、前面の略中央には撮影レンズ等を備えた撮影光学系12が設けられ、撮影光学系12の右上方にはストロボ13が配設されている。またストロボ13とは反対側にはレリーズスイッチ14が設けられている。ファインダ15はカメラ本体11の上面の中央部に設けられ、記録媒体移送スイッチ16等の操作スイッチはファインダ15の側方に設けられている。このカメラにより得られた画像信号を外部の記録装置等に出力するため、カメラ本体11の側面の下部には出力端子17が配設されている。またカメラ本体11の側面には記録媒体ホルダ100を挿入するためのスロット(挿通孔)18が形成され、スロット18の入口の近傍には、記録媒体ホルダ100が係合することによってオン状態となるホルダ検出スイッチ105が設けられている。
【0016】
図2はスチルビデオカメラのブロック図である。
システムコントロール回路20はマイクロコンピュータであり、本スチルビデオカメラの全体の制御を行う。
【0017】
撮影光学系12には複数のレンズ群の他、絞り12aが設けられている。撮影光学系12の後方には、電子現像型記録媒体30a〜30d(図3参照)を保持する記録媒体ホルダ100が配設され、撮影光学系12と記録媒体ホルダ100の間にはクイックリターンミラー21が設けられ、クイックリターンミラー21と記録媒体ホルダ100の間にはシャッタ22が設けられている。クイックリターンミラー21の上方にはファインダ光学系23のピント板23aが配設されている。
【0018】
絞り12a、クイックリターンミラー21およびシャッタ22は、それぞれアイリス駆動回路24、ミラー駆動回路25およびシャッタ駆動回路26によって駆動され、これらの回路24、25、26は露出制御回路27により制御される。露出制御回路27はシステムコントロール回路20から出力される指令信号に従って動作する。すなわち、露出制御時、測光センサ28からの出力信号に基づく露出制御回路27の制御に従って、絞り12aはアイリス駆動回路24により開度を調整される。クイックリターンミラー21は通常、ダウン位置(実線により示される傾斜状態)に定められ、撮影光学系12を通過した光をファインダ光学系23に導いているが、撮影動作時、露出制御回路27の制御に従い、ミラー駆動回路25によって上方に回動せしめられアップ位置(破線により示される水平状態)に定められる。シャッタ22は通常閉塞しているが、撮影動作時、露出制御回路27の制御に従って、シャッタ駆動回路26によって所定時間開放され、これにより撮影光学系12を通過した光が記録媒体ホルダ100に保持された電子現像型記録媒体30a〜30d(図3)の1つの受光面に照射される。
【0019】
記録媒体駆動回路41の制御に基づいて、電子現像型記録媒体30a〜30d(図3)のうち撮影光学系12の後方に位置したものに電圧が印加され、この電圧印加の間に露光されることによって、その電子現像型記録媒体には、後述するように撮影光学系12によって結像された画像が可視像として現像される。なお記録媒体駆動回路41は、システムコントロール回路20から出力される指令信号に従って動作する。
【0020】
撮影光学系12の光軸に平行に支持部材50が設けられ、支持部材50には、例えばLED(発光素子)から成る光源42とスキャナ光学系43とラインセンサ44がそれぞれ支持されている。スキャナ光学系43は光源42とラインセンサ44の間に設けられている。記録媒体ホルダ100は撮影光学系12の光軸に直交する方向に移動自在に設けられ、光源42とスキャナ光学系43の間を移動する。ラインセンサ44は、例えば2000画素のCCD1次元センサ等を用いることができる。
【0021】
記録媒体ホルダ100は光源42とスキャナ光学系43の間を移動し、この移動によって、電子現像型記録媒体30a〜30d(図3)により現像された画像は光源42によって照明され、スキャナ光学系43の作用によりラインセンサ44の受光面に結像される。すなわちスキャナ光学系43は、光源42による照明によって電子現像型記録媒体30a〜30dを透過した光の経路の途中に設けられている。
【0022】
光源42のオンオフ制御は照明光源駆動回路45により行われ、ラインセンサ44に発生した画素信号の読出し動作等の制御はラインセンサ駆動回路47により行われる。記録媒体ホルダ100の移動の制御は移送機構46により行われる。照明光源駆動回路45、移送機構46およびラインセンサ駆動回路47はシステムコントロール回路20により制御される。
【0023】
ラインセンサ44から読み出された画素信号は、アンプ61により増幅され、A/D変換器62によってデジタル信号に変換される。デジタルの画素信号は、システムコントロール回路20の制御に従って、画像処理回路63においてシェーディング補正、ドロップアウト補正およびガンマ補正等の処理を施された後、メモリ64に一時的に格納される。なおメモリ64は、ラインセンサ44から出力される1水平走査線分だけの記憶容量を有していてもよいが、1フレーム分の記憶容量を有するメモリであってもよい。また、メモリ64はE2 PROMを備えており、このE2 PROMにはシェーディング補正等の補正値が格納される。
【0024】
メモリ64から読み出された画素信号は、画像処理回路63からインターフェイス回路65に入力されてフォーマットの変換等の所定の処理を施され、出力端子17を介して外部のディスプレイ装置(図示せず)等に出力可能である。また画像処理回路63から出力された画素信号は、記録装置制御回路66において、画像圧縮あるいはフォーマットの変換等の所定の処理を施され、画像記録装置67において例えばICメモリカード等の記録媒体に記録可能である。インターフェイス回路65と記録装置制御回路66はシステムコントロール回路20からの指令信号に従って動作する。
【0025】
システムコントロール回路20には、レリーズスイッチ14と記録媒体移送スイッチ16が接続され、これらのスイッチ14、16の操作に従って、撮像動作および画像信号の読出し動作等が行われる。またシステムコントロール回路20には、このスチルビデオカメラの種々の設定状態等を表示するための表示素子68と、ストロボ13の発光制御を行うためのストロボ駆動回路69が接続されている。
【0026】
図3は記録媒体ホルダ100およびこれの近傍の構成を示す斜視図である。
光源42は支持部材50の一端に固定され、ラインセンサ44は支持部材50の他端に固定されている。光源42とラインセンサ44は記録媒体ホルダ100の幅方向に沿って延びている。スキャナ光学系43は支持部材50のラインセンサ44の近傍に設けられている。記録媒体ホルダ100は光源42とスキャナ光学系43の間に設けられ、撮影光学系12の光軸に直交する方向に延びている。記録媒体ホルダ100の下面にはラック101が形成され、このラック101には、移送モータ102の出力軸に固定されたピニオン103が噛合している。したがってモータ102が駆動されると、ピニオン103の回転量に応じて記録媒体ホルダ100が移動する。
【0027】
記録媒体ホルダ100には、例えば4つの電子現像型記録媒体30a〜30dが等間隔に設けられ、これらの電子現像型記録媒体30a〜30dは記録媒体ホルダ100の移動方向に沿って配列されている。撮像動作時および非作動時等において、1つの電子現像型記録媒体30a〜30dの中心部が撮影光学系12の光軸に略一致するように、記録媒体ホルダ100は位置決めされている。また、この時、光源42、スキャナ光学系43およびラインセンサ44は、電子現像型記録媒体30a〜30dの端部に対応した位置にある。
【0028】
1回の撮影動作が終了し、記録媒体移送スイッチ16が押下されると、移送モータ102が回動し、記録媒体ホルダ100は、次の電子現像型記録媒体30a〜30dの中心部が撮影光学系12の光軸に一致するまで移動する。すなわち電子現像型記録媒体30a〜30dは、ラインセンサ44の長手方向とは異なる方向、すなわち長手方向に直交する方向に移動する。この移動動作において、それまで撮影光学系12の後方に位置していた電子現像型記録媒体30a〜30dは、光源42とスキャナ光学系43の間を移動し、電子現像型記録媒体30a〜30dに現像されている画像がラインセンサ44によって読み出される。なお、電子現像型記録媒体30a〜30dの撮影光学系12に対する位置決めは、移送モータ102を駆動するパルス信号の数に基づいて行われ、このパルス信号の計数は、記録媒体ホルダ100の先端100aがホルダ検出スイッチ105に係合した位置から行われる。
【0029】
図4は電子現像型記録媒体30a〜30dの構成を示す図であり、これは特開平5−2280号公報に開示されたものと同じである。
すなわち電子現像型記録媒体30a〜30dは静電情報記録媒体31と電荷保持媒体32と電源33とを備えている。静電情報記録媒体31は、基板34、電極層35、無機酸化物層36および光導電層37を積層して成り、光導電層37は電荷発生層37aと電荷輸送層37bを重合させて構成される。電荷保持媒体32は、液晶支持体38と液晶電極層39の間に液晶40を封入して構成される。静電情報記録媒体31の電荷輸送層37bと電荷保持媒体32の液晶支持体38とは微小間隙をもって対向している。
【0030】
電源33は記録媒体駆動回路41によりオンオフ制御され、電源33がオン状態のとき、電極層35と液晶電極層39の間、すなわち静電情報記録媒体31と電荷保持媒体32に電圧が印加される。この電圧印加状態で静電情報記録媒体31が露光されると、静電情報記録媒体31には、画像に応じた電荷が発生する。この電荷に応じて、液晶40に作用する電界の強さが変化するため、液晶40には、その画像が可視像として表示され、被写体像が現像される。この電荷保持媒体32は分散型液晶表示素子であり、現像された可視像は電界を除去しても保持される。分散型液晶表示素子は、加熱装置(図示せず)を用いて所定の温度に加熱することにより、現像された可視像を消去させることもでき、その場合は繰り返し同一記録媒体を用いることもできる。
【0031】
図5は、撮像動作とラインセンサ44からの画素信号の読出し動作とを示すタイミングチャートである。この図を参照して、本実施形態の作用を説明する。
【0032】
レリーズスイッチ14が押下されたことが検知されると(符号S11)、測光センサ28からの出力信号すなわち測光値が検出され、この測光値に基づいて露出演算が開始される(符号S12)。また、レリーズスイッチ14が押下されてから所定時間が経過した後、記録媒体駆動回路41から記録媒体活性化信号が出力され(符号S13)、これにより電源33がオン状態となって静電情報記録媒体31と電荷保持媒体32に電圧が印加される。次いで露出演算が完了したことが確認されると(符号S14)、この演算結果に従って撮像動作が行われる。
【0033】
撮像動作では、まず絞り12aの開度が全開状態から所定開度まで変化し(符号S15)、またクイックリターンミラー21がダウン状態からアップ状態に変化する(符号S16)。ミラー21のアップ状態への変化と絞り12aの開度調整が完了したことが確認されると、シャッタ22が開放する(符号S17)。露出演算により求められた露出期間が経過し、露出が完了したことが検出されると、シャッタ22が閉じる(符号S18)。このシャッタ22の閉塞動作の完了に伴い、ミラー21がダウン状態に変化するとともに(符号S19)、絞り12aが全開状態まで開放する(符号S20)。そして、記録媒体活性化信号の出力が停止される(符号S21)。
【0034】
すなわち、記録媒体活性化信号は少なくともシャッタ22が開放している間出力され、この間、電子現像型記録媒体30a〜30dのうち記録動作が行われるもの、すなわちシャッタ22の後方に配置された電子現像型記録媒体に所定の電圧が印加される。そして、この状態で露光されることにより、電子現像型記録媒体には被写体像が可視像として現像される。この可視像は記録媒体活性化信号の出力が停止しても保持される。
【0035】
ミラー21と絞り12aが初期状態に復帰したことが確認されると、ミラー21と絞り12aの駆動が停止され、この撮像動作は終了する。
【0036】
次いで、記録媒体移送スイッチ16が押されると、記録媒体ホルダ100が移送され、電子現像型記録媒体によって現像された画像がラインセンサ44によって読み出される。
【0037】
すなわち、システムコントロール回路20からスキャナ駆動指令信号が出力されたことが確認されると(符号S31)、シャッタ22が開放され(符号S32)、光源42が点灯される(符号S33)。そして、スキャナ系駆動信号が出力されて(符号S34)、移送モータ102が回転し、記録媒体ホルダ100が移動し始める(符号S35)。次いで、ラインセンサ駆動電源がオン状態となる(符号S36)。
【0038】
記録媒体ホルダ100が所定量だけ変位し、ラインセンサ44が読み出し開始位置に定められたことが確認されると、スキャナ系駆動信号の出力が停止され(符号S37)、移送モータ102が停止される(符号S38)。この停止動作は、例えば移送モータ102を回転駆動するためのパルス信号を計数すること等によって制御される。
【0039】
次いで、ラインセンサ44に対する露光が開始され、電荷蓄積が行われる(符号S39)。例えば一定時間が経過したことを検知することにより、ラインセンサ44の露光が完了したことが確認されると、ラインセンサ44の読み出し走査が開始され、1水平走査線分の画素信号の出力が開始される(符号S40)。そして移送モータ102を回転させるスキャナ系駆動信号が出力されて(符号S41)、記録媒体ホルダ100が移動し始める(符号S42)。
【0040】
この記録媒体ホルダ100の移動中において、ラインセンサ44の読み出し動作が終了したことが確認されると、その読み出し動作が停止される(符号S43)。なお、この読み出し動作の終了は、例えばラインセンサ駆動回路47から出力されるラインセンサ44を駆動するためのパルス信号を計数することにより制御される。
【0041】
記録媒体ホルダ100が所定量だけ移動すると、ラインセンサ44が次の水平走査線の位置に定められたと見做されてスキャナ系駆動信号の出力が停止され(符号S44)、移送モータ102が停止される(符号S45)。
【0042】
このような動作が繰り返され、シャッタ22の後方に位置する電子現像型記録媒体の画像を構成する全水平走査線の読み出し動作が行われる。全水平走査線の数は例えば2000であり、例えば記録媒体ホルダ100の停止動作を計数するカウンタを設け、このカウンタの値を判定することにより行われる。
【0043】
このように本実施形態では、記録媒体ホルダ100が所定時間の停止と所定量の移動とを繰り返しつつ、ラインセンサ44が画像を検知することにより、電子現像型記録媒体30a〜30dによって現像された画像信号が読み出される。
【0044】
このようにして全水平走査線の読み出しが完了すると(符号S51)、ラインセンサ44の駆動電源がオフ状態に切り換えられるとともに(符号S52)、光源42が消灯される(符号S53)。そしてシャッタ22が閉塞されるとともに(符号S54)、スキャナ系駆動信号の出力が停止されて(符号S55)移送モータ102が停止され、記録媒体ホルダ100が停止される(符号S56)。
【0045】
次いで記録媒体ホルダ100は、次の電子現像型記録媒体が撮影光学系12の光軸に対応する位置まで移動され、位置決めされる。そして上述した撮影動作と読出動作が繰り返され、全ての電子現像型記録媒体に対する露光が行われる。これにより、表示素子68において、全ての記録媒体の記録が完了したことが表示され、排出スイッチ19が押されると、電子現像型記録媒体30a〜30dはスロット18から排出される。
【0046】
以上のように本実施形態によれば、レリーズスイッチ14を操作することによって電子現像型記録媒体30a〜30dの電荷保持媒体32(分散型液晶表示素子)に被写体像が現像され、この被写体像は、その後、記録媒体ホルダ100を移動させつつラインセンサ44を駆動することにより検出され、画像記録装置67等によってICメモリカード等の記録媒体に記録される。電子現像型記録媒体30a〜30dとラインセンサ44との組合せから成る画像信号検出系は、CCDから成る2次元センサ(エリアセンサ)と比較して小形かつ安価であり、したがって、特に高精細画像を得る場合にその効果は大きい。また電荷保持媒体32に画像が保持されるため、ラインセンサ44による画像の読み取り動作は比較的遅くてもよく、読み出された画像信号を処理するための回路構成を複雑にする必要はない。
【0047】
さらに本実施形態によれば、記録媒体ホルダ100を移動させる間に電子現像型記録媒体の画像が読み出されるので、次の電子現像型記録媒体が撮影光学系12の後方に位置決めされると同時に、この電子現像型記録媒体への撮像動作を開始することができる。また、記録媒体ホルダ100を移動させる構成によると、ラインセンサ44を移動させる構成とは異なり、撮影動作毎にラインセンサ44を初期位置に戻す必要がないので、次の撮影動作を迅速に開始することができる。すなわち本実施形態によれば、複数回の撮影動作を短時間の間に実施することができる。
【0048】
なお、電子現像型記録媒体30a〜30dは上述した構成のものに限定されず、画像を電子的に現像するものであれば、他の構成であってもよい。
【0049】
また本発明は、上記実施形態のように一眼レフカメラに限定されず、レンズシャッタ式カメラにも適用できる。なおレンズシャッタ式カメラの場合には上記実施形態のようにスキャナ系駆動時に再びシャッタ22を開放する必要はない。
【0050】
さらに本発明は、電子現像型記録媒体の画像を読み出すために、電子現像型記録媒体を変位させるのではなく、ラインセンサ44を変位させるように構成してもよい。
【0051】
スキャナ光学系43は、単レンズの他、マイクロレンズアレー、セルフォックスレンズアレー等を利用することができる。
【0052】
またラインセンサ44は、電子現像型記録媒体30a〜30dにおいて反射した光を検出するように配設されていてもよい。
【0053】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、簡単な構成によって静止画像の信号を生成することができ、しかも複数回の撮影動作を短時間の間に実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を適用したスチルビデオカメラの外観図である。
【図2】図1のスチルビデオカメラの回路構成を示すブロック図である。
【図3】記録媒体ホルダおよびこれの近傍の構成を示す斜視図である。
【図4】電子現像型記録媒体の構成を示す図である。
【図5】撮像動作とラインセンサからの画素信号の読出し動作とを示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
12 撮影光学系(第1の光学系)
30a〜30d 電子現像型記録媒体
42 光源
43 スキャナ光学系(第2の光学系)
44 ラインセンサ
50 支持部材
100 記録媒体ホルダ
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばスチルカメラに設けられ、撮影レンズにより得られた光学像を可視像として保持するとともに、この可視像に応じた画像信号を生成する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来光学像を記録する材料として、銀塩写真材料が広く用いられている。銀塩写真材料は、光感度および解像度が高く、また経済性も優れている等の特徴を備えているが、現像処理が煩雑であるだけでなく、可視像が撮影と同時に得られないという欠点もある。現像処理を簡単にするために乾式現像法が開発されているが、この現像法においても、即時現像化すなわち撮影時に可視像を得ることは不可能である。
【0003】
一方、非銀塩写真材料としては、電子写真材料、ジアゾ写真材料、フリーラジカル写真材料等が知られている。しかし、これらの写真材料において、銀塩写真材料のような特徴を備えていると同時に即時現像化が可能なものはない。なお、電子写真材料は乾式現像ができ、露光により得られた静電潜像をトナー等によって即時に現像できるので、複写機を中心として広く普及してきた。
【0004】
さて、このような電子写真技術において近年、銀塩写真材料のように記録媒体自体が直接電子的に現像され、かつその現像された可視像が即時に得られる写真材料が開発されてきている。このような電子的に現像される記録媒体を、この明細書では電子現像型記録媒体と呼ぶ。
【0005】
例えば特開平5−2280号公報には、静電情報記録媒体と電荷保持媒体とを組み合わせた記録媒体が開示されており、静電情報記録媒体は光導電層と無機酸化物層を有し、電荷保持媒体は液晶表示素子を有している。この構成では、静電情報記録媒体と電荷保持媒体に電圧が印加された状態で静電情報記録媒体が露光されると、入射光量に応じた電荷が静電情報記録媒体に生成される。静電情報記録媒体に対向して配置された液晶表示素子にかかる電界の強さは、その生成電荷に応じて変化するので、液晶表示素子には光量分布に応じた画像が表示すなわち現像される。
【0006】
特開平5−150251号公報には、液晶表示素子にかかる電界を除去しても液晶表示素子に表示された画像が保持される、分散型液晶表示素子が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし従来、このような即時現像化ができる電子写真材料をカメラ等の光学機械に応用したものはなく、この電子写真材料により得られた画像を例えば電気的な信号に変換して出力できる装置の開発が望まれていた。
【0008】
本発明は、簡単な構成によって静止画像の信号を生成することができ、しかも複数回の撮影動作を短時間の間に実施できる画像信号入力装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る画像信号入力装置は、第1の光学系と、この第1の光学系によって結像された画像を電子的に現像する電子現像型記録媒体と、この電子現像型記録媒体を照明する光源と、光源による照明によって電子現像型記録媒体を透過もしくは反射した光の経路の途中に設けられた第2の光学系と、この第2の光学系による画像の結像面に配置されたラインセンサと、電子現像型記録媒体とラインセンサの少なくとも一方を、ラインセンサの長手方向とは異なる方向に移動させる記録媒体移動機構とを備えたことを特徴としている。
【0010】
記録媒体移動機構は、電子現像型記録媒体を移動させることが好ましい。また記録媒体移動機構は、電子現像型記録媒体を、例えばラインセンサが電子現像型記録媒体の一端に対応した位置から他端に対応した位置まで移動させる。
【0011】
画像信号入力装置は、複数の電子現像型記録媒体を記録媒体移動機構に移動方向に沿って配列させて保持する記録媒体ホルダを備えていてもよい。
【0012】
電子現像型記録媒体は例えば、画像に応じた電荷が発生する静電情報記録媒体と、この電荷に応じて可視像が発生するとともにこの可視像を保持可能な電荷保持媒体とを有する。電荷保持媒体は分散型液晶表示素子であってもよい。
【0013】
第2の光学系は、前記電子現像型記録媒体とラインセンサの間に位置することが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態を適用したスチルビデオカメラの外観図である。
【0015】
カメラ本体11を前方から見ると、前面の略中央には撮影レンズ等を備えた撮影光学系12が設けられ、撮影光学系12の右上方にはストロボ13が配設されている。またストロボ13とは反対側にはレリーズスイッチ14が設けられている。ファインダ15はカメラ本体11の上面の中央部に設けられ、記録媒体移送スイッチ16等の操作スイッチはファインダ15の側方に設けられている。このカメラにより得られた画像信号を外部の記録装置等に出力するため、カメラ本体11の側面の下部には出力端子17が配設されている。またカメラ本体11の側面には記録媒体ホルダ100を挿入するためのスロット(挿通孔)18が形成され、スロット18の入口の近傍には、記録媒体ホルダ100が係合することによってオン状態となるホルダ検出スイッチ105が設けられている。
【0016】
図2はスチルビデオカメラのブロック図である。
システムコントロール回路20はマイクロコンピュータであり、本スチルビデオカメラの全体の制御を行う。
【0017】
撮影光学系12には複数のレンズ群の他、絞り12aが設けられている。撮影光学系12の後方には、電子現像型記録媒体30a〜30d(図3参照)を保持する記録媒体ホルダ100が配設され、撮影光学系12と記録媒体ホルダ100の間にはクイックリターンミラー21が設けられ、クイックリターンミラー21と記録媒体ホルダ100の間にはシャッタ22が設けられている。クイックリターンミラー21の上方にはファインダ光学系23のピント板23aが配設されている。
【0018】
絞り12a、クイックリターンミラー21およびシャッタ22は、それぞれアイリス駆動回路24、ミラー駆動回路25およびシャッタ駆動回路26によって駆動され、これらの回路24、25、26は露出制御回路27により制御される。露出制御回路27はシステムコントロール回路20から出力される指令信号に従って動作する。すなわち、露出制御時、測光センサ28からの出力信号に基づく露出制御回路27の制御に従って、絞り12aはアイリス駆動回路24により開度を調整される。クイックリターンミラー21は通常、ダウン位置(実線により示される傾斜状態)に定められ、撮影光学系12を通過した光をファインダ光学系23に導いているが、撮影動作時、露出制御回路27の制御に従い、ミラー駆動回路25によって上方に回動せしめられアップ位置(破線により示される水平状態)に定められる。シャッタ22は通常閉塞しているが、撮影動作時、露出制御回路27の制御に従って、シャッタ駆動回路26によって所定時間開放され、これにより撮影光学系12を通過した光が記録媒体ホルダ100に保持された電子現像型記録媒体30a〜30d(図3)の1つの受光面に照射される。
【0019】
記録媒体駆動回路41の制御に基づいて、電子現像型記録媒体30a〜30d(図3)のうち撮影光学系12の後方に位置したものに電圧が印加され、この電圧印加の間に露光されることによって、その電子現像型記録媒体には、後述するように撮影光学系12によって結像された画像が可視像として現像される。なお記録媒体駆動回路41は、システムコントロール回路20から出力される指令信号に従って動作する。
【0020】
撮影光学系12の光軸に平行に支持部材50が設けられ、支持部材50には、例えばLED(発光素子)から成る光源42とスキャナ光学系43とラインセンサ44がそれぞれ支持されている。スキャナ光学系43は光源42とラインセンサ44の間に設けられている。記録媒体ホルダ100は撮影光学系12の光軸に直交する方向に移動自在に設けられ、光源42とスキャナ光学系43の間を移動する。ラインセンサ44は、例えば2000画素のCCD1次元センサ等を用いることができる。
【0021】
記録媒体ホルダ100は光源42とスキャナ光学系43の間を移動し、この移動によって、電子現像型記録媒体30a〜30d(図3)により現像された画像は光源42によって照明され、スキャナ光学系43の作用によりラインセンサ44の受光面に結像される。すなわちスキャナ光学系43は、光源42による照明によって電子現像型記録媒体30a〜30dを透過した光の経路の途中に設けられている。
【0022】
光源42のオンオフ制御は照明光源駆動回路45により行われ、ラインセンサ44に発生した画素信号の読出し動作等の制御はラインセンサ駆動回路47により行われる。記録媒体ホルダ100の移動の制御は移送機構46により行われる。照明光源駆動回路45、移送機構46およびラインセンサ駆動回路47はシステムコントロール回路20により制御される。
【0023】
ラインセンサ44から読み出された画素信号は、アンプ61により増幅され、A/D変換器62によってデジタル信号に変換される。デジタルの画素信号は、システムコントロール回路20の制御に従って、画像処理回路63においてシェーディング補正、ドロップアウト補正およびガンマ補正等の処理を施された後、メモリ64に一時的に格納される。なおメモリ64は、ラインセンサ44から出力される1水平走査線分だけの記憶容量を有していてもよいが、1フレーム分の記憶容量を有するメモリであってもよい。また、メモリ64はE2 PROMを備えており、このE2 PROMにはシェーディング補正等の補正値が格納される。
【0024】
メモリ64から読み出された画素信号は、画像処理回路63からインターフェイス回路65に入力されてフォーマットの変換等の所定の処理を施され、出力端子17を介して外部のディスプレイ装置(図示せず)等に出力可能である。また画像処理回路63から出力された画素信号は、記録装置制御回路66において、画像圧縮あるいはフォーマットの変換等の所定の処理を施され、画像記録装置67において例えばICメモリカード等の記録媒体に記録可能である。インターフェイス回路65と記録装置制御回路66はシステムコントロール回路20からの指令信号に従って動作する。
【0025】
システムコントロール回路20には、レリーズスイッチ14と記録媒体移送スイッチ16が接続され、これらのスイッチ14、16の操作に従って、撮像動作および画像信号の読出し動作等が行われる。またシステムコントロール回路20には、このスチルビデオカメラの種々の設定状態等を表示するための表示素子68と、ストロボ13の発光制御を行うためのストロボ駆動回路69が接続されている。
【0026】
図3は記録媒体ホルダ100およびこれの近傍の構成を示す斜視図である。
光源42は支持部材50の一端に固定され、ラインセンサ44は支持部材50の他端に固定されている。光源42とラインセンサ44は記録媒体ホルダ100の幅方向に沿って延びている。スキャナ光学系43は支持部材50のラインセンサ44の近傍に設けられている。記録媒体ホルダ100は光源42とスキャナ光学系43の間に設けられ、撮影光学系12の光軸に直交する方向に延びている。記録媒体ホルダ100の下面にはラック101が形成され、このラック101には、移送モータ102の出力軸に固定されたピニオン103が噛合している。したがってモータ102が駆動されると、ピニオン103の回転量に応じて記録媒体ホルダ100が移動する。
【0027】
記録媒体ホルダ100には、例えば4つの電子現像型記録媒体30a〜30dが等間隔に設けられ、これらの電子現像型記録媒体30a〜30dは記録媒体ホルダ100の移動方向に沿って配列されている。撮像動作時および非作動時等において、1つの電子現像型記録媒体30a〜30dの中心部が撮影光学系12の光軸に略一致するように、記録媒体ホルダ100は位置決めされている。また、この時、光源42、スキャナ光学系43およびラインセンサ44は、電子現像型記録媒体30a〜30dの端部に対応した位置にある。
【0028】
1回の撮影動作が終了し、記録媒体移送スイッチ16が押下されると、移送モータ102が回動し、記録媒体ホルダ100は、次の電子現像型記録媒体30a〜30dの中心部が撮影光学系12の光軸に一致するまで移動する。すなわち電子現像型記録媒体30a〜30dは、ラインセンサ44の長手方向とは異なる方向、すなわち長手方向に直交する方向に移動する。この移動動作において、それまで撮影光学系12の後方に位置していた電子現像型記録媒体30a〜30dは、光源42とスキャナ光学系43の間を移動し、電子現像型記録媒体30a〜30dに現像されている画像がラインセンサ44によって読み出される。なお、電子現像型記録媒体30a〜30dの撮影光学系12に対する位置決めは、移送モータ102を駆動するパルス信号の数に基づいて行われ、このパルス信号の計数は、記録媒体ホルダ100の先端100aがホルダ検出スイッチ105に係合した位置から行われる。
【0029】
図4は電子現像型記録媒体30a〜30dの構成を示す図であり、これは特開平5−2280号公報に開示されたものと同じである。
すなわち電子現像型記録媒体30a〜30dは静電情報記録媒体31と電荷保持媒体32と電源33とを備えている。静電情報記録媒体31は、基板34、電極層35、無機酸化物層36および光導電層37を積層して成り、光導電層37は電荷発生層37aと電荷輸送層37bを重合させて構成される。電荷保持媒体32は、液晶支持体38と液晶電極層39の間に液晶40を封入して構成される。静電情報記録媒体31の電荷輸送層37bと電荷保持媒体32の液晶支持体38とは微小間隙をもって対向している。
【0030】
電源33は記録媒体駆動回路41によりオンオフ制御され、電源33がオン状態のとき、電極層35と液晶電極層39の間、すなわち静電情報記録媒体31と電荷保持媒体32に電圧が印加される。この電圧印加状態で静電情報記録媒体31が露光されると、静電情報記録媒体31には、画像に応じた電荷が発生する。この電荷に応じて、液晶40に作用する電界の強さが変化するため、液晶40には、その画像が可視像として表示され、被写体像が現像される。この電荷保持媒体32は分散型液晶表示素子であり、現像された可視像は電界を除去しても保持される。分散型液晶表示素子は、加熱装置(図示せず)を用いて所定の温度に加熱することにより、現像された可視像を消去させることもでき、その場合は繰り返し同一記録媒体を用いることもできる。
【0031】
図5は、撮像動作とラインセンサ44からの画素信号の読出し動作とを示すタイミングチャートである。この図を参照して、本実施形態の作用を説明する。
【0032】
レリーズスイッチ14が押下されたことが検知されると(符号S11)、測光センサ28からの出力信号すなわち測光値が検出され、この測光値に基づいて露出演算が開始される(符号S12)。また、レリーズスイッチ14が押下されてから所定時間が経過した後、記録媒体駆動回路41から記録媒体活性化信号が出力され(符号S13)、これにより電源33がオン状態となって静電情報記録媒体31と電荷保持媒体32に電圧が印加される。次いで露出演算が完了したことが確認されると(符号S14)、この演算結果に従って撮像動作が行われる。
【0033】
撮像動作では、まず絞り12aの開度が全開状態から所定開度まで変化し(符号S15)、またクイックリターンミラー21がダウン状態からアップ状態に変化する(符号S16)。ミラー21のアップ状態への変化と絞り12aの開度調整が完了したことが確認されると、シャッタ22が開放する(符号S17)。露出演算により求められた露出期間が経過し、露出が完了したことが検出されると、シャッタ22が閉じる(符号S18)。このシャッタ22の閉塞動作の完了に伴い、ミラー21がダウン状態に変化するとともに(符号S19)、絞り12aが全開状態まで開放する(符号S20)。そして、記録媒体活性化信号の出力が停止される(符号S21)。
【0034】
すなわち、記録媒体活性化信号は少なくともシャッタ22が開放している間出力され、この間、電子現像型記録媒体30a〜30dのうち記録動作が行われるもの、すなわちシャッタ22の後方に配置された電子現像型記録媒体に所定の電圧が印加される。そして、この状態で露光されることにより、電子現像型記録媒体には被写体像が可視像として現像される。この可視像は記録媒体活性化信号の出力が停止しても保持される。
【0035】
ミラー21と絞り12aが初期状態に復帰したことが確認されると、ミラー21と絞り12aの駆動が停止され、この撮像動作は終了する。
【0036】
次いで、記録媒体移送スイッチ16が押されると、記録媒体ホルダ100が移送され、電子現像型記録媒体によって現像された画像がラインセンサ44によって読み出される。
【0037】
すなわち、システムコントロール回路20からスキャナ駆動指令信号が出力されたことが確認されると(符号S31)、シャッタ22が開放され(符号S32)、光源42が点灯される(符号S33)。そして、スキャナ系駆動信号が出力されて(符号S34)、移送モータ102が回転し、記録媒体ホルダ100が移動し始める(符号S35)。次いで、ラインセンサ駆動電源がオン状態となる(符号S36)。
【0038】
記録媒体ホルダ100が所定量だけ変位し、ラインセンサ44が読み出し開始位置に定められたことが確認されると、スキャナ系駆動信号の出力が停止され(符号S37)、移送モータ102が停止される(符号S38)。この停止動作は、例えば移送モータ102を回転駆動するためのパルス信号を計数すること等によって制御される。
【0039】
次いで、ラインセンサ44に対する露光が開始され、電荷蓄積が行われる(符号S39)。例えば一定時間が経過したことを検知することにより、ラインセンサ44の露光が完了したことが確認されると、ラインセンサ44の読み出し走査が開始され、1水平走査線分の画素信号の出力が開始される(符号S40)。そして移送モータ102を回転させるスキャナ系駆動信号が出力されて(符号S41)、記録媒体ホルダ100が移動し始める(符号S42)。
【0040】
この記録媒体ホルダ100の移動中において、ラインセンサ44の読み出し動作が終了したことが確認されると、その読み出し動作が停止される(符号S43)。なお、この読み出し動作の終了は、例えばラインセンサ駆動回路47から出力されるラインセンサ44を駆動するためのパルス信号を計数することにより制御される。
【0041】
記録媒体ホルダ100が所定量だけ移動すると、ラインセンサ44が次の水平走査線の位置に定められたと見做されてスキャナ系駆動信号の出力が停止され(符号S44)、移送モータ102が停止される(符号S45)。
【0042】
このような動作が繰り返され、シャッタ22の後方に位置する電子現像型記録媒体の画像を構成する全水平走査線の読み出し動作が行われる。全水平走査線の数は例えば2000であり、例えば記録媒体ホルダ100の停止動作を計数するカウンタを設け、このカウンタの値を判定することにより行われる。
【0043】
このように本実施形態では、記録媒体ホルダ100が所定時間の停止と所定量の移動とを繰り返しつつ、ラインセンサ44が画像を検知することにより、電子現像型記録媒体30a〜30dによって現像された画像信号が読み出される。
【0044】
このようにして全水平走査線の読み出しが完了すると(符号S51)、ラインセンサ44の駆動電源がオフ状態に切り換えられるとともに(符号S52)、光源42が消灯される(符号S53)。そしてシャッタ22が閉塞されるとともに(符号S54)、スキャナ系駆動信号の出力が停止されて(符号S55)移送モータ102が停止され、記録媒体ホルダ100が停止される(符号S56)。
【0045】
次いで記録媒体ホルダ100は、次の電子現像型記録媒体が撮影光学系12の光軸に対応する位置まで移動され、位置決めされる。そして上述した撮影動作と読出動作が繰り返され、全ての電子現像型記録媒体に対する露光が行われる。これにより、表示素子68において、全ての記録媒体の記録が完了したことが表示され、排出スイッチ19が押されると、電子現像型記録媒体30a〜30dはスロット18から排出される。
【0046】
以上のように本実施形態によれば、レリーズスイッチ14を操作することによって電子現像型記録媒体30a〜30dの電荷保持媒体32(分散型液晶表示素子)に被写体像が現像され、この被写体像は、その後、記録媒体ホルダ100を移動させつつラインセンサ44を駆動することにより検出され、画像記録装置67等によってICメモリカード等の記録媒体に記録される。電子現像型記録媒体30a〜30dとラインセンサ44との組合せから成る画像信号検出系は、CCDから成る2次元センサ(エリアセンサ)と比較して小形かつ安価であり、したがって、特に高精細画像を得る場合にその効果は大きい。また電荷保持媒体32に画像が保持されるため、ラインセンサ44による画像の読み取り動作は比較的遅くてもよく、読み出された画像信号を処理するための回路構成を複雑にする必要はない。
【0047】
さらに本実施形態によれば、記録媒体ホルダ100を移動させる間に電子現像型記録媒体の画像が読み出されるので、次の電子現像型記録媒体が撮影光学系12の後方に位置決めされると同時に、この電子現像型記録媒体への撮像動作を開始することができる。また、記録媒体ホルダ100を移動させる構成によると、ラインセンサ44を移動させる構成とは異なり、撮影動作毎にラインセンサ44を初期位置に戻す必要がないので、次の撮影動作を迅速に開始することができる。すなわち本実施形態によれば、複数回の撮影動作を短時間の間に実施することができる。
【0048】
なお、電子現像型記録媒体30a〜30dは上述した構成のものに限定されず、画像を電子的に現像するものであれば、他の構成であってもよい。
【0049】
また本発明は、上記実施形態のように一眼レフカメラに限定されず、レンズシャッタ式カメラにも適用できる。なおレンズシャッタ式カメラの場合には上記実施形態のようにスキャナ系駆動時に再びシャッタ22を開放する必要はない。
【0050】
さらに本発明は、電子現像型記録媒体の画像を読み出すために、電子現像型記録媒体を変位させるのではなく、ラインセンサ44を変位させるように構成してもよい。
【0051】
スキャナ光学系43は、単レンズの他、マイクロレンズアレー、セルフォックスレンズアレー等を利用することができる。
【0052】
またラインセンサ44は、電子現像型記録媒体30a〜30dにおいて反射した光を検出するように配設されていてもよい。
【0053】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、簡単な構成によって静止画像の信号を生成することができ、しかも複数回の撮影動作を短時間の間に実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を適用したスチルビデオカメラの外観図である。
【図2】図1のスチルビデオカメラの回路構成を示すブロック図である。
【図3】記録媒体ホルダおよびこれの近傍の構成を示す斜視図である。
【図4】電子現像型記録媒体の構成を示す図である。
【図5】撮像動作とラインセンサからの画素信号の読出し動作とを示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
12 撮影光学系(第1の光学系)
30a〜30d 電子現像型記録媒体
42 光源
43 スキャナ光学系(第2の光学系)
44 ラインセンサ
50 支持部材
100 記録媒体ホルダ
Claims (5)
- 第1の光学系と、
この第1の光学系によって結像された画像を撮影動作位置において電子的に現像する電子現像型記録媒体と、
この電子現像型記録媒体を照明する光源と、
前記光源による照明によって前記電子現像型記録媒体を透過もしくは反射した光の経路の途中に設けられた第2の光学系と、
この第2の光学系による前記画像の結像面であって、かつ前記電子現像型記録媒体が前記撮影動作位置に配置されるとき、前記電子現像型記録媒体の一端に対応した位置に配設されるラインセンサと、
前記撮影動作位置に配置された前記電子現像型記録媒体を、前記撮影動作位置から前記ラインセンサの長手方向とは異なる方向に移動させる記録媒体移動機構と、
前記記録媒体移動機構による前記電子現像型記録媒体の前記撮影動作位置からの移動中、前記電子現像型記録媒体に現像された画像を前記ラインセンサで読み取る画像読取手段とを備えた
ことを特徴とする画像信号入力装置。 - 複数の前記電子現像型記録媒体を前記記録媒体移動機構に移動方向に沿って配列させて保持する記録媒体ホルダを備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像信号入力装置。
- 前記電子現像型記録媒体が、画像に応じた電荷が発生する静電情報記録媒体と、この電荷に応じて可視像が発生するとともにこの可視像を保持可能な電荷保持媒体とを有することを特徴とする請求項1に記載の画像信号入力装置。
- 前記電荷保持媒体が分散型液晶表示素子であることを特徴とする請求項2に記載の画像信号入力装置。
- 前記第2の光学系は、前記電子現像型記録媒体とラインセンサの間に位置することを特徴とする請求項4に記載の画像信号入力装置。
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