JP3548267B2 - 電子現像型カメラの現像動作制御装置 - Google Patents

電子現像型カメラの現像動作制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、露光により得られた画像を電子的に現像する記録媒体を使用するカメラに関し、特にその記録媒体における現像動作を制御する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、撮影レンズにより得られた光学像を電子的に現像することができる写真材料が知られており、例えば特開平5−2280号公報には、静電情報記録媒体と電荷保持媒体とを組み合わせた記録媒体が開示されている。この明細書では、このような記録媒体を電子現像型記録媒体と呼び、また、この電子現像型記録媒体を用いたカメラを電子現像型カメラと呼ぶ。
【0003】
上記公報に記載された電子現像型記録媒体において、静電情報記録媒体は光導電層と無機酸化物層を有し、電荷保持媒体は液晶表示素子を有している。この構成では、静電情報記録媒体と電荷保持媒体に電圧が印加された状態で静電情報記録媒体が露光されると、入射光量に応じた電荷が静電情報記録媒体に生成される。静電情報記録媒体に対向して配置された液晶表示素子にかかる電界の強さは、その生成電荷に応じて変化するので、液晶表示素子には光量分布に応じた画像が表示すなわち現像される。
【0004】
一方特開平5−150251号公報には、液晶表示素子にかかる電界を除去しても液晶表示素子に表示された画像が保持される、分散型液晶表示素子が開示されている。
【0005】
上述したように、現像動作を行うためには電子現像型記録媒体に電圧を印加することが必要であり、この電圧印加は、例えばシャッタの開放動作の開始と同期して行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
電子現像型カメラにおいても通常のカメラと同様にストロボを発光させて撮影を行うことが可能であり、ストロボ発光は通常、シャッタが全開状態となった後に行われる。ところが、上述のようにシャッタの開放動作の開始と同期して電圧を印加する構成によると、電圧の印加からストロボ発光までに一定の時間を要し、この間の電圧印加は現像のために利用されず無駄となる。また、電子現像型記録媒体への電圧印加を露光よりも早く行うと、後述するように、液晶における画像の明部と暗部の電圧差が発生しにくくなり、画像のコントラストが低くなるという問題が生じる。
【0007】
本発明は、ストロボ発光による撮影において、無駄な電圧印加を極力防止するとともに、コントラストの高い画像を得ることができる電子現像型カメラの現像動作制御装置を提供することを目的としている。
【0008】
【問題を解決するための手段】
本発明に係る電子現像型カメラの現像動作制御装置は、画像を電子的に現像する電子現像型記録媒体と、この電子現像型記録媒体の現像動作を可能にするために記録媒体活性化信号を出力する手段と、ストロボ発光の要否を判断する手段と、ストロボ発光が必要であるとき、所定のタイミングでストロボを発光させるストロボ制御手段とを備え、ストロボの発光と記録媒体活性化信号の出力とが実質的に同時に行われることを特徴としている。
【0009】
【実施例】
以下図示実施例により本発明を説明する。
図1は本発明の一実施例を適用したスチルビデオカメラの外観図である。このスチルビデオカメラは電子現像型カメラであり、電子現像型記録媒体によって画像を現像するように構成されている。
【0010】
カメラ本体11を前方から見ると、前面の略中央には撮影レンズ等を備えた撮像光学系12が設けられ、撮像光学系12の右上方にはストロボ13が配設されている。またストロボ13とは反対側にはレリーズスイッチ14が設けられている。ファインダ15はカメラ本体11の上面の中央部に設けられ、スキャンスタートスイッチ16等の操作スイッチはファインダ15の側方に設けられている。このカメラにより得られた画像信号を外部の記録装置等に出力するため、カメラ本体11の側面の下部には出力端子17が配設されている。
【0011】
図2はスチルビデオカメラのブロック図である。
システムコントロール回路20はマイクロコンピュータであり、本スチルビデオカメラの全体の制御を行う。
【0012】
撮像光学系12には複数のレンズ群の他、絞り12aが設けられている。撮像光学系12の後方には、後述する電子現像型記録媒体30が配設され、撮像光学系12と電子現像型記録媒体30の間にはクイックリターンミラー21が設けられ、クイックリターンミラー21と電子現像型記録媒体30の間にはシャッタ22が設けられている。クイックリターンミラー21の上方にはファインダ光学系23のピント板23aが配設されている。
【0013】
絞り12a、クイックリターンミラー21およびシャッタ22は、それぞれアイリス駆動回路24、ミラー駆動回路25およびシャッタ駆動回路26によって駆動され、これらの回路24、25、26は露出制御回路27により制御される。露出制御回路27はシステムコントロール回路20から出力される指令信号に従って動作する。すなわち、露出制御時、測光センサ28からの出力信号に基づく露出制御回路27の制御に従って、絞り12aはアイリス駆動回路24により開度を調整される。クイックリターンミラー21は通常、ダウン位置(実線により示される傾斜状態)に定められ、撮像光学系12を通過した光をファインダ光学系23に導いているが、撮影動作時、露出制御回路27の制御に従い、ミラー駆動回路25によって上方に回動せしめられアップ位置(破線により示される水平状態)に定められる。シャッタ22は電子現像型記録媒体30に導かれる光路を開閉するものであり通常閉塞しているが、撮影動作時、露出制御回路27の制御に従って、シャッタ駆動回路26によって所定時間開放され、これにより撮像光学系12を通過した光が電子現像型記録媒体30の受光面に照射される。
【0014】
電子現像型記録媒体30は記録媒体駆動回路41の制御に基づいて電圧を印加され、この電圧印加の間に露光されることによって電子現像型記録媒体30には、後述するように、撮像光学系12によって結像された画像が可視像として現像される。なお記録媒体駆動回路41は、システムコントロール回路20から出力される指令信号に従って動作する。
【0015】
電子現像型記録媒体30の近傍には副走査機構50が設けられている。副走査機構50には、例えば蛍光灯から成る光源42とスキャナ光学系43とラインセンサ44がそれぞれ支持されており、これらは副走査機構50による副走査によって電子現像型記録媒体30に沿って移動する。ラインセンサ44は、例えば2000画素のCCD1次元センサ等を用いることができる。光源42は、シャッタ22の前面すなわち電子現像型記録媒体30の前面に沿って移動可能であり、ラインセンサ44は電子現像型記録媒体30の背面に沿って移動可能である。スキャナ光学系43は光源42とラインセンサ44の間に設けられている。副走査機構50による副走査において、光源42は電子現像型記録媒体30に対してラインセンサ44とは反対側に位置し、したがって電子現像型記録媒体30により現像された画像は、光源42によって照明され、スキャナ光学系43の作用によってラインセンサ44の受光面に結像される。すなわちスキャナ光学系43は電子現像型記録媒体30を透過した光の経路の途中に設けられ、またラインセンサ44はスキャナ光学系43による画像の結像面上を移動する。
【0016】
光源42のオンオフ制御は照明光源駆動回路45により行われ、ラインセンサ44に発生した画素信号の読出し動作等の制御はラインセンサ駆動回路47により行われる。副走査機構50の移動の制御はスキャナ系駆動回路46により行われる。これらの回路45、46、47はシステムコントロール回路20により制御される。
【0017】
ラインセンサ44から読み出された画素信号は、アンプ61により増幅され、A/D変換器62によってデジタル信号に変換される。デジタルの画素信号は、システムコントロール回路20の制御に従って、画像処理回路63においてシェーディング補正、ドロップアウト補正およびガンマ補正等の処理を施された後、メモリ64に一時的に格納される。なおメモリ64は、ラインセンサ44から出力される1水平走査線分だけの記憶容量を有していてもよいが、1フレーム分の記憶容量を有するメモリであってもよい。また、メモリ64はシェーディング補正等の補正値を格納するEPROMを備えていてもよい。
【0018】
メモリ64から読み出された画素信号は、画像処理回路63からインターフェイス回路65に入力されてフォーマットの変換等の所定の処理を施され、出力端子17を介して外部のディスプレイ装置(図示せず)等に出力可能である。また画像処理回路63から出力された画素信号は、記録装置制御回路66において、画像圧縮あるいはフォーマットの変換等の所定の処理を施され、画像記録装置67において例えばICメモリカード等の記録媒体に記録可能である。インターフェイス回路65と記録装置制御回路66はシステムコントロール回路20からの指令信号に従って動作する。
【0019】
システムコントロール回路20には、レリーズスイッチ14、スキャンスタートスイッチ16、オートストロボ選択スイッチおよびストロボスイッチ等を備えた操作部71が接続されている。レリーズスイッチ14の操作によって撮像動作が行われ、スキャンスタートスイッチ16の操作によって画像信号の電子現像型記録媒体30からの読出し動作が行われる。オートストロボ選択スイッチはストロボ13の発光を被写体輝度に応じて行うオートストロボのモードを選択するためのスイッチであり、ストロボスイッチはストロボ13を強制的に発光させるためのスイッチである。
【0020】
またシステムコントロール回路20には、このスチルビデオカメラの種々の設定状態等を表示するための表示素子68と、ストロボ13の発光制御を行うためのストロボ駆動回路69と、ストロボ発光によって被写体から反射された光の量を検出する反射光センサ72とが接続されている。
【0021】
図3は、副走査機構50およびこれの近傍の構成を示す斜視図である。
副走査機構50の移動部材52は、一対のガイドシャフト51に摺動自在に支持され、第1および第2の脚部52a、52bと支持部52cを有する。第1の脚部52aは、クイックリターンミラー21とシャッタ22の間に張り出し、第2の脚部52bは、電子現像型記録媒体30の背面側に張り出している。支持部52cは第2の脚部52bのさらに後方に設けられている。光源42は第1の脚部52aに、スキャナ光学系43は第2の脚部52bに、ラインセンサ44は支持部52cに、それぞれ取りつけられる。光源42とラインセンサ44は、共に水平方向に延びている。移動部材52に固定されたラック53はピニオン54に噛合し、このピニオン54は、スキャン駆動モータ55の出力軸に設けられたギア56に噛合している。
【0022】
撮影動作以外の時、移動部材52は撮像光学系12と電子現像型記録媒体30の間の光路から外れた位置、例えば電子現像型記録媒体30よりも下方に位置している。撮像動作が完了して電子現像型記録媒体30において画像が現像された後、スキャンスタートスイッチ16の操作によって、スキャン駆動モータ55が回動し、移動部材52が上昇してラインセンサ44による副走査が行われ、ラインセンサ44はその長手方向に直交する方向に走査する。
【0023】
図4は電子現像型記録媒体30の構成を示す図であり、これは特開平5−2280号公報に開示されたものと同じである。
すなわち電子現像型記録媒体30は静電情報記録媒体31と電荷保持媒体32と電源33とを備えている。静電情報記録媒体31は、基板34、電極層35、無機酸化物層36および光導電層37を積層して成り、光導電層37は電荷発生層37aと電荷輸送層37bを重合させて構成される。電荷保持媒体32は、液晶支持体38と液晶電極層39の間に液晶40を封入して構成される。静電情報記録媒体31の電荷輸送層37bと電荷保持媒体32の液晶支持体38とは微小間隙をもって対向している。
【0024】
電源33は記録媒体駆動回路41によりオンオフ制御され、電源33がオン状態のとき、電極層35と液晶電極層39の間、すなわち静電情報記録媒体31と電荷保持媒体32に電圧が印加される。この電圧印加状態で静電情報記録媒体31が露光されると、静電情報記録媒体31には、画像に応じた電荷が発生する。この電荷に応じて、液晶40に作用する電界の強さが変化するため、液晶40には、その画像が可視像として表示され、被写体像が現像される。この電荷保持媒体32は分散型液晶表示素子であり、現像された可視像は電界を除去しても保持される。分散型液晶表示素子は、加熱装置(図示せず)を用いて所定の温度に加熱することにより、現像された可視像を消去させることもでき、その場合は繰り返し同一記録媒体を用いることもできる。
【0025】
図5および図6は撮像動作のフローチャートであり、図7〜図9は撮像動作のタイミングチャートである。これらの図を参照して、本実施例の作用を説明する。
【0026】
まず図7に示す動作、すなわち、操作部71のオートストロボ選択スイッチがオートストロボを選択するように切り替えられており、かつ被写体が暗いためにストロボ発光が必要である場合の動作を説明する。なおオートストロボは、露出演算の結果に応じてストロボの発光を決定するモードである。
【0027】
ステップ101においてレリーズスイッチ14が押下されたことが検知されると(符号S11)、ステップ102において、測光センサ28からの出力信号すなわち測光値が検出される。ステップ103では、この測光値に基づいて露出演算が開始される(符号S12)。ステップ104において露出演算が完了したことが確認されると(符号S14)、ステップ105において、オートストロボ選択スイッチがオートストロボを選択するように切り替えられているか否かが判定される。ここではオートストロボが選択されていると仮定しているので、次にステップ106が実行され、露出演算値が所定値よりも大きいか否かが判定される。図5と図6に示す例では、露出演算値が所定値よりも小さく、ストロボ発光が必要であると判断されるので、ステップ108において、ストロボ発光が必要であることを示す信号(以下、ストロボ発光要否信号という)が出力される(符号F1)。
【0028】
ステップ110では、絞り12aの開度が全開状態から所定開度まで変化し(符号S15)、またクイックリターンミラー21がダウン状態からアップ状態に変化する(符号S16)。ステップ111においてミラー21のアップ状態への変化と絞り12aの開度調整が完了したことが確認されると、ステップ112において、シャッタ22が開放し始める(符号S17)。本実施例では、シャッタ22はフォーカルプレーンシャッタであり、したがってステップ112ではシャッタチャージのためのマグネットが消磁される。
【0029】
ステップ113ではストロボ発光要否信号が出力されているか否かが判定される。図5と図6の例では、ステップ108においてストロボ発光要否信号が出力されているので、ステップ113からステップ114へ進み、シャッタ22の開放動作が完了したか否かが判定される。この完了の判定は、ステップ112におけるシャッタ22の開放動作からの時間、すなわちマグネットが消磁されてからの経過時間を計測することによって行われる。シャッタ22が全開状態になると(符号F2)、ステップ115においてストロボ発光が開始され(符号F3)、ステップ116において記録媒体活性化信号が出力される(符号F4)。すなわちストロボ発光と記録媒体活性化信号の出力は実質的に同時に行われ、またシャッタ22の開放動作に連動している。この記録媒体活性化信号の出力によって、電子現像型記録媒体30に所定の電圧が印加され、この状態で露光されることにより、電子現像型記録媒体30には被写体像が可視像として現像される。この可視像は記録媒体活性化信号の出力が停止しても保持される。
【0030】
露出演算により求められた露出時間が経過し、ステップ117において露出が完了したことが検出されると、ステップ118においてシャッタ22が閉じる(符号S18)。このシャッタ22の閉塞動作の完了に伴ってステップ119が実行され、ミラー21がダウン状態に変化するとともに(符号S19)、絞り12aが全開状態まで開放する(符号S20)。なお露出時間の間において、反射光センサ72によって検出された光量が所定値に達すると、ストロボ発光が停止される(符号F5)。また露出時間の終了とともに、ストロボ発光要否信号の出力が停止される(符号F6)。
【0031】
ステップ120では記録媒体活性化信号の出力が停止される(符号F7)。次いでステップ121において、ミラー21と絞り12aが初期状態に復帰したことが確認されると、ステップ122においてミラー21と絞り12aの駆動が停止され、この撮像動作ルーチンは終了する。
【0032】
次に図5、図6および図8を参照して、オートストロボ選択スイッチがオートストロボを選択するように切り替えられているが、被写体が明るいためにストロボ発光が不要である場合の動作を説明する。なおストロボ発光の制御以外については図7の動作と同様である。
【0033】
ステップ101〜105までの動作は上述した通りであり、ステップ106では露出演算値が所定値よりも大きいと判断される。したがってステップ109が実行され、ストロボ発光要否信号は出力されない(符号F11)。次いでステップ110〜112が実行された後、ステップ113においてストロボ発光は不要であると判断されるため、ステップ114、115がスキップされてストロボ発光は行われず(符号F12)、ステップ116において記録媒体活性化信号が出力される(符号F4)。すなわち、この動作では、シャッタ22の開放動作の開始と同時に記録媒体活性化信号が出力される。その他の動作はストロボ発光要否信号が出力される場合(図7)と同様であるので、説明を省略する。
【0034】
次に、オートストロボ選択スイッチがオートストロボを選択するように切り替えられていない場合、すなわちストロボ発光をマニュアル操作によって設定する場合を説明する。
【0035】
被写体が明るいが、ストロボを強制的に発光させる場合、操作部71のストロボスイッチが撮影者によってオン状態に定められる。したがってステップ105からステップ107に移り、ストロボスイッチがオン状態であると判断されるため、ステップ108が実行される。すなわち、図9に示すようにストロボ発光要否信号が出力される(符号F13)。したがってステップ113においてストロボ発光要否信号が出力されていると判定され、図7の例と同様に、ステップ114以下が実行されてストロボ発光が行われる。
【0036】
被写体が暗いが、ストロボを発光させない場合も同様に、ストロボスイッチがオフ状態に定められる。したがってステップ107においてストロボスイッチがオフ状態であると判断されるため、ステップ109が実行され、図8に示すようにストロボ発光要否信号は出力されない(符号F11)。したがってステップ113からステップ116へ移ってストロボ発光は行われず(符号F12)、以下、ステップ117〜122が実行される。
【0037】
以上のように本実施例では、ストロボ13を発光させる場合、ストロボ発光と実質的に同時に記録媒体活性化信号が出力される。すなわちストロボ発光と同時に、電子現像型記録媒体30に電圧が印加される。したがって電子現像型記録媒体30における現像動作の開始前に電圧は印加されず、無駄な電圧印加が防止される。
【0038】
また本実施例では、記録媒体活性化信号はシャッタ22の開放動作に連動して出力される。すなわち電子現像型記録媒体への電圧印加の開始は露光の開始と同時に行われる。したがって電子現像型記録媒体30の液晶40に発生する電圧Vの時間的変化を見ると、図10に示すように、初期において、画像の暗部の電圧上昇(符号P1)に対して明部の電圧上昇(符号P2)の方が急激であり、時間tにおいて、明部の電圧Vと暗部の電圧Vとの差D1は最大となる。これに対し、電圧印加を開始してから時間tが経過した時に露光を開始すると、図11に示すように、暗部の電圧上昇(符号P3)に対する明部の電圧上昇(符号P4)の割合は図10の場合ほど急激ではない。したがって、時間tにおいて明部の電圧V’と暗部の電圧V’との差D2は最大となるが、この差D2は図10の差D1よりも小さい。すなわち画像のコントラストは、電圧印加の開始は露光の開始とを同時に行った場合に最大となる。なお図11における時間tから時間tまでの長さは、図10における時間0から時間tまでの長さに略等しい。
【0039】
このように露光開始のタイミングによって画像のコントラストが変化するのは次の理由による。暗部における電圧は電圧印加の開始から所定の割合で上昇し、その上昇の割合は、暗部では受光量がほとんどないために、符号P1、P3により示すように常にほぼ一定である。これに対して明部における電圧の上昇の割合は、露光の開始からの時間によって変化するため、時間tにおいて露光を開始するとその時点から徐々に上昇し始める。したがって露光開始が電圧印加よりも遅いと、明部と暗部の電圧差は小さくなり、画像のコントラストは低くなる。
【0040】
上述のように本実施例は、記録媒体活性化信号の出力と露光の開始とを実質的に同時に開始するように構成されており、また電圧印加は明部と暗部の電圧差D1が最大になった時に停止されるように構成されている。したがって十分に高いコントラストの画像を得ることができる。
【0041】
なお、電子現像型記録媒体30は上述した構成のものに限定されず、画像を電子的に現像するものであれば、他の構成であってもよい。
【0042】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、ストロボ発光による撮影において、無駄な電圧印加を極力防止するとともに、コントラストの高い画像を得ることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を適用したスチルビデオカメラの外観図である。
【図2】図1のスチルビデオカメラの回路構成を示すブロック図である。
【図3】副走査機構およびこれの近傍の構成を示す斜視図である。
【図4】電子現像型記録媒体の構成を示す図である。
【図5】撮像動作のフローチャートである。
【図6】撮像動作のフローチャートである。
【図7】オートストロボが選択され、かつ被写体が暗いためにストロボ発光が必要である場合の動作を示すタイミングチャートである。
【図8】ストロボ発光を行わない場合の動作を示すタイミングチャートである。
【図9】被写体が明るいが、ストロボを強制的に発光させる場合の動作を示すタイミングチャートである。
【図10】電圧の印加時間と電子現像型記録媒体の液晶層に発生する電圧との関係を示し、露光と電圧印加を同時に開始した場合を示す図である。
【図11】電圧の印加時間と電子現像型記録媒体の液晶層に発生する電圧との関係を示し、露光を電圧印加よりも後に開始した場合を示す図である。
【符号の説明】
13 ストロボ
30 電子現像型記録媒体

Claims (6)

  1. 画像を電子的に現像する電子現像型記録媒体と、
    この電子現像型記録媒体の現像動作を可能にするために記録媒体活性化信号を出力する手段と、
    ストロボ発光の要否を判断する手段と、
    ストロボ発光が必要であるとき、ストロボを発光させるストロボ制御手段とを備え、
    前記ストロボの発光と前記記録媒体活性化信号の出力とが同時に行われることを特徴とする電子現像型カメラの現像動作制御装置。
  2. 前記電子現像型記録媒体に導かれる光路を開閉するシャッタを備え、前記ストロボの発光と前記記録媒体活性化信号の出力とが、前記シャッタの開放動作に連動して行われることを特徴とする請求項1に記載の電子現像型カメラの現像動作制御装置。
  3. 前記ストロボの発光と前記記録媒体活性化信号の出力とが、前記シャッタが全開状態になってから行われることを特徴とする請求項2に記載の電子現像型カメラの現像動作制御装置。
  4. 前記記録媒体活性化信号出力手段は、ストロボ発光が不要であるとき、前記シャッタの開放動作の開始と同時に前記記録媒体活性化信号を出力することを特徴とする請求項2に記載の電子現像型カメラの現像動作制御装置。
  5. 前記電子現像型記録媒体が、画像に応じた電荷が発生する静電情報記録媒体と、この電荷に応じて可視像が発生するとともにこの可視像を保持可能な電荷保持媒体とを有することを特徴とする請求項1に記載の電子現像型カメラの現像動作制御装置。
  6. 前記電荷保持媒体が分散型液晶表示素子であることを特徴とする請求項5に記載の電子現像型カメラの現像動作制御装置。
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